JP4980132B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像素子を1個使用した単板方式のカラーテレビジョンカメラ等の撮像装置に関し、特に信号対雑音比(S/N)重視で感度設定した場合のダイナミックレンジ向上に関するものである。
従来、固体撮像素子を3個使用した3板方式のカラーテレビジョンカメラにおいて、信号対雑音比(S/N)を改善するために赤外線カット光学フィルタを用いないで輝度信号の合成比率を変えていた。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−282452号公報
前述の固体撮像素子を3個使用した3板方式のカラーテレビジョンカメラは、赤外線カット光学フィルタを用いないことと、輝度信号の合成比率を変えることで信号対雑音比(S/N)を改善していた。しかし、色信号については特に信号処理を実施していなかった。
本発明の目的は、単板方式のカラーテレビジョンカメラにおいて、出力する映像信号の高い信号対雑音比(S/N)と広いダイナミックレンジの両立を実現することにある。
本発明の画像信号処理装置は、異なる複数の色フィルタが配置された固体撮像素子を用いた撮像装置において、固体撮像素子から出力される複数の色信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段と、増幅手段で増幅した複数の色信号を色信号毎に分離する分離手段と、分離した複数の色信号に白バランス調整を施す白バランス調整手段と、白バランス調整を施こした複数の色信号から増幅手段の増幅率に応じて飽和レベルを検出するレベル検出手段と、レベル検出手段で飽和レベルを検出した色信号と異なる他の色信号から補正信号を生成する補正信号生成手段と、白バランス調整を施こした複数の色信号に補正信号生成手段で生成した補正信号を加算する第1の加算手段を備える。
また、上記の画像信号処理装置は、更に輪郭強調手段と第2の加算手段を備え、輪郭強調手段は飽和レベル検出手段で検出した色信号と異なる他の色信号から輪郭強調信号を生成し、複数の色信号に輪郭強調信号を第2の加算手段で加算する。
さらに本発明の画像信号処理方法は、異なる複数の色フィルタが配置された固体撮像素子を用いた撮像装置において、固体撮像素子から出力される複数の色信号を所定の増幅率で増幅し、増幅した複数の色信号を色信号毎に分離し、分離した複数の色信号に白バランス調整を施し、白バランス調整を施こした複数の色信号から増幅率に応じて飽和レベルを検出し、飽和レベルを検出した色信号と異なる他の色信号から補正信号を生成し、白バランス調整を施こした複数の色信号に前記補正信号を加算する。
さらにまた、上記の画像信号処理方法は、更に飽和レベルを検出した色信号と異なる他の色信号から輪郭強調信号を生成し、複数の色信号に輪郭強調信号を加算する。
本発明によれば、単板方式のカラーテレビジョンカメラにおいて、出力する映像信号の高い信号対雑音比(S/N)と広いダイナミックレンジの両立が実現できる。
以下、本発明による撮像装置の一実施例について図1を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例の撮像装置を示すブロック図である。
図1において、1は撮像装置、2は入射光を結像するレンズ部、3はレンズ部2から入射した光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)撮像素子、4はCCD撮像素子3から出力された信号から雑音を除去するCDS(Correlated Double Sampling)部、5はCDS部4から出力された信号のレベルを調整するアンプ部、6はアンプ部5から出力されたアナログ信号をデジタル信号の信号Aに変換するA/D変換(Analog Digital Converter)部、7はA/D変換部6から出力されたデジタル信号を赤色と緑色と青色の各デジタル映像信号に分離する色分離部である。8は色分離部7で分離された赤色デジタル映像信号(r信号)のレベルを調整しR(Red)信号を出力するアンプ部、9は色分離部7で分離された緑色デジタル映像信号(g信号)のレベルを調整しG(Green)信号を出力するアンプ部、10は色分離部7で分離された青色デジタル映像信号(b信号)のレベルを調整しB(Blue)信号を出力するアンプ部であり、アンプ部8〜10はホワイトバンス調整を行うものである。11は入力されたR信号,G信号,B信号に後述のレベル補正を施し、R’ 信号,G’ 信号,B’ 信号を出力するレベル補正部である。12は入力されたR’ 信号,G’ 信号,B’ 信号に後述の輪郭強調を施し、R” 信号,G” 信号,B” 信号を出力する輪郭強調部である。13は入力されたR” 信号,G” 信号,B” 信号を所定方式の映像信号に変換して出力する映像信号出力部、14はCCD撮像素子3を駆動するためのCCD駆動部、15はアンプ部8〜10から出力される赤色と緑色と青色の各デジタル映像信号のレベルを比較するレベル比較部、16は撮像装置1内の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)である。また、CPU16は信号Aでレベル補正部11の制御を行い、信号Cで輪郭強調部12の制御を行う。
