JP4984994B2 - インクジェット用インクおよびインクジェット用インクの製造方法 - Google Patents
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Description
このようなインクジェット記録方法に用いられるインクとしては、水性分散媒あるいは非極性分散媒中に顔料微粒子を分散してなる顔料インクが広く用いられている。
しかしながら、このような顔料インクでは、水性分散媒あるいは非極性分散媒での顔料微粒子の分散安定性が悪く、顔料微粒子同士が凝集してしまい、インク吐出ヘッドのノズル部の目詰まりの原因になったり、インクの粘度変化により、安定した吐出ができないといった問題があった。
このような顔料インクは、顔料インク中に含まれる顔料微粒子が、顔料と樹脂とを有するものであり、顔料を分散媒に分散させただけの顔料インクに比べ、分散安定性が向上するものの、十分な分散安定性を有するものではなく、吐出安定性に劣るものであった。
本発明のインクジェット用インクは、着色樹脂微粒子と、当該着色樹脂微粒子を分散させる分散媒とを有し、
前記着色樹脂微粒子が、水系分散媒中に樹脂と着色剤と有機溶剤とを含む分散質が分散した乳化液に電解質を添加することにより、前記分散質を合一させることにより製造されたものであることを特徴とする。
これにより、保存性に優れ、吐出安定性に優れたインクジェット用インクを提供することができる。
これにより、インクの保存性は特に優れたものとなるとともに、インク吐出ヘッド部での目詰まりがより確実に防止され、吐出安定性に特に優れたものとなる。また、記録媒体に付着したインクの耐久性は特に優れたものとなる。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の着色樹脂微粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の着色樹脂微粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
これにより、インク吐出ヘッド部での目詰まりがより確実に防止され、インクの吐出安定性は特に優れたものとなる。
これにより、記録媒体へのインク付着量が少なくても、より高濃度の印字を行うことができ、また、長期保存性に特に優れたものとなる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記分散媒は、脂肪族炭化水素系液体、シリコーンオイル、および脂肪酸エステルのうち、少なくも1種を含むものであることが好ましい。
これにより、インクの保存性は特に優れたものとなるとともに、インクの吐出安定性は特に優れたものとなる。
これにより、インクの保存性は特に優れたものとなるとともに、インクの吐出安定性は特に優れたものとなる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記高分子分散剤の重量平均分子量Mwは、10000〜100000であることが好ましい。
これにより、インクの保存性は特に優れたものとなるとともに、インクの吐出安定性は特に優れたものとなる。
複数個の前記分散質を合一させ、合一粒子を得る合一工程と、
前記合一粒子に含まれる有機溶剤を除去し、着色樹脂微粒子を得る脱溶剤工程と、
前記着色樹脂微粒子を分散媒に分散させる分散工程とを有し、
前記合一工程において電解質を添加することを特徴とする。
これにより、吐出安定性に優れたインクジェット用インクの製造方法を提供することができる。
これにより、インクの保存性は特に優れたものとなるとともに、インク吐出ヘッド部での目詰まりがより確実に防止され、インクの吐出安定性は特に優れたものとなる。また、記録媒体に付着したインクの耐久性は特に優れたものとなる。
これにより、インクの保存性は特に優れたものとなるとともに、インクの吐出安定性は特に優れたものとなる。
《インクジェット用インク》
本発明のインクジェット用インクは、少なくとも樹脂と着色剤とを含む着色樹脂微粒子と、当該着色樹脂微粒子を分散させる分散媒とを有するものである。
<着色樹脂微粒子>
まず、着色樹脂微粒子について説明する。
このような着色樹脂微粒子は、樹脂と着色剤とを含む材料で構成されたものである。
ところで、水性分散媒あるいは非極性分散媒中に顔料微粒子を分散してなるインクは、被転写紙の種類によらず、印字品質を均一なものとすることができるという特徴を有している。ところが、このようなインクは、水性分散媒あるいは非極性分散媒中での顔料微粒子の分散安定性が悪く、顔料微粒子同士が凝集してしまい、インク吐出ヘッドのノズル部の目詰まりの原因になったり、インクの粘度変化により、安定した吐出ができないといった問題があった。また、顔料の代わりに、顔料と樹脂とで構成された着色樹脂微粒子を分散媒中に分散させてなるインクを用いる試みがある。しかしながら、このようなインク中の着色樹脂微粒子は、粒度分布が広く、粗大粒子や微小粒子が混在するものであった。このようなインクは、顔料を分散媒に分散しただけのインクに比べて分散安定性が向上するものの、十分なものではなく、また、インク吐出ヘッド部での目詰まりを起こし易く、吐出安定性が十分なものではなかった。また、このようなインクを被転写紙に吐出させると、着色樹脂微粒子のうち、微小粒子が被転写紙内部に浸透してしまい、印字部が滲んだり、印字濃度が薄くなるといった不具合が生じ、安定した印字が困難であった。
また、着色樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgは、特に限定されないが、30〜100℃であるのが好ましく、55〜85℃であるのがより好ましい。着色樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが前記範囲内の温度であると、インク中における着色樹脂微粒子同士の凝集をより確実に防止することができる。これにより、インクの分散安定性は長期間に渡って優れたものとなり、保存性に優れるとともに、吐出安定性が長期間に渡って優れたインクとなる。
