JP4986159B2 - 流体流通速度の光制御技術 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔性材料等の流路を構成する材料を光応答性有機基で修飾することによる、多孔性材料中での化学物質の流通速度を光照射により促進も含めて制御する技術に関する。
マイクロあるいはナノサイズの微小な流路などは、μ−TAS(マイクロタス)技術と密接に関連し、生体分子の解析、化学物質の合成や分析、および環境モニタリングなどの分野で、今後ますます重要になると考えられている。この微小な流路中の流体の流動性等を、外部からの刺激で自在に制御することができれば、より高機能なミクロ技術が創出される。すなわち、微小バルブあるいはマイクロバルブの技術である。このマイクロバルブによる精緻な流路制御は、マイクロタス等の微小流路技術の必須事項でもある。
マイクロバルブ技術としては、微小な機械やアクチュエーター等を用いることが主に行われてきた。微小な機械・アクチュエーターを用いてのマイクロバルブに関する研究は、特許を含め多数の文献が出されている。特許は最近特に多く出願されており、例えば、特開2007-085537、特開2007-071398、特開2007-071257、特開2007-002924等がある。さらに、筋細胞の伸長と収縮にともなう突起部を利用したバイオマイクロバルブも報告されている(特開2004-283088)。
一方、基本的には分子性化合物である流体の拡散・展開を、分子レベルでの機械的過程で制御することも考えられる。特に光の刺激による流路制御は、光が照射する時間や場所を任意にかつ精緻に制御することができるため、マイクロ流路の機敏な応答機能を現出できると期待される。例えば、光応答性有機基を導入した高分子ゲルの体積を光照射により増減させて、それにより流路の開きぐあいを変化させて流体を制御するマイクロバルブが提案されている(特開2007-108087)。また、マイクロ流路に光照射により可逆的に溶媒
との親和性、例えば親水性・疎水性が変化する有機基を導入することにより、マイクロ流路の流速や流路を制御するバルブ技術も提案されている(特開2005-62029)。この特許では、スピロピラン類、スピロオキサジン類、アゾベンゼン類、サリチリデンアニリン類等が光応答性有機基として例示されている。
一方、クロマトグラフィーは、物質の分離プロセスとして重要な技術であるが、それと同時にガス状や液体状等の物質の流通が、その物質の性質とクロマトグラフィーの充填剤との相互作用により変化する現象を用いている。したがって、クロマトグラフィーも、ある種のマイクロ流路システムと考えることができる。このクロマトグラフィーにおいて、流動相である溶剤やガスの流速の制御は、流動相の供給側、すなわちポンプ等によって行われているが、流動相の流速を局所的に増減させるという技術開発は、まったく行われていないのが現状である。
クロマトグラフィーの充填剤としてはシリカゲルが良く用いられるが、シリカ材料を修飾して機能化することで、シリカ材料内での物質の拡散が制御できることが、報告されだしている。例えば、規則正しい細孔構造を持つMCM−41等のメソポーラスシリカに有機基を導入することで、細孔内での分子・化合物の拡散、展開を制御する技術である。その例としては、光二量化性を持つクマリン誘導体をメソポーラスシリカに修飾した材料技術に関する特許がある(特開2004-026636)。この場合は、クマリン二量体が細孔を完全
に塞ぎ、内包された分子・化合物は全く拡散できなくなる。一方、アゾベンゼンの光異性化反応により細孔径を絞り込んで分子・化合物の拡散度合いを制御する技術もある(特開
2004-249407)。これらは、内包された分子・化合物の自然拡散を停止(前者:特開2004-026636の技術)、あるいは抑制(後者:特開2004-249407の技術)するものであるが、化
合物の細孔内での移動・輸送は濃度勾配による拡散でのみ引き起こされ、移動速度を促進するという効果は持たない。分子の移動を促進する技術に関しては、最近、アゾベンゼンの光異性化反応を連続的に行い、いわば「分子の箒」のように作用させて、拡散速度を光照射で向上させるという技術が報告されているのみである(特開2006-256885)。
物質の移動・輸送速度を能動的に増加させる技術は、前述のマイクロタス、マイクロバルブ、クロマトグラフィーにおいても実現されていない。これらの場合の物質の移動・輸送速度、つまり流体の流速の駆動力は、自然拡散、重力効果、あるいはポンブ等による機械的作用によってのみ行われているからである。つまり、従来のマイクロタス、マイクロバルブ、クロマトグラフィーにおいても、流体や分子・化合物の移動度や流速は、自然の拡散や機械的な駆動力によってのみ行われ、分子レベルの作用によって促進も含めた制御を行う技術は存在していなかった。
