JP4975713B2 - 原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法 - Google Patents

原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4975713B2
JP4975713B2 JP2008287806A JP2008287806A JP4975713B2 JP 4975713 B2 JP4975713 B2 JP 4975713B2 JP 2008287806 A JP2008287806 A JP 2008287806A JP 2008287806 A JP2008287806 A JP 2008287806A JP 4975713 B2 JP4975713 B2 JP 4975713B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control rod
calculation
value
fuel
physical model
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008287806A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010112928A (ja
Inventor
名 哲 平 山
條 匡 志 東
藤 仁 佐
本 達 也 岩
Original Assignee
株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン filed Critical 株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
Priority to JP2008287806A priority Critical patent/JP4975713B2/ja
Priority to PCT/JP2009/068740 priority patent/WO2010053061A1/en
Priority to US13/128,605 priority patent/US8762115B2/en
Priority to TW098137608A priority patent/TWI457945B/zh
Publication of JP2010112928A publication Critical patent/JP2010112928A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4975713B2 publication Critical patent/JP4975713B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/20Design optimisation, verification or simulation
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C5/00Moderator or core structure; Selection of materials for use as moderator
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C7/00Control of nuclear reaction
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21DNUCLEAR POWER PLANT
    • G21D3/00Control of nuclear power plant
    • G21D3/001Computer implemented control
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

本発明は、原子炉の定期検査等の間に行われる燃料の移動計画の安全性を評価するシステム及びその方法に関する。
特に、本発明は、炉内で運転経験燃料の配置替えを行い、使用済み燃料を廃棄のために取り出し、新たに新燃料を装荷するような燃料移動計画に対して、短時間でかつ正確に安全性を評価することができる原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法に関する。
一般に、原子力発電所では、約1年に一度定期検査を行い、その際に燃料を交換する。燃料交換には、(1)全燃料を一度燃料プールに移動し、その後炉心設計により決定された燃料配置に従って、使用済燃料以外の運転経験燃料と新燃料とを配置する方法と、(2)使用済燃料を炉心から取出し、運転経験燃料はなるべく炉内の燃料移動で目標燃料配置になるように設置し、新燃料を装荷する方法とがある。
前者(1)の方法によれば、燃料を燃料プールに移動する際は、炉心外に燃料を取出すため、中性子源は減少する方向にあり、このため、設計条件により燃料交換前と交換後の炉心の未臨界が確保されていれば、燃料移動中の未臨界性は確保されていることになる。
しかし、この方法では、燃料は燃料交換機により一体ずつ移動されるので、後者の燃料交換方法に比べ燃料移動に要する時間が長くなる。
一方、後者(2)の方法によれば、再利用される燃料は炉内で移動されるため、前者(1)の方法に比べて燃料移動に要する時間は短くなる。
しかし、この方法では、炉内で燃料を移動する間に、ある移動ステップで反応度の高い燃料が局所的に集まる可能性があるため、このような反応度の高い燃料が局所的に集まっても、炉心の未臨界性を確保できるように、燃料移動手順を計画する必要がある。
原子力発電所の定期検査期間の短縮は、原子力発電所稼働率の向上につながり、経済性の面で非常に重要である。
後者(2)の燃料交換方法は、特に装荷燃料体数が多い炉心では、燃料の移動にかかる時間が短いという面では望ましいが、燃料の各移動ステップにおける炉心の未臨界性評価にかかる時間という面では問題となる。
ここで一般に、沸騰水型原子炉の未臨界性は、炉心シミュレーターによる炉停止余裕計算により評価される。炉停止余裕とは、挿入状態にある制御棒のうち最大の制御棒価値をもつ1本の制御棒が引抜けた場合でも確保できる未臨界度のことである。
ある制御棒についての制御棒価値とは、その制御棒が挿入状態にある炉心の実効増倍率と、その制御棒が引抜状態にある炉心の実効増倍率との差である。ただし、制御棒駆動機構の構造によっては、同時に引抜ける可能性のある制御棒の組の引抜ケースを考慮する場合もある。このような制御棒の組を「制御棒ペア」と本明細書では定義する。
本明細書において「制御棒価値」という場合には、制御棒一本が引き抜けた場合の該制御棒の制御棒価値の他、制御棒ペアの一組が引き抜けた場合の該制御棒ペアの制御棒価値を含む。
現在の炉心設計で使用される炉心シミュレーターの物理モデルとして、3次元3群モデルと、3次元修正1群モデルと、2次元3群モデルと、2次元修正1群モデル等がある。
3次元モデルとは、炉心を3次元(xyz方向)にメッシュで区切り、核熱水力結合計算をすることで炉心をシミュレートする物理モデルである。
3群モデルとは、中性子束をエネルギー状態によって、熱中性子束と、共鳴領域中性子束と、高速中性子束に分け、その各々を独立の変数とする物理モデルである。
修正1群モデルとは、高速中性子束を独立の変数とし、熱中性子束と高速中性子束の比を求め、炉心状態をシミュレートする物理モデルである。
2次元モデルとは、炉心を上から見て2次元(xy方向)にメッシュで区切り、核熱水力結合計算をすることで炉心をシミュレートする物理モデルである。しかし、2次元モデルでは、実際は3次元の炉心を核的に2次元に縮約するため、精度が非常に悪くなるケースがある。
すなわち、上記炉心シミュレーターの物理モデルにおいて、3次元3群モデル、3次元修正1群モデル、2次元3群モデル、2次元修正1群モデルの順番に炉心を詳細にシミュレートすることができる物理モデルとなっている。
近年、新設計燃料やMOX燃料への対応により、炉心シミュレーター物理モデル詳細化の流れの中にあり、燃料移動中の未臨界性評価にも、より詳細な物理モデルを適用することが望まれている。
ただし、詳細な物理モデルは計算に長い時間を要することになる。3次元モデルは2次元モデルよりも詳細な物理モデルであり、計算時間が長くなる。同様に、3群モデルは修正1群モデルよりも詳細な物理モデルであり、計算時間が長くなる。
燃料交換における全移動手順(移動ステップ)について炉停止余裕計算を行う場合、全移動ステップについて、その移動ステップの炉心状態と、その移動ステップで挿入状態にある各制御棒または制御棒ペアが炉心から1本または1組引抜けた炉心状態とを計算する。普通燃料交換のための移動ステップ数は燃料体数の1.5倍程度であり、制御棒本数は燃料体の0.25倍程度である。仮に燃料体数が872体であると仮定すると、移動ステップ数は約1,300ステップ、挿入制御棒本数は約200本となり、計算ケース数は約26万ケースとなる。この全ケースを3次元3群モデルで計算すると、計算に要する時間は数十日に及ぶ。
しかし、原子炉停止から燃料移動までの期間は通常3日程度であり、燃料移動手順作成に許される時間は、最大で2日程度であり、数十日の計算時間を要する炉停止余裕評価は許されない。
このため、従来は燃料移動計画システムの未臨界性評価モデルとして、簡易モデルや2次元モデルが採用されてきた。
特開平3−95491号公報 特開2005−121476号公報
ここで、炉心シミュレーターの未臨界性評価における核熱水力結合収束計算方法のおおまかな流れを図7を用いて説明する。
まず、炉水温度等の条件から核定数を算出する(ステップ700)。
次に、中性子束の反復計算のカウント数Cを1に初期設定する(ステップ701)。
次に、与えられた中性子束とステップ700で算出した核定数から、中性子源を算出する(ステップ702)。ここで、与えられる中性子束には、ステップ702が計算開始後初めての場合には初期値として与えられる中性子束を用い、そうでない場合には前回処理(C−1)の中性子束計算で算出した中性子束を用いる(ステップ702)。
次に、ステップ702で算出した中性子源とステップ701で算出した核定数から、中性子束を算出する(ステップ703)。
次に、中性子束の反復計算のカウント数Cが、設定反復回数に達したかどうかを判定し(ステップ704)、設定反復回数に達した場合はステップ703で算出した中性子束とステップ701で算出した核定数から、出力を算出する(ステップ705)。
中性子束の反復計算のカウント数Cが、設定反復回数に達していない場合は、中性子束の反復計算のカウント数Cを1カウントアップし、ステップ702からの処理を繰り返す。
次に、今回算出した出力と前回算出した出力とを比較し、収束判定を満たす場合は計算を終了し、収束判定を満たさない場合は、ステップ701からの処理を実施する。
特開平3−95491号公報には、燃料移動計画時の未臨界性評価の計算モデルとして、注目制御棒位置周り16バンドルを対象とした炉停止余裕評価方法が提案されているが、詳細な物理モデルによる評価ではないため、過度の保守性をとる必要があり、燃料移動の効率低下につながることがあった。また、適用する物理モデルの詳細性が低いため、燃料移動中に未臨界性を確保していることの説明性にも乏しい問題があった。
