JP4983725B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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かかる構成のインクジェットヘッドの場合、溝状のチャネルの開口の一部を被覆部材で覆うことによりインク導入口を形成し、チャネルの被覆部材で覆う領域を調整することで、インクの吐出量を調整可能となっている。
また、圧電素子等の電気機械変換素子の共振による相互干渉を低減して不要なインク滴の吐出を防止するために、電気機械変換素子の長さを調整する技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
所定方向に沿って並設され、且つ、並び方向に対する直交方向の一側及び他側に入口及び出口がそれぞれ設けられたチャネルを有し、前記チャネルに対して圧電素子の収縮により圧力を付与して、前記チャネルの出口に連通するノズルからインクを吐出させるヘッドチップと、
インク流路を構成するインクポートを有し、前記ヘッドチップの前記チャネルの入口側に配置されるように当該ヘッドチップが設けられたマニホールドと、
前記インクポートが挿通される挿通孔を有し、前記挿通孔に前記インクポートを挿通させるようにして前記マニホールドが取り付けられた筐体と、を備え、
前記インクポートは、
前記直交方向に沿って延在するように筒状に形成されるとともに、当該直交方向の長さが、前記チャネルの前記直交方向の長さを変更しても、前記挿通孔に挿通された当該インクポートの先端部が前記ヘッドチップと反対側の面から突出可能な程度とされていることを特徴としている。
前記インクポート及び前記挿通孔は、それぞれ少なくとも2つ設けられていることを特徴としている。
前記インクポートの先端部が前記直交方向にスライド自在に挿入される先端挿入部を有する継手部材を備え、
前記先端挿入部の長さは、前記チャネルの前記直交方向の長さの変更に応じて変化する前記インクポートの先端部の位置変化量よりも長くされてなり、
前記筐体は、
前記先端挿入部に前記インクポートの先端部が挿入された前記継手部材を前記直交方向に位置決めする位置決め部を備えることを特徴としている。
前記ヘッドチップは、前記圧電素子からなる駆動壁と前記チャネルとが交互に並設されてなり、前記駆動壁の駆動電極に電圧を印加することにより前記駆動壁をせん断変形させて前記チャネル内のインクをノズルから吐出させることを特徴としている。
図1(a)は、本発明を適用した実施形態のインクジェットヘッド100を示す斜視図であり、図1(b)は、インクジェットヘッド100の底面図である。また、図2は、インクジェットヘッド100を示す分解斜視図である。なお、図2にあっては、カバー部材9の図示を省略している。
また、以下の説明では、インクジェットヘッド100のノズル11a(図4参照)の並び方向を左右方向とし、左右方向に直交する一方向を前後方向とし、前後方向及び左右方向の双方に直交する方向を上下方向とする。
図3(a)は、ヘッドチップ1、配線基板2、フレキシブル基板3及び駆動回路基板4を示す斜視図であり、図3(b)は、ヘッドチップ1を図3(a)と異なる方向から視て示す斜視図である。また、図4は、ヘッドチップ1及び配線基板2を模式的に示す分解斜視図である。
なお、図4にあっては、図の簡略化のため、ノズル列が1列のヘッドチップ1及び電極部21が前側にのみ配設された配線基板2を模式的に表している。
また、ヘッドチップ1の上面には、当該上面を開口部22を介して上側に露出させるように配線基板2が配設され、配線基板2の左右方向に沿った両縁部に、駆動回路基板4、4と接続された2つのフレキシブル基板3、3が配設されている。
ヘッドチップ1の上面及び下面に、それぞれ各チャネル13の入口と出口とが開設されている。各チャネル13は、略矩形状の断面を有し、上下方向に沿って形成されている。また、各チャネル13は、入口から出口に亘る長さ方向(上下方向)で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプであり、複数のチャネル13、…が互いに平行となるように配設されている。また、各チャネル13の出口に各ノズル11aを連通させるようにノズルプレート11が配設されている。
