JP4974425B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザービームを用いたアニール工程を有する半導体装置の作製方法に関する。特に、非晶質半導体膜をレーザービームにより結晶化する工程を有する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスなどの基板上に形成した非晶質半導体膜を、レーザーアニールにより結晶化させる技術が開発されている。レーザーアニールとは、半導体基板又は半導体膜に形成された損傷層やアモルファス層を再結晶化する技術、又は基板上に形成された非晶質半導体膜を結晶化させる技術、又は結晶構造を有する半導体膜(結晶質半導体膜)の結晶性を向上させる技術を指している。適用されるレーザー発振装置は、エキシマレーザーに代表される気体レーザーや、YAGレーザーに代表される固体レーザーが通常用いられている。
【0003】
従来のレーザーアニール法の一例は特開平2−181419号公報に開示されているように、被照射物の全面にレーザービームが均一照射する方法や、特開昭62−104117号公報に開示のスポット状のビームを走査する方法や、或いは特開平8−195357号公報に開示のレーザー処理装置のように光学系にて線状にビームを加工して照射していた。
【0004】
上記特開昭62−104117号公報においては、レーザービームの走査速度をビームスポット径×5000/秒以上として非晶質半導体膜を完全な溶融状態に至らしめることなく多結晶化する技術が開示されている。また、米国特許4,330,363号には島状に形成された半導体領域に、引き延ばされたレーザービームを照射して実質に単結晶領域を形成する技術が開示されている。
【0005】
レーザーアニールの特徴は、輻射加熱或いは伝導加熱を利用するアニール法と比較して、レーザービームが照射されそのレーザービームのエネルギーを吸収する領域のみを選択的に加熱することができる点にある。例えば、エキシマレーザーを用いたレーザーアニールは半導体膜を選択的且つ局所的に加熱して、ガラス基板に殆ど熱的損傷を与えずに、半導体膜の結晶化や活性化処理を実現している。
【0006】
近年におけるレーザーアニールの積極的な活用は、ガラス基板上への多結晶珪素膜の形成にあり、このプロセスは液晶表示装置のスイッチング素子として用いられる薄膜トランジスタ(TFT)の作製に応用されている。エキシマレーザーを使うと半導体膜が形成された領域しか熱的な影響を与えないため、安価なガラス基板を用いることが可能となっている。
【0007】
レーザーアニールによって結晶化した多結晶珪素膜で作製されるTFTは比較的高い周波数で駆動できるので、画素に設けるスイッチング素子のみでなく、駆動回路をガラス基板上に形成することも可能となっている。パターンのデザインルールは5〜20μm程度であり、駆動回路及び画素部にそれぞれ106〜107個程度のTFTがガラス基板上に作り込まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
レーザーアニールよる非晶質珪素膜の結晶化は、溶融−固化の過程を経て成されるが、詳細には結晶核の生成とその核からの結晶成長との段階に分けて考えられている。しかしながら、パルスレーザービームを用いたレーザーアニールは、結晶核の生成位置と生成密度を制御することができず、自然発生する結晶核を利用して結晶化を行っている。従って、結晶粒はガラス基板の面内で任意の位置に形成され、そのサイズも0.2〜0.5μm程度と小さなものしか得られていない。
【0009】
通常、結晶粒界には多数の欠陥が生成されるので、それがTFTの電界効果移動度を制限する要因であると考えられている。また、任意に発生する結晶核に依存することにより、結晶方位も無作為なものとなり、配向の揃った結晶質半導体を得ることができない。
【0010】
非溶融領域に形成されると言われるパルスレーザーアニールでは、結晶核に起因する結晶成長が支配的となり、結晶の大粒径化を実現することができない。具体的には、TFTのチャネル領域に結晶粒界の存在しないような、素子レベルで見て実質的に単結晶と見なせる結晶を形成することはできない。結晶粒界に限らず、生成される欠陥又は転位は、結晶化に伴う緻密化により膜の体積が収縮することで発生する。
【0011】
一方、連続発振レーザービームを走査して溶融−固化させながら結晶化する方法は、ゾーンメルティング法に近い方法であると考えられ、連続的な結晶成長により大粒径化が可能であると考えられている。しかし、最初に結晶化される種となる領域の結晶性により、得られる結晶の品質は依存してしまうことが問題である。具体的には、偶発的に発生する結晶核を期待して結晶成長が成されている。
【0012】
連続発振レーザービームによる結晶化は連続的な結晶成長を可能にするが、パルスレーザービームより長い時間溶融状態を経るのでその間に外部から不純物が取り込まれる割合が増加する。それが結晶中で偏析することにより、不純物に起因する欠陥が形成され、結局結晶の品質は悪化してしまうことが問題となる。
【0013】
本発明は、上記問題点を鑑みなされたものであり、結晶方位を制御して、配向の揃った結晶質半導体膜を形成すると共に、不純物の濃が低減された結晶質半導体膜を得る技術を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明の半導体装置の作製方法は、珪素の酸化物又は窒化物又はそれらの混合体、或いは、アルミニウムの酸化物又は窒化物又はそれらの混合体で形成される絶縁表面上に、非晶質半導体で成る第1半導体領域を形成し、第1半導体領域の一端部から他端部に向けて連続発振レーザービームを走査して、第1半導体領域を一旦溶融させて(100)面の配向率が70%以上である結晶質半導体を形成し、その後、TFTの活性層を形成するために第1半導体領域をエッチングして第2半導体領域を形成するものである。
【0015】
第1半導体領域は、絶縁表面上に形成された非晶質半導体膜をエッチングして所定のパターンに形成したものが適用される。即ち、非晶質半導体で形成すれば良い。他の形態として、予め結晶化されているものを適用することも可能である。第1半導体領域の一端部の側面は、絶縁表面に対し概略垂直とする。具体的には90±10度の角度をもって形成する。写真蝕刻により第1半導体領域の内側領域に形成される第2半導体領域をもってTFTの活性層を形成する。第2半導体領域のパターンは、TFTにおける電界効果移動度を向上させるために、レーザービームの走査方向とチャネル長方向とを概略一致させる。
【0016】
レーザービームは、第1半導体領域の当該一端部から他端部に向けて、また、当該他端部から一端部に向けて、同じ領域を重畳するように連続発振レーザービームを走査して、当該第1半導体領域を結晶化させても良い。同じ領域を複数回照射することで、結晶化率を高めることができる。レーザービームの照射面における形状は、楕円形、長円形、矩形、四角形、線状形状、円形など特に限定されるものではないが、好適には楕円形又は長円形又は矩形とすることが望ましい。
【0017】
また、ビームプロファイルが均一でない場合において、レーザービームを重畳させながらずらすことにより、半導体領域へ照射する実効エネルギーが平均化して結晶性を均質化する。一回のレーザービームの走査で第1半導体領域の全面を結晶化できない場合には、当該レーザービームを10〜90%の割合で重畳させて走査しても良い。
【0018】
第1半導体領域の形状は矩形、多角形、四角形、円形など任意なものが適用できる。特定の結晶面を選択的に成長させるには、第1半導体領域の一端部を鋭角とするか又は突出部を設け、レーザービームをこの一端部から照射する。その理由は、生成する結晶核の数を減らし、一つの結晶核のみを優先的に成長させる為である。この領域をシード領域とも呼ぶ。シード領域は第1半導体領域に一端部におる領域であり、複数の結晶核が自然発生するのを防ぐために突出部の幅は1〜5μmとする。
【0019】
MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)電界効果トランジスタにおいては、ゲート絶縁膜を形成する酸化膜界面の界面準位密度が最小となる{100}面の結晶珪素が用いられている。TFTでも同様に{100}面の結晶を選択することで電界効果移動度を向上させることが期待できる。本発明における{100}面の結晶を選択的に成長させるための手段は、図7に示すように、基板150の絶縁表面に対し、第1半導体領域151の側面を概略垂直とする。具体的には90±10度、好ましくは90±5度とする。それにより結晶成長に際し拘束力を与え、{100}面の結晶成長を支配的とすることが可能となる。連続発振レーザービーム152の照射領域には溶融帯154が形成され、それが通過して固化した領域が結晶化して結晶質半導体153が形成される。
【0020】
第1半導体領域は非晶質半導体で形成し、連続発振レーザービームにより結晶化させる。また、非晶質半導体を固相成長で結晶化させた結晶質半導体で形成しても良い。非晶質半導体膜としては、非晶質珪素膜、非晶質シリコンゲルマニウム膜、非晶質炭化珪素膜などを適用することができる。この場合も連続発振レーザービームを照射して再結晶化することにより結晶方位の揃った大粒径の結晶を成長することができる。
【0021】
連続発振レーザービームの照射による結晶化において、その雰囲気は空気中、酸化雰囲気中、還元雰囲気中、不活性気体中、減圧下のいずれも可能である。結晶の大粒径化を容易とするためには空気中又は酸化性雰囲気中など酸素含有雰囲気で行うことが望ましい。また、結晶化に伴う表面の凹凸化は、酸素含有雰囲気中での連続発振レーザービーム照射と、その後、半導体表面の酸化膜を除去して不活性雰囲気又は減圧下でのレーザービームの照射とを組み合わせて行う。この組み合わせにおいて、2回目のレーザービームの照射は半導体表面の平坦化を目的としたものである。