100/T=w1/T1+w2/T2+・・・
Tg=T−273
ただし、上記式中、樹脂を構成する各樹脂成分(第1の成分、第2の成分、・・・)のガラス転移温度を、それぞれ、絶対温度表示でT1[K]、T2[K]、・・・とし、樹脂Aを構成する樹脂成分全体に占める各成分(第1の成分、第2の成分、・・・)の含有率を、それぞれ、w1[wt%]、w2[wt%]、・・・とする。
このような顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2,3,5,17,22,23,38,81,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,52:1,53:1,57:1,63:1,112,122,144,146,149,166,170,176,177,178,179,185,202,207,209,254,101,102,105,106,108,108:1、C.I.ピグメントグリーン7,36,15,17,18,19,26,50、C.I.ピグメントブルー1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60,27,28,29,35,36,80、C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14,17,55,73,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,129,138,139,150,151,153,154,168,184,185,34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,157、C.I.ピグメントバイオレット1,3,19,23,50,14,16、C.I.ピグメントオレンジ5,13,16,36,43,20,20:1,104、C.I.ピグメントブラウン25,7,11,33等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色樹脂微粒子としては、上述したような顔料、染料を用いることができるが、顔料を用いた場合には、印字部の耐久性(耐光性、耐ガス性、耐水性)を優れたものとすることができ、印字部が色褪せるのを防止することができる。
また、インク中の着色樹脂微粒子として、上述したような染料を用いた場合には、染料を水性媒体中に溶解させた水性インクよりも、印字品質がより均一なインクとすることができる。また、水性インクは、被転写紙の種類によっては、染料が紙内部に浸透してしまい、滲みや、印字濃度が薄くなるといった問題点を有するものであるが、着色樹脂微粒子として染料を用いたインクは、印字品質の紙種依存性が少ないものとなる。
帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、ベンジル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、含金属ビスアゾ染料、カッリクスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、トリメチルエタン系化合物、カテコールの金属塩、ニグロシン化合物、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、オニウム化合物、トニフェニルメタン系化合物、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
また、着色樹脂微粒子の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩、ワックス等を用いてもよい。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の着色樹脂微粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の着色樹脂微粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
このように、円形度の標準偏差が十分に小さいと、上述した効果はより顕著なものとなる。
また、着色樹脂微粒子の粒径の標準偏差(σ(DT))を着色樹脂微粒子の平均粒径(DT)で除した数値(σ(DT)/DT)として表される着色樹脂微粒子の粒径についての変動係数は、0.30以下であるのが好ましく、0.20以下であるのがより好ましい。これにより、着色樹脂微粒子の粒度分布は特にシャープなものとなる。これにより、インクの分散安定性は特に優れたものとなり、保存性、吐出安定性に特に優れたインクとなる。また、上記条件を満足する着色樹脂微粒子が分散したインクを、被転写紙に吐出すると、被転写紙の表面に着色樹脂微粒子が保持される。このような着色樹脂微粒子は、優れたパッキング性を有し、印字部の耐久性(耐擦過性)が特に優れたものとなる。
また、インク中における着色剤の含有率は、1〜15wt%であるのが好ましく、2〜10wt%であるのがより好ましい。着色剤の含有率が前記範囲内の値であると、インク吐出ヘッド部での目詰まりが防止され、吐出安定性が特に優れたインクとなる。
次に、上述した着色樹脂微粒子を分散させる分散媒について説明する。
このような分散媒としては、特に限定されないが、水、各種アルコール等の極性液体、脂肪族炭化水素系液体、シリコーンオイル、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸モノエステルなどの脂肪酸エステル等の非極性液体が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、このような脂肪族炭化水素系液体は、構成する脂肪族炭化水素が炭化水素基の分岐鎖を有することが好ましい。これにより、脂肪族炭化水素系液体は、化学的により安定なものとなる。したがって、このような脂肪族炭化水素系液体を分散媒として用いたインクは、安定した印字品質をより長期間に渡って持続することができるものとなる。これは、脂肪族炭化水素系液体を構成する脂肪族炭化水素の構造が、嵩高になることによって、化学反応を起こしにくい構造となるためであることが考えられる。