そして、ヘッドチップ1は、フレキシブル基板3から入力された制御信号に基づいて駆動壁12が膨張・収縮を繰り返すことにより、ノズル11aからインクを吐出するようになっている。
従って、チャネル13及び駆動壁12の延在方向の長さの変更によって、ヘッドチップ1全体の上下方向(インク吐出方向)の長さも変わることとなる。
開口部22は、左右方向に長尺な略矩形状に形成され、配線基板2にヘッドチップ1が取り付けられた状態で、当該開口部22を介してヘッドチップ1のチャネル13の入口を上側に露出させた状態とする。
また、開口部22の前後方向側の縁部には、ヘッドチップ1の駆動電極14と接続される電極部21が所定数配設されている(図4参照)。
フレキシブル基板3は、駆動回路基板4と電気的に接続される複数の配線31、…を有し、当該配線31と配線基板2の電極部21とがそれぞれ電気的に接続されている。
これにより、駆動回路基板4からの信号が、フレキシブル基板3の配線31、配線基板2の電極部21を介してヘッドチップ1の各チャネル13内の駆動電極14に印加される。
図5(a)は、マニホールド5を示す斜視図であり、図5(b)は、マニホールド5を図5(a)と180°異なる方向から視て示す斜視図である。
即ち、インク貯留部51は、本体部52の下端部から上側に向かって上下方向に沿って略同じ高さに形成された内側面部511を有し、この内側面部511の上端から内側に向かって前後方向及び左右方向に対して略平行に所定の長さ延出され、略矩形状のフィルタFの外縁部が当接するフィルタ縁取付部512が設けられている。
また、フィルタ縁取付部512の左端部であって、第2インクポート54と第3インクポート55の間の部分には、内側面部511の前面と後面を亘るように形成され、フィルタFの左端よりもわずかに内側の部分が当接する端部側フィルタ取付部513が設けられている。この端部側フィルタ取付部513は、フィルタ縁取付部512と略等しい高さに形成されている。
そして、端部側フィルタ取付部513及びフィルタ縁取付部512にフィルタFが接着により取り付け固定されている。
このように、第1インクポート53の上下方向の長さは、チャネル13や駆動壁12の上下方向(延在方向)の長さを変更しても(図8(a)及び図8(b)参照)、第1挿通孔66に挿通された当該第1インクポート53の先端部が筐体6の上面から突出可能な程度とされている。
図6(a)は、第1ジョイント81aを示す斜視図であり、図6(b)は、第1ジョイント81aを図6(a)と180°異なる方向から視て示す斜視図である。
これにより、第1ジョイント81aは、第1インクポート53の先端部に外挿された状態で、上下方向にスライド自在となっている。
これにより、マニホールド5を筐体6内で最も上側に配置した状態、即ち、最も長いチャネル13の長さに対応させてマニホールド5が最も筐体6の上面寄りに配置された状態(図8(b)参照)で、第1インクポート53に挿通された先端挿入部812の下端部が第1挿通孔66の外縁部に接触して、第1ジョイント81aが位置決めされるようになっている。
洗浄バイパス部56の上下方向の長さは、マニホールド5を筐体6内で最も下側に配置した状態、即ち、最も短いチャネル13の長さに対応させてマニホールド5が最もキャップ受板7寄りに配置された状態(図8(a)参照)で、洗浄バイパス用挿通孔67に挿通された当該洗浄バイパス部56の先端部が筐体6の上面から突出する程度に設定されている。
即ち、第2インクポート54は、上下方向に沿って延在する円筒状に形成され、外径が上下方向に亘って略等しくされている。また、第2インクポート54は、マニホールド5が筐体6に取り付けられる際に、筐体6の第2挿通孔64(後述)に挿通されるようになっており、当該第2インクポート54の外径は、第2挿通孔64の内径と略等しいか、或いは、これよりもわずかに小径とされている。
このように、第2インクポート54の上下方向の長さは、チャネル13や駆動壁12の上下方向(延在方向)の長さを変更しても(図8(a)及び図8(b)参照)、第2挿通孔64に挿通された当該第2インクポート54の先端部が筐体6の上面から突出可能な程度とされている。
なお、第2ジョイント81bの構成は、第2インクポート54に外挿される第1ジョイント81aと略等しくなっており、その詳細な説明は省略する。
