JP4984773B2 - 文書編集装置およびプログラム - Google Patents
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Description
これに対し本発明は、使用するユーザの技能や経験によらず、バランスの取れた、すなわち審美性に優れた配置のグリッド線に基づいてオブジェクトの配置を決定する技術を提供する。
さらに、本発明は、上記のプログラムを記憶した記憶媒体を提供する。このプログラムまたは記憶媒体によれば、バランスの取れた、すなわち審美性に優れた位置にオブジェクトを配置することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る文書編集装置100の機能構成を示す図である。オブジェクト取得部101は、編集対象となる文書に含まれるオブジェクト(デジタルコンテンツ)を取得する。「文書」とは、レイアウト領域内に配置される少なくとも1のオブジェクトおよびレイアウト領域におけるオブジェクトの配置を示すレイアウト情報を含むデータ、またはそのデータに従って出力された結果物をいう。「オブジェクト」とは、テキスト(文字列)もしくは画像の少なくとも一方を示すデータ、またはそのデータにより示されるテキストもしくは画像をいう。「レイアウト領域」とは、出力される文書の物理的な境界に基づいて定められる領域である。レイアウト領域は、例えば、文書が印刷される1または複数の紙、1つのページ、連続する複数のページ、またはページのうち一部分の領域をいう。あるいは、レイアウト領域は、これらの領域の周辺部から余白を差し引いた領域をいう。オブジェクト取得部101は、記憶部107または文書編集装置100以外の他の装置からオブジェクトを取得する。なお、オブジェクト取得部101は、オブジェクトだけでなく文書を取得してもよい。
2−1.文書編集処理
図3は、本実施形態に係る文書編集処理を示すフローチャートである。ステップS100において、CPU110は処理対象の文書のレイアウト領域を黄金分割するグリッド線を生成する。「黄金分割する」とは、2つの基準線の間の距離を、黄金比となるように分割することをいう。詳細には、CPU110は、まず、グリッド線の生成に用いられる少なくとも1セットの基準線を決定する。例えば、ページの上辺および下辺、ならびにページの右辺および左辺、の2セットの基準線が用いられる。グリッド線は、互いに平行な基準線の間を黄金比に分割するように生成される。1セット(2本)の基準線から、2本のグリッド線が生成される。すなわち、2セットの基準線からは、計4本のグリッド線が生成される。CPU110は、生成されたグリッド線を特定する情報、例えば、直線の傾きおよび切片を示すパラメータをRAM130に記憶する。
図5は、ステップS110における基準点特定処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS111において、CPU110は、処理対象の画像から人物の顔を検出する。画像から人物の顔を検出する技術としては、公知の技術を用いることができる。画像から人物の顔を検出する技術として、例えば、画像から抽出された特徴点(目に相当する部分など)とテンプレートとをパターンマッチングにより比較する方法が知られている。あるいは、肌色情報を用いて人物の顔を検出する技術も知られている。画像から人物の顔を検出する技術は以上のものに限定されず、その他どのような方法が用いられてもよい。
図6は、ステップS130における基準点をグリッド線に吸着させる処理の例を示すフローチャートである。なお、「基準点をグリッド線に吸着させる」とは、処理対象オブジェクトの位置が、その基準点がグリッド線上に位置するように定められる状態にすることをいう。すなわち、「基準点をグリッド線に吸着させる」とは、オブジェクトとグリッド線との対応関係を示す情報を生成および記憶することをいう。例えば、基準点をグリッド線に吸着させた状態でグリッド線の位置を変更すると、オブジェクトの位置はグリッド線の移動に伴って変更される。
図9は、ステップS130における基準点をグリッド線に吸着させる処理の別の例を示すフローチャートである。図6に示されるフローによれば、まず基準点がグリッド線上に位置するように処理対象オブジェクトの位置が決められ、次いでオブジェクトがレイアウト領域内に収まるように縮小された。これに対し、図9に示されるフローによれば、処理対象オブジェクトがレイアウト領域内に収まるようにオブジェクトの位置が決められ、次いで基準点がグリッド線上に位置するようにオブジェクトが拡大または縮小される。