特開2005−121476号公報には、上記特開平3−95491号公報よりも詳細な物理モデルである2次元3群モデルによる未臨界性評価技術が提案されており、特開平3−95491号公報記載の技術よりも計算の精度が向上しているが、依然として2次元モデルによる計算では精度が悪くなるケースがあるため、簡易モデル同様に保守性をとる必要があり、燃料移動の効率化は充分とは言えなかった。
以上のように、精度よく短時間に炉停止余裕評価を行える未臨界性評価機構を備えた原子炉の燃料移動計画評価システム、及びその評価方法は従来提案されていなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、原子炉の定期検査等において、炉内で運転経験燃料の配置替えを行い、新燃料を装荷する方法による燃料移動計画に対して、短時間でかつ精度よく炉停止余裕評価を行うことができる原子炉の燃料移動計画評価システム及びその評価方法を提供することにある。
本発明の燃料移動計画評価システムは、
原子炉の燃料の移動手順を立案する燃料移動手順立案部と、
入力手段と、前記燃料移動手順立案部が立案した燃料移動手順を記憶管理する燃料移動手順データベースと、炉心シミュレーションによる計算を行うための物理モデルを記憶する炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースと、制御棒価値計算あるいは炉停止余裕計算を行う場合の計算条件を記憶する計算条件データベースとを有する入力設定部と、
前記燃料移動手順データベースから各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、各燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する制御棒価値計算手段を有する最大価値制御棒候補選出部と、
前記制御棒価値計算手段によって選出された最大価値制御棒候補を入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する炉停止余裕計算部と、
前記炉停止余裕計算部によって算出された炉停止余裕を入力し、原子炉の燃料移動計画に対する評価として出力あるいは記憶する手段を有する出力部と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の燃料移動計画評価システムは、
原子炉の燃料の移動手順を立案する燃料移動手順立案部と、
入力手段と、前記燃料移動手順立案部が立案した燃料移動手順を記憶管理する燃料移動手順データベースと、炉心シミュレーションによる計算を行うための物理モデルを記憶する炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースと、制御棒価値計算あるいは炉停止余裕計算を行う場合の計算条件を記憶する計算条件データベースとを有する入力設定部と、
前記燃料移動手順データベースから各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、注目している燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する制御棒価値計算手段を有する最大価値制御棒候補選出部と、
前記制御棒価値計算手段によって各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補が選出されると、各燃料移動ステップごとにその最大価値制御棒候補を入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する炉停止余裕計算部と、
前記炉停止余裕計算部によって算出された各燃料移動ステップの炉停止余裕を入力し、計算条件データベースから炉停止余裕の設計目標値を入力し、それらを比較することにより前記各燃料移動ステップが未臨界性を確保しているか否かを判定し、燃料移動ステップが未臨界性を確保していないと判断したときは、前記燃料移動手順立案部に対して、該燃料移動ステップまたは該燃料移動ステップの所定ステップ数前からの燃料移動ステップを再度立案する要求を出力する移動手順妥当性確認部と、
を有することを特徴とする。
前記最大価値制御棒候補選出部は、前記制御棒価値計算手段が制御棒価値を算出する際に使用する中性子束初期値を計算する中性子束初期値決定手段を有し、
前記中性子束初期値決定手段は、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから前記第一物理モデルに比して簡易な第三物理モデルを入力し、前記第三物理モデルにより、各燃料移動ステップにおいて全制御棒もしくは挿入可能な全制御棒が挿入された状態の中性子束を算出し、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから前記第三物理モデルに比してさらに簡易な第四物理モデルを入力し、前記第四物理モデルにより、注目している制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの中性子束を計算し、前記第四物理モデルによって算出した中性子束を用いて、前記第三物理モデルによって算出した前記制御棒が挿入された状態の中性子束に代数演算を施すことにより、中性子束初期値を決定する、ようにすることができる。
前記計算条件データベースは、セルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒は制御棒価値計算対象外であるという計算条件と、制御棒ペアに対して、2つのセルのうち燃料装荷体数が多い方のセルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒ペアは制御棒価値計算対象外であるという計算条件データを有し、
前記制御棒価値計算手段は、計算条件データベースから前記制御棒価値計算対象外の計算条件データを入力し、前記制御棒価値の計算対象外の制御棒または制御棒ペアについては、制御棒価値の計算を省略するようにすることができる。
前記計算条件データベースは、前記簡易な第四物理モデルによって計算された注目制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの炉心未臨界度が、設定未臨界度よりも大きい場合には、前記第二物理モデルによる制御棒価値の計算を省略するという計算条件データを有し、
前記制御棒価値計算手段は、前記計算条件データベースから前記制御棒価値計算を省略する計算条件データを入力し、前記第四物理モデルによって算出された炉心未臨界度が前記計算条件データの設定未臨界度よりも大きい場合には、制御棒価値の計算を省略するようにすることができる。
前記計算条件データベースは、出力の相対値が基準値以下の領域の制御棒または制御棒ペアの制御棒価値の計算の収束判定を緩和した計算条件データを有し、
前記制御棒価値計算手段は、前記計算条件データベースから収束判定緩和の計算条件データを入力し、出力の相対値が基準値以下の領域の収束判定を緩和するようにすることができる。
前記第一物理モデルと第二物理モデルはそれぞれ3次元3群モデルと3次元修正1群モデルであるようにすることができる。
前記第三物理モデルと第四物理モデルはそれぞれ3次元修正1群モデルと2次元修正1群モデルであるようにすることができる。
本発明による燃料移動計画評価方法は、
原子炉の燃料の移動手順を立案する段階と、
前記立案された各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、各燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する段階と、
前記算出された最大価値制御棒候補を入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する段階と、
前記算出された炉停止余裕を入力し、原子炉の燃料移動計画に対する評価として出力あるいは記憶する段階と、
を有することを特徴とする。
また、本発明による燃料移動計画評価方法は、
原子炉の燃料の移動手順を立案する段階と、
前記立案された各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、注目している燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する段階と、
前記各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補が選出されると、各燃料移動ステップごとにその最大価値制御棒候補を入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する段階と、
前記算出された各燃料移動ステップの炉停止余裕を入力し、炉停止余裕の設計目標値と比較することにより、前記各燃料移動ステップが未臨界性を確保しているか否かを判定し、燃料移動ステップが未臨界性を確保していないと判断したときは、該燃料移動ステップまたは該燃料移動ステップの所定ステップ数前からの燃料移動ステップを再度立案する段階と、
を有することを特徴とする。
前記各制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出する段階の前に、
前記第一物理モデルに比して簡易な第三物理モデルを入力し、前記第三物理モデルにより、各燃料移動ステップにおいて全制御棒もしくは挿入可能な全制御棒が挿入された状態の中性子束を算出する段階と、
前記第三物理モデルに比してさらに簡易な第四物理モデルを入力し、前記第四物理モデルにより、注目している制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの中性子束を計算する段階と、
前記第四物理モデルによって算出した中性子束を用いて、前記第三物理モデルによって算出した前記制御棒が挿入された状態の中性子束に代数演算を施すことにより、中性子束初期値を決定する段階と、
を有するようにすることができる。
セルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒は制御棒価値計算対象外であるという計算条件と、制御棒ペアに対して、2つのセルのうち燃料装荷体数が多い方のセルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒ペアは制御棒価値計算対象外であるという計算条件データを用意する段階と、
前記制御棒価値を計算して最大価値制御棒候補として選出する段階において、前記制御棒価値計算対象外の計算条件データを入力し、前記制御棒価値の計算対象外の制御棒または制御棒ペアについては、制御棒価値の計算を省略するようにすることができる。
前記簡易な第四物理モデルによって計算された注目制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの炉心未臨界度が、設定未臨界度よりも大きい場合には、前記第二物理モデルによる制御棒価値の計算を省略するという計算条件データを用意する段階と、
前記制御棒価値を計算して最大価値制御棒候補として選出する段階において、前記制御棒価値計算を省略する計算条件データを入力し、前記第四物理モデルによって算出された炉心未臨界度が前記計算条件データの設定未臨界度よりも大きい場合には、制御棒価値の計算を省略するようにすることができる。
