以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の辞書情報表示制御装置の実施形態に係る携帯機器(電子辞書)10の電子回路の構成を示すブロック図である。
この携帯機器(電子辞書)10は、以下に説明する電子辞書機能を備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブックとして構成されるか、電子辞書専用の携帯機器として構成される。この携帯機器(電子辞書)10は、各種の記憶媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)11が備えられる。
CPU11は、メモリ12内に予め記憶された装置制御プログラム、あるいはROMカードなどの外部記憶媒体13から記憶媒体読取部14を介して前記メモリ12に読み込まれた装置制御プログラム、あるいはインターネットN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)20から通信部15を介して前記メモリ12に読み込まれた装置制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御するもので、前記メモリ12に記憶された装置制御プログラムは、キーやタッチパネルからなる入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは通信部15を介して接続されるインターネットN上の各Webサーバ20…との通信信号、あるいは記憶媒体読取部14を介して外部接続されるEEPROM,RAM,ROMなどのメモリカード(記憶媒体)13との接続通信信号に応じて起動される。
前記CPU11には、前記メモリ12、記憶媒体読取部14、通信部15、入力部16が接続される他に、LCDからなる表示部17などが接続される。
メモリ12には、当該携帯機器(電子辞書)10の全体の動作を司るシステムプログラムや通信部15を介してインターネットN上の各Webサーバ20…とデータ通信するための通信プログラムが記憶される他に、新たに必要な辞書データを辞書管理用のWebサーバ20やメモリカード(記憶媒体)13からダウンロードしたり、辞書データ(12b)に基づき見出し語入力に応じた訳語や意味内容などの各種説明情報を検索したり、「国語」「英和」「和英」など、辞書の種類毎にユーザ任意のメイン辞書/サブ辞書を設定し、入力見出し語に応じた各種説明情報の検索結果をメイン辞書/サブ辞書間で語義連動にして表示したりするための辞書制御プログラム12aが記憶される。
また、このメモリ12には、辞書データメモリ12b、語義リンクテーブル12c、メイン・サブ辞書設定テーブル12d、ワークエリア12eなどが用意される。
辞書データメモリ12bには、「国語辞典」「漢和辞典」「英和辞典」「和英辞典」など、種類の異なる辞書データが各種類別に予め、あるいはダウンロードされて複数辞書記憶されるもので、例えば「国語辞典」としては「国語辞書A」「国語辞書B」「カタカナ辞典」が記憶され、「漢和辞典」としては「漢○林」「漢字源」が記憶され、「英和辞典」としては「英和辞書A」「英和辞書B」「リ*ダーズ」が記憶され、「和英辞典」としては「ジュニア和英辞典」「ジ*ニアス和英辞典」が記憶される。
これら各種類別の複数の辞書データは、それぞれ例えば利用者対象レベルに応じてグレードを異ならせた辞書とされる。
図2(A)(B)は前記携帯機器(電子辞書)10のメモリ12に記憶される語義リンクテーブル12cのテーブルデータを示す図である。
この語義リンクテーブル12cには、前記辞書データメモリ12bに記憶されている各辞書毎のリンクテーブルがあり、該当辞書の各見出し語に対応する説明情報の語義番号について、同辞書データメモリ12bに記憶されている同種辞書のそれぞれにおける対応する見出し語説明情報の語義番号(第1の説明情報に含まれる複数の語義と第2の説明情報に含まれる複数の語義との対応関係を示す情報)がテーブル化されて記憶される。
図2(A)で示す語義リンクテーブル12cは、国語辞書A用のリンクテーブルであり、見出し語「趣味」の説明情報中の各語義(1〜4)について、国語辞書Bの同一見出し語「趣味」の説明情報中の対応語義番号を示している。語義リンクテーブル12cでは、同じ語義または類似の語義とが対応づけられている。
図2(B)で示す語義リンクテーブル12cは、英和辞書A用のリンクテーブルであり、見出し語「program」の説明情報中の品詞番号(1〜3)について、英和辞書Bでの同一見出し語「program」の説明情報中の対応品詞番号(1〜3)を示している。さらに、対応する品詞番号間において、説明情報中の各語義について、同じ語義または類似の語義の語義番号が対応づけられている。例えば、英和辞書Aの品詞番号2の語義番号2に対しては、英和辞書Bの品詞番号1の語義番号3とが対応関係にあることを示している。
図3及び図4は辞書データ12bに記憶されているデータの一例を示す図である。
図3(A)(B)は、それぞれ国語辞書A、国語辞書Bに記憶されている見出し語「趣味」に対応する説明情報のデータの一例を示す図である(図3(C)については後述する)。
国語辞書Aには、見出し語「趣味」については、語義番号1〜4がそれぞれ付された語義のデータが記憶されている。例えば、語義番号1の語義としては「感興を誘う状態。おもむき。あじわい。」、語義番号2の語義としては「物事のあじわいを感じとる力。好み。」、語義番号3の語義としては「専門家としてでなく、楽しみとしてする事柄。」、語義番号4の語義としては「[哲]美的判断の一つ。」が記憶されている。
一方、国語辞書Bにおいても、英和辞書Aと同様にして、見出し語「趣味」についての語義のデータが記憶されている。ただし、英和辞書Bは、英和辞書Aと辞書メーカあるいはユーザ対象レベルが異なるため、語義番号1〜3の語義のデータのみが記憶されている。例えば、語義番号1の語義としては「楽しみとして好むもの」、語義番号2の語義としては「趣き。味わい。」、語義番号3の語義としては「楽しみとして好むもの。」が記憶されている。
英和辞書Aと英和辞書Bとは、辞書メーカあるいはユーザ対象レベルが異なるため、同じ主旨の語義であっても、語義の具体的な内容(文章)や、語義に対して付されている語義番号(配列順)が異なっている。
図4(A)(B)は、それぞれ英和辞書A、英和辞書Bに記憶されている見出し語「program」に対応する説明情報のデータの一例を示す図である(図4(C)については後述する)。
