JP4980498B1 - 果菜類保護カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】取り付け作業において、開閉口部が瞬時に集縛閉口され、果菜類保護カバーの取り付け作業を短時間かつ容易に行なうことが出来る果菜類保護カバーを提供することを課題とする。
【解決手段】
紐の操作により開閉口する果菜類保護カバーであって、シートと紐とクランプとを有し、前記シートは、前記紐を誘導するガイド部を有し、前記紐は、前記ガイド部を通る導通部と、前記クランプを貫通する貫通部と、前記シートの外側にある露出部とを有し、前記クランプは、前記シートの端部に設けられ、前記紐または前記シートを挟持するものであり、閉口動作は、前記露出部を引くことにより、前記露出部の長さを増加させ、前記導通部長さを減少させるものであり前記動作により折り畳まれた前記シートは前記クランプのシート側を外側に押し広げると共に、前記クランプの露出部側に前記紐を挟持させ、閉口を保つことを特徴とする。

【選択図】図2

Description

本発明は、果菜類への果菜類保護カバー取り付け、取り外し作業を簡便化して、これら作業費の削減と作業者の疲労を軽減しようとする果菜類保護カバーに関するものである。
この発明において果菜類とは、果物や野菜類の概念である。果菜類として、例えば、葡萄、梨、林檎、びわ、柑橘類およびナス、きゅうり、トマトなどを例示することができる。
従来から、果菜類の品質を高めるために果菜類保護カバーを用いて、病害虫害鳥風雨による被害の予防や、農薬散布時の農薬が果菜類表皮に付着するのを抑制する目的で用いられている。
このような果菜類保護カバーとして以下のような従来技術(特許文献1〜4)がみられる。
〔特許文献1の技術〕
特許文献1には、梨全体に被覆された袋本体の開口部を集束し、袋本体の開口側縁部に添付される閉塞バンドを巻回して、袋本体の開口部を閉塞した状態に固定する技術が記載されている。
〔特許文献1の課題〕
しかしながら、通常、葡萄や梨などは、葡萄棚や梨棚に夫々沿わせて栽培されており、作業者の頭上に位置するように栽培されている。このような位置関係において、葡萄や梨に袋付け作業をする場合、特許文献1記載の発明は、葡萄や梨に対して、顔を上向きにしながら両手を顔面の上方に差し伸べて行われ、袋本体の開口部を収束し閉塞バンド(針金など)で固定する作業を、梨園の場合十アール当たり五千乃至一万個の果実に行なうものである。通常このような作業は数日乃至数十日におよぶ、このような長時間の作業で足腰と手や指に大きな負担がかかり腱鞘炎になり易く、また、指を負傷することもあるなど前述の作業は大変な体力と時間を要し苦痛と疲労を伴うものであった。(課題1)
また、特許文献1記載の被覆袋は、取り除き作業を行なう際に、被覆袋に形成されるミシン目を介して破かれてしまい再利用が出来ないという課題があった。(課題2)
〔特許文献2の技術〕
このような課題1、2を解決する為に、特許文献2には、「果実袋の開口部から水分等の浸入をより確実に防止するため、開口部4を開閉自在に水封するチャック部材5およびその内面中心近傍に果実の枝を着脱自在に覆う枝覆い部6等を設けた構成の果実袋」が記載されている。
〔特許文献2の課題〕
しかしながら、特許文献2記載の従来技術では、図3,4,5にみられるように果実Fの体積よりも数倍大きな内空部を有する空間と外表面が流線形状の果実袋1には果実の枝Sを囲周させて装着される枝被い部6が果実の枝Sを中心とする果実袋1の軸が形成される。このため、果実袋1の表面には風向きに対する指向性が生じてモーメントが枝Sを回転軸として作用し、枝Sは、常に風向きと風力の大きさにしたがって捻られている。したがって捻りによる果実の生育障害や果実の落果が懸念される。(課題3)
そして、袋掛け作業を行われる果樹園では、枝条、茎葉などの新陳代謝に伴う老廃物および鳥類の糞、或は埃などの異物が少なからず存在する。これらの異物は、袋のチャック部に挟まり、保護袋の密封性と開閉操作に支障をきたす恐れがあると共に、チャック部を大陽光に長時間晒された場合に、これらチャック部の硬直化および劣化が懸念される。(課題4)