出力の相対値が基準値以下の領域の制御棒または制御棒ペアの制御棒価値の計算の収束判定を緩和した計算条件データを用意する段階と、
前記制御棒価値を計算して最大価値制御棒候補として選出する段階において、前記収束判定緩和の計算条件データを入力し、出力の相対値が基準値以下の領域の前記条件を満たす制御棒または制御棒ペアについて、制御棒価値の収束判定を緩和するようにすることができる。
前記第一物理モデルと第二物理モデルはそれぞれ3次元3群モデルと3次元修正1群モデルであるようにすることができる。
前記第三物理モデルと第四物理モデルはそれぞれ3次元修正1群モデルと2次元修正1群モデルであるようにすることができる。
本発明の燃料移動計画評価システムとその評価方法は、燃料移動手順を立案し、最終的に炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、該第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、各燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出し、各最大価値制御棒候補について、詳細な第一物理モデルを用いて炉停止余裕計算を行う。最大価値制御棒候補は、制御棒ペアである場合がある。
これにより、全部の制御棒引き抜きに対して詳細な物理モデルにより炉停止余裕を計算する必要がなく、最大価値制御棒候補についてのみ炉停止余裕を計算すればよいこととなって炉停止余裕計算の時間を短縮することができる。
しかも、本発明によれば、最大価値制御棒候補を選出する際は、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを用いて計算するため、最大価値制御棒候補の選出のための計算時間が短縮される。この簡易な第二物理モデルを用いることにより、第一物理モデルによる計算より精度が低くなるが、第二物理モデルは最大価値制御棒候補を選出するために使用され、最終的な炉停止余裕の計算は詳細な第一物理モデルを使用するため、燃料移動計画の評価としては十分な精度を確保することができる。
このように、本発明によれば、短時間で正確な燃料移動計画の評価を実現することができる。
本発明の燃料移動計画評価システムとその評価方法の異なる実施形態によれば、各燃料移動ステップの挿入可能な全制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出し、各燃料移動ステップごとにその燃料移動ステップの炉停止余裕を算出し、算出された各燃料移動ステップの炉停止余裕と設計目標値を比較することにより、その燃料移動ステップが未臨界性を確保しているか否かを判定し、燃料移動ステップが未臨界性を確保していないと判断したときは、該燃料移動ステップの少なくとも数ステップ前からの燃料移動ステップを再度立案する。
所定の燃料移動ステップMが未臨界性を確保していなければ、その移動計画は採用できないため、M+1以降の燃料移動ステップの炉停止余裕計算の無駄を省くことができる。
しかも、燃料移動ステップMまでの燃料移動ステップは未臨界性を確保しているため、それまでの燃料移動手順を無駄にすることがない。
この異なる実施形態の燃料移動計画評価システムとその評価方法によれば、第二物理モデルによって最大価値制御棒候補を選出し、選出された最大価値制御棒候補について第一物理モデルによって炉停止余裕を計算する場合の効果に加え、M+1以降の燃料移動ステップの炉停止余裕計算の無駄を省くことができ、さらに、燃料移動ステップMまでの燃料移動ステップを利用でき、これによってさらに計算時間の短縮を図ることができる。
本発明の別の態様によれば、最大価値制御棒候補の計算において、注目している燃料移動ステップにおいて、全制御棒が挿入された状態を、第一物理モデルに比して簡易な第三物理モデルで中性子束を計算し、さらに、第三物理モデルよりもさらに簡易な第四物理モデルによって各制御棒または制御棒ペアが引き抜けた状態の中性子束を計算し、第四物理モデルによって算出した制御棒引抜の状態の中性子束を用いて、全制御棒が挿入された状態の中性子束に代数演算を施すことにより、最大価値制御棒候補の計算の中性子束初期値とする。
なお、同様の手法により、中性子束初期値の代わりに出力分布を初期値として与える、もしくは中性子束と出力分布の両方を初期値として与える仕様も本発明の範囲内である。
第四物理モデルは相対的にもっとも簡易な物理モデルであるため、制御棒が引き抜けた状態の中性子束を計算する時間が短縮される。第四物理モデルが相対的にもっとも簡易な物理モデルであるため、制御棒が引き抜けた状態の中性子束の計算は精度が高くないが、制御棒が引き抜けた場合の中性子束への影響の度合いを評価するには十分であり、これを算出して全制御棒が挿入された状態の中性子束に代数演算を施すことにより、適当な中性子束初期値を計算することができる。しかも、第二物理モデルによって制御棒価値を用いて計算するため、制御棒価値に対する影響はない。
制御棒の計算は、適当な中性子束初期値を与えられることにより大幅に短縮され、これによって、最大価値制御棒候補の選出のための時間が短縮される。
本発明の別の態様によれば、セルの燃料装荷体数が3体以下の場合、制御棒ペアに対しては2つのセルのうち燃料装荷体数が多い方のセルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、制御棒価値計算の対象から除外する。
これらの計算条件を満たす制御棒を、制御棒価値の計算対象から除外するのは、これらの制御棒の引き抜きが、炉停止余裕のクリティカルポイントにならないからである。
これらの制御棒を、制御棒価値の計算対象から除外することにより、制御棒価値の計算のための時間が短縮され、かつ、炉停止余裕の評価に影響することなく、正確な炉停止余裕の評価を行うことができる。
本発明の別の態様によれば、中性子束初期値の計算の過程において、前記簡易な第四物理モデルによって計算された注目制御棒が引き抜けたときの炉心未臨界度が、設定未臨界度よりも大きい場合には、前記第二物理モデルによる制御棒価値の計算を省略する。
すなわち、第四物理モデルが相対的にもっとも簡易な物理モデルであっても、制御棒が1本引き抜けた状態をある程度評価することができる。このため、所定の制御棒が引き抜けたときの炉心未臨界度が、十分な余裕を見込んだ設定未臨界度よりも大きい場合には、十分な精度でその制御棒の引き抜きが炉停止余裕のクリティカルポイントにならないということができる。
このため、かかる制御棒を制御棒価値の計算対象から除外することにより、計算時間が短縮され、かつ、正確な炉停止余裕の評価を行うことができる。
本発明の別の態様によれば、出力の相対値が基準値以下の領域の制御棒の制御棒価値の計算の収束判定を緩和する。
一般的に、炉心シミュレーターによる収束計算において、低出力領域は、前回計算に比して今回計算の改善の度合いが小さく、収束しにくい。一方、制御棒価値計算において重要となるのは、制御棒が引抜かれている高出力領域であり、制御棒が挿入されている低出力領域はほとんど寄与しない。
このため、出力の相対値が基準値以下の領域の収束判定を緩和することにより、低出力領域の収束計算が短縮され、かつ、収束判定の条件を緩和したところで十分精度が高い制御棒価値および炉停止余裕の評価を行うことができる。
以上のように本発明のいずれの態様においても、計算時間の短縮が図られ、かつ、十分精度の高い燃料移動計画の炉停止余裕の評価を行うことができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について以下に説明する。
図1に、本発明の第1の実施形態による原子炉の燃料移動計画評価システムの構成を示す。
本実施形態による燃料移動計画評価システム1は、燃料移動手順立案部2と、入力設定部3と、未臨界性評価部4と、出力部5を有している。
燃料移動手順立案部2は、燃料の移動手順を立案計画するための処理ブロックである。燃料移動手順立案部2は、本発明の出願前から幾つか提案されており、本発明においては当業者に公知の任意の技術を使用することができる。
入力設定部3は、炉停止余裕度の計算のための種々の値や条件を入力し、設定するための処理ブロックである。
未臨界性評価部4は、燃料の各移動ステップにおける炉心の未臨界性を評価(計算)するための処理ブロックである。ここで、炉心の未臨界性評価とは、燃料移動手順の各ステップの炉心において、最大価値制御棒が引抜けた状態における炉心の未臨界度である炉停止余裕で評価することである。なお、制御棒は一本のみ引き抜かれる場合と制御棒ペアの一組が引き抜かれる場合とがあるが、最大価値制御棒は、一本だけ引き抜かれる制御棒の場合と一組で引き抜かれる制御棒ペアの場合がある。制御棒の制御棒価値とは、上述したように、その制御棒が挿入状態にある炉心の実効増倍率と、その制御棒または制御棒ペアが引抜状態にある炉心の実効増倍率との差である。
出力部5は、未臨界性評価部4による未臨界性評価の結果を表示あるいは出力あるいは記憶しておくための処理ブロックである。
上記各部はその内部にさらに以下のような特定の処理のための手段を有している。
入力設定部3は、図示していない入力手段の他、前記入力手段によって入力あるいは設定されたデータを記憶管理しておく複数のデータベース、ここでは燃料移動手順データベース6(図においてデータベースは「DB」と略記する。以下同じ。)と、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベース7と、計算条件データベース8を有している。
燃料移動手順データベース6は、燃料移動手順立案部2で立案された燃料の移動手順を記憶管理しておくデータベースである。
炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベース7は、炉心シミュレーターで炉心状態をシミュレートする際に使用する物理モデルを記憶管理しておくデータベースである。なお、炉心の物理モデルとは、たとえば2次元モデルと3次元モデル、中性子束の3群モデルと1群修正モデルとそれらの組合せがある。
計算条件データベース8は、移動ステップが炉停止余裕計算対象か否の判定のための条件データと、制御棒が制御棒価値計算対象か否かの判定のための条件データと、中性子束の収束計算において、収束判定から除外する出力の平均値に対する値と、最大価値制御棒候補数等を記憶する。
つまり、計算条件データベース8は、計算時間を短縮するための計算条件、たとえば燃料移動ステップが炉心計算の対象となるかどうかの条件、所定の制御棒を制御棒価値の対象から除外するための条件、シミュレーションによる一定の収束の状態を計算が収束したと判定するための条件等を記憶管理するためのデータベースである。計算条件データベース8は、いわゆる知識データベースとすることができる。
未臨界性評価部4は、その内部にさらに作業用記憶部9と、最大価値制御棒候補選出部10と、炉停止余裕計算部11を有している。
作業用記憶部9は、最大価値制御棒候補選出や未臨界性評価の処理のためのデータを一時的に記憶する手段である。記憶するものとしては、燃料配置制御棒パターン、出力・中性子束初期値、制御棒価値、炉停止余裕等がある。
