JP4981640B2 - デュアルフューエルエンジンの制御方法 - Google Patents

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本発明は、単独で十分な発熱量を発生する軽油等の液体燃料と、この液体燃料に対し単独では発熱量が不十分でありかつ発熱量自体が変動する低カロリーの燃料ガス、たとえば、燃焼廃棄物等を熱分解処理して生成された燃料ガスと、を混合した混合燃料により機関を駆動させるデュアルフューエルエンジンの制御方法に関する。
従来、生ゴミや家畜糞尿などの有機廃棄物を嫌気性発酵させた際に発生するメタンガスなどのバイオガスと、軽油とを混合した混合燃料によりデュアルフューエルエンジンの機関を駆動させることによって、発電機を作動させるようにしたものが知られている。
また、間伐材、剪定枝、建築廃材や刈草などの木質バイオマスを熱分解炉により熱分解処理して可燃ガス(熱分解ガス)を生成し、この可燃ガスと高カロリーの軽油とを混合した混合燃料によりデュアルフューエルエンジンの機関を駆動させることによって、発電機を作動させるようにしたものもある。
しかし、後者のように、木質バイオマスを熱分解処理して得られた可燃ガスは、廃棄物中の水分保有率が安定せず、その原料自体も一定の品質のものではないため、熱分解炉により生成された時点においても、一定組成の燃料として扱うことができず、単独では発熱量が不十分でありかつ発熱量自体が変動する低カロリー燃料といわざるを得ないのが現状である。そのため、単独で十分な発熱量を発生する高カロリーの軽油に対し、単独では発熱量が不十分でありかつ発熱量自体が変動する低カロリーの燃料ガスを混合させた混合燃料によって、デュアルフューエルエンジンの機関を駆動することが行われている。
デュアルフューエルエンジンにおいて、軽油に混合して使用される低カロリーの燃料ガスは、前記のように発熱量が変動するため、エンジンに対し供給される混合燃料の総発熱量が大きく変動し、機関の失火を招いたり、機関の性能が著しく悪化したり、という課題を有している。
これに対し、本件出願人は、全体のエネルギーに対する軽油の噴射量を、負荷に拘わらず一定とし、低カロリーの燃料ガスの供給量を制御することにより、前記失火や、機関の性能悪化を防止しつつ、低カロリーの燃料ガスを積極的に使用することができるデュアルフューエルエンジンを提供している(特許文献1)。
前記従来の制御の内容を図10により説明すると、図10は、従来のデュアルフューエルエンジンにおいて、負荷の変化に対するエネルギーの変化を表した図であり、縦軸がエネルギー(出力)、横軸が負荷である。右上がりの直線Asはエンジンの総エネルギー(総出力)であり、水平な直線A1は、総エネルギーAsうち、軽油が分担するエネルギーである。したがって、総エネルギーAsと軽油によるエネルギーA1との差が、燃料ガスが分担するエネルギーとなっており、ハッチングで示す直角三角形の領域が、燃料ガスが分担するエネルギー領域である。
この図10において、軽油によるエネルギーは、負荷の変化に拘わらず、一定に維持されている。具体的には、燃料噴射ポンプの目標ラック位置(総エネルギーに対する軽油によるエネルギーの割合)を、負荷の変化に拘わらず、一定に維持しており、一方、燃料ガスの供給量は、A/Fバルブ(燃料ガス供給バルブ)の開度を制御することにより、負荷の増加に従って比例的に増加している。そして所定の負荷における定負荷運転時、たとえば負荷B1での定格運転時には、軽油により発生するエネルギーA1と、燃料ガスにより発生するエネルギー(As−A1)との比率が、3:7になるように、A/Fバルブ開度が制御される。これにより、軽油の消費量を節約しつつ、燃料ガスを積極的に利用しているのである。
特開2004−278423号公報
前記従来例において、燃料ガスの発熱量が高い場合、たとえば概ね2000/Nm以上の場合は、図10の制御によりエンジンは円滑に駆動し、また、黒煙の発生の心配はないが、燃料ガスの発熱量が概ね1000kcal/Nmより低くなると、燃料ガス中の不活性ガス成分(N2及びCO2等)の割合が急激に増加し、そのため必要な混合気量が急激に増加する。そのため、空気不足となってしまい、不完全燃焼により、黒煙が発生し、また、エンジンの出力も急激に低下することになる。
詳しく説明すると、図11は、発熱量が低い燃料ガスのガス組成を示すグラフであり、縦軸が燃料ガス中の各ガス成分の割合であり、右から順に、発熱量が(1)2300kcal/Nm、(2)900kcal/Nm及び(3)750kcal/Nmの燃料ガスの組成を示している。この図11から分かるように、燃料ガスの組成は、まず、H2、CO及びCH4のように燃焼に利用される可燃ガス成分と、N及びCOのように、燃焼に利用されない不活性ガス成分とに分けることができ、右端の(1)2300kcal/Nmの燃料ガスから左側の(2)900kcal/Nmの燃料ガス及び(3)700kcal/Nmの燃料ガスへと発熱量が小さくなるに従い、不活性ガス成分(N2、CO)が急激に増加し、これにより、可燃ガス成分が急激に減少していることがわかる。ちなみに、(1)2300kcal/Nmの燃料ガスでは不活性ガス成分が略60%、可燃性ガス成分が略40%であるのに対し、(3)750kcal/Nmまで発熱量が下がると、不活性ガス成分が略85%まで増加し、可燃ガス成分が15%程度まで減少しており、燃料ガス中の大部分が、燃焼には利用されない無駄なガスとなっていることがわかる。