映像信号出力部13から出力される所定方式の映像信号とは、例えば、RGB信号、NTSC(National Television System Committee)方式、PAL(Phase Alternating by Line)方式またはHDTV(High Definition TeleVision)方式等の動画像あるいは静止画像である。
次に、本発明の一実施例の動作を図1で説明する。
撮像装置1のCCD撮像素子3はレンズ部2で光電変換部に結像された入射光を光電変換してCDS部4に出力する。CDS部4はCCD撮像素子3から出力された信号から雑音を除去してアンプ部5に出力する。アンプ部5はCDS64から出力された信号をCPU16から出力される利得制御信号に従って増幅してA/D変換部6に出力する。A/D変換部6はアンプ部5から出力されたアナログ信号を例えば12ビットのデジタル信号に変換して色分離部7に出力する。本発明はアンプ部5の増幅率に応じて飽和レベル設定値を変更するため、A/D変換部6の分解能はアンプ部5の増幅率に応じて適宜変更させる。色分離部7はCPU16から出力される制御信号に従ってA/D変換部6から出力されたデジタル信号を赤色と緑色と青色の各デジタル映像信号に分離して、赤色デジタル映像信号(r信号)はアンプ部8に出力し、緑色デジタル映像信号(g信号)はアンプ部9に出力し、青色デジタル映像信号(b信号)はアンプ部10に出力する。アンプ部8は色分離部7で分離された赤色デジタル映像信号(r信号)のレベルを調整しR(Red)信号を出力する、アンプ部9は色分離部7で分離された緑色デジタル映像信号(g信号)のレベルを調整しG(Green)信号を出力する、アンプ部10は色分離部7で分離された青色デジタル映像信号(b信号)のレベルを調整しB(Blue)信号を出力する、アンプ部8〜10は入力された赤色、緑色、青色の各デジタル映像信号に対してCPU16から出力される利得調整信号に従ってレベル合わせ、即ちホワイトバンス調整を行いレベル補正部11に出力する。レベル補正部11は入力されたR信号,G信号,B信号に後述のレベル補正を施し、R’ 信号,G’ 信号,B’ 信号を輪郭強調部12に出力する。輪郭強調部12は入力されたR’ 信号,G’ 信号,B’ 信号に後述の輪郭強調を施し、R” 信号,G” 信号,B” 信号を映像信号出力部13に出力する。映像信号出力部13は入力されたR” 信号,G” 信号,B” 信号を所定方式の映像信号に変換して出力する。CCD駆動部14はCPU16から出力される制御信号に従ってCCD撮像素子3を駆動するための信号を出力する。レベル比較部15はアンプ部8〜10から出力されるRとGとBの各デジタル映像信号のレベルを比較し、比較結果信号をCPU16に出力する。CPU16は外部から入力される制御信号Dとレベル比較部15から出力される比較結果信号に従いアンプ部8〜10を制御する。また、CPU16は信号Aでレベル補正部11の制御を行い、信号Cで輪郭強調部12の制御を行う。
本発明の一実施例の感度設定について図1と図3を用いて説明する。
図3(1)の左端の図は信号対雑音比(S/N)重視で感度設定を説明するための図である。感度設定は主にアンプ部5の利得制御で行う。
図1のCCD撮像素子3は、例えば画素に赤色(Red)、緑色(Green)、青色(Blue)の色フィルタが被覆された単板カラーの撮像素子とする。CCD撮像素子3は3つの色フィルタが被覆されているため、色フィルタ毎に透過率が異なる。また、撮像素子は波長により光電変化率が違うため、CCD撮像素子3から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、青色映像信号で感度差が生じる。この感度差を例えば、緑色映像信号を1とした時に、赤色映像信号を0.5、青色映像信号を0.625とする。これを図示したのが図3(1)の左端の図である。尚、棒グラフの1本の棒は、CCD撮像素子3の1画素またはA/D変換部6の1サンプリングのレベルを表している。