〔特許文献3、4の技術〕
このような課題3を解決可能な特許文献3には、「強風時の果実生育阻害、落果防止を図るため滑りとめとなる突起又は段差を設けた果実袋201を使用し、止め金401先端の板状中央部分に設けた穴に通してねじることにより、果実の枝に容易に取り付け可能で、かつ、つかみ金具301で果実袋201を把持し、止め金401中央部をねじることにより張力を与えて、果実袋201が風であおられない果実袋」がみられる。
また、課題4を解決するために、特許文献4には、「管理者および農機具等、果実を傷つける様々な外的要因や農薬から果実を保護しつつ、果実の十分な生育を促し、果実への取り付けおよび取り外しが容易であって繰り返し使用可能な経済性の高い果菜類の保護カバー」がみられる。
〔特許文献3、4の課題〕
しかしながら、特許文献3に記載の従来技術は、強風時の果実生育阻害、落果防止に確実に有効であるものの果実の固体数の二倍の滑りとめとなる突起又は段差を設けた果実袋201、支持部材102、つかみ金具301、とめ金401など、相当数の付帯部材を必要とする。このことから、部材費の高騰が懸念される。(課題5)
また、特許文献3にみられる果実袋201を取り付ける作業は、果実袋201の両側に果物の枝或は支持部材と、つかみ金具301との間に架け渡されるとめ金401の中間部分とを、夫々手でねじって1〜2Kgfもの張力を与えるものである。この作業は、相当の熟練が求められると共に、体力と時間とが必要とみられ、作業費と作業者の疲労増大とが懸念される。(課題6)
そして、特許文献4記載の従来技術は、固形化される果菜類保護カバーを果実に浮動する態様で装着される。このため、風力或は管理作業者および農機具等との接触による外的要因によって果菜類保護カバーが揺らされた場合に、容器の内壁と果実の表面とが擦れ合って果実へのキズ付きが懸念される。(課題7)
また、特許文献4記載の従来技術は、薄いシートによって形成される保護カバーは固形物である。このため果菜類保護カバー不使用(シーズンオフ)時に必要とされる保護カバーを収容する容器の大型化とこれらの容器を保管するスペースの増大が懸念される。(課題8)
特開平9−98676
特開2009−207468
特開2002−315450
特開2008−193931
本発明が解決しようとする課題は、上記(課題1)〜(課題8)を解消すると共に、下記のニーズ〔0017〕〜〔0024〕等に応えようと鑑みてなされたものである。
従来技術である特許文献1を踏まえると、保護袋の取り付けに要する作業時間をより短縮し、作業の効率化が求められている。(ニーズ1)
また、被服袋を破損することなく容易に、かつ、素早く被覆袋を取り除く手段の提案が求められている。(ニーズ2)
従来技術である特許文献2を踏まえると、果実の生育障害や果実の落果を生じる風による捻り力を減少させる被覆袋が求められている。(ニーズ3)
また、長期間の耐久性を有する被覆袋が求められている。(ニーズ4)
従来技術である特許文献3を踏まえると、部品点数が少なく且つ利便性に優れ、安価な果実袋が求められている。(ニーズ5)
また、体力の消耗が軽減され、女性や高齢者でも取り付けが簡単に行える果菜類保護カバーが求められている。(ニーズ6)
従来技術である特許文献4を踏まえると、外的要因により果菜類に傷が付くのを防止できる果菜類保護カバーが求められている。(ニーズ7)
また、収納性に優れ保管費用を軽減可能な果菜類保護カバーが求められている。(ニーズ8)
上記課題を解決すると共に、上記(ニーズ1)〜(ニーズ8)に応えようとする本発明は以下の手段を用いた。