【0022】
非晶質半導体膜が結晶化に伴って緻密化し膜は収縮する。これにより島状に分割形成されている第1半導体領域の外周部に歪み領域が形成される。この歪み領域には結晶欠陥が生成され、それがTFTのオフ電流を増加させるなど好ましくない要因となっている。従って、TFTの活性層を形成する第2半導体領域は、第1半導体領域の端部に至らない内側に形成する。
【0023】
第1半導体領域を結晶質半導体膜で形成する場合には、絶縁表面上に非晶質半導体膜を形成し、珪素の結晶化温度を低温化させる触媒元素を添加した後、加熱処理により当該非晶質半導体膜を結晶化させて結晶質半導体膜を形成する。その後、結晶質半導体膜をエッチングして前記第1半導体領域を形成しても良い。
【0024】
適用される触媒元素としてはFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種又は複数種を用いる。また、非晶質半導体膜の厚さは10nm乃至200nmで形成する。非晶質珪素膜に当該金属元素を添加して加熱処理を施すことにより、珪素と当該金属元素との化合物(シリサイド化物)を形成し、それが拡散することにより結晶化が進行する。
【0025】
触媒元素を用いた結晶化法において、非晶質半導体膜に特定元素が0.1〜5原子%程度の割合で添加されていても良い。特定元素としては、4配位の半金属又は半導体の内、珪素よりも原子半径の大きな元素であり、代表的にはゲルマニウムが適用される。非晶質珪素膜に添加したゲルマニウムは化合物(シリサイド化物)と反応せず、その周囲に存在することにより局所的な歪みを生じさせる。この歪みは核生成の臨界半径を大きくする方向に作用して、核生成密度を低減させると共に、結晶の配向を制限する効力を持つ。
【0026】
結晶質半導体膜において、結晶化に用いた触媒元素、又は溶融状態を経ることにより外部から取り込まれた不純物を除去する手段として、ゲッタリング処理を適用することができる。歪み場を形成するゲッタリングサイト(不純物を偏析させる領域)は、リン又はアルゴン等の周期律18族元素が添加された非晶質半導体又は結晶質半導体が適している。ゲッタリング処理により、上述の触媒元素、又は結晶化の過程で混入したその他の金属元素を除去することができ、不純物に起因する欠陥密度を低減することができる。
【0027】
上記発明の構成において、絶縁表面を形成する基板は、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスに代表される無アルカリガラス、石英、酸化珪素など絶縁膜が形成されたシリコンウエハーなどの半導体基板を適用することができる。
【0028】
結晶化に用いるレーザービームを放射するレーザー発振装置には、気体レーザー発振装置、固体レーザー発振装置が適用され、特に連続発振可能なレーザー発振装置を適用する。連続発振の固体レーザー発振装置としては、YAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振装置が適用される。発振波長の基本波はドープする材料によっても異なるが、1μmから2μmの波長で発振する。非晶質半導体膜を結晶化させるためにはレーザービームを半導体膜で選択的に吸収させるために、可視域から紫外域の波長のレーザービームを適用し、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、非晶質半導体膜の結晶化に際して、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)を用いる。その他に、アルゴンレーザー、クリプトンレーザーなどの気体レーザー発振装置を適用することもできる。
【0029】
いずれにしても、半導体膜の吸収係数との関係から、連続発振レーザービームの波長は、400nm乃至700nmであることが望ましい。それよりも長波長領域の光では、半導体の吸収係数が小さく、溶融させるためにパワー密度を高めると、基板まで熱的なダメージを受けてしまう。また、それよりも短波長領域の光では、半導体の表面で殆どが吸収され内部から加熱することが出来ないので、表面状態の影響を受けて無作為な結晶成長が支配的となってしまう。
【0030】
固体レーザー発振装置から放射されるレーザービームはコヒーレント性が強く照射面において干渉が発生してしまうので、これを打ち消す手段として、異なるレーザー発振装置から放射される複数のレーザービームを照射部において重ね合わせる構成とする。このような構成とすることにより、干渉を除去するばかりでなく、照射部における実質的なエネルギー密度を増加させることができる。また、他の手段として、異なるレーザー発振装置から放射される複数のレーザービームを、光学系の途中で同一の光軸に重ね合わせた構成としても良い。
【0031】
上記干渉を除去する手段を設けたレーザー処理装置の構成としては、n(n=自然数)個の光学系を有し、第nの光学系は、第nのレーザー発振装置と、第nのY軸方向にレーザービームを操作する偏向手段と、第nのX軸方向にレーザービームを走査する偏向手段と、第nのfθレンズと、から成り、n個の光学系により集光され偏向されたn本のレーザービームは、被処理物の概略同一位置に照射する構成をもって実現することができる。偏向手段としてはガルバノミラーを適用することができる。
【0032】
上記レーザー処理装置の構成により、半導体を溶融させるのに十分なエネルギー密度のレーザービームを、照射部において干渉を生じさせることなく照射することができ、偏向手段によりレーザービームの位置を制御して走査することにより、大面積基板であっても半導体領域が形成された特定領域のみを処理することができる。よって、結晶化工程におけるスループットを向上させることができる。
【0033】
尚、本発明でいう非晶質半導体膜とは、狭義の意味で、完全な非晶質構造を有するものだけではなく、微細な結晶粒子が含まれた状態、又はいわゆる微結晶半導体膜、局所的に結晶構造を含む半導体膜を含む。代表的には非晶質シリコン膜が適用され、その他に非晶質シリコンゲルマニウム膜、非晶質シリコンカーバイト膜などを適用することもできる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の態様を明する。図1(A)において示す斜視図は、基板101上にブロッキング層102、第1半導体領域103が形成されている状態を示している。ブロッキング層102は酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素などの絶縁体で形成され、それにより絶縁表面が形成される。半導体領域を形成する材料は、珪素、珪素とゲルマニウムの化合物又は合金、珪素と炭素の化合物又は合金が適用される。この中で最も適した材料は珪素である。第1半導体領域103の端部は、基板101或いはブロッキング層102により形成される絶縁表面に対し概略垂直となるように形成する。具体的には、90±10度、好ましくは90±5度とする。
【0035】
第1半導体領域103からは、点線で示す位置にTFTの活性層104が形成される。活性層104形成領域は、半導体領域103の端部に至らない内側に形成する。尚、ここで活性層とは、TFTのチャネル形成領域と、ソース又はドレイン領域などのように価電子制御された不純物領域を含んでいう。
【0036】
レーザービーム105は半導体領域103に対して一方向に走査して結晶化させる。又は、最初に走査した方向と平行にして往復走査しても良い。適用されるレーザービームはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振装置から放射されるレーザービームの第2高調波であり、ドーパントにNdを使っている場合にはYVO4において532nmの波長が得られる。勿論、波長はこの値に限定されるものではなく、第1半導体領域を形成する材料の吸収係数を考慮して決めることになる。
【0037】
最も適した材料として選ばれる珪素の場合、吸収係数が103〜104cm-1である領域はほぼ可視光域にある。可視光に対して透明なガラス基板上に30〜200nmの厚さをもって非晶質珪素膜で形成される第1半導体領域に対し波長400〜700nmの可視光域の光を照射することで、当該半導体領域を選択的に加熱することができる。
【0038】
具体的には、非晶質珪素膜で形成される第1半導体領域103の532nmに対する光に侵入長は概略100nm〜1000nmであり、膜厚30nm〜200nmで形成される第1半導体領域の内部まで十分達することができる。即ち、半導体膜の内側から加熱することが可能であり、レーザービームの照射領域における半導体膜のほぼ全体を均一に加熱することができる。
【0039】
レーザービームの照射方法は図1(A)で示すように基板101に対して第1半導体領域103が形成された側からでも良いし、ガラス又は石英から成る基板が適用されている場合には基板101側から照射しても良い。また、レーザービームの照射面における形状は、楕円形、矩形など特に制限されるものはないが、好ましくは楕円形又は細長い矩形状とし、その短手方向にレーザービームを走査する。島状に分割形成された第1半導体領域103の一辺の長さよりも長いことが望ましいが、一回のレーザービームの走査で第1半導体領域の全面を結晶化できない場合には、当該レーザービームを10〜90%の割合で重畳させて走査しても良い。
【0040】