S/N重視の感度設定を行うには、CCD撮像素子3から出力される信号の中で最初の飽和する信号即ち本実施例では緑色映像信号の飽和レベルを設定する必要がある。緑色映像信号の飽和レベルの設定は、CCD撮像素子3に光電変換の最大値を超える光量を入射してCCD撮像素子3から出力する緑色映像信号を飽和レベルにする。次に色分離部7の出力でg信号が(800)となるようにアンプ部5の利得をCPU16から制御する。このアンプ部5の利得を0dBとして、本発明を説明する。飽和レベルとはCCD撮像素子3の光電変換の最大値のことで、最大値に達すると入射光量をいくら増加させても出力する電気信号は増加しない。
本発明の一実施例のレベル補正について図1〜図3を用いて説明する。
図2は図1のレベル補正部11の詳細内容を示すブロック図である。
図2において、104は入力されたR信号,G信号,B信号でレベルが飽和しているかを検出するレベル検出部、105はレベル検出部104で飽和レベルに達している信号に対して補正信号を生成する補正信号生成部105、101〜103は補正信号生成部105から出力される補正信号を加算する加算部、106はCPU16から出力される信号Aに従って信号aと信号bを出力する制御部である。

図3は本発明の一実施例であるレベル補正を説明するための図である。本一実施例ではg信号が飽和レベル即ちA/D変換部6の最大出力レベルに達している場合のレベル補正について説明する。r信号またはb信号がg信号より感度が高く、最初にr信号またはb信号が飽和レベルに達した場合も同様の処理を施せば良い。
図3(1)の左端の図は、一実施例として白または無彩色の被写体を撮影し、レンズ部2の図示していない絞りを調整した場合の色分離部7の出力信号を表した図である。アンプ部5の利得は0dBの場合である。色分離部7の出力でg信号を1とした時に、r信号を0.5、b信号を0.625とする。ここでg信号のみがA/D変換部6の最大出力レベルに達しているとする。A/D変換部6から出力するg信号の飽和レベルを16進法で表すと(800)である。色分離部7のr信号出力は(500)、b信号出力は(640)である。
CCD撮像素子3から出力される信号の感度差を補正するため、ホワイトバランス調整を施す。ホワイトバランス調整はアンプ部8〜10の利得調整で行う。g信号は比率が1であるため、アンプ部9の利得は1である。r信号は比率が0.5であるため、アンプ部8の利得は逆数の2となる。r信号はアンプ部8で増幅され(A00)がR信号として出力される。g信号はアンプ部9の利得が1であるため、入力と同じ(800)がG信号として出力される。b信号は比率が0.625であるため、アンプ部10の利得は逆数の1.6となる。b信号はアンプ部10で増幅され(A00)がB信号として出力される。これを図示したのが図3(1)の左から2番目の図である。図でホワイトバランス調整を施してもレベル差があるのはg信号の飽和レベルがA/D変換部6の最大出力レベルに達しているとしたからである。
次に、図2のレベル補正部11の動作について説明する。
R信号,G信号,B信号をレベル補正部11に入力する。レベル検出部104は入力したG信号がA/D変換部6の最大出力レベルの(800)であるかを検出する。検出の結果、入力したG信号が(800)未満である場合は補正信号生成部105から0(ゼロ)の補正信号を出力する。レベル検出部104は図3(1)の左から2番目の図からG信号レベルが(800)であることを検出し、補正信号生成部105で補正信号を生成する。補正信号は、輝度信号YHを基に生成する。G信号の最大レベルをLmax、赤色信号係数をKr、青色信号係数をKbとすると、YHの算出式(式1)は下記となる。
YH=Kr×(R−Lmax)+Kb×(B−Lmax) ・・・(式1)
R−LmaxとB−Lmaxを算出すると下記となる。
R−Lmax=(A00)−(800)=(200) ・・・(式2)
B−Lmax=(A00)−(800)=(200) ・・・(式3)
赤色信号係数をKrと青色信号係数を0.3とすると
YH=0.3×(200)+0.3×(200)=(133) ・・・(式4)
算出したYHからR’信号、G’信号、B’信号を生成すると下記となる。
R’=R−(R−Lmax)+YH=(933) ・・・(式5)
G’=G+YH=(933) ・・・(式6)
B’=B−(B−Lmax)+YH=(933) ・・・(式7)
上記の算出した結果から補正信号e、d、cは下記となり、図示したのが図3(1)の左から3番目の図である。
e=R’ −R=(933)−(A00)=−(0CD) ・・・(式8)
d=G’ −G=(933)−(800)=(133) ・・・(式9)
