JP4981404B2 - 粒子カウンタ式煙感知装置 - Google Patents
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Description
そこで、早期に火災の発生を検出するため、このような環境下においては、低濃度の煙でも検出できる高感度の粒子カウンタ方式煙検出器が用いられる。この検出器の検出原理は、光源(例えばレーザダイオード)から細く絞られたスポット状の光照射領域に、吸引ポンプによって吸引された室内の空気を通過させ、その中に含まれる煙等の粒子によって生じる散乱光により受光素子から出力されるパルス信号をカウントすることにより、火災の発生を検出するものである。
このように構成された粒子カウンタ方式煙検出器において、光源監視用受光素子には光源からの光が直接入射するので、その出力信号から光源の光出力等を自動調整することができる。
また、テスト用光源からは、テストモード時に煙粒子によるパルス的な散乱光に対応したパルス光を擬似的に発生させ、その光を受光素子に直接入射させるので、カウント機能を正確に試験することができる。(例えば特許文献1参照)。
さらに、上記従来技術の場合、各素子を保持する手段が四カ所で必要となり且つ各素子はいずれも異なる方向を向いていることから集約的な配置が困難となり、構造が複雑化し、保持するための部品点数も増加することから、組立・製造作業に多くの時間と労力が必要となり、生産性が低下するという不都合があった。
さらに、煙検出空間に対して隣接する二方向側に四つの素子を配置可能であれば、保持構造の単純化や一乃至二つの保持部材で全素子を保持するなど、部品点数低減、組立・製造作業負担の軽減を図ることができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
また、請求項1記載の発明は、煙検出用光源の出射光と試験用光源の出射光を、一つの反射体でそれぞれ光源監視用受光素子と前記煙検出用受光素子に向けて反射するように構成しているので、装置構造の簡略化、部品点数の低減を図ることが可能となる。
なお、「光軸」とは光学系を有する場合には当該光学系により定まる光軸のことであり、光学系を有さない場合であって出射光又は入射光を直進方向に案内する経路がある場合には当該経路の向かう方向のことを示す。他の請求項についても同様である。
また、「煙検出空間を中心とする周囲」とは、各素子が煙検出空間を包囲する状態を示し、また、互いに隣接する二方向が直交する場合に限定されない。
このため、従来のように煙検出空間の四方に各素子を配置する場合と異なり、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
さらに、煙検出空間に対して同じ方向に位置する二つの素子を同じ方向に向けて近接配置或いは同一平面上に配置することも可能となり、保持構造の単純化や一つの保持部材で二つの素子を保持するなど、部品点数低減、組立・製造作業負担の軽減を図ることができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
なお、ドライバ回路を共通化するので各光源を同時に発光させることは困難となるため、試験用光源の発光は煙検出用光源の非発光時に行われることとなる。また、各光源で駆動のための電流値や電圧値が異なる場合には光源に応じてそれらを切り替える回路を設けることが望ましい。
なお、アンプ回路を共通化する場合には、例えば試験光については特殊なパルスパターンで照射するなどすれば煙検出光を受光したのか試験光を受光したのか識別可能なので、煙検出時であっても受光試験を行うことは可能である。
このため、従来のように煙検出空間の四方に各素子を配置する場合と異なり、装置全体
の小型化を図ることが可能となる。
さらに、煙検出空間に対して同じ方向に位置する二つの素子を同じ方向に向けて近接配置或いは同一平面上に配置することも可能となり、保持構造の単純化や一つの保持部材で二つの素子を保持するなど、部品点数低減、組立・製造作業負担の軽減を図ることができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
図1乃至図14に基づいて本発明の実施形態たる粒子カウンタ式煙感知装置10について説明する。図1は粒子カウンタ式煙感知装置10の外観斜視図、図2は筐体20の蓋体21を取り外した状態の平面図、図3は同状態の斜視図である。
図示のように、粒子カウンタ式煙感知装置10は、止めネジにより取り外し可能な蓋体21を備える直方体形状の筐体20と、図示しないサンプリング管を通じて筐体20の外部から取り込まれる外気の塵芥を除去するフィルタ部30と、フィルタ部30を通過した外気中の煙粒子を検出するための検出部50と、サンプリング管を通じて外気の吸引力を発生させる吸引部80と、検出部50への外気の流入を強制的に遮断する図示しないシャッター装置40と、メイン基盤100とインターフェイス基盤150とからなる回路部と、筐体20の内部にフィルタ部30と検出部50と吸引部80とを装着保持する連結構造部90とを備えており、いずれも筐体20内に格納されるようになっている。そして、上記粒子カウンタ式煙感知装置10は、当該粒子カウンタ式煙感知装置10を監視制御可能な制御装置(受信装置)200に接続されている。そして、上記粒子カウンタ式煙感知装置10は、各構成をいずれも筐体20内に格納し、制御装置200は粒子カウンタ式煙感知装置10から離れて設置されている。