請求項1記載の発明は、紐3の操作により開閉口する果菜類保護カバーであって、シート2と紐3とクランプ4とを有し、前記シート2は、前記紐3を誘導するガイド部20を有し、前記紐3は、前記ガイド部20を通る導通部30と、前記クランプ4を貫通する貫通部31と、前記シート2の外側にある露出部32とを有し、前記クランプ4は、前記シート2の端部に設けられ、前記紐3または前記シート2を挟持するものであり、閉口動作は、前記露出部32を引くことにより、前記露出部32の長さを増加させ、前記導通部30長さを減少させるものであり前記動作により折り畳まれた前記シート2は前記クランプ4のシート2側を外側に押し広げると共に、前記クランプ4の露出部32側に前記紐3を挟持させ、閉口を保つことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の閉口が保たれた状態において、前記クランプ4のシート2側を挟むことにより開口可能となる、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の果菜類保護カバーにおいて、前記果菜類保護カバーが多角形形状であり、前記多角形の少なくとも一辺を開閉口部10とすると共に、前記シート2を袋状としたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の果菜類保護カバーにおいて、袋状とした前記シート2の底21側に、少なくもと一つ以上の孔22を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の果菜類保護カバーにおいて、袋状とした前記シート2の底21全てを孔22とし、円筒状シート2としたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の果菜類保護カバーにおいて、前記シート2の前記クランプ4と対向するもう一端に、前記露出部32を固定する留め具5が設けられていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の果菜類保護カバーにおいて、前記シート2の前記クランプ4と対向するもう一端に、対抗紐6と対向クランプ7とが設けられており、前記対向紐6は、前記ガイド部20を通る対向導通部60と、前記対向クランプ7を貫通する対向貫通部61と、前記シート2の外側にある対向露出部62とを有し、前記閉口動作は、前記露出部32と前記対向露出部62とを引くことによりなされることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の果菜類保護カバーにおいて、請求項7記載の閉口が保たれた状態において、前記クランプ4のシート2側と前記対向クランプ7のシート2側とを挟むことにより開口可能となる、ことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の果菜類保護カバーにおいて、前記シート2の上側と下側が、異なる材質であることを特徴とする。
上記発明によれば、果菜類保護カバーの取り付け作業に伴い開閉口部10を閉口する場合は、クランプ4を挟持しながら、つまみ部33を引くことにより、開閉口部10が瞬時に集縛閉口され、果菜類保護カバーの取り付け作業を短時間でしかも容易に行なうことが出来る。
そして、上記形態において、果菜類保護カバーの取り外し作業に伴い開閉口部10を開口する場合は、クランプ4の対向側端部を挟持しながら夫々外向きに引くことにより開閉口部10が瞬時に解縛開放され果菜類保護カバーの取り外し作業を短時間でしかも容易に行なうことが出来る。
このようにして果菜類保護カバーの取り付けおよび取り外し作業が格段に簡便化されるため、これらの作業に伴う人件費と、該作業をされる人々の疲労を軽減することが出来る。
図1は果菜類保護カバーの取り付け時の斜視図である。(実施例1) 図2は果菜類保護カバーの閉口作業の側面図である。(実施例1) 図3(a)は、果菜類保護カバーの開口状態の上面図である。(実施例1)図3(b)は、果菜類保護カバーの開口状態の側面図である。(実施例1) 図4(a)は、果菜類保護カバーの閉口作業途中の上面図である。(実施例1)図4(b)は、果菜類保護カバーの閉口作業途中の側面図である。(実施例1) 図5(a)は、クランプの斜視図である。(実施例1)〜(実施例3)図5(b)は、クランプの側面図である。(実施例1)〜(実施例3)図5(c)は、クランプのA−A断面図である。(実施例1)〜(実施例3)図5(d)は、クランプのB−B断面図である。