JP4975265B2 - 圧力センサ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、静電容量の変化量を検知して動作する圧力センサ及びその製造方法に関する。
従来の圧力センサとしては、図5に示すようなものが知られている。図5(a)は、従来の圧力センサの断面図、図5(b)は、従来の圧力センサに係る背面板の上面図、図5(c)〜(f)は、貫通穴の説明図である。
図5(a)に示された従来の圧力センサ1は、音波による音圧変化に応じて振動する振動板2aを含む半導体基板2と、空隙部6を介して振動板2aと対向配置された背面板3と、半導体基板2と背面板3との間に設けられた絶縁膜4と、半導体基板2上に設けられた電極7と、背面板3上に設けられた電極8とを備え、背面板3には複数の貫通穴5が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
複数の貫通穴5は、図5(b)に示すように、背面板3に網目状に形成され、空隙部6の空気を出入りさせてダンピングを低減するようになっている。また、複数の貫通穴5は、それぞれ、アルカリ系溶液の異方性エッチングで作製され、背面板3の振動板2a側の面(以下「下面」という。)に形成された正方形状の開口部5aと、振動板2a側の面と反対側の面(以下「上面」という。)に形成された正方形状の開口部5bと、下面から上面に向かって広がる4つのテーパ状の内壁面5cとで構成されている。以下、貫通穴5を構成する1つの組を正方形状ユニットという。
従来の圧力センサは、正方形状ユニットが等間隔に並べられた均等配置となっており、空隙部6の空気を等方的に出入りさせることによって、振動板2aの変位の偏りを防ぎ、指向性を持たない構成であり、音波に応じて振動板2aが振動することにより生じる、振動板2aと背面板3との間の静電容量の変化量に基づいて音を電気信号に変換するようになっている。
ところで、従来の圧力センサの感度は、振動板2aと背面板3との間の距離(以下「空隙長」という。)に反比例することが知られており(例えば、非特許文献1参照。)、感度を十分に高くするためには、空隙長を小さくする必要があるが、空隙長を小さくするに従って高域におけるダンピングの影響が顕著になり高域の感度が低下するという問題が生じる。非特許文献1によれば、ダンピングの原因となる空隙部の空気による粘性抵抗をRとすると、粘性抵抗Rは、背面板3の面積(開口部5aの面積を含まない。以下同じ。)に比例し、また背面板3に形成された開口部5aの開口率Aをパラメータとする次式の関数B(A)に比例することが知られている。なお、関数B(A)は、開口率Aの単調減少関数となっている。
Figure 0004975265
したがって、従来の圧力センサでは、背面板3の面積を小さくするか、背面板3に形成された貫通穴5の開口率を大きくすることによって、ダンピングの低減を図っていた。
特開2002−27595号公報(第3−4頁、第1図) A review of silicon microphones, P.R.Scheeper, et al., Sensors and Actuators A44(1994), pp.1−11
しかしながら、従来の圧力センサでは、ダンピングを低減すると感度が低下するという問題があった。以下、具体的に説明する。
まず、背面板3の面積を小さくしてダンピングを低減することの適否について説明する。背面板3の面積は、以下に述べるように圧力センサの感度と密接な関係がある。
圧力センサの感度は、振動板2aが変位して生じる静電容量の変化量で決定される。また、振動板2aの変位は、振動板2aの中心部が大きく周辺部は小さいため、中心部の静電容量は感度に寄与するが、周辺部の静電容量は寄生容量となり感度を低下させる。このため、振動板2aに対向する背面板3の面積が、小さすぎると感度に寄与する容量が減少し、大きすぎると寄生容量が増加することから、最大の感度が得られる最適値に基づいて背面板3の面積が決定される。よって、ダンピングを低減するために背面板3の面積を小さくすることは、背面板3の面積に比例して感度が低下してしまうので好ましくない。
次に、背面板3に形成された貫通穴5の開口率を大きくしてダンピングを低減することの適否について、図5(a)〜(f)を参照して説明する。なお、図5(c)及び(d)に示すように、寸法aは開口部4aの一辺の長さ、寸法bはテーパ部分を背面板の上面に投影した長さ、寸法cは枠部分の一辺の長さ、wは正方形状ユニットの幅であり、w=a+2b+2cである。