フィルタ部30と検出部50と吸引部80とは、それぞれ個々の単位で筐体20から分離することが可能であり、それぞれがユニット化して構成されている。
以下、各部について詳説する。
筐体20は、その一面全体が開放されており、その開放面は蓋体21で覆われている。ここで、かかる蓋体21を上面と仮定して粒子カウンタ式煙感知装置10の以下の説明を行うこととする(なお、粒子カウンタ式煙感知装置10が実際に建造物内に設置される際には蓋体21側が上方を向くとは限らない)。
筐体20の一側面には、開口したサンプリング管の接続部22が形成されている。また、他の側面にはフィルタ部30,検出部50,吸引部80を通過した外気を筐体20の外に排気する排気口23が形成されている。さらに、筐体20の底部には左右に張り出して一対の板状の筐体固定部24が設けられている。かかる一対の筐体固定部24にはネジを挿通する貫通穴が形成され、例えば建造物の壁面に筐体20をネジ止めすることが可能となっている。
シャッター装置40は、筐体20の内部であってサンプリング管の接続部22と連接されている。シャッター装置は接続部22とフィルタ部30とを連結する図示しない管路の途中に設けられ、当該管路を閉塞する位置と閉塞しない位置との間を移動可能に設けられた図示しないシャッター板と、当該シャッター板の位置切替を行うソレノイド41とを備えている。
また、シャッター装置40には、ソレノイド41に駆動電流を流すための電気的接続を行うための信号線42を備えており、その先端には回路部のメイン基板100と接続するための雄型コネクタ43が装備されている。
そして、ソレノイドはメイン基板100により動作制御され、シャッター板を閉塞位置に移動することで、下流側への外気の流入を防止することができる。
なお、シャッター装置40に関しては、ソレノイドを使用せず、必要時に適宜、手動でシャッターを開閉する手動式のものを使用しても良い。
図4はフィルタ部30を検出部50側から見た正面図である。
フィルタ部30は、止めネジにより連結構造部90の固定板91に固定されており、蓋カバー31と本体32とからなる内部中空のケーシング33と、ケーシング内に設けられたフィルタ34とを備えている。
ケーシング33の本体32は、その上部が開放されて蓋カバー31が装着可能となっている。蓋カバー31は本体32に嵌合した上で両端部を止めネジにより固定装着が行われる。フィルタ部30はその一部が回路部のメイン基板100と隣接するように配置されており、蓋カバー31の一端部にはメイン基板100側に向かって延出された突状切片31aが設けられている。かかる突状切片31aは、メイン基板100上に設けられた蓋カバー31の装着の有無を検出する手段により検出可能とするために設けられており、当該装着検出については後述する。
かかる構造において、フィルタ34は、蓋カバー31と本体32の領域32bとの境界に配置されており、フィルタ部30を通過する外気は全てフィルタ34を通過するようになっている。
フィルタ34は多孔質の素材が使用され、気体中の繊維や虫などを捕捉する。つまり、フィルタ34は、煙粒子を通過可能とし、埃や塵芥を除去することを可能とする。
図5は検出部50の斜視図、図6は図5のX−X線に沿った断面図、図7は検出部の分解斜視図、図8は図5のY−Y線に沿った断面図である。
検出部50は、略直方体状のケーシング51と、煙粒子を照射する煙検出用光源としてのLD(レーザダイオード)52と、煙粒子による散乱光を検出する煙検出用受光素子としての検出PD(フォトダイオード)53と、検出PDに煙検出空間の通過光を照射する試験用光源としての試験用LED(発光ダイオード)54と、LD52による煙検出空間の通過光を受光する光源監視用受光素子としての監視PD55と、LD52と試験用LED54とが装備された第一の基板56と、検出PD53と監視PD55とが装備された第二の基板57と、フィルタ部30に連結される第一の連結管58と、吸引部80に連結される第二の連結管59とを備えている。
ケーシング51の本体部65は五角形平面の中心(切り欠く前の正方形における中心位置)を円形に貫通形成された中心孔部51aを備えている。この中心孔部51aの一端部側には第一の連結管58が連接され、他端部側には第二の連結管59が連結されている。そして、第一の連結管58を通じて当該中心孔部51aにフィルタ部30からの外気が流入するようになっている。これにより、中心孔部51aの内部は煙検出空間として機能する。