また、上述した脂肪酸エステルの中でも、脂肪酸モノエステルを分散媒として用いた場合には、脂肪酸モノエステルが、着色樹脂微粒子に浸透し、可塑化効果を発現する。この可塑化効果により、被転写紙の表面付近の繊維内に着色樹脂微粒子がより確実に入り込み、保持される。これにより、印字部の耐久性(耐擦過性)が特に優れたものとなる。
また、インクを構成する分散媒の25℃における粘度は、特に限定されないが、2〜30mPa・sであるのが好ましく、3〜15mPa・sであるのがより好ましい。これにより、インクの分散安定性は特に優れたものとなる。
また、インクジェット用インク中には、分散剤が含まれていてもよい。これにより、着色樹脂微粒子の分散媒中への分散性を向上させ、インクの分散安定性をより優れたものとすることができる。
分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の各種低分子、高分子分散剤が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、分散剤としては、カチオン性の官能基またはアニオン性官能基を有する高分子分散剤であることが好ましい。
また、このような高分子分散剤の重量平均分子量Mwは、10000〜100000であるのが好ましく、30000〜80000であるのがより好ましい。上記条件を満足する高分子分散剤は、前述したような着色樹脂微粒子との親和性が高く、インク中での着色樹脂微粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。これにより、保存性、吐出安定性に特に優れたインクとなる。
次に本発明のインクジェット用インクの製造方法について説明する。
本実施形態の着色樹脂微粒子の製造方法は、樹脂成分と有機溶剤とを含む材料で構成された分散質が水系分散媒に分散(乳化および/または懸濁)した分散液(乳化懸濁液)を調製する工程(乳化懸濁液(分散液)調製工程)と、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る工程(合一工程)と、合一粒子に含まれる有機溶剤を除去し、着色樹脂微粒子を得る工程(脱溶剤工程)と、着色樹脂微粒子を分散媒中に分散させる工程(分散工程)とを有する。これにより、粗大粒子や微小粒子が混在しない、粒径が均一(粒度分布が単分散)な着色樹脂微粒子を得ることができる。
[乳化懸濁液調製工程(分散液調製工程)]
まず、乳化懸濁液調製工程について説明する。
乳化懸濁液は、いかなる方法で調製してもよいが、例えば、樹脂と着色剤と有機溶剤(有機溶媒)とを含む液体である着色樹脂液を、水性媒体と混合することにより調製することができる。
また、着色剤としては、前述した着色樹脂微粒子の構成材料として例示したものを用いることができる。
また、有機溶剤(有機溶媒)としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、四塩化炭素等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
また、有機溶剤の沸点(常圧(1気圧)での沸点。以下、同様。)は、水の沸点よりも低いのが好ましい。これにより、有機溶剤の回収を効率良く行うことができる。
上記のような条件を満足する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等が挙げられる。中でも、メチルエチルケトン、酢酸エチルは、樹脂成分(特に、ポリエステル系樹脂)の溶解性、分散性が高いため、好ましい。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。
得られる着色樹脂液中において、樹脂成分、着色剤は、有機溶剤に溶解または分散している。
乳化剤としては、一般に、分散剤、分散安定剤、界面活性剤として用いられているものを適用することができる。本発明において、乳化剤として適用することのできる具体的な材料としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや、各種プルロニック系等のノニオン系乳化剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン系乳化剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。これにより、乳化懸濁液中における分散質の分散性を特に優れたものとしつつ、最終的な着色樹脂微粒子中に乳化剤が残存した場合であっても、着色樹脂微粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのを効果的に防止することができるとともに、TVOC(揮発性有機化合物)量が増大するのを効果的に防止することができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩が有するアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられるが、ドデシル基が好ましい。すなわち、アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ドデシルベンゼンスルホン酸塩であるのが好ましい。これにより、乳化懸濁液中における分散質の分散性をさらに優れたものとしつつ、最終的な着色樹脂微粒子中に乳化剤が残存した場合であっても、着色樹脂微粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのをより効果的に防止することができるとともに、TVOC(揮発性有機化合物)量が増大するのをより効果的に防止することができる。