非晶質半導体膜が結晶化することによって、含有する水素の放出や、原子の再配列による緻密化が起こり体積の収縮が発生する。従って、非晶質領域と結晶領域の界面では、格子連続性も確保されず、歪みが生じることになる。図1(A)の様に第1半導体領域103の結晶化領域106の内側にTFTの活性層104を形成することは、この歪み領域を除去することでもある。
【0041】
図1(A)で示す第1半導体領域103の特徴的な形状は、角部にシード領域107が設けられたものであり、この部分からレーザービームを照射することにより、単一の結晶方位をもった半導体領域を形成することができる。結晶成長は、シード領域107に最初に形成される結晶、又は予め形成されている結晶を基に発生する。このシード領域にある結晶を種結晶と呼ぶが、これは偶発的に形成される結晶であっても良いし、触媒元素又は特定の元素を添加して意図的に結晶方位が定められた結晶を適用しても良い。
【0042】
触媒元素を用いた非晶質半導体膜の結晶化は、その作用により比較的高い配向率をもった結晶質半導体膜を得ることができる点で適している。適用される触媒元素としてはFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種又は複数種を用いる。非晶質半導体膜の厚さは10nm乃至200nmで形成する。触媒元素を用いる場合において非晶質半導体膜に特定元素を添加しておいても良い。
【0043】
また、特定元素として非晶質半導体膜にゲルマニウムを添加すると、配向率が高い結晶質半導体膜を得ることができる。このような作用を発現させるのに必要なゲルマニウムの濃度は、珪素に対し0.1原子%以上10原子%以下、好ましくは1原子%以上5原子%以下とすれば良い。非晶質珪素膜に当該金属元素を添加して加熱処理を施すことにより、珪素と当該金属元素との化合物(シリサイド化物)を形成し、それが拡散することにより結晶化が進行する。非晶質珪素膜に添加したゲルマニウムはこの化合物と反応せず、その周囲に存在することにより局所的な歪みを生じさせる。この歪みは核生成の臨界半径を大きくする方向に作用して、核生成密度を低減させると共に、結晶の配向を制限する効力を持つ。
【0044】
図2ではシード領域107から結晶が成長する過程を示すものであるが、第1半導体領域103の一端に設けられたシード領域107からレーザービーム105が照射され、半導体を溶融させながら他端に向かって走査することにより、その方向に従って結晶を成長させることができる。この時、シード領域107は鋭角とするか又は突出部を有する形状とし、生成する結晶核の数を減らし一つの結晶核のみを優先的に成長させると共に、連続発振レーザービーム(連続光)により定常的に溶融領域が保持されることにより連続した結晶を成長させることが可能となる。
【0045】
また、{100}面の結晶を選択的に成長させるために付加されるべき構成は、第1半導体領域103の側面を下地である絶縁表面に対し概略垂直となるようにする。具体的には90±10度、好ましくは90±5度とする。それにより結晶成長に際し拘束力を与え、{100}面の結晶成長を支配的とすることが可能となる。
【0046】
シード領域における結晶の選択性をより高める形状としては、図3に示すようにシード領域107が第1半導体領域103から突出した形状としても良い。突出部の幅は1〜5μmとすることで、複数の結晶粒が自然発生するのを防ぐことができる。
【0047】
また、図4で示す形態は、第1半導体領域103を形成する前の段階でシード領域107を形成する場合に適した形状であり、選択領域110はシード領域107から成長する結晶方位を一つに選択し、第1半導体領域103に連結するために設けられている。この場合におけるシード領域107は、第1半導体領域103とは別な層で形成された半導体で形成されるものであり、触媒元素を添加して結晶化された結晶質半導体膜、又は珪素にゲルマニウムが添加された非晶質半導体膜に触媒元素を添加して結晶化された結晶質半導体膜などが適用される。これらの結晶質半導体膜は配向率が高いので、これを利用すると再現性良く同一の結晶方位を有する結晶質半導体膜を形成することができる。
【0048】
連続発振レーザービームの照射により第1半導体領域103の全体を結晶化した後、好ましくはゲッタリング処理を加えると良い。連続発振レーザービームの照射により半導体は溶融状態となるが、その時間はビームの走査速度にも依存する。凡そ10〜100cm/secの走査速度が適用されるが、外部環境から不純部が混入することを完全に防ぐことはできない。好ましくない不純物としては酸素、窒素、炭素などの大気成分もあるが、その他のFe、Ni、Crなど装置の構成部材に起因する金属不純物がある。
【0049】
ゲッタリングは、第1半導体領域に接して歪み場を形成する半導体膜を形成した後、加熱処理により不純部を偏析させる。歪み場を形成する半導体膜としては、リンを添加した非晶質半導体膜、アルゴンなど周期律18族元素を添加した非晶質半導体膜などが適している。加熱温度は500〜800℃であり、ファーネスアニール炉、瞬間熱アニール(RTA)法などを用いて行う。瞬間熱アニール法ではハロゲンランプなどのランプ光の輻射で加熱する方法の他に、加熱され高温の気体で加熱する方法を用いても良い。
【0050】
その後、図1(B)で示すようにエッチングにより活性層108を形成する。その後、図1(C)に示す如く、ゲート絶縁膜108及びゲート電極109を形成し、また、半導体領域にソース及びドレイン領域を形成し、必要な配線を設ければTFTを形成することができる。図1(C)と図1(A)を対比して明らかなように、完成したTFTにおけるチャネル長方向と、レーザービームの走査方向は同じ方向とする。
【0051】
こうしたレーザービームの照射方法において、連続発振のレーザービームを照射することにより、その走査方向に大粒径の結晶成長を可能とする。勿論、それはレーザービームの走査速度やエネルギー密度等の詳細なパラメータを適宜設定する必要があるが、走査速度を1〜200cm/secとすることによりそれを実現することができる。例えば、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザー光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザー光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。
【0052】
パルスレーザーを用いた溶融−固化を経た結晶成長速度は1m/secとも言われているが、それよりも遅い速度でレーザービームを走査して、徐冷することにより固液界面における連続的な結晶成長が可能となり、結晶の大粒径化を実現することができる。レーザービームを走査する方向は一方向に限定されるものではなく、往復走査をしても良い。
【0053】
結晶面の特定は、例えば、反射電子線回折パターン(EBSP:Electron Backscatter diffraction Pattern)により求めることができる。EBSPは走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)に専用の検出器を設け、一次電子の後方散乱から結晶方位を分析する手法である(以下、この手法を便宜上EBSP法と呼ぶ)。EPSPを用いた結晶半導体膜の評価は、"Microtexture Analysis of Location Controlled Large Si Grain Formed by Exciter-Laser Crystallization Method: R. Ishihara and P. F. A. Alkemade, AMLCD'99 Digest of Technical Papers 1999 Tokyo Japan, pp99-102"において紹介されている。
【0054】
この測定方法は、結晶構造を持った試料に電子線が入射すると、後方にも非弾性散乱が起こり、その中には試料中でブラッグ回折による結晶方位に特有の線状パターン(一般に菊地像と呼ばれる)も合わせて観察される。EBSP法は検出器スクリーンに映った菊地像を解析することにより試料の結晶方位を求めている。試料の電子線の当たる位置を移動させつつ方位解析を繰り返す(マッピング測定)ことで、面状の試料について結晶方位または配向の情報を得ることができる。入射電子線の太さは、走査型電子顕微鏡の電子銃のタイプにより異なるが、ショットキー電界放射型の場合、10〜20nmの非常に細い電子線が照射される。マッピング測定では、測定点数が多いほど、また測定領域が広いほど、結晶配向のより平均化した情報を得ることができる。実際には、100×100μm2の領域で、10000点(1μm間隔)〜40000点(0.5μm間隔)の程度の測定を行っている。
【0055】
マッピング測定により各結晶粒の結晶方位がすべて求まると、膜に対する結晶配向の状態を統計的に表示できる。逆極点図は多結晶体の優先配向を表示する際によく用いられるもので、試料のある特定の面(ここでは膜表面)が、どの格子面に一致しているかを集合的に表示したものである。
【0056】
EBSP法により求められる配向率は、{100}面の結晶が得られる割合を70%以上とすることができる。
【0057】
このような処理を可能とするレーザー処理装置の一例は、図5及び図6に示す構成である。このレーザー処理装置は、基板の任意の位置を指定してレーザービーム照射して結晶化することを可能とするものであり、複数の方向から複数のレーザービームを照射することにより、さらにスループットを向上させることができる。さらに、レーザービームを照射面において重ね合わせ、レーザー処理に必要なエネルギー密度と、光の干渉を除去することが可能な構成となっていることが特徴である。
【0058】