c=B’ −B=(933)−(A00)=−(0CD) ・・・(式10)
R信号は加算部101で補正信号eと加算されR’信号となる。G信号は加算部102で補正信号dと加算されG’信号となる。B信号は加算部103で補正信号cと加算されB’信号となる。これを図示したのが図3(1)の右端の図であり、算出式が(式11)〜(式13)である。
R’=R+e=(933) ・・・(式11)
G’=G+d=(933) ・・・(式12)
B’=B+c=(933) ・・・(式13)
次に図3(2)で、アンプ部5の利得が6dBの場合のレベル補正の一実施例について説明する。
図3(2)の左端の図は、一実施例として白または無彩色の被写体を撮影し、レンズ部2の図示していない絞りを調整した場合の色分離部7の出力信号を表した図である。色分離部7の出力でg信号を1とした時に、r信号を0.5、b信号を0.625とする。ここでg信号のみがA/D変換部6の最大出力レベルに達しているとする。A/D変換部6から出力するg信号の飽和レベルを16進法で表すと(FFF)である。色分離部7のr信号出力は(A00)、b信号出力は(C80)である。
CCD撮像素子3から出力される信号の感度差を補正するため、ホワイトバランス調整を施す。ホワイトバランス調整はアンプ部8〜10の利得調整で行う。g信号は比率が1であるため、アンプ部9の利得は1である。r信号は比率が0.5であるため、アンプ部8の利得は逆数の2となる。r信号はアンプ部8で増幅され(1400)がR信号として出力される。g信号はアンプ部9の利得が1であるため、入力と同じ(FFF)がG信号として出力される。b信号は比率が0.625であるため、アンプ部10の利得は逆数の1.6となる。b信号はアンプ部10で増幅され(1400)がB信号として出力される。これを図示したのが図3(2)の左から2番目の図である。図でホワイトバランス調整を施してもレベル差があるのはg信号の飽和レベルがA/D変換部6の最大出力レベルに達しているとしたからである。
次に、図2のレベル補正部11の動作について説明する。
R信号,G信号,B信号をレベル補正部11に入力する。レベル検出部104は入力したG信号がA/D変換部6の最大出力レベルの(FFF)であるかを検出する。検出の結果、入力したG信号が(FFF)未満である場合は補正信号生成部105から0(ゼロ)の補正信号を出力する。レベル検出部104は図3(2)の左から2番目の図からG信号レベルが(FFF)であることを検出し、補正信号生成部105で補正信号を生成する。補正信号は、輝度信号YHを基に生成する。G信号の最大レベルをLmax、赤色信号係数をKr、青色信号係数をKbとすると、YHの算出式(式14)は下記となる。
YH=Kr×(R−Lmax)+Kb×(B−Lmax) ・・・(式14)
R−LmaxとB−Lmaxを算出すると下記となる。
R−Lmax=(1400)−(FFF)=(401) ・・・(式15)
B−Lmax=(1400)−(FFF)=(401) ・・・(式16)
赤色信号係数をKrと青色信号係数を0.3とすると
YH=0.3×(401)+0.3×(401)=(267)・・・(式17)
算出したYHからR’信号、G’信号、B’信号を生成すると下記となる。
R’=R−(R−Lmax)+YH=(1266) ・・・(式18)
G’=G+YH=(1266) ・・・(式19)
B’=B−(B−Lmax)+YH=(1266) ・・・(式20)
上記の算出した結果から補正信号e、d、cは下記となり、図示したのが図3(2)の左から3番目の図である。
e=R’ −R=(1266)−(1400)=−(19A) ・・・(式21)
d=G’ −G=(1266)−(FFF)=(267) ・・・(式22)
c=B’ −B=(1266)−(1400)=−(19A) ・・・(式23)
R信号は加算部101で補正信号eと加算されR’信号となる。G信号は加算部102で補正信号dと加算されG’信号となる。B信号は加算部103で補正信号cと加算されB’信号となる。これを図示したのが図3(2)の右端の図であり、算出式が(式24)〜(式26)である。
R’=R+e=(1266) ・・・(式24)
G’=G+d=(1266) ・・・(式25)
B’=B+c=(1266) ・・・(式26)
次の一実施例として図4(1)の左端の図は、色の付いた被写体を撮影し、レンズ部2の図示していない絞りを調整した場合の色分離部7の出力信号を表した図である。アンプ部5の利得は0dBの場合である。ここでg信号のみが飽和レベルに達しているとする。色分離部7のr信号出力は(380)、g信号レベルは(800)、b信号出力は(800)である。