最大価値制御棒候補選出部10は、最終的に炉停止余裕計算部11で詳細な物理モデルによってシミュレーションする最大価値制御棒候補を選出するための手段である。
最大価値制御棒候補選出部10は、簡易な物理モデルを利用して最大価値制御棒の候補を選出し、最終的に詳細な物理モデルにより炉停止余裕計算部11に炉停止余裕を計算させる。簡易モデルは、最大価値制御棒候補の選出の中性子束初期値の計算のために利用され、制御棒価値の計算時間を短縮し、かつ、制御棒価値の計算を正確に行うことができる。
要するに、最大価値制御棒候補選出部10は、炉停止余裕計算部11による詳細な3次元3群モデル計算による制御棒価値計算対象の制御棒を絞り込み、全体の計算時間を短縮するのである。
炉停止余裕計算部11は、最大価値制御棒候補選出部10によって選出された最大価値制御棒の各候補について、該最大価値制御棒候補を炉心から引き抜いた状態における炉心の未臨界度を、詳細な物理モデルによってシミュレーション・評価する手段である。
最大価値制御棒候補選出部10は内部に、計算対象決定手段12と、中性子束初期値決定手段13と、制御棒価値計算手段14を有している。
計算対象決定手段12は、全燃料移動ステップのうち、燃料移動前の炉心に比して燃料移動後の炉心の炉停止余裕が明らかに増大する燃料移動ステップがあるため、このような燃料移動ステップを最初から計算から排除し、検討価値がある燃料移動ステップに絞り込むための手段である。
中性子束初期値決定手段13は、計算対象決定手段12によって計算対象に決定された燃料移動ステップについて、中程度に詳細な物理モデルによってシミュレーションする際の中性子束初期値を決定する手段である。
制御棒価値を計算する際には、計算のはじめにどのような中性子束分布を与えるかによって計算が収束する速度が大きく異なる。中性子束初期値決定手段13は、収束するであろう中性子束に近い中性子束初期値を決定し、制御棒価値計算手段14に与えることにより、制御棒価値計算手段14における計算を短縮する手段である。
制御棒価値計算手段14は、計算対象決定手段12によって計算対象と決定された燃料移動ステップについて、前記中性子束初期値決定手段13から中性子束初期値を取得し、中程度に詳細な物理モデルによって制御棒を計算する手段である。
出力部5は、結果表示手段15と、結果記憶手段16を有している。
以上は燃料移動計画評価システム1を構成する構成要素についての説明であったが、以下に各構成要素による処理の流れについて説明する。
図2は、本発明による原子炉の燃料移動計画評価方法の流れを示す。燃料移動計画評価システム1の各構成要素はこの燃料移動計画評価方法に沿って処理を行い、燃料移動計画の評価を行う。
図2の燃料移動計画評価方法をさらに要約すると、本発明による燃料移動計画評価方法は、制御棒価値を計算する燃料移動ステップの数を減らし(ステップ201)、次に計算対象の燃料移動ステップについて計算時間を短縮した計算方法、すなわち簡易な物理モデルによって所定の制御棒または制御棒ペアが引き抜けた状態の中性子束初期値を計算し、該中性子束初期値を用いて前記所定の制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を計算し、最大価値制御棒の候補を決定し(ステップ202〜207)、最後に最大価値制御棒の各候補についてそれが引き抜けた場合の炉停止余裕を詳細な物理モデルによって計算する(ステップ208)というものである。
以下図2の流れに沿って、燃料移動計画評価システム1の各構成要素を用いて本発明による原子炉の燃料移動計画評価方法を説明する。
図1のブロック図をあわせて参照することにより、より容易に理解することができであろう。
本発明の燃料移動計画評価方法は、最初に燃料移動手順を立案する(ステップ200)。この立案は燃料移動手順立案部2により行うことができる。
次に本発明の燃料移動計画評価方法は、燃料移動ステップのうち、炉停止余裕を計算する燃料移動ステップを決定する(ステップ201)。
この制御棒の価値を計算すべき燃料移動ステップを決定する処理は、計算対象決定手段12が、計算条件データベース8から、計算しなくてもよい燃料移動ステップの条件を取得し、その条件にてらして計算しなくてもよい燃料移動ステップを除外することにより行われる。
計算条件データベース8には、計算しなくてもよい燃料移動ステップとして種々のルール(条件データ)が記憶されている。たとえば、移動ステップMの操作が、移動燃料の移動先が炉心外の場合と、反応度に影響を与えない制御棒引抜の場合と、ブレードガイド操作の場合などが計算条件データベース8に記憶されている。
移動燃料の移動先が炉心外の場合は、炉心外への燃料取出しによって、中性子源は減少し、減速効果による熱群中性子束の増加よりも、漏れおよび吸収の増加による中性子束インポータンスが減少し、単調に炉心の実効増倍率が減少して、炉停止余裕が拡大することが分かっているからである。また、ブレードガイド装荷位置の制御棒周りの燃料は2体以下であり、ブレードガイドの移動は、炉心の実効増倍率の増加には寄与しないことも分かっているからである。
計算対象決定手段12は、計算条件データベース8から上記条件データを取得する一方、燃料移動手順データベース6から各燃料移動ステップの燃料配置と制御棒のパターンを入力し、作業用記憶部9に一時的に記憶し、各燃料移動ステップの燃料操作がどのような操作であるかを分析し、計算条件データベース8に記憶されていた条件データと比較し、計算する必要がない燃料移動ステップを、計算の対象から除外する(ステップ201)。
このステップ201による処理により、検討すべき燃料移動ステップの数が減少し、それによって燃料移動計画の評価時間が短縮する。
次に本発明の燃料移動計画評価方法は、計算対象の各燃料移動ステップについて、全制御棒が挿入された状態と、各制御棒の1本または制御棒ペアの1組が引抜けた状態の未臨界度を比較することにより、制御棒所定の制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出する。
上記制御棒価値の算出は、図2のステップ202〜ステップ207で行われる。
まず、ステップ202では、所定の計算対象の燃料移動ステップMに注目し、その燃料移動ステップMについて挿入可能な全制御棒が挿入された状態を、中程度に詳細な3次元修正1群モデルを用いて計算を行う。
3次元修正1群モデルは3次元3群モデルに比べれば、計算の精度が低いが、計算時間が短く、かつ、制御棒価値を算出するという目的に対しては十分に正確な計算結果を得られる。
ステップ202の計算は、制御棒価値計算手段14により行われる。
制御棒価値計算手段14は、作業用記憶部9から計算対象の燃料移動ステップMの燃料配置と制御棒のパターンを入力し、一方、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベース7から3次元修正1群モデルを入力し、3次元修正1群モデルを用いて燃料移動ステップMの全制御棒が挿入された炉心状態を計算する。
次に本発明の燃料移動計画評価方法は、制御棒価値の計算時間を短縮するために、計算対象の燃料移動ステップMについて、制御棒価値を計算する必要がない制御棒を除外し、価値計算をする必要がある制御棒の計算のための中性子束初期値を計算するために、2次元修正1群モデルを用いて注目している制御棒Nが引き抜けた状態を計算する(ステップ203)。なお、制御棒Nは制御棒ペアを含む。
制御棒価値を計算する必要がない制御棒の判定は、計算条件データベース8に記憶された条件データにしたがって行われる。
制御棒価値を計算する必要がない制御棒の判定条件として、たとえば、計算条件データベース8には、セルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、制御棒Nは制御棒価値計算対象外であるという条件データが記憶されている。3体以下の場合は、十分に未臨界度が低いことは明らかである。。制御棒ペアを考慮する場合には、計算条件データベース8に、2つのセルのうち燃料装荷体数が多い方のセルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、制御棒ペアNは制御棒価値計算対象外であるという条件データを記憶するようにする。
上記制御棒価値を計算する必要がない制御棒を排除する処理は、中性子束初期値決定手段13が、作業用記憶部9から燃料配置制御棒パターンを入力し、一方、計算条件データベース8から制御棒価値を計算する必要がない条件データを入力し、条件を満たす制御棒を計算から除外することにより行われる。
この計算しなくてもよい制御棒の排除により、制御棒価値を計算すべき制御棒の数が減少し、それによって燃料移動計画の評価時間が短縮される。
価値を計算すべき制御棒については、それが引き抜けた状態を、3次元修正1群モデルで計算するが、その計算を短縮するには、収束するであろう中性子束に近い中性子束初期値を与えることが有効である。
そのため、本発明による燃料移動計画評価方法は、制御棒価値計算する必要がある制御棒Nについてはそれが1本だけ引き抜けた状態を2次元修正1群モデルを用いて計算し(ステップ203)、ステップ202で算出した全制御棒が挿入された炉心状態と、ステップ203で算出した制御棒Nが1本だけ引き抜けた炉心状態から、中性子束初期値を決定する(ステップ204)。
換言すると、ステップ203により制御棒Nが1本(または1組)だけ引き抜けた場合の影響の程度を算出し、これをステップ202で算出した全制御棒が挿入された状態の炉心状態に反映させるのである。
具体的には、ステップ203の2次元修正1群モデルで算出した中性子中性子束を規格化したものを、ステップ202の3次元修正1群モデルで算出した中性子束にかけた値を、中性子束初期値とする。
計算する必要がある制御棒Nが1本(または1組)だけ引き抜けた場合の影響の程度は、簡易な2次元修正1群モデルを用いて計算するので、計算時間を短くすることができる。
しかも、その計算結果は単に中性子束の初期値を決定するために使用され、制御棒Nの価値計算は3次元修正1群モデルで計算されるため、制御棒価値の計算精度を悪くすることがない。
上記中性子束初期値を決定する処理は、中性子束初期値決定手段13が、作業用記憶部9から燃料移動ステップMの燃料配置制御棒パターンを入力し、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベース7から2次元修正1群モデルを入力し、その2次元修正1群モデルを用いて、制御棒Nが引き抜けた状態を計算する。しかる後に、中性子束初期値決定手段13により中性子束初期値が計算され、該中性子束初期値は作業用記憶部9に記憶される。
本発明による燃料移動計画評価方法は、最大価値制御棒候補を選出するために、上記算出された中性子束初期値を用いて、制御棒Nが1本(または1組)だけ引き抜けた状態の炉心の未臨界度を、3次元修正1群モデルを用いて計算する(ステップ205)。
なお、本発明による燃料移動計画評価方法は、上記3次元修正1群モデルを用いた制御棒Nが1本(または1組)だけ引き抜けた状態の炉心計算に際しても、計算時間の短縮を図る工夫を行っている。ここでこの計算時間短縮の工夫を説明する。
まず、2次元修正1群モデルの計算結果により、制御棒Nが引き抜けた状態の炉心の未臨界度が、充分な保守性を見込んだ設定未臨界度よりも大きい場合には、3次元修正1群モデルによる計算を省略する。つまり、隣接燃料が取出された制御棒Nと、2次元計算で充分未臨界度が大きいと判断できる制御棒Nについては、3次元修正1群モデル計算から除外し、計算時間を短縮する。