図5はレーザー処理装置の構成を示す上面図であり、図6は図5に対応する断面図である。図5と図6においては説明の便宜上、共通の符号を用いて示している。
【0059】
第1光学系401は、レーザー発振装置301a、レンズ群302a、第1ガルバノミラー303a、第2ガルバノミラー304a、fθレンズ305aから成っている。ここで、第1ガルバノミラー303a、第2ガルバノミラー304aが偏向手段として設けられたものである。
【0060】
第2光学系402、第3光学系403も同様の構成であり、レーザービームは第1ガルバノミラーと第2ガルバノミラーの回転角のより偏向方向が制御され、載置台306上の被処理物307に照射される。ビーム径はレンズ群302及び必要があればスリット等を設けることで任意の形状とすることができるが、概略数十μm〜数百μmの円形、楕円形、又は矩形とすれば良い。載置台306は固定とするが、レーザービームの走査と同期させることも可能であるので、XYθ方向に移動可能としても良い。
【0061】
そして、第1乃至第3の光学系により被処理物に照射されるレーザービームを重ね合わせることにより、レーザー処理に必要なエネルギー密度と、光の干渉を除去することが可能となる。異なるレーザー発振装置から放射されるレーザービームはそれぞれ位相が異なっているので、これらを重ね合わせることにより干渉を低減することができる。
【0062】
尚、ここでは第1乃至第3光学系から放射される3本のレーザービームを重ね合わせる構成を示しているが、同様の効果はこの数に限定されず、複数本のレーザービームを重ね合わせることで目的は達せられる。また、同様な効果が得られるものであれば、レーザー処理装置の構成は図5及び図6で示す構成に限定されるものはない。
【0063】
また、レーザー処理装置の他の構成としては、図8で示す構成の装置も適用可能である。図8は、レーザー発振装置801、高変換ミラー802〜804、楕円ビーム形成用光学系805、載置台808から成っているレーザー処理装置の構成を正面図と側面図により示すものである。楕円ビーム形成用光学系805の一例はシリンドリカルレンズ806と凸レンズ807との組み合わせであり、シリンドリカルレンズ806でビーム形状を楕円にして、凸レンズ807を設け集光している。こうして、レーザービームを楕円にすることで照射面積を広くして処理速度を向上させることができる。また、レーザービームの照射面直上又は近傍には、気体噴出手段820を設け、レーザービームが照射されている領域の雰囲気を制御している。気体の種類は酸化性気体、還元性気体、不活性気体など様々な気体を適用することが可能である。
【0064】
また、この装置では、載置台808を移動手段821により二軸方向に動かすことにより基板809のレーザーアニールを可能としている。一方の方向への移動は基板の一辺の長さよりも長い距離を1〜200cm/secの等速度で連続的に移動させることが可能であり、他方へは楕円ビームの長手方向と同程度の移動を不連続にステップ移動させることが可能となっている。レーザー発振装置801の発振と、載置台808は、マイクロプロセッサを搭載した制御手段810により同期して作動するようになっている。また、レーザービームの入射角を特定角度とすることにより、基板809で反射したレーザービーム(戻り光)が再び光学系に入射しない構成としている。
【0065】
一方、図9は載置台814を固定としてレーザービームを走査する形態の一例であり、レーザー発振装置801、高変換ミラー802、803、楕円ビーム形成用光学系811、XYスキャン可能な一対のガルバノミラー812、fθレンズ813から成っているレーザー処理装置の構成を正面図と側面図により示すものである。楕円ビーム形成用光学系805の一例は凹レンズ及び凸レンズの組み合わせである。こうして、レーザービームを楕円にすることで照射面積を広くして処理速度を向上させることができる。ガルバノミラー回転角のより偏向方向が制御され、載置台814上の基板809の任意の位置にレーザービームを照射することができる。レーザー発振装置801の発振と、一対のガルバノミラー812は、マイクロプロセッサを搭載した制御手段810により同期して作動するようになっている。また、アイソレータ815は照射面で反射したレーザービーム(戻り光)がレーザー発振装置に再度入射して光学系を痛めないように配慮されている。気体噴出手段820を設け、レーザービームが照射されている領域の雰囲気を制御している。気体の種類は酸化性気体、還元性気体、不活性気体など様々な気体を適用することが可能である。
【0066】
このような構成のレーザー処理装置を用い、図1を用いて説明したようにレーザービームの走査方向とTFTにおけるチャネル長方向とを概略一致させることにより、結晶方位が単一配向となり、電界効果移動度を向上させることができる。また、結晶面が制御された種結晶が形成をシード領域を設けることにより、単一配向の活性層を形成することが可能となり、トップゲート型TFTにおいては、その上に形成するゲート絶縁膜の膜質がばらつくことが無くなり、しきい値電圧のバラツキを低減することも可能となる。勿論、本発明はボトムゲート型(又は逆スタガ型ともいう)のTFTにも適用することができる。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明に係る半導体装置の作製方法の具体例を図面を参照して詳細に示す。
【0068】
[実施例1]
本実施例は、絶縁表面上に形成された非晶質珪素膜を写真蝕刻により所定のパターンにエッチングして第1半導体領域を形成し、それを連続発振レーザービームで結晶化させるものである。
【0069】
図10において、ガラス基板401上に100nmの酸化窒化珪素膜でなるバリア層402が形成されている。その上にある第1半導体領域403は、厚さ100nmのプラズマCVD法により形成された非晶質珪素膜である。尚、図10(A)は第1半導体領域403の上面図であり、図10(B)は基板を含め断面構造を示す図である。この段階では具現化されないが、点線で示すように第1半導体領域403の端部に至らない内側にTFTの活性層405a、405bが形成されるものである。
【0070】
シード領域404は、第1半導体領域403の長手方向に一端に形成され、本実施例の場合、レーザービームの照射によってこの領域で発現する結晶方位が、第1半導体領域403の結晶方位とすることができる。
【0071】
図11は、連続発振レーザービームによる結晶化の段階を示す図である。レーザービーム406の照射面積は、第1半導体領域よりも小さくても良いが、その長手方向が第1半導体領域の短手方向と交差するようにして照射する。ビーム形状は矩形、線形、楕円系など任意なものとすることができるが、いずれにしても図11で示すように照射して、結晶化が第1半導体領域403の一端から他端に成長するようにする。このようなレーザービームの照射は、図5〜図9で示す構成のレーザー処理装置が適用される。光学系にて集光したレーザービームは、中央部と端部で必ずしもエネルギー強度が一定ではないので、第1半導体領域403がビームの端部にかからないようにすることが望ましい。
【0072】
こうして、レーザービーム406が照射された領域から結晶化が進み、結晶質半導体407を得ることができる。
【0073】
その後、図12(A)(B)で示すように、結晶化された第1半導体領域403を写真蝕刻により活性層405a、405bとなる所定のパターンにエッチングする。トップゲート型TFTとするには、活性層405a、405b上にゲート絶縁膜、ゲート電極、一導電型不純物領域を形成してTFTを形成することができる。その後、必要に応じて配線や層間絶縁膜等を形成すれば良い。
【0074】
TFTを用いるアクティブマトリクス型表示装置は、その機能的な区分から画素部と駆動回路部とに構成を分けて見ることができる。本実施例で形成される活性層を用いたTFTではそれらを同一基板上に一体形成することが可能である。図18はTFT基板1201と、レーザービームの照射方向との関係を詳細に示すものである。TFT基板1201には画素部1202、駆動回路部1203、1204が形成される領域を点線で示している。第1半導体領域はそれぞれの領域に形成されており、この状態における活性層の形成方法を図18中に挿入してある拡大図1304、1305、1306で示す。
【0075】
例えば、駆動回路部1203は走査線駆動回路を形成する領域であり、その部分拡大図1305には活性層1258を形成する第1半導体領域1251が形成されている。第1半導体領域1251の配置は、矢印で示す方向に連続発振レーザービーム1405の走査を可能にしている。活性層1258の形状は任意なものを適用することができるが、いずれにしてもチャネル長方向とレーザービームの走査方向とを揃えている。
【0076】
また、駆動回路部1203と交差する方向に延設する駆動回路部1204はデータ線駆動回路を形成する領域であり、第1半導体領域1250が形成されており、そこから形成される活性層1257と、レーザービーム1404の走査方向を一致させている(拡大図1304)。また、画素部1202も同様であり、拡大図1306に示す如く、第1半導体領域1252が形成されており、そこから形成される活性層1259と、レーザービーム1406の走査方向を一致させている。この配列により、レーザービームは全て同一方向に走査すれば良いので、処理時間をより短縮することが可能である。
【0077】
このようなレーザービームの照射方法において、連続発振のレーザービームを照射することにより単一配向でレーザービームの走査方向に結晶粒が延在する結晶成長を可能とする。勿論、それはレーザービームの走査速度やエネルギー密度等の詳細なパラメータを適宜設定する必要があるが、走査速度を1〜200cm/secとすることによりそれを実現することができる。パルスレーザーを用いた溶融−固化を経た結晶成長速度は1m/secとも言われているが、それよりも遅い速度でレーザービームを走査して、徐冷することにより固液界面における連続的な結晶成長が可能となり、結晶の大粒径化を実現することができる。
