JP4979297B2 - 栽培トレーを用いた野菜栽培方法及び栽培ユニット - Google Patents

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本発明は、葉野菜やハーブなどを栽培トレーを用いて栽培する野菜栽培方法及び栽培ユニットに関するものである。
葉野菜やハーブ、すなわちターサイ、ミズナ、オークリーレタス、ガーデンレタス、ホウレンソウ、コマツナ、ルッコラ、グリーンマスタード、レッドビート、レッドマスタード、デトロイト、ケールなどの幼葉はベビーリーフと総称されるが、ベビーリーフの栽培には、多数の植え込み部を設けた栽培トレーを用いて栽培する方法や育苗ポットを用いる方法がある。
ベビーリーフなどの栽培に、枠状ケースに縦横方向に整列させた育苗ポットを用い、整列させた育苗ポットを枠状ケースから選択的に抜き取る方法は、特開2002−136228号公報に、搬送可能な栽培ユニットを多数用いる方法は、特開平9−47170号公報に、育苗室に多数の可動枠を配列する移動式作物栽培方法は、特開平6−276869号公報に、個々に分離可能な鉢体を多数連接集合させた育苗移植栽培方法は、特開平7−308125号公報に、水耕栽培において栽培間隔を調整できるようにした装置は、特開2000−106775号公報にそれぞれ記載されている。
特開2002−136228号公報 特開平9−47170号公報 特開平6−276869号公報 特開平7−308125号公報 特開2000−106775号公報
栽培トレーを用いたベビーリーフの栽培においては、トレーの栽培面に均等に播種して発芽生育させるが、生育が進むにしたがって最適な栽培間隔を保つ必要があるため、適時に間引きをしなければならないが、そのための作業は手間がかかるうえ非効率的でもあり、また間引いたものはそのほとんどが廃棄処分されて有効利用が図られていないのが実情である。
従来、栽培トレーを用いた野菜栽培方法において、生育の途中での間引き作業を簡素化する手段としては、例えば特開2002−136228号公報において紹介されているように、栽培ポットを集団で抜き取る方法や1つずつ抜き取る方法が知られているが、そのための装置は構成が複雑であって取扱いも容易でないなどの難点がある。
そこで本発明は、形状、寸法及び構成が全く同等で等間隔複数列及びそれと交差する等間隔複数列の一方を奇数列かつ他方列を偶数列としてその等間隔複数列とそれと交差する等間隔複数列との交わる点に植え込み部と抜き孔とを何れの方向にも交互に設けた栽培トレーを互いに180°反転させて2枚重ねにして、重ね合わせた上の栽培トレーの植え込み部を下の栽培トレーの抜き孔に挿通するとともに下の栽培トレーの植え込み部を上の栽培トレーの抜き孔から露出させて集合栽培ユニットを形成し、この集合栽培ユニットに播種した後、次いで適時に上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培ユニットとして野菜の生育を続けることにより、播種後の栽培過程における間引き作業が簡便迅速にでき、また間引き分についても同等の栽培条件下で栽培して完全な有効利用を図るとともに栽培効率を大きく向上させることができる栽培トレーを用いた野菜栽培方法及びそれに用いる栽培ユニットを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための請求項1に係る発明は、形状、寸法及び構成が全く同等の2枚の栽培トレーを用いて野菜を生育させる野菜栽培方法であって、栽培に用いる栽培トレーは、等間隔複数列及びそれと交差する等間隔複数列の一方を奇数列かつ他方列を偶数列としてその等間隔複数列とそれと交差する等間隔複数列との交わる点に植え込み部と抜き孔とを何れの方向にも交互に設けてあり、この栽培トレーを互いに180°反転させて2枚重ねにして、重ね合わせた上の栽培トレーの植え込み部を下の栽培トレーの抜き孔に挿通するとともに下の栽培トレーの植え込み部を上の栽培トレーの抜き孔から露出させて栽培ユニットを形成し、この栽培ユニットに播種した後、次いで適時に上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培トレーに分離して野菜の生育を続けること
を特徴とする栽培トレーを用いた野菜栽培方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1の形状、寸法及び構成が全く同等の2枚の栽培トレーを用いて野菜を生育させる野菜栽培方法に用いる栽培ユニットであって、