まず、正方形状ユニットの幅wを変えずに開口率を上げようとすると、寸法b又はcを小さくして寸法aを大きくする必要がある。ここで、寸法bは、前述のようにアルカリ系溶液の異方性エッチングで製作されたテーパ部分で決まる長さであり、図5(c)に示すように、このエッチングはシリコン(100)面から約55度の角度で進行するため、背面板の厚さをtとすると、寸法b=t/tan55°となり、寸法bは背面板3の厚さで決まる。
よって寸法bを小さくするには背面板3を薄くすればよいが、背面板3を薄くすることは背面板3の強度を低下させるため好ましくない。同様に、寸法cを小さくして枠部分を細くすることは、背面板3の強度を低下させるため好ましくない。
前述のように寸法b及びcを変更することは好ましくないため、図5(e)及び(f)に示すように、寸法b及びcを変更しないで、寸法aのみを大きくすることで開口率を上げる方法があるが、この場合、寸法aをn倍すると、正方形状ユニットの幅wは、w=na+2b+2cとなり、正方形状ユニットの面積が大きくなる。そのため、背面板3の全体の面積が大きくなる。背面板3の面積を最適値よりも大きくすることは、前述のように寄生容量を増やすこととなり、感度を低下させてしまうため、寸法aを大きくすることは好ましくない。
以上のように、従来の圧力センサでは、ダンピングを低減するために、背面板3の面積を小さくしたり、背面板3に形成された貫通穴5の開口率を大きくしたりすると感度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減することができる圧力センサ及びその製造方法を提供するものである。
本発明の圧力センサは、印加された圧力に応じて振動する振動電極板と、この振動電極板から所定の間隔をおいて対向配置された固定電極板とを備え、前記固定電極板は、前記振動電極板に対向する第1の面と、この第1の面と平行な第2の面と、前記第1の面から前記第2の面まで貫通する貫通穴とを有し、前記第1及び前記第2の面は、それぞれ、前記貫通穴の第1及び第2の開口部を有し、前記貫通穴は、前記第1の開口部から前記第2の開口部に向かって広がる複数のテーパ状の内壁面を有し、前記第1の開口部の形状は、所定の開口率を有するよう前記固定電極板に網目状に仮配置された仮開口部の正方形と、複数の前記仮開口部の内のいくつかを結合することによって設定された長方形が混在している構成を有している。
この構成により、本発明の圧力センサは、第1の開口部の形状が、所定の開口率を有するよう固定電極板に網目状に仮配置された複数の仮開口部の形状に基づいて設定されるので、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減することができる。
また、本発明の圧力センサは、前記第1の開口部の形状の一部は、少なくとも2つの前記仮開口部を含む形状であり、前記仮開口部の形状は、正方形である構成を有している。
この構成により、本発明の圧力センサは、開口部を形成する従来の製造工程を適用することができ、新たな設備投資を必要としないので、製造コストを増大させることなく開口率を上げてダンピングを低減することができる。
さらに、本発明の圧力センサは、前記第1の開口部の一部は、同一の長方形が繰り返されてなる構成を有している。
この構成により、本発明の圧力センサは、ほぼ同一の略長方形状の開口部を任意に組み合わせることができ、所望の開口率を設定することができる。
さらに、本発明の圧力センサは、前記第1の開口部の一部は、互いに異なる長方形が繰り返されてなる構成を有している。
この構成により、本発明の圧力センサは、互いに異なる略長方形状の開口部を任意に組み合わせることができ、所望の開口率を設定することができる。
さらに、本発明の圧力センサは、前記振動電極板及び前記固定電極板の少なくとも一方は、単結晶シリコンからなり、アルカリ系溶液の異方性エッチングによって形成される構成を有している。
この構成により、本発明の圧力センサは、開口部を形成する従来の製造工程を適用することができ、新たな設備投資を必要としないので、製造コストを増大させることなく開口率を上げてダンピングを低減することができる。