英和辞書Aには、見出し語「program」について、品詞番号1〜3がそれぞれ付された語義のデータが記憶されている。例えば、品詞番号は、その見出し語において品詞の順番を示すもので、図4(A)では品詞番号1は「名詞」、品詞番号2は「他動詞」、品詞番号3は「自動詞」を表している。見出し語によっては、形容詞、副詞…など、各品詞に対して品詞番号が付される。さらに、一つの品詞番号に対応して、少なくとも一つの語義番号が付された語義のデータが記憶されている。例えば、品詞番号1に対しては、語義番号1〜5がそれぞれ付された語義のデータが記憶されている。語義番号1の語義としては「(コンサートなどの)プログラム、次第書」、語義番号2の語義としては「(…の)計画、予定(日程)表」、語義番号3の語義としては「教科課程、カリキュラム」、語義番号4の語義としては「(教育)学習計画」、語義番号5の語義としては「(コンピュータ)(…の)プログラム」が記憶されている。
一方、英和辞書Bにおいても、英和辞書Aと同様にして、見出し語「program」について品詞番号が付された語義のデータが記憶されている。ただし、英和辞書Bは、英和辞書Aと辞書メーカあるいはユーザ対象レベルが異なるため、品詞番号に対応する品詞が英和辞書Aとは異なっている。例えば、図4(B)では品詞番号1は「他動詞(vt)」、品詞番号2は「自動詞(vi)」、品詞番号3は「名詞(n)」を表している。さらに、英和辞書Aと同様に、一つの品詞番号に対応して、少なくとも一つの語義番号が付された語義のデータが記憶されている。例えば、品詞番号3に対しては、語義番号1〜3がそれぞれ付された語義のデータが記憶されている。例えば、語義番号1の語義としては「プログラム、番組表、次第書」、語義番号2の語義としては「綱領、政綱」、語義番号3の語義としては「公示」が記憶されている。
英和辞書Aと英和辞書Bとは、辞書メーカあるいはユーザ対象レベルが異なるため、説明情報における品詞の順番が異なっており、さらに対応する品詞間において、同じ主旨の語義であっても、語義の具体的な内容(文章)や、語義に対して付されている語義番号(配列順)が異なっている。
メイン・サブ辞書設定テーブル12d(図11(A)参照)には、前記辞書データメモリ12bに記憶されている各種類別の複数辞書について、同種複数辞書内での主要な使用辞書がメイン辞書(M)として設定され、その他の辞書が当該メイン辞書を基準とした利用者対象レベル順のサブ辞書として設定されるもので、このメイン辞書とサブ辞書の設定状態は予めデフォルトで指定される他にユーザ操作に応じて任意に指定される。
ワークエリア12eには、前記辞書制御プログラム12aなどの各種の装置制御プログラムに従いCPU11に入出力される種々のデータが必要に応じて記憶される。
図5は前記携帯機器(電子辞書)10の入力部16であるキーボードパネルを示す図である。
キーボードパネル(16)には、ひらがな,カタカナ,漢字,英数字を任意入力するための一連の文字入力キーが配列されると共に、辞書データメモリ12bに記憶されている全ての辞書を対象にして入力見出し語に対応する説明情報の検索を行うための「全辞書」キー16A、各種別のメイン辞書を指定して入力見出し語に対応する説明情報の検索を行うための各辞書キー「国語」16a1、「漢和」16a2、「英和」16a3、「和英」16a4、ノーマルモードでメニューキー,シフトモードで電卓キーとして機能する「メニュー/電卓」キー16m、シフトモードに設定するための「シフト」キー12s、ノーマルモードで削除キー,シフトモードで設定キーとして機能する「削除/設定」キー16E、メイン辞書での検索表示状態においてサブ辞書も語義連動にして見出し語検索を行うための「サブ辞書」キー16D、検索表示中の説明情報に記述されている「用例/解説」マークを指定してその用例または解説を表示させるための「用例・解説」キー16R、処理ステップの戻りを指示するための「戻る」キー16B、各種ページ操作の他、検索表示中の隣接見出し語の切り替え指定やメイン辞書/サブ辞書間の切り替え操作を行うためのページアップキー16u,ページダウンキー16d、表示画面上でのデータ選択操作やスクロール操作を行うための上下左右方向の各カーソルキー16xd,16xu,16yr,16yf、そして、選択データの決定/確定や選択見出し語に対応した説明情報の読出し表示を指示するための「訳/決定」キー16Yなどが備えられる。
(第1実施形態)
次に、前記構成の携帯機器(電子辞書)10による第1実施形態の辞書情報表示制御機能について説明する。第1実施形態では、図3に示す国語辞書Aまたは国語辞書Bの情報を表示する場合を例にして説明する。
図6は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理(その1)を示すフローチャートである。
図7は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理(その2)を示すフローチャートである。
図8は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理に伴うメイン辞書設定処理を示すフローチャートである。
図9は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理に伴う対応語義設定処理を示すフローチャートである。
図10は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理に伴う一覧表示処理を示すフローチャートである。
図11は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理に伴うキー操作対応の表示動作(その1)を示す図であり、同図(A)はメイン辞書設定画面G1を示す図、同図(B)は見出し語一覧画面G2を示す図、同図(C)は説明情報表示画面G3を示す図である。
まず、辞書データメモリ12bに記憶されている各種類別「国語」「漢和」「英和」「和英」の複数辞書について、ユーザが主要に使用するメイン辞書の設定を行う場合に、図11(A)に示すように、「シフト」キー16s+「設定」キー16Eの操作に従い"メイン辞書設定の指示あり"が判断されると(ステップA1→A2)、図8におけるメイン辞書設定処理に移行される(ステップAS)。
このメイン辞書設定処理が起動されると、表示部17にメイン辞書設定画面G1が表示され、メイン・サブ辞書設定テーブル12dに記憶されている各辞書種類別のメイン辞書/サブ辞書の現在の設定内容に従って、メイン辞書名の先頭に黒丸の反転表示からなるメイン辞書マークMが付加されて表示される(ステップS1)。
このメイン辞書設定画面G1において、カーソル上下キー16xd,16xuが操作されると、同画面G1上の反転表示カーソルKにより指定中の辞書名が同種の複数辞書内で上下方向に変更表示され、当該変更指定された辞書に対して前記メイン辞書マークMが変更表示される(ステップS2→S3)。
