JP4970267B2 - 珪素およびゲルマニウムの核原子付き水素化合物、および同化合物の合成法 - Google Patents

珪素およびゲルマニウムの核原子付き水素化合物、および同化合物の合成法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、珪素−ゲルマニウム水素化物および水素化珪素類似物に関するものである。より詳しくは、本発明は、分子式が(HGe)4−xSiHであってx=0、1、2または3である珪素−ゲルマニウム水素化物およびその水素化珪素類似物の合成に関するものである。
電子材料および光学材料の合成および開発のみならず、Si−Geに基づくデバイス並びにSi−Ge−CおよびSi−Ge−Snのような関連第IV族合金半導体システムも、これらのシステムの潜在的に有用な電子特性および光学特性のために目下、関心事となっている。かかるシステムの商業的製造は従来、ジシラン(SiHおよびジゲルマン(GeHの化学蒸着(CVD)により達成されてきた。しかしながら、デバイス品質の形態特性および構造特性を有する新たな有用材料をこれらのシステムに基づいて開発するには、新たな低温成長法が必要となる。目下、トリシラン(HSi)SiHが、Si−Ge緩衝珪素上での歪みSiチャネル・デバイスの商業的成長に使用されている。従来のSi水素化物と比べたトリシランの大きな利点は、その優れた反応性であって、低温成長条件と歪みSiチャネルの開発とを両立し得るものにする。しかしながら、従前報告されたトリシラン合成法には重大な欠点がある。それらの方法は、より低級のSi水素化物の無音放電に基づくものであり、通常、諸材料の諸混合物を低収率で生成する。トリシラン生成物を純粋形態で単離するためには、複雑な分離手順および精製手順を用いる必要がある。
従前の報告書は、テトラゲルミルシランSi(GeHの潜在的合成について考察している(非特許文献1)。しかしながら、本発明者らの知る限りでは、正確な化学量論性を有する純粋な生成物としてのテトラゲルミルシランの存在に関する決定的証拠は、今までのところ提供されていない。従前報告されたNMRデータは、諸生成物の混合物を明らかにし、Si(GeHに対応する元素分析報告は不正確であった。さらに、説明された合成法は、CVDソースとしての使用のような商業的適用向けにこの化合物を生成するためには適さない。
非特許文献2において、従前、化合物HGe−SiHまでの合成法が報告されている。しかしながら、その合成方法論は、半導体システム合成用のCVDソースとしての実用的使用のために十分な高収率を提供しなかった。
ダブリュ・ダットン(W. Dutton)およびエム・オニズチャック(M. Onyszchuk)、Inorganic Chemistry、第7巻、第9号(1968年)。 エル・ロブレイヤー(L. Lobreyer)およびサンダーメイヤー(Sundermeyer)、Chem. Ber.、第124巻、第11号、2405〜2410ページ(1991年) ダブリュ・ウーリッヒ(W. Uhlig)、Chem. Ber.、第129巻、733ページ(1996年) ジェイ・アーバン(J. Urban)、ピー・アール・シュライナー(P. R. Schreiner)、ジー・ヴァチェック(G. Vacek)、ピー・ヴィ・アール・シュライアー(P. v. R. Schleyer)、ジェイ・キュー・ファン(J. Q. Huang)、ジェイ・レスチンスキー(J. Leszczynski)、Chem. Phys. Lett、第264巻、441〜448ページ(1997年) ケイ・エム・マッケイ(K. M. Mackay)、エス・ティ・ホスフィールド(S. T. Hosfield)およびエス・アール・ストバート(S. R. Stobart)、J. Chem Soc. (A)、2938ページ(1969年)
本発明の目的は、Si−Ge半導体および関連第IV族合金の化学蒸着(CVD)向けの実行可能な前駆物質であるために必要な物理特性および化学特性を示す化合物を提供することである。
本発明のまた別の目的は、商業的に利用可能な開始材料と絡めて高収率の単一ステップ置換反応を利用するような化合物合成法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、商業的に利用可能な開始材料と絡めて高収率の単一ステップ置換反応を利用するトリシラン合成法を提供することである。