本発明の圧力センサの製造方法は、振動電極板を形成する工程と、前記振動電極板に対向する第1の面及び前記第1の面と平行な第2の面を有する固定電極板を前記振動電極板から所定の間隔をおいて形成する工程と、前記第1及び前記第2の面にそれぞれ形成される第1及び第2の開口部と前記第1の開口部から前記第2の開口部に向かって広がる複数のテーパ状の内壁面とを有する貫通穴をウェットエッチングによって形成する工程と、所定の開口率を有するよう前記固定電極板に網目状に仮配置された複数の仮開口部の内のいくつかを結合することによって前記第1の開口部の形状を設定する工程とを含む構成を有している。
この構成により、本発明の圧力センサの製造方法は、第1の開口部の形状が、所定の開口率を有するよう固定電極板に網目状に仮配置された複数の仮開口部の形状に基づいて設定されるので、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減することができる。
また、本発明の圧力センサの製造方法は、前記固定電極板は、同一ウェハ上に一括して複数形成され、前記第1の開口部は、前記固定電極板毎に互いに異なる形状で形成される
構成を有している。
この構成により、本発明の圧力センサの製造方法は、互いに異なる開口率を有する複数の固定電極板を同一ウェハ上に一括して作製することができるので、種々の周波数特性を有する圧力センサを同時に作製することができる。
本発明は、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減することができるという効果を有する圧力センサ及びその製造方法を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態の圧力センサの構成について図1を用いて説明する。図1(a)は、本実施の形態の圧力センサの断面図、図1(b)は、本実施の形態の圧力センサに係る背面板を概念的に表した上面図、図1(c)は、本実施の形態の圧力センサに係る背面板に仮配置された仮開口部を示す図である。なお、図1(a)は、図1(b)における線分AAの断面図である。
図1(a)に示すように、本実施の形態の圧力センサ10は、印加された圧力に応じて振動する振動板11aを含む半導体基板11と、空隙部16を介して振動板11aと対向配置された背面板12と、半導体基板11と背面板12との間に設けられた絶縁膜13と、半導体基板11上に設けられた電極17と、背面板12上に設けられた電極18とを備え、背面板12には複数の貫通穴15が設けられている。
半導体基板11及び背面板12は、例えば単結晶シリコン半導体で構成される。また、絶縁膜13は、例えば酸化シリコン膜で構成され、電極17及び18は、例えばアルミニウム膜で構成される。なお、振動板11aは、本発明の振動電極板を構成している。また、背面板12は、本発明の固定電極板を構成している。
背面板12に設けられた貫通穴15は、図1(b)に示すように構成されている。図1(b)において、貫通穴15は、背面板12の振動板11a側の面(以下「下面」という。)に形成された長方形状の開口部15aと、振動板11a側の面と反対側の面(以下「上面」という。)に形成された長方形状の開口部15bと、下面から上面に向かって広がる4つのテーパ状の内壁面15cとで構成されている。以下、貫通穴15を構成する1つの組を長方形状ユニットという。
開口部15aは、図1(c)に示すように、所定の開口率を有するよう網目状に仮配置された複数の仮開口部20の形状に基づいて設定されている。ここでは一例として、前述の従来例で示した、アルカリ系溶液の異方性エッチングによる正方形状ユニット(図5(b)参照。)と同様な構成に基づいて開口部15aが設定されたものを示している。
図1(c)に示された仮開口部20は、背面板12の下面に仮想的に形成される正方形状の開口部20aと、背面板12の上面に仮想的に形成される正方形状の開口部20bと、下面から上面に向かって仮想的に広がる4つのテーパ状の内壁面20cとで構成されて縦方向及び横方向に配列され、例えば5%の開口率となるよう開口部20aの面積が決定されるようになっている。そして、ユニット幅(図面横方向)を変えずに、縦方向に隣接する2つの仮開口部20の開口部20aを2つずつ結合することにより、図1(b)に示すような長方形状の開口部15aが構成される。