特開2007-085537 特開2007-071398 特開2007-071257 特開2007-002924 特開2004-283088 特開2007-108087 特開2005-62029 特開2004-026636 特開2004-249407 特開2006-256885
本発明は、マイクロリアクタ、クロマトグラフィー中での物質の流速、流動性を光照射により速度の増加も含めた制御を局所的に行う技術を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み検討を重ねた結果、クロマトグラフィーに用いるシリカ等の充填剤表面に可逆的光異性化を行う置換基を導入し、クロマトグラフィー操作での有機溶剤等の流動相の流速を光照射により局所的に制御できることを見出した。
本発明は、以下の化学物質の流速の制御方法を提供するものである。
項1. 可逆的光異性化基を有する材料を用いて化学物質の流路を形成し、前記化学物質の流速を光照射により局所的に制御することを特徴とする、化学物質の流速の制御方法。
項2. 可逆的光異性化基を有する材料がカラムの充填剤であり、前記流路がカラムの充填剤間の隙間に形成されている、項1に記載の方法。
項3. 前記流路がマイクロリアクタの流路である、項1に記載の方法。
本発明によれば、光照射により分子構造を可逆的に変えることができるアゾベンゼン等を修飾したシリカに、アゾベンゼン等の分子構造が変化する波長域の光を照射することで、当該材料を充填剤としたクロマトグラフィー中を展開する有機溶剤等の流体の速度を制
御させることができる。特に、紫外線と可視光を同時に照射することにより、溶剤の流速を速めることができる。
本発明によれば、光を照射した場所では、クロマトグラフィーで起こる自然な流体の流速が速くなるため、クロマトグラフィーおよびマイクロ流路等での流通速度の促進を含めた制御を、光照射により時間や場所を限定して制御することができ、その効果により、マイクロタス、マイクロチップ等の技術への応用が特に有望である。
本発明で用いる可逆的光異性化基は、光に応答して可逆的に分子形態を変えることができる。この光異性化基に適当な強度及び波長の光を照射することで、光異性化基の可逆的形態変化を引き起こすことができる。
可逆的光異性化基としては、光照射により、可逆的に2またはそれ以上の異性体の間を可逆的に変化する基であれば、特に限定されない。この官能基としては、アゾベンゼン、スピロピラン、スピロオキサジンなどが考えられる。光異性化を行う部位は、材料の表面(外表面や細孔内に限定されない)に、直接あるいは適当なスペーサーとなる置換基を介して結合される。スペーサーとなる置換基は、アルキレン基(-(CH2)n、n=1〜8の整数)、カルボニル基(-CO-)、アミド基(-CONHまたは-NHCO)、イミノ基(-NH-)、エーテル基(-O-)、チオエーテル基(-S-)、エステル基(-COO-または-OOC-)、シラノール基(-Si(O)m、m=1,2,3)などを挙げることができ、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせることでスペーサーを構成する。
アゾベンゼン部分、スピロピラン部分、スピロオキサジン部分の置換基は、光により可逆的に異性化するものならば特に限定されない。置換基としては直鎖状あるいは分枝状のC〜Cアルキル基(メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなど)、直鎖状あるいは分枝状のC〜Cアルコキシ
基(メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなど)、アリールオキシ(フェニルオキシ、ナフチルオキ
シなど)、アラルキルオキシ(ベンジルオキシ、フェネチルオキシなど)、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ(メチルア
ミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノなど)、ジアルキルアミノ(ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノ、ジn-プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジn-ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジsec-ブチルアミノ、ジtert-ブチルアミノなど)、アルカ