また、同メイン辞書設定画面G1において、カーソル左右キー16yr,16yfが操作されると、同画面G1上の反転表示カーソルKにより指定中の辞書の種類が左右方向へ変更されて表示される(ステップS4→S5)。
そして、前記各カーソルキー操作に従って所望の辞書種類の複数辞書中におけるメイン設定したい辞書をカーソルKで指定した状態で、「訳/決定」キー16Yが操作されると、当該指定された辞書名に対し付加されたメイン辞書マークMが確定表示されると共に、新たに変更設定された各辞書種類別のメイン辞書がメイン・サブ辞書設定テーブル12dに記憶設定される(ステップS6→S7)。
図11(A)に示すメイン辞書設定画面G1では、「国語」のメイン辞書が「国語辞書A」、「漢和」のメイン辞書が「漢○林」、「英和」のメイン辞書が「英和辞書A」、「和英」のメイン辞書が「ジュニア和英」に設定され、各メイン辞書に隣接する同種の辞書が近い方から順位の高いサブ辞書として設定された状態を示し、この設定内容がメイン・サブ辞書設定テーブル12dとして記憶設定される。
次に、前記新たな内容のメイン・サブ辞書設定テーブル12dが記憶設定された状態で、任意の入力見出し語に従ってその説明情報を検索表示させる場合の動作について説明する。
例えば国語の辞書検索を行いたい場合に、図11(B)に示すように、辞書キー「国語」16a1が操作されると(ステップA3)、当該辞書種類「国語」の現在の設定メイン辞書である「国語辞書A」の辞書データが辞書データメモリ12bから読出され(ステップA4)、当該辞書が起動されてその見出し語(検索文字)入力画面が表示される(ステップA5)。
この見出し語(検索文字)入力画面において、例えば検索対象の読み文字列「しゅみ」が見出し語として入力表示されると(ステップA6)、これに伴い当該入力見出し語に完全一致および一致する単語を含む複数の見出し語が検索され、図11(B)に示すような見出し語一覧画面G2として表示される(ステップA7)。
そして、この見出し語一覧画面G2において、カーソルKが移動操作され、さらに検索対象としたい見出し語が選択されて「訳/決定」キー16Yが操作されると(ステップA8)、図11(C)に示すように、当該選択された見出し語に対応する説明情報がメイン辞書である「国語辞書A」の辞書データから読出され、説明情報表示画面G3として説明情報の先頭から表示される(ステップA9)。
図11(C)で示した説明情報表示画面G3において、説明情報の表示行数が多く、1画面中に全てを表示できない場合には、カーソル上下キー16xd,16xuが操作されると(ステップA10)、当該説明情報表示画面G3に表示されているメイン辞書「国語辞書A」の選択見出し語「趣味」の説明情報が上下にスクロールされて表示される(ステップA11)。
図12は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理に伴うキー操作対応の表示動作(その2)を示す図であり、同図(D)は、メイン/サブ説明情報連動画面G4を示す図、同図(E)は、メイン/サブ説明情報連動画面G4でのスクロール表示を示す図、同図(F)は、メイン/サブ説明情報連動画面G4でのメイン辞書枠Mm切り替え表示を示す図である。
こうしたメイン辞書「国語辞書A」に基づく説明情報表示画面G3でのスクロール表示において、例えばユーザが求める説明情報が見出せず、同種記憶辞書「国語」のサブ辞書「国語辞書B」「カタカナ辞典」に基づいた説明情報をも参照したい場合に、「サブ辞書」キー16Dが操作されると(ステップA12)、メイン・サブ辞書設定テーブル12dに基づき現在のメイン辞書「国語辞書A」と同種「国語」のサブ辞書「国語辞書B」「カタカナ辞典」が読出され(ステップA13)、メイン辞書「国語辞書A」にて検索表示中の見出し語「趣味」がサブ辞書「国語辞書B」「カタカナ辞典」から検索される(ステップA14)。
すると、まず先頭のサブ辞書「国語辞書B」が指定され(ステップA15)、この先頭サブ辞書の辞書データ内に前記検索対象の見出し語「趣味」が有るか/否か判断される(ステップA16)。
ここで、先頭サブ辞書「国語辞書B」の辞書データ内に検索対象見出し語「趣味」が有ると判断されると(ステップA16)、当該見出し語「趣味」に対応した先頭サブ辞書に基づく説明情報の表示形態が、前記メイン辞書に基づき表示されている説明情報とその表示エリアを2分割表示にして設定される(ステップA17)。
すると、次のサブ辞書が存在するか否か判断され(ステップA18)、次のサブ辞書ありと判断された場合には、当該次のサブ辞書「カタカナ辞典」が指定されて(ステップA19)、このサブ辞書の辞書データ内に前記検索対象の見出し語「趣味」が有るか/否か判断される(ステップA16)。
ここで、次のサブ辞書「カタカナ辞典」の辞書データ内にも検索対象見出し語「趣味」が有ると判断されると(ステップA16、Yes)、当該見出し語「趣味」に対応した次のサブ辞書に基づく説明情報の表示形態が、前記分割表示にして設定されたメイン辞書に基づく説明情報および先頭サブ辞書に基づく説明情報とその表示エリアを3分割表示にして設定される(ステップA17)。
なお、サブ辞書「カタカナ辞典」の辞書データ内に検索対象見出し語「趣味」がないと判断された場合には(ステップA16、No)、表示エリアの分割を行わない。ここでは、サブ辞書「カタカナ辞典」には見出し語「趣味」がなく、表示エリアが2分割表示されるものとする。
そして、次のサブ辞書なしと判断されると(ステップA18、No)、現在のメイン辞書「国語辞書A」に基づく見出し語「趣味」の説明情報の表示先頭行の語義番号「1」が読み出され(ステップA20)、図9における対応語義設定処理に移行される(ステップA21)。
図9で示す対応語義設定処理では、メイン辞書「国語辞書A」(第1の辞書)における見出語を指定し(ステップB1)、この見出し語に対応する説明情報(第1の説明情報)に含まれている複数の語義それぞれと対応関係にある、サブ辞書「国語辞書B」(第2の辞書)の同じ見出し語における説明情報(第2の説明情報)に含まれている同じ、または類似の性質・種類の語義を識別し、その関係を示すデータを語義の一覧表示用のデータとしてワークエリア12eに記憶する(ステップB2)。
ここで、メイン辞書「国語辞書A」の第1の説明情報に含まれている複数の語義のそれぞれと、サブ辞書「国語辞書B」の同見出し語における第2の説明情報に含まれている同じまたは類似の性質・種類の語義との対応関係は、辞書リンクテーブル12cを用いる第1の方法、あるいは説明情報に含まれる情報(語義を説明する文字列)とを相互に比較する第2の方法を用いて識別することができる。