【0078】
[実施例2]
実施例1のレーザービームの走査は一方向のみの走査でなく、往復走査をしても良い。図13にその態様を示すが、その場合、シード領域404a、404bは第1半導体領域403の両端に設けても良い。往復走査する場合には1回の走査毎にレーザーエネルギー密度を変え、段階的に結晶成長をさせることも可能である。また、非晶質珪素膜を結晶化させる場合にしばしば必要となる水素出しの処理を兼ねることも可能であり、最初に低エネルギー密度で走査し、水素を放出した後、エネルギー密度を上げて2回目に走査で結晶化を完遂させても良い。このような作製方法によっても同様にレーザービームの走査方向に結晶粒が延在する結晶質半導体膜を得ることができる。
【0079】
[実施例3]
本実施例は、絶縁表面上に形成された非晶質珪素膜を予め結晶化しておき、さらに連続発振レーザービームにより結晶の大粒径化を図るものである。
【0080】
図14(A)に示すように、実施例1と同様にガラス基板501上にブロッキング層502、非晶質珪素膜503を形成する。その上にマスク絶縁膜504として100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法で形成し、開口部505を設ける。その後、触媒元素としてNiを添加するため、酢酸ニッケル塩が5ppmの水溶液をスピン塗布する。Niは開口部505で非晶珪素膜と接する。この開口部505を形成する位置は、後に形成される第1半導体領域のシード領域又はその外側に位置するように形成する。
【0081】
その後、図14(B)で示すように580℃、4時間の加熱処理により非晶質珪素膜を結晶化させる。結晶化は触媒元素の作用により、開口部505から基板表面と平行な方向に成長する。こうして形成された結晶質珪素膜507は棒状または針状の結晶が集合して成り、その各々の結晶は巨視的にはある特定の方向性をもって成長しているため、結晶性が揃っている。また、特定方位の配向率が高いという特徴がある。
【0082】
加熱処理が終了したらマスク絶縁膜504をエッチング除去することにより図14(C)で示すような結晶質珪素膜507を得ることができる。
【0083】
その後、図15で示すように結晶質珪素膜507を写真蝕刻により所定のパターンにエッチングして第1半導体領域508を形成する。TFTの活性層510a、510bが形成されるべき領域は第1半導体領域508の内側に位置し、図15で示すように連続発振レーザービーム509は一方向に走査する。或いは往復走査する。
【0084】
このようなレーザービームの照射により結晶質珪素膜は溶融し再結晶化する。この再結晶化に伴って、レーザービームの走査方向に結晶粒が延在する結晶成長が成される。この場合、予め結晶面が揃った結晶質珪素膜が形成されているので、異なる面の結晶の析出や転位の発生を防ぐことができる。以降は、実施例1と同様な処理により、TFTを形成することができる。
【0085】
[実施例4]
実施例3と同様に、ガラス基板501、ブロッキング層502、非晶質珪素膜503を形成した後、図16(A)で示すように全面に触媒元素としてNiを添加する。Niの添加法に限定はなく、スピン塗布法、蒸着法、スパッタ法などを適用するこができる。スピン塗布法による場合には酢酸ニッケル塩が5ppmの水溶液を塗布して触媒元素含有層506を形成する。
【0086】
その後、580℃、4時間の加熱処理により非晶質珪素膜503を結晶化させる。こうして図16(B)で示すように、結晶質珪素膜507を得ることができる。この結晶質珪素膜507も同様に、棒状または針状の結晶が集合して成り、その各々の結晶は巨視的にはある特定の方向性をもって成長しているため、結晶性が揃っている。また、特定方位の配向率が高いという特徴がある。以降は、実施例3と同様に処理すれば良い。
【0087】
[実施例5]
実施例1で示す結晶化法の形態において、図19(A)、(B)で示すように第1半導体領域403にキャップ層408を設ける。キャップ層408は窒化珪素膜よりは酸化珪素膜で形成した方が良い。窒化珪素膜を適用した場合には、第1半導体領域との界面で応力が働き、その応力が強く働く点に結晶核が形成されてしまうからである。従って、キャップ層408はTEOSなど低温で堆積することができる酸化珪素膜が適している。このキャップ層408は不純物汚染を防ぐために有効であり、かつレーザービームの照射時に熱放出を抑える効果がある。キャップ層408はレーザービームの透過率も考慮しなければいけないので、膜厚は概略50〜200nm程度が適当である。キャップ層を設けることにより、高純度でより大粒径の結晶を得ることができる。
【0088】
図19は図11で示す第1半導体領域403上にキャップ層408を設け、レーザービーム409を照射している状態を示している。レーザービーム409の照射により第1半導体領域403に溶融帯410が形成され、それがレーザービーム409の走査方向に移動する。溶融帯410が移動することにより連続的な結晶成長が成され、結晶質半導体407が形成される。結晶化後、キャップ層408は除去する。
【0089】
結晶粒はレーザービームの走査方向に延び、5〜50μm程度の粒径が得られる。TFTのチャネル形成領域のサイズはそれ以下とすることが可能であるので、一つの結晶粒の中にチャネル形成領域が設けられ、実質的に単結晶半導体膜でなるTFTを形成することができる。
【0090】
[実施例6]
実施例5で示すキャップ層の開口部を設け、露出した第1半導体領域に触媒元素を添加して、連続発振レーザービームによる結晶化を行っても良い。図20(A)、(B)はガラス基板601、ブロッキング層602、第1半導体領域603、開口部605が設けられたキャップ層604が形成された状態を示している。
【0091】
開口部605には珪素の結晶化温度を低温化することができる触媒元素としてNiが添加され、シリサイド化した領域606が形成されている。Niは蒸着法、スパッタリング法などの堆積法、或いはNi含有水溶液又はアルコール液を塗布して添加すれば良い。そして550℃、4時間の熱処理によりシリサイド化することができる。
【0092】
図21で示す如く、結晶化は連続発振レーザービーム607の照射は、開口部605の形成された部位から行い、当該レーザービームの照射部に生成される溶融帯609が通過した後に結晶質半導体が形成される。その際に、溶融帯のNi濃度を一定に保つために、開口部605の幅は第1半導体領域603お幅と同程度にする。それにより、溶融帯のNi原子の固溶度が保たれ、溶融帯から一定量の珪素原子が掃き出される。その結果、双晶などが発生しにくく実質的な単結晶を生成することができる。
【0093】
[実施例7]
実施例3、実施例4、実施例6において、結晶質珪素膜507を形成した後、膜中に1019/cm3以上の濃度で残存する触媒元素をゲッタリングにより除去する工程を加えても良い。
【0094】
図17で示すように、結晶質珪素膜507上に、薄い酸化珪素膜で成るバリア層511を形成し、その上にゲッタリングサイト512としてアルゴンが1×1020/cm3〜1×1021/cm3添加された非晶質珪素膜を形成する。
【0095】
その後、ファーネスアニール炉による600℃、12時間の加熱処理、又はランプ光又は加熱された気体を加熱手段とするRTAにより650〜800℃、30〜60分の加熱処理により、触媒元素として添加されているNiをゲッタリングサイト512に偏析させることができる。この処理により、結晶質珪素膜507の触媒元素濃度は1017/cm3以下とすることができる。
【0096】
[実施例8]
実施例1乃至実施例7のいずれかに従い、連続発振レーザービームにより結晶化された第1半導体領域に対し、実施例5で説明したゲッタリング処理を行うことができる。ゲッタリングの方法は実施例5と同様に行えば良い。ゲッタリング処理を行うことで、結晶化に際して混入し偏析した金属不純物を除去することができる。
【0097】
[実施例9]
本発明は、ゲート電極が基板と半導体膜の間に配置されるボトムゲート型のTFTの作製工程にも適用できる。図22(A)、(B)で示すように基板201上にMo又はCrで形成されたゲート電極202が形成され、窒化珪素膜及び酸化珪素膜を積層したゲート絶縁膜203が形成されている。その上に、非晶質珪素膜で形成された第1半導体領域204が形成されており、レーザービーム210の照射により溶融帯211が走査した後に結晶化領域205が形成される。
【0098】
その後、図23で示すように第1半導体領域を結晶化した後は、そこから第2半導体領域206を形成し、ソース及びドレイン領域218の形成、酸化珪素膜213、窒化珪素膜214によるパッシベーション膜、無機又は有機絶縁材料による平坦化膜215、配線216を形成してボトムゲート型TFTを形成することができる。本実施例における第1半導体領域の形成は、実施例1乃至実施例7を組み合わせて実施することができる。
【0099】
[実施例10]
本実施例では、実施例1乃至実施例7により作製される活性層を用いて、CMOS型のTFTを作製する一例について、図24を参照して説明する。
【0100】