第3インクポート55の上下方向の長さは、マニホールド5を筐体6内で最も下側に配置した状態、即ち、最も短いチャネル13の長さに対応させてマニホールド5が最もキャップ受板7寄りに配置された状態(図8(a)参照)で、第3挿通孔65に挿通された当該第3インクポート55の先端部が筐体6の上面から突出する程度に設定されている。
図7(a)は、筐体6を示す斜視図であり、図7(b)は、筐体6を図7(a)と180°異なる方向から視て示す斜視図である。
具体的には、筐体6の下端部には、左右方向に長尺な略矩形状の下側開口部61が形成されてなり、当該下側開口部61を介して、ヘッドチップ1、配線基板2及びフレキシブル基板3が取り付けられたマニホールド5を下側から挿通させるようにして、当該筐体6の内側に配設可能となっている。
キャップ受板7は、図2に示すように、キャップ受板取付部62の形状に対応させて、外形が左右方向に長尺な略矩形板状に形成され、その略中央部にノズルプレート11を露出させる左右方向に長尺なノズル用開口部71が形成されている。
そして、筐体6の内側にヘッドチップ1、配線基板2及びフレキシブル基板3が取り付けられたマニホールド5を配設した後、ノズルプレート11をノズル用開口部71を介して露出させるようにしてキャップ受板7をキャップ受板取付部62に取り付けることにより、筐体6の下側開口部61が塞がされた状態となる。
これら基板挿通用開口63、63は、筐体6にカバー部材9が取り付けられることで閉塞されるようになっている。
また、左上側凹部641の内径は、第2ジョイント81bの外径と略等しいか、或いは、これよりもわずかに大径とされている。
ここで、左上側凹部641及び第2挿通孔64の外縁部は、第2ジョイント81bを上下方向に位置決めする位置決め部を構成している。
また、左下側凹部651の内径は、第3ジョイント82の外径と略等しいか、或いは、これよりもわずかに大径とされている。
ここで、左下側凹部651及び第3挿通孔65の外縁部は、第3ジョイント82を上下方向に位置決めする位置決め部を構成している。
また、右上側凹部661の内径は、第1ジョイント81aの外径と略等しいか、或いは、これよりもわずかに大径とされている。
ここで、右上側凹部661及び第1挿通孔66の外縁部は、第1ジョイント81aを上下方向に位置決めする位置決め部を構成している。
図8(a)は、上下方向の長さが最も短いヘッドチップ1を具備するインクジェットヘッド100を示す断面図であり、図8(b)は、上下方向の長さが最も長いヘッドチップ1を具備するインクジェットヘッド100を示す断面図である。
なお、図8(a)及び図8(b)にあっては、第3ジョイント82の図示を省略している。
図8(b)に示すように、当該マニホールド5を筐体6に収納する場合、第1挿通孔66、第2挿通孔64、第3挿通孔65及び洗浄バイパス用挿通孔67の各々に挿通された第1インクポート53、第2インクポート54、第3インクポート55及び洗浄バイパス部56の各々の先端部が、筐体6の上面から突出した状態となる。
これにより、第1インクポート53、第2インクポート54及び第3インクポート55の先端部に取り付けられた第1及び第2ジョイント81a、81b及び第3ジョイント82を介してインク供給管やインク排出管(図示略)を接続して、インク供給やインク排出が可能となる。
図8(a)に示すように、当該マニホールド5を筐体6に収納する場合、マニホールド5が最もキャップ受板側に配設されることとなるが、第1インクポート53、第2インクポート54、第3インクポート55及び洗浄バイパス部56の各々が上下方向に長尺に形成されているので、それぞれの先端部が第1挿通孔66、第2挿通孔64、第3挿通孔65及び洗浄バイパス用挿通孔67の各々を突き抜けて上面から突出した状態となる。
これにより、第1インクポート53、第2インクポート54及び第3インクポート55の先端部に取り付けられた第1及び第2ジョイント81a、81b及び第3ジョイント82を介してインク供給管やインク排出管(図示略)を接続して、インク供給やインク排出が可能となる。