ノイル(アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、イソブチリル、sec-ブチリル、tert-ブ
チリルなど)、アシルオキシ(アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n-ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、sec-ブチリルオキシ、tert-ブチリルオキシ、バレリルオキシ、
ベンゾイルオキシ)などがあげられる。好ましい可逆的光異性化基は、アゾベンゼンである。
本発明の光応答性の材料は、クロマトグラフィー用の充填剤の場合には、可逆的光異性化基以外は主としてシリカ等の多孔性材料から構成されるが、有機基の光応答性を妨げない限り、特に限定されない。例えば、チタニア、ジルコニア、アルミナあるいはこれらの複合酸化物(例えばシリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア−ジルコニアなど)、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン酸スズ等の金属リン酸塩などがあげられる。さらに、展開溶剤に溶解しないものならば有機系ポリマーでもよい。例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、有機無機ハイブリッド体、例えば、Si-(フェ
ニレンまたはアルキレン)-Siのような有機無機ハイブリッド部分構造を有する材料から
構成されてもよい。
マイクロリアクタの場合には、好ましくはガラス、プラスチック(ポリスチレン、ポリ
カーボネート、アクリル樹脂)などの透明な材料が光応答性の材料として使用できる。
充填剤の細孔のサイズは、特に限定されないが、好ましくは2nm以上、より好ましくは2.5nm以上が好ましい。細孔直径が小さすぎると可逆的光異性化基を導入するのが困難になる。一方、大きい方の細孔径は、修飾する光応答性有機基を大きくすることで発明の効果が発現できるため、100nm程度までならば基本的に良い。
流路の大きさ(幅)は、クロマトグラフィーの充填剤間の間隙の場合1〜1000nm程度、マイクロリアクタの流路の場合、50nm〜100μm程度が例示される。流路が広すぎると流速の制御が困難になり、流路が狭すぎると、可逆的光異性化基を導入するのが困難になる。
照射される光の波長は、可逆的光異性化基の種類によって変化するが、通常300〜400nm程度である。このような紫外線を照射すれば、光異性化基の立体的な形状が変わり、流路が広がって化学物質の流速が速くなる。光は、紫外光を照射すれば異性化には十分であるが、可視光と紫外光を同時にあるいは順次組み合わせて照射すれば、異性化の速度(すなわち流速)を速くすることができる。紫外光ないし(紫外光+可視光)は、連続的に照射しても良く間欠的にあるいは一定の間隔をおいて照射してもよい。
流路に展開する化学物質は、クロマトグラフィーの場合には、通常溶媒、溶剤が用いられる。マイクロリアクタの流路には、化学物質として反応性物質などを溶解した溶液を用いることができ、反応性物質が液状の場合には、化学物質のみを流路に流すことができる。
クロマトグラフィーにおいて、展開する溶媒・溶剤は、水や酸素と容易には反応せず空気中で安定なものならば特に限定されない。例えば、ヘキサン、ペンタン、オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等の脂環状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化炭素等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性を持つ有機系溶媒等をあげることができる。さらに、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン等の溶媒もあげることができる。
展開溶媒中に種々の化合物を添加することもできる。添加できる化合物は、展開する溶媒に溶解するものならば特に限定されないが、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ベンゾフェノン等の有機化合物、その他の天然および合成の低分子化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマー等が広く包含され、例えばコレスタン、コレステロール、プロゲステロン、テストステロン、エストラジオール等のステロイド類や、ビタミンA、ビタミンD等のビタミン類、アドレナリン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、オピオイドペプチド、副腎皮質刺激ホルモン、プロスタグランジン類などの生理活性物質、ペニシリン、イブプロフェン等の医薬化合物、リン酸エステル類等の農薬化合物、アルカロイド等の植物由来の化合物、アミノ酸、単糖類、多糖類を含む糖類、脂肪ないしは脂肪酸、タンパク質、核酸等を用いることができる。