また、ケーシング51の本体部65には、中心孔部51aに直交してLD52からの導光路51bが形成されており、これと正対して中心孔部51aを挟んで向かい側に監視PD55への導光路51eの上流区間が形成されている。さらに、本体部65には、中心孔部51aと導光路51bとに直交して試験用LED54から導光路51dが形成されており、これと正対して中心孔部51aを挟んで向かい側に検出PD53への導光路51cの上流区間が形成されている。
監視PD55への導光路51eは、導光路51bの延長線上に設けられた上流区間と途中から上流区間に対して直角に屈曲した下流区間とからなる。当該屈曲部は開口しており、当該開口部は反射板60の反射面で閉塞されている。かかる反射板60は導光路51eの上流区間の中心線に対して45°傾斜しており、これにより導光路51eの上流区間に対して90°屈曲した下流区間にLD52からのレーザ光を反射させることができる。つまり、反射板60は第一の反射体として機能するものである。そして、LD52から出射したレーザ光は導光路51eに直接入射し、反射板60に反射されて監視PD55に入射するようになっている。
試験用LED54からの導光路51dは、導光路51bと並行に設けられた上流区間と途中から上流区間に対して直角に屈曲した下流区間とからなる。当該屈曲部も開口しており、当該開口部もまた反射板60の反射面で閉塞されている。かかる反射板60は導光路51dの上流区間の中心線に対して45°傾斜しており、これにより導光路51dの上流区間に対して90°屈曲した下流区間に試験用LED54からの出射光を反射させることができる。つまり、反射板60は第二の反射体としても機能するものである。このように、一つの反射板60で二つの導光路51dと51eとについて同じ方向に反射を行うことを可能とする要件としては、互いに平行な導光路51bと導光路51dの中心線の間隔と、互いに平行な導光路51cと導光路51eの中心線の間隔とが同じ距離であることが挙げられる。
そして、下流区間はその中心線が中心孔部51aの中心線及びレーザ光の光軸と直交するように設けられている。
検出PD53への導光路51cは、導光路51dの下流区間の延長線上に設けらている。そして、試験用LED54から出射した照射光は反射板60で反射された後に導光路51cに直接入射し、検出PD53に入射するようになっている。なお、検出PD53の手前には、導光路51c内を進行する光を検出PD53の受光面の中心位置に集光する光学系を設けても良い。
なお、ケーシング51内の中心孔部51aと各導光路51b〜51dは、いずれも外部からの光が入射しないように各部は密閉されている。
また、LD52、検出PD53、試験用LED54、監視PD55は、それぞれその発光部が導光路51b、51c、51d、51eの開口部に対して隙間なく嵌合し、或いは遮光性のシール材などにより隙間を埋められて嵌合し、導光路51b、51c、51d、51eの開口部から外乱光及び外気が侵入しないようになっている。
また、煙粒子が中心孔部51aの中心線上を通過するとレーザ光が照射されて散乱光を生じ、その一部が導光路51c内に侵入して検出PD53により受光が検出される。これにより火災による煙粒子の検知が行われる。
さらに、試験モードにおいて、試験用LED54は煙検知時に模した所定回数の点滅制御が行われ、その照射光は検出PD53により受光が検出される。検出PD53による検出信号が試験用LED54での点滅周期及び点滅回数を所定範囲内で再現するか否かこれにより、検出PD53で受光の検知を正しく行うことが可能か否かの判定が行われる。
第一の連結管58は、前述したフィルタ部30の円筒状の外気排出口36に挿入可能であり、その外周面上には外気排出口36の内周面との間でシールを図るOリング58aが装備されている。また、連結構造部90の固定板91にフィルタ部30と検出部50とがそれぞれ保持された状態で、第一の連結管58は外気排出口36と互いに正対する配置である。さらに、ケーシング51の下部には、連結構造部90の固定板91に検出部50を装着するための取付板61が設けられており、検出部50の装着を行う際の移動操作方向と第一の連結管58を外気排出口36に挿入する方向とが一致している。つまり、検出部50を筐体20内に装着する際に第一の連結管58と外気排出口36との連結も同時に行うことが可能となっている。
また、第二の連結管59は、後述する吸引部80の円筒状の外気吸引口83に挿入可能であり、その外周面上には外気吸引口83の内周面との間でシールを図るOリング59aが装備されている。また、連結構造部90の固定板91に検出部50と吸引部80とがそれぞれ保持された状態で、第二の連結管59は外気吸引口83と互いに正対する配置である。さらに、後述する吸引部80のケーシング82の下部には、連結構造部90の固定板91に吸引部80を装着するための取付板86が設けられており、吸引部80の装着を行う際の移動操作方向と第二の連結管59を外気吸引口83に挿入する方向とが一致している。つまり、吸引部80を筐体20内に装着する際に第二の連結管59と外気吸引口83との連結も同時に行うことが可能となっている。