第1の方法では、メイン辞書「国語辞書A」の語義リンクテーブル12c(図2(A)参照)に従って、まず、ステップA20にて読み出された現在表示先頭行のメイン辞書の説明情報語義番号「1」に対応関係があるサブ辞書「国語辞書B」での説明情報語義番号として「2」が読み出される。以下同様にして、メイン辞書の説明情報語義番号「2」「3」のそれぞれに対応関係にあるサブ辞書「国語辞書B」での説明情報語義番号「1」「3」を読み出す。なお、メイン辞書の語義番号「4」に対応関係にある語義は、サブ辞書には記憶されていないことが識別できる。これらのデータがワークエリア12eに記憶される。
一方、第2の方法では、現在表示先頭行のメイン辞書語義番号「1」の語義内容、すなわち「感興を誘う状態。おもむき。あじわい。」とサブ辞書「国語辞書B」での同一見出し語に対応する各語義番号毎の語義内容とを比較し、メイン辞書語義番号「1」の説明情報と最も一致文字の多い説明情報を有するサブ辞書「国語辞書B」での説明情報語義番号を識別する。
例えば、サブ辞書「国語辞書B」の同一見出し語「趣味」については、図3(B)に示すように、語義番号1〜3の語義内容が記録されている。ここで、語義番号1〜3の語義内容「楽しみとして好むもの」「趣き。味わい。」「楽しみとして好むもの。」のそれぞれと比較した結果、語義番号2の語義内容「趣き。味わい。」がメイン辞書「国語辞書A」の語義内容と最も一致していることが識別される。
同様にして、メイン辞書語義番号「2」「3」「4」の語義内容と最も一致しているサブ辞書「国語辞書B」の語義内容を識別する。そして、これらの語義の対応関係を示すデータがワークエリア12eに記憶される。
図3(C)には、対応語義設定処理により識別された語義の対応関係に応じて、サブ辞書「国語辞書B」の語義(語義番号)を、サブ辞書「国語辞書A」の語義の配列に合わせて並べ替えた(配列した)例を示している。
なお、ここでは、語義内容を表す文字列について単純な文字コードの比較により対応関係を識別しても良いし、単一の文字種、例えばひらがなの文字コードに漢字やカタカナなどの文字コードを変換した上で、共通する文字コード列の一致頻度に応じて識別するなど、その他の比較処理で用いられる手法を用いるようにしても良い。
次のサブ辞書がある場合には、このサブ辞書を指定し(ステップB3,B4)、この次のサブ辞書の同一見出し語における説明情報に含まれる語義からも、前述と同様にして、メイン辞書の説明情報に含まれる各語義のそれぞれと対応関係のある語義を識別し、その対応関係を示すデータをワークエリア12eに順次記憶しておく。
こうして対応語義設定処理によりメイン辞書「国語辞書A」の説明情報に含まれている複数の語義それぞれと、サブ辞書「国語辞書B」の同じ見出し語における説明情報に含まれている同じ、または類似の性質・種類の語義との対応関係が識別されると、図10における一覧表示処理に移行して、対応語義設定処理によりワークエリア12eに記憶されたデータをもとに、図12(D)に示すようなメイン/サブ説明情報連動画面G4を表示する。
図10に示す一覧表示処理では、入力された見出し語をワークエリア12eに記憶して、分割された表示エリアのメイン辞書の説明情報を表示するための表示エリアに表示すると共に(ステップC1)、入力された見出し語におけるメイン辞書「国語辞書A」の説明情報(第1の説明情報)に含まれる複数の語義内容を「国語辞書A」(辞書データ12b)から読み出して表示する(ステップC2)。ここで、メイン辞書の語義内容は、語義番号1,2,3…の順番に配列される。
そして、表示されたメイン辞書「国語辞書A」の複数の語義内容それぞれと同じまたは類似の性質・種類の語義内容(第2の説明情報)を、対応語義設定処理によりワークエリア12eに記憶された語義内容の対応関係を示すデータに応じて、「国語辞書B」(辞書データ12b)から読み出して表示する(ステップC3)。
すなわち、サブ辞書「国語辞書B」から読み出される語義内容(第2の説明情報)は、サブ辞書「国語辞書A」の語義の配列に合わせて並べ替えて(配列して)表示されることになる。
図12に示すメイン/サブ説明情報連動画面G4において、メイン辞書「国語辞書A」から読み出した語義内容については(画面上段表示エリア)、図3(A)に示す辞書データ12bに記憶されている語義番号の順番に配列されて表示されている。これに対し、サブ辞書「国語辞書B」から読み出した語義内容については(画面下段表示エリア)、図3(B)に示す辞書データ12bに記憶されている語義番号の順番ではなく、図3(C)に示す「国語辞書A」の語義との対応関係に応じて配列された順番(語義番号2,1,3の順)で表示されている。
従って、国語辞書Aと国語辞書Bのそれぞれの説明情報が、同じ語義または類似の語義毎の順番で整列されることになり、一覧表示から所望する語義内容を探し出す場合に非常に見やすい形となる。
なお、図12(D)に示す表示例では、表示部17の表示画面のサイズの関係から上下に表示エリアを分割して、メイン辞書とサブ辞書のそれぞれから読み出された語義内容を一覧表示させているが、図13に示すように、「サブ辞書」キー16Dを操作すると、表示部17の左右に表示エリアを分割して国語辞書Aと国語辞書Bのそれぞれの説明情報が、同じ語義または類似の語義毎の順番で整列されるように表示したり、あるいはメイン辞書用の表示画面とサブ辞書用の表示画面とを切り替えて表示するようにしても良い。
メイン/サブ説明情報連動画面G4では、設定中のメイン辞書名「国語辞書A」は太枠のメイン辞書枠Mmで囲まれて表示され、また、メイン辞書「国語辞書A」と各サブ辞書「国語辞書B」それぞれの説明情報表示エリアのうち、前記対応語義設定処理(ステップA21)、一覧表示処理(ステップA22)により説明情報が表示されたサブ辞書「国語辞書B」の説明情報表示エリアについては、メイン辞書「国語辞書A」の説明情報表示エリアと共に各説明情報の語義が連動していることを示す太枠の連動語義枠Wで囲まれて表示される。
さらに、メイン/サブ説明情報連動画面G4上の連動語義枠Wで囲まれて表示された、メイン辞書「国語辞書A」の説明情報中で選択表示された連動対象の語義番号「1」はメイン選択語義枠m1で囲まれて表示され、また、サブ辞書「国語辞書B」の説明情報中で対応表示された連動の語義番号「2」はサブ選択語義枠m2で囲まれて表示される。
このように、図12(D)で示したメイン/サブ説明情報連動画面G4において、図12(E)に示すように、カーソル上下キー16xd,16xuが操作されると(ステップA23)、当該メイン/サブ説明情報連動画面G4のメイン辞書枠Mmに対応して表示されているメイン辞書「国語辞書A」の説明情報が上下にスクロールされて表示される(ステップA24)。
