JP4983120B2 - Oリングを用いたシール構造体の組立方法 - Google Patents
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充填溝の内部に組立用潤滑剤が残り、繰り返して、Oリングを嵌め込んだ第1部材を円形溝に挿入した際においても、繰り返しにより組立用潤滑剤が取り付け相手の第2部材側に付着して組立用潤滑剤がなくなることが回避され、Oリングを嵌め込んだ第1部材を円形溝に繰り返し挿入する際の挿入性を向上させることができる。
また、組立用潤滑剤充填溝がOリングの全周にわたり連続して環状に形成されているとともに、Oリングの外周面には、径方向に延び、かつ、組立用潤滑剤充填溝と交差する連通溝が形成されているため、組立用潤滑剤を多く充填することが可能となる。
図1には、本実施形態における静止用Oリング10を用いたシール構造体を示す。このシール構造体は、第1部材20の外周面21と第2部材30の円形溝31の内面との間がOリング10により密封されている。
図2において、Oリング10は断面円形の弾性材料よりなる。Oリング10の外周面に組立用潤滑剤充填溝11a,11bが形成されている。組立用潤滑剤充填溝11aの形成箇所は、第2部材30の円形溝31(図1参照)の内面との圧接部であり、第2部材30の円形溝31の内面との圧接部において開口している。一方、組立用潤滑剤充填溝11bの形成箇所は、第1部材20のOリング配置溝22(図1参照)の底面との圧接部であり、第1部材20のOリング配置溝22の底面との圧接部において開口している。溝11a,11bはOリングの成形工程でOリング表面に形成したものである。
図3(a)に示すOリング10に対し、図3(b)に示すようにOリング10に組立用潤滑剤12を塗布する。そして、このOリング10を図3(c)に示すように第1部材(円柱部材)20のOリング配置溝22に嵌め込む。引き続き、図1に示すように、Oリング10を嵌め込んだ第1部材20を第2部材30の円形溝31に挿入する。
(1)Oリング10として、外周面における第2部材30の円形溝31の内面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝11aが形成されたものを用い、第2工程において、Oリング10の組立用潤滑剤充填溝11aの内部に組立用潤滑剤12を充填した状態で、Oリング配置溝22にOリング10を嵌め込んだ第1部材20を第2部材30の円形溝31に挿入するようにした。詳しくは、Oリング10として、外周面における第2部材30の円形溝31の内面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝11aが形成されたものを用い、当該Oリング10の組立用潤滑剤充填溝11aの内部に組立用潤滑剤12を充填した後に、このOリング10を第1工程においてOリング配置溝22に嵌め込み、引き続き、第2工程において、Oリング10の組立用潤滑剤充填溝11aの内部に組立用潤滑剤12を充填した状態で、Oリング配置溝22にOリング10を嵌め込んだ第1部材20を第2部材30の円形溝31に挿入するようにした。
(3)Oリング10として、外周面におけるOリング配置溝22の底面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝11bが、さらに形成されたものを用い、この組立用潤滑剤充填溝11bの内部に組立用潤滑剤12を充填した状態で、第1工程においてOリング10をOリング配置溝22に嵌め込むようにした。詳しくは、Oリング10として、外周面におけるOリング配置溝22の底面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝11bが、さらに形成されたものを用い、組立用潤滑剤充填溝11aの内部と共に組立用潤滑剤充填溝11bの内部にも組立用潤滑剤12を充填した状態で、第1工程においてOリング10をOリング配置溝22に嵌め込むようにした。このようにすると、組立用潤滑剤充填溝11bの内部に充填した組立用潤滑剤12により、第1部材20のOリング配置溝22にOリング10を嵌めやすくすることができる。また、組立用潤滑剤充填溝11bはOリング10の全周にわたり連続して環状に形成されているので、組立用潤滑剤12を多く充填することが可能となる。
Oリング10の外周面に形成する溝に関して、図2では2本の組立用潤滑剤充填溝11a,11bを形成したが、図5に示すように、3本以上の溝15a〜15jを形成してもよい。即ち、溝11aに代わる取付用潤滑剤充填溝(15a〜15e)および溝11bに代わる取付用潤滑剤充填溝(15f〜15j)は、Oリングの全周にわたり連続して環状に、かつ、複数本形成されているものとしてもよい。溝の数を増やすことにより潤滑剤の保持量を多くすることができる(さらに組立用潤滑剤12を多く充填することが可能となる)。
また、これまでの説明では、シール構造体の組立の手順として、(i)Oリング10の組立用潤滑剤充填溝11a,11bの内部に組立用潤滑剤12を充填し、(ii)このOリング10を第1部材20のOリング配置溝22に嵌め込み、(iii)この第1部材20を第2部材30の円形溝31に挿入するようにした。これに代わり次のようにしてもよい。
Claims (9)
- 第1部材(20)の外周面(21)に環状に形成されたOリング配置溝(22)にOリング(10)を嵌め込む第1工程と、
前記Oリング配置溝(22)にOリング(10)を嵌め込んだ第1部材(20)を第2部材(30)の円形溝(31)に挿入して第1部材(20)の外周面(21)と第2部材(30)の円形溝(31)の内面との間をOリング(10)により密封する第2工程と、を有するOリングを用いたシール構造体の組立方法において、