第二の基板57には、検出PD53と共にそのアンプ回路(図示略)と監視PD55と共にそのアンプ回路55a(図示略)とが設けられている。また、第二の基板57がケーシング51に配置されると、検出PD53と試験用LED54とがそれぞれ導光路51c,51eに挿入保持されるように、検出PD53と試験用LED54とは第二の基板57上に配置されている。
さらに第一の基板56にはケーシング51内の温度検出を行うためのサーミスタ62が設けられている。
そして、これら各基板56,57はケーシング51内で壁面に囲われてシールドされている。また、各基板56,57とメイン基板100との間での信号送受、電源供給等を行うための電気的接続を行うための信号線63が各基板56,57に接続されており、その先端には回路部のメイン基板100と接続するための雄型コネクタ64が装備されている。
従って、従来のように煙検出空間の四方に各素子を配置する場合と異なり、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
さらに、煙検出空間に対して同じ方向に位置する二つの素子を同一基板56又は57上に配置することができ、保持構造の単純化や保持部材の点数低減、組立・製造作業負担の軽減を図ることができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
また、LD52と試験用LED54とが同一の第一の基板56上に配置され、検出PD53、監視PD55とが同一の第二の基板57上に配置されるので、各基板を覆うシールドカバー66,67によるノイズ防止のシールドを行うことができ、各素子から配線を引き出す場合に比べてシールド構造の簡略化を図ることが可能となる。
さらに、第一の反射体と第二の反射体の双方として機能する一枚の反射板60を備えることにより、装置構造の簡略化、部品点数の低減を図ることが可能となる。
図9は吸引部80の斜視図である。
吸引部80は、回転駆動により外気吸引力を発生するブロア81(図13参照)と、ブロア81を格納するケーシング82と、検出部50の第二の連結管59に連結される円筒状の外気吸引口83と、ケーシング82に吸引された外気を排出する外気排出口84と、ブロア81の回転数に応じてパルス出力を行う回転パルス出力手段85とを備えている。
回転パルス出力手段85は、ブロア81の一回転につき一つのパルスを出力する。例えば、回転量に比例してパルスを出力するエンコーダのようなものを使用しても良い。
上記外気吸引口83は、前述した検出部50の第二の連結管59を挿入可能である。そして、前述したように、固定板91に検出部50と吸引部80とがそれぞれ保持された状態で、外気吸引口83は第二の連結管59と互いに正対する配置であり、ケーシング82の下部に設けられた固定板91に吸引部80を装着するための取付板86の装着移動操作方向と外気吸引口83に第二の連結管59を挿入させる方向とが一致している。つまり、吸引部80を筐体20内に装着する際に外気吸引口83と第二の連結管59との連結も同時に行うことが可能となっている。
一方、外気排出口84はケーシング82の一側面に設けられた開口であり、吸引部80は、外気排出口84が筐体20の排気部23に連通するように筐体20内に配置される。
図10は連結構造部90により保持されたフィルタ部30と検出部50と吸引部80とを示す平面図、図11はその側面図、図12は連結構造部90の要部説明図である。
連結構造部90は、筐体20の内底面に固定装備された固定板91と、検出部50の下部に設けられた取付板61と、吸引部80の下部に設けられた取付板86とを備えている。
固定板91は、筐体20のサンプリング管の接続部22近傍の端部に形成された一対の立設部92(一つは図示略)の上端部において、フィルタ部30のケーシング31の両端部を止めネジ93により固定保持している。
さらに、固定板91には、検出部50の取付位置において当該検出部50の両側を保持するためのL字状の係止爪94が二つずつ形成されている。また、固定板91の吸引部80の取付位置には、吸引部80の両側を保持するためのL字状の係止爪95が一つずつ形成されている。
これら係止爪94,95とスリット穴61a,86aの関係について詳述する。
各係止爪94,95はいずれも同じ構造である。これらはいずれも板状であり、固定板91の板面から上方に突出すると共に上端部が水平方向に屈曲している。つまり、側方から見ると丁度L字を逆さにした形状となっている。また、係止爪94,95の水平部分の延出方向は、装着後のフィルタ部30の外気排出口36における中心線方向、装着後の検出部50の中心孔部51aにおける中心線方向及び装着後の検出部50の中心孔部51aにおける中心線方向に平行になるように向けられている。
そして、かかる形状により水平部分の下側に隙間空間94a,95aが形成される。