すると、メイン辞書「国語辞書A」の説明情報のスクロール表示によって、メイン選択語義枠m1がメイン辞書の説明情報語義番号「2」に変更表示されるのに応じて、対応語義設定処理によりワークエリア12eに記憶された語義の対応関係を示すデータをもとに、メイン辞書の説明情報語義番号「2」に対応するサブ辞書の説明情報(ここでは語義番号「1」)を含むように分割エリアに説明情報が一覧表示されると共に、該当する説明情報の語義番号「2」にサブ選択語義枠m2が変更表示される。
図12(E)に示すメイン/サブ説明情報連動画面G4では、メイン辞書「国語辞書A」の語義番号「2」と対応関係にあるサブ辞書「国語辞書B」の説明情報(語義番号「1」)がサブ辞書の説明情報表示エリアに表示されているので、画面をスクロール表示されず、サブ選択語義枠m2の位置のみが移動される。
ただし、メイン辞書「国語辞書A」の説明情報のスクロール表示のスクロール量が多く、サブ辞書「国語辞書B」の説明情報についてもスクロール表示が必要な場合には、対応関係にある説明情報がサブ辞書の説明情報表示エリアの先頭に位置するようにスクロール表示され、この説明情報の語義番号にサブ選択語義枠m2が付される。
なお、サブ辞書「国語辞書B」にメイン辞書「国語辞書A」の説明情報(語義)と対応関係にある語義がない場合には、例えばサブ選択語義枠m2を消去して、対応する説明情報がないことを表すようにしても良い。
図12(E)で示した、メイン/サブ説明情報連動画面G4における現在のメイン辞書「国語辞書A」での見出し語「趣味」に対応した説明情報のスクロール操作表示に伴う各サブ辞書「国語辞書B」の説明情報の語義連動表示状態において、例えばメイン辞書「国語辞書A」に基づく説明情報の内容よりもサブ辞書「国語辞書B」に基づく説明情報の内容の方がユーザの要求に合っていることで、現在設定中のメイン辞書を「国語辞書A」から「国語辞書B」に切り替えるために、図12(F)に示すように、「シフト」キー16s+ページダウンキー16dが操作されてメイン辞書の切り替えキー操作が為されたと判断されると(ステップA26)、当該キー操作に応じてメイン/サブ説明情報連動画面G4でのメイン辞書枠Mmがこれまでのサブ辞書名「国語辞書B」の位置に切り替え表示されると共に、当該新たなメイン辞書「国語辞書B」の説明情報におけるサブ選択語義枠m2が表示されていた配列番号「1」にメイン選択語義枠m1が表示され、これまでのメイン辞書「国語辞書A」の説明情報におけるメイン選択語義枠m1が表示されていた語義番号「2」にサブ選択語義枠m2が表示される(ステップA27)。
この際、メイン・サブ辞書設定テーブル12dの「国語」辞書の設定内容が、メイン辞書「国語辞書B」、サブ辞書「国語辞書A」「カタカナ辞典」として変更される。
そして、図12(F)で示した、メイン辞書「国語辞書B」として切り替えられたメイン/サブ説明情報連動画面において、例えばカーソル下キー16xuが操作されると(ステップA23)、図12(E)で示したメイン辞書が「国語辞書A」であった場合と同様に、メイン辞書枠Mmに対応して表示されている新たなメイン辞書「国語辞書B」の説明情報が上下にスクロールされて表示される(ステップA24)。
図14は前記携帯機器(電子辞書)10による情報表示制御機能の全体処理に伴うキー操作対応の表示動作(その3)を示す図であり、同図(G)はメイン辞書切り替え表示後のメイン/サブ説明情報連動画面G4での語義連動表示を示す図である。
こうした、ステップA23におけるメイン辞書「国語辞書B」の説明情報のスクロール表示によって、図14(G)に示すように、メイン選択語義枠m1がメイン辞書の説明情報語義番号「3」に変更表示されるのに応じて、対応語義設定処理によりワークエリア12eに記憶された語義の対応関係を示すデータをもとに、メイン辞書の説明情報語義番号「3」に対応するサブ辞書の説明情報(ここでは語義番号「3」)を含むように分割エリアに説明情報が一覧表示されると共に、該当する説明情報の配列番号「3」にサブ選択語義枠m2が変更表示される。
なお、メイン/サブ説明情報連動画面G4において、「訳/決定」キー16Yが操作されると、分割表示されていたメイン辞書「国語辞書B」の見出し語に対応するメイン選択語義番号「3」以降の説明情報が辞書データから読出され、説明情報表示画面G3として全画面表示される。
このようにして、第1実施形態の携帯機器(電子辞書)10におけるメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能によれば、例えば「国語」のメイン辞書を「国語辞書A」、先頭サブ辞書を「国語辞書B」としてメイン・サブ辞書設定テーブル12dに設定した状態での当該メイン辞書に基づく入力見出し語に応じた説明情報表示画面G3(図11(C)参照)において、「サブ辞書」キー16Dを操作すると、表示中のメイン辞書説明情報の語義の配列と対応するように、サブ辞書説明情報の語義を、同じ語義または類似の性質・種類の語義とが対応する配列となるように整列して一覧表示される。
このため、複数ある同種の辞書を対象にして見出し語検索し各辞書に応じた説明情報を参照したい場合に、各辞書の説明情報表示画面G3を別々にスクロール表示させて一方の辞書の説明情報に対応した内容の他方の辞書の説明情報を比較検討しながら見つけ出す必要はなく、ユーザ設定したメインの辞書の表示中の説明情報に対応したサブ辞書の説明情報を、非常に簡単な1キー(サブ辞書キー16D)操作で、同じ語義または類似(性質・種類)の語義毎に複数の辞書の説明情報を見やすい形に整列して表示させることができる。
また、前記構成の携帯機器(電子辞書)10におけるメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能によれば、前記語義に基づき連動表示されるメイン辞書の入力見出し語に対応した説明情報とサブ辞書での同一見出し語に対応した説明情報とは、連動語義枠Wで囲まれた分割エリアにて並列表示されるメイン/サブ説明情報連動画面G4として表示されるので、各辞書間で同様の語義内容である説明情報を極めて容易に比較検討して何れの説明内容が適切かを判断できるようになる。
また、前記構成の携帯機器(電子辞書)10におけるメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能によれば、メイン辞書での見出し語に応じた説明情報に含まれる複数の語義のそれぞれと、サブ辞書での同一見出し語における同じ語義または類似(性質・種類)の語義との関係を識別するために、予め同種各辞書間での語義番号(内容)を対応付けして記憶した語義リンクテーブル12c(図2参照)に従い識別する第1の方法、または、サブ辞書での同一見出し語に応じた説明情報における各語義毎の説明情報のうち、メイン辞書での選択語義に応じた説明情報文字列と一致文字列最多のサブ辞書説明情報の語義番号を検知するので、非常に簡単な処理によりメイン辞書の説明情報語義番号に内容対応して連動したサブ辞書での説明情報語義番号を取得できるようになる。