図24(A)はガラス基板701、ブロッキング層702が形成された上に活性層703a、703b、ゲート絶縁膜704、ゲート電極705a、705bが形成された状態を示している。ゲート絶縁膜704はゲート絶縁膜907はプラズマCVD法を用いて、SiH4とN2OにO2を反応ガスとして酸化窒化珪素膜で形成し、80nmの厚さとする。第2半導体領域705a、705bは、結晶の配向率が高いため、その上に形成するゲート絶縁膜の膜質のバラツキを少なくすることができ、それ故にTFTのしきい値電圧のバラツキを小さくすることができる。また、ゲート電極を形成する材料としては、Al、Ta、Ti、W、Moなどの導電性材料又はこれらの合金を適用し、400nmの厚さに形成する。Alをゲート電極とし、その表面を陽極酸化により酸化膜を形成して安定化しても良い。
【0101】
図24(B)は不純物領域の形成であり、イオンドーピング法により、nチャネル型TFTに対するソース又はドレイン領域706、LDD領域707、及びpチャネル型TFTに対するソース又はドレイン領域708を形成する。
【0102】
イオンドーピングにより、不純物元素を注入した領域は結晶性が破壊され、非晶質化する。結晶性の回復と、不純物元素の活性化による低抵抗化を実現するために、レーザービームの照射を行う。このレーザービームの照射による活性化は本発明のレーザー処理装置によって行うことができる。また、パルス発振のエキシマレーザービームを照射して活性化処理を行うこともできる。活性化処理は、水素雰囲気(還元雰囲気)中でレーザー照射を行って水素化を兼ねておこなっても良い。
【0103】
その後、図24(C)に示すように窒化珪素膜又は酸化珪素膜で第1層間絶縁膜710を形成する。さらに第2層間絶縁膜711を有機樹脂材料、誘電率4以下の低誘電率材料を用いて形成する。有機樹脂材料としてはアクリル、ポリイミドなどを適用することができる。低誘電率材料としては、SiOF、poly-arylethers、BCB(ベンゾシクロブテン)、フッ化ポリイミド、a−CFなどを適用することができる。次いで、各半導体層の不純物領域に達するコンタクトホールを形成し、Al、Ti、Taなどを用いて配線712、713を形成する。さらに、窒化珪素膜でパッシベーション膜714を形成する。
【0104】
こうしてnチャネル型TFT750とpチャネル型TFT760を形成することができる。ここではそれぞれのTFTを単体として示しているが、これらのTFTを使ってCMOS回路やNMOS回路、PMOS回路を形成することができる。本発明により形成される第2半導体領域はチャネル長方向と平行に結晶成長が成されるので、実質的にキャリアが横切る結晶粒界が無くなり、高い電界効果移動度を得ることができる。こうして作製されるTFTは、アクティブマトリクス型の液晶表示装置や発光素子を用いた表示装置を作製するためのTFTとして、また、ガラス基板上にメモリやマイクロプロセッサを形成するためのTFTとして用いることができる。
【0105】
[実施例11]
実施例10と同様に作製されるTFTを用いてアクティブマトリクス駆動型の表示装置を実現するためのTFT基板(TFTが形成された基板)の構成例を図25を参照して説明する。図25では、nチャネル型TFT801、pチャネル型TFT802、nチャネル型TFT803を有する駆動回路部806と、nチャネル型TFT804、容量素子805とを有する画素部807が同一基板上に形成されている断面図を示している。また、図26はその上面図を示し、B−B'に従う断面構造が図25に相当する。ここでは図25と図26において便宜上同じ符号を付与している。
【0106】
駆動回路部806のnチャネル型TFT801は実施例10において図24(C)で説明したnチャネル型TFT750にゲート電極とオーバーラップするLDDが設けられた構造であり、ホットキャリア効果による劣化を抑制する構造となっている。pチャネル型TFT802は同様にpチャネル型TFT760と同様な形態であり、シングルドレイン構造となっている。このようなnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTによりシフトレジスタ回路、バッファ回路、レベルシフタ回路、ラッチ回路などを形成することができる。また、nチャネル型TFT803は図24(C)で示すnチャネル型TFT750と同様にLDD構造であり、オフ電流を低減してサンプリング回路に適した構造を適用している。
【0107】
これらのTFTにおけるチャネル形成領域やLDD領域などの不純物領域が形成される第2半導体領域は、実施例1乃至実施例8で示す方法を適宜組み合わせて形成される第2半導体領域をもって形成されるものである。第2半導体領域はチャネル長方向に向かって(或いは、基板と平行な方向であり、かつチャネル長方向に向かって)結晶成長されていることにより、キャリアが結晶粒界を横切る確率が非常に低減する。それにより、高い電界効果移動度を得ることができ、高い電流駆動能力と高速動作を可能にする。尚、814〜816は各TFTのソース又はドレインと接続する配線である。
【0108】
画素部807のnチャネル型TFT804は半導体領域820を活性層として形成され、LDD構造のTFTが直列接続された構造であり、一方は接続配線811を介してデータ線810に接続されている。他方は画素電極に接続されている。また、ゲート線812はゲート電極824と電気的に接続されている。また、容量素子805の一方の電極として機能する半導体領域821には硼素が添加されたが形成されている。容量素子805は、絶縁膜823(ゲート絶縁膜と同一膜)を誘電体として、電極822と半導体領域821とで形成されている。尚、半導体領域820、821は実施例1〜8により作製される第2半導体領域に相当するものである。
【0109】
これらのTFTは、チャネル形成領域や不純物領域を形成する第2半導体領域の配向率が高く、平坦であるためその上に形成するゲート絶縁膜の膜質のバラツキを少なくすることができる。それ故にTFTのしきい値電圧のバラツキを小さくすることができる。その結果、低電圧でTFTを駆動することが可能であり、消費電力を低減する利点がある。また、表面が平坦化されている為、電界が凸部に集中しないことにより、特にドレイン端において発生するホットキャリア効果に起因する劣化を抑制することが可能となる。また、ソースとドレイン間を流れるキャリアの濃度分布はゲート絶縁膜との界面近傍において高くなるが、平滑化されているためキャリアが散乱されることなくスムーズに移動することができ、電界効果移動度を高めることができる。
【0110】
このようなTFT基板から液晶表示装置を作製するためには、共通電極が形成された対向基板を3〜8μm程度の間隔をもって設け、その間に配向膜、液晶層を形成すれば良い。これらは公知の技術を適用することができる。また、ここでは各TFTをトップゲート型の構造で示したが、実施例9で示すボトムゲート型TFTによりTFT基板を構成することもできる。
【0111】
図27はそのようなアクティブマトリクス基板の回路構成を示している。画素部901のTFT900を駆動する駆動回路部はデータ線駆動回路902、走査線駆動回路903であり、必要に応じてシフトレジスタ回路、バッファ回路、レベルシフタ回路、ラッチ回路などが配置されている。この場合、走査線駆動回路902は映像信号を送り出すものであり、コントローラ904からの映像信号と、タイミングジェネレータ907からの走査線駆動回路用タイミング信号が入力される。データ線駆動回路903にはタイミングジェネレータ907からのデータ線駆動回路用タイミング信号が入力され、走査線に信号を出力する。マイクロプロセッサ906はコントローラ904の制御や、メモリ905への映像信号などのデータの書き込み、外部インターフェース908からの入出力、これらシステム全体の動作管理などを行う。
【0112】
これらの回路を構成するためのTFTは本実施例で示すような構成のTFTで形成することが可能である。TFTのチャネル形成領域を形成する第2半導体領域を実質的に単結晶と見なせる領域とすることにより、TFTの特性を向上させ、様々な機能回路をガラスなどの基板上に形成することができる。
【0113】
[実施例12]
TFT基板を用いた他の実施例として、発光素子を用いた半導体装置の一例を図面を参照して説明する。図28は各画素毎にTFTを配置して形成される表示装置の画素構造を上面図で示している。尚、図28において示すnチャネル型TFT2100、2102及びpチャネル型TFT2101は実施例9と同様の構成であり、本実施例では詳細な説明は省略する。
【0114】
図28(A)は基板2001上にブロッキング層2002を介してnチャネル型TFT2100とpチャネル型TFT2101が画素に形成された構成を示している。この場合、nチャネル型TFT2100はスイッチング用TFTであり、pチャネル型TFT2101は電流制御用TFTであり、そのドレイン側は発光素子2105の一方の電極と接続している。pチャネル型TFT2102は発光素子に流す電流を制御する動作を目的としている。勿論、一つの画素に設けるTFTの数に限定はなく、表示装置の駆動方式に従い適切な回路構成とすることが可能である。
【0115】
図28(A)に示す発光素子2105は、陽極層2011、発光体を含む有機化合物層2012、陰極層2013から成り、その上にパッシベーション層2014が形成されている。有機化合物層は、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。また、有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)があり、これらのうちどちらか、あるいは両方の発光を含んでいる。
【0116】
