JP4990238B2 - 燃焼診断システムを備えたモーターサイクル - Google Patents

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Description

本発明は、診断システムを搭載したモーターサイクル(場合によって、オートバイと呼ばれる)に関し、特に、燃焼が生じたかどうかを判定し、スパーク(火花)発生回路の接続が断続する(一時的に途切れる)状態にあるかどうか、すなわち、スパーク(火花)発生回路が断続的接続状態にあるかどうかを判定するために、イオン信号を分析するシステムを搭載したモーターサイクルに関する。
理想的には、エンジンの燃焼室内での燃焼は、スパークプラグから制御された燃焼波に沿って可燃性混合気中に伝搬する。燃焼室内における局所圧力と熱の組合せが、自然燃焼に必要な所要の局所圧力及び熱よりも大きい場合にノッキングが生じる。この結果、自然燃焼又は自己発火が燃焼波に先だって生じることになる。
4気筒(4シリンダ)水冷式自動車エンジンでは、ノッキングを制御することが知られている。一方法では、スパークプラグのスパークギャップを横切って生じるイオン化を表すイオン信号を得ることが必要である。イオン信号を得た後、制御装置は、ノッキングが制御室内に存在しているかどうかを検出する。制御装置がノッキングを検出すると、制御装置はスパーク発生事象の時期(タイミング)を変えることになる。しかしながら、従来型2気筒(2シリンダ)空冷モーターサイクルエンジンは、エンジン内のノッキングを制御するようにはなっておらず、結果的に出力の損失を生じざるを得なかった。従来型モーターサイクルは、必要な制御方式及びノッキングの制御を行うのに必要な処理能力を備えていなかった。
2気筒空冷エンジン(例えば、2気筒空冷モーターサイクルエンジン)の特徴のうちの1つは、エンジンが水冷エンジン(例えば、水冷自動車用エンジン)よりも非常に高温で動作するということにある。これに関する最も明白な理由は、水冷エンジンが熱の除去を促進する冷却剤を用い、これに対し、空冷エンジンは実質的に熱除去のために空気流を利用していることにある。この問題は、周囲が暖かい状況でモーターサイクルが走行する場合に深刻になる。モーターサイクルのエンジンの稼動温度の増大及び取入れ空気の温度の増大の結果として、燃焼室内の温度が増大し、その結果、モーターサイクルはノッキングを一層生じやすくなる。
2気筒空冷モーターサイクルエンジンで生じる別の問題は、空冷エンジンが水冷エンジンの場合よりもエンジン温度範囲が広いということにある。即ち、空冷エンジンには液体冷却剤が入っていないので、エンジンの温度は水冷エンジンの場合よりも広い温度範囲にわたって変化する。さらに、大多数のモーターサイクルエンジンは、ピーク出力又はピーク時でのスパーク時期について校正することができない。これらモーターサイクルエンジンは、ピーク圧力で校正される。というのは、このピーク圧力は、エンジンの出力の最大量をノッキングによる損傷を生じないで達成できる点だからである。校正が高温でどれほど控え目であるかに応じて、ノッキングが問題となる場合がある。
ノッキングは、一方のシリンダが他方の前に位置した2気筒V形ツイン空冷モーターサイクルエンジンでは顕著にみられる。かかるエンジンでは、リヤ側シリンダは代表的には、フロント側シリンダよりも高温で動作する。というのは、リヤ側シリンダが受ける空気流はフロント側シリンダの受ける空気流よりも少ないからである。リヤ側シリンダに関する温度の増大の結果として、リヤ側シリンダはフロント側シリンダよりもノッキングを生じやすい。したがって、2気筒空冷モーターサイクルエンジン、特に、2気筒V形ツイン空冷モーターサイクルエンジンにおいてノッキングの制御を行なう制御装置を提供することが有利である。
本発明は、フレームと、フレームに対して回転自在にフレームに結合された前輪及び後輪と、フレームに取り付けられた2気筒エンジンとを有するモーターサイクルを提供する。エンジンは、ハウジングと、ハウジング内に回転自在に設けられたクランクシャフトと、第1及び第2の燃焼室をそれぞれ備えた第1及び第2のシリンダと、第1及び第2のシリンダ内でそれぞれ往復動する第1及び第2のピストンとを有する。モーターサイクルのエンジンは好ましくは、一方のシリンダが他方の前に位置した2気筒V形ツイン空冷エンジンである。モーターサイクルは、第1の燃焼室に対して露出関係にあるスパークギャップを備えたスパークプラグを含むスパーク発生回路を更に有する。スパーク発生回路は、スパーク誘発信号に応動してスパークギャップを横切ってスパークを生じさせる。モーターサイクルは、スパークギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を発生させるよう動作できるイオン検出回路を更に有する。モーターサイクルは、イオン信号回路及びスパーク発生回路に電気的に接続された分析モジュールを更に有している。分析モジュールは、タイミングをとった順序でスパーク誘発信号を発生させ、イオン信号発生回路からイオン信号を受け取り、イオン信号中のノッキングの強度を測定し、ノッキングが第1のシリンダ内で生じているらしいことが分かるとこれに応動してタイミング順序を修正する。
モーターサイクルは、燃料噴射器回路を備えた燃料噴射器を更に有するのがよい。燃料噴射器は、燃料噴射器回路に送られている燃料噴射器信号に応動して燃焼室に或る量の燃料を供給する。燃料噴射器回路は、分析モジュールに電気的に接続されている。分析モジュールは、燃料噴射器信号を出力し、ノッキングが第1のシリンダ内で生じているらしいことが分かると、これに応動して燃料噴射器信号を修整する。
モーターサイクルは、第1のスパーク発生回路と実質的に同一の第2のスパーク発生回路及び第2のシリンダに用いられる第2のイオン信号回路を更に有するのがよい。分析モジュールは、第2のイオン信号回路及び第2のスパーク発生回路に電気的に接続され、第2のタイミング順序を修正するよう上述した機能を実行する。第2の回路を設けることにより、第1及び第2のシリンダの別々の制御が容易になる。
第2の実施形態では、本発明は、スパークプラグを有するスパーク発生回路を備えたモーターサイクルを提供する。スパークプラグは、第1の燃焼室に対して露出関係にあるスパークギャップを有する。スパーク発生回路は、スパーク誘発信号に応動してスパークギャップを横切ってスパークを生じさせる。モーターサイクルは、スパークギャップを横切って生じているイオン電流を表すイオン信号を生じさせるイオン信号回路を更に有している。モーターサイクルは、イオン信号を受け取り、ノッキング強度信号を出力する調整チップを更に有している。モーターサイクルは、プロセッサ及びプロセッサを動作させてスパーク誘発信号をタイミングを取った順序で出力させ、ノッキング強度信号が第1のシリンダ内のノッキングを表しているかどうかを判定し、ノッキングが第1のシリンダ内で生じているらしいことが分かると、これに応動してタイミング順序を修正する。
本発明は、モーターサイクルの2気筒エンジン内におけるスパーク発生事象を変化させる方法を更に提供する。この方法は、モーターサイクルを準備する段階(行為)と、第1のピストンが第1の位置にあるときにモーターサイクルの第1の燃焼室内に第1のスパークプラグで第1のスパークを生じさせる段階と、第1のスパークプラグギャップを横切るイオン電流を表すイオン信号を得る段階と、イオン信号が第1のシリンダ内でノッキングが生じていることを指示しているかどうかを判定する段階と、ピストンが第2の位置にあるときに、ノッキングが第1のシリンダ内で生じているらしいことが分かると、これに応動して第1の燃焼室内に第1のスパークプラグで第2のスパークを発生させる段階とを有している。一実施形態では、第2の位置は第1の位置とは異なっている。