前記Oリング(10)として、外周面における第2部材(30)の円形溝(31)の内面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝(11a)が当該Oリングの全周にわたり連続して環状に形成されているとともに、同Oリングの外周面には、径方向に延び、かつ、前記組立用潤滑剤充填溝(11a)と交差する連通溝(16)が形成されているものを用い、前記第2工程において、前記Oリング(10)の組立用潤滑剤充填溝(11a)の内部に組立用潤滑剤(12)を充填した状態で、前記Oリング配置溝(22)に前記Oリング(10)を嵌め込んだ第1部材(20)を第2部材(30)の円形溝(31)に挿入するようにしたことを特徴とするOリングを用いたシール構造体の組立方法。 - 第1部材(20)の外周面(21)に環状に形成されたOリング配置溝(22)にOリング(10)を嵌め込む第1工程と、
前記Oリング配置溝(22)にOリング(10)を嵌め込んだ第1部材(20)を第2部材(30)の円形溝(31)に挿入して第1部材(20)の外周面(21)と第2部材(30)の円形溝(31)の内面との間をOリング(10)により密封する第2工程と、を有するOリングを用いたシール構造体の組立方法において、
前記Oリング(10)として、外周面における第2部材(30)の円形溝(31)の内面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝(11a)が当該Oリングの全周にわたり連続して環状に形成されているとともに、同Oリングの外周面には、径方向に延び、かつ、前記組立用潤滑剤充填溝(11a)と交差する連通溝(16)が形成されているものを用い、当該Oリング(10)の組立用潤滑剤充填溝(11a)の内部に組立用潤滑剤(12)を充填した後に、このOリング(10)を前記第1工程においてOリング配置溝(22)に嵌め込み、引き続き、前記第2工程において、前記Oリング(10)の組立用潤滑剤充填溝(11a)の内部に組立用潤滑剤(12)を充填した状態で、前記Oリング配置溝
(22)に前記Oリング(10)を嵌め込んだ第1部材(20)を第2部材(30)の円形溝(31)に挿入するようにしたことを特徴とするOリングを用いたシール構造体の組立方法。 - 第1部材(20)の外周面(21)に環状に形成されたOリング配置溝(22)にOリング(10)を嵌め込む第1工程と、
前記Oリング配置溝(22)にOリング(10)を嵌め込んだ第1部材(20)を第2部材(30)の円形溝(31)に挿入して第1部材(20)の外周面(21)と第2部材(30)の円形溝(31)の内面との間をOリング(10)により密封する第2工程と、を有するOリングを用いたシール構造体の組立方法において、
前記Oリング(10)として、外周面における第2部材(30)の円形溝(31)の内面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝(11a)が当該Oリングの全周にわたり連続して環状に形成されているとともに、同Oリングの外周面には、径方向に延び、かつ、前記組立用潤滑剤充填溝(11a)と交差する連通溝(16)が形成されているものを用い、当該Oリング(10)を前記第1工程においてOリング配置溝(22)に嵌め込んだ後に、前記Oリング(10)の組立用潤滑剤充填溝(11a)の内部に組立用潤滑剤(12)を充填し、引き続き、前記第2工程において、前記Oリング(10)の組立用潤滑剤充填溝(11a)の内部に組立用潤滑剤(12)を充填した状態で、前記Oリング配置溝(22)に前記Oリング(10)を嵌め込んだ第1部材(20)を第2部材(30)の円形溝(31)に挿入するようにしたことを特徴とするOリングを用いたシール構造体の組立方法。 - 前記組立用潤滑剤充填溝は、Oリングの全周にわたり連続して環状に、かつ、複数本形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のOリングを用いたシール構造体の組立方法。
- 前記Oリング(10)として、外周面におけるOリング配置溝(22)の底面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝(11b)が、さらに形成されたものを用い、この組立用潤滑剤充填溝(11b)の内部に組立用潤滑剤(12)を充填した状態で、第1工程においてOリング(10)を前記Oリング配置溝(22)に嵌め込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載のOリングを用いたシール構造体の組立方法。
- 前記Oリング(10)として、外周面におけるOリング配置溝(22)の底面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝(11b)が、さらに形成されたものを用い、この組立用潤滑剤充填溝(11b)の内部にも組立用潤滑剤(12)を充填した状態で、第1工程においてOリング(10)を前記Oリング配置溝(22)に嵌め込むようにしたことを特徴とする請求項2に記載のOリングを用いたシール構造体の組立方法。
- 前記Oリング配置溝(22)の底面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝(11b)はOリングの全周にわたり連続して環状に形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載のOリングを用いたシール構造体の組立方法。
- 前記Oリング配置溝(22)の底面との圧接部に開口する組立用潤滑剤充填溝は、Oリングの全周にわたり連続して環状に、かつ、複数本形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載のOリングを用いたシール構造体の組立方法。
- Oリング(10)は静止用のOリングであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のOリングを用いたシール構造体の組立方法。
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