また、着色樹脂液の調製においては、調製すべき着色樹脂液の構成成分をすべて同時に混合してもよいし、予め、調製すべき着色樹脂液の構成成分のうち一部を混合して混合物(マスター)を得、その後、当該混合物(マスター)を、他の成分と混合してもよい。例えば、着色剤と樹脂成分とを混合(混練)し、着色剤マスターを得た後、着色剤マスターと、樹脂成分(追加樹脂)と、有機溶剤とを、混合することにより、着色樹脂液を調製してもよい。これにより、各成分が均一に混ざり合った着色樹脂液を、より確実に得ることができる。また、着色樹脂液の構成成分としてワックスを用いる場合、例えば、ワックスと、樹脂成分と、有機溶剤とを含む材料を混合し、ワックスマスターを得、このワックスマスターを、着色剤マスター、樹脂成分(追加樹脂)および有機溶剤と混合することにより、着色樹脂液を調製してもよい。また、ワックスマスターの調製においては、ワックスの粒子が水系分散媒中に分散したワックス分散液(いわゆる、ワックスエマルジョン)を用いてもよい。
水性媒体としては、主として水で構成されたものを用いることができる。
水性媒体中には、例えば、水との相溶性に優れる溶媒(例えば、25℃での100重量部の水に対する溶解度が、50重量部以上である溶媒)を含むものであってもよい。
また、水性媒体は、乳化剤(分散剤)を含むものであってもよい。
また、中和剤は、乳化懸濁液の調製において、複数回に分けて添加されるものであってもよい。例えば、前述したように調製された着色樹脂液に対して中和剤を添加した後に、当該着色樹脂液(中和剤が添加された着色樹脂液)と水性媒体とを混合し、さらにその後、混合液中に中和剤を添加してもよい。これにより、着色樹脂液と水性媒体との混合時における液体の粘度上昇を効果的に抑制しつつ、分散質が均一かつ微細に分散した乳化懸濁液を容易に得ることができる。
攪拌機を用いた混合時における翼先端速度は、例えば、4〜30m/秒であるのが好ましく、10〜25m/秒であるのがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、乳化懸濁液を効率良く得ることができるとともに、乳化懸濁液中における分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができ、分散質の均一分散性を特に優れたものとすることができる。これに対し、翼先端速度が前記下限値未満であると、乳化懸濁液中における分散質の微分散を十分に達成することが困難になる可能性がある。一方、翼先端速度が前記上限値を超えると、攪拌時に、着色樹脂液と水性媒体との混合液の飛散が激しくなり、不溶解物が混在する可能性がある。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、20〜50℃であるのがより好ましい。
次に、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る(合一工程)。分散質の合一は、通常、有機溶剤を含む分散質が衝突することにより、これらが融着して進行する。
複数個の分散質を合一させる方法は、特に限定されないが、分散液中に、電解質を添加する方法が好ましい。これにより、容易かつ確実に合一粒子を得ることができる。また、電解質の添加量を調節することにより、容易かつ確実に、合一粒子(着色樹脂微粒子)の粒径を制御することができる。
本工程で添加される電解質の量は、特に限定されないが、電解質が添加される分散液の固形分100重量部に対し、0.1〜20重量部であるのが好ましく、0.2〜10重量部であるのがより好ましい。
また、本工程において、分散液として前述したようなカチオン性の官能基またはアニオン性の官能基を有する高分子分散剤が含まれていてもよい。分散質を合一させる際に、分散液に前述したような高分子分散剤が含まれていると、最終的に形成される着色樹脂微粒子の表面付近に高分子分散剤を偏在させることができる。これにより、インクの分散安定性がさらに優れたものとなり、保存性、吐出安定性に特に優れたインクとなる。また、最終的なインク組成物として、このような高分子分散剤をインクに含ませる場合、後述する分散工程で、分散媒とともに高分子分散剤を加えるよりも、上述した方法を用いて着色樹脂微粒子の表面付近に高分子分散剤を含ませた方が、インクの粘度を下げることができる。したがって、例えば、インク中の着色樹脂微粒子の含有量を増やしたい場合でも、インクの粘度を適度なものとすることができる。
本工程では、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月翼等の攪拌翼を用いることができるが、中でも、マックスブレンド翼、フルゾーン翼が好ましい。これにより、分散質を効率良く合一させつつ、一旦形成された合一粒子(着色樹脂微粒子)が崩壊するのをより確実に防止することができる。その結果、粒子間での形状、粒径のばらつきの小さい合一粒子を効率良く得ることができる。
合一を停止させる方法としては、例えば、攪拌速度を上げる方法、分散液(合一粒子が分散した分散液)の温度を低下させる方法、分散液中に水を添加する方法や、これらのうち2つ以上を組み合わせた方法等が挙げられる。中でも、合一を停止させる方法としては、分散液中に水を添加する方法を用いるのが好ましい。これにより、不本意な合一粒子の更なる合一や崩壊等を確実に防止しつつ、速やかに分散質の合一を停止させることができる。その結果、所望の粒径を有し、粒度分布がシャープ(単分散)な着色樹脂微粒子を確実に得ることができる。なお、分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、添加した水により分散質中に含まれる有機溶剤が抽出され、分散質粒子が硬くなる。その結果、合一が停止するとともに、合一粒子の崩壊が確実に防止されるものと考えられる。
また、分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、水の添加後(合一の停止後)に、固形分の含有率が18〜25wt%となるように、水を加えるのが好ましい。これにより、着色樹脂微粒子製造時における有機溶剤、水の使用量を十分に抑制しつつ、大きさ、形状のばらつきの小さい好適な着色樹脂微粒子を製造することができる。
その後、分散液中に含まれる有機溶剤を除去する(脱溶剤工程)。これにより、着色樹脂微粒子が得られる。