本発明は、ノッキングがモーターサイクルエンジン内に存在しているかどうかを判定するソフトウェアプログラムを更に提供する。ソフトウェアプログラムは、第1のシリンダ内の第1のピストンの位置を表す位置信号を繰り返しサンプリングし、ピストンが第1の位置にあるときに、第1のシリンダ内に第1のスパークを生じさせることになる第1のスパーク信号を発生させ、イオン信号のノッキングの強い部分をサンプリングし、閾値を用意し、サンプルと閾値とを比較してノッキングが第1のシリンダ内に存在しているかどうかを判定し、ピストンが第2の位置にあるときに、第1のシリンダ内に存在しているノッキングに応答して、第1の燃焼室内に第2のスパークを生じさせることになる第2のスパーク信号を発生させることによって、ノッキングを検出する。
ノッキングがモーターサイクル内に存在しているかどうかを判定することに加えて、イオン信号を更に分析すると、シリンダのうちの一方がスパーク誘発信号に応動して燃焼を生じさせなかったかどうかを判定することができる。即ち、マイクロプロセッサがシリンダのうちの一方についてスパーク誘発信号を発生すると、理想的には、これに対応したスパークプラグはスパークをスパークギャップ内に生じさせ、その結果として燃焼が起こる。燃焼中、ガスはそれによりイオン化してイオン電流を生じさせる。生じるイオン電流が低い場合又は0の場合、燃焼は適正には生じない。これは、スパークプラグが誤作動を起こしている場合、スパークプラグケーブルが外れている場合、燃料系統内に異常が生じている場合等に起こる場合がある。かかる事象は、たとえシリンダ内で少量の燃料の燃焼が事実生じている場合でも一般に不燃事象と呼ばれる。したがって、イオン信号を更に分析すると、スパーク誘発信号の結果としてスパーク発生事象が生じているかどうかを判定することができる。
したがって、別の実施形態では、本発明は更に、フレームと、フレームに対して回転自在にフレームに結合された前輪及び後輪と、2気筒エンジンとを有するモーターサイクルを提供する。エンジンは、ハウジング、それぞれ第1及び第2の燃焼室を備えた第1及び第2のシリンダ、及びそれぞれ第1及び第2の燃焼室内で往復動する第1及び第2のピストンを有する。モーターサイクルは、第1の燃焼室に対して露出関係にあるスパークギャップを備えたスパークプラグを含むスパーク発生回路と、スパークプラグを含み、スパークギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を発生させるよう動作できるイオン検出回路と、イオン検出回路に結合された分析モジュールとを更に有する。分析モジュールは、イオン信号を受け取り、イオン信号を分析して第1のシリンダ内で不燃事象が生じたかどうかを判定する。
本発明はまた、不燃事象がモーターサイクルの2気筒エンジン内で生じているかどうかを判定する方法を提供する。この方法は、モーターサイクルを準備する段階と、スパーク誘発信号をスパーク発生回路に印加する段階と、第1のスパークプラグギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を得る段階と、イオン信号を分析して、スパーク誘発信号をスパーク発生回路に印加した際に不燃事象が結果的に生じたかどうかを判定する段階とを有する。
イオン信号を更に分析すると、断続的接続状態がスパーク発生回路内で生じているかどうかを判定することができる。断続的接続状態の結果として、電流経路が不連続となり、ノッキング信号内に追加のノイズが生じる。例えば、断続的接続は、緩みの生じている(又は接続不良の)スパークプラグケーブル又は緩みの生じているスパークプラグが原因となっている場合がある。
したがって、更に別の実施形態では、本発明は、フレームと、フレームに対して回転自在にフレームに結合された少なくとも2つの車輪と、エンジンとを有する車両(例えば、モーターサイクル)を提供する。エンジンは、ハウジング、第1の燃焼室を備えた第1のシリンダ及び第1のシリンダ内で往復動する第1のピストンを有する。車両は、スパークプラグを含み、スパークギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を発生させるよう動作できるスパーク発生回路と、スパークプラグを含み、スパークギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を発生させるよう動作できるイオン検出回路と、イオン信号回路に結合されていて、イオン信号を受け取り、イオン信号を分析してスパーク発生回路が断続的接続状態を生じているかどうかを判定する分析モジュールとを更に有する。
本発明は又、車両のスパーク発生回路が断続的接続状態になっているかどうかを判定する方法を提供する。この方法は、エンジンを備えた車両を準備する段階と、第1のスパークプラグにより燃焼室内にスパークを生じさせる段階と、スパークプラグギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を得る段階と、イオン信号を分析してスパーク発生回路が断続的接続状態になっているかどうかを判定する段階とを有する。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面を参照すると当業者には明らかになろう。
本発明の一実施形態を詳細に説明する前に、本発明の用途は、以下の説明に記載し又は図面に示す構成部品の構成及び配置の細部に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、他の実施形態で実施でき且つ種々の方法で実施できる。また、本明細書で用いる言い回し及び用語は、説明のためであって本発明を限定するものと解釈されてはならない。「〜を含む」及び「〜を有する」並びに本明細書において用いられるこれらの変形表現は、使用上、「〜」にあたる構成要件及びその均等範囲並びに追加の構成要件を含むものである。「〜から成る」及び本明細書で用いるこの変形表現は、使用上、「〜」にあたる構成要件だけを含むものである。方法又は工程の構成要件を識別する文字の使用は、単に識別のためであり、構成要件を特定の順序で実施しなければならないということを示すものではない。
本発明を具体化したモーターサイクル100が図1に示されている。モーターサイクルは、フレーム105と、前輪110及び後輪115と、シート120と、燃料タンク125と、エンジン130とを有している。前輪110及び後輪115は、フレーム105に対して回転し、フレーム105を地面の上に支持する。エンジン130は、フレーム105に取り付けられていて、トランスミッション135及び駆動ベルト(図示せず)を介して後輪115を駆動する。シート120及び燃料タンク125も又フレーム105に取り付けられている。図1に示すエンジン130は、第1のシリンダ140及び第2のシリンダ145(例えば、それぞれフロント側シリンダ及びリヤ側シリンダ)を搭載した2気筒空冷V形ツインエンジンである。