本発明の光応答性多孔性材料として、通常の非晶質のシリカゲルを用いた場合での調製法を以下に例示する。非晶質シリカゲル以外の材料についても、以下の記載を参考にして当業者であれば容易に調製することができる。
例えば、カラム・クロマトグラフィーに用いられる市販のシリカゲルを用い、このシリカゲルに光により分子の形が変化する、すなわち異性化する有機基を導入する。このような可逆的光異性化基としては、アゾベンゼン部分、スピロピラン部分およびスピロオキサジン部分からなる群から選ばれる少なくとも1種の部位を有する基があげられ、好ましくは、アゾベンゼン部分を有する基(以下、「アゾベンゼン誘導体」ということがある)があげられる。アゾベンゼン誘導体で修飾されたシリカ体は、例えば、特開2006-256885に
示す方法で合成することができる。
アゾベンゼン誘導体としては特に限定されないが、スキーム1、2に示すようなアゾベンゼン誘導体3、6、7などをあげることができる。また、複数のアゾベンゼン部位を分子内に持つ化合物であっても良い。シリカ材料とアゾベンゼン誘導体との結合様式は、水や弱酸性、弱アルカリ性条件下で開裂しないものならば特に限定されない。好ましくは、Si−O−Si結合により共有結合でシリカ表面に結合しているものが望ましい。また、用いるアゾベンゼン誘導体のシリカ材料への割合は特に限定されないが、シリカ材料の重量を基準として1〜30重量%が好ましく、特に5〜20重量%が良い。
シリカ材料へアゾベンゼン誘導体を修飾した材料を用いた、流体速度の光制御の方法の一例を、スキーム1に従い、以下に説明する。4−フェニルアゾフェノール(1)と臭化アリルとから3−アゾベンゼンのエーテル誘導体(2)を合成し、トリエトキシシランによるヒドロシリル化反応でアゾベンゼン誘導体(3)を合成し、これをトルエン等の有機溶媒に溶解させた溶液中にシリカを懸濁させ、シリカに修飾する。スキーム1に、この方法の一例を載せた。この場合において、シリカがカラム・クロマトグラフィー用シリカゲルであるメルク社製シリカゲル60の場合を、ここではアゾベンゼン修飾シリカ1とする。他にも、スキーム2に示すように、4−フェニルアゾフェノール(1)や4−フェニルアゾアニリン(4)と3−トリエトキシシリルプロピルイソシアナート(5)からアゾベンゼンのカーバマート誘導体(6)や尿素誘導体(7)を合成し、これをトルエン等の有機溶媒に溶解させた溶液中にメルク社製シリカゲル60を懸濁させ、当該シリカに修飾することもできる。ここでは、尿素誘導体から得られた材料をアゾベンゼン修飾シリカ2、カーバマート誘導体から得られた材料をアゾベンゼン修飾シリカ3とする。このシリカ材料を十分洗浄の後、カラム・クロマトグラフィーに用いるパイレックス(登録商標)ガラスカラムに充填する。カラム・クロマトグラフィー用のガラスカラムは特に限定させず、また必ずしもガラスカラムでなくとも良い。シリカ等の多孔体にアゾベンゼン誘導体を修飾でき、内部に溶剤等の流体が流通でき、かつ必要とする波長の光を内部に十分に照射できるものならば良い。ガラスカラムへのシリカ材料の充填量も、特に限定されるものではなく、展開させる流体の量や適度な流速が確保できるものならば良い。
Figure 0004986159
Figure 0004986159
このようにして得られたアゾベンゼン誘導体修飾シリカ材料のUV−Visスペクトル(拡散反射)を図1に示す。光を無照射の場合は、トランス体のアゾベンゼンに由来すると思われるスペクトルが得られる。この材料に波長域300〜400nmの紫外線を照射すると光異性化が進行し、シス体に由来する約430〜450nmの吸収の著しい増加が観測された。一方、紫外線と可視光を同時に照射すると、光非照射と紫外光照射の中間のスペクトルを得た。このことは、図2に示す概念図のように、アゾベンゼン部位のシス・トランス間の光異性化反応が連続的に進行していることを示唆している。これにより、シリカ材料の細孔内では、アゾベンゼンの結合した有機基が絶え間なく強く分子運動することになり、細孔内にある他の分子の流動性も向上すると考えられ、それにより細孔内の分子の拡散が著しく上昇することが考えられる。