次に、CCD撮像素子3から出力される信号の感度差を補正するため、ホワイトバランス調整を施す。ホワイトバランス調整はアンプ部8〜10の利得調整で行う。g信号は比率が1であるため、アンプ部9の利得は1である。r信号は比率が0.5であるため、アンプ部8の利得は逆数の2となる。r信号はアンプ部8で増幅され(700)がR信号として出力される。g信号はアンプ部9の利得が1であるため、入力と同じ(800)がG信号として出力される。b信号は比率が0.625であるため、アンプ部10の利得は逆数の1.6となる。b信号はアンプ部10で増幅され(CCD)がB信号として出力される。これを図示したのが図4(1)の左から2番目の図である。
次に、図2のレベル補正部11の動作について説明する。
R信号,G信号,B信号をレベル補正部11に入力する。レベル検出部104は入力したG信号がA/D変換部6の出力で飽和レベルの(800)であるかを検出する。検出の結果、入力したG信号が(800)未満である場合は補正信号生成部105から0(ゼロ)の補正信号を出力する。レベル検出部104は図4(1)の左から2番目の図からG信号レベルが(800)であることを検出し、補正信号生成部105で補正信号を生成する。補正信号は、輝度信号YHは(式1)を基に生成する。
R−LmaxとB−Lmaxを算出すると下記となる。
R−Lmax=(700)−(800)=−(100) ・・・(式27)
B−Lmax=(CCD)−(800)=(4CD) ・・・(式28)
(式27)の算出結果がマイナス値となったため、0(ゼロ)に置き換える。
赤色信号係数をKrと青色信号係数を0.3とすると
YH=0.3×(0)+0.3×(4CD)=(171) ・・・(式29)
算出したYHからR’信号、G’信号、B’信号を生成すると下記となる。
R’=R−(R−Lmax)+YH=(7AB) ・・・(式30)
G’=G+YH=(8AB) ・・・(式31)
B’=B−(B−Lmax)+YH=(8AB) ・・・(式32)
上記の算出した結果から補正信号e、d、cは下記となり、図示したのが図4(1)の左から3番目の図である。
e=R’ −R=(7AB)−(700)=(171) ・・・(式33)
d=G’ −G=(8AB)−(800)=(171) ・・・(式34)
c=B’ −B=(8AB)−(CCD)=−(422) ・・・(式35)
R信号は加算部101で補正信号eと加算されR’信号となる。G信号は加算部102で補正信号dと加算されG’信号となる。B信号は加算部103で補正信号cと加算されB’信号となる。これを図示したのが図4(1)の右端の図であり、算出式が(式36)〜(式38)である。
R’=R+e=(7AB) ・・・(式36)
G’=G+d=(8AB) ・・・(式37)
B’=B+c=(8AB) ・・・(式38)
色の付いた被写体を撮影した場合、若干色相がずれる可能性もあるが、高輝度部分に対してレベル補正を施しているため、実用上は問題とならない。

次の一実施例として図4(2)の左端の図は、色の付いた被写体を撮影し、レンズ部2の図示していない絞りを調整した場合の色分離部7の出力信号を表した図である。アンプ部5の利得は6dBの場合である。ここでg信号のみが飽和レベルに達しているとする。色分離部7のr信号出力は(700)、g信号レベルは(FFF)、b信号出力は(FFF)である。
次に、CCD撮像素子3から出力される信号の感度差を補正するため、ホワイトバランス調整を施す。ホワイトバランス調整はアンプ部8〜10の利得調整で行う。g信号は比率が1であるため、アンプ部9の利得は1である。r信号は比率が0.5であるため、アンプ部8の利得は逆数の2となる。r信号はアンプ部8で増幅され(E00)がR信号として出力される。g信号はアンプ部9の利得が1であるため、入力と同じ(FFF)がG信号として出力される。b信号は比率が0.625であるため、アンプ部10の利得は逆数の1.6となる。b信号はアンプ部10で増幅され(1998)がB信号として出力される。これを図示したのが図4(2)の左から2番目の図である。
次に、図2のレベル補正部11の動作について説明する。
R信号,G信号,B信号をレベル補正部11に入力する。レベル検出部104は入力したG信号がA/D変換部6の最大出力レベルの(FFF)であるかを検出する。検出の結果、入力したG信号が(FFF)未満である場合は補正信号生成部105から0(ゼロ)の補正信号を出力する。レベル検出部104は図4(2)の左から2番目の図からG信号レベルが(FFF)であることを検出し、補正信号生成部105で補正信号を生成する。補正信号は、輝度信号YHは(式1)を基に生成する。
R−LmaxとB−Lmaxを算出すると下記となる。