図12は、デュアルフューエルエンジンにおいて、燃料ガスの発熱量(低位発熱量)の変化に対し、所定エネルギー(出力)を維持するために必要な混合気量と理論空気量との変化を示すグラフである。横軸が燃料ガスの発熱量(低位発熱量)、縦軸が混合気量及び理論空気量である。この図12から明らかなように、燃料ガスの低位発熱量が高い値10000kcal/Nmから2300kcal/Nmまでの範囲では、低位発熱量が減少するに従い、理論空気量もそれに略比例して減少するが、同等の出力を維持するために、燃料ガスの量を増加する必要があり、そうすると、燃料ガス量が増加するのに対して空気量が減るので、燃料ガスと空気とを合体した混合気の量としては、殆ど変化していないのである。
ところが、低位発熱量が2300kcal/Nm付近よりも低くなると、前記図11で説明したように、燃料ガス中の不活性ガス成分が急増することから、同一の出力(エネルギー)を維持するために、必要な混合気量も急激に増加するのである。これより、空気不足が生じ、不完全燃焼により、黒煙が発生し、また、エンジンの出力も低下するのである。
(発明の目的)
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、目的とするところは、燃料ガスの発熱量が低くなった場合でも、出力を落とすことなく、黒煙の発生を防止した状態で、運転することができるデュアルフューエルエンジンの制御方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明は、噴射ポンプにより調量及び圧送されて燃料噴射弁から燃焼室に噴射される液体燃料と、ガス組成が一定でなくて性状の変動により発熱量が変動する燃料ガスであって、燃料ガス供給用のバルブによって調量され、ミキサに供給されて空気と混合し、燃焼室に供給される燃料ガスと、によって、機関を駆動させるようにしたデュアルフューエルエンジンの制御方法において、液体燃料の噴射量と燃料ガスの供給量との関係を示すグラフ上で、燃焼室から排出される排気ガス中に含まれる黒煙が所定値以上になる時の液体燃料の噴射量と燃料ガスの供給量との混合状態の区域を、運転禁止区域とする運転規制マップを作成して、制御装置に記憶し、液体燃料の噴射量と燃料ガスの供給量との混合状態が運転禁止区域になる制御結果の場合には、運転禁止区域と運転区域との境界付近での運転となるように、液体燃料の噴射量及び燃料ガスの供給量の少なくともいずれかを制御することを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御方法である。
前記構成によると、燃料ガスの発熱量が低くて、変動が多い場合でも、出力を高く維持しつつ、黒煙の発生を抑制することができる。尚、液体燃料としては、軽油、重油及びガソリン等の石油系液体燃料の他に、バイオマス燃料等も含まれる。
本発明は、前記制御方法において、燃料ガス生成装置の燃料ガス出口に設けた燃料ガス発熱量検出装置にて、供給される燃料ガスの前記性状の変動により前記変動する発熱量を検出し、検出された燃料ガスの発熱量が所定値以上の場合には、液体燃料の噴射量を一定とし、燃料ガスの発熱量の増加に応じて燃料ガスの供給量を減少させ、検出された燃料ガスの発熱量が所定値より小さい場合には、燃料ガスの発熱量の減少に応じて液体燃料の噴射量を増大させ、燃料ガスの発熱量の増加に応じて燃料ガスの供給量を増大させるように制御することもできる。

前記構成によると、燃料ガスの発熱量が高い場合には、燃料ガスを有効に利用して、出力を維持し、燃料ガスの発熱量が低く、変動が多い場合には、出力を維持しつつ、黒煙の発生を抑制することができる。
本発明は、前記制御方法において、エンジンの排気ガスによって駆動する過給機により、ミキサから供給される混合気を加圧して燃焼室に供給し、過給機による過給圧力が高くなるに応じて、前記運転禁止区域と運転区域との境界線を、液体燃料の噴射量が増加する側に移動させ、過給圧力が低くなるに応じて、前記境界線を、液体燃料の噴射量が減少する側に移動させように制御することができる。
前記構成によると、自動的に、エンジンの機種に応じて、最適な運転禁止区域に設定できるので、機種毎に、黒煙の発生を防ぎつつ、効率良く燃料ガス及び液体燃料を利用することができる。
本発明は、前記制御方法において、燃料ガスの発熱量が所定値より小さい場合には、燃料ガスの発熱量の減少に応じて、所定の変更点において液体燃料の噴射量をステップ状に増大させ、燃料ガスの発熱量の増大に応じて、前記所定の変更点において液体燃料の噴射量をステップ状に減少させるように制御することができる。