本発明のさらなる目的および利点は、下記の通りの説明に記載され、部分的にはかかる説明から明らかとなるか、または、本発明の実践により習得することができる。本発明の目的および利点は、特許請求の範囲において指摘された手段および化合を用いて実現し、達成することができる。
前述の目的を達するために、本文書において具体化され概述される通りの発明目的に従って、分子式(HGe)4−xSiHであってxが0、1、2または3に等しい珪素−ゲルマニウム水素化合物族を合成するための新たな実用的方法が提供される。これらの化合物は、単一の珪素中心原子Siが1個の水素原子Hおよび1個以上のゲルミル基GeHに結合した単純な四面体構造を有する。これら化合物は、容易な反応性、および直接Si−Ge結合を組み込んだ正確な原子配置を有する。本発明者らは、この化合物族の(HGe)SiH種、(HGe)SiH種および(HGe)Si種を初めて調製し、これらの種を、Si−Ge半導体および関連第IV族合金の化学蒸着(CVD)向けの実行可能な前駆物質であるために必要な物理特性および化学特性を示す揮発性無色液体として単離した。
本発明の1つの側面に従って、この方法は、珪素−ゲルマニウム水素化物が形成される条件下でシラン・トリフレートとGeH配位子を含む化合物とを化合させるステップを含む。GeH配位子を含む化合物は、KGeH、NaGeHおよびMRGeHであってMが第IV族元素でありRが有機配位子である物質からなる群から選択される。ある有利な方法に従って、シラン・トリフレートは、HSi(OSOCF4−xまたはHSi(OSO4−xを含むことができる。
本発明の別の側面に従って、代替方法が、(HGe)SiHを合成するために提供される。この方法は、(HGe)SiHが形成される条件下でHGeSiH(OSOCF)とKGeHとを化合させるステップを含む。
本発明のさらに別の側面に従って、本発明者らは、トリシラン(HSi)SiHを合成するための新たな実用的方法を提供した。同方法は、イソ−テトラシラン類似物(HSi)SiHの合成に使用することができる。この方法は、水素化珪素が形成される条件下でシラン・トリフレートとSiH配位子を含む化合物とを化合させるステップを含む。ある有利な方法に従って、シラン・トリフレートは、HSi(OSOCF
4−xまたはHSi(OSO4−xであってx=1または2である物質を含む。
本発明者らは、簡便で従前の既知の方法よりも潜在的に安価な直進的アプローチによりトリシランを実用的収率で合成し、それにより、トリシランが、産業適用および研究適用向けのジシラン(SiHおよびジゲルマン(GeHのような商業的に利用可能な誘導体に代わる低温単一ソースとして使用できることを実証した。この方法は、イソ−テトラシラン(HSi)SiHを高収率で提供する可能性を秘めている。反応性に優れたイソ−テトラシラン(HSi)SiHは、歪みSi層の低温CVD向けのより良い候補であることが期待される。本発明者らのアプローチは、合理的で体系的な逐次メカニズムを提供して、望まれる材料が一次的生成物として高収率および高純度で単離されるようにし、危険な副生成物および混合物の形成を排除する。
前述の分子の合成経路は、商業的に利用可能な開始材料と絡めて高収率の単一ステップ置換反応を利用するものである。完全な特徴付けが、SiおよびGeに関する多核NMR、ガス・ソースIR、質量分析および元素分析のような様々な分光法および分析法により行われた。これらのデータは総体として、割り当てられた分子構造を確認し、その他の関連するシリル基およびゲルミル基のシランおよびメタンと十分に相関する。実験結果は、これら分子の分光特性および結合特性の第1原理計算に非常に良く匹敵する。物理特性および化学特性の詳細な調査により、これらの化合物は、Siベース技術およびSiベース製造プロセスでの産業適用に大いに適した半導体等級材料を産出するために精製可能であることが明らかとなった。
本発明者らの発明に従った合成法は、GeリッチSi1−xGe(x>50原子%)合金への低温CVD経路を提供することのできる新たな直進的アプローチを提示し、かかる合金は目下、光電子IRデバイスの領域のみならず、形態組成、構造および歪みが整調可能な緩衝層および仮想基板の領域においても極めて重要な適用を有する。これらの緩衝層は、高移動度電子デバイスに適用を有するSiおよびGeの歪み薄膜(チャネル)の成長用のテンプレートとして使用される。