一方、スリット穴61a,86aも互いに同じ構造となっている。これらは、取付板61,86の板面を上下に貫通形成され、係止爪94,95の水平方向長さとほぼ同じか幾分それよりも長く形成されている。また、スリット穴61aは検出部50の中心孔部51aの中心線方向に沿って形成され、スリット穴86aは吸引部80の外気吸引口83の中心線方向に沿って形成されている。
なお、図11に示すように、各係止爪94,95に隣接して上方に突出形成された摺動突起96により、取付板61(86)が支持されて検出部50(吸引部80)の連結状態を安定させる。
このため、吸引部80の固定手段として取付板86を固定板91に固定するための止めネジ97を備えている。かかる止めネジ97を止めることで装着後の吸引部80と共に検出部50のスライド移動を阻止し、双方の固定を行うことができる。また、止めネジ97を外すことで、まず、吸引部80を装着と逆の移動操作で取り外すことができ、吸引部80の除去により検出部50を装着と逆の移動操作で取り外すことが可能となる。
図13は粒子カウンタ式煙感知装置10の制御系を示すブロック図、図14はメイン基板150の詳細な構成を示すブロック図である。
回路部のメイン基板100には、フィルタ部30の雄型コネクタ39を接続可能な雌型コネクタ101と、シャッター装置40の雄型コネクタ43を接続可能な雌型コネクタ102と、検出部50の雄型コネクタ64を接続可能な雌型コネクタ103と、吸引部80の雄型コネクタ88を接続可能な雌型コネクタ104と、インターフェイス基板150からの供給電源の電圧を調整して各部に電源供給を行う電源回路105と、基板外部の各構成との接続を図るインターフェイス106と、メイン基板100の各種機能を実行させるプログラム110〜118が格納されたプログラムメモリ107と、それらのプログラム110〜118を実行するMPU108と、MPU108の作業領域となる作業メモリ109と、検出部50のLD52への電流制御を行うLD電流制御回路130と、各種の報知を行うためのLED131〜137と、フィルタ部30の蓋カバー31の有無を検出する装着検知手段としての蓋カバー検出LED143及び蓋カバー検出PD144と、シャッター装置40のソレノイド駆動回路139と、検出部50の検出PDの出力に対して上下の閾値を設定するコンパレータ回路140と、吸引部80の吸引駆動源であるブロア81のモータ駆動を停止させるブロア停止スイッチ141と、検出部50の試験用LED54を点灯させるPD試験スイッチ142とを備えている。
また、図示はしていないが、各LEDには全てドライバ回路が併設され、蓋カバーPDにはアンプ回路が併設されている。
なお、メイン基板100の大きさに応じて後述するインターフェイス基板150に一部の雌型コネクタ(例えば101,104)やブロア停止スイッチ141などを設けても良い。
まず、煙検知プログラム110について説明する。この煙検知プログラム110がMPU108に実行されると、LD52の駆動時において検出PD53の検出信号をコンパレータ回路140を介して監視する。LD52からレーザ光が出射されている状態で煙粒子が煙検出空間に侵入すると、その散乱光が検出PD53に入射してその検出信号に変動を生じる。コンパレータ回路140では、検出PD53の出力に対して上限値と下限値を定め、それらの間の出力のみを煙粒子の検知と見なしてMPU108に入力する。
そして、MPU108は、入力された検知信号に応じて煙濃度を算出し、煙濃度信号をインターフェイス基板150を通じて制御装置200に出力する。
これにより、LD電流制御回路130、LD52又はそのドライバ回路のいずれかを原因とする異常の発生を検知すると共にその異常の発生箇所を速やかに特定することが可能となる。
なお、サーミスタ62から求まる検出部50の温度に応じて、LD52の温度特性に基づいてレーザの出力が一定となるように駆動電流の制御を行っても良い。
前述したように蓋カバー31には、メイン基板100側に向けて突出した突状切片31aを備えている。これに対してメイン基板100上には、図2に示すように、突状切片31を挟んで対向配置された蓋カバー検知LED143と蓋カバー検知PD144とが設けられている。従って、蓋カバー31が定位置にあるか否かにより、蓋カバー検知LED143の照射光は突状切片31aに遮断されるか否かが変化するので、蓋カバー検知PD144の受光強度を監視すれば、蓋カバー31の有無を識別することができる。
蓋カバー報知プログラム115が実行されると、MPU108は、蓋カバー検知PD144の受光強度が予め定められた所定値を超えるか否かを判定する。そして、所定値を超えている場合には、蓋カバー31を閉め忘れているものとして、蓋カバー報知LED134を点灯し、ブロア81の駆動を停止し、ソレノイド41を駆動してシャッターを閉じる動作制御を実行する。さらに、MPU108は、制御装置200に対して蓋カバー31の閉め忘れを通知し、報知ブザー25を鳴動させる動作制御を実行する。