前記構成によると、発熱量が所定値以下の制御において、実質的に制御機能を低下させることなく、制御操作を簡素化することができる。
本発明は、前記制御方法において、燃料ガスの発熱量が所定値より小さい場合、燃料ガスの発熱量の減少により液体燃料の噴射量がステップ状に増加する変更点よりも、燃料ガスの発熱量の増大により液体燃料の噴射量がステップ状に減少する変更点を、燃料ガスの発熱量の高い側に設定することができる。
前記構成によると、両変更点の間で頻繁に燃料ガスの発熱量が変化する場合でも、液体燃料の噴射量が頻繁に切り替わることはなく、変更点付近の制御を安定させることができる。
本発明は、前記制御方法において、燃焼室から過給機に供給される排気ガスを逃がすことができる排気ガス量調節バルブを備え、エンジンを液体燃料のみで運転する時には、前記排気ガス量調節バルブを全開として排気ガスを過給機以外に逃がし、燃料ガスと液体燃料とを混合して運転する時には、燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い排気ガス量調節バルブの開度を小さくすることにより、過給圧を大きくするように制御することができる。
前記構成によると、排気ガスを、運転条件及び燃料ガスの発熱量に応じて有効に過給機の加圧用に利用することができる。
要するに本発明によると、燃料ガスの発熱量が低くなった場合でも、出力を落とすことなく、黒煙の発生を防止した状態で、運転することができる。
<本発明による制御方法を実施するための第1のデュアルフューエルエンジン>
図1は、本発明よる第1及び第2の制御方法を実施するためのデュアルフューエルエンジンを備えた発電設備のシステム構成図であり、この図1により、まず、第1のデュアルフューエルエンジン1を備えた発電設備の構成を説明する。
図1において、当該発電システムは、デュアルフューエルエンジ1と、該デュアルフューエルエンジン1により駆動する発電機2とを備えている。
前記デュアルフューエルエンジン1は、単独で十分な発熱量を発生する高カロリーの液体燃料として軽油を使用し、この軽油に対し単独では発熱量が不十分(たとえば600〜2000kcal程度)でありかつ発熱量自体が変動する低カロリー燃料としての燃料ガスと、を混合させた混合燃料によって、機関を駆動させるように構成されている。
前記燃料ガスは、燃料ガス生成装置10において間伐材、剪定枝、もみがら、建築廃材や刈草などの木質バイオマスから生成されるものである。その生成方法の一例を説明すると、燃料と空気とを燃焼させて得られた高温の燃料ガスを熱源とする空気遮断状態下での間接加熱により、熱分解ガスと固体状の残さとに分解した後、この熱分解ガスを、空気、酸素富化空気または酸素を含む酸化剤ガスに導入し、熱分解ガス中に含まれる可燃成分と酸化剤ガス中の酸素との間で反応を起こさせ、熱分解ガス中の高位炭化水素を低位炭化水素等に変換させてから、この変換された高温のガスを急冷した後、そのガス中に含まれるダストおよび有害成分を浄化処理して燃料ガスが得られるようにしている。
前記デュアルフューエルエンジン1は、ディーゼルエンジンがベースとなっており、軽油を燃焼室1aに噴射する燃料噴射弁3と、燃焼室1aに対し空気を供給する給気管11と、燃焼室1aから排気を排出する排気管12と、前記給気管11内に開度調整可能に設けられ、空気と燃料ガスとの混合気量を調整するスロットル弁4(スロットル)と、該スロットル弁4の上流側の給気管11に設けられ、空気供給源からの空気と燃料ガスとを混合するミキサ56と、該ミキサ56に接続され、燃料ガス生成装置10で発生した燃料ガスをミキサ56に導入する燃料ガス導入装置5と、を備えている。
前記燃料噴射弁3は、この燃料噴射弁3に対し軽油を供給する噴射ポンプ31に接続されており、該噴射ポンプ31は、軽油の噴射量を多段階に調整する噴射ポンプラック32を備えている。該噴射ポンプラック32は、CPUを搭載するコントローラ13に接続されており、該コントローラ13からの指令により、噴射ポンプ31による軽油の噴射量が所望量に調整されるように、ポンプラック位置が制御される。
前記スロットル弁4は、板状の弁体を回動自在に備えたバタフライ弁であり、該スロットル弁4の開度を調整する開度調整機構41に連結されている。この開度調整機構41は、前記コントローラ13に接続されている。
前記燃料ガス導入装置5は、前記燃料ガス生成装置10の燃料ガス出口と前記ミキサ56の燃料ガス供給部とを接続する燃料ガス導入管51を備えている。この燃料ガス導入管51には、燃料ガス上流側(燃料ガス生成装置10側)から順に、燃料ガスの圧力を検出するガス圧力センサー54と、燃料ガス導入管51内のガス通路を開閉する電磁開閉弁52と、ミキサ56に供給される燃料ガスの圧力を一定にするレギュレータ55と、レギュレータ55により一定のガス圧に保持された燃料ガスのミキサ56への供給量を調整するA/Fバルブ(燃料ガス供給バルブ)59とを備えている。