陽極を形成する材料は酸化インジウムや酸化スズ、酸化亜鉛などの仕事関数の高い材料を用い、陰極にはMgAg、AlMg、Ca、Mg、Li、AlLi、AlLiAgなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属、代表的にはマグネシウム化合物で形成される仕事関数の低い材料を用いる。また、1〜20nmの薄いフッ化リチウム層とAls層との組み合わせ、薄いセシウム層とAl層との組み合わせによって陰極を構成しても良い。陽極はpチャネル型TFT2102のドレイン側の配線2010と接続しており、陽極2011の端部を覆うように隔壁層2003が形成されている。
【0117】
発光素子2105上にはパッシベーション膜2014が形成されている。パッシベーション層2014には窒化珪素、酸窒化珪素、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)など酸素や水蒸気に対しバリア性の高い材料を用いて形成する。このような構成により発光素子の発する光は陽極側から放射される構成となる。
【0118】
一方、図28(B)は基板2001上にブロッキング層2002を介してnチャネル型TFT2100とnチャネル型TFT2102が画素に形成された構成を示している。この場合、nチャネル型TFT2100はスイッチング用TFTであり、nチャネル型TFT2102は電流制御用TFTであり、そのドレイン側は発光素子2106の一方の電極と接続している。
【0119】
発光素子2106は、nチャネル型TFT2102のドレイン側に接続する配線2015上に陽極材料として酸化インジウムや酸化スズ、酸化亜鉛などの仕事関数の高い材料の膜を形成している。
【0120】
陰極の構成は、1〜2nmの低仕事関数の材料で形成される第1陰極層2018と、陰極層2018上に形成され、陰極の低抵抗化を図るために設ける第2陰極層2019とで形成される。第1陰極層2018はセシウム、セシウムと銀の合金、フッ化リチウムの他にMgAg、AlMg、Ca、Mg、Li、AlLi、AlLiAgなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属、代表的にはマグネシウム化合物で形成される。第2陰極層2019は、10〜20nmのAl、Agなどの金属材料又は、10〜100nmの酸化インジウムや酸化スズ、酸化亜鉛などの透明導電膜で形成される。発光素子2106上にはパッシベーション膜2020が形成されている。このような構成により発光素子の発する光は陰極側から放射される構成となる。
【0121】
また、図28(B)における発光素子2106の他の形態として、nチャネル型TFT2102のドレイン側に接続する配線2015上に陰極材料としてセシウム、セシウムと銀の合金、フッ化リチウムの他にMgAg、AlMg、Ca、Mg、Li、AlLi、AlLiAgなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属、代表的にはマグネシウム化合物から成る陰極層2016、有機化合物層2017、1〜2nm程度の薄い第1陽極層2018、透明導電膜で形成される第2陽極層2019とした構成とすることもできる。第1陽極層はニッケル、白金、鉛などの仕事関数の高い材料を真空蒸着法で形成する。
【0122】
以上のようにしてアクティブマトリクス駆動の発光素子を用いた半導体装置を作製することができる。これらのTFTは、チャネル形成領域や不純物領域を形成する第2半導体領域の配向率が高く、平坦であるためその上に形成するゲート絶縁膜の膜質のバラツキを少なくすることができる。それ故にTFTのしきい値電圧のバラツキを小さくすることができる。その結果、低電圧でTFTを駆動することが可能であり、消費電力を低減する利点がある。この表示装置においては、発光素子に接続する電流制御用にTFTに高い電流駆動能力が要求されるので、その用途に適している。また、ここでは示さないが、画素部の周辺に駆動回路部を設ける構成は実施例11と同様にすれば良い。また、ここでは各TFTをトップゲート型の構造で示したが、実施例9で示すボトムゲート型TFTにより発光素子を用いた半導体装置を構成することもできる。
【0123】
[実施例13]
図29(A)で示すように基板401、ブロッキング層402、第1半導体領域403が形成された状態で、雰囲気を酸化性雰囲気として1回目のレーザービームの照射を行う。雰囲気の制御は基板全体を雰囲気制御された反応室に保持して行っても良いし、図29(A)で示すように、気体噴出手段450を連続発振レーザービーム452の照射面直上又は近傍に設け、そこから酸化性気体を噴出させて行っても可能である。レーザービームの照射面における形状は楕円形状とする。連続発振レーザービーム452の照射により溶融帯410が形成され、それが走査された後に結晶質半導体が形成される点は同様である。結晶化された第1半導体領域表面は、溶融結晶化に伴う凹凸や、レーザービームのエネルギー分布による凹凸が形成される。また、酸化性雰囲気により酸化膜451が形成されている。しかしながら、酸化性雰囲気中でレーザービームを照射して結晶化することにより、結晶の大粒径化を図ることができる。
【0124】
その後、図29(B)で示すように酸化膜451は純水で希釈されたフッ酸又は緩衝フッ酸溶液でエッチングして除去する。
【0125】
次いで、雰囲気を不活性気体又は減圧下(非酸化性雰囲気)として2回目のレーザービームの照射を行う。不活性気体としては窒素又はアルゴンなどの希ガスが適用される。また、減圧下としては、1001.3×104Pa〜0.1パPa程度とすれば良い。図29(C)はその工程を示し、気体噴出手段450から窒素を噴出させ、レーザービーム照射面の雰囲気を置換している。この場合におけるレーザービーム453は同様に連続発振レーザービームでも良いし、波長400nm以下のパルス発振するエキシマレーザービームを照射しても良い。この処理により、結晶化された第1半導体領域407の表面を平坦にすることができる。以降は実施例1と同様にして、図12で示す如く第2半導体領域405を形成する。平坦化により、TFTを形成した場合において、電界の集中を緩和して信頼性を向上させることができる。
【0126】
[実施例14]
図30は本発明を用いて作製されるTFTの一態様を示す図であり、基板3001上に実施例1〜8に基づいて作製される第2半導体領域3004を挟む形で第1ゲート電極3002、第2ゲート電極3007が形成されている構成を示している。ゲート絶縁膜3003、3006は酸化珪素、窒化珪素などを適宜組み合わせて形成する。その膜厚は誘電率を考慮して決められるものであるが20〜200nm程度とする。
【0127】
第2半導体領域3004に形成される不純物領域3005はソース又はドレイン領域を形成するものであり、濃度勾配を設けてLDD領域を形成しても良い。その他の、パッシベーション膜3008、層間絶縁膜3009、配線3010が形成されていても良い。
【0128】
それぞれのゲート電極に印加する電圧は、同じ電圧を印加しても良いし、一方を固定電位としても良い。同じ電圧を印加すると実質的にチャネル形成領域が2つできることになり、オン電流を増加させることができる。また、サブスレッショルド係数(S値)を0.2以下に小さくすることができる。また、一方を固定電位とした場合には、絶縁膜中の電荷を固定してしきい値電圧の変動を防止することができる。これは多数のTFTを形成した場合において、素子間のバラツキを小さくする効果もある。このような効果は、本発明で得られる結晶質半導体を用いた場合においてより顕著にその効果を発揮することができる。
【0129】
[実施例15]
実施例1〜14により作製される半導体装置は様々な半導体装置に適用が可能である。このような半導体装置には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ受像器、携帯電話、投影型表示装置等が挙げられる。それらの一例を図27〜図29に示す。
【0130】
図31(A)は本発明を適用してテレビ受像器を完成させる一例であり、筐体3001、支持台3002、表示部3003等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3003に適用され、本発明によりテレビ受像器を完成させることができる。
【0131】
図30(B)は本発明を適用してビデオカメラを完成させた一例であり、本体3011、表示部3012、音声入力部3013、操作スイッチ3014、バッテリー3015、受像部3016等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3012に適用され、本発明によりビデオカメラを完成させることができる。
【0132】
図31(C)は本発明を適用してノート型のパーソナルコンピュータを完成させた一例であり、本体3021、筐体3022、表示部3023、キーボード3024等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3023に適用され、本発明によりパーソナルコンピュータを完成させることができる。
【0133】
図31(D)は本発明を適用してPDA(Personal Digital Assistant)を完成させた一例であり、本体3031、スタイラス3032、表示部3033、操作ボタン3034、外部インターフェース3035等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3033に適用され、本発明によりPDAを完成させることができる。
【0134】
図31(E)は本発明を適用して音響再生装置を完成させた一例であり、具体的には車載用のオーディオ装置であり、本体3041、表示部3042、操作スイッチ3043、3044等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3042に適用され、本発明によりオーディオ装置を完成させることができる。