ここで、煙感知装置10では、メイン基板100に電源供給が行われると、自動的にブロア81が駆動され、ブロア停止スイッチ141の入力が行われない限りはブロア81の駆動を継続するようになっている。
また、前述した煙検知プログラム110により検出される煙濃度が所定値よりも高くなると制御装置200により煙報知が行われ、煙濃度が低くなると速やかに煙報知が中止される。
これらを前提とした場合に、正常に煙粒子が検出されて煙報知が行われている際に、ブロア停止スイッチ141が入力されると、ブロア81の停止とシャッターが閉じられることにより、検出部50の煙検出空間内への煙粒子の侵入が停止する。これにより、煙濃度の低下が検出されて煙報知が中止されることとなる。一方、検出部50に何らかの不良が生じて誤検出で煙報知が行われている場合には(非火災報)、ブロア81の停止とシャッターが閉じられることで煙粒子の侵入を遮断しても、誤検出状態を維持し、依然として煙報知を継続する。
つまり、ブロア停止スイッチ141を設けることにより、検出部50が正常に煙粒子の検出を行っているか否かを判断することが可能となる。
なお、上記目的の達成のため、ブロア停止スイッチ141とブロア状態LED135とはメイン基板100上で近接して並んで配置されている。
また、ブロア停止プログラム116を実行時においてMPU108は、ブロア停止スイッチ141の入力と同時に計時を開始し、所定時間(例えば数分)が経過すると自動的にブロア81の駆動を再開し、シャッターを開き、ブロア状態LED135を消灯状態とする(後述するブロア監視プログラム139によりブロア81の故障が検知されている場合には点灯状態に戻される)動作制御も実行する。
なお、検出部50が正常に煙粒子の検出を行えること(検出部50が故障ではないこと)が判明した後において、例えば、ブロア81が再駆動し、シャッターが開いた後もなお誤検出状態が継続する場合には、外気(サンプリング管により吸引している場所(監視エリア)の雰囲気異常)など煙粒子以外の要因(非火災要因)が考えられる。
なお、ブロア停止スイッチ141の入力により非火災要因の確認(特定)する際は、検出部50が正常に煙粒子の検出を行えることの確認手段(煙報知手段)として、報知ブザー25、作動表示灯27を用いることができる。また、制御装置200の煙濃度情報を参照しなが行っても良い。
二つのツェナーダイオード37,37はそれぞれ温度特性が異なっており、電圧値の差が上限値を超える場合には、フィルタ部30の内部で正常範囲よりも大きく気流が生じて各ツェナーダイオード37,37が冷却され、それらの電圧値に大きく差が生じる。かかる気流の増加は、サンプリング管の外れなどにより通常よりも外気が多量に流入している状態が予想される。
また、二つのツェナーダイオード37,37の電圧値の差が下限値を下回る場合には、フィルタ部30の内部で正常範囲よりも気流が小さくなって各ツェナーダイオード37,37は冷却されず、それらの電圧値に差が生じなくなる。かかる気流の減少は、フィルタの目詰まりにより気流が妨げられている状態が予想される。
つまり、気流状態監視プログラム118によりこれらの状態を検知することが可能となっている。
回路部のインターフェイス基板150には、図示しないメイン基板100との接続コネクタと、制御装置200からの供給電源の電圧を調整して各部に電源供給を行う電源回路151と、基板外部の各構成との接続を図るインターフェイス152と、インターフェイス基板150の機能を実行させるプログラム(図13では基板監視プログラム161のみ図示)が格納されたプログラムメモリ153と、プログラムを実行するMPU154と、MPU154の作業領域となる作業メモリ155と、所定の報知を行うための基板状態LED156及び図示しないそのドライバ回路と、パーソナルコンピュータのような外部の情報処理端末と接続して情報通信を行うためのシリアルポートである端末接続端子157(例えばRS-232C入出力端子)を備えている。
インターフェイス基板150では、かかる端末接続端子157を通じて接続される情報処理端末に対して、逐次検出される検出煙濃度、気流状態、LD52の駆動電流、LD52のレーザ光強度、検知された各ユニットの状態異常等の送信を行う。
ここで、プログラムメモリ153に格納された基板監視プログラム161の実行により、MPU154は、所定の周期でメイン基板100のMPU108に対して応答要求を行い、要求から所定時間が経過するまで応答がない場合に、メイン基板100のMPU108に異常が生じているものとして、基板状態LEDを点灯し、報知制御を行う。
なお、インターフェイス基板150において、メイン基板100で実行される各種のプログラムを実行しても良い。
なお、インターフェイス基板150にメイン基板100の各種LEDやスイッチを設けても良いし、インターフェイス基板150とメイン基板が一体であっても良い。即ち、本発明は、本発明を逸脱しない範囲で適宜応用・変更可能である。