これにより、ヘッドチップ1の上下方向(インク吐出方向)の長さの変更に応じて第1〜第3インクポート53、54、55の先端部の高さが変わっても、第1〜第3ジョイント81a、81b、82を介して第1〜第3インクポート53、54、55に接続されるインク供給管やインク排出管(図示略)の長さを調整する必要がなくなり、インクジェットヘッド100のコストアップや生産効率の低下を防止することができる。
例えば、第1〜第3インクポート53、54、55の先端部が挿入される第1〜第3ジョイント81a、81b、82を備えるようにしたが、第1〜第3ジョイント81a、81b、82の全てを備えるか否かは適宜任意に変更することができる。つまり、第1〜第3ジョイント81a、81b、82のうち、何れか一のジョイントのみ(例えば、第1ジョイント81a等)を備えるようにしても良いし、何れか二のジョイント(例えば、第1及び第2ジョイント81a、81b等)を備えるようにしても良い。
即ち、必ずしも第1〜第3ジョイント81a、81b、82を備える構成でなくとも、ヘッドチップ1のチャネル13の上下方向の長さを変更しても、第1〜第3挿通孔66、64、65に挿通された第1〜第3インクポート53、54、55の先端部が筐体6の上面から突出可能に構成されることで、筐体6の共通化を図ることができるという本願特有の効果を得ることができる。
即ち、所定方向に沿って並設され、且つ、並び方向に対する直交方向の一側及び他側に入口及び出口がそれぞれ設けられたチャネル13を有し、チャネル13に対して圧電素子の収縮により圧力を付与して、チャネル13の出口に連通するノズル11aからインクを吐出させる構成のものであれば如何なるヘッドチップであっても良い。
1 ヘッドチップ
12 駆動壁
13 チャネル
5 マニホールド
53 第1インクポート
54 第2インクポート
55 第3インクポート
56 洗浄バイパス部
6 筐体
64 第2挿通孔
641 左上側凹部(位置決め部)
65 第3挿通孔
651 左下側凹部(位置決め部)
66 第1挿通孔
661 右上側凹部(位置決め部)
67 洗浄バイパス用挿通孔
81a 第1ジョイント(継手部材)
81b 第2ジョイント(継手部材)
812 先端挿入部
Claims (4)
- 所定方向に沿って並設され、且つ、並び方向に対する直交方向の一側及び他側に入口及び出口がそれぞれ設けられたチャネルを有し、前記チャネルに対して圧電素子の収縮により圧力を付与して、前記チャネルの出口に連通するノズルからインクを吐出させるヘッドチップと、
インク流路を構成するインクポートを有し、前記ヘッドチップの前記チャネルの入口側に配置されるように当該ヘッドチップが設けられたマニホールドと、
前記インクポートが挿通される挿通孔を有し、前記挿通孔に前記インクポートを挿通させるようにして前記マニホールドが取り付けられた筐体と、を備え、
前記インクポートは、
前記直交方向に沿って延在するように筒状に形成されるとともに、当該直交方向の長さが、前記チャネルの前記直交方向の長さを変更しても、前記挿通孔に挿通された当該インクポートの先端部が前記ヘッドチップと反対側の面から突出可能な程度とされていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記インクポート及び前記挿通孔は、それぞれ少なくとも2つ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インクポートの先端部が前記直交方向にスライド自在に挿入される先端挿入部を有する継手部材を備え、
前記先端挿入部の長さは、前記チャネルの前記直交方向の長さの変更に応じて変化する前記インクポートの先端部の位置変化量よりも長くされてなり、
前記筐体は、
前記先端挿入部に前記インクポートの先端部が挿入された前記継手部材を前記直交方向に位置決めする位置決め部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。 - 前記ヘッドチップは、前記圧電素子からなる駆動壁と前記チャネルとが交互に並設されてなり、前記駆動壁の駆動電極に電圧を印加することにより前記駆動壁をせん断変形させて前記チャネル内のインクをノズルから吐出させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
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