図2を参照すると、クランクシャフト150を有し、このクランクシャフトにはこれと一緒に回転するようクランクギヤ155が取り付けられている。図示のクランクギヤ155は、クランクギヤ155の周囲にぐるりと32個の歯をもたらすような寸法及び相互間隔の歯160を有している。歯のうちの2つが除去されており、これにより、クランクギヤ155にスペースが得られる。本明細書においては、このスペースをインジケータ165と称する。この点に関し、クランクギヤ155は、30個の歯160及び別の2つの歯が除去され又は設けられていないスペースを占めるインジケータ165を有している。変形例として、インジケータ165を、クランクギヤに設けた余分の歯又はクランクシャフト上の特定の場所を指示する任意他の適当な手段によって設けてもよい。
第1のシリンダ140及び第2のシリンダ145はコンロッド(連接棒)180によりクランクシャフト150に連結された第1のピストン170及び第2のピストン175をそれぞれ有している。第1及び第2のシリンダ140,145はそれぞれ第1及び第2の燃焼室185,190を有している。図示のクランクシャフト150は、コンロッド180の両方を取り付けた単一のクランクピン195を有している。クランクシャフト速度センサ196が、好ましくはクランクギヤ155の近傍でエンジン130に取り付けられている。クランクシャフト速度センサ196及びクランクシャフトセンサ回路200(概略的に図3に示されている)は、クランクシャフト速度信号を分析モジュール205に提供する。分析モジュール205は、クランクシャフト速度信号に基づいて第1及び第2のシリンダ140,145内での第1及び第2のピストン170,175の場所を求めてこれに対応したクランクシャフト位置信号を発生させることができる。例えば、クランクシャフト位置信号に基づいて、プロセッサは、インジケータ165の場所を検出し、歯160をカウントして、第1のピストン140が上死点にあり、第2のピストン145が或る別の位置にあるかどうかを判定することができる。第1及び第2のシリンダ140,145内での第1及び第2のピストン170,175の場所を求める例示の方法が、2000年7月20日に出願された米国特許出願第09/620,014号(発明の名称:MOTORCYCLE HAVING SYSTEM FOR DETERMINING ENGINE PHASE )に開示されており、この米国特許出願の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。当然のことながら、他のセンサ及び(又は)方法を用いても第1及び第2のシリンダ140,145内での第1及び第2のピストン170,175の場所を求めることができる。
エンジン130は、それぞれ第1及び第2のシリンダ140,145の近傍でエンジンに取り付けられた第1及び第2の燃料噴射器210,215を更に有している。第1の燃料噴射器210は、信号がこの燃料噴射器210に与えられると、燃料を第1の吸気弁217の近くで吸気マニホルド216に注入する。第1の燃料噴射器信号は、第1の燃料噴射器回路219(図3)によって第1の燃料噴射器に与えられ、分析モジュール205によって出力される。これと同様に、第2の燃料噴射器215は、信号がこの燃料噴射器215に与えられると、燃料を第2の吸気弁218の近くで吸気マニホルド216に注入する。第2の燃料噴射器信号は、第2の燃料噴射器回路221(図3)によって第2の燃料噴射器に与えられ、分析モジュール205によって出力される。第1及び第2の燃料噴射器210,215と第1及び第2の燃料噴射器回路219,221は、周知であり、詳細には説明しない。
エンジン130は、それぞれシリンダ140,145のための第1及び第2のスパークプラグ220,225を更に有している。第1及び第2のスパークプラグ220,225は、それぞれ第1及び第2の燃焼室185,190と関連し又はこれらに通じる第1及び第2のスパークギャップ230,235をそれぞれ有している。理想的には、第1のスパーク発生回路は、第1のスパーク誘発信号が分析モジュール205によって出力されると、これに応動して第1のスパークをギャップ230を横切って生じさせる第1のスパーク信号を生じさせる。図3に示すように、スパーク発生信号は、第1のスイッチ240と、第1の一次巻線又はコイル245と、第1の二次巻線又はコイル250と、スパークプラグ220とを有している。第1の二次巻線250、第1のスパークプラグ220及び第1のスパークプラグケーブル252は、第1の点火二次回路を構成する。
これと同様に、第2のスパークが、第2のスパーク信号を第2のスパークプラグ225に印加すると、第2のスパークギャップ235を横切って生じる。第2のスパーク信号は第2のスパーク発生回路によって生じ、この第2のスパーク発生回路は、第1のスイッチ255と、第2の一次巻線又はコイル260と、第2の二次巻線又はコイル265と、スパークプラグ225とを有している。第2の二次巻線265、第2のスパークプラグ225及び第2のスパークプラグケーブル267は、第2の点火二次回路を構成する。第2のスパークは、第2のスパーク誘発信号が分析モジュール205によって出力されると、これに応動して生じる。
図3を参照すると、モーターサイクル100は、第1のイオン検出回路を更に有している。第1のイオン検出回路は、第1のスパークプラグ220と、第1の二次コイル250と、ゼナーダイオードZ1と、ダイオードD1と、キャパシタC1,C2と、抵抗体R1,R2とを有している。第1のイオン検出回路は、第1のスパークギャップ230を横切って生じるイオン電流と関係のある第1のイオン信号をV1のところに生じさせる。
モーターサイクル100は、第2のイオン検出回路を更に有している。第2のイオン検出回路は、第2のスパークプラグ225と、第2の二次コイル265と、ゼナーダイオードZ1と、ダイオードD1と、キャパシタC1,C2と、抵抗体R1,R2とを有している。第2のイオン検出回路は、第2のスパークギャップ235を横切って生じるイオン電流と関係のある第2のイオン信号をV1で記録する。
モーターサイクル100は、ノッキングが第1及び第2のシリンダ内に存在しているかどうかを判定する手段と、潜在的な欠陥(例えば、不燃事象、断続的接続状態等)があるかどうかについてイオン信号を分析する手段等を更に有している。ノッキングが存在しているかどうかを判定する手段及びイオン信号を分析する手段は、集積回路、ディスクリート回路又はソフトウェアプログラムを実行するマイクロプロセッサの任意の組合せを用いて完全に具体化できる。図3に示すように、ノッキングが存在しているかどうかを判定する手段及びイオン信号を分析する手段は、集積回路とマイクロプロセッサ275の両方の組合せを有する分析モジュール205である。
分析モジュール205は、調整チップ270、マイクロプロセッサ275、クロック277、ピーク保持メモリ305及びメモリ280を有している。調整チップ270は、低域フィルタ285、帯域フィルタ290、第1の積分器295及び第2の積分器297を有している。メモリ280は、ノッキング検出プログラムを格納するメモリ及びノッキング強度値を含むデータを格納するメモリを有している。加うるに、メモリ280は、診断プログラムを格納すると共に診断上の欠陥を格納するメモリを有している。マイクロプロセッサ275は、調整チップ270及びクランクシャフトセンサ200からの信号を受け取るアナログ−ディジタル(A/D)変換器(図示せず)を有している。マイクロプロセッサ275は、信号を調整チップ270、第1及び第2のスパーク発生回路、第1及び第2の燃料噴射器210,215に出力するディジタル−アナログ(A/D)変換器(図示せず)を更に有している。加うるに、マイクロプロセッサ275は、メモリ280から本発明のソフトウェアプログラムを受け取ってこれをそれに応じて実行する。