(実施例1)〜(実施例3) 図6は、果菜類保護カバーの取り付け時の斜視図である。(実施例2) 図7は、果菜類保護カバーの閉口作業の側面図である。(実施例2) 図8は、取り付け済み果菜類保護カバーの側面図である。(実施例2) 図9(a)は、果菜類保護カバーの開口状態の上面図である。(実施例2)図9(b)は、果菜類保護カバーの開口状態の側面図である。(実施例2) 図10(a)は、果菜類保護カバーの閉口作業途中の上面図である。(実施例2)図10(b)は、果菜類保護カバーの閉口作業途中の側面図である。(実施例2) 図11(a)は、留め具の斜視図である。(実施例2)図11(b)は、留め具の側面図である。(実施例2) 図11(c)は、留め具のA−A断面図である。(実施例2) 図12は、果菜類保護カバーの取り付け時の斜視図である。(実施例3) 図13は、果菜類保護カバーの閉口作業の側面図である。(実施例3) 図14(a)は、果菜類保護カバーの開口状態の上面図である。(実施例3)図14(b)は、果菜類保護カバーの開口状態の側面図である。(実施例3) 図15(a)は、果菜類保護カバーの閉口作業途中の上面図である。(実施例3)図15(b)は、果菜類保護カバーの閉口作業途中の側面図である。(実施例3)
以下、本発明の果菜類保護カバーを、複数の実施例により図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施例において、先の実施例と後の実施例とで実質的に同一の部材、或は同一の部分があるときには、互いに同一の符号を用い後の実施例において詳細な説明は省略することとする。
また、果菜類保護カバーは、実施例1においては果菜類保護カバー11、実施例2においては果菜類保護カバー12、実施例3においては果菜類保護カバー13と記載した。
「実施例1の構成」
図1〜図5は本実施例1を示し、図1にみられる形態において、図3にみられるようにクランプ4に備える第一片露出側42および第二片露出側44が夫々開かれており、紐3は、第一片シート側41および第二片シート側43側への移動が許容される状態となっており紐3はシート2側へ最も移動された状態となっている。果菜類保護カバー11を手Hおよび指Fを介して葡萄Gに取り付けようとされている状態を示し、この状態における果菜類保護カバー11は、その内空容積を最大に拡大するため、シート2は外方に向けて大きく膨らんでいる。そして、開閉口部10も最大に開口されている。これにより果菜類保護カバー11を葡萄Gにスムーズに被せることができる。
図1にみられるように紐3は、図1,2および図3(a)図(3b)にみられる折り返し部34(拡大図省略)近傍の側端部の周部を巻回された後、中点で粗二等分され、シート2に形成されるガイド20内に導かれ、図5(c)にみられる貫通孔45に挿通され、露出部32を経て、つまみ部33により紐3の端末が結合される。
図3に示すクランプ4のシート2側の略V字状内角と側端部25の外側とを適宜の接着剤により貼着されている。(詳細図省略)これにより開閉口部10の開口、閉口動作に伴って側端部とクランプ4は常に一体的に移動する。
図5に示すクランプ4は例えば耐久性に優れる合成樹脂などにより形成され、図5(a)に示す斜視図を平面視した場合に略V字状を形成しており、該V字状の底部近傍を幅方向に貫かれており、可撓性材料からなる支点40と支点軸Zが形成される。
図3(a)および図4(a)と5(d)にみられる第一片シート側41および第二片シ
ート側43を夫々内側へ付勢するように支点軸Zは構成されている。これにより紐3を挟持する第一片露出側42および第二片露出側44は通常開放された状態にあり、この状態において紐3は所定の範囲内においてその移動が許容される。
図4(a)の拡大図にみられるように、紐3を挟持する第一片露出側42および第二片露出側44の先端の断面は鋭利な三角形の頂点のような形状からなり、その先端は露出部32側に向けて配置されている。
図4(a)に示すように開閉口部10の完全なる閉口の直前における紐3は、第一片露出側42および第二片露出側44の先端挟持部(詳細部位符号省略)により挟持されつつある状態を示し、この状態において、紐3の牽引を中止されると自動的に作動する第二片露出側44の先端挟持部の逆止機能により紐3がシート2側への移動は阻止される。