また、3次元修正1群モデル計算を行う場合も、収束条件を緩和させることにより、計算時間の短縮を図っている。
すなわち、停止時の炉心においては、制御棒を引抜いた領域の出力は他の制御棒が挿入された領域の出力よりも非常に高く、制御棒が挿入されている低出力領域の制御棒価値への影響は非常に小さいこと、および、炉心シミュレーターによる収束計算において、一般に出力の低い領域の方が出力の高い領域よりも収束性が悪くなることを考慮し、3次元修正1群モデルによる計算の収束判定には、出力の相対値が基準値以下のメッシュについては、収束判定を緩和する。このように、制御棒価値計算にほとんど寄与しない制御棒が挿入された低出力部の収束判定を緩和することにより、計算の精度を下げることなく、計算時間の大幅な短縮が可能である。
上記3次元修正1群モデルの計算は、制御棒価値計算手段14が作業用記憶部9から燃料配置制御棒パターンと中性子束初期値を入力するとともに、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベース7から3次元修正1群モデルを入力し、それらを用いて制御棒Nが引き抜けた状態の炉心状態を計算することにより行われる。
この場合に、上述した計算時間短縮のために、制御棒価値計算手段14はさらに、計算条件データベース8から、保守性を見込んだ設定未臨界度と、収束判定の緩和条件を入力し、これらの条件により、3次元修正1群モデルの計算時間を短縮することができる。
次に、本発明による燃料移動計画評価方法は、燃料移動ステップMについてステップ202で算出された全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、ステップ205で算出された制御棒Nが1本(または1組)だけ引き抜けた状態の炉心の未臨界度を比較し、その差によって制御棒Nの制御棒価値を算出する(ステップ206)。
上記制御棒価値は制御棒価値計算手段14によって行われ、制御棒価値計算手段14によって算出された制御棒価値は、作業用記憶部9に記憶される。
以上のようにして本発明による燃料移動計画評価方法は、計算対象の燃料移動ステップMの全部について、且つ、それぞれの燃料移動ステップにおける計算すべき全制御棒Nの制御棒価値を算出し、全部の制御棒価値から最大価値制御棒候補を決定する(ステップ207)。
上記最大価値制御棒候補の決定は、制御棒価値計算手段14によって行われるが、制御棒価値計算手段14は、計算条件データベース8から最大価値制御棒候補の数を入力し、それにしたがって最大価値制御棒候補を決定する。
最後に、本発明による燃料移動計画評価方法は、最大価値制御棒候補について、詳細な3次元3群モデルにより炉停止余裕を計算し、最大価値制御棒が引き抜けた場合の炉停止余裕により燃料移動計画を評価する(ステップ208)。
以上のように計算された最大価値制御棒が引き抜けた場合の炉停止余裕、その他燃料移動計画に対する評価は、理解しやすい形式で出力(表示と記憶)される(ステップ209)。
上記計算結果の出力は、出力部5の結果表示手段15と結果記憶手段16により行われる。
図3は、すべての燃料移動ステップについて制御棒価値を計算するフローチャートを示している。以下簡単に説明する。
図3に示すように、本発明による燃料移動計画評価方法は、まず計算条件データベース8からの計算条件データを読込む(ステップ301)。
次に、燃料移動ステップ数Mのカウントを1に設定する(ステップ302)。
次に、燃料移動手順データベース6からの移動ステップMの移動手順を読込む(ステップ303)。
次に、本発明による燃料移動計画評価方法は、計算条件データをもとに、移動ステップMが炉停止余裕計算対象かどうかを決定する(ステップ304)。本実施形態では、移動燃料の移動先が炉心外の場合と、制御棒引抜の場合と、ブレードガイド操作の場合は炉停止余裕計算対象ではないと判定し、それ以外の操作の場合は炉停止余裕計算対象であると判定する。
移動ステップMが炉停止余裕計算対象である(Yes)と判定した場合は、燃料配置・制御棒パターンを作業用記憶部9に出力し(ステップ305)、移動ステップMの炉心状態を3次元修正1群モデルで計算する(ステップ306)。なお、燃料に隣接する全ての制御棒が挿入状態にある炉心状態と、1本または1組の制御棒が引抜けた炉心状態は、同じ物理モデルにより収束計算を行うが、精度と時間の面で3次元修正1群モデル計算を採用することが望ましい。全ての制御棒が挿入状態にある炉心状態を計算するための3次元修正1群モデルによる計算は、1回の移動ステップ当たり1回のみ行う。
ステップ306に続き、移動ステップMの制御棒価値計算を行う(ステップ307)。
ステップ307の結果より、制御棒価値の高い上位数本または数組を、最大価値制御棒候補として選出し(ステップ308)、現在計算している移動ステップのMが全移動ステップ数と等しいかどうかを判定する(ステップ309)。
ステップ304において、移動ステップMが炉停止余裕計算対象ではない(No)と判定した場合は、ステップ305−308の処理を省略し、現在計算している移動ステップのMが全移動ステップ数と等しいかどうかを判定する(ステップ309)。
ステップ309において、現在計算している移動ステップのMが全移動ステップ数と等しい(Yes)と判断した場合は計算を終了し、現在計算している移動ステップのMが全移動ステップ数と等しくない(No)と判断した場合は、Mに1を加えステップ303に戻り、次の移動ステップの計算を行う。
以上の説明と図3に示すように、本発明による燃料移動計画評価方法は、すべての燃料移動ステップについて、制御棒価値を計算する必要があるかどうか判断し、計算する必要がないものについては計算対象から除外し、もって全体の計算時間の短縮を図っている。
図4は、図3のステップ307の詳細を示している。図4は、各燃料移動ステップMにおいて全制御棒について、制御棒価値を計算する必要があるか否かを判断し、計算する必要がある制御棒について全数制御棒価値を計算するフローチャートを示している。以下に簡単に説明する。
各燃料移動ステップMの制御棒価値の計算においては、まず、制御棒番号Nのカウントを1に設定する。
次に、移動ステップMの燃料配置・制御棒パターンを読込む(ステップ402)。
次に、計算条件データベース8からの計算条件データをもとに、制御棒Nが制御棒価値計算対象かどうかを判定する(ステップ403)。
ここで、本実施形態では、上記制御棒Nが制御棒価値計算対象かどうかを判定する計算条件データは、セルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、制御棒Nは制御棒価値計算対象外であるというものを採用している。制御棒ペアを考慮する場合には、計算条件データは、2つのセルのうち燃料装荷体数が多い方のセルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、制御棒ペアNは制御棒価値計算対象外であるという計算条件データを採用している。
ステップ403において、制御棒Nが制御棒価値計算対象である(Yes)と判定した場合は、移動ステップMの炉心状態から制御棒Nが一本(または一組)引抜けた状態を、2次元修正1群モデルで計算する(ステップ404)。2次元修正1群モデルは、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベース7から読込みを行う。
次に、ステップ404の計算結果の一部である炉心の未臨界度が、充分な保守性を見込んだ設定未臨界度を満たすか否かを判定する(ステップ405)。
ステップ404において、制御棒Nが一本(または一組)引抜けた状態の炉心の未臨界度が、充分な保守性を見込んだ設定未臨界度を満たさない(Yes)場合は、図4のステップ404で算出された中性子中性子束を規格化したものを、図3のステップ306の中性子束に掛けた値を、中性子束初期値の計算とする(ステップ406)。なお、本実施形態ではステップ404で算出された中性子中性子束を規格化したものを、図3のステップ306の中性子束に“掛けた”値としたが、要するに、簡易な物理モデルによって計算した制御棒Nが引き抜けた影響を、中程度に詳細な物理モデルによって計算した全制御棒が挿入された状態に反映させられればよく、かけ算の代わりに適当の代数計算を採用することもできる。
ステップ406により中性子束初期値を計算した後は、該中性子束初期値を使用し、制御棒Nが引き抜けた炉心状態を、3次元修正1群モデルで計算する(ステップ407)。
次に、図3のステップ306で算出した炉心の未臨界度、すなわち全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、上記ステップ407で算出した制御棒Nが1本(または1組)引き抜けた状態の炉心の未臨界度を比較し、制御棒Nの制御棒価値を算出し、作業用記憶部9に書き込む(ステップ408)。
次に、制御棒Nの“N”が全制御棒の本数と等しいかどうかを判断する(ステップ409)。
ステップ403で制御棒Nが計算対象外(No)と判断した場合、および、ステップ405で未臨界度が設定未臨界度より十分小さい(No)と判断できない場合は、制御棒価値を計算することなく、直接ステップ409で、制御棒Nの“N”が全制御棒の本数と等しいかどうかを判断する(ステップ409)。
ステップ409で制御棒Nの“N”が全制御棒の本数と等しい(Yes)の場合は計算を終了し、制御棒Nの“N”が全制御棒の本数と等しくない(No)の場合はNに1を加えてステップ402に戻って処理する。
以上の説明と図4に示すように、本発明による燃料移動計画評価方法は、各燃料移動ステップについて、全部の制御棒の制御棒価値を計算する必要があるかどうか判断し、制御棒価値を計算する必要がある制御棒に絞って計算することにより、全体の計算時間の短縮を図っている。
また、各制御棒について制御棒価値を計算するために、中程度に詳細な物理モデルを使用し、計算時間の短縮を図っている。さらに、前記中程度に詳細な物理モデルを使用して制御棒価値を計算する際に、簡易な物理モデルによって適当な中性子束初期値を計算し、これによって中程度に詳細な物理モデルによる計算の短縮を図っている。
以上が本発明の第1の実施形態についての説明であったが、上記第1の実施形態では、全燃料移動ステップについて、全制御棒の制御棒価値を計算し、その中から最大価値制御棒候補を選出し、最後に最大価値制御棒候補について炉停止余裕を計算していた。
換言すると、第1の実施形態は、最後に最大価値制御棒候補について炉停止余裕を計算した結果十分な炉停止余裕を得られない場合は、燃料移動手順を見直し、再度最初の燃料移動ステップから計算する。
しかし、このような方法によると、場合によって、途中の燃料移動ステップまでは十分な炉停止余裕を有するため、再度最初の燃料移動ステップから計算するのは無駄であることが生じる。
そこで、以下の本発明の第2の実施形態では、各燃料移動ステップで制御棒価値を計算した後に、直ちに該燃料移動ステップの炉停止余裕を計算し、炉停止余裕が設定値を満たさない場合は、その燃料移動ステップ、あるいはその燃料移動ステップの数ステップ前からの燃料移動ステップを再度立案し、再度炉心余裕度の計算を行う。