なお、図1(c)における開口率とは、背面板12の面積に対する複数の開口部20aの総面積の比率をいう。同様に、図1(b)における開口率とは、背面板12の面積に対する複数の長方形状の開口部15aの総面積の比率をいう。ここで、背面板12の面積とは、背面板12の下面の面積から、4つの絶縁膜13が背面板12と接触する面積を除いた面積をいう。
次に、図1(b)に示された長方形状ユニットについて図2を用いて詳細に説明する。図2(a)は、長方形状ユニットの詳細上面図、図2(b)は、長方形状ユニットの断面図、図2(c)〜(e)は、長方形状ユニットの配置例を示す図である。
図2(a)に示すように、長方形状ユニットは、開口部15a及び15bと、テーパ状の内壁面15cとを有している。図2(a)において、寸法aは開口部15aの一辺の長さ、寸法bはテーパ部分を背面板12の上面に投影した長さ、寸法cは枠部分の一辺の長さ、wは長方形状ユニットの幅であり、w=a+2b+2cである。ゆえに、開口部15aの縦寸法は(w+a)、横寸法はaである。なお、寸法の具体例を挙げれば、背面板12の厚さを50μm程度とした場合、a=5〜30μm程度、b=35μm程度、c=5〜10μm程度、w=85〜120μm程度が好ましい。
したがって、所望の開口率が得られるように、正方形状ユニットを縦方向N個×横方向M個として、縦寸法((N−1)w+a)、横寸法((M−1)w+a)の貫通穴を配置することができる(N、Mは1以上の整数)。ただし、N及びMの少なくとも一方は1であることが、背面板12の強度を保つために望ましい。
背面板12に貫通穴を設ける構成としては、図1(b)に示されたものに限定されるものではない。例えば、図2(c)に示すように、縦方向2個×横方向1個の正方形状ユニットで構成された長方形ユニット21を、縦及び横方向に繰り返して展開する配置としてもよい。また、図2(d)に示すように、縦方向2個×横方向1個の正方形状ユニットで構成された長方形ユニット21と、縦方向1個×横方向2個の正方形状ユニットで構成された長方形ユニット22とを1組として、縦及び横方向に繰り返して展開する配置としてもよい。さらに、図2(e)に示すように、縦方向3個×横方向1個の正方形状ユニットで構成された長方形ユニット23と、縦方向1個×横方向2個の正方形状ユニットで構成された長方形ユニット22と、2つの正方形状ユニット24とを1組として、縦及び横方向に繰り返して展開する配置としてもよい。
なお、本実施の形態に係る背面板12における貫通穴15の構成は、正方形状ユニットを接続していく配置のため、正方形状ユニットを選択して接続し、接続されたものを配置していく方法としては、図示したもの以外に様々なものが考えられる。また、様々な貫通穴を設けることが可能なので、本実施の形態の圧力センサ10は、開口率を自在に設定できることとなる。
また、図1(b)及び図2(c)に示すように、同一の長方形ユニットを配置し、長方形状の開口部の方向が同一方向になるような場合は、空隙部16の空気の出入りのしやすさに方向依存性が生じる可能性があるので、図2(d)及び(e)に示すように、開口部の方向や長さが互いに異なる複数の組み合わせに基づいて、空隙部16の空気の出入りが等方的に行われるような配置とするのが好ましい。
ここで、空隙部16の空気の出入りが等方的に行われるような配置とは、例えば図3に示すような配置をいう。図3において、縦方向2個×横方向1個の正方形状ユニットで構成された長方形ユニット21と、縦方向1個×横方向2個の正方形状ユニットで構成された長方形ユニット22と、正方形状ユニット24との組み合わせによって、左右及び上下方向に対照的に開口部が構成されている。
また、本発明では、感度が最大になるように設定した背面板の面積とほぼ同等の面積で開口率を変更することを前提としている。したがって、開口率を変更する範囲は、開口率の変更によって感度が影響を受けない範囲となるよう設定する。
例えば、図1(c)に示す仮配置の状態で背面板の面積が99%(開口率1%)で、図1(b)に示す貫通穴の結合後の状態で背面板の面積が95%(開口率5%)ならば、0.95/0.99=0.96であり、4%の感度低下となるが、本実施の形態の圧力センサ10を例えばシリコンマイクに適用する場合、5%程度の感度の低下では影響のない範囲である。したがって、シリコンマイクに適用する場合は、図1(c)に示された正方形状の仮開口部を仮配置したときに感度が最大になるよう貫通穴の数や配置を決めた後、開口率が5%程度以下になるよう正方形状の開口部を結合して図1(b)に示すような長方形の開口部にすればよい。