また、前記構成の携帯機器(電子辞書)10におけるメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能によれば、メイン/サブ説明情報連動画面G4において、メイン辞書での入力見出し語に応じた説明情報を選択的にスクロール表示させた場合には、その選択的スクロール表示によってメイン辞書での説明情報語義が変わる都度、対応するサブ辞書での説明情報語義が検知されて連動表示されるので、メイン/サブ説明情報連動画面G4では常にメイン辞書の説明情報に語義連動させたサブ辞書の説明情報を表示できるようになる。
さらに、前記構成の携帯機器(電子辞書)10におけるメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能によれば、メイン/サブ説明情報連動画面G4では、メイン辞書の説明情報分割表示エリアにはそのメイン辞書名がメイン辞書枠Mmで囲まれて識別表示される。そして、「シフト」キー16s+ページダウンキー16dの操作によりメイン辞書の切り替え指示が為された場合には、前記メイン辞書枠Mmがこれまでサブ辞書の説明情報分割表示エリアに対応表示されていたサブ辞書名を囲む位置に切り替え表示され、新たなメイン辞書として識別表示させると共に、メイン・サブ辞書設定テーブル12dの設定内容を書き換えるようにしたので、メイン/サブ説明情報連動画面G4によるメイン辞書説明情報とサブ辞書説明情報との語義連動表示状態では、ユーザは双方の説明情報を参照して簡単にそのメイン辞書とサブ辞書との切り替えを行い、ユーザ所望の適切な説明情報を有する辞書をメイン辞書として簡単に変更設定できるようになる。
また、前記構成の携帯機器(電子辞書)10におけるメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能によれば、辞書データメモリ12bに記憶された各種別のメイン辞書を指定して入力見出し語に対応する説明情報の検索を行うための各辞書キー「国語」16a1、「漢和」16a2、「英和」16a3、「和英」16a4を有し、当該辞書キー「国語」16a1〜「和英」16a4の選択的な1キー操作で所望の種類のメイン辞書に基づく見出し語一覧画面G2を表示でき辞書検索処理を開始できると共に、このメイン辞書での検索処理に基づいた説明情報表示画面G3において、「サブ辞書」キー16Dを1キー操作するだけで、同種のサブ辞書を対象とした前記語義の連動表示によるメイン/サブ説明情報連動画面G4に切り替えることができる。
(第2実施形態)
次に、携帯機器(電子辞書)10による第2実施形態の辞書情報表示制御機能について説明する。第2実施形態では、図4に示す英和辞書Aまたは英和辞書Bの情報を表示する場合を例にして説明する。
第1実施形態において対象としていた国語辞書の場合には、辞書メーカあるいはユーザ対象レベルが異なるため、同じ主旨の語義であっても、語義の具体的な内容(文章)や、語義に対して付されている語義番号(配列順)が異なっている。英和辞書Aと英和辞書Bとは、さらに辞書メーカあるいはユーザ対象レベルが異なることにより、説明情報における品詞の順番が異なっている。
第2実施形態では、メイン辞書の説明情報に含まれている複数の品詞のそれぞれと対応関係にある複数の品詞の説明情報をサブ辞書から読み出し、メイン辞書の説明情報に含まれている複数の品詞内容(複数の語義を含む)とサブ辞書の説明情報に含まれている複数の品詞内容(複数の語義を含む)とを互いに対応関係で一覧表示させるものである。
なお、第2実施形態は、第1実施形態においてメイン辞書とサブ辞書との間で語義の対応関係を対応語義設定処理により識別しているのに対して、品詞の対応関係を識別する処理が追加されるだけであり、ほぼ同様の処理を実行すれば良いので、第1実施形態と共通部分については一部の説明を省略する。
例えば英和の辞書検索を行いたい場合に、図15(A)に示すように、辞書キー「英和」16a3が操作されると(ステップA3)、辞書種類「英和」の現在の設定メイン辞書である「英和辞書A」の辞書データが辞書データメモリ12bから読出され(ステップA4)、当該辞書が起動されてその見出し語(検索文字)入力画面が表示される(ステップA5)。
この見出し語(検索文字)入力画面において、例えば検索対象の読み文字列「program」が見出し語として入力表示されると(ステップA6)、これに伴い当該入力見出し語に完全一致および一致する単語を含む複数の見出し語が検索され、見出し語一覧画面G2として表示される(ステップA7)。
そして、この見出し語一覧画面G2において、カーソルKが移動操作され、さらに検索対象としたい見出し語が選択されて「訳/決定」キー16Yが操作されると(ステップA8)、図15(A)に示すように、当該選択された見出し語に対応する説明情報がメイン辞書である「英和辞書A」の辞書データから読出され、説明情報表示画面G3として説明情報の先頭から表示される(ステップA9)。
図15(A)で示した説明情報表示画面G3において、説明情報の表示行数が多く、1画面中に全てを表示できない場合には、例えばカーソル下キー16xuが操作されると(ステップA10)、説明情報表示画面G3に表示されているメイン辞書「英和辞書A」の選択見出し語「program」の説明情報が図15(B)に示すようにして、下にスクロールされて表示される(ステップA11)。
こうしたメイン辞書「英和辞書A」に基づく説明情報表示画面G3でのスクロール表示において、例えばユーザが求める説明情報が見出せず、同種記憶辞書「英和」のサブ辞書「英和辞書B」「リ*ダース」に基づいた説明情報をも参照したい場合に、「サブ辞書」キー16Dが操作されると(ステップA12)、メイン・サブ辞書設定テーブル12dに基づき現在のメイン辞書「英和辞書A」と同種「英和」のサブ辞書「英和辞書B」「リ*ダース」が読出され(ステップA13)、メイン辞書「英和辞書A」にて検索表示中の見出し語「program」がサブ辞書「英和辞書B」「リ*ダース」から検索される(ステップA14)。
すると、まず先頭のサブ辞書「英和辞書B」が指定され(ステップA15)、この先頭サブ辞書の辞書データ内に前記検索対象の見出し語「program」が有るか/否か判断される(ステップA16)。
ここで、先頭サブ辞書「英和辞書B」の辞書データ内に検索対象見出し語「program」が有ると判断されると(ステップA16)、当該見出し語「program」に対応した先頭サブ辞書に基づく説明情報の表示形態が、前記メイン辞書に基づき表示されている説明情報とその表示エリアを2分割表示にして設定される(ステップA17)。