栽培に用いる栽培トレーは、等間隔複数列及びそれと交差する等間隔複数列の一方を奇数列かつ他方列を偶数列としてその等間隔複数列とそれと交差する等間隔複数列との交わる点に植え込み部と抜き孔とを何れの方向にも交互に設けてあり、この栽培トレーを互いに180°反転させて2枚重ねにして、重ね合わせた上の栽培トレーの植え込み部を下の栽培トレーの抜き孔に挿通するとともに下の栽培トレーの植え込み部を上の栽培トレーの抜き孔から露出させた集合栽培ユニットを形成し、この集合栽培ユニットは、上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培トレーに分離できるように構成されていることを特徴とする栽培トレーを用いた野菜栽培に用いる栽培ユニットである。
本発明によれば、形状、寸法及び構成が全く同等で等間隔複数列及びそれと交差する等間隔複数列の一方を奇数列かつ他方列を偶数列としてその等間隔複数列とそれと交差する等間隔複数列との交わる点に植え込み部と抜き孔とを何れの方向にも交互に設けた栽培トレーを互いに180°反転させて2枚重ねにして、重ね合わせた上の栽培トレーの植え込み部を下の栽培トレーの抜き孔に挿通するとともに下の栽培トレーの植え込み部を上の栽培トレーの抜き孔から露出させて集合栽培ユニットを形成し、この集合栽培ユニットに播種した後、次いで適時に上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培ユニットとして野菜の生育を続けることにより、播種後の栽培過程における間引き作業が簡便迅速にでき、また間引き分についても同等の栽培条件下で栽培して完全な有効利用を図るとともに栽培効率を大きく向上させることができる効果が得られる。
図1は本発明に係る栽培トレーを用いた野菜の栽培方法の実施に用いる栽培トレーの斜視図、図2は図1に示す栽培トレーを2枚重ねにして構成した栽培ユニットの斜視図、図3は図2に示す栽培ユニットの播種して発芽した状態を示す斜視図、図4は図3に示す状態から上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培ユニットとして野菜の生育を続ける状態を示す斜視図、図5は図2、図3に示す栽培ユニットの一部断面図、図6は本発明に係る栽培トレーを用いた野菜栽培方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、栽培に用いる栽培トレー1は、左端A及び右端B方向の等間隔複数列と、それと交差する前端C及び後端D方向の等間隔複数列との交わる点に植え込み部2と抜き孔3とを何れの方向にも1つおき交互に一体に設けてある。植え込み部2は上端が開口した鉢状の凹部であり、その底面には灌水孔13が備えられている。この灌水孔13は植込み部2内部への灌水、排水を促すものでありその形状は円形の孔や、図5に示すようにその底面と側面の一部に及ぶ薄幅の溝形状であるとよい。抜き孔3は植え込み部2の開口面に対応する大きさの透孔である。栽培トレー1には、その左右端に手掛け部4、4が形成されている。
本発明に係る栽培トレーを用いた野菜栽培方法においては、図2に示すように、前記栽培トレー1を2枚重ねにして栽培ユニット5を構成して用いるが、重ね合わせた上の栽培トレー1と下の栽培トレー11は、その形状、寸法及び構成が全く同等のものである。栽培ユニット5は、上の栽培トレー1の植え込み部2を下の栽培トレー11の抜き孔3に挿通するとともに下の栽培トレー11の植え込み部2を上の栽培トレー1の抜き孔3から露出させるようにし、そして栽培トレー1の裏面と栽培トレー11の表面が密着して重ね合わせて構成されている(図5参照)。
図1に示すように、栽培トレー1、11は、その左端A及び右端B方向の等間隔複数列を5列に、前端C及び後端D方向の等間隔複数列を10列のものであるが、上の栽培トレー1と下の栽培トレー11とも形状、寸法及び構成が全く同等のものであるから、上の栽培トレー1を下の栽培トレー11にズレを生じさせることなく重ね合わせるには、栽培トレー1、11の等間隔複数列及びそれと交差する等間隔複数列の一方を奇数列かつ他方列を偶数列に構成する必要があり、上の栽培トレー1を下の栽培トレー11に重ね合わせるには、上の栽培トレー1をその左右端A、Bを図1に示すように180°反転させて重ね合わせれば、図2に示すようにズレを生じさせることなく一面状の栽培ユニット5を構成することができる。
図2に示すように構成した栽培ユニット5には、図3に示すようにその全体にわたって均等に播種して発芽を待ち、図4に示すように上の栽培トレー1を下の栽培トレー11から離脱させてそれぞれの栽培トレー1、11に分離して野菜の生育を続けるが、分離された栽培トレー1、11は、それぞれの植え込み部2の間隔が抜き孔3を挟んで離れているので、それぞれの栽培トレー1、11では何れも間引きを施した状態で良好に生育を続けられる。
