JPH0636680Y2 - ポリ鉢用トレー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は草花等の苗が植えられたポリ鉢を運搬したり、
或は店頭や展示場に並べて苗の販売用に用いるものであ
り、特に苗が生育して左右，前後が狭くなり、苗同志が
触れ合う際に、ポリ鉢の間引き作業を簡単に、且つ一つ
の枠体の間引きを一度に行うことが出来るポリ鉢用トレ
ーに関する。

（従来の技術） 従来のポリ鉢用トレーは、枠体を多数の縦リブ及び横リ
ブを等間隔に直交させて方形を呈する多数のコマに区画
し、この各コマの下部には、下方へ行くに従って狭くな
る有底の収納ポットを設けた構造のものが大半である。

近年においては苗の生長に必要な通風や日照を確保する
ために、ポリ鉢の間引き作業を行わず、ポリ鉢を収納す
る間隔を広げることが可能である特願昭和59年132826号
「ポット苗の育苗器」が開示されており、これは全体が
紙製せしかも折り畳み自在にさせた構造のものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前記多数のコマに区画した従来ポリ鉢用
トレーは苗が生育すると、左右，前後が狭くなり苗同志
が触れ合うため、ポリ鉢を一つおきに手作業で引き抜い
て、他のポリ鉢用トレーに移動しなければならない。こ
の間引き作業は枠体内に収納した半数のポリ鉢を一つず
つ引き抜かなければならず、しかも、それを引き抜く時
には、他の苗が傷付かぬように気を使うため、面倒で且
つ大変な手間が掛かっていた。又、ポリ鉢を引き抜く
際、ポリ鉢は薄く且つ非常に変形し易く、隣の苗と手或
は苗同志が極めて接触し易いので、枝や茎を損傷させそ
の商品価値が低下する恐れもあった。

また前記特願昭和59年132826号は全体が紙製でしかも折
り畳み式になっているので、持ち上げると全体が折れ曲
がる。このため前記紙製育苗器に苗が植えられたポリ鉢
を入れて移動することは極めて困難であった。従って前
記紙製育苗器を固定して用いることは可能であるが、こ
れを草花等の苗が植えられたポリ鉢の運搬用に用いた
り、或はそれを店頭や展示場に並べて苗の販売用に用い
ることは出来ないのが現状である。

本考案は上段用枠体と下段用枠体と分離するだけで、草
花等の苗が植えられたポリ鉢の間引き作業を簡単に、且
つ一つの枠体の間引きを一度に行うことができ、その作
業が極めて効率良いポリ鉢用トレーを提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を消去するために本考案は成されたものであ
り、つまり、上段用枠体及び下段用枠体には、多数の縦
リブ及び横リブを等間隔に直交させて方形を呈する多数
のコマに区画し、該コマの下部には、その一つおきに、
下方へ行くに従って狭くなる有底の収納ポットを設ける
に当り、前記上段用枠体の上段用収納ポットは前記下段
用枠体の下段用収納ポットと一コマずつ逆にずらし、且
つ前記上段用収納ポットの高さは、少なくとも前記下段
用収納ポットの高さ以上とする構造と成し、前記上段用
収納ポットは前記下段用枠体と積重可能と成すと共に積
重した時に前記上段用収納ポット底面は前記下段用収納
ポット底面に達するものと成す。