R−Lmax=(E00)−(FFF)=−(1FF) ・・・(式39)
B−Lmax=(1998)−(FFF)=(999) ・・・(式40)
(式39)の算出結果がマイナス値となったため、0(ゼロ)に置き換える。
赤色信号係数をKrと青色信号係数を0.3とすると
YH=0.3×(0)+0.3×(999)=(2E1) ・・・(式41)
算出したYHからR’信号、G’信号、B’信号を生成すると下記となる。
R’=R−(R−Lmax)+YH=(10E1) ・・・(式42)
G’=G+YH=(12E0) ・・・(式43)
B’=B−(B−Lmax)+YH=(12E0) ・・・(式44)
上記の算出した結果から補正信号e、d、cは下記となり、図示したのが図4(2)の左から3番目の図である。
e=R’ −R=(10E1)−(E00)=(2E1) ・・・(式45)
d=G’ −G=(12E0)−(FFF)=(2E1) ・・・(式46)
c=B’ −B=(1998)−(12E0)=−(6B8) ・・・(式47)
R信号は加算部101で補正信号eと加算されR’信号となる。G信号は加算部102で補正信号dと加算されG’信号となる。B信号は加算部103で補正信号cと加算されB’信号となる。これを図示したのが図4(2)の右端の図であり、算出式が(式48)〜(式50)である。
R’=R+e=(10E1) ・・・(式48)
G’=G+d=(12E0) ・・・(式49)
B’=B+c=(12E0) ・・・(式50)
色の付いた被写体を撮影した場合、若干色相がずれる可能性もあるが、高輝度部分に対してレベル補正を施しているため、実用上は問題とならない。
レベル補正部11のレベル補正をCPU(Central Processing Unit)等の電算機を使用して補正しても良い。
レベル補正部11のレベル補正は、定格レベルを超えた高輝度部分に施すため、見かけ上のダイナミックレンジが広がる。
本発明の他の一実施例について説明する。
輪郭強調について図1、図5、図6を用いて説明する。図5は本発明の他の一実施例の輪郭強調部12の詳細内容を示すブロック図であり、図6は本発明の他の一実施例である輪郭強調の動作を説明するためのフローチャートである。
図6において、201〜203および207〜209は1走査線分を遅延させる遅延部、204〜206は映像信号と輪郭信号を加算する加算部、210はR’信号から垂直の輪郭信号を生成する垂直輪郭信号生成部、211はG’ 信号から垂直の輪郭信号を生成する垂直輪郭信号生成部、212はB’ 信号から垂直の輪郭信号を生成する垂直輪郭信号生成部、213は水平の輪郭信号を生成する水平輪郭信号生成部、214は1走査線分を遅延させたR’信号、G’ 信号、B’ 信号のレベルを検出するレベル検出部、215は垂直輪郭信号生成部210〜212と水平輪郭信号生成部213で生成した輪郭信号を選択または所定の比率で混合する輪郭信号混合部、216はCPU16から出力される制御信号Cからレベル検出部214を制御する制御信号fと輪郭信号混合部215を制御する制御信号hを出力する制御部である。
次に輪郭強調部12の動作について図5と図6を用いて説明する。
図6のステップS60でG’ 信号の飽和レベルの設定と水平輪郭強調をするための遅延時間の初期設定を制御部216に行う。ステップ61でアンプ部5の利得に応じてG’信号の飽和レベル値を設定する。ステップS62で輪郭強調部12にR’信号、G’ 信号、B’ 信号を入力する。ステップS63でレベル検出部214において入力したG’ 信号が飽和レベルかを判定する。G’ 信号が飽和レベルの場合はステップS64の処理に進み、G’ 信号が飽和レベル未満の場合はステップS65の処理に進む。ステップS64で垂直輪郭信号生成部210から出力されるR’ 垂直輪郭信号と、垂直輪郭信号生成部212から出力されるB’ 垂直輪郭信号と、水平輪郭信号生成部213から出力されるR’ 水平輪郭信号とB’ 水平輪郭信号を輪郭信号混合部215に入力し、輪郭信号混合部215で水平および垂直の輪郭信号jを生成し、ステップS66の処理に進む。ステップS65で垂直輪郭信号生成部211から出力されるG’ 垂直輪郭信号と、G’ 水平輪郭信号を輪郭信号混合部215に入力し、輪郭信号混合部215で水平および垂直の輪郭信号jを生成し、ステップS66の処理に進む。ステップS66で輪郭信号jを加算部204〜206に入力し、ステップS67の処理に進む。ステップS67で加算部204は1走査線分を遅延させたR’信号と輪郭信号jを加算してR”信号として出力する。加算部205は1走査線分を遅延させたG’信号と輪郭信号jを加算してG”信号として出力する。加算部206は1走査線分を遅延させたB’信号と輪郭信号jを加算してB”信号として出力し、ステップS61の処理に戻る。