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本発明の現在の望ましい実施例および方法を示すものである。それらの図面は、上記の一般的な説明、並びに下記の望ましい実施例および方法に関する詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するために役立つ。
(HGe)SiH、(HGe)SiHおよび(HGe)Siの合成
本発明の1つの側面に従って、本発明者らは、化合物、ジゲルミルシラン(HGe)SiH、トリゲルミルシラン(HGe)SiHおよびテトラゲルミルシラン(HGe)Siの合成法を提供する。望ましい方法は、次式により示される通り、対応するシラン−トリフレートと適切な濃度のゲルミル・カリウムとを適切な溶媒内で反応させることにより実行される。
HxSi(OSO2CF3)4-x + 4-xKGeH3 → (H3Ge)4-xSiHx + 4-xKOSO2CF3 (x=0-3)
HxSi(OSO2C4F9)4-x + 4-xKGeH3 → (H3Ge)4-xSiHx + 4-xKOSO2 C4F9 (x=0-3)
本発明者らは、その研究で利用されたトリフレート基板のほとんどを初めて合成し完全に特徴付けた。関連する有用なシリル−トリフレートの化学論評が、非特許文献3において最近報告され、同文献は、本参照により全体として本願に組み込まれる。
(a)ジゲルミルシラン(HGe)SiHの合成および特性
本発明者らは、上記の方法を用いて対称のジゲルミルシラン(HGe)SiHを合成した。本発明者らは、下記(1)の式により示される通り、HSi(OSOCFとゲルミル・カリウムKGeHとの反応によりこの合成を行った。
H2Si(OSO2CF3)2 + 2KGeH3 → (H3Ge)2S iHx + 2KOSO2CF3 (1)
反応(1)は、n−デカンのような高沸点溶媒内で0℃で実行される。デカンの低い蒸気圧は、溶媒からの化合物の簡便かつ効率的な分離および精製を可能にする。生成物は、空気に敏感で揮発性の無色の液体として20%〜25%の収率で得られ、その蒸気圧は22℃で30トル、0℃で17トルである。HGe−SiH−GeHは22℃で熱的に安定し、HGeGeH類似物よりも空気に対する反応性が低く安全性で大いに優る。HGe−SiH−GeHのかなりの蒸気圧および十分な熱安定性は、同分子が、珪素- ゲルマニウム半導体合金の極めて好適な単一ソースCVD前駆物質であり得ることを示唆する。とりわけ、この化合物は、トリシラン(HSi)SiHおよびジゲルマンHGeGeHのような、高移動度歪みSiチャネルを含めたSiベース・デバイスの低温蒸着に最適なガス・ソースと見なされ目下商業的に利用可能な良く知られた等核類似物よりも、高い安定性を有するように見える。HGe−SiH−GeHは、高Geリッチ濃度でSi−Ge合金を調製する際、これらの化合物のより安全で効率的な代替物になる可能性を提供する。これらの合金は、デバイス品質の形態で成長することがさらに一層難しく、珪素技術と完全に一体化したIR光検出器およびIRセンサーを含め、現代的光学デバイスでの重要な適用向けに大いに求められる。
(HGe)SiH化合物は、その赤外線(IR)スペクトル、NMRスペクトルおよび質量スペクトルにより容易に識別され特徴付けられる。蒸気形態でのIRスペクトルは比較的単純であり、各々、Si−H伸縮モードおよびGe−H伸縮モードに割り当てられた2152cm−1および2074cm−1において2つの鋭い吸収を示す。これらの割り当ては、非特許文献4において説明された通りのHSiGeH化合物の文献値と一致する。HGe−SiH−GeHスペクトル内のGe−Hピークの強度は、Si−Hピークよりも著しく強く、分子内においてGe−H結合がSi−H結合よりも多数であることと一致する。805cm−1および702cm−1でのその他の突出した吸収は、それぞれ、Si−H曲げモードおよびGe−H曲げモードに帰される。324cm−1での弱帯域は、骨格Si−Ge伸縮モードに帰すことができる。IRスペクトル全体に関するより詳しい解釈は、アブイニシオ量子化学計算から得られ、下記で説明される。