有機溶剤の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、例えば、減圧により行うことができる。これにより、樹脂成分等の構成材料の変性等を十分に防止しつつ、効率良く有機溶剤を除去することができる。
また、本工程は、分散液に、消泡剤を添加した状態で行ってもよい。これにより、効率良く有機溶剤を除去することができる。
消泡剤の使用量は、特に限定されないが、分散液中に含まれる固形分に対して、重量比で、20〜300ppmであるのが好ましく、30〜100ppmであるのがより好ましい。
また、本工程においては、有機溶剤とともに、分散液中に含まれる未反応原料(モノマー等)を除去することができる。その結果、最終的に得られる着色樹脂微粒子における、揮発性有機化合物(TVOC)量を特に少ないものとすることができる。
なお、本工程においては、必ずしも全ての有機溶剤(分散液中に含まれる有機溶剤の全量)が除去されなくてもよい。このような場合であっても、後述する洗浄工程、乾燥工程において残存する有機溶剤を十分に除去することができる。
次に、着色樹脂微粒子の洗浄を行う(洗浄工程)。
本工程を行うことにより、不純物として、有機溶剤、未反応原料(モノマー等)等が含まれる場合であっても、これらを効率良く除去することができる。その結果、最終的に得られる着色樹脂微粒子における、揮発性有機化合物(TVOC)量を特に少ないものとすることができる。
本工程は、例えば、固液分離(水性媒体からの分離)により着色樹脂微粒子を分離し、さらにその後、固形分(着色樹脂微粒子)の水中への再分散および固液分離(水性媒体からの着色樹脂微粒子の分離)をすることにより行うことができる。固形分の水中への再分散および固液分離は、複数回、繰り返し行ってもよい。
その後、乾燥処理を施すことにより、最終的な着色樹脂微粒子を得ることができる(乾燥工程)。
乾燥工程は、例えば、真空乾燥機(例えば、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウター(ホソカワミクロン社製)等)、流動層乾燥機(大川原製作所社製)等を用いて行うことができる。
次に、得られた着色樹脂微粒子を分散媒中に分散させることにより、インクジェット用インクを得ることができる(分散工程)。
このような分散媒としては、前述した着色樹脂微粒子を分散させる分散媒として例示したものを用いることができる。
着色樹脂微粒子を分散媒中に分散させる方法は、例えば、着色樹脂微粒子と分散媒とを含む材料を、高速攪拌機等の攪拌機により混合することにより得ることができる。このような分散工程に用いることのできる攪拌機としては、例えば、DESPA(浅田鉄工社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモデスパー2.5型翼(プライミクス社製)等が挙げられる。
例えば、本発明のインクジェット用インクは、着色剤として顔料、染料を含むものとして説明したが、着色剤は、顔料または染料のどちらか一方を含むものであってもよいし、顔料と染料とを両方含むものであってもよい。
インクジェット用インクの製造に先立ち、樹脂、および分散剤の合成を行った。さらに、合成された樹脂を用いて、着色剤マスター、ミルベースの調製を行った。
<樹脂R1の合成>
精留塔、攪拌装置、窒素ガス導入口、温度計を備え付けた5リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が160℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 9.06重量部
エチレングリコール 2.54重量部
ネオペンチルグリコール 4.26重量部
テトラブチルチタネート 0.1重量部
エピクロン830 0.3重量部
(大日本インキ化学工業製ビスフェノールF型エポキシ樹脂エポキシ当量170(g/eq)
カージュラE 0.1重量部
(シェルジャパン製アルキルグリシジルエステル)エポキシ当量250(g/eq)
精留塔、攪拌装置、窒素ガス導入口、温度計を備え付けた5リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて210℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が95℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 5.31重量部
エチレングリコール 2.86重量部
ネオペンチルグリコール 4.8重量部
テトラブチルチタネート 0.1重量部
各原材料の使用量(使用比率)を表1に示すようにした以外は、前記樹脂R2の合成と同様にして反応を行い、2種類の樹脂R3、樹脂R4を得た。
上記のようにして合成した各樹脂についての合成条件、物性等を表1にまとめて示す。
精留塔、攪拌装置、窒素ガス導入口、温度計を備え付けた5リットルの反応釜に、下記の組成のビニル単量体、重合開始剤、連鎖移動剤等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて70℃で12時間反応を行った。
ステアリルメタクリレート 48.0重量部
スチレン 50.0重量部
メタクリル酸 2.0重量部
ステアリルメルカプタン 1.0重量部
アゾビスイソブチロニトリル 1.0重量部
シアン顔料(大日本インキ化学工業社製、KET BLUE 111 C.I.Pigment B−15:3):2000重量部と、樹脂R1:2000重量部とを、ST/A0羽根をセットした20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)へ投入し、回転速度:698rpmで2分間攪拌し、混合物を得た。該混合物をオープンロール連続押し出し混練機(三井鉱山社製、ニーデックス MOS140−800)を用いて、前面ロールの回転速度:75rpm、背面ロールの回転速度:60rpmで、入り口側クリアランス0.1mm、出口側クリアランス0.3mm、吐出量5.0−5.5kg/hに設定して溶融混練し、着色剤マスターPM−1Cを得た。着色マスターPM−1Cの組成は、重量比で、着色剤:樹脂=50:50であった。また、得られた着色剤マスターPM−1Cをメチルエチルケトンを用いて希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子は認められず、均一に微分散している様子が認められた。