前記スロットル弁4の開度調整機構41、燃料ガス導入装置5の電磁開閉弁52、ガス圧力センサー54およびA/Fバルブ59は、いずれも前記コントローラ13に接続されており、このコントローラ13からの指令により、燃料ガス導入管51から所望量の燃料ガスがミキサ56に供給され、空気と混合して、最終的に燃焼室1aに導かれるように制御されている。また、前記電磁開閉弁52は、開閉切換タイプのものであり、開放状態に切り換えてもA/Fバルブ59を開放調整しない限り、燃料ガス導入管51内に僅かな量の燃料ガスしか導入されないように構成されている。この場合、軽油と燃料ガスとの混合燃料によるデュアルフューエルエンジン1の駆動時に、ラック32位置の調整による軽油の流量制御、スロットル弁4の開度調整および燃料ガス導入装置5(A/Fバルブ59)による燃料ガスの流量制御が行われる。また、発電機2に備えられた発電メーターにより、デュアルフューエルエンジンの出力(総エネルギー量)を測定することができる。
<第1の制御方法>
前記デュアルフューエルエンジン1を用いた第1の制御方法は、燃料ガスの発熱量が低くなる場合でも、黒煙を発生せずに、高出力を維持できる制御方法であり、基本的には、軽油の噴射量と燃料ガスの供給量との関係を示すグラフ上で、燃焼室1aから排出される排気ガス中に含まれる黒煙が所定値以上になる時の軽油の噴射量と燃料ガスの供給量との混合状態の区域を、運転禁止区域とする運転規制マップを作成して、コントローラの記憶手段に記憶し、軽油の噴射量と燃料ガスの供給量との混合状態が運転禁止区域になる制御結果の場合には、運転禁止区域と運転区域との境界付近での運転となるように、軽油の噴射量及び燃料ガスの供給量の少なくともいずれかを制御する方法である。
具体的に説明すると、図2は第1の制御方法を実施するための運転禁止区域D1を書き込んだ運転規制マップであり、縦軸は、軽油の噴射量に対応する燃料噴射ポンプ31のラック位置(ポンプラック32の位置)を示し、横軸は、燃料ガスの供給量に対応するA/Fバルブ59の開度を示しており、右下がりの直線で示す境界線X0(Sd=1)は、黒煙の発生量が所定値になる軽油と燃料ガスとの混合状態の変化を示している。上記境界線X0よりもラック位置大側、かつ、A/F開度大側の区域D1が、排気ガス中に含まれる黒煙が所定値より大きくなる運転禁止区域であり、反対に、前記境界線X0よりもラック位置小側、かつ、A/F開度小の区域D2が、排気ガス中に黒煙が殆ど発生しない運転区域D2である。
図2のような運転規制マップを、図1のコントローラ13の記憶装置に記憶させておき、実際の運転時、ラック位置(軽油の噴射量)とA/F開度(燃料ガスの供給量)との混合状態が運転禁止区域D1になる制御結果の場合には、破線で示すグラフY1,Y2,Y3のように、運転区域D2内で境界線X0に沿うように、A/F開度を減少させると同時にラック位置を増加させる。これにより、燃料ガスの発熱量が低い場合でも、黒煙の発生を抑制しつつ、高出力を維持できるのである。
なお、図2において、ラック位置100%とは、燃料ガスを併用しないで、軽油のみで運転する場合、すなわちディーゼル運転する場合のラック位置であり、ラック位置0%とは、実質的には運転不可能であるが、燃料ガスのみで運転する場合に相当する。一方、A/F開度100%とは、A/Fバルブを全開した状態であり、A/F開度0%とはA/Fバルブを全閉した状態である。
また、境界線X0を設定するための黒煙の所定値は、該実施形態では、ボッシュ方式の表記において、1ボッシュユニット(Sd=1)程度の非常に薄い黒煙の発生量に設定している。
図2の運転規制マップの作成方法の一例を簡単に説明する。エンジン1の定格運転状態において、種々の大きさの発熱量の燃料ガスを使用し、目標ラック位置を変化させる。たとえば目標ラック位置を30%、50%、70%等に変化させ、各目標ラック位置において、A/Fバルブの開度をそれぞれ手動で順次変化させ、それぞれの場合における黒煙の発生の有無を調べ、所定値の黒煙が発生した時点を図2のグラフ上にプロットし、それらプロットを繋いで境界線X0を描く。そしてこの境界線X0よりもラック位置大側を運転禁止区域D1に設定し、ラック位置小側を運転区域として設定する。
エンジンの定格運転中、図2の破線のグラフY1のように、目標ラック位置を30%に設定している場合、燃料ガスの発熱量がたとえば1200kcal/Nmに低下した時には、上記目標ラック位置30%を維持すべく、A/F開度が自動的に60%(P1点)まで変更される。さらに燃料ガスの発熱量が低下すると、それに伴って30%の目標ラック位置を維持するためにA/F開度がさらに増大する。そして、A/F開度が100%まで達し(P2点)、その後も燃料ガスの発熱量が低下すると、定格回転を維持するためには、今度はラック位置がP2点から増大する。しかし、境界線X0に交わる点p3まで上昇した後、さらに燃料ガスの発熱量が1000kcal/Nm程度まで小さくなると、今度は、境界線X0の下側(運転区域D2側)に沿って、ラック位置が増大すると共に、A/F開度は減少する。たとえば、700kcal/Nm程度まで燃料ガスの発熱量が下がった時には、点P5付近までラック位置が増大すると共に、A/F開度が減少する。このように、燃料ガスの発熱量が低下した場合でも、黒煙の発生を所定値以下に抑えつつ、軽油の噴射量を増やすことにより、最大限の出力を得ることができる。