この化合物の質量スペクトルは、(M−nH)および(M−GeH )について十分に範囲を規定された同位体エンベロープを呈し、中心SiH基が2個の終端GeH配位子に結合した(HGe)SiH構造を示唆する。HのNMRスペクトルは、提案された構造と一致する。これらスペクトルは、GeH部分により3.106ppmに集中した期待された三重線(δGe−H)、および、SiHにより3.396ppmに集中した七重線(δSi−H)を示す。NMRスペクトルの積分Ge−H/Si−H陽子比は、期待された通りの3:1である。NMR周波数は、SiHGeHの対応する化学シフトとも十分に相関し、かかる化学シフトは、各々、Si−H四重線およびGe−H四重線として3.520ppmおよび3.180ppmであることが報告される。
本発明者らは、代替の2ステップ・プロセスにより(HGe)SiHをも調製した。下記の通り、本発明者らは初め、溶媒の不在下−35℃で等モル量のPhSiHGeHとHOSOCFとを反応させることにより一置換HGeSiH(OSOCF)化合物を合成し単離した。PhSiHGeHの合成は、非特許文献2においてより詳しく説明され、同文献は、本参照により全体として本願に組み込まれる。その後のHGeSiH(OSOCF)とKGeHとの反応は、二置換(HGe)SiH生成物を提供する。
PhSiH2GeH3 + HOSO2CF3 → H3GeSiH2(OSO2CF3) + C6H6 (2)
H3GeSiH2(OSO2CF3) + KGeH3 → (H3Ge)2SiH2 + KOSO2CF3 (3)
本発明者らは、中間生成物のHGeSiHOSOCF種を初めて低揮発性の無色の液体(蒸気圧=22℃で8.0トル、0℃で3トル)として72%の収率で単離した。この純生成物は22℃では、やがてSiHGeHおよび未確認残渣を産するべくゆっくりと分解するが、−25℃で貯蔵された場合には安定したままである。この化合物は、気相IR、NMR(H、13C、19F)および質量分析により特徴付けられ、それらのデータは総体として、提案されたHGeSiHOSOCF分子構造と一致する(詳細については実験の項を参照)。
反応(2)により説明された通りの(HGe)SiHの合成は、全収率が従前の方法により得られる収率よりもわずかに高い高純度の生成物を産する。にもかかわらず、反応(2)に示された方法は、新たな高反応性の種、(HGe)SiH(OSOCF)の形成を提供し、かかる種は、直接Si−Ge結合を組み込んだその他の有用な半導体特殊ガスの合成に適した開始材料になる可能性がある。
ジゲルミルシランHGe−SiH−GeHのアブイニシオ計算
本発明者らのデータは、プロパン様の対称の分子構造を有するSi−Ge水素化物HGe−SiH−GeHを本発明者らが初めて単離したことを示す。SiHおよびGeHの無音電気放電に基づく先行研究は、もっぱら、非対称の類似物HGe−GeH−SiHを生成した(非特許文献5を参照)。これは、本発明者らの発明に従った対称の種が、無音放電プロセスの高エネルギー条件下では安定しない恐れがあることを示す。
Ge−SiH−GeHの構造特性、振動特性およびエネルギー特性を解明するために、本発明者らは、ガウス03コードおよびGAMESSコードで実施される通りのB3LYP汎関数を用いてハイブリッド密度汎関数理論(DFT)に基づく広範な電子構造計算を行った。様々な基底系が、HGe−SiH−GeHの構造傾向および振動傾向のみならず、GeH−GeH−SiH異性体の構造傾向および振動傾向をも研究するために用いられた。加えて、伝統的なSiHGeH類似物の特性が比較のために計算された(表1参照)。SiHGeHの先行研究は、重原子(Si、Ge)に関するd型の追加分極関数および水素に関するp型の追加分極関数の包含により基底系を補強することの重要性を確立した。これらの研究は、非特許文献4において説明され、同文献は、本参照により全体として本願に組み込められる。これに応じて本発明者らは、6−311++G(2d、2p)基底を用いてその計算を行い、かかる基底は、第1列および第2列の原子に関する追加の拡散軌道関数をも含む。