例えば、このアゾベンゼン誘導体修飾シリカ材料の粉末を、様々な内径のパイレックス(登録商標)ガラス製のカラムに約5cm充填した。このカラムに、展開溶剤としてケロシンやn−デカンを上部より流し込み、下部から流出するケロシンやn−デカンの量を時間と共に計測した。その結果を表1にまとめる。非修飾のシリカ(普通のカラム・クロマトグラフィー用シリカゲル)においても、光照射による促進効果は観測されたものの、アゾベンゼン修飾シリカ1では光照射による溶剤流速の上昇は顕著であった。例えば、アゾベンゼン修飾シリカ1を修飾した場合、展開溶剤にケロシンを用い内径20mmのパイレックス(登録商標)ガラス製カラムでは、300〜400nmの紫外光のみの照射では展開時間の減少は100から96であるのに対し、紫外光と可視光の同時照射では100から79へと減少した。この場合、非修飾のシリカゲルでの展開時間の減少はわずかに100から98である。また、展開溶剤がn−デカンの場合では、300〜400nmの紫外光のみの照射では展開時間の減少は観測されなかったのに対し、紫外光と可視光の同時照射では100から90へと減少していた。このように、アゾベンゼン修飾シリカに紫外光と可視光を照射することにより、シリカ材料中を展開する溶媒の流速は際だって向上することが見いだされた。展開する溶剤としては、親水性の溶剤も可能である。表2に示すように、ジメチルスルホキシド(DMSO)を展開溶媒とした場合、アゾベンゼン修飾シリカ2、3,4において、顕著な光照射による流速促進が観察された。
Figure 0004986159
[a]カラムサイズ:直径mm×長さmm。
[b]流速が上昇した割合:一定量の溶剤が流れ落ちるのに必要な時間に関して、光非照射
時での必要時間を100とし、光照射時に必要とした時間。例えば、流速に変化が無い場合は100、流速が2倍になった場合は50となる。
[c]波長が300nm以上の紫外光と可視光を同時照射
[d]波長が300から400nmの紫外光を照射
Figure 0004986159
流体中にマーカーとなる分子を混入して、流体速度を計測した場合においても、紫外光と可視光の同時照射が有効であることが確認された。分離用のシリカゲル・クロマトグラフィーのように、カラム中のシリカゲル上部にn−デカンに容易に溶解するピレンを吸着させた後、上部よりn−デカンを流し込み、下部より流出するn−デカンを経時的にフラクションを取り、ピレンの流出速度を解析した。その結果を図3に示す。光非照射の場合と比べ、光照射した場合に、流出速度が速くなっていることがわかる。図4、5には、紫外線を照射してピレンから蛍光を発することによりピレンの位置を確認した写真である。図4は、光非照射と紫外光・可視光同時照射による同時間での写真であり、ピレンが発光しているためピレンの存在する場所は白い。写真からも紫外光・可視光同時照射の方が、光非照射よりも速くピレンが流れ落ちていることがわかる。図5は、光非照射と紫外光のみ照射の同時間での写真であるが、紫外線のみの照射の場合は、光非照射とほぼ同じ速度でピレンが流れ落ちており、紫外線のみでは、流速の向上は特に見られない。図6は、紫外光・可視光同時照射、紫外光のみ照射、および光非照射の場合のピレンのカラム中での位置の写真であり、この写真では光は正面左側から照射している。紫外光・可視光同時照
射の場合は、ピレンの位置を示す白色部は、左側が右と比べ下がっている。一方、他の紫外光のみ照射や光非照射では、ピレンの位置に左右で大きな差はない。つまり、光がよく当たる左側でピレンの流速が向上しているということである。このことからも、紫外光と可視光が同時に当たることによって、ピレンの流速が増加していることがわかる。この効果は、展開溶媒の流速の増加によって起こっているものと考えられる。
シリカ中に展開する溶剤の流通速度制御は、カラム・クロマトグラフィーだけではなく、薄相クロマトグラフィーにおいても確認できた。図7は、市販の分取用の薄相クロマトグラフィーに直接、その下部にピレンを吸着させ、紫外光・可視光同時照射および光非照射下でn−デカンを展開溶剤として用いて行った薄相クロマトグラフィーの結果である。ピレンは蛍光発色させており、白色部分がピレンの存在する場所である。また、上部の濃淡を分ける線は、n−ブタンの展開位置を示している。写真の黒丸部分は、光が照射された場所である。図からわかるように単なるシリカゲルでは、紫外光・可視光同時照射および光非照射下において、n−デカンやピレンの展開速度に差は観測されなかった。一方、図8からわかるように、アゾベンゼンを修飾した薄相クロマトグラフィーにおいては、紫外光・可視光同時照射した場所でn−デカンの展開速度、およびピレンの上昇分が向上していることが分かる。図8の右図は、紫外光のみを照射した場合であるが、n−デカンの展開位置やピレンの場所は光が当たっていない場所と同じである。したがって、紫外光と可視光を同時照射することによって溶剤の展開速度が向上しているということであり、カラム・クロマトグラフィーの場合の結果と完全に一致している。