モーターサイクル100は、マイクロプロセッサ275に接続されていて、ユーザと情報(例えば、モーターサイクル速度、エンジン速度、燃料の潜在的不足量等)のやりとりをする表示装置又はインタフェース268を更に有している。表示装置268としては、1以上の計器、表示灯、LED及びこれらに類似した視覚的表示装置が挙げられる。モーターサイクル100は、技術者又は整備士が分析モジュール205と情報のやりとりをすることができるようにする端子又は出力ポート269を有している。
モーターサイクル100は、図示していない追加のエンジンセンサを更に有するのがよい。例えば、モーターサイクルは、エンジン温度センサ及び(又は)マニホルド空気圧センサを有するのがよい。これらのセンサは、当該技術分野で周知なので、詳細には説明しない。
作用を説明すると、マイクロプロセッサ275は、エンジン130と相互作用して本発明を実施するソフトウェアプログラムを実行する。ソフトウェアは、マイクロプロセッサ275に指示を与えて、これが第1の燃料噴射器210及び第2の燃料噴射器215を別々に制御して第1のスパークプラグ220及び第2のスパークプラグ225を別々に制御してエンジン130内での燃焼が生じるようにする。しかしながら、各シリンダ140,145の燃焼の仕方は互いに実質的に同一なので、第1のシリンダ140の燃焼についてのみ詳細に説明する。
次に、図4を参照して本発明を構成する種々の段階(行為)について説明する。段階500では、マイクロプロセッサ275は変数を初期値に初期化し、一定の値をこれらのそれぞれの値に設定する。例えば、ソフトウェアは、スパーク事象が起きた時期について変数を維持する。スパーク事象変数を初期値(例えば、圧縮行程中での上死点よりも5度前の時点でのスパーク)に設定することができる。
段階505では、マイクロプロセッサ275は、シリンダ140内における第1のピストン170の位置を求める。好ましくは、マイクロプロセッサ275は、クランクシャフトセンサ196によって出力されたクランクシャフト速度信号をサンプリングすることにより、第1のピストン位置を求める。次に、クランクシャフト速度信号を用いて、米国特許出願第09/620,014号に開示されているように第1のピストン位置を計算する。なお、かかる米国特許出願の開示内容を本明細書の内容の一部を形成するものとしてここに引用する。当然のことながら第1のピストンの場所を求める他の方法を利用してもよい。
段階507では、マイクロプロセッサ275は、或る量の燃料を燃焼室185内に噴射すべきかどうかを判定する。燃料の噴射は、スパーク発生事象前の計算された期間で始まる。ピストン170の位置が燃料を噴射するのに最適な位置の前にあると、ソフトウェアは、段階505に戻る。しかしながら、ピストン170の位置が燃料を噴射するのに最適な位置のところ又はその後にあれば、マイクロプロセッサ275は燃料を噴射する(段階508)。燃料の噴射量は、マイクロプロセッサが変数を初期化したとき(段階500)に設定されるか、或いは、段階610(これについては以下に説明する)で計算される。燃料噴射方法は、燃料の全量が正しく噴射される限り任意公知の方法によるものであってよい。
段階509では、マイクロプロセッサ275はこの場合も又、第1のピストン170の位置を求める。第1のピストン170の位置を求める方法は、段階505と実質的に同一である。
段階510では、マイクロプロセッサ275は、点火コイル245内へのエネルギの供給一時停止又は貯蔵を開始すべきであるかどうかを判定する。一時停止事象は、スパーク発生事象に先立つ計算された期間で始まる。一時停止事象を計算する際に用いられるパラメータのうちの幾つかは、スパーク発生事象を生じさせることができるのに必要なエネルギの量、バッテリの電圧、エンジン速度及びこれに類似した条件を含む。ピストン170の位置が一時停止事象の開始時期の場所の前にあると、マイクロプロセッサ275は、段階509に戻る。しかしながら、ピストン170の位置が、一時停止事象の開始時期の場所又はその後にあると、マイクロプロセッサ275は点火コイル内にエネルギを貯蔵するよう処理を進行する(段階515)。
段階515では、マイクロプロセッサ275は、一時停止信号をスパーク発生回路の第1のスイッチ240に与える。一時停止信号を与えることにより、電流が12V電源から一次点火コイル245を通ってアースに流れるようになる。電流が一次点火コイル245を流れると、その結果、エネルギが一次点火コイル245内に貯蔵されることになる。
段階520では、マイクロプロセッサ275はこの場合も又、第1のピストン170の位置を求める。第1のピストン170の位置を求める方法は、段階505と実質的に同一である。
段階525では、マイクロプロセッサ275は、スパークプラグ220を点火させるかどうかを判定する。具体的に説明すると、ソフトウェアは、ピストン170がスパーク発生事象を生じさせる適当な位置にあるかどうかを判定する。スパーク発生事象のための位置は、マイクロプロセッサが変数を初期化したとき(段階500)に設定されるか、或いは、段階605又は607(これについては以下に説明する)で計算される。ピストン170の位置がスパーク発生事象の場所の前にあるとソフトウェアは段階515に戻る。ピストン170の位置がスパーク発生事象の発生時期の場所の場所又はその後(例えば、圧縮行程中の上死点よりも5度前)、マイクロプロセッサ275は段階530に進む。
段階530では、マイクロプロセッサ275は、信号を第1のスイッチ240に与えるのを停止する。信号を除くことにより、点火コイル245の一次側内に蓄えられたエネルギは二次側に移される。理想的には、このエネルギは、二次コイル250からスパークプラグケーブル252に流れ、スパークプラグ222に流れ、スパークギャップ230を通ってアースに流れる電流を生じさせる。スパークギャップを通る電流の流れにより、スパークが生じ(段階535)、その結果、燃焼が生じる。換言すると、段階530では、マイクロプロセッサ275は、スパーク誘発信号をスパーク発生回路に与え、その結果、シリンダ140内で燃焼が生じる。
スパーク発生事象の発生(段階535)後、ピストン170はシリンダ140内で動き続ける。その結果得られるスパーク発生事象(段階535)及びピストン170の運動の続行の結果として、燃焼室185内の圧力が増大することになる。増大した圧力は、シリンダ140内のガスをイオン化させる(段階540)。図3を参照すると、イオン又は負の電荷が生じる結果として、イオン電流がスパークギャップ230から二次コイル250を通り、キャパシタC1を通り、抵抗体R1を通り、そして抵抗体R2とキャパシタC2の並列経路を通って流れることになる。ゼナーダイオードZ1は、8V直流(DC)信号によりスパークギャップ230を横切ってイオン電流にバイアスをかける。キャパシタC1は8Vのバイアス電圧を蓄える。抵抗体R1,R2及びキャパシタC2は、フィルタ付き分圧器を構成し、その結果、イオン信号が点V1のところに生じる。イオン信号V1は、スパークギャップを横切って生じる(段階545)イオン電流に対応している。イオン信号は、分析のため分析モジュール205に送られる。
調整チップ270は、イオン検出回路から信号を受け取り、このイオン信号を調整して診断信号、ノッキング強度信号及びピーク保持信号を生じさせる。段階550では、調整チップ270は、イオン信号を低域フィルタ285に送って高周波ノイズを除去させる。その結果得られた信号を燃焼分析窓にわたって第2の積分器297で積分し、それにより診断信号を生じさせる。診断信号をマイクロプロセッサ275に送る(段階555)。マイクロプロセッサ275は、ソフトウェアのノッキング制御部分を実行可能にするかどうかを判定する(段階560)。