図2は、6−311++G(2d、2p)基底系を理論B3LYPレベルで用いて得られたHGe−SiH−GeHの構造を示すものである。図1、3および4は、それぞれ、SiHGeH類似物、SiH(GeH類似物およびSi(GeH類似物に関してのみならず、妥当と思われる異性体の類似物に関しても共存データを示すものである。図1〜4では、水素原子は白色の球で表され、珪素原子は暗灰色の小球で表され、ゲルマニウム原子は薄灰色の球で表される。表1は、SiGeH並びに対称の(α)および非対称の(β)のSiGe分子およびSiGe10分子の構造パラメータおよびエネルギー・パラメータを示す。EおよびEthは、それぞれ、静電補正済みおよび熱補正済み(300°K)の電子的分子エネルギーを指す。長さはオングストロームで、ゼロ点エネルギーはkcal/molで、双極子モーメントはデバイで、総エネルギーはハートリーで示される。非対称の(β)種に関してGeは、図1〜4の構造における中心Ge原子を指す。
Ge−SiH−GeH異性体とGeH−GeH−SiH異性体とのデータが事実上、同一であることに注目すること。特に、HGe−SiH−GeHのSi−Ge、Ge−HおよびSi−Hの結合長は、それぞれ、2.397Å、1.539Åおよび1.484Åである。これらの結果は、非特許文献4において報告された先の実験データおよび理論データと見事に一致するSiHGeHの計算値よりも、わずかに大きい(+0.003Å)。<Ge−Si−Ge結合角(112.1°)は、四面体値よりもわずかに大きいが、これは、<H−Si−H角(108°)の微減値により補正される。本発明者らの計算は、非対称の異性体がその対称の相対物よりも〜18kcal/molだけ安定していることをも示し(表1参照)、それは、無音放電実験でほぼ例外なく前者が形成されることと一致する。
Figure 0004970267
Ge−SiH−GeHのIRスペクトルも、B3LYP汎関数および6−311++G(2d、2p)基底系を用いて計算された。図5は、計算IRスペクトルと実験IRスペクトルを比較するものであり、表2は、主要振動帯域の周波数およびそれらの対応する割り当てを要約して、観測値と計算値とを比較するものである。実験と理論との満足のいく一致は、低周波数帯域(〜<1000cm−1)に関しては均一の周波数倍率0.989を用いて達成される。高周波数のSi−H振動およびGe−H振動に関しては、倍率0.98が実験との最適の一致をもたらすことが分かっている。後者の数値も、非特許文献4に示されるようにSi、GeおよびSiHGeHの処理の際に得られたものである。
Figure 0004970267
本発明者らは、非対称のGeH−GeH−SiH異性体のIRスペクトル(示されていない)も計算し、そのスペクトルが、非特許文献5において従前報告されたデータと見事に一致することを見出した。GeH−SiH−GeH(図5)とGeH−GeH−SiHとの間でのIRスペクトルの比較は、本発明者らがその実験においてほぼ例外なく対称の(GeHSiH類似物を生成したというNMR知見を裏付ける。
ジゲルミルシランHGe−SiH−GeHの合成例
次の例は、本発明をさらに説明するために役立つ。しかしながら、この例が本発明の例示であって本発明がこの例だけに限定されないことが理解される。
Ge−SiH−GeH。液体試料HSi(OTf)(4.38g、13.3mmol)が、無水デカン40mLに固体KGeH(4.0g、34.9mmol)を入れたスラリーに付加漏斗を介して滴下で加えられた。スラリーは、33%過剰のKGeHを用いて250mLの2つ首フラスコ内で調製された。付加漏斗はフラスコに取り付けられ、反応組立品は0.200トルまで排気された。HSi(OTf)は0℃で加えられた。その結果生じた混合液は周囲温度で2時間撹拌され、その後、揮発物質を収集するために動的真空下で一続きの−45℃トラップおよび−196℃トラップを通して数時間蒸留された。気相IRは、−45℃トラップが小画分のデカンを含み、−196℃トラップが主に(HGe)SiHを含んでHSiGeH、SiHおよびGeHの痕跡があることを明らかにした。−196℃トラップの内容物は、−45℃、−90℃、−130℃および−196℃に保たれた一続きのU字トラップを通して分別蒸留された。純粋な(HGe)SiHおよびHSiGeHが、それぞれ、−90℃および−130℃で収集された一方で、SiHおよびGeHが−196℃トラップで得られた。溶媒の痕跡が−45℃トラップで見つかり、その後廃棄された。
このプロセスから、純粋なジゲルミルシラン(HGe)SiHが20〜25%の収率で得られ、さらに、次の通りに特徴付けられた。
蒸気圧: 30トル(22℃)、17トル(0℃)。