そして、上記状態から開閉口部10を完全に閉じるため紐3を露出部32側へ牽引されると第二片露出側44の先端挟持部の逆止機能は自動的に無効化され紐3の露出部32側のみの移動は許容される。
図1に破断線で示されるガイド20および図2、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)にみられるガイド20はシート2の開閉口部10側端部の適宜長さを果菜類保護カバー11の外側に向けて折り曲げられたシート2の端部を接着剤により貼り合わされ接着部26が形成され、かつその内部をトンネル状のガイド部20が形成される。これにより紐3はガイド部20内の所定位置に収容され、紐3はガイド部20によって好適にガイドされる。
果菜類保護カバー11の底部などに一箇所以上の通気或は排水用の孔22が形成されている。この孔22から害虫などが果菜類保護カバー11内に浸入する場合は孔22に通水性、通気性を有する適宜の織布或は網を貼り付けて、その浸入を防ぐようにしてもよい。
「実施例1の作用」
図1に示すものは、葡萄棚(図省略)に沿わせて栽培される葡萄のつるBから果層SL
および果梗Sを介して垂下され、作業者の顔面(図省略)上方に位置する葡萄Gに向けて両手Hを指し伸べながら指Fで開閉口部10を最大に開口し葡萄Gに果菜類保護カバー11を被せようとしている状態を示すものである。
図2および図4に示すものは、葡萄Gに果菜類保護カバー11を被せ、開閉口部10を果梗Sの最適位置に位置させ一方の手Hの指Fでクランプ4(図省略)を挟持しながら、他方の手Hの指Fで紐3の端末に付設される、つまみ部33を引くことにより、開閉口部10は瞬時に集縛閉口される。このように左右いずれかの手Hによる動作で果菜類保護カバー11を果梗Sに集縛閉口して固定される。このようにして迅速に果菜類保護カバー11を葡萄Gの果梗Sへの取り付け作業を終了することが出来る。
また、図4(a)にみられる状態からさらにクランプ4を挟持しながらつまみ部33を引くと開閉口部10の外周部が第一片シート側41と第二片シート側43を押し開き、図4(a)の拡大図にみられる第一片露出側42と第二片露出側44に作用する逆止力は強まる。これにより開閉口部10の果梗Sに対する締め付け力も強まり開閉口部10を果梗Sに確実な取り付けが可能となる。
図2にみられる状態の果菜類保護カバー11を取り外す場合は、例えば、図3,4にみられる折り返し部34を左手の親指と人差し指(図省略)とで把持し、右手の親指と人差し指(図省略)とでクランプ4を把持し、夫々粗同時に左右に引くことにより開閉口部10は瞬時に開縛開放される。これにより、果菜類保護カバー11を果梗Sおよび葡萄Gから簡単に、そしてスピーディに取り外すことが出来る。
上記図1〜図5にみられる「実施例1の構成」および「実施例1の作用」の説明により明らかなように、前記課題1,2,3,7を克服し、前記ニーズ1,2,5,6,7に応えることが可能となる
「実施例2の構成」
図6〜図11は本実施例2を示し、図8にみられるように本実施例で対象とする果実は、その質量が大きく、台風などの影響を受けて落果しやすいとされるナシPに本実施例2の果菜類保護カバー12を用いられる場合に付いて説明する。
図6にみられるものは、シート上側23を例えば弾力性と柔軟性に富む合成樹脂を用いられ、シート下側24を従来から広く用いられている紙とで構成された果菜類保護カバー12を、ナシPが幼果期に果菜類保護カバー12を被せようとされている状態を示している。
図7にみられるものは、上下異なる材質のシート上側23とシート下側24とで形成された果菜類保護カバー12の開閉口部10の周部に留め具5を貼着された果菜類保護カバー12をナシPの果梗Sの適宜な位置に取り付けようとされている状態を示している。