また、別の例として、目標ラック位置を50%に設定した場合には、燃料ガスの発熱量の低下に伴って、破線のグラフY2で示すように点P6から点P7までラック位置50%上をA/F開度が増加した後、境界線X0と交差した(P7)後は、前記ラック位置30%と同様に、境界線X0の下側に沿ってラック位置が増大すると同時にA/F開度が減少する。
さらに別の例として、目標ラック位置を70%に設定した場合も、また、燃料ガスの発熱量の低下に伴って、破線のグラフY3で示すように点P8から点P9までラック位置70%上をA/F開度が増加した後、境界線X0と交差した(P9)後は、前記ラック位置30%と同様に、境界線X0の下側に沿ってラック位置が増大すると同時にA/F開度が減少する。
<第2の制御方法>
第2の制御方法は、前記第1の制御方法のように、黒煙が発生する運転禁止区域のマップを作成して、このマップを基準として、燃料ガスの発熱量が低い場合でも運転禁止区域に入らないように、かつ、高出力を維持できるように制御する方法に加え、基本的には、供給される燃料ガスの発熱量を検出し、燃料ガスの発熱量が所定値以上の場合には、軽油の噴射量、すなわち目標ラック位置を一定とし、燃料ガスの発熱量の増加に応じて燃料ガスの供給量、すなわちA/F開度を減少し、一方、燃料ガスの発熱量が所定値より小さい場合には、燃料ガスの発熱量の減少に応じて軽油の噴射量、すなわち目標ラック位置を増大させ、燃料ガスの発熱量の増加に応じて燃料ガスの供給量、A/F開度を増大させるように制御する。
第2の制御方法を実施するためには、供給される燃料ガスの発熱量を検出する必要があるため、図1の発電設備において、たとえば燃料ガス生成装置10の燃料ガス出口に、燃料ガス発熱量検出装置58を配設し、コントローラ13に接続する。
図3は第2の制御方法の一具体例を示しており、制御方式を変更するための燃料ガスの発熱量の所定値(閾値)Q1を、1000kcal/Nmに設定し、燃料ガスの発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm3)より大きい場合は、たとえば、目標ラック位置を直線R1で示すように30%に設定して、発熱量が増加するに従い、直線G1に示すようにA/F開度を減少させ、一方、燃料ガスの発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm)より小さい場合は、燃料ガスの発熱量が減少するに従い、直線R2で示すようにラック位置を直線的に増加させて軽油の噴射量を増加させると同時に、直線G2のようにA/F開度を直線的に小さくするように、ラック位置及びA/F開度を制御する。
この第2の制御方法において、発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm)より低下すると、一定出力を出すためには、図12で説明したように混合気量が急激に増加するので、軽油の噴射量の割合(目標ラック位置)を急激に増加させ、これに伴ってA/F開度を下げて、燃料ガスの量を減少させ、これにより、高出力を維持しつつ、黒煙の発生を抑制することができるのである。
また、発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm)より大きい場合には、一定出力を出すためには、前述のように、目標ラック位置を30%に固定しているので、これを維持するために、A/F開度は、発熱量が増加するに従い、自動的に小さくなって、燃料ガスの量を減らし、同一馬力を維持する。
なお、燃料ガスの発熱量の所定値Q1は、前記1000kcal/Nmに限定されるものではなく、エンジンの種類によって、図12のように混合気量が急激に増加する発熱量の付近であれば、たとえば、1000kcal/Nm〜2000kcal/Nm程度の範囲内で設定される。
<本発明の制御方法を実施するための第2のデュアルフューエルエンジン>
図4は、本発明よる第3乃至第5の制御方法を実施するためのデュアルフューエルエンジンを備えた発電設備のシステム構成図であり、過給機70を備えていること以外は前記前記図1の発電設備と同様の構成であり、図1で説明した部品及び部分と同じ部品及び部分には、同じ番号(符号)を付している。
図4において、過給機70は、よく知られた排気タービン式過給機であり、タービン部71と、該タービン部71にタービン軸72を介して連結されたコンプレッサ部73とからなっている。タービン部71は排気通路12の途中に配設され、排気ガスの圧力により回転し、コンプレッサ部73は、給気通路11の途中に配設され、ミキサ56から送られて来る混合気を圧縮し、インタークーラー75及びスロットルバルブ4を介して、圧縮混合気を燃料室1aに供給する。コンプレッサ部73の下流側には過給圧(ブースト圧)を測定する圧力センサー74が配置されている。
<第3の制御方法>