IR(ガス、cm−1): 2152(m)、2074(vs)、2010(w、sh)、927(w)、917(w)、883(w)、803(s)、769(vw)、723(vw)、696(vs)、649(vw)、641(vw)、547(vw)、515(vw)、424(vw)、330(vw)。
H−NMR(CDCl 、7.24): δ3.395(七重線、Si−H、結合定数4Hz)、δ3.110(三重線、Ge−H、結合定数4Hz)。(HH)=4Hz、(SiH)=200Hzなどを使用。
29Si−NMR: δ=−102.45。
EIMS(m/e): 同位体エンベロープは174(M−nH)、148(Ge )、106(HSiGeH )、75(GeH )、31(SiH )に集中した。
GeSiH(OSOCF)。トリフルオロメタン・スルホン酸HOSOCF(0.645g、4.3mmol)が窒素下−35℃で、純粋なPhSiHGeH(0.784g、4.3mmol)に滴下で加えられた。凍結ベンゼンの形成が添加プロセス中、直ちに観察された。添加後、混合液は−35℃で30分間撹拌された後、動的真空下で、−25℃および−196℃に保たれた一続きのU字トラップを通して蒸留された。気相IRは、−25℃トラップ内のHGeSiH(OSOCF)、および−196℃トラップ内のHSiGeHとベンゼンとの混合液の存在を明らかにした。HGeSiH(OSOCF)の同一性および純度は、質量分析およびNMR分光法によりさらに確立された。Si−HおよびGe−Hの伸縮モードが、それぞれ、2155cm−1および2071cm−1で観察され、SiHGeH部分の存在を示した。1450cm−1〜1100cm−1の一連の帯域は、トリフレート(OSOCF)基の存在を明らかにした。HのNMR共鳴は、5.430ppmでの四重線および3.514ppmでの三重線が、SiHGeH基と一致するシリル基およびゲルミル基の陽子共鳴に対応することを明らかにした。19Fおよび13CのNMRスペクトルは、−76.34ppmでの単一のフッ素化学シフトおよび114〜122ppmでの13C四重線の存在を明らかにし、かかる存在は、トリフレート基のCF部分と一致する。
このプロセスから、0.760gのHGeSiH(OSOCF)が低揮発性の無色の液体として72%の収率で得られ、さらに、次の通りに特徴付けられた。
蒸気圧: 8.0トル(22℃)、3トル(0℃)。
IR(ガス、cm−1): 2194(w、sh)、2155(s)、2071(vs)、1425(m)、1253(w)、1225(ms)、1158(m)、1077(s)、964(ms)、951(ms)、883(s)、863(ms)、844(w)、792(s)、763(vs)、690(vm)、625(w)、467(vw)、434(vw)、355(vw)。
H−NMR(CDCl ): δ5.430(四重線、Si−H、結合定数3.3Hz)、δ3.514(三重線、Ge−H、結合定数3.3Hz)。
13C−NMR(CDCl ): δ122〜114(四重線、CF)。19F−NMR(CDCl 、δ): −76.34(s、CF)。
EIMS(m/e): 同位体エンベロープは179(M−GeH)、149(CFSO )、150(Ge6 −x )、106(HSiGeH )、75(GeH )、69(CF )、32(SiH )に集中した。
(b)トリゲルミルシランSiH(GeHの合成および特性
本発明者らは、上記の(HGe)SiH類似物に用いられた手順と同様の手順を用いてトリゲルミルシラン(HGe)SiHも合成した。この調製は、次式により示される通り、HSi(OSOCFとわずかに過剰のKGeHとの反応により行われた。
HSi(OSO2CF3)3 + 3KGeH3 → (H3Ge)3SiH + 3KOSO2CF3 (4)