【0135】
図31(F)は本発明を適用してデジタルカメラを完成させた一例であり、本体3051、表示部(A)3052、接眼部3053、操作スイッチ3054、表示部(B)3055、バッテリー3056等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部(A)3052および表示部(B)3055に適用され、本発明によりデジタルカメラを完成させることができる。
【0136】
図31(G)は本発明を適用して携帯電話を完成させた一例であり、本体3061、音声出力部3062、音声入力部3063、表示部3064、操作スイッチ3065、アンテナ3066等により構成されている。本発明により作製されるTFT基板は表示部3064に適用され、本発明により携帯電話を完成させることができる。
【0137】
図31(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置2601、スクリーン2602等を含む。図31(B)はリア型プロジェクターであり、本体2701、投射装置2702、ミラー2703、スクリーン2704等を含む。
【0138】
尚、図32(C)は、図32(A)及び図32(B)中における投射装置2601、2702の構造の一例を示した図である。投射装置2601、2702は、光源光学系2801、ミラー2802、2804〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズム2807、液晶表示装置2808、位相差板2809、投射光学系2810で構成される。投射光学系2810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図32(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0139】
また、図32(D)は、図32(C)中における光源光学系2801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクター2811、光源2812、レンズアレイ2813、2814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で構成される。なお、図32(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0140】
図33は電子書籍であり、本体3101、表示部A3102、表示部B3103、記憶媒体3104、操作スイッチ3105、アンテナ3106等により構成されている。表示部B3103は電子インクディスプレイを適用することも可能であり、本発明により作製されるTFT基板は表示部A3102、表示部B3103の駆動回路及び画素部を形成することが可能であり、本発明により電子書籍を完成させることができる。
【0141】
尚、ここで例示する電子装置はごく一例であり、これらの用途に限定するものではないことを付記する。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1半導体領域の側面を概略垂直にして、その側端部より連続発振レーザービームの走査方向とTFTにおけるチャネル長方向とを概略一致させることにより、{100}面に配向した結晶質半導体膜を形成するこができる。このような結晶質半導体膜を用いることにより、電界効果移動度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体装置の作製方法の概念を説明する図。
【図2】 本発明に係る結晶化工程の詳細を説明する図。
【図3】 本発明に係る結晶化工程の詳細を説明する図。
【図4】 本発明に係る結晶化工程の詳細を説明する図。
【図5】 本発明に適用するレーザー照射装置の一態様を示す配置図(上面図)。
【図6】 本発明に適用するレーザー照射装置の一態様を示す配置図(側面図)。
【図7】 本発明の結晶化方法の概念を説明する図。
【図8】 本発明に適用するレーザー照射装置の一態様を示す配置図。
【図9】 本発明に適用するレーザー照射装置の一態様を示す配置図。
【図10】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図11】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図12】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図13】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図14】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図15】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図16】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図17】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図18】 TFT基板の構成と、TFTを構成する半導体領域の配置とレーザービームの走査方向の関係を説明する図。
【図19】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図20】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図21】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図22】 ボトムゲート型のTFTに対応する活性層の作製工程を説明する断面図。
【図23】 ボトムゲート型のTFTに対応する活性層の作製工程を説明する断面図。
【図24】 CMOS構造のTFTの作製工程を説明する断面図。
【図25】 TFT基板の構成を示す断面図。
【図26】 TFT基板の構成を示す上面図。
【図27】 TFT基板の回路構成の一例を示すブロック図。
【図28】 発光素子を設けた半導体装置の画素の構成を示す断面図。
【図29】 本発明に係る結晶化工程の一実施例を説明する図。
【図30】 本発明により作製されるTFTの一形態を示す図。
【図31】 半導体装置の一例を示す図。
【図32】 半導体装置の一例を示す図。
【図33】 半導体装置の一例を示す図。
Claims (6)
- 薄膜トランジスタを有する半導体装置の作製方法において、
絶縁表面上に非晶質半導体膜を形成し、
前記非晶質半導体膜に第1のエッチングを施して、一端に第1突出部、及び他端に第2突出部を有する第1半導体領域を形成し、
前記第1半導体領域上にキャップ層を形成し、
前記第1半導体領域の前記第1突出部から前記第2突出部に向けて第1の連続発振レーザービームを走査し、前記第2突出部から前記第1突出部に向けて第2の連続発振レーザービームを走査して、前記第1半導体領域を結晶化させ、
前記キャップ層を除去し、
前記結晶化させた第1半導体領域に第2のエッチングを施して、前記薄膜トランジスタの活性層となる第2半導体領域を形成し、
前記第2の連続発振レーザービームの走査方向と、前記薄膜トランジスタにおけるチャネル長方向とが概略一致するように、前記第2半導体領域にチャネル形成領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 薄膜トランジスタを有する半導体装置の作製方法において、
絶縁表面上に非晶質半導体膜を形成し、
前記非晶質半導体膜に第1のエッチングを施して、一端に第1突出部、及び他端に第2突出部を有する第1半導体領域を形成し、
前記第1半導体領域上に、開口部を有するキャップ層を形成し、
前記キャップ層の開口部において露出した前記第1半導体領域に触媒元素を添加し、
前記第1半導体領域の前記第1突出部から前記第2突出部に向けて第1の連続発振レーザービームを走査し、前記第2突出部から前記第1突出部に向けて第2の連続発振レーザービームを走査して、前記第1半導体領域を結晶化させ、
前記キャップ層を除去し、
前記結晶化させた第1半導体領域に第2のエッチングを施して、前記薄膜トランジスタの活性層となる第2半導体領域を形成し、
前記第2の連続発振レーザービームの走査方向と、前記薄膜トランジスタにおけるチャネル長方向とが概略一致するように、前記第2半導体領域にチャネル形成領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項1又は請求項2において、
前記第1の連続発振レーザービームを走査して、前記第1半導体領域の水素出しを行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第2の連続発振レーザービームのエネルギー密度は、前記第1の連続発振レーザービームのエネルギー密度よりも高いことを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1の連続発振レーザービームの走査、又は前記第2の連続発振レーザービームの走査において、複数のレーザービームを照射面に重ね合わせて照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記第1の連続発振レーザービームの波長、又は前記第2の連続発振レーザービームの波長は、400nm乃至700nmであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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