図5は、上記本発明の第2の実施形態による燃料移動計画評価システムの構成を示している。
図5において、図1と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の燃料移動計画評価システム20は、移動手順妥当性確認部21を有していることと、移動手順妥当性確認部21から燃料移動手順立案部2に燃料移動手順の立案要求22が出力されることを除いて、図1の燃料移動計画評価システム1と同一である。
図6にこの第2の実施形態の処理の流れを示す。
図6に示すように、この第2実施形態の燃料移動計画評価方法において、移動ステップ数Mを1に設定し(ステップ601)、燃料移動手順立案部2により燃料取替における全燃料移動手順を立案する(ステップ602)。
次に、最大価値制御棒候補選出部10により、燃料移動手順を構成する移動ステップMの最大価値制御棒候補を選出する(ステップ603)。
最大価値制御棒候補の選出方法については、第1の実施形態と同様の方法による。
この第2実施形態の燃料移動計画評価方法では、ステップ603で燃料移動ステップMについて最大価値制御棒候補を選出すると、直ちにその燃料移動ステップについて、すなわち各燃料移動ステップMごとに、炉停止余裕を計算する(ステップ604)。
次に、第2実施形態の燃料移動計画評価方法は、ステップ604で算出した炉停止余裕が、計算条件データベース8に記憶されている炉停止余裕の設計目標値を満足するかどうか、すなわち燃料移動ステップMが未臨界性を確保しているかどうか判定する(ステップ605)。
この判定は移動手順妥当性確認部21により行われる。
移動手順妥当性確認部21は、計算条件データベース8から炉停止余裕の設計目標値を入力するとともに、炉停止余裕計算部11から燃料移動ステップMの炉停止余裕を入力し、両者を比較して、燃料移動ステップMが未臨界性を確保しているか否かを判断する。
第2実施形態の燃料移動計画評価方法は、ステップ605の判定において、燃料移動ステップMが未臨界性を確保していない(No)と判定した場合は、燃料移動ステップ数Mと、ステップ605の計算結果を燃料移動手順立案部2に出力し、燃料移動手順立案部2に燃料移動手順の再立案を要求する。
すなわち、移動手順妥当性確認部21から燃料移動手順の立案要求22が燃料移動手順立案部2に送信される。
燃料移動手順立案部2は燃料移動手順の立案要求22を受けると、移動ステップMの直前のステップもしくは数ステップ前のステップから燃料取替終了までの移動手順を、再度立案する(ステップ602)。このとき、移動ステップ数Mは、新たに立案した移動ステップ数に書き換える。
燃料移動手順立案部2が移動ステップMから移動手順を再度立案する場合は、前回立案した移動ステップMのタイミングを調節する。また、必要に応じて、前回立案した移動ステップMまでの炉停止余裕計算部11による計算結果と、燃料移動手順立案部2の収束計算を行わない簡易モデルにより計算した計算結果とを比較し、統計処理によって、燃料移動手順立案部2が再度移動手順を立案する際の簡易モデル評価値に対する補正を決定する。
本実施形態のように燃料移動ステップMごとに、炉停止余裕を計算するのは以下の理由による。
燃料移動手順立案部2が立案した移動手順のうち、移動ステップM−1までは炉停止余裕が設計目標値を満たし、移動ステップMが炉停止余裕の設計目標値を満たさない場合は、移動ステップMの直前のステップもしくは移動ステップMでの未臨界度減少に関わる数ステップ前までの移動手順は、燃料移動手順として採用可能であるが、移動ステップM+1以降の手順は、燃料移動手順として採用することができない。
本実施形態では、採用することができない移動ステップM+1以降を計算しないことで、計算時間を短縮し、かつ、炉停止余裕の設計目標値を満たしていることを確認済みの移動ステップについては、燃料移動手順として採用することにより、計算時間を短縮する。
また、燃料移動ステップMまでの燃料移動手順立案部2による簡易モデル計算結果と炉停止余裕計算部11による計算結果とを比較し、統計処理することで、補正された簡易モデルによる炉停止余裕評価の精度が改善され、燃料移動手順立案部2が再度立案する燃料移動手順をより効率的なものにすることができる。
ステップ605の判定において、燃料移動ステップMが未臨界性を確保している(Yes)と判定した場合は、燃料移動ステップ数Mが全移動ステップ数に達したかどうかを判定する(ステップ606)。
燃料移動ステップ数Mが全移動ステップ数に達した場合は計算を終了し、達していない場合は、Mを1カウントアップし、ステップ602に戻って処理を繰り返す。
なお、本発明の第2実施形態では、立案された燃料移動ステップが設計目標値を満たさない場合に、燃料移動手順立案部2の簡易モデル計算結果と炉停止余裕計算部11による計算結果の差異の統計処理で、燃料移動手順立案部2の簡易モデルを補正して精度を改善したが、設計目標を満たす燃料移動手順について同様に簡易モデル補正することは同じ構成で実現可能である。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、未臨界性を確保できないM+1以降の燃料移動ステップについての無駄な計算を省略することができ、かつ、燃料移動手順立案時の簡易モデルによる炉停止余裕評価精度も改善できるので、より効果的な燃料移動手順を立案でき、燃料取替時間を短縮できる燃料移動計画システムと方法を提供することができる。
以上の説明において、理解容易のために、炉心シミュレーション用の詳細な物理モデルと中程度詳細な物理モデルと簡易な物理モデルとして、具体的に3次元3群モデルと3次元修正1群モデルと2次元修正1群モデルで説明した。
しかし、本発明は、これら3次元3群モデルと3次元修正1群モデルと2次元修正1群モデルに限られるものではなく、要するに、最終的に最大価値制御棒候補について炉停止余裕を計算する物理モデルをもっとも詳細な第一物理モデルとすると、制御棒価値を計算する際は第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを使用すればよく、また、制御棒価値計算の中性子束初期値の計算には第二物理モデルよりさらに簡易な物理モデルを使用すればよい。
制御棒価値を計算する際に第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを使用することにより、最大価値制御棒候補の選出には十分な精度で選出でき、かつ、計算時間を短縮することができる。
また、中性子束初期値を計算する際に第二物理モデルよりさらに簡易な物理モデルを使用することにより、中性子束初期値の算出には十分な精度で対応でき、かつ、計算時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態による燃料移動計画評価システムのシステム構成図。 本発明の一実施形態による燃料移動計画評価方法の処理の流れを示すフローチャート。 全燃料移動ステップMについて最大価値制御棒候補を選出するための計算を行うためのフローチャート。 各燃料移動ステップMの各制御棒について制御棒価値を計算するためのフローチャート。 本発明の第二の実施形態による燃料移動計画評価システムのシステム構成図。 本発明の第二の実施形態による燃料移動計画評価方法の処理の流れを示すフローチャート。 炉心シミュレーターの未臨界性評価における核熱水力結合収束計算方法の処理の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1 燃料移動計画評価システム
2 燃料移動手順立案部
3 入力設定部
4 未臨界性評価部
5 出力部
6 燃料移動手順データベース
7 炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベース
8 計算条件データベース
9 作業用記憶部
10 最大価値制御棒候補選出部
11 炉停止余裕計算部
12 計算対象決定手段
13 中性子束初期値決定手段
14 制御棒価値計算手段
15 結果表示手段
16 結果記憶手段
20 燃料移動計画評価システム
21 移動手順妥当性確認部
22 燃料移動手順の立案要求

Claims (16)

  1. 原子炉の燃料の移動手順を立案する燃料移動手順立案部と、
    入力手段と、前記燃料移動手順立案部が立案した燃料移動手順を記憶管理する燃料移動手順データベースと、炉心シミュレーションによる計算を行うための物理モデルを記憶する炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースと、制御棒価値計算あるいは炉停止余裕計算を行う場合の計算条件を記憶する計算条件データベースとを有する入力設定部と、
    前記燃料移動手順データベースから各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、各燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する制御棒価値計算手段を有する最大価値制御棒候補選出部と、
    前記制御棒価値計算手段によって選出された最大価値制御棒候補を入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する炉停止余裕計算部と、
    前記炉停止余裕計算部によって算出された炉停止余裕を入力し、原子炉の燃料移動計画に対する評価として出力あるいは記憶する手段を有する出力部と、
    を有することを特徴とする燃料移動計画評価システム。
  2. 原子炉の燃料の移動手順を立案する燃料移動手順立案部と、
    入力手段と、前記燃料移動手順立案部が立案した燃料移動手順を記憶管理する燃料移動手順データベースと、炉心シミュレーションによる計算を行うための物理モデルを記憶する炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースと、制御棒価値計算あるいは炉停止余裕計算を行う場合の計算条件を記憶する計算条件データベースとを有する入力設定部と、
    前記燃料移動手順データベースから各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、注目している燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する制御棒価値計算手段を有する最大価値制御棒候補選出部と、
    前記制御棒価値計算手段によって各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補が選出されると、各燃料移動ステップごとにその最大価値制御棒候補を入力するとともに、前記炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する炉停止余裕計算部と、
    前記炉停止余裕計算部によって算出された各燃料移動ステップの炉停止余裕を入力し、計算条件データベースから炉停止余裕の設計目標値を入力し、それらを比較することにより前記各燃料移動ステップが未臨界性を確保しているか否かを判定し、燃料移動ステップが未臨界性を確保していないと判断したときは、前記燃料移動手順立案部に対して、該燃料移動ステップまたは該燃料移動ステップの所定ステップ数前からの燃料移動ステップを再度立案する要求を出力する移動手順妥当性確認部と、