樹脂R1の代わりに樹脂R2を用いた以外はPM−1Cと同様にしてPM−2Cを調製した。
<着色剤マスターCM−3Cの調製>
樹脂R1の代わりに樹脂R3を用いた以外はPM−1Cと同様にしてPM−3Cを調製した。
<着色剤マスターCM−4Cの調製>
樹脂R1の代わりに樹脂R4を用いた以外はPM−1Cと同様にしてPM−4Cを調製した。
ステンレス容器にメチルエチルケトン:35重量部、樹脂R1:45.5重量部、着色剤マスターCM−1C:19.5重量部、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:0.25重量部が蒸留水:3.25重量部に溶解した水溶液を仕込み、攪拌機(アサダ鉄工所製ディスパー 翼径230mm)の回転数777min−1(翼先端速度:8.5m/sec)で2時間撹拌し、各成分の溶解、分散を行った。さらに、その後、固形分含有量が65重量%になるようにメチルエチルケトンを追加投入し、ミルベースMB−1Cを得た。なお、攪拌時における材料温度は30〜40℃に保持した。
<ミルベースMB−2C〜4Cの調製>
表2に示された樹脂、着色剤マスターを用い、示された配合量に従って、各ミルベースを調製した。
表2に、作製した各ミルベースを構成する材料の配合量を示す。
以下のようにして、インクジェット用インクを製造した。なお、温度条件が記載されていない工程(処理)については、室温(25℃)で行った。
《乳化懸濁液調製工程》
翼径230mmの攪拌翼を有する攪拌機(アサダ鉄工所製ディスパー)を備えた円筒形の容器にミルベースMB−1Cの46.15重量部を仕込み、次いで塩基性物質として、1Nアンモニア水:4重量部を加えて777min−1にて十分に攪拌した後、温度を30℃に調整した。
翼径340mmのマックスブレンド翼(登録商標)付属の円筒容器に、上記の乳化懸濁液を移送した後、攪拌速度を85min−1に保持したまま、温度を25℃に調整した。その後回転数を120min−1に調整し、3.5重量%の硫酸ナトリウム水溶液:12重量部を1重量部/minで滴下し、滴下終了5分後、回転数85min−1で5分間、65min−1で5分間攪拌し、47min−1で20分間攪拌を継続した。このときの攪拌翼の翼先端速度は0.47m/secであった。引き続き、回転数を120min−1に調整し、濃度5.0重量%の硫酸ナトリウム水溶液を1g/minで2.5重量部滴下し、滴下終了5分後、回転数85min−1で5分間、65min−1で5分間攪拌し、その後、47min−1で20分間攪拌した。ここで、この分散液について、観察を行った。その結果、分散質が、複数個合一した合一粒子(着色樹脂微粒子)が多数確認された。加えて、樹脂を含む材料で構成された分散質中に、顔料微粒子は、微分散した状態で取り込まれていた。また、このようにして得られた合一粒子の粒径の測定を行い、50%体積粒径をDv(50)[μm]としたときのDv(50)が2.5μmであった。なお、粒径の測定は、100μmのアパーチャーチューブを用いたコールターカウンターマルチサイザーTAII(ベックマンコールター社製)により行った。
その後、シリコーン系消泡剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY22−517):0.006重量部を添加し、反応に用いた容器を密閉し、真空ポンプを取り付けた。次に、室温(25℃)にて、真空ポンプを用いて真空度2.7kPaの減圧度で30分間減圧を行い、脱溶剤を行った。次に、圧力を下げながら、反応に用いた容器を90分間かけて加温していき、内部の材料温度を4℃/hrの速度で減圧容器内の温度が21℃になるまで昇温した。90分後、内部の材料温度が21℃になったら、同じ温度を維持しつつ、引き続き同じ圧力で減圧を行った。減圧にて留去した液体が、用いたメチルエチルケトンの138vol%になるまで減圧留去を行い合一粒子のスラリー(着色樹脂微粒子スラリー)を得た。この時、最終的な減圧度は1.0kPaであった。
上記のようにして得られたスラリーに対し、バスケット型遠心分離機を用いて、周速1250min−1にて、脱分散媒を行った。脱分散媒を行った後、引き続きバスケット型遠心分離機を同周速で回転させながら、スラリーにある固形分の6倍量(重量換算)の蒸留水を加え、簡易的に洗浄(以下、リンスという)を行い、水分を振り切って、合一粒子のウェットケーキ(着色樹脂微粒子ケーキ)を得た。
攪拌相内に合一粒子のウェットケーキを入れた。攪拌槽にある混合物中の固形分含有量が15〜20重量%になるように蒸留水を加え、水温が30℃になるように温度調整を行った。この状態で、攪拌翼としてエッジドタービン翼を用い、攪拌翼の翼先端速度が8.2m/sとなるようにして、30分間攪拌を行い、再分散スラリーを得た。次に、再分散スラリーについて、脱分散媒工程と同様に脱水、リンスを行った。この時、リンスに用いる蒸留水は、再分散スラリーの固形分の3倍量(重量換算)とした。
また、今回用いた攪拌槽K1の内径D[cm]と攪拌翼K2の翼径d[cm]との比d/Dは0.37であり、混合物1L当たりの攪拌エネルギーは0.25[Wh/L]であった。
その後、真空乾燥機を用いて、ウェットケーキを乾燥することにより合一粒子を得た。得られた合一粒子についての50%体積粒径をDv(50)[μm]、50%個数粒径をDn(50)[μm]とした時のDv(50)は2.5μm、Dv(50)/Dn(50)は1.10であった。また、合一粒子の平均円形度は0.990であった。なお、粒径、粒度分布の測定は、100μmのアパーチャーチューブを用いたコールターカウンターマルチサイザーTAII(ベックマンコールター社製)により行った。また、以下に説明する他の粒子についても同様にして、粒径、粒度分布の測定を行った。なお、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(東亜医用電子社製、FPIP−1000)を用いた測定により求めた。また、以下に説明する他の粒子についても同様にして、平均円形度を求めた。