段階560が、図5に詳細に示されている。段階700では、ソフトウェアは、現時点におけるエンジン回転速度(RPM)(例えば、これは、クランクシャフト速度信号196から得られる)を計算し、現時点におけるエンジン回転速度を最小ノッキングRPM校正値と比較する。ノッキングRPM校正値は、プログラムのノッキング制御部分を実行するのに必要な最小RPM値である。現時点におけるエンジン回転速度がノッキングRPM校正値よりも大きい場合、ソフトウェアは段階705に進む。しかしながら、RPM計算値が最小ノッキングRPM校正値以下であれば、ソフトウェアは段階607に進む。
段階705では、ソフトウェアは、後輪115を駆動することに起因して、エンジン130を制限する負荷又は力の大きさを表すエンジン負荷値(例えば、これは、マニホルド空気圧センサから得られる)を計算する。ソフトウェアは、エンジン負荷値を最小ノッキングエンジン負荷校正値と比較する。ノッキングエンジン負荷校正値は、プログラムのノッキング制御部分を実行するのに必要な最小負荷値である。エンジン負荷値がノッキング校正エンジン負荷値よりも大きいと、ソフトウェアは段階710に進む。しかしながら、エンジン負荷値がノッキング校正負荷値以下であれば、ソフトウェアは段階607に進む。
段階710では、マイクロプロセッサ275はエンジン温度値(例えば、これは、エンジン温度センサから得られる)を得てエンジン温度値を最小ノッキングエンジン温度校正値と比較する。
段階715では、マイクロプロセッサ275は、診断信号を診断して、不燃診断欠陥又はコードが存在しているかどうかを判定する。ソフトウェアは、診断信号から燃焼事象が生じたかどうかを判定する。ソフトウェアの判定により燃焼事象が生じていなければ、ソフトウェアはノッキング制御を実行せず、段階607に進む。しかしながら、診断上の欠陥が存在していなければ、ソフトウェアは段階565に進み、これによりソフトウェアのノッキング制御部分を実行可能にする。不燃事象と称するに足る事象が生じていれば、ソフトウェアは不燃診断コードを発生し、ノッキング制御を実行不能にする。不燃診断コードを発生させる一方法が図7に示されている。
段階850では、診断信号をマイクロプロセッサ275に与え、ここでマイクロプロセッサ275は、診断信号をサンプリングする。マイクロプロセッサが第1のシリンダ140と第2のシリンダ145の両方についてイオン信号を分析するが、第1のシリンダ140についてのみ詳細に説明する。
段階855では、ソフトウェアは、現時点におけるエンジン回転速度(RPM)(例えば、これは、クランクシャフト速度センサ196から得られる)を計算し、現時点におけるエンジン回転速度を最小不燃RPM校正値と比較する。ソフトウェアは、段階700において先に計算した速度を用いてもよく、或いは、新しい速度を算出してもよい。不燃RPM校正値は、プログラムの燃焼分析部分を実行するのに必要な最小RPM値である。現時点におけるエンジン回転速度が最小燃焼校正値(例えば、2000RPM)以上であれば、ソフトウェアは段階860に進む。しかしながら、RPM計算値が不燃RPM校正値以下であれば、ソフトウェアは段階715に戻る。
段階860では、ソフトウェアは、後輪115を駆動することに起因して、エンジン130を制限する負荷又は力の大きさを表すエンジン負荷値(例えば、これは、マニホルド空気圧センサから得られる)を計算する。ソフトウェアは、段階705において先に計算したエンジン負荷を用いてもよく、或いは、新しいエンジン負荷を算出してもよい。ソフトウェアは、エンジン負荷値を最小不燃エンジン負荷校正値(例えば、54.9kPa)と比較する。マニホルド空気圧が低過ぎる場合、マニホルド圧力は、シリンダ内に流体を適正に分散させるほど大きくはない。不燃エンジン負荷校正値は、プログラムの燃焼分析部分を実行するのに必要な最小負荷値である。エンジン負荷値が不燃エンジン負荷校正値よりも大きければ、ソフトウェアは段階865に進む。しかしながら、エンジン負荷値が不燃エンジン負荷校正値以下であれば、ソフトウェアは段階715に戻る。
段階865では、ソフトウェアは、燃料をベースパルス幅が最小燃料ベースパルス幅校正値よりも大きいかどうかを判定する。燃料ベースパルス幅は、第1の燃焼室145に送られている燃料の量に比例する。燃料の量が少ない場合(例えば、低回転速度に起因して)不燃分析に関する要件を満たすのに十分な燃焼に応えることができない場合がある。燃料ベースパルス幅が燃料ベースパルス幅校正値よりも大きい場合、ソフトウェアは段階870に進む。しかしながら、燃料ベースパルス幅が燃料ベースパルス幅校正値以下であればソフトウェアは段階715に戻る。
段階870では、ソフトウェアは、「スキップファイヤ(skip fire )」が生じているかどうかを判定する。或る条件の下では(例えば、エンジン温度が高すぎる場合)、マイクロプロセッサ275は、意図的にファイヤ又はスパーク状態をスキップする。ソフトウェアは、この状態に関する信号を記録しない。スキップファイヤが生じていなければ、ソフトウェアは段階875に進む。しかしながら、スキップファイヤが生じていれば、ソフトウェアは段階715に戻る。段階855〜870を特定の順序で説明したが、段階855〜870の順序は様々であってよい。加うるに、他の実行可能な条件を用いてもよく、また、全ての条件が必要であるというわけではない。
ソフトウェアは次に、得られた診断信号(段階875)を分析して、燃焼事象が生じているかどうかを判定する。分析のため、ソフトウェアは、燃焼分析窓に関する診断信号電圧が診断校正値よりも小さいかどうかを判定する。例えば、サンプリングされる診断電圧は、0−VDC〜5−VDCであり、診断校正値は150mVDCである。診断校正値は、製造業者が起こりうる不燃事象をどれほどの感度で記録したいかどうかに応じて様々である。燃焼分析窓の終わりにおいて、積分された診断電圧が診断校正値よりも低い場合(段階890)、ソフトウェアの判定によれば「不燃」事象が生じている。不燃事象が生じると、ソフトウェアは不燃事象カウンタを増分し(段階895)、段階900に進む。そうでなければ、段階900において、ソフトウェアは、不燃事象カウンタを減分し(もし、0よりも大きければ)、段階910に進む。
段階900では、ソフトウェアは、不燃事象カウンタが不燃パラメータよりも大きいかどうかを判定する。燃焼事象カウンタが、不燃パラメータよりも大きいと、ソフトウェアは関連したシリンダの不燃コードを真であるものと設定する(段階910)。加うるに、ソフトウェアは、ソフトウェアのノッキング制御部分を実行不能にし、表示灯265を起動してオペレータにモーターサイクル100の点検整備が必要であることを知らせる。技術者は、モーターサイクルの点検整備の際、端子269を介してマイクロプロセッサ275と情報のやりとりをすることができる。技術者は、燃焼室のうちの1つが燃焼を生じていないことを技術者に知らせるコードを検索する。コードに基づき、技術者は、エンジンに関する特定の種々の問題(例えば、スパークプラグが誤作動を生じている問題、スパークプラグケーブルが外れているという問題、燃料系統に関してエラーが生じている問題等)について探索する。エンジンの点検整備の際、技術者はカウンタ及びコードをリセットするのがよい。