以上のように、シリカ等の多孔体にアゾベンゼン誘導体を修飾した材料に関して、当該材料中を流れる流体の速度は、紫外光と可視光を同時照射することにより促進され、速度が速くなるという技術を見いだした。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 アゾベンゼン修飾シリカ1の合成
4−フェニルアゾフェノール(化合物1;1.987g、10.0mmol)と臭化アリル(3.65g、30.2mmol)のアセトン50mL溶液に、無水炭酸カリウム(2.78g、20.1mmol)を加え、70℃で20時間反応させた。不溶物をろ別後、エバポレーションで溶媒を除去し、化合物2の素生成物を得た(2.36g、収率99%)。この素生成物をエタノールで再結晶した化合物2の純生成物(0.477g、2.00mmol)を脱水トルエン5mLに溶かし、この溶液に乾燥窒素を5分間吹き込み、溶存酸素を除去した。その後、トリエトキシシラン(1.00g、6.09mmol)と白金1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの0.02Mトルエン溶液(市販の0.1M溶液を希釈)を0.15mL加え、室温で90時間反応させ、化合物3を得た(約0.78g、1.93mmol;収率97%)。このアゾベンゼン誘導体(化合物3)を0.40g(1mmol)取り、トルエン60mLに溶かした後、市販のシリカゲル60(メルク社製、カラムクロマトグラフィー用)を6.0g加えて、120℃で1時間撹拌後、エバポレーターで溶媒を留去し、得られた固体を減圧下(約5mmHg)で80℃で20時間処理した。この固体を500mLのアセトンで2回洗浄し、減圧下で乾燥させ、アゾベンゼン修飾シリカ1を得た。こうして得られたアゾベンゼン修飾シリカの拡散反射の紫外線スペクトルを図1に示す。紫外線スペクトルにはアゾベンゼン特有の吸収(〜330nm、〜430nm)が観測され、アゾベンゼンが確かに修飾されていることが確認できた。
実施例2 アゾベンゼン修飾シリカ2の合成
4−フェニルアゾアニリン(化合物4;0.39g、2mmol)と3−トリエトキシ
シリルプロピルイソシアナート(化合物5;0.49g、2mmol)とを、脱水トルエン10mLに加え、110℃、16時間反応させた。反応の進行は赤外線スペクトルで、イソシアナート吸収(2272cm−1)の消失により確認した。エバポレーションで溶媒を除去し、化合物7の素生成物を得た(0.82g、収率93%)。このアゾベンゼン誘導体を0.44g(1mmol)を用い、実施例1と同様の方法でアゾベンゼン修飾シリカ2を得た。
実施例3 アゾベンゼン修飾シリカ3の合成
4−フェニルアゾフェノール(化合物1;0.40g、2.0mmol)と3−トリエトキシシリルプロピルイソシアナート(化合物5;0.49g、2mmol)とを、脱水ジメチルホルムアミド10mLに加え、120℃、16時間反応させた。反応の進行は赤外線スペクトルで、イソシアナート吸収(2272cm−1)の消失により確認した。この溶液をアゾベンゼン誘導体1mmol相当分そのまま用いてを用い、実施例1と同様の方法でアゾベンゼン修飾シリカ3を得た。
実施例4 アゾベンゼン修飾シリカ4の合成
4−(4−ニトロフェニルアゾ)フェノール(0.49g、2.0mmol)と3−トリエトキシシリルプロピルイソシアナート(化合物5;0.49g、2mmol)とを、脱水ジメチルホルムアミド10mLに加え、120℃、20時間反応させた。反応の進行は赤外線スペクトルで、イソシアナート吸収(2272cm−1)の消失により確認した。この溶液をアゾベンゼン誘導体1mmol相当分そのまま用いてを用い、実施例1と同様の方法でアゾベンゼン修飾シリカ4を得た。
実施例5 カラム・クロマトグラフィーによるアゾベンゼン修飾シリカ1中のn−デカンの流通速度制御
内径10mm、全長200mmの、下部にガラスフィルター付きのクロマトグラフィー用ガラスカラム(パイレックス(登録商標)ガラス製)にアゾベンゼン修飾シリカ1を充填し、図9に示すような装置を用いて、溶剤の流出速度を測定した。シリカの充填量は、光の照射面積を考慮して約5cmとし、ランプとカラムまでの距離は約10cmにした。シリカ上部にn−デカンを満たし、種々の条件の光を照射し、それぞれの場合について下部より流出するn−デカンが1mLに達するまでの時間を測った。1mLのフラクションを10回取り、それぞれの流出時間の平均を取った。結果は、表1および表2に示す通りである。