次に、図3のステップS140における処理の詳細を説明する。利用可能な基準点がない場合、CPU110は、基準点の代わりに、あらかじめ決められた点を用いる。以下、ステップS140において基準点の代わりに用いられる点を「擬基準点」という。あらかじめ決められた点とは、例えば、オブジェクトの境界線(外周線)上の点、または、画像の外周部の接線上の点である。境界線上のどの点を擬基準点として用いるかを決定する方法は任意である。擬基準点をグリッド線に吸着させる処理は、基準点をグリッド線に吸着させる処理と同様に行われる。
図12は、本実施形態により編集された文書の例を示す図である。オブジェクトO2は、人物画像を含むオブジェクトである。基準点S2は、人物の目線に相当する点である。基準点S2は、2本のグリッド線G3およびG4の交点に吸着している。
図14(A)は、処理対象オブジェクトが2つの基準点を有する例を示す図である。上述の実施形態においては、グリッド線に吸着させるのに、単一の基準点のみが用いられれた。しかし、複数の基準点を用いて、グリッド線への吸着処理が行われてもよい。この場合、以下のいずれかの処理が行われてもよい。
基準点が複数ある場合、CPU110は、優先度が最大の基準点のみを用いて吸着処理を行ってもよい。図14(A)の例では、オブジェクトOは、基準点S3(目線に相当)および基準点S4(手に相当)を有している。基準点S3およびS4は、それぞれ優先度を有している。例えば、基準点S3は優先度「1」を、基準点S4は優先度「2」を有している(この例では、値が小さいほど優先度が高い)。CPU110は、複数の基準点のうち、優先度が最大のもの、この例では、基準点S3がグリッド線に吸着するように、処理が行われる。
基準点が複数ある場合、CPU110は、優先度が最大の基準点を第1の基準点、その次に優先度が高いものを第2の基準点として特定してもよい。CPU110は、まず第1の基準点が第1のグリッド線上に位置するように、処理対象オブジェクトを配置する。さらに、CPU110は、第1の基準点を第1のグリッド線に吸着させたままで、第2の基準点を第2のグリッド線吸着させるように、オブジェクトを移動、拡大または縮小する。なお、オブジェクトの移動量、拡大率または縮小率にしきい値を設けてもよい。この場合、しきい値を超えたときには、第2の基準点を第2のグリッド線に吸着させる処理は行わなくてもよい。基準点の数が3つ以上の場合は、優先度が上位2つの基準点のみを用いて上記の処理が行われてもよい。
基準点が複数ある場合、CPU110は、まず優先度が最大の基準点を第1の基準点として特定する。さらにCPU110は、第1の基準点に対し、画像の中心点についての点対象となる点に最も近い点を、第2の基準点として特定してもよい。第2の基準点を特定した後の処理は上述の場合と同様である。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
上述の実施形態においては、レイアウト領域またはオブジェクトに基づいて定められる線を基準線として用いる例について説明した。しかし、基準線として用いられる線はこれらの線に限定されない。既に生成されたグリッド線を、新たなグリッド線を生成する際の基準線として用いてもよい。
Claims (10)
- 編集対象となる文書に含まれるテキストまたは画像の少なくとも一方を示すデータであるオブジェクトを取得するオブジェクト取得手段と、
前記オブジェクト取得手段により取得されたオブジェクトの形状もしくは位置、または前記文書においてオブジェクトが配置される領域であるレイアウト領域の形状のうち少なくともいずれか1つに基づいて定められる基準線の内、互いに平行な2つの前記基準線の間を分割するグリッド線を生成するグリッド線生成手段と、
前記オブジェクト取得手段により取得されたオブジェクトのうち処理対象となる画像を示すオブジェクトである処理対象オブジェクトを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された処理対象オブジェクトが示す画像内から、基準点を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された基準点が、前記グリッド線生成手段により生成されたグリッド線上に位置するように、前記レイアウト領域内における前記処理対象オブジェクトの位置を決定する位置決定手段と
を有し、
前記特定手段により特定される基準点の数が複数であり、