第3の制御方法は、基本的には、図4のように過給機70を有するデュアルフューエルエンジンを備えた発電設備において、前記図2で説明した運転規制マップを用いた制御方法により、デュアルフューエルエンジン1の運転を制御するものであるが、エンジンの種類により、過給機70による過給圧力が高くなるのに応じて、前記運転禁止区域D1と運転区域D2との境界線X0を、軽油の噴射量が増加する噴射ポンプラック位置増側に移動させ、反対に、過給圧力が低くなるに応じて、前記境界線X0を、軽油の噴射量が減少する噴射ポンプラック位置減側に移動させように制御する。
図5は、第3の制御方法に利用する運転規制マップの一例を示しており、図2と同様に、縦軸は、軽油の噴射量に対応する燃料噴射ポンプ31のラック位置(ポンプラック32の位置)を示し、横軸は、燃料ガスの供給量に対応するA/Fバルブ59の開度を示しており、右下がりの直線で示す複数の境界線X0、X1,X2は、過給圧の変化に応じてそれぞれ黒煙の発生量が所定値になる軽油と燃料ガスとの混合状態の変化である。上記各境界線X0、X1、X2よりもラック位置大側、かつ、A/F開度大側の区域D1が、それぞれの過給圧での運転禁止区域であり、反対に、各境界線X0、X1、X2よりもラック位置小側、かつ、A/F開度小の区域D2が、それぞれ運転区域である。上記のような境界線X0、X1、X2を有する運転規制マップをそれぞれ作成して、コントローラ13の記憶装置に記憶しておく。
そして、運転中、給気通路12の圧力センサー74によって検出した過給機70による過給圧の大きさによって、上記境界線X0,X1,X2が設定されている各運転規制マップから適切なマップを選択し、選択した運転規制マップに従って、前記図2の運転制御と同様に、運転を制御する。すなわち、ある特定の過給圧において境界線X0の運転規制マップで運転している状態よりも過給圧が所定値以上大きい時には、境界線X1の運転規制マップに変更され、反対にある特定の過給圧において境界線X0の運転規制マップで運転している状態より、過給圧がX0よりも所定値以上小さくなった時には、境界線X2の運転規制マップに変更されるのである。
通常、ディーゼルエンジンに備えられる過給機は、空気だけを圧縮して燃焼室に供給し、その圧縮空気に軽油を噴射して、爆発させるようになっており、燃焼室から排出される燃焼後の排気を、タービン部の駆動源として利用している。すなわち、燃焼時において、液体燃料(軽油)が横から付加されており、このため、高温で、かつ、給気量と比べて多量の排気ガスにより、過給機70が駆動されている。
これに対し、図4のデュアルフューエルエンジン1は、過給機70により、燃料ガスが含まれる混合気を圧縮している。この混合気中の燃料ガスは、発熱量が低い場合には、図11で説明したように65%乃至85%程度の不活性ガスを含んでいるため、たとえば、100KWの出力を得るために、ディーゼルエンジンでは100程の空気を吸い込めば良い場合でも、デュアルフューエルエンジンでは、130乃至150(1.3倍乃至1.5倍)程の混合気量を吸い込む必要がある。したがって、通常のディーゼルエンジンと同一出力を得るためには、デュアルフューエルエンジンの方が大きい過給圧を必要とする。特に、低カロリーの燃料ガスでは、同一出力を得るためには燃料ガス量を増加する必要があるので、高い給気圧が必要となる。このため、普通の排気ターボ式の過給機では、低カロリーの燃料ガスが多くなり過ぎると、過給機としての仕事を行うことが不可能となってくる。
図5において、一定のエンジン出力で運転する場合に、エンジンの機種によって、過給圧が高くなると、混合気量が多くなり、余剰空気が多くなるので、運転禁止区域の境界線はラック位置が高い方に移動する(X1)。すなわち、黒煙が出る運転禁止区域D1が小さくなるのである。反対に過給圧が低くなると、混合気量が少なくなり、運転禁止区域の境界線はラック位置が低い方に移動する(X2)。
<第4の制御方法>
前記図3で説明した第2の制御方法の変形例であり、図3では、燃料ガスの発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm)より低い範囲において、ラック位置R2とA/F開度G2とを、アナログ的(直線的)に変化させているが、第4の制御方法では、図6に示すように、燃料ガスの発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm)より低い範囲において、ラック位置R2とA/F開度G2とを、それぞれ2段階のステップ状に変化させ、これにより、制御内容を簡素化している。その他の構成は前記第2の制御方法と同じである。
具体的に説明すると、燃料ガスの発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm)より低い範囲において、予め変更値Q2(たとえば850kcal/Nm)を設定しておき、まず、燃料ガスの発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm3)まで低下した時点で、ラック位置R1をステップ状にR2まで増加させると共にA/F開度G1をステップ状にG2まで減少させ、その後、変更値Q2まではラック位置R2及びA/F開度G2は一定値を保ち、変更値Q2まで燃料ガスの発熱量が低下した時点で、さらに、ラック位置R2をステップ状にR2’まで増加させると共にA/F開度G2をステップ状にG2’まで減少させる。