図8にみられるものは、夫々異なる材質のシート上側23とシート下側24とで形成された果菜類保護カバー12の形態を示すと共に、収穫期を迎え肥大したナシPが底21に接触しナシPの質量の一部が支持され、果菜類保護カバー12と集縛閉口され果梗Sに固定された開閉口部10との間に張力が作用している状態を示し、さらに露出部32をクランプ4側から枝Bの上側に掛け回し留具5に向けて引き下ろし、留具5に露出部32が係留されてことを示している。
図9(a)に示すものは、開閉口部10の一端部に形成されるシート上側23の折り曲げ部の外面に配設されるクランプ4が適宜の接着剤により貼り付けられ、対向端部に留め具5が配置され、該留め具5は、シート上側23の折り曲げ部の外面に適宜の接着剤により貼り付けられている。
図9(b)に示すものは、クランプ4が開閉口部10の一端部に配設され、他端部に留め具5が配設されていることを示している。
図10(a)に示すものは、開閉口部10の閉口直前における果菜類保護カバー12の上面の状態を示し、この状態におけるクランプ4と該留め具5の位置関係を示している。
図10(b)に示すものは、開閉口部10の閉口直前における果菜類保護カバー12の側面の状態を示し、この状態におけるクランプ4と該留め具5の位置関係を示すと共に、留め具5の内側とシート2が接着剤で貼着されかつ紐3が留め具5を巻き込むように配置されている。(拡大詳細図省略)これにより留め具5は所定の位置から移動するのを防止される。
図11(a)にみられるものは、留め具5の斜視図であって、紐3を巻回して係留する上突起部51および下突起部52が留め具5に形成されていることを示している。
図11(b)にみられるものは、留め具5の側面図であって、紐3を巻回して係留する上突起部51および下突起部52が留め具5に形成されていることを示している。
図11(c)にみられるものは、留め具5のA−A断面図であって、その断面は、略Y字状に形成されていることを示している。そして略Y字状の凹部50, 50を、図10(a)にみられるクランプ4の対向位置にシート2と貼着されており所定の位置からずれない。(拡大詳細図省略)
「実施例2の作用」
図6に示すものは、ナシ棚(図省略)に沿わせて栽培されるナシの枝Bから果層SLおよび果梗Sを介して垂下され、作業者の顔面(図省略)上方に位置するナシPに向けて両手Hを指し伸べながら指Fで開閉口部10を最大に開口し、ナシPの幼果に果菜類保護カバー12を被せようとしている状態を示すものである。
図7に示すものは、幼果期のナシPに果菜類保護カバー12を被せ、開閉口部10を果梗Sの最適位置に位置させ一方の手Hの指Fでクランプ4(図省略)を挟持しながら、他方の手Hの指Fで紐3の端末に付設される、つまみ部33を引くことにより、開閉口部10は瞬時に集縛閉口される。このように左右いずれかの手Hによる一つの操作のみで果菜類保護カバー12を果梗Sに集縛閉口して固定される。このように簡単に、かつ迅速確実に果菜類保護カバー12をナシPに取り付ける作業を終了することが出来る。
図7にみられる状態の果菜類保護カバー12を取り外す場合は、例えば、図7,8にみられる折り返し部34を左手の親指と人差し指(図省略)とで把持し、右手の親指と人差し指(図省略)とでクランプ4を把持し、夫々粗同時に左右に引くことにより開閉口部10は瞬時に開縛開放されるので、果菜類保護カバー12を果梗SおよびナシPから一つの動作のみで素早く果菜類保護カバー12を取り外すことが出来る。
上記図6,7にみられる「実施例2の構成」および「実施例2の作用」によれば、前記課題1,2を克服し、前記ニーズ1,2,5,6,8に応えることが可能となる。
図8にみられるものは、一般に台風シーズンと重なるように、収穫期を迎え肥大化したナシPの底部が果菜類保護カバー12の底21に着座し、ナシPの質量の一部を支持され果菜類保護カバー12に下向きの張力が作用している。この張力は果梗Sに集縛固定された開閉口部10を介して果梗Sを下方に引き下げ枝Bと果梗Sとの間に形成され、引力方向に対する強度が最も低いとされる果層SLは破壊され果層SLが離層しナシPは落果するという危険な状態に晒されている。この危険な状態を緩和するため紐3の露出部32を枝Bに巻回された紐3は留め具5に巻き掛け係留(係留形態の拡大詳細図省略)され紐3によりナシPの重力の一部を負担されることとなり危険な状態が緩和される。