    を有することを特徴とする燃料移動計画評価システム。
  3. 前記最大価値制御棒候補選出部は、前記制御棒価値計算手段が制御棒価値を算出する際に使用する中性子束初期値を計算する中性子束初期値決定手段を有し、
    前記中性子束初期値決定手段は、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから前記第一物理モデルに比して簡易な第三物理モデルを入力し、前記第三物理モデルにより、各燃料移動ステップにおいて全制御棒もしくは挿入可能な全制御棒が挿入された状態の中性子束を算出し、炉心シミュレーター計算用核的モデルデータベースから前記第三物理モデルに比してさらに簡易な第四物理モデルを入力し、前記第四物理モデルにより、注目している制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの中性子束を計算し、前記第四物理モデルによって算出した中性子束を用いて、前記第三物理モデルによって算出した前記制御棒が挿入された状態の中性子束に代数演算を施すことにより、中性子束初期値を決定する、ことを特徴とする請求項1または2記載の燃料移動計画評価システム。
  4. 前記計算条件データベースは、セルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒は制御棒価値計算対象外であるという計算条件と、制御棒ペアに対して、2つのセルのうち燃料装荷体数が多い方のセルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒ペアは制御棒価値計算対象外であるという計算条件データを有し、
    前記制御棒価値計算手段は、計算条件データベースから前記制御棒価値計算対象外の計算条件データを入力し、前記制御棒価値の計算対象外の制御棒または制御棒ペアについては、制御棒価値の計算を省略することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料移動計画評価システム。
  5. 前記計算条件データベースは、前記簡易な第四物理モデルによって計算された注目制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの炉心未臨界度が、設定未臨界度よりも大きい場合には、前記第二物理モデルによる制御棒価値の計算を省略するという計算条件データを有し、
    前記制御棒価値計算手段は、前記計算条件データベースから前記制御棒価値計算を省略する計算条件データを入力し、前記第四物理モデルによって算出された炉心未臨界度が前記計算条件データの設定未臨界度よりも大きい場合には、制御棒価値の計算を省略することを特徴とする請求項3または4記載の燃料移動計画評価システム。
  6. 前記計算条件データベースは、出力の相対値が基準値以下の領域の制御棒または制御棒ペアの制御棒価値の計算の収束判定を緩和した計算条件データを有し、
    前記制御棒価値計算手段は、前記計算条件データベースから収束判定緩和の計算条件データを入力し、出力の相対値が基準値以下の領域の制御棒価値計算における収束判定を緩和する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料移動計画評価システム。
  7. 前記第一物理モデルと第二物理モデルはそれぞれ3次元3群モデルと3次元修正1群モデルであることを特徴とする請求項1まはた2記載の燃料移動計画評価システム。
  8. 前記第三物理モデルと第四物理モデルはそれぞれ3次元修正1群モデルと2次元修正1群モデルであることを特徴とする請求項3記載の燃料移動計画評価システム。
  9. 原子炉の燃料の移動手順を立案する段階と、
    前記立案された各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、各燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する段階と、
    前記算出された最大価値制御棒候補を入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する段階と、
    前記算出された炉停止余裕を入力し、原子炉の燃料移動計画に対する評価として出力あるいは記憶する段階と、
    を有することを特徴とする燃料移動計画評価方法。
  10. 原子炉の燃料の移動手順を立案する段階と、
    前記立案された各燃料移動ステップの燃料配置、制御棒パターンを入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルに比して簡易な第二物理モデルを入力し、前記第二物理モデルにより、各燃料移動ステップについて、挿入可能な全制御棒が挿入された状態の炉心の未臨界度と、注目している制御棒の一本または制御棒ペアの一組が引き抜けた状態の炉心の未臨界度の差から前記注目している制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出し、注目している燃料移動ステップの前記制御棒または制御棒ペアについて制御棒価値を算出し、制御棒価値の値が大きい所定数の制御棒または制御棒ペアを最大価値制御棒候補として選出する段階と、
    前記各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補が選出されると、各燃料移動ステップごとにその最大価値制御棒候補を入力するとともに、炉停止余裕計算に用いる詳細な第一物理モデルを入力し、前記第一物理モデルを使用し、各燃料移動ステップの最大価値制御棒候補について、その燃料配置と制御棒パターンから注目している最大価値制御棒候補が引き抜けた場合の炉停止余裕を算出する段階と、
    前記算出された各燃料移動ステップの炉停止余裕を入力し、炉停止余裕の設計目標値と比較することにより、前記各燃料移動ステップが未臨界性を確保しているか否かを判定し、燃料移動ステップが未臨界性を確保していないと判断したときは、該燃料移動ステップまたは該燃料移動ステップの所定ステップ数前からの燃料移動ステップを再度立案する段階と、
    を有することを特徴とする燃料移動計画評価方法。
  11. 前記各制御棒または制御棒ペアの制御棒価値を算出する段階の前に、
    前記第一物理モデルに比して簡易な第三物理モデルを入力し、前記第三物理モデルにより、各燃料移動ステップにおいて全制御棒もしくは挿入可能な全制御棒が挿入された状態の中性子束を算出する段階と、
    前記第三物理モデルに比してさらに簡易な第四物理モデルを入力し、前記第四物理モデルにより、注目している制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの中性子束を計算する段階と、
    前記第四物理モデルによって算出した中性子束を用いて、前記第三物理モデルによって算出した前記制御棒が挿入された状態の中性子束に代数演算を施すことにより、中性子束初期値を決定する段階と、
    を有することを特徴とする請求項9または10に記載の燃料移動計画評価方法。
  12. セルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒は制御棒価値計算対象外であるという計算条件と、制御棒ペアに対して、2つのセルのうち燃料装荷体数が多い方のセルの燃料装荷体数が3体以下の場合は、その制御棒ペアは制御棒価値計算対象外であるという計算条件データを用意する段階と、
    前記制御棒価値を計算して最大価値制御棒候補として選出する段階において、前記制御棒価値計算対象外の計算条件データを入力し、前記制御棒価値の計算対象外の制御棒または制御棒ペアについては、制御棒価値の計算を省略することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の燃料移動計画評価方法。
  13. 前記簡易な第四物理モデルによって計算された注目制御棒または制御棒ペアが引き抜けたときの炉心未臨界度が、設定未臨界度よりも大きい場合には、前記第二物理モデルによる制御棒価値の計算を省略するという計算条件データを用意する段階と、
    前記制御棒価値を計算して最大価値制御棒候補として選出する段階において、前記制御棒価値計算を省略する計算条件データを入力し、前記第四物理モデルによって算出された炉心未臨界度が前記計算条件データの設定未臨界度よりも大きい場合には、制御棒価値の計算を省略することを特徴とする請求項11または12記載の燃料移動計画評価方法。
  14. 出力の相対値が基準値以下の領域の制御棒または制御棒ペアの制御棒価値の計算の収束判定を緩和した計算条件データを用意する段階と、
    前記制御棒価値を計算して最大価値制御棒候補として選出する段階において、前記収束判定緩和の計算条件データを入力し、出力の相対値が基準値以下の領域の制御棒価値計算における収束判定を緩和する、ことを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の燃料移動計画評価方法。
  15. 前記第一物理モデルと第二物理モデルはそれぞれ3次元3群モデルと3次元修正1群モデルであることを特徴とする請求項9または10記載の燃料移動計画評価方法。
  16. 前記第三物理モデルと第四物理モデルはそれぞれ3次元修正1群モデルと2次元修正1群モデルであることを特徴とする請求項11記載の燃料移動計画評価方法。
JP2008287806A 2008-11-10 2008-11-10 原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法 Active JP4975713B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008287806A JP4975713B2 (ja) 2008-11-10 2008-11-10 原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法
PCT/JP2009/068740 WO2010053061A1 (en) 2008-11-10 2009-10-27 System and method for evaluating nuclear reactor fueling plan
US13/128,605 US8762115B2 (en) 2008-11-10 2009-10-27 System and method for evaluating nuclear reactor fueling plan
TW098137608A TWI457945B (zh) 2008-11-10 2009-11-05 用以評估核子反應器燃料填裝計畫之系統及方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008287806A JP4975713B2 (ja) 2008-11-10 2008-11-10 原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010112928A JP2010112928A (ja) 2010-05-20