本発明は、栽培トレー11の上方から栽培トレー1を重ね合わせて灌水ベンチ10に配置しているので栽培トレー1の植込み部2の底面は灌水ベンチ10の表面から僅かに浮いた状態となり、一方栽培トレー11の植込み部2の底面は灌水ベンチ10の表面に密着した状態になるが、図5に示すように植込み部2の底面と側面の一部に及ぶ薄幅の溝形状の灌水孔13を備えていることにより灌水ベンチ10の表面に栽培トレー11の植込み部2の底面が密着しても良好に灌水や排水を行うことが可能であり栽培トレー1と栽培トレー11を重ね合わせても双方とも同一の栽培環境にすることが可能になるため良好な生育を行うことができる。
本発明に係る栽培トレー1を用いた野菜栽培方法の一態様を図6に示す。図6に示すように、上の栽培トレー1を下の栽培トレー11に重ね合わせて栽培ユニット5を構成し、栽培ユニット5の全面にわたっている植え込み部2に、培土機6によりピートモスなどの床土を充填し(1〜2)、次いで栽培ユニット5に、播種機7により均等に播種する(3)。播種した栽培ユニット5は棚台車8に積載し(4)、発芽室9で発芽させる(5)。発芽後は発芽室9から棚台車8を搬出して(6)、棚台車8に積載されている栽培ユニット5を降ろし(7)、上の栽培トレー1を下の栽培トレー11から分離させたうえ(8)、栽培トレー1、11をともに灌水ベンチ10に配列して(9)、栽培室12でともに生育させた後(10)、栽培室12から搬出して(11)、栽培した野菜を収穫する(12)。尚、これらの一連の行程は栽培ハウス内で行ってもよい。
本発明に係るトレーを用いた野菜栽培方法及び栽培ユニットは、特にベビーリーフの単種栽培はもとより混種栽培にも適しているが、広く種々の野菜や花卉の幼苗の生産などにも好適である。よって、本発明に係る野菜栽培方法及び栽培ユニットは、広範囲にわたる利用可能性が期待できるものである。
本発明に係る栽培トレーを用いた野菜の栽培方法の実施に用いる栽培トレーの斜視図である。 図1に示す栽培トレーを2枚重ねにして構成した栽培ユニットの斜視図である。 図2に示す栽培ユニットの播種して発芽した状態を示す斜視図である。 図3に示す状態から上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培ユニットとして野菜の生育を続ける状態を示す斜視図である。 図2、図3に示す栽培トレーを2枚重ねにして構成した栽培ユニットの一部断面図である。 本発明に係る栽培トレーを用いた野菜栽培方法を示すフローチャートである。
1、11 栽培トレー
2 植え込み部
3 抜け穴
4、4 手掛け部
5 栽培ユニット
6 培土機
7 播種機
8 棚台車
9 発芽室
10 灌水ベンチ
12 栽培室
13 灌水孔
A 左端
B 右端
C 前端
D 後端

Claims (2)

  1. 形状、寸法及び構成が全く同等の2枚の栽培トレーを用いて野菜を生育させる野菜栽培方法であって、
    栽培に用いる栽培トレーは、等間隔複数列及びそれと交差する等間隔複数列の一方を奇数列かつ他方列を偶数列としてその等間隔複数列とそれと交差する等間隔複数列との交わる点に植え込み部と抜き孔とを何れの方向にも交互に設けてあり、
    この栽培トレーを互いに180°反転させて2枚重ねにして、重ね合わせた上の栽培トレーの植え込み部を下の栽培トレーの抜き孔に挿通するとともに下の栽培トレーの植え込み部を上の栽培トレーの抜き孔から露出させて栽培ユニットを形成し、
    この栽培ユニットに播種した後、
    次いで適時に上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培トレーに分離して野菜の生育を続けること
    を特徴とする栽培トレーを用いた野菜栽培方法。
  2. 請求項1の形状、寸法及び構成が全く同等の2枚の栽培トレーを用いて野菜を生育させる野菜栽培方法に用いる栽培ユニットであって、
    栽培に用いる栽培トレーは、等間隔複数列及びそれと交差する等間隔複数列の一方を奇数列かつ他方列を偶数列としてその等間隔複数列とそれと交差する等間隔複数列との交わる点に植え込み部と抜き孔とを何れの方向にも交互に設けてあり、
    この栽培トレーを互いに180°反転させて2枚重ねにして、重ね合わせた上の栽培トレーの植え込み部を下の栽培トレーの抜き孔に挿通するとともに下の栽培トレーの植え込み部を上の栽培トレーの抜き孔から露出させた集合栽培ユニットを形成し、
    この集合栽培ユニットは、上の栽培トレーを下の栽培トレーから離脱させてそれぞれの栽培トレーに分離できるように構成されていること
    を特徴とする栽培トレーを用いた野菜栽培に用いる栽培ユニット。
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