さらに、図6,7,8にみられるように、上下異なる材質のシート上側23を柔軟性に富む合成樹脂を用いられると、開閉口部10を開閉操作する場合に開閉口部10に皺が形成されやすいため、開閉口部10のスムーズな開閉が行なえる。
上記作用により、前記課題1,2,3,5,6、を克服し、前記ニーズ1,2,3,5,6に応えることが出来る。
「実施例3の構成」
図12〜図15は本実施例3を示し、本実施例の果菜類保護カバー13は可撓性を有し、襞を形成可能な合成樹脂でしかも耐久性に優れるものを採用されるとよい。
図12にみられるように、開閉口部10の上端部近傍の両側端部にクランプ4と対向クランプ7とが配設されている。
図13にみられるように、果菜類保護カバー13の下方は一つの孔22が形成されている。これは果菜類保護カバー13内部の通気性を良好にして果菜類がムレないようにするためである。この孔22から虫が侵入して被害を及ぼすような場合は、網または通気性を有する布を貼着してもよい。
図14(a)および図14(b)にみられるようにシート2の上端部近傍に襞を形成し、この襞に適宜間隔を設けて穿孔される孔をガイド部201として活用され、このガイド部201に紐3と対向紐6が挿通されている。
そして、開閉口部10の上端部の両側面にクランプ4と対向クランプ7が配設されており、第一片シート側41と第二片シート側43および第一片シート側71および第二片シート側73の内側を開閉口部10の外面に適宜の接着剤で貼着されている。
図15(a)および図15(b)にみられるものは、閉口途中における開口部10に形成される襞の形状を示すものである。
「実施例3の作用」
図12にみられるように、開閉口部10を最大に開口し、ナスEに被せようとしている状態を示し、この状態における紐3および対向紐6はガイド部201側へ最も移動している。
図13に示すように、ナスEの果梗Sに開閉口部10を位置させ、右手の親指と人差し指でつまみ部33を挟持し、左手の親指と人差し指でつまみ部63を挟持し、夫々外方に引くことにより開閉口部10が瞬時に閉じられる。
また、つまみ部33,63を牽引される力の大きさにしたがって開閉口部10は果梗Sに適度な拘束力で集縛固定される。これにより、果菜類保護カバー13とナスEは常に一体的に動くため、風力或は管理作業者および農機具等との接触による外的要因によって果菜類保護カバー13が揺らされても容器の内壁と果実の表面とが擦れ合って果実へのキズ付きは抑制される。
そして、開閉口部10を開口する場合は右手の親指と人差し指でクランプ4を所定の力で挟持し、左手の親指と人差し指で対向クランプ7を所定の力で挟持し、夫々外方に引くことにより開閉口部10は瞬時に解縛開放される。これにより果菜類保護カバー13の取り付け取り外し作業が格段に向上する。
さらに、変形可能な合成時樹脂により形成される本実施例の果菜類保護カバー13によれば果菜類保護カバー13を使用されないシーズンオフ時には果菜類保護カバー13の内側に果菜類保護カバー13の外側を挿入することができる。これを複数回繰り返すことによりコンパクトに収納することができる(図省略)
上記実施例3によると、前記課題1,2,3,4,5,6,7,8を克服し、前記ニーズ1,2,3,4,5,6,7,8に応えることが可能となる。
以上のように、本発明に係わる果菜類保護カバー11、12、13を用いられると果菜類保護カバーの製造コストが低いため安価に提供され、簡便に且つ迅速、確実に果菜類保護カバーの取り付け、取り外しが可能になり、果菜類栽培に好適に利用することができる。
その他本発明は、上述した実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜構成の付加、削除および各実施例間での部材などの組み替えが可能である。
10 開閉口部
11 果菜類保護カバー(実施例1)
12 果菜類保護カバー(実施例2)
13 果菜類保護カバー(実施例3)
2 シート
20 ガイド部
21 底
22 孔
23 上側
24 下側
3 紐
30 導通部
31 貫通部
32 露出部
33 つまみ部