翼径230mmの攪拌翼を有する攪拌機(アサダ鉄工所製ディスパー)を備えた円筒形の容器に、分散剤P−1:40重量部がアイソパーH(エクソン化学社製):300重量部に溶解した溶液と、合一粒子:60重量部を仕込み、回転数777min−1で2時間撹拌分散した。このようにして得られた分散液を、遠心分離(相対遠心加速度:2000G、30分間)し、20重量%になった上澄み液を取り出し、この上澄み液:25重量部にアイソパーH:75重量部を加え、固形分が5wt%のインクジェット用インクを得た。
表3に示す、各実施例に対応するミルベース、分散媒を用いるとともに、合一工程での撹拌速度、撹拌時間を変更することにより表3に示すような円形度、粒度分布、粒径を有する着色樹脂微粒子を用いた以外は前記実施例1と同様にしてインクジェット用インクを得た。
乳化懸濁液を実施例1と同様にして調製した。
次に、翼径340mmのマックスブレンド翼(登録商標)付属の円筒容器に、上記の乳化懸濁液を移送した後、分散剤P−1:8.7重量部を上記円筒容器に加え、攪拌速度を85min−1に保持したまま、温度を25℃に調整した。その後回転数を120min−1に調整し、3.5重量%の硫酸ナトリウム水溶液:12重量部を1重量部/minで滴下し、滴下終了5分後、回転数85min−1で5分間、65min−1で5分間攪拌し、47min−1で20分間攪拌を継続した。このときの攪拌翼の翼先端速度は0.47m/secであった。引き続き、回転数を120min−1に調整し、濃度5.0重量%の硫酸ナトリウム水溶液を1g/minで2.5重量部滴下し、滴下終了5分後、回転数85min−1で5分間、65min−1で5分間攪拌し、その後、47min−1で20分間攪拌した。ここで、この分散液について、観察を行った。その結果、分散質が、複数個合一した合一粒子(着色樹脂微粒子)が多数確認された。加えて、樹脂を含む材料で構成された分散質中に、顔料微粒子は、微分散した状態で取り込まれていた。また、このようにして得られた合一粒子の粒径の測定を行い、50%体積粒径をDv(50)[μm]としたときのDv(50)が2.4μmであった。
その後、分散工程で分散剤を加えなかった以外は、脱溶剤工程以後の工程を実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。
乳化懸濁液を実施例1と同様にして調製した。
次に、翼径340mmのマックスブレンド翼(登録商標)付属の円筒容器に、上記の乳化懸濁液を移送した後、分散剤P−1:1.0重量部を上記円筒容器に加え、攪拌速度を85min−1に保持したまま、温度を25℃に調整した。その後回転数を120min−1に調整し、3.5重量%の硫酸ナトリウム水溶液:12重量部を1重量部/minで滴下し、滴下終了5分後、回転数85min−1で5分間、65min−1で5分間攪拌し、47min−1で20分間攪拌を継続した。このときの攪拌翼の翼先端速度は0.47m/secであった。引き続き、回転数を120min−1に調整し、濃度5.0重量%の硫酸ナトリウム水溶液を1g/minで2.5重量部滴下し、滴下終了5分後、回転数85min−1で5分間、65min−1で5分間攪拌し、その後、47min−1で20分間攪拌した。ここで、この分散液について、観察を行った。その結果、分散質が、複数個合一した合一粒子(着色樹脂微粒子)が多数確認された。加えて、樹脂を含む材料で構成された分散質中に、顔料微粒子は、微分散した状態で取り込まれていた。また、このようにして得られた合一粒子の粒径の測定を行い、50%体積粒径をDv(50)[μm]としたときのDv(50)が2.4μmであった。
その後、分散工程でアイソパーHに溶解させる分散剤量を35重量部に変更した以外は、脱溶剤工程以後の工程を実施例1と同様にして、インクジェット用インクを得た。
樹脂R−1:25.5重量部、シアン顔料(大日本インキ化学工業社製 KET.BLUE.111):4.5重量部、メチルエチルケトン:16重量部、蒸留水:54重量部、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:0.1重量部を混合し、ダイノミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製 チタニアビーズφ0.3mm 充填率70% 周速10m/s)で分散した。
その後、脱溶剤工程以後の工程を、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを得た。
(工程1)
まず、エクソン石油化学社製のアイソパーL350.5重量部に市販のステアリルメタクリレート10重量部、アクリル酸6重量部及びビニルペピリジン6.0重量部を重合管にいれ、60℃に加熱し一昼夜攪拌して平均分子量(重量基準)16000のステアリルメタクリレートとアクリル酸の共重合体樹脂溶液を得た。
アイソパーL100重量部にステアリルメタクリレート2.5重量部、アクリル酸1.5重量部及びビニルペピリジン1.5重量部を添加し、60℃に加熱しながら一昼夜攪拌して平均分子量(重量基準)16000のステアリルメタクリレートとアクリル酸の共重合体樹脂溶液を得た。その後にソルビタントリオレエートを2重量部添加溶解し、溶液Cを得た。
次に工程1で得られた分散液Bを攪拌機 HI−15(東京理科器株式会社)で攪拌しながら、徐々に溶液Cを添加し、分散顔料に溶液C中のステアリルメタクリレートとアクリル酸の共重合体樹脂を完全に吸着させる。
以上の各実施例および各比較例のインクジェット用インクにおいて用いたミルベース、分散剤、分散媒、また、調製した着色樹脂微粒子の円形度、粒度分布Dv50/Dn50、粒径Dv50、また、インクジェット用インクの粘度等を表3に示す。