また、例えば、図1(c)に示す仮配置の状態で背面板の面積が90%(開口率10%)で、図1(b)に示す貫通穴の結合後の状態で背面板の面積が70%(開口率30%)ならば、0.7/0.9=0.78であり、22%の感度低下となる。このような場合は、図1(c)に示された正方形状の開口部を仮配置したときに開口率30%で最適な背面板の面積を設定した後、背面板の面積が例えば68%(開口率32%)程度になるよう正方形状の開口部を結合して図1(b)に示すような長方形の開口部にすれば、0.68/0.7=0.97であり、感度の低下を3%に抑えることができる。
以上のように、本実施の形態の圧力センサ10に係る開口部15aは、正方形状の複数の仮開口部20の形状に基づいて設定されるので、本実施の形態の圧力センサ10では、仮開口部20を仮配置した際の開口率の算出や、仮配置をやり直して開口率を再計算することが容易となる。
なお、前述の構成説明において使用した「長方形状」、「正方形状」という文言は、完全な長方形や、完全な正方形を限定して意味するものでない。
次に、本実施の形態の圧力センサ10の製造方法について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態の圧力センサ10の製造工程の説明図である。なお、以下に記載の材質、膜厚、製造手法等は一例であり、これらに限定されるものではない。
まず、図4(a)に示すように、圧力センサ10の振動板が形成される半導体基板11に、粉体酸化ケイ素を主成分としホウ素又はリンを高濃度に含む絶縁膜13を所望の厚さに堆積する。例えば、化学気相堆積法によって、膜厚3〜15μm程度の絶縁膜13を300μm以上の厚さの半導体基板11に堆積する。ここで、半導体基板11に代えて半導体基板で構成される背面板12に絶縁膜13を堆積する工程としてもよい。
次いで、図4(b)に示すように、半導体基板11と背面板12とを絶縁膜13を介して重ね合わせて熱処理を行い接着する。そして、背面板12を研削及び研磨して、背面板12の厚さを例えば50μm程度にする。なお、以下の記載において、半導体基板11と背面板12とが接着されたものをシリコンウェハという。また、シリコンウェハの背面板12側の面を表面といい、半導体基板11側の面を裏面という。
続いて、図4(c)に示すように、シリコンウェハの表面及び裏面に例えば熱処理によって酸化膜14を成長させ、この酸化膜14をフォトリソグラフィ技術で加工し、エッチングマスクを形成する。
ここで形成されるエッチングマスクのパターンは、例えば、図1(c)に示すように、所定の開口率を有するよう網目状に仮配置された複数の仮開口部20の形状に基づき、隣接する2つの仮開口部20の開口部20aを2つずつ結合し、図1(b)に示すような長方形状の開口部15aのパターンとされる。
引き続き、図4(d)に示すように、酸化膜14で形成されたエッチングマスクを用いてアルカリ系の溶液、例えばTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)によるエッチングによって、振動板11aと、背面板12と、貫通穴15とを形成する。
なお、例えば80℃のTMAHを使用する場合は、エッチングレートは約20〜25μm/時間であり、半導体基板11の厚さが300μm以上であるので、エッチング時間は15〜18時間程度となる。また、エッチングに用いるアルカリ系の溶液は、TMAHに限定されるものではなく、例えば、水酸化カリウム溶液やEDP(エチレンジアミンピロカテコール)溶液等を用いてもよい。
続いて、図4(e)に示すように、背面板12をエッチングマスクにして絶縁膜13をフッ化水素酸でエッチングすることにより、空隙部16が得られる。そして、背面板12側から金属膜を蒸着して電極17及び18を形成する。
なお、図4に示された本実施の形態の圧力センサ10の製造工程の説明図は、説明を簡略化するため1つの圧力センサ10を製造する工程を示したものであるが、同時に複数の圧力センサ10を製造する工程としてもよい。図4(c)に示された製造工程において、酸化膜14で形成されたエッチングマスクにより、互いに異なる開口率を有する複数の背面板を同時に作製することによって、種々の周波数特性を有する圧力センサを同時に作製することができる。