4 クランプ
40 支点
41 第一片シート側
42 第一片露出側
43 第二片シート側
44 第二片露出側
45 貫通孔
5 留め具
6 対向紐
60 対向導通部
61 対向貫通部
62 対向露出部
63 つまみ部
7 対向クランプ
70 支点
71 第一片シート側
72 第一片露出側
73 第二片シート側
74 第二片露出側
75 貫通孔
G 葡萄
P ナシ
E ナス
H 手
Z 支点軸
F 指
B 枝
S 果梗
SL 果層

Claims (9)

  1. 紐操作により開閉口する果菜類保護カバーであって、
    前記果菜類保護カバーは、
    シート(2)と紐(3)とクランプ(4)とを有し、
    前記シート(2)は、
    前記紐(3)を誘導するガイド部(20)を有し、
    前記紐(3)は、
    前記ガイド部(20)を通る導通部(30)と、
    前記クランプ(4)を貫通する貫通部(31)と、
    前記シート(2)の外側にある露出部(32)とを有し、
    前記クランプ(4)は、
    前記シート(2)の端部に設けられ、
    前記紐(3)または前記シート(2)を挟持するものであり、
    閉口動作は、
    前記露出部(32)を引くことにより、
    前記露出部(32)長さを増加させ、
    前記導通部(30)長さを減少させるものであり、
    前記動作により折り畳まれた前記シート(2)は、
    前記クランプ(4)のシート(2)側を外側に押し広げると共に、
    前記クランプ(4)の露出部(32)側に前記紐(3)を挟持させ、
    閉口を保つ
    ことを特徴とする果菜類保護カバー。
  2. 請求項1記載の閉口が保たれた状態において、
    前記クランプ(4)のシート(2)側を挟むことにより開口可能となる、
    ことを特徴とする請求項1記載の果菜類保護カバー。
  3. 前記果菜類保護カバーは多角形形状であり、
    前記多角形の少なくとも一辺を開閉口部(10)とすると共に、
    前記シート(2)を袋状とした、
    ことを特徴とする請求項2記載の果菜類保護カバー。
  4. 袋状とした前記シート(2)の底(21)側に、
    少なくもと一つ以上の孔(22)を設けた
    ことを特徴とする請求項3記載の果菜類保護カバー。
  5. 袋状とした前記シート(2)の底(21)全てを孔(22)とし、
    円筒状シートとした
    ことを特徴とする請求項4記載の果菜類保護カバー。
  6. 前記シート(2)の前記クランプ(4)と対向するもう一端には、
    前記露出部(32)を係留する留め具(5)が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の果菜類保護カバー。
  7. 前記シート(2)の前記クランプ(4)と対向するもう一端には、
    対抗紐(6)と対向クランプ(7)とが設けられており、
    前記対向紐(6)は、
    前記ガイド部(20)を通る対向導通部(60)と、
    前記対向クランプ(7)を貫通する対向貫通部(61)と、
    前記シート(3)の外側にある対向露出部(62)とを有し、
    前記閉口動作は、
    前記露出部(32)と前記対向露出部(62)とを引くことによりなされる
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の果菜類保護カバー。
  8. 請求項7記載の閉口が保たれた状態において、
    前記クランプ(4)のシート(2)側と
    前記対向クランプ(7)のシート(2)側とを
    挟むことにより開口可能となる、
    ことを特徴とする請求項7記載の果菜類保護カバー。
  9. 前記シート(2)の上側(23)と下側(24)とが、異なる材質である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の果菜類保護カバー。
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