ソフトウェアは、不燃カウンタを連続的に分析することにより燃焼室内での燃焼が生じているかどうかを引き続き模索するのがよい。事象の数が、不燃パラメータの下で減少すると(段階900)、ソフトウェアは、現時点における診断コードをクリアしてノッキング制御を実行可能にする(段階912,915)。
図4cに戻ると、段階565では、マイクロプロセッサ275は、低域フィルタ285の利得を設定するための利得制御信号を調整チップ270に送る。利得制御信号は、バックグラウンドノイズを設定し、部分的に診断信号を利用する。ソフトウェアの判定により診断信号が予想電圧範囲内に正しくおさまっていない場合、マイクロプロセッサ275は利得制御信号をそれに応じて設定することになろう。加うるに、段階565では、ソフトウェアは、ノッキング窓を調整チップ270に提供する。ノッキング窓は、ソフトウェアプログラムによって計算され、多数の変数に基づいており、かかる変数としては、RPM、エンジン負荷及びスパーク時期が挙げられる。ノッキング窓は、積分器295に与えられ、このノッキング窓は積分値(即ち、ノッキング強度値であり、これについては以下に説明する)を得るために積分器によって使用される「窓」である。利得制御信号及びノッキング強度信号をソフトウェアプログラムの実行全体にわたって調整チップ270に連続的に与えるのがよいことは理解されるべきである。
段階575では(図4d)、調整チップ270は、低域フィルタ285から得られた信号を帯域フィルタ290に送る。帯域フィルタ290は、或る周波数範囲内の周波数を持つ帯域通過信号を通過させる。周波数範囲は、イオン信号中のノッキング部分の予想ノッキング周波数である。例えば、図6(a)は、ノッキング度の高いノッキング部分を含む第1のイオン信号800を有している。低域フィルタ285及び帯域フィルタ290に送られた後、第1のイオン信号800は結果的に第1の帯域通過信号805(図6(b)に示す)となる。図6(c)は、ノッキング度の低い又は0のノッキング部分を有する第2のイオン信号810を示している。低域フィルタ285及び帯域フィルタ290に送られた後、第2のイオン信号810は結果的に第2の帯域通過信号815(図6(d)に示す)となる。図6(a)〜(d)で分かるように、結果的に得られた帯域通過信号805,815は、イオン信号内のノッキング度の大きさに応じて様々である。
図4dに戻ると、段階580において、結果的に得られた帯域通過信号がピーク保持検出器305に送られる。ピーク保持検出器305は、ピークノッキング強度値を得る。ピークノッキング強度値はマイクロプロセッサ275に送られ、イオン信号がノイズスパイク(以下に説明する)を含んでいるかどうかを判定するためにマイクロプロセッサ275によって用いられる。ノイズスパイクが存在していれば、ノイズスパイクの原因は、スパーク発生回路中の断続的接続状態にある場合がある(例えば、スパークプラグケーブルの緩み)。
段階585では、帯域フィルタ290から結果的に得られた信号が積分器295に印加される。積分器295は、ノッキング窓にわたって印加信号のエネルギを積分し、その結果、ノッキング強度値を持つノッキング強度信号が得られる。ノッキング強度値は、イオン信号内のノッキングエネルギの量を表している。図6(a)及び(b)に示す例に関し、ノッキング窓は、上死点後の5度〜15度にある。
段階590では(図4d)、ソフトウェアは、所定値であってもよく、或いは、エンジン速度(RPM)及び先のスパーク発生事象の平均ノッキング強度の関数として計算された値であってもよいピーク無視(peak ignore )閾値を計算する。ソフトウェアは次に、ピークノッキング強度とノッキング強度値の比とピーク無視閾値とを比較する(段階590)。ソフトウェアの判定により、この比がピーク無視閾値よりも大きい場合、イオン信号は、ノイズスパイクを含んでおり、マイクロプロセッサ275は現時点におけるスパーク発生事象についてノッキング強度を記録しないことになろう(即ち、段階607に進む)。マイクロプロセッサ275の判定により、この比が、ピーク無視閾値以下であれば、ソフトウェアは、イオン信号がノイズスパイクを含んでいないものと判定し、段階595に進む。
加うるに、ソフトウェアは、ノイズスパークが断続的接続(例えば、接続上、緩みのあるスパークプラグ又は緩みのあるスパークプラグケーブル)に起因しているかどうかを判定することができる。イオン信号のノイズスパイクが断続的接続状態を意味しているかどうかを判定する方法が、図8に示されている。
図8に示すように、段階925では、ソフトウェアは、ノッキング制御が現在実行可能になっているかどうかを判定する。ノッキング制御が実行可能であれば、ソフトウェアは段階930に進む。しかしながら、ノッキング制御が実行可能でなければ、受け取ったノッキング信号は、真のノッキング信号を正しく表しておらず、ソフトウェアは段階590に戻る。
段階930では、ソフトウェアは、現時点におけるエンジン回転速度(RPM)(例えば、これは、クランクシャフト速度センサ196から得られる)を計算し、現時点におけるエンジン回転速度を最小断続的接続RPM校正値と比較する。ソフトウェアは、段階700又は855からの先に計算された速度を用いてもよく、或いは、新しい速度を計算してもよい。断続的接続RPM校正値は、プログラムの断続的接続分析部分を実行するのに必要な最小RPM値である。現時点におけるエンジン回転速度が断続的接続校正値(例えば、200RPM)よりも大きければ、ソフトウェアは段階935に進む。しかしながら、計算されたRPM値が断続的接続RPM校正値以下であれば、ソフトウェアは段階590に戻る。
段階935では、後輪115を駆動することに起因して、エンジン130を制限する負荷又は力の大きさを表すエンジン負荷値(例えば、これは、マニホルド空気圧センサから得られる)を計算する。ソフトウェアは、段階705又は860において先に計算したエンジン負荷を用いてもよく、或いは、新しいエンジン負荷を算出してもよい。ソフトウェアは、エンジン負荷値を断続的接続エンジン負荷校正値と比較する。マニホルド空気圧が低過ぎる場合、マニホルド圧力は、シリンダ内に流体を適正に分散させるほど大きくはない。断続的接続エンジン負荷校正値は、プログラムの断続的接続分析部分を実行するのに必要な最小負荷値である。エンジン負荷値が断続的接続エンジン負荷校正値よりも大きければ、ソフトウェアは段階940に進む。しかしながら、エンジン負荷値が最小断続的接続エンジン負荷校正値以下であれば、ソフトウェアは段階590に戻る。
段階940では、ソフトウェアは、「スキップファイヤ」が生じているかどうかを判定する。或る条件の下では(例えば、エンジン温度が高すぎる場合)、マイクロプロセッサ275は、意図的にファイヤ又はスパーク状態をスキップする。ソフトウェアは、この状態に関する信号を記録しない。スキップファイヤが生じていなければ、ソフトウェアは段階945に進む。しかしながら、スキップファイヤが生じていれば、ソフトウェアは段階590に戻る。段階930,935,940を特定の順序で説明したが、段階930,935,940の順序は様々であってよい。加うるに、他の実行可能な条件を用いてもよく、また、全ての段階930,935,940が必要であるというわけではない。