また、貫通穴15を形成する製造方法としては、前述のアルカリ系溶液の異方性エッチングに限定されるものではなく、ドライエッチングを用いることもできるが、下記の理由によりアルカリ系溶液の異方性エッチングによって形成するのが好ましい。
文献(A Silicon condenser microphone using bond and etch−back technology, J.Bergqvist, et al., Sensors and Actuators A45(1994),pp.115−124)によれば、背面板の貫通穴によって振動板が受ける粘性抵抗をRとすると、貫通穴の断面がテーパ形状ではなくストレート形状の場合の粘性抵抗Rは式(2)によって表され、前述のRと同様にダンピングの原因となることが知られている。
Figure 0004975265
ここで、μは空気の粘度、tは背面板の厚さ、Aは背面板の面積(貫通穴の面積を含まない。)、nは背面板の穴密度、rは背面板の貫通穴の半径を示している。
一方、貫通穴の断面がテーパ形状の場合の粘性抵抗Rは式(3)で表される。
Figure 0004975265
次に、図5(c)に示されたテーパ形状の貫通穴のR(RH1)を計算し、また、これと同じ開口率を持ちドライエッチングで作製される貫通穴として、図5(c)に示された距離aを1辺とし、断面がストレート形状の貫通穴を仮定し、この貫通穴のR(RH2)を計算して、RH1とRH2との比をとると式(4)が得られる。ここで、図5(c)における距離aを10μm、図5(d)における背面板の厚さtを50μmとする。
Figure 0004975265
したがって、アルカリ系溶液の異方性エッチングにより作製されるテーパ状の貫通穴では、ドライエッチングにより作製される断面が一様なストレート形状の貫通穴に比べ、粘性抵抗を約5%までに低減できるので、ドライエッチングよりもアルカリ系溶液の異方性エッチングによって貫通穴15を形成する方が好ましい。
以上のように、本実施の形態の圧力センサ10によれば、開口部15aの形状は、所定の開口率を有するよう固定電極板に網目状に仮配置された複数の仮開口部20の形状に基づいて設定される構成としたので、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減することができる。
また、本実施の形態の圧力センサ10によれば、開口部15aを形成する製造工程は、従来の製造工程を適用することができ、新たな設備投資を必要としないので、製造コストを増大させることなく開口率を上げてダンピングを低減することができる。
また、本実施の形態の圧力センサ10によれば、図1(b)及び図2(c)に示すように、ほぼ同一の略長方形状の開口部を任意に組み合わせることができるので、所望の開口率を容易に設定することができ、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減することができる。
また、本実施の形態の圧力センサ10によれば、図2(d)及び(e)に示すように、互いに異なる略長方形状の開口部を任意に組み合わせることができるので、所望の開口率を容易に設定することができ、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減することができる。
また、本実施の形態の圧力センサ10によれば、感度をほぼ一定に維持してダンピングを低減しながら、図3に示すように、空隙部16の空気の出入りが等方的に行われるように開口部を配置することができる。
なお、前述の実施の形態において、開口部15aを長方形状に形成する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、長方形以外の多角形で形成しても同様の効果が得られる。
また、前述の実施の形態において、開口部15aが、正方形状の複数の仮開口部20の形状に基づいて設定される構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、仮開口部を正方形状以外の形状で形成してもよい。ただし、正方形状の開口部は、従来用いられている形状であり、開口率の算出も容易なので、仮開口部を正方形状とするのが好ましい。