なお、表1中、アイソパーHをA、シリコーンオイルとしてのSH200FLUID100CS(東レダウコーニングシリコーン社製)をB、油脂としての大豆油(日清オイリオ社製)をC、脂肪酸モノエステルとしての大豆油脂肪酸メチル(日清オイリオ社製)をDで示した。
また、表1中の粘度は以下の3段階の基準に従い表記した。
◎ :4mPa・s以上30mPa・s以下。
○ :3mPa・s以上40mPa・s以下。(4mPa・s以上30mPa ・s以下は除く)
△ :3mPa・s未満、もしくは、40mPa・sより大きい。
[2.1]吐出安定性
各実施例および各比較例で得られたインクジェット用インクを、インクジェットプリンターPM−G850(セイコーエプソン社製)のインクカートリッジに充填してプリンターに装着し、2cm×2cmの正方形ベタを印字させ、目視により、以下の5段階の基準で評価した。
◎:印字部に乱れがほとんど見られない。
○:印字部に乱れがわずかに見られるが、許容範囲である。
△:印字部に乱れがわずかに見られる。
×:印字部に乱れがはっきりと確認できる。
各実施例および各比較例で得られたインクジェット用インクを、インクジェットプリンターPM−G850(セイコーエプソン社製)のインクカートリッジに充填してプリンターに装着し、NPI上質紙(日本製紙社製)に2cm×2cmのベタを印字させ、その印字濃度を、反射濃度計RD−191(サカタインクスエンジニアリング株式会社製)を用いて、以下の4段階の基準で評価した。
◎:0.9以上
○:0.8以上、0.9未満
△:0.7以上、0.8未満
×:0.7未満
各実施例および各比較例で得られたインクジェット用インクを、インクジェットプリンターPM−G850(セイコーエプソン社製)のインクカートリッジに充填してプリンターに装着し、NPI上質紙(日本製紙社製)に、5pixelピッチで線幅1pixelの細線束を印字し、細線間の白地のツブレを目視により、以下の4段階の基準で評価した。
◎:ツブレがまったく見られない。
○:ツブレがほとんど見られない。
△:ツブレがわずかに見られる。
×:ツブレがはっきりと確認できる。
前記各実施例および前記各比較例で得られたインクジェット用インクを、温度:35℃の環境下に、8ヵ月間静置した。その後、インクジェット用インクの様子を目視にて確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:インク中の着色樹脂微粒子の凝集がまったく認められない。
○:インク中の着色樹脂微粒子の凝集がほとんど認められない。
△:インク中の着色樹脂微粒子の凝集がわずかに認められる。
×:インク中の着色樹脂微粒子の凝集がはっきりと認められる。
各実施例、比較例の評価結果を表4に示した。
また、着色顔料をシアン顔料の代わりにレッド顔料(クラリアントジャパン社製、Permanent.Red P−F7RK)、グリーン顔料(クラリアントジャパン社製、Hostaperm.Green.GNX)、カーボンブラック(三菱化学製 MA−100R)を用いた以外は、上記と同様にトナーの製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
Claims (10)
- 着色樹脂微粒子と、当該着色樹脂微粒子を分散させる分散媒とを有し、
前記着色樹脂微粒子が、水系分散媒中に樹脂と着色剤と有機溶剤とを含む分散質が分散した乳化液に電解質を添加することにより、前記分散質を合一させることにより製造されたものであることを特徴とするインクジェット用インク。 - 前記着色樹脂微粒子の粒度分布Dv/Dnが、1.00〜1.15である請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 下記式(I)で表される前記着色樹脂微粒子の平均円形度Rが、0.98〜1である請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の着色樹脂微粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の着色樹脂微粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。) - 前記着色樹脂微粒子の平均粒径が、0.2〜10μmである請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記分散媒は、脂肪族炭化水素系液体、シリコーンオイル、および脂肪酸エステルのうち、少なくも1種を含むものである請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記着色樹脂微粒子、前記分散媒に加え、カチオン性の官能基またはアニオン性の官能基を有する高分子分散剤を含む請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記高分子分散剤の重量平均分子量Mwは、10000〜100000である請求項6に記載のインクジェット用インク。
- 樹脂と着色剤と有機溶剤とを含む分散質が、水系分散媒に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、
複数個の前記分散質を合一させ、合一粒子を得る合一工程と、
前記合一粒子に含まれる有機溶剤を除去し、着色樹脂微粒子を得る脱溶剤工程と、
前記着色樹脂微粒子を分散媒に分散させる分散工程とを有し、
前記合一工程において電解質を添加することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。 - 前記分散液は、樹脂と着色剤と有機溶剤とを含む溶液中に水系液体を加えることによりW/O型の乳化液とし、さらに前記水系液体を加えることによりO/W型の乳化液とされたものである請求項8に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 前記合一工程を、カチオン性の官能基またはアニオン性の官能基を有する高分子分散剤の存在下で行う請求項8または9に記載のインクジェット用インクの製造方法。
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