本発明の他の一実施例の輪郭強調は、緑色信号が飽和レベルに達しているか否かで輪郭強調信号を生成する色信号を変える。このことにより、定格レベルを超えた赤色映像信号、緑色映像信号および青色映像信号の高輝度部分により多くの輪郭強調が施されるため、見かけ上のダイナミックレンジが広がる。
本発明の他の一実施例の輪郭強調は、レベル補正部11でレベル補正を施さなくても良い。
更に他の一実施例の輪郭強調について図7と図8を用いて説明する。
図7は本発明の更に他の一実施例の撮像装置を示すブロック図であり、図8は本発明の更に他の一実施例の輪郭強調信号生成部30の詳細内容を示すブロック図である。
図7において、30はA/D変換部6から出力されるデジタル信号ADから輪郭強調信号DTLを生成する輪郭強調信号生成部、17はレベル補正部11から出力されるR’信号に輪郭強調信号生成部から出力される郭強調信号DTLを加算してR”信号を出力する加算部、18はレベル補正部11から出力されるG’信号に輪郭強調信号生成部から出力される郭強調信号DTLを加算してG”信号を出力する加算部、19はレベル補正部11から出力されるB’信号に輪郭強調信号生成部から出力される郭強調信号DTLを加算してB”信号を出力する加算部である。その他のブロックは図1と動作が同じため説明を省略する。
図8において、31はA/D変換部6から出力されるデジタル信号ADから水平および垂直の輪郭強調用輝度信号を生成する輪郭強調用輝度信号部、32は輪郭強調用輝度信号部31から出力する水平輪郭強調用輝度信号から所定周波数帯域の信号を通過させて水平輪郭信号を生成する水平信号BPF(Band Pass Filter)、33は輪郭強調用輝度信号部31から出力する垂直輪郭強調用輝度信号から所定周波数帯域の信号を通過させて垂直輪郭信号を生成する垂直信号BPF(Band Pass Filter)、34は水平信号BPFから出力される水平輪郭信号と垂直信号BPFから出力される垂直輪郭信号を混合して輪郭強調信号DTLを出力する輪郭信号混合部、35はデジタル信号ADのレベルを検出するレベル検出部、36はCPU16から出力される制御信号Cを入力して輪郭強調信号生成部30内の制御を行う制御部である。
次に輪郭強調信号生成部30の動作について、図7と図8を用いて説明する。
図7のA/D変換部6から出力されたデジタル信号ADは輪郭強調用輝度信号部31とレベル検出部35に入力する。レベル検出部35は入力されたデジタル信号ADの中の緑色信号が飽和レベルかを判定し、判定結果を輪郭強調用輝度信号部31に出力する。輪郭強調用輝度信号部31はレベル検出部35の判定結果に基づき、緑色信号が飽和レベル未満の場合は緑色信号を基に水平輪郭強調用輝度信号と垂直輪郭強調用輝度信号を生成し、水平輪郭強調用輝度信号は水平信号BPF32に出力し、垂直輪郭強調用輝度信号は垂直信号BPF33に出力する。輪郭強調用輝度信号部31はレベル検出部35の判定結果で、緑色信号が飽和レベルの場合は赤色信号と青色信号を基に水平輪郭強調用輝度信号と垂直輪郭強調用輝度信号を生成し、水平輪郭強調用輝度信号は水平信号BPF32に出力し、垂直輪郭強調用輝度信号は垂直信号BPF33に出力する。レベル検出部35に緑色信号の飽和レベル値は予めCPU16に記憶しておき、CPU16から出力する制御信号Cに飽和レベル値を重畳して制御部36経由で設定する。水平信号BPF32は入力された水平輪郭強調用輝度信号から制御部36から設定された周波数帯域の信号のみを通過させて水平輪郭信号を生成して輪郭信号混合部34に出力する。垂直信号BPF33は入力された垂直輪郭強調用輝度信号から制御部36から設定された周波数帯域の信号のみを通過させて垂直輪郭信号を生成して輪郭信号混合部34に出力する。輪郭信号混合部34は入力された水平輪郭信号と垂直輪郭信号を制御部36から設定された混合比率と増幅率で混合増幅して生成した輪郭強調信号DTLを出力する。図7の加算部17は、R’信号と輪郭強調信号DTLを加算してR”信号を出力する。加算部18は、G’信号と輪郭強調信号DTLを加算してG”信号を出力する。加算部19は、B’信号と輪郭強調信号DTLを加算してB”信号を出力する。
本発明の更に他の一実施例の輪郭強調は、緑色信号が飽和レベルに達しているか否かで輪郭強調信号を生成する色信号を変える。このことにより、定格レベルを超えた赤色映像信号、緑色映像信号および青色映像信号の高輝度部分により多くの輪郭強調が施されるため、見かけ上のダイナミックレンジが広がる。
上述の実施例により単板方式のカラーテレビジョンカメラにおいて、出力する映像信号の高い信号対雑音比(S/N)と広いダイナミックレンジの両立が実現できる。