ソフトウェアは次に、断続的接続状態がスパーク発生回路中に存在しているかどうかを判定する。断続的接続状態の結果として、燃焼事象が生じるのが通例であるが、断続的接続状態又は接続緩み又は不良状態に起因して、燃焼が完全燃焼ではないことになる。この結果、ノッキングを示唆するノイズよりも大きなノイズ「スパイク」がノッキング信号中に生じることになる。接続状態が断続的なので、その結果生じる断続的接続ノイズスパイクは、燃焼室について燃焼事象の起こるたびに、その燃焼事象中に生じるわけではない。したがって、説明中の実施形態に関し、ソフトウェアは、実行可能条件を満たしている(n)(例えば、n=100)個の連続した事象を分析し、燃焼事象のうち(m)(例えば、m=30)個分の結果として、断続的接続状態を表すノイズスパイクが生じるかどうかを判定する。値(n),(m)は、使用されるエンジン及び製造業者の許容度に応じて様々である。
1つの特定の例としての方法について説明すると、段階945では、ソフトウェアは、試験サイクルカウンタを増分する。段階950では、ソフトウェアは、ノッキングなどについてのピークノッキング強度電圧が断続的接続状態を意味する最小ピークノッキング強度校正値よりも大きいかどうかを判定する。帯域通過信号の電圧がDC0〜5ボルトの間で変化しているとすれば、断続的接続状態を判断するための最小ピークノッキング強度校正値は、例えば、直流4ボルトに設定することができる。ノッキングなどについてのピークノッキング強度電圧がピークノッキング強度校正値よりも大きい場合、ソフトウェアは事象カウンタを増分する(段階960)。
段階965では、ソフトウェアは、試験サイクルカウンタが試験の完了を意味する(n)に等しいかどうかを判定する。試験サイクルカウンタが(n)に等しい場合、ソフトウェアは段階970に進む。しかしながら、試験サイクルカウンタが(n)よりも小さければ、ソフトウェアは段階595に進む。
段階970では、ソフトウェアは、事象カウンタが断続的接続状態を意味する(m)以上であるかどうかを判定する。事象の数が(m)よりも小さければ、ソフトウェアは、スパーク発生回路が断続的接続状態を生じていないものと判定し、両方のカウンタをリセットする(段階975)。事象の数が(m)以上であればソフトウェアは、スパーク発生回路が断続的接続状態になっているものと判定する。ソフトウェアは、両方のシリンダについてノッキング制御を実行不能にし(段階980)、断続的接続コードを実行可能にする。ソフトウェアは、両方のシリンダについてノッキング制御を実行不能にする。というのは、断続的欠陥が検出されると正しいノッキング検出が行えないからである。
加うるに、表示灯268が動作状態になってオペレータにモーターサイクル100の点検整備が必要であることを知らせる。技術者は、モーターサイクル100の点検整備の際、端子269を介してマイクロプロセッサ275と情報のやりとりをすることができる。技術者は、スパーク発生回路のうちの1つが断続的接続状態にあることを技術者に知らせる断続的接続コードを検索する。コードに基づき、技術者は、エンジンに関する特定の種々問題(例えば、スパークプラグケーブルやスパークプラグが接続上の緩みを生じている問題、スパークプラグ端子が曲がっているという問題等)について探索する。
図4dに戻ると、段階595では、ソフトウェアはノッキング強度値をノッキング閾値と比較する。ノッキング閾値は、所定の定数であってもよく、或いは、各スパーク発生事象について連続的に計算される値であってもよい。例えば、ノッキング閾値は、先に記録したノッキング強度値及びエンジン速度(RPM)の移動平均の関数であるのがよい。ノッキング強度値がノッキング閾値よりも大きい場合(段階600)、ソフトウェアの判定によりノッキングが存在している。これとは逆に、ノッキング強度値がノッキング閾値以下であれば(段階600)、マイクロプロセッサの判定により、ノッキングは存在していない。当然のことながら、マイクロプロセッサはノッキング値の履歴を記録していれば、マイクロプロセッサはノッキングが存在していることを判定する前に多数回の「ノッキング確認」を必要とする場合がある。多数回にわたるノッキングの確認を必要とすることにより、ソフトウェアは、燃焼のばらつきに起因してときたま起こる不測のスパイクに対応することができる。
段階605では(図4e)、ノッキングが存在していれば、ソフトウェアは、次のスパーク発生事象に関するピストンの位置を計算する。新しいスパーク発生事象の位置を、多種多様な方法で計算することができる。一方法は、マイクロプロセッサが所定の度数だけ事象を「遅延」させることである。これよりも好ましい第2の方法は、マイクロプロセッサが不定度数だけスパーク発生事象を遅延させることである。第2の方法に関し、ソフトウェアは、新たなスパーク発生事象の位置を計算することができ、この場合、変数のうちの1つは、閾値よりも大きなノッキングの量又は大きさである。例えば、ノッキング値が閾値よりも値(x1)だけ大きい場合、スパーク発生事象を2度だけ遅延させることができる。変形例として、ノッキング値が閾値よりも値(x2)だけ大きい場合、スパーク発生事象を4度だけ遅延させることができる。さらに、ソフトウェアは、新たなスパーク発生事象の時期を求める方程式を実行することができ、この場合、変数のうちの1つは、ノッキング値と閾値との間の差である。
加うるに、ソフトウェアは、ノッキングが終わるまで、或いは、スパーク発生事象の位置が最大スパーク発生事象の位置になるまで引き続きスパーク発生事象を遅延させる。ソフトウェアの判定の示すところによりノッキングが存在していなければ、ソフトウェアはスパーク発生事象の位置をゆっくりとその元のスパーク発生事象の位置に戻す(段階607)。変形例として、ノッキングがいったん終わると、ソフトウェアは、スパーク発生事象の位置をその元のスパーク発生事象の位置に急に戻してもよい(段階607)。スパーク発生事象の位置をその元の位置にできるだけ素早く戻す意図は、スパーク発生事象を遅延させることによりエンジンが出力を無くすようにすることにある。スパーク発生事象の位置を常態の位置に戻すことにより、エンジンは、エンジン速度についてその最大出力を提供することができる。
段階610では、ソフトウェアは、次のスパーク発生事象について燃料の量を計算する。スパーク発生事象の位置が最大スパーク発生事象位置にあれば、次のスパーク発生事象のための燃料の量を増加させる。燃料の量を増加させることは一般に、燃料富化(fuel enriching)と呼ばれている。燃焼室185に燃料を追加することにより、過剰の燃料は全ては燃焼せず、熱が燃焼室185から未燃焼燃料に伝えられる。過剰燃料が排出されると、燃焼室185内の熱のうち幾分かが燃料と共に出て行く。この結果、燃焼室185は低温状態で動作し、その結果、シリンダ140内におけるノッキングの影響の受けやすさが減少する。加うるに、過剰燃料を追加することにより、排気温度が減少するが、かかる排気温度は、或るエンジンではスパークを遅延させることによって増大する。新しいスパーク発生事象の位置を計算するのと同様に、新たな燃料の量は所定量であってもよく、或いはこれをソフトウェアで計算してもよい。当然のことながら、燃料の量は好ましくは、スパーク発生事象の位置が最大スパーク発生事象の位置にあった後では変化するが、ソフトウェアは、スパーク発生事象時期及び燃料の量を同時に変化させることができる。
段階610の実施後、ソフトウェアは段階505に戻り、次の燃焼事象を開始させる。当然のことながら、ソフトウェアは、図示していない燃焼プロセスに関して通常行われる追加の段階(例えば、燃焼室の排気)を行う。
上述のことから分かるように、本発明は、燃焼ノッキング制御のためのシステムを有するモーターサイクルを提供している。本発明の種々の特徴は、特許請求の範囲に記載されており、本発明の種々の特徴及び利点は、かかる特許請求の範囲の記載から当業者には理解されよう。