燃料ガスの発熱量が、700kcal/Nm程度から1000kcal/Nmまで増加する場合には、上記変化と逆の変化となる。
燃料ガスの発熱量が低い領域において、上記のようにラック位置R2,R2’及びA/F開度G2、G2’のように、ラック位置とA/F開度とをステップ状に変化させることにより、十分に黒煙の発生を抑制し、出力を維持しながらも、制御内容を簡素化することができるのである。
<第5の制御方法>
前記図6の第4の制御方法を改良した内容であり、燃料ガスの発熱量が所定値Q1(1000kcal/Nm)より低い範囲において、ラック位置R2、R2’とA/F開度G2、G2’と2段階にステップ状に変化させる方法において、図7のように、燃料ガスの発熱量が減少過程(低下過程)における変更値(閾値)Q3と、燃料ガスの発熱量が増加過程における変更値(閾値)Q4とを、異なる値とした制御方法である。
具体的には、燃料ガスの発熱量が減少過程における変更値Q3を、燃料ガスの発熱量が増加過程における変更値Q4よりも小さく設定している。その他の構成は前記第2及び第4の制御方法と同じである。
このように、燃料ガスの発熱量が減少過程における変更値Q3を、燃料ガスの発熱量が増加過程における変更値Q4よりも小さく設定することにより、変更値Q3及びQ4付近で、頻繁に燃料ガスの発熱量が変化した場合に、頻繁にラック位置及びA/F開度が変化することがないようにすることにより、運転状態を安定させているのである。
<本発明制御方法を実施するための第3のデュアルフューエルエンジン>
図8は、本発明よる第6の制御方法を実施するためのデュアルフューエルエンジンを備えた発電設備のシステム構成図であり、前記図4の過給機70を備えたデュアルフューエルエンジンと比較して、図8において、排気通路12の途中にバイパス通路81を設け、該バイパス通路81に排気ガス量調節バルブ(いわゆるウエストゲート)80を設けている構成以外は同様な構成であり、図1及び図4で説明した部品及び部分と同じ部品及び部分には、同じ番号(符号)を付している。
図8において、バイパス通路81は燃焼室1aと過給機70のタービン部71との間に接続され、排気ガス量調節バルブ80は開度調節可能となっており、排気ガス量調節バルブ80を全閉状態としている場合には、燃焼室1aからの全排気ガスをタービン部71に供給して、タービン部71を回転させている。そして、排気ガス量調節バルブ80を開いてその開度を大きくするに従い、タービン部71に供給する排気ガス量を次第に減少させ、過給圧を次第に小さくできるようになっている。
<第6の制御方法>
図8のように排気ガス量調節バルブ(ウエストゲート)80を備えたデュアルフューエルエンジンにおける制御方法であり、前記第1乃至第5の制御方法と共に適用することができる。図9にその制御方法を示しており、この図9において、横軸は燃料ガスの発熱量の変化を示し、縦軸は、上段から、必要混合気量、排気ガス量調節バルブ開度及び過給圧の変化をそれぞれ示している。
燃料ガスの発熱量が高い場合は、必要混合気量は少なくて済むので、過給圧が低くても十分に出力を得ることができる。したがって、軽油のみでディーゼル運転をしている場合には、たとえば排気ガス量調節バルブ80の開度を略最大とし、排気ガスの殆どをバイパス通路81から逃がす。上記ディーゼル運転と同一の出力を維持する場合において、燃料ガスの発熱量が低くなった場合は、多くの混合気量が必要となるので、排気ガス量調節バルブ80の開度を小さくして、タービン部71への排気ガスの供給量を増加させ、過給圧を高くする。
尚、前記制御方法では、高カロリーの液体燃料として軽油を使用しているが、重油、ガソリン又はバイオマス燃料等も、高カロリーの液体燃料として利用可可能である。
本発明の制御方法を実施するための第1のデュアルフューエルエンジンを備えた発電設備の制御システム構成図である。 本発明の第1の制御方法に利用する運転規制マップであり、噴射ポンプラック位置とA/F開度との関係を示すグラフである。 本発明の第2の制御方法による運転特性であり、燃料ガスの発熱量と、噴射ポンプラック位置とA/F開度との関係を示すグラフである。 本発明制御方法を実施するための第2のデュアルフューエルエンジンを備えた発電設備の制御システム構成図である。 本発明の第3の制御方法に利用する運転規制マップであり、噴射ポンプラック位置とA/F開度との関係を示すグラフである。 本発明の第4の制御方法による運転特性であり、燃料ガスの発熱量と、噴射ポンプラック位置とA/F開度との関係を示すグラフである。 本発明の第5の制御方法による運転特性であり、燃料ガスの発熱量と、噴射ポンプラック位置とA/F開度との関係を示すグラフである。 本発明制御方法を実施するための第3のデュアルフューエルエンジンを備えた発電設備の制御システム構成図である。 本発明の第6の制御方法による運転特性であり、燃料ガスの発熱量と、必要混合気量、排気ガス量調節バルブ開度及び過給圧との関係を示すグラフである。 デュアルフューエルエンジンにおける従来の制御方法であり、負荷の変化に対するエネルギーの変化を表したグラフである。 各種低位発熱量の燃料ガスの組成を示す図である。 デュアルフューエルエンジンにおける燃料ガスの低位発熱量の変化と理論空気量及び混合気量との関係を示す特性図である。