上述の設定値や調整値に所定の許容値を持たせて良いことは言うまでもない。
また、上述の実施例のCCD撮像素子3は、画素に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色フィルタを被覆した撮像素子で説明したが、色フィルタに原色の緑色(G)および補色のシアン(Cy)、黄色(Ye)、マゼンタ(Mg)を被覆した撮像素子にも適用することができる。
さらに、上述の実施例ではCCD固体撮像素子で説明したが、CCD以外の撮像素子や撮像管にも適用することができる。
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載されたテレビジョンカメラに限定されるものではなく、上記以外のテレビジョンカメラに広く適用することができることは言うまでもない。
また、本発明のテレビジョンカメラは広いダイナミックレンジであるため、検査装置や顕微鏡等に使用した場合、被写体の高輝度部分を鮮明な画像にすることができる。
本発明の一実施例の撮像装置を示すブロック図。 本発明の一実施例のレベル補正部を示すブロック図。 本発明の一実施例の白の被写体撮像時のレベル補正を説明するための図。 本発明の一実施例の色の付いた被写体撮像時のレベル補正を説明するための図。 本発明の他の一実施例の輪郭強調部を示すブロック図。 本発明の他の一実施例である輪郭強調の動作を説明するためのフローチャート。 本発明の更に他の一実施例の撮像装置を示すブロック図。 本発明の更に他の一実施例の輪郭強調信号生成部を示すブロック図。
符号の説明
1:撮像装置、2:レンズ部、3:CCD撮像素子、4:CDS部、5,8,9,10:アンプ部、6:A/D変換部、7:色分離部、11:レベル補正部、12:輪郭強調部、13:映像信号出力部、14:CCD駆動部、15:レベル比較部、16:CPU、30:輪郭強調信号生成部、31:輪郭強調用輝度信号生成部、32:水平信号BPF、33:垂直信号BPF、17,18,19,101,102,103:加算部、104:レベル検出部、105:補正信号生成部、106:制御部、201,202,203,207,208,209:遅延部、204,205,206:加算部、210,211,212:垂直輪郭信号生成部、213:水平輪郭信号生成部、35,214:レベル検出部、34,215:輪郭信号混合部、36,216:制御部。

Claims (4)

  1. 異なる複数の色フィルタが配置された固体撮像素子を用いた撮像装置において、
    前記固体撮像素子から出力される複数の色信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段と、前記増幅手段で増幅した複数の色信号を色信号毎に分離する分離手段と、前記分離した複数の色信号に白バランス調整を施す白バランス調整手段と、前記白バランス調整を施こした複数の色信号から前記増幅手段の増幅率に応じて飽和レベルを検出するレベル検出手段と、前記レベル検出手段で飽和レベルを検出した色信号と異なる他の色信号から補正信号を生成する補正信号生成手段と、前記白バランス調整を施こした複数の色信号に前記補正信号生成手段で生成した補正信号を加算する第1の加算手段を備えたことを特徴とする画像信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像信号処理装置において、
    更に輪郭強調手段と第2の加算手段を備え、前記輪郭強調手段は前記レベル検出手段で飽和レベルを検出した色信号と異なる他の色信号から輪郭強調信号を生成し、前記複数の色信号に前記輪郭強調信号を前記第2の加算手段で加算することを特徴とする画像信号処理装置。
  3. 異なる複数の色フィルタが配置された固体撮像素子を用いた撮像装置において、
    前記固体撮像素子から出力される複数の色信号を所定の増幅率で増幅し、該増幅した複数の色信号を色信号毎に分離し、該分離した複数の色信号に白バランス調整を施し、該白バランス調整を施こした複数の色信号から前記増幅率に応じて飽和レベルを検出し、該飽和レベルを検出した色信号と異なる他の色信号から補正信号を生成し、前記白バランス調整を施こした複数の色信号に前記補正信号を加算することを特徴とする画像信号処理方法。
  4. 請求項3に記載の画像信号処理方法において、
    更に前記飽和レベルを検出した色信号と異なる他の色信号から輪郭強調信号を生成し、前記複数の色信号に前記輪郭強調信号を加算することを特徴とする画像信号処理方法。
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