本発明を具体化したモーターサイクルの斜視図である。 図1で示すモーターサイクルのエンジンの一部の略図である。 図1に示すモーターサイクルの制御回路の略図である。 シリンダ内にスパーク発生事象を生じさせ、シリンダ内におけるイオン信号を分析する方法の一実施形態を実施するフローチャートである。 シリンダ内にスパーク発生事象を生じさせ、シリンダ内におけるイオン信号を分析する方法の一実施形態を実施するフローチャートである。 シリンダ内にスパーク発生事象を生じさせ、シリンダ内におけるイオン信号を分析する方法の一実施形態を実施するフローチャートである。 シリンダ内にスパーク発生事象を生じさせ、シリンダ内におけるイオン信号を分析する方法の一実施形態を実施するフローチャートである。 シリンダ内にスパーク発生事象を生じさせ、シリンダ内におけるイオン信号を分析する方法の一実施形態を実施するフローチャートである。 ノッキング制御論理を実行可能にする段階を示すフローチャートである。 イオン信号及び帯域通過信号に関するサンプル電圧とクランク角の関係を表したグラフ図である。 イオン信号及び帯域通過信号に関するサンプル電圧とクランク角の関係を表したグラフ図である。 イオン信号及び帯域通過信号に関するサンプル電圧とクランク角の関係を表したグラフ図である。 イオン信号及び帯域通過信号に関するサンプル電圧とクランク角の関係を表したグラフ図である。 診断上の不燃欠陥を生じさせる方法の一実施形態を実施するフローチャートである。 診断上の不燃欠陥を生じさせる方法の一実施形態を実施するフローチャートである。 イオン信号を分析してスパーク発生回路が断続的接触状態を含んでいるかどうかを判定する方法の一実施形態を実施するフローチャートである。
符号の説明
100 モーターサイクル
105 フレーム
110 前輪
115 後輪
120 シート
125 燃料タンク
130 エンジン
135 トランスミッション
140,145 シリンダ
150 クランクシャフト
155 クランクギヤ
170,175 ピストン
180 コンロッド(連接棒)
185,190 燃焼室
205 分析モジュール
210,215 燃料噴射器
220,255 スパークプラグ
235 スパークギャップ

Claims (13)

  1. モーターサイクルのスパーク発生回路が断続的接続状態になっているかどうかを判定する方法であって、
    フレームと、フレームに取り付けられたエンジンと、フレームに取り付けられたスパーク発生回路とを有し、エンジンが、燃焼室を備えたシリンダ及び第1のシリンダ内で往復動するピストンを有するモーターサイクルを準備することを含み、前記スパーク発生回路が、第1の燃焼室に対して露出関係にあるスパークプラグギャップを備えたスパークプラグを有し、
    第1のスパークプラグにより燃焼室内にスパークを生じさせ、
    スパークプラグギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を得、
    イオン信号を分析してスパーク発生回路が断続的接続状態になっているかどうかを判定し、
    イオン信号の分析は、
    イオン信号をフィルタによってフィルタリングして帯域通過信号を生じさせ、
    ピーク保持検出器によって、分析期間にわたる帯域通過信号のピークノッキング強度値を得、
    ソフトウェアプログラムを実行してピークノッキング強度値を分析して、スパーク発生回路が断続的接続状態を生じているかどうかを判定することを含む、
    方法。
  2. イオン信号をフィルタリングする工程は、イオン信号を低域フィルタに印加して低域通過信号を生じさせることと、帯域通過信号を生じさせる周波数範囲を備えた帯域フィルタに低域通過信号を印加すること含む、請求項1記載の方法。
  3. イオン信号を分析する工程は、ピーク値の比較工程の実施のたびに第1のカウンタを増分させることを含み、ピーク値を最大ピーク値と比較する工程は、ピーク値が最大ピーク値よりも大きいと、第2のカウンタを増分することを含む、請求項1記載の方法。
  4. イオン信号を分析する工程は、前記増分工程の実施前に、1以上の所定の条件が満たされているかどうかを判定することと、所定の条件が満たされていれば前記増分工程を実施することと含む、請求項3記載の方法。
  5. 1以上の所定の条件が満たされているかどうかを判定する工程は、エンジン速度が最低エンジン速度よりも高いかどうかを判定することを含む、請求項4記載の方法。
  6. 1以上の所定の条件が満たされているかどうかを判定する工程は、エンジン負荷が最小エンジン負荷よりも大きいかどうかを判定することを含む、請求項4記載の方法。
  7. イオン信号を分析してエンジンノッキングが存在しているかどうかを判定することを含む、請求項1記載の方法。
  8. イオン信号を分析してスパーク誘発信号に応じて不燃現象が結果的に生じたかどうかを判定することを含む、請求項1記載の方法。
  9. モーターサイクルであって、
    フレームと、
    フレームに対して回転自在にフレームに結合された前輪、後輪と、
    ハウジング、第1の燃焼室を備えた第1のシリンダ及び第1のシリンダ内で往復動する第1のピストンを有するエンジンと、
    スパークプラグと、
    スパークギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を発生させるよう動作できるスパーク発生回路と、
    スパークプラグと、
    スパークギャップを横切って生じたイオン電流を表すイオン信号を発生させるよう動作できるイオン検出回路と、
    イオン信号回路に結合されていて、イオン信号を受け取り、イオン信号を分析してスパーク発生回路が断続的接続状態を生じているかどうかを判定する分析モジュールとを有し、
    分析モジュールは、
    イオン信号を受け取って帯域通過信号を生じさせるフィルタと、
    イオン信号を受け取り、分析期間にわたってピークノッキング強度値を生じさせるピーク保持検出器と、
    ピーク保持検出器に結合されたマイクロプロセッサ及びメモリとを含み、マイクロプロセッサは、ピークノッキング強度値を受け取り、ソフトウェアプログラムを実行してピークノッキング強度値を分析し、それによりスパーク発生回路が断続的接続状態を生じているかどうかを判定する、
    モーターサイクル。
  10. 車両は、出力装置を更に有し、分析モジュールは更に、シリンダ内に断続的接続状態が生じていることを表す出力信号をオペレータに出力するよう動作できる、請求項9記載のモーターサイクル。
  11. マイクロプロセッサは更に、ソフトウェアプログラムを実行してピークノッキング強度値が最小ピークノッキング強度校正値よりも大きいかどうかを判定する、請求項9記載のモーターサイクル。
  12. マイクロプロセッサは更に、ソフトウェアプログラムを実行して、ピークノッキング強度値が燃焼事象について最小ピークノッキング強度校正値よりも高いかどうかを判定し、ピークノッキング強度値が最小ピークノッキング強度校正値よりも大きい場合に事象カウンタを増分し、事象カウンタが所定の値よりも大きい場合に断続的接続コードを生じさせる、請求項9記載のモーターサイクル。
  13. 分析モジュールは、技術者と情報のやりとりをする端子を有し、分析モジュールは更に、断続的接続状態コードを技術者に伝えるよう動作できる、請求項9記載のモーターサイクル。
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