JP4975713B2 true JP4975713B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=41435424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008287806A Active JP4975713B2 (ja) 2008-11-10 2008-11-10 原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8762115B2 (ja)
JP (1) JP4975713B2 (ja)
TW (1) TWI457945B (ja)
WO (1) WO2010053061A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102841600B (zh) * 2012-08-24 2014-12-17 中国核电工程有限公司 用于核燃料后处理厂事故安全分析的分析方法
CN103729482B (zh) * 2012-10-10 2017-01-25 中国核动力研究设计院 一种紧密排列多头绕丝细棒燃料元件交混系数的确定方法
JP6522368B2 (ja) * 2015-02-25 2019-05-29 三菱重工業株式会社 核定数算出プログラム及び解析装置
KR101698335B1 (ko) * 2015-10-28 2017-01-23 한국수력원자력 주식회사 원전연료의 시뮬레이션을 위한 컴퓨터 프로그램 및 이에 적용된 원전연료의 시뮬레이션 방법
US20180254109A1 (en) * 2017-02-27 2018-09-06 Jesse R. Cheatham, III System and method for modeling a nuclear reactor
CN107784153B (zh) * 2017-08-25 2021-09-07 深圳中广核工程设计有限公司 核电厂乏燃料装载方案的设计方法以及设计系统
CN112052579A (zh) * 2020-08-28 2020-12-08 上海核工程研究设计院有限公司 一种基于浮动网格的核-热-力多物理耦合计算方法
CN112906407B (zh) * 2021-01-12 2023-08-18 中国原子能科学研究院 一种用于模拟核临界状态的模拟装置和方法
CN115620843B (zh) * 2022-10-27 2023-06-09 中国科学院近代物理研究所 用于反应堆棒状燃料非线性力学性能分析的计算方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53122094A (en) * 1977-03-30 1978-10-25 Toshiba Corp Shut-down margin minitor of reactor
JPH0395491A (ja) * 1989-09-07 1991-04-19 Toshiba Corp 炉停止余裕評価方法
JP3192812B2 (ja) * 1993-03-24 2001-07-30 株式会社東芝 燃料移動計画方法、燃料移動計画装置および燃料移動装置
US7200541B2 (en) * 2002-12-23 2007-04-03 Global Nuclear Fuel-Americas, Llc Method and arrangement for determining nuclear reactor core designs
US8873698B2 (en) * 2002-12-18 2014-10-28 Global Nuclear Fuel—Americas, LLC Computer-implemented method and system for designing a nuclear reactor core which satisfies licensing criteria
US7266481B2 (en) * 2002-12-23 2007-09-04 Global Nuclear Fuel-Americas, Llc Method, arrangement and computer program for determining standardized rod types for nuclear reactors
US7337099B2 (en) 2002-12-23 2008-02-26 Global Nuclear Fuel - Americas, Llc Method, arrangement and computer program for generating database of fuel bundle designs for nuclear reactors
US8109766B2 (en) * 2003-10-03 2012-02-07 Global Nuclear Fuel-Americas Llc Method for predicted reactor simulation
JP2005121476A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Hitachi Ltd 燃料移送手順データ作成装置
JP2006157669A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Canon Inc 画像生成装置、画像生成方法、及び画像生成用プログラム
JP4982820B2 (ja) * 2005-11-30 2012-07-25 株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン 原子炉炉心設計支援システム

Also Published As

Publication number Publication date
TW201030764A (en) 2010-08-16
US20110224966A1 (en) 2011-09-15
JP2010112928A (ja) 2010-05-20
WO2010053061A1 (en) 2010-05-14
US8762115B2 (en) 2014-06-24
TWI457945B (zh) 2014-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4975713B2 (ja) 原子炉の燃料移動計画評価システム及び燃料移動計画評価方法
EP1699057B1 (en) Method of loading a core of a nuclear reactor
EP1615232A2 (en) Method, arrangement and computer program for generating database of fuel bundle designs for nuclear reactors
EP1615233A2 (en) Method, arrangement and computer program for determining standarized rod types for nuclear reactors
EP1435626A2 (en) Method and arrangement for developing rod patterns in nuclear reactors
Franzén Evaluation of Fuel Assembly Bow Penalty Peaking Factors for Ringhals 3: Based on a Cycle Specific Core Water Gap Distribution
Jimenez et al. A domain decomposition methodology for pin by pin coupled neutronic and thermal–hydraulic analyses in COBAYA3
Yarizadeh-Beneh et al. Improving the refueling cycle of a WWER-1000 using cuckoo search method and thermal-neutronic coupling of PARCS v2. 7, COBRA-EN and WIMSD-5B codes
Lindley et al. Modelling and simulation activities in support of the UK nuclear R&D programme on digital reactor design
KR20200011277A (ko) 원자로 크러드 분석 장치 및 방법
JP5052744B2 (ja) 原子炉の炉心の燃料束構成を判定する方法
Lum et al. Simulation of the fast reactor fuel assembly duct-bowing reactivity effect using monte carlo neutron transport and finite element analysis
JP2001133580A (ja) 原子炉の炉心性能計算方法および装置
JP7252100B2 (ja) 炉心計算方法、炉心計算プログラムおよび炉心計算装置
Gonzalez-Vargas et al. Development and validation of the new coupled code system TRADYN
Smith et al. Software Quality Assurance for EBR-II Fuels Irradiation and Physics Database (FIPD)
JP2696049B2 (ja) 原子炉炉心核特性模擬装置
Stewart et al. Design of an experimental breeder reactor run 138B reactor physics benchmark evaluation management application
JP2005121476A (ja) 燃料移送手順データ作成装置
JPH06186380A (ja) 原子炉炉心性能計算装置
JP4932245B2 (ja) 原子炉炉心設計システム
Ni A High-to-Low Iterative Method for Light Water Reactor Analysis
Lopez et al. MELCOR-To-MELCOR Coupling Method in Severe Accident Analysis Involving Core and Spent Fuel Pool
Fisher et al. Application of Boron Feedback From BOA CIPS/CILC Analysis on Neutronic Models
Graham et al. VERA Transient Capability to Support ATF/High Burnup Fuel/HALEU Conversion

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4975713

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250