符号の説明
1 デュアルフューエルエンジン
2 発電機
3 燃料噴射弁
4 スロットル弁
13 コントローラ
31 噴射ポンプ
32 噴射ポンプラック
11 給気管
12 排気管
70 過給機
56 ミキサ
59 A/Fバルブ(燃料ガス供給用のバルブ)
80 排気ガス量調節バルブ
81 排気バイパス通路

Claims (6)

  1. 噴射ポンプにより調量及び圧送されて燃料噴射弁から燃焼室に噴射される液体燃料と、ガス組成が一定でなくて性状の変動により発熱量が変動する燃料ガスであって、燃料ガス供給用のバルブによって調量され、ミキサに供給されて空気と混合し、燃焼室に供給される燃料ガスと、によって、機関を駆動させるようにしたデュアルフューエルエンジンの制御方法において、
    液体燃料の噴射量と燃料ガスの供給量との関係を示すグラフ上で、燃焼室から排出される排気ガス中に含まれる黒煙が所定値以上になる時の液体燃料の噴射量と燃料ガスの供給量との混合状態の区域を、運転禁止区域とする運転規制マップを作成して、制御装置に記憶し、
    液体燃料の噴射量と燃料ガスの供給量との混合状態が運転禁止区域になる制御結果の場合には、運転禁止区域と運転区域との境界付近での運転となるように、液体燃料の噴射量及び燃料ガスの供給量の少なくともいずれかを制御することを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御方法。
  2. 請求項1記載のデュアルフューエルエンジンの制御方法において、
    燃料ガス生成装置の燃料ガス出口に設けた燃料ガス発熱量検出装置にて、供給される燃料ガスの前記性状の変動により前記変動する発熱量を検出し、
    検出された燃料ガスの発熱量が所定値以上の場合には、液体燃料の噴射量を一定とし、燃料ガスの発熱量の増加に応じて燃料ガスの供給量を減少させ、
    検出された燃料ガスの発熱量が所定値より小さい場合には、燃料ガスの発熱量の減少に応じて液体燃料の噴射量を増大させ、燃料ガスの発熱量の増加に応じて燃料ガスの供給量を増大させるように制御することを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御方法。
  3. 請求項1又は2記載のデュアルフューエルエンジンの制御方法において、
    エンジンの排気ガスによって駆動する過給機により、ミキサから供給される混合気を加圧して燃焼室に供給し、
    過給機による過給圧力が高くなるのに応じて、前記運転禁止区域と運転区域との境界線を、液体燃料の噴射量が増加する側に移動させ、過給圧力が低くなるに応じて、前記境界線を、液体燃料の噴射量が減少する側に移動させように制御するデュアルフューエルエンジンの制御方法。
  4. 請求項2又は3に記載のデュアルフューエルエンジンの制御方法において、
    燃料ガスの発熱量が所定値より小さい場合には、燃料ガスの発熱量の減少に応じて、所定の変更点において液体燃料の噴射量をステップ状に増大させ、燃料ガスの発熱量の増大に応じて、前記所定の変更点において液体燃料の噴射量をステップ状に減少させるように制御することを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御方法。
  5. 請求項4記載のデュアルフューエルエンジンの制御方法において、
    燃料ガスの発熱量が所定値より小さい場合、燃料ガスの発熱量の減少により液体燃料の噴射量がステップ状に増加する変更点よりも、燃料ガスの発熱量の増大により液体燃料の噴射量がステップ状に減少する変更点を、燃料ガスの発熱量の高い側に設定していることを特徴とするデュアルフューエルエンジンの制御方法。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一つに記載のデュアルフューエルエンジンの制御方法において、
    燃焼室から過給機に供給される排気ガスを逃がすことができる排気ガス量調節バルブを備えており、
    エンジンを液体燃料のみで運転する時には、前記排気ガス量調節バルブを全開として排気ガスを過給機以外に逃がし、燃料ガスと液体燃料とを混合して運転する時には、燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い排気ガス量調節バルブの開度を小さくすることにより、過給圧を大きくするように制御するデュアルフューエルエンジンの制御方法。
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