実施例6 アゾベンゼン修飾シリカ1中のピレンの流通速度制御
実施例5と同じ装置を組み、n−デカンを流す前に、ピレン0.1gを必要最小限のn−デカン(約1mL)を用いて、シリカの上部に吸着させた。その後、シリカ上部に実施例5のようにn−デカンを満たし、種々の条件の光を照射し、それぞれの場合について下部より流出するn−デカンが1mLに達するまでの時間を測った。また決まった時間ごとに、ランプによる光照射を止め、別のハンディー紫外線ランプを用いてピレンを発光させ、正面より写真を撮影した。この際の写真が図4−6である。また、ランプ1mLのフラクションを10回取り、それぞれの流出時間も測定した。
実施例7 薄相クロマトグラフィーによるアゾベンゼン修飾シリカ中のn−デカンおよびピレンの流通速度制御
市販の薄相クロマトグラフィー(メルク社製TLCアルミニウムシートシリカゲル60)の中央部(図8参照)に、化合物3のメタノールに溶液(化合物3:0.016g、0.04mmol;メタノール10mL)を浸し、恒温槽中で120℃、24時間熱処理を行い、シリカにアゾベンゼンを修飾した。このシートの下部にピレンをスポットで吸着させ(図7、8参照)、このTLCシリカゲルを、図10のように下部にn−デカンを満た
したTLC展開槽中に置いてn−デカンをカラムシート中に展開させた。光照射は、展開槽の外側から、図10のように行った。n−デカンが十分に上部に展開した後、カラムシートを取り出し、ピレンの存在位置は、ハンディー紫外線ランプを用いてピレンを発光させて写真を撮影した。なお、図8では、発光強度が不十分なため、発光箇所をマークした写真である。
本特許で新しく調製され見いだされた材料の応用は、種々想定されるが、例えば以下のような応用が考えられる。例えば、マイクロリアクター・マイクロチップ等の微小流路における流体の速度を光により任意に制御すること技術が有力である。これにより、分枝状のマイクロ流路の流路制御を、一方の流路に光を照射することで流速を向上させることで可逆的に流路制御を行うシステムが構築できる。また、クロマトグラフィーにおいては、必要成分が流れ落ちている箇所に光を照射することで、その部分の留分・フラクションを素早く溶出させることも可能であり、その結果、分離能の上昇や分子性能の可逆的制御等への応用も期待される。また、キャピラリー中の溶剤や気体の流速を光照射で任意に制御できる可能性もあり、それによりキャピラリー中の圧力を制御する弁としての応用も期待できる。
アゾベンゼン修飾シリカ1の各光照射条件下での吸収スペクトル。 シリカ材料細孔内でのアゾベンゼン誘導体の連続的光異性化反応の概念図 アゾベンゼン修飾シリカ1中でのピレンのn−デカンによる流出の経時変化 アゾベンゼン修飾シリカ1に、ピレンを吸着させn−デカンを展開させたカラムの写真。ピレンを紫外線照射で蛍光発色させている。(上)光非照射。(下)紫外光と可視光を同時照射。 アゾベンゼン修飾シリカ1に、ピレンを吸着させn−デカンを展開させたカラムの写真。ピレンを紫外線照射で蛍光発色させている。(上)光非照射。(下)紫外光のみを照射。 紫外光・可視光照射、紫外光のみ照射および光非照射時におけるカラム中でのピレンの位置。照射光は画面の左側より照射している。 非修飾の薄相クロマトグラフィーにピレンを吸着させ、n−デカンを展開溶剤として用いて行った薄相クロマトグラフィー。白色部分にピレンが存在する。左図の黒丸部分に光照射。 アゾベンゼンを修飾した薄相クロマトグラフィーにピレンを吸着させ、n−デカンを展開溶剤として用いて行った薄相クロマトグラフィー。丸の印が付いた部分にピレンが存在する。左図の黒丸部分に光照射。半カッコ部分の濃い部分にアゾベンゼンを修飾。 カラム・クロマトグラフィーによる溶剤流通速度の光制御の実験装置図 薄層クロマトグラフィーによる溶剤流通速度の光制御の実験装置図

Claims (3)

  1. 可逆的光異性化基を有する材料を用いて化学物質の流路を形成し、前記化学物質の流速を光照射により局所的に促進することを特徴とする、化学物質の流速の促進方法であって、前記光照射が可視光と紫外光の同時照射であり、かつ、前記可逆的光異性化基がアゾベンゼン部分を有する、化学物質の流速の促進方法。
  2. 可逆的光異性化基を有する材料がカラムの充填剤であり、前記流路がカラムの充填剤間の隙間に形成されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流路がマイクロリアクタの流路である、請求項1に記載の方法。
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