(a) 本実施の形態の圧力センサの断面図 (b) 本実施の形態の圧力センサに係る背面板を概念的に表した上面図 (c) 本実施の形態の圧力センサに係る背面板に仮配置された仮開口部を示す図 (a) 本実施の形態の圧力センサに係る長方形状ユニットの詳細上面図 (b) 本実施の形態の圧力センサに係る長方形状ユニットの断面図 (c) 本実施の形態の圧力センサに係る長方形状ユニットの配置例を示す図 (d) 本実施の形態の圧力センサに係る長方形状ユニットの配置例を示す図 (e) 本実施の形態の圧力センサに係る長方形状ユニットの配置例を示す図 本実施の形態の圧力センサにおいて、空隙部の空気の出入りが等方的に行われるような配置例を示す図 本実施の形態の圧力センサに係る製造工程の説明図 (a)従来の圧力センサの断面図 (b)従来の圧力センサに係る背面板の上面図 (c)従来の圧力センサに係る貫通穴の説明図 (d)従来の圧力センサに係る貫通穴の断面図 (e)従来の圧力センサに係る貫通穴の説明図 (f)従来の圧力センサに係る貫通穴の断面図
符号の説明
10 圧力センサ
11 半導体基板
11a 振動板(振動電極板)
12 背面板(固定電極板)
13 絶縁膜
14 酸化膜
15 貫通穴
15a 長方形状の開口部
15b 長方形状の開口部
15c テーパ状の内壁面
16 空隙部
17、18 電極
20 仮開口部
20a 正方形状の開口部
20b 正方形状の開口部
20c テーパ状の内壁面
21、22、23 長方形ユニット
24 正方形状ユニット

Claims (7)

  1. 印加された圧力に応じて振動する振動電極板と、この振動電極板から所定の間隔をおいて対向配置された固定電極板とを備え、前記固定電極板は、前記振動電極板に対向する第1の面と、この第1の面と平行な第2の面と、前記第1の面から前記第2の面まで貫通する貫通穴とを有し、前記第1及び前記第2の面は、それぞれ、前記貫通穴の第1及び第2の開口部を有し、前記貫通穴は、前記第1の開口部から前記第2の開口部に向かって広がる複数のテーパ状の内壁面を有し、前記第1の開口部の形状は、所定の開口率を有するよう前記固定電極板に網目状に仮配置された仮開口部の正方形と、複数の前記仮開口部の内のいくつかを結合することによって設定された長方形が混在していることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記第1の開口部の形状の一部は、少なくとも2つの前記仮開口部を含む形状であり、前記仮開口部の形状は、正方形であることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記第1の開口部の一部は、同一の長方形が繰り返されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧力センサ。
  4. 前記第1の開口部の一部は、互いに異なる長方形が繰り返されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧力センサ。
  5. 前記振動電極板及び前記固定電極板の少なくとも一方は、単結晶シリコンからなり、アルカリ系溶液の異方性エッチングによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の圧力センサ。
  6. 振動電極板を形成する工程と、前記振動電極板に対向する第1の面及び前記第1の面と平行な第2の面を有する固定電極板を前記振動電極板から所定の間隔をおいて形成する工程と、前記第1及び前記第2の面にそれぞれ形成される第1及び第2の開口部と前記第1の開口部から前記第2の開口部に向かって広がる複数のテーパ状の内壁面とを有する貫通穴をウェットエッチングによって形成する工程と、所定の開口率を有するよう前記固定電極板に網目状に仮配置された複数の仮開口部の内のいくつかを結合することによって前記第1の開口部の形状を設定する工程とを含むことを特徴とする圧力センサの製造方法。
  7. 前記固定電極板は、同一ウェハ上に一括して複数形成され、前記第1の開口部は、前記固定電極板毎に互いに異なる形状で形成されることを特徴とする請求項6に記載の圧力センサの製造方法。
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