前記位置決定手段が、前記複数の基準点のうち、あらかじめ決められたアルゴリズムにより付与された優先度が最も高い基準点が前記グリッド線上に位置するように、前記レイアウト領域内における前記処理対象オブジェクトの位置を決定する
ことを特徴とする文書編集装置。 - 前記処理対象オブジェクトにより示される画像が人物画像を含み、
前記基準点が、人物の目またはあごの位置に相当する点である
ことを特徴とする請求項1に記載の文書編集装置。 - 前記処理対象オブジェクトにより示される画像内において交わる少なくとも2本の線を含み、
前記基準点が、前記少なくとも2本の線の交点に相当する点である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の文書編集装置。 - 前記処理対象オブジェクトにより示される画像内において前記画像の外周部の接線に垂直または平行な線を含み、
前記基準点が、前記線上に位置する点である
ことを特徴とする請求項1−3のいずれかの項に記載の文書編集装置。 - 前記処理対象オブジェクトが前記レイアウト領域からはみ出すか判断する判断手段と、
前記判断手段により前記処理対象オブジェクトが前記レイアウト領域からはみ出すと判断された場合、前記処理対象オブジェクトが前記レイアウト領域に収まるように、前記処理対象オブジェクトを縮小するオブジェクト縮小手段と
を有する請求項1−4のいずれかの項に記載の文書編集装置。 - 前記処理対象オブジェクトと前記レイアウト領域の境界線との間の余白の大きさがしきい値を超えているか判断する判断手段と、
前記判断手段により前記余白の大きさが前記しきい値を超えていると判断された場合、前記余白の大きさが前記しきい値内に収まるように、前記処理対象オブジェクトを拡大するオブジェクト拡大手段と
を有する請求項1−4のいずれかの項に記載の文書編集装置。 - 前記グリッド線生成手段により生成されるグリッド線の数が複数であり、
前記位置決定手段が、前記複数の基準点のうち、前記優先度が最も高い基準点および2番目に高い基準点が、前記複数のグリッド線のうち1本または2本のグリッド線上に位置するように、前記レイアウト領域内における前記処理対象オブジェクトの位置を決定する
ことを特徴とする請求項1−6のいずれかの項に記載の文書編集装置。 - 前記グリッド線生成手段により生成されるグリッド線の数が複数であり、
前記位置決定手段が、前記複数の基準点のうち、前記優先度が最も高い基準点が前記複数のグリッド線のうち1本のグリッド線上に位置するように、かつ、前記複数の基準点のうち、前記画像の中心点に対し前記優先度が最も高い基準点と点対称の位置にある点との距離が最も短い基準点が前記複数のグリッド線のうち他のグリッド線上に位置するように、前記レイアウト領域内における前記処理対象オブジェクトの位置を決定する
ことを特徴とする請求項1−6のいずれかの項に記載の文書編集装置。 - 前記グリッド線生成手段により生成されるグリッド線が、前記2つの基準線の間を黄金比に分割する線である
ことを特徴とする請求項1−8のいずれかの項に記載の文書編集装置。 - 制御手段と記憶手段とを有するコンピュータ装置に、
前記制御手段が、編集対象となる文書に含まれるテキストまたは画像の少なくとも一方を示すデータであるオブジェクトを取得し、前記記憶手段に記憶するオブジェクト取得処理と、
前記記憶手段に記憶されているオブジェクトの形状もしくは位置、または前記文書においてオブジェクトが配置される領域であるレイアウト領域の形状のうち少なくともいずれか1つに基づいて定められる基準線であって、互いに平行な2つの基準線の間を分割するグリッド線を、前記制御手段が生成するグリッド線生成処理と、
前記制御手段が、処理対象となる画像を示すオブジェクトである処理対象オブジェクトを取得し、前記記憶手段に記憶する画像取得処理と、
前記制御手段が、前記処理対象オブジェクトが示す画像内から、基準点を特定する特定処理と、
前記制御手段が、前記基準点が前記グリッド線上に位置するように、前記レイアウト領域内における前記処理対象オブジェクトの位置を決定する位置決定処理と
を実行させ、
前記特定処理により特定される基準点の数が複数であり、
前記位置決定処理により、前記複数の基準点のうち、あらかじめ決められたアルゴリズムにより付与された優先度が最も高い基準点が前記グリッド線上に位置するように、前記レイアウト領域内における前記処理対象オブジェクトの位置が決定される
ことを特徴とするプログラム。
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