すると、次のサブ辞書が存在するか否か判断され(ステップA18)、次のサブ辞書ありと判断された場合には、当該次のサブ辞書「リ*ダース」が指定されて(ステップA19)、このサブ辞書の辞書データ内に前記検索対象の見出し語「program」が有るか/否か判断される(ステップA16)。
ここで、次のサブ辞書「リ*ダース」の辞書データ内にも検索対象見出し語「program」が有ると判断されると(ステップA16、Yes)、当該見出し語「program」に対応した次のサブ辞書に基づく説明情報の表示形態が、前記分割表示にして設定されたメイン辞書に基づく説明情報および先頭サブ辞書に基づく説明情報とその表示エリアを3分割表示にして設定される(ステップA17)。
なお、サブ辞書「リ*ダース」の辞書データ内に検索対象見出し語「program」がないと判断された場合には(ステップA16、No)、表示エリアの分割を行わない。ここでは、サブ辞書「リ*ダース」には見出し語「program」がなく、表示エリアが2分割表示されるものとする。
そして、次のサブ辞書なしと判断されると(ステップA18、No)、現在のメイン辞書「英和辞書A」に基づく見出し語「program」の説明情報の表示先頭行の語義番号「1」が読み出され(ステップA20)、第1実施形態において説明した対応語義設定処理の前に対応品詞設定処理が実行される。
対応品詞設定処理では、メイン辞書「英和辞書A」(第1の辞書)における見出語を指定し(ステップB1)、この見出し語に対応する説明情報(第1の説明情報)に含まれている複数の品詞それぞれと対応関係にある、サブ辞書「英和辞書B」(第2の辞書)の同じ見出し語における説明情報(第2の説明情報)に含まれている同じ品詞または類似の品詞(品詞の分類の定義により決められるもので同じ品詞と見なされる)を識別し、その品詞の関係を示すデータをワークエリア12eに記憶する。
ここで、メイン辞書「英和辞書A」の第1の説明情報に含まれている複数の品詞のそれぞれと、サブ辞書「英和辞書B」の同見出し語における第2の説明情報に含まれている同じ品詞または類似の品詞との対応関係は、辞書リンクテーブル12cを用いて識別することができる。
すなわち、メイン辞書「英和辞書A」の語義リンクテーブル12c(図2(B)参照)に従って、まず、メイン辞書の品詞番号「1」に対応関係があるサブ辞書「英和辞書B」での品詞番号として「3」が読み出される。以下同様にして、メイン辞書の品詞番号「2」「3」のそれぞれに対応関係にあるサブ辞書「英和辞書B」での品詞番号「1」「2」を読み出す。これらのデータがワークエリア12eに記憶される。
例えば、メイン辞書「英和辞書A」の同一見出し語「program」については、図4(A)に示すように、品詞番号1〜3の品詞は、それぞれ「名詞」「他動詞」「自動詞」を示すのに対し、サブ辞書「英和辞書B」の同一見出し語「program」の品詞番号1〜3の品詞の並びは、図4(B)に示すように、メイン辞書と異なり「他動詞」「自動詞」「名詞」を示しているため、これらの対応関係を示すデータが記憶される。
さらに、対応語義設定処理を実行することにより、対応する品詞番号間において、説明情報中の各語義について、同じ語義または類似の語義の語義番号が対応づけられている。
例えば、メイン辞書「英和辞書A」の品詞番号「1」については、語義番号1〜5の語義が含まれているため、サブ辞書「英和辞書B」の対応関係にある品詞番号「3」に含まれる語義番号1〜3との対応関係が識別され、その関係を示すデータがワークエリア12eに記憶される(詳細について第1実施形態と同じなので省略する)。
図4(C)には、対応品詞設定処理により識別された品詞の対応関係、及び対応語義設定処理により識別された語義の対応関係応じて、サブ辞書「英和辞書B」の品詞(品詞番号)、語義(語義番号)を、サブ辞書「英和辞書A」の語義の配列に合わせて並べ替えた(配列した)例を示している。
複数のサブ辞書がある場合には、各サブ辞書について前述と同様にして、品詞と各品詞間での語義の対応関係を識別し、その対応関係を示すデータをワークエリア12eに順次記憶しておく。
こうして対応品詞設定処理によりメイン辞書「英和辞書A」の説明情報に含まれている複数の品詞それぞれと、サブ辞書「英和辞書B」の同じ見出し語における説明情報に含まれている同じ、または類似の品詞との対応関係、さらに対応する品詞間において、説明情報中の各語義の対応関係が識別されると、一覧表示処理により、対応品詞設定処理及び対応語義設定処理によりワークエリア12eに記憶されたデータをもとに、図15(C)に示すようなメイン/サブ説明情報連動画面G4を表示する。
一覧表示処理では、分割された表示エリアのメイン辞書の説明情報を表示するための表示エリアに表示すると共に、入力された見出し語におけるメイン辞書「英和辞書A」の説明情報(第1の説明情報)に含まれる複数の品詞の語義内容を「英和辞書A」(辞書データ12b)から読み出して表示する。ここで、メイン辞書の語義内容は、品詞番号1,2,3(語義番号1,2,3…)の順番に配列される。
そして、表示されたメイン辞書「英和辞書A」の複数の品詞の語義内容それぞれと同じ品詞または類似の品詞の語義内容(第2の説明情報)を、対応品詞設定処理によりワークエリア12eに記憶された語義内容の対応関係を示すデータに応じて、「英和辞書B」(辞書データ12b)から読み出して表示する。
すなわち、サブ辞書「英和辞書B」から読み出される語義内容(第2の説明情報)は、サブ辞書「英和辞書A」の品詞の配列に合わせて並べ替えて(配列して)表示されることになる。
図15(C)に示すメイン/サブ説明情報連動画面G4において、メイン辞書「英和辞書A」から読み出した語義内容については(画面上段表示エリア)、図4(A)に示す辞書データ12bに記憶されている語義番号の順番に配列されて表示されている。これに対し、サブ辞書「英和辞書B」から読み出した語義内容については(画面下段表示エリア)、図4(B)に示す辞書データ12bに記憶されている語義番号の順番ではなく、図4(C)に示す「英和辞書A」の品詞との対応関係に応じて配列された順番(品詞番号3,1,2の順)で表示されている。さらに、各品詞間での語義の対応関係に応じて、第1実施形態と同様にして、語義内容が配列されて表示されている。
従って、英和辞書Aと英和辞書Bのそれぞれの説明情報が、同じ品詞または類似の品詞毎の順番で整列されることになり、一覧表示から所望する語義内容を探し出す場合に非常に見やすい形となる。
なお、図15(C)に示す表示例では、表示部17の表示画面のサイズの関係から上下に表示エリアを分割して、メイン辞書とサブ辞書のそれぞれから読み出された語義内容を一覧表示させているが、図16に示すように、「サブ辞書」キー16Dを操作すると、表示部17の左右に表示エリアを分割して、英和辞書Aと英和辞書Bのそれぞれの説明情報が、同じ品詞または類似の品詞毎の順番で整列されるように表示したり、あるいはメイン辞書用の表示画面とサブ辞書用の表示画面とを切り替えて表示するようにしても良い。