粒子カウンタ式煙感知装置10は、制御装置200に接続されて煙探知システムを構成する。例えば、複数の粒子カウンタ式煙感知装置10を建造物内の複数箇所に設置する場合に、制御装置200のみを集中配置し、各粒子カウンタ式煙感知装置10の集中管理を行うためのものである。
かかる制御装置200は、図示しないインターフェイス基板150との接続コネクタと、外部からの供給電源の電圧を調整して装置各部とインターフェイス基板150に電源供給を行う電源回路201と、制御装置200の外部の構成との接続を図るインターフェイス202と、各種機能を実行させるプログラム(図13では煙濃度判定プログラム211のみ図示)が格納されたプログラムメモリ203と、プログラムを実行するMPU204と、MPU204の作業領域となる作業メモリ205と、所定の表示を行うための表示部206とを備えている。
かかる制御装置200には、メイン基板100からインターフェイス基板150を介して逐次検出される検出煙濃度、気流状態、LD52の駆動電流、LD52のレーザ光強度、検知された各ユニットの状態異常等が入力される。これらは、表示部206に全て表示することが可能であり、MPU204により表示制御が行われる。
また、制御装置200では、筐体20の蓋体21に設けられた報知ブザー25,音響停止ボタン26,作動表示灯27の制御を行っている。
なお、かかる制御装置200の機能は全てメイン基板100或いはインターフェイス基板150に実行させても良い。その場合、別体の構成となる制御装置200を排除して、全ての構成を筐体20内に格納する構成としても良い。その場合、表示部は筐体20の内部でも良いが、外部、例えば蓋体21に設けることが好ましい。
粒子カウンタ式煙感知装置10では、吸引部80と検出部50とフィルタ部30とを個別に筐体20から着脱可能なユニット化することで、個別に分離し、交換することも可能であるため、迅速・容易・廉価に保守・交換作業を行うことが可能となる。
さらに、吸引部80と検出部50とフィルタ部30とが個別に回路部に対する電気的接続手段としての雄型コネクタと雌型コネクタとを有するので、回路部側において、各コネクタを通じて各種の情報を含む信号等が入力され、入力ルートが明らかとなることから、ユニットごとの個別の監視を容易に行うことができ、異常や故障等の発生したユニットの特定を迅速且つ容易に行うが可能となる。
さらに、装着検知手段としての蓋カバー検出LED143及び蓋カバー検出PD144により、蓋カバー31の装着の有無の検知が行われることから装着忘れや装着不良を低減し、保守交換作業の確実化、容易迅速化が図ることが可能となる。
さらに、遮断制御部としてMPU108を制御させる蓋カバー報知プログラム115により、蓋カバー31が非装着とされる場合に、シャッター装置40の遮断動作が実行されるため、塵芥の内部吸引を効果的回避し、これらの混入を原因とする誤検知の発生を効果的に低減することが可能となる。また、シャッター装置40を備えることで外部から吹き付け等の原因による塵芥の侵入もより効果的に防止することができる。
また、報知制御部としてMPU108を制御させる蓋カバー報知プログラム115により、蓋カバー31が非装着とされる場合に報知が実行されることから、蓋カバー31の付け忘れや装着不良を速やかに認識することが可能となり、塵芥の内部吸引を効果的回避し、これらの混入を原因とする誤検知の発生を効果的に低減することが可能となる。
その際、吸引停止と共にシャッター装置40の遮断動作が実行されるため、シャッター装置により外部から吹き付け等の原因による塵芥の侵入もより効果的に防止することができ、より厳密に煙粒子が侵入しない状況で、検出部50の誤検出或いは異常・不良の発生を確認することができる。
なお、前述した検出部50の第一の基板56には、LD52のドライバ回路と試験用LED54のドライバ回路とが個別に設けらているが、LD52と試験用LED54とを共通する一つのドライバ回路で発光照射させても良い。LD52と試験用LED54とは、いずれも駆動電流を通電することで光照射が行われるが、その駆動電流値は異なるので、LD52を照射させる場合と試験用LED54を照射させる場合とでは駆動電流の切り替えを行う切り替え回路を併設することが望ましい。また、LD52と試験用LED54との同時照射は困難となるので、試験用LED54から検出PD53への試験はLD52の非照射時に実行することが望ましい。
また、図16(B)の配置では、第一の基板56に試験用LED54、LD52が設けられ、第二の基板57に監視PD55、検出PD53が設けられる。
かかる構成でも、図6の例と同様に機能する。
各素子52〜55及び反射板60a,60bを上記配置とすることで各素子52〜55を各素子52〜55を煙検出空間を中心とする一方向側に全て集約配置することができ、さらなる小型化を図ることが可能となると共に各素子52〜55を一枚の基板56a上に配置することも可能となり、部品点数の軽減及び回路の単純化、さらには、シールド構造の単純化を実現することが可能となる。