（作用） 次に本考案の作用について説明する。予めポリ鉢用トレ
ーを使用するに当り、上段用枠体（１）を下段用枠体
（２）に積重させて置く（第１図参照）。先ず、この積
重した本考案品を必要数量用意し、区画された各コマ
（13）に、上方からポリ鉢（３）を入れる。すると前記
上段用収納ポット（14）と下段用収納ポット（24）との
全箇所にポリ鉢（３）が収納される［第３図（ａ）参
照］。この時、該各ポリ鉢（３）の上部は前記上段用枠
体（１）から同じ高さ分だけ出る。従って、この状態で
ポリ鉢（３）の土詰め作業は、機械に掛けて行うことが
可能となるのである。次に前記ポリ鉢（３）の内部に土
を入れ、各ポリ鉢（３）に苗を植え込む。そして下段用
枠体（２）を持ちながら運べば、全てのコマ（13），
（23）に収納したポリ鉢（３）の苗が一度に運べ、運搬
用として用いる一方、これを店頭や展示場に並べれば、
苗の販売用としても使用できる。また前記販売用として
並べた場合、多数のコマ（13）に区画したポリ鉢用トレ
ーで苗が生育すると、左右，前後が狭くなり苗同志が触
れ合い、商品価値を低下させないために苗の間引きを行
う必要がある。この時は、上段用枠体（１）を持ち上げ
て下段用枠体（２）と分離させることにより、従来の如
く変形し易いポリ鉢（３）を一々手に持たなくとも、上
段用収納ポット（14）に収納されたポリ鉢（３）全部が
下段用収納ポット（24）のポリ鉢（３）と分かれるの
で、間引き作業が一度に且つ簡単に出来るのである［第
２図，第３図（ｂ）参照］。その後、苗が大きくなって
も上段用枠体（１）と下段用枠体（２）とをそのまま店
頭等に並べるだけで草花の販売用として使用出来る。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
（１）は矩形状の上段用枠体であり、該上段用枠体
（１）には、多数の縦リブ（11）及び横リブ（12）を等
間隔に直交させ、方形を呈する多数のコマ（13）が区画
される。また区画されたコマ（13）の下部、つまり、縦
リブ（11）と横リブ（12）とが交叉する下部には、下方
へ行くに従って互いに狭くなる脚部（14a）が垂設され
ると共に、網状で方形を呈する底枠部（14b）の隅角を
前記脚部（14a）の下端に連結して形成した上段用収納
ポット（14）が一つおきに前記コマ（13）に設けられて
いる。（２）は矩形状の下段用枠体であり、これは多数
の縦リブ（21）と横リブ（22）とを等間隔に直交させて
方形を呈する多数のコマ（23）を形成し、区画したコマ
（23）の下部には、前記上段用収納ポット（14）と同様
な脚部（24a）と底枠部（24b）から成る下段用収納ポッ
ト（24）が一つおきに前記コマ（23）に設けられてい
る。この時、前記下段用収納ポット（24）を設けるに当
たり、前記上段用収納ポット（14）とは一コマずつ逆に
ずれ、上段用枠体（１）と下段用枠体（２）が積重され
た場合、区画されたコマ（13），（23）全部にポリ鉢
（３）を収納可能と成す。また前記収納ポット（14）の
高さは少なくとも前記下段用収納ポット（24）の高さ以
上とし、上段用枠体（１）と下段用枠体（２）が積重し
た場合、その底面が載置面に達する高さとする。尚、前
記上段用枠体（１），縦リブ（11），横リブ（12），上
段用収納ポット（14）が合成樹脂で一体に成形され、ま
た下段用枠体（２），縦リブ（21），横リブ（22），コ
マ（23），下段用収納ポット（24）も合成樹脂で一体に
成形されている。

（考案の効果） 本考案によれば次のような効果を有する。

上段用枠体（１）と下段用枠体（２）と分離させるだ
けで、ポリ鉢（３）の間隔が一度に広げられ、ポリ鉢
（３）の間引き作業が極めて簡単で効率が良くなる。

またポリ鉢（３）の間引き作業時、従来の如く手作業
で一つおきに引き抜く際に他の苗に手やポリ鉢（３）が
接触して苗を損傷することが無い。従って商品価値を低
下させる恐れも無くなる。

下段用枠体（２）を持てば上段用枠体（１）も同時に
運ばれ、苗の運搬用として使用出来る。

持ち運びが出来るので、苗の販売用として店頭や展示
場に並べて用いることが可能である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案に係る実施例を示す斜視図、第２図は分
解部品斜視図、第３図（ａ），（ｂ）は作用を示す説明
図である。 （１）……上段用枠体 （２）……下段用枠体 （11），（21）……縦リブ、（12），（22）……横リブ （13），（23）……コマ （14）……上段用収納ポット （24）……下段用収納ポット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上段用枠体（１）及び下段用枠体（２）に
   は、多数の縦リブ（11），（21）及び横リブ（12），
   （22）を等間隔に直交させて方形を呈する多数のコマ
   （13），（23）に区画し、該コマ（13），（23）の下部
   には、その一つおきに、下方へ行くに従って狭くなる有
   底の収納ポット（14），（24）を設けるに当り、前記上
   段用枠体（１）の上段用収納ポット（14）は前記下段用
   枠体（２）の下段用収納ポット（24）と一コマずつ逆に
   ずらし、且つ前記上段用収納ポット（14）の高さは、少
   なくとも前記下段用収納ポット（24）の高さ以上にした
   ことを特徴とするポリ鉢用トレー。