メイン/サブ説明情報連動画面G4では、設定中のメイン辞書名「英和辞書A」は太枠のメイン辞書枠Mmで囲まれて表示され、また、メイン辞書「英和辞書A」と各サブ辞書「英和辞書B」それぞれの説明情報表示エリアのうち、前記対応品詞設定処理、対応語義設定処理、一覧表示処理により説明情報が表示されたサブ辞書「英和辞書B」の説明情報表示エリアについては、メイン辞書「英和辞書A」の説明情報表示エリアと共に各説明情報の語義が連動していることを示す太枠の連動語義枠Wで囲まれて表示される。
さらに、メイン/サブ説明情報連動画面G4上の連動語義枠Wで囲まれて表示された、メイン辞書「英和辞書A」の説明情報中で選択表示された連動対象の品詞「名詞(n)」の語義番号「1」はメイン選択語義枠m1で囲まれて表示され、また、サブ辞書「英和辞書B」の説明情報中で対応表示された連動の品詞「n(名詞)」の語義番号「1」はサブ選択語義枠m2で囲まれて表示される。
メイン/サブ説明情報連動画面G4においては、第1実施形態と同様にして、カーソル上下キー16xd,16xuの操作に応じて説明情報が上下にスクロールされて表示され、メイン辞書「英和辞書A」の説明情報のスクロール表示によって、メイン選択語義枠m1が別の語義番号に変更表示されるのに応じて、対応品詞設定処理及び対応語義設定処理によりワークエリア12eに記憶された品詞と語義の対応関係を示すデータをもとに、対応するサブ辞書の品詞に含まれる説明情報を含むように分割エリアに説明情報が一覧表示されると共に、該当する説明情報の語義番号にサブ選択語義枠m2が変更表示される。
なお、サブ辞書「英和辞書B」にメイン辞書「英和辞書A」の説明情報(語義)と対応関係にある語義がない場合には、例えばサブ選択語義枠m2を消去して、対応する説明情報がないことを表すようにしても良い。
また、第1実施形態と同様にして、「シフト」キー16s+ページダウンキー16dが操作されてメイン辞書の切り替えキー操作がされると(ステップA26)、メイン/サブ説明情報連動画面G4でのメイン辞書枠Mmがこれまでのサブ辞書名「英和辞書B」の位置に切り替え表示されると共に、当該新たなメイン辞書「英和辞書B」の説明情報におけるサブ選択語義枠m2が表示されていた語義番号にメイン選択語義枠m1が表示され、これまでのメイン辞書「英和辞書A」の説明情報におけるメイン選択語義枠m1が表示されていた語義番号にサブ選択語義枠m2が表示される(ステップA27)。
この際、メイン・サブ辞書設定テーブル12dの「英和」辞書の設定内容が、メイン辞書「英和辞書B」、サブ辞書「英和辞書A」「リ*ダース」として変更される。
そして、第1実施形態と同様にして、メイン辞書「英和辞書B」として切り替えられたメイン/サブ説明情報連動画面において、例えばカーソル下キー16xuが操作されると(ステップA23)、メイン辞書が「英和辞書A」であった場合と同様に、メイン辞書枠Mmに対応して表示されている新たなメイン辞書「英和辞書B」の説明情報が上下にスクロールされて表示される。
こうした、メイン辞書「英和辞書B」の説明情報のスクロール表示によって、メイン選択語義枠m1の表示位置が変更表示されるのに応じて、対応品詞設定処理及び対応語義設定処理によりワークエリア12eに記憶された品詞及び語義の対応関係を示すデータをもとに、サブ辞書の説明情報を含むように分割エリアに説明情報が一覧表示されると共に、該当する説明情報の番号にサブ選択語義枠m2が変更表示される。
なお、メイン/サブ説明情報連動画面G4において、「訳/決定」キー16Yが操作されると、分割表示されていたメイン辞書「英和辞書B」の見出し語に対応するメイン選択語義番号「3」以降の説明情報が辞書データから読出され、説明情報表示画面G3として全画面表示される。
このようにして、第2実施形態の携帯機器(電子辞書)10におけるメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能によれば、第1実施形態における効果に加えて、例えば「英和」のメイン辞書を「英和辞書A」、先頭サブ辞書を「英和辞書B」としてメイン・サブ辞書設定テーブル12dに設定した状態での当該メイン辞書に基づく入力見出し語に応じた説明情報表示画面G3(図15(B)参照)において、「サブ辞書」キー16Dを操作すると、表示中のメイン辞書説明情報の品詞の配列と対応するように、サブ辞書説明情報の語義を、同じ品詞または類似の品詞の語義とが対応する配列となるように整列して一覧表示される。
このため、複数ある同種の辞書を対象にして見出し語検索し各辞書に応じた説明情報を参照したい場合に、各辞書の説明情報表示画面G3を別々にスクロール表示させて一方の辞書についての説明情報に対応した他方の辞書の説明情報を比較検討しながら見つけ出す必要はなく、ユーザ設定したメインの辞書の表示中のある品詞についての説明情報に対応したサブ辞書の品詞の説明情報を、非常に簡単な1キー(サブ辞書キー16D)操作で、同じ品詞または類似した品詞の語義毎に複数の辞書の説明情報を見やすい形に整列して表示させることができる。
なお、前記各実施形態において記載した携帯機器(電子辞書)10による各処理の手法、すなわち、図6および図7のフローチャートに示す情報表示制御機能の全体処理、図8のフローチャートに示す当該情報表示制御機能の全体処理に伴うメイン辞書設定処理、図9のフローチャートに示す前記情報表示制御機能の全体処理に伴う対応語義設定処理、図10のフローチャートに示す前記情報表示制御機能の全体処理に伴う一覧表示処理等、第2実施形態における対応品詞設定処理の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体13に格納して配布することができる。そして、通信ネットワーク(インターネット)Nとの通信機能を備えた種々のコンピュータ端末は、この外部記憶媒体13に記憶されたプログラムを記憶媒体読取部14によってメモリ12に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明したメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(インターネット)N上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(インターネット)Nに接続されたコンピュータ端末(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込み、前述したメイン辞書/サブ辞書間での説明情報連動表示機能を実現することもできる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。