また、図17(B)の配置では、二枚の反射板60a,60bに替えて互いの角度が90°をなす二つの反射面を備えた一枚の反射板60cを使用して図17(A)と同様の配置を実現した例を示している。かかる構成でも図17(A)と同様の効果を具備すると共に反射板の部品点数を低減することが可能となる。
四つの素子52〜55の内のいずれを単独配置しても良いが、一方向側に三つの素子を光軸を並行として配置するにはLD52から監視PD55までの光経路又は検出PD53から試験用LED54までの光経路のいずれか一方について二回反射により180°の方向転換を行う必要がある。このため、光軸に対して+45°傾斜と−45°傾斜の反射面が必要となる。また、もう一方の光経路については一回反射を必要とするが+45°と−45°の反射面のいずれか一方を共用化することで二つの反射板60a,60bで各光経路の反射を可能としている。
かかる構成でも、図6の例とほぼ同様に機能する。
20 筐体
21 蓋体
25 報知ブザー
26 音響停止ボタン
30 フィルタ部
31 蓋カバー
31a 突状切片
33 ケーシング
34 フィルタ
37 ツェナーダイオード(流量変化検知手段)
40 シャッター装置
41 ソレノイド
50 検出部
51 ケーシング
51a 中心孔部
51b,51c,51d,51e 導光路
52 LD(光源)
53 検出PD(受光素子)
54 試験用LED
55 監視PD(光源出力検知手段)
56 第一の基板
56a 基板
57 第二の基板
60,60a,60b,60c 反射板
61 取付板
61a スリット穴
62 サーミスタ
63 信号線
64 雄型コネクタ
80 吸引部
81 ブロア
86 取付板
86a スリット穴
87 信号線
88 雄型コネクタ
90 連結構造部
91 固定板
94,95 係止爪
97 止めネジ(固定手段)
100 メイン基盤
101〜104 雌型コネクタ
115 蓋カバー報知プログラム(停止制御部、遮断制御部、報知制御部)
116 ブロア停止プログラム(復帰制御部)
131 LD状態LED(出力変化報知手段)
135 ブロア状態LED(煙報知手段)
136 気流状態LED(流量変化報知手段)
141 ブロア停止スイッチ
143 蓋カバー検出LED(装着検知手段)
144 蓋カバー検出PD(装着検知手段)
150 インターフェイス基盤
157 端末接続端子(コンピュータ端末接続用のコネクタ)
200 制御装置
Claims (7)
- 煙検出空間に光照射を行う煙検出用光源と、
前記煙検出用光源からの出射光が直接入射しない位置に設けられ、前記煙検出空間内の煙粒子の散乱光を受光する煙検出用受光素子と、
前記煙検出空間を通過した前記煙検出用光源からの出射光を受光する光源監視用受光素子と、
前記煙検出用受光素子に受光試験用の光を照射する試験用光源と、
を備え、
前記煙検出用光源から前記光源監視用受光素子までの光経路の途中と前記試験用光源から前記煙検出用受光素子までの光経路の途中に、前記煙検出用光源の出射光を前記光源監視用受光素子に向けて反射するとともに、前記試験用光源の出射光を前記煙検出用受光素子に向けて反射する一つの反射体を設け、
前記煙検出用光源と前記煙検出用受光素子と前記光源監視用受光素子と前記試験用光源とを、前記煙検出空間を中心とする周囲の隣接する二方向側に集約配置したことを特徴とする粒子カウンタ式煙感知装置。 - 前記煙検出用光源と前記試験用光源とを、互いの光軸とを並行に向け、前記煙検出空間に対して同じ方向側に配置すると共に、
前記煙検出用受光素子と前記光源監視用受光素子とを、互いの光軸とを並行に向け、前記煙検出空間に対して同じ方向側に配置したことを特徴とする請求項1記載の粒子カウンタ式煙感知装置。 - 前記煙検出用光源と前記試験用光源とが配置された第一の基板と、前記煙検出用受光素子と前記光源監視用受光素子とが配置された第二の基板とを備えることを特徴とする請求項2記載の粒子カウンタ式煙感知装置。
- 前記第一の基板上に前記煙検出用光源と前記試験用光源とに共通するドライバ回路を設けたことを特徴とする請求項3記載の粒子カウンタ式煙感知装置。
- 前記第二の基板上に前記煙検出用受光素子と前記光源監視用受光素子とに共通するアンプ回路を設けたことを特徴とする請求項3又は4記載の粒子カウンタ式煙感知装置。
- 前記煙検出用光源と前記煙検出用受光素子とを、互いの光軸とを並行に向け、前記煙検出空間に対して同じ方向側に配置すると共に、
前記試験用光源と前記光源監視用受光素子とを、互いの光軸とを並行に向け、前記煙検出空間に対して同じ方向側に配置したことを特徴とする請求項1記載の粒子カウンタ式煙感知装置。 - 前記煙検出用光源と前記煙検出用受光素子とが配置された第一の基板と、前記試験用光源と前記光源監視用受光素子とが配置された第二の基板とを備えることを特徴とする請求項6記載の粒子カウンタ式煙感知装置。
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