この生成物は、空気に敏感な揮発性の無色の液体として〜30%収率で得られて蒸気圧(22℃で6〜7トル)を有し、22℃で安定する。広範なNMR特徴付け、質量分析特徴付けおよびIR(第一原理シミュレーションを含む)特徴付けは、その分子構造がイソブタンとほぼ同じ、3個のGeH基および1個のH基に結合した中心Si原子を含むことを示した。HのNMRスペクトルは、Si−H陽子信号およびGe−H陽子信号に関して各々、3.429ppmでの十重線および3.317ppmでの二重線を示した。Si−H陽子およびGe−H陽子の分裂パターン並びにそれらの対応する積分ピーク比1:9は、イソブタン様の(HGe)SiH構造と一致する。さらに、29SiのHMQCスペクトルは、−112.73ppmの化学シフトを明らかにし、また、3.429ppmでのHのNMR信号がトリゲルミルシラン内の珪素に結びつくものであることを明らかにした。HのCOSY実験は、Si- HおよびGe−Hの化学シフトが期待された通りに互いに結びつくものであることを確認した。質量スペクトルは、SiGeに対応する最高質量ピークとして255〜238amuでの同位体エンベロープを示す。この分子は、質量分析計内では容易にHを失うように見えるが、SiGe核は気相では保持される。この化合物のIRスペクトルは、各々、2071cm−1および2132cm−1での特徴的なSi−HおよびGe- Hの伸縮モードを示し、881cm−1、788cm−1および680cm−1での一揃いの吸収は、同分子の突出した曲げモードに対応する。(HGe)SiHのIRスペクトルも、B3LYP汎関数および6−311++G(2d、2p)基底系を用いて計算された。図6は、計算IRスペクトルと実験IRスペクトルとを比較するものであり、表3は、主要振動帯域の周波数およびそれらの対応する割り当てを要約して、観測値と計算値とを比較するものである。実験と理論との緊密な一致が達成される。
Figure 0004970267
トリゲルミルシラン(HGe)SiHの合成例
次の例は、本発明をさらに説明するために役立つ。しかしながら、この例が本発明の例示であって本発明がこの例だけに限定されないことが理解される。
液体試料HSi(OTf)(4.10g、8.6mmol)が、無水エーテル40mLに固体KGeH(4.5g、39.2mmol)を入れたスラリーに付加漏斗を介して−35℃で滴下で加えられた。スラリーは、20%過剰のKGeHを用いて100mLの2つ首フラスコ内で調製された。付加漏斗はフラスコに取り付けられ、反応組立品は300トルまで排気された。その結果生じた混合液は−35℃で30分間撹拌された後、90分間掛けて周囲温度までゆっくりと暖められた。無色の固体が観察され、混合液は周囲温度で5時間撹拌された。揮発物質は、−196℃に保たれたU字トラップ内に溜まるように動的真空下で2時間半蒸留された。トラップの内容物は、−40℃((HGe)SiHおよび痕跡エーテル)、−78℃((HGe)SiHのエーテルおよび痕
跡)、196℃(GeHのエーテルおよび痕跡)に保たれた一続きのトラップを通して再蒸留された。同生成物(−40℃トラップ)は、−25℃トラップおよび−78℃トラップを通して無排気で繰り返し蒸留することにより得られた。気相IRは、−25℃トラップがトリゲルミルシランを含み、−78℃トラップが少量の(HGe)SiHを含むことを明らかにした。
このプロセスから、トリゲルミルシラン(HGe)SiHが25〜30%の収率で得られ、さらに、以下の通りに特徴付けられた。
蒸気圧: 6トル(22℃)。
IR(ガス、cm−1): 2132(m)、2071(vs)、2010(w、sh)、922(vw)、881(w)、788(vs)、745(vw)、680(s)、634(vw)、606(w)、514(vw)、409(vw)。
H−NMR(CDCl 、7.24、5℃で): δ3.429(十重線、Si−H、結合定数4Hz)、δ3.317(二重線、Ge−H、結合定数4Hz)。
29Si−NMR(CDCl 、5℃で): δ−112.73。
GCMS: m/z255〜238(SiGe)、230〜213(Ge)、185〜170(SiGe)、154〜140(Ge)、109〜100(SiGeH)、77〜71(GeH)。
(c)テトラゲルミルシランSi(GeHの合成および特性
テトラゲルミルシラン(HGe)Siの調製は、次式により示される通り、ClSi(OSOCF、ClSi(OSOCFまたはSi(OSOCFとKGeHとの反応により行われた。
Cl2Si(OSO2CF3)2 + 4KGeH3 → (H3Ge)3Si + 2KOSO2CF3 + 2KCl (5)
ClSi(OSO2CF3)3 + 4KGeH3 → (H3Ge)3Si + 3KOSO2CF3 +KCl (6)
Si(OSO2CF3)4 + 4KGeH3 → (H3Ge)4Si + 4KOSO2CF3 (7)
(HGe)Si化合物は、22℃で〜1〜2トルの蒸気圧を有する無色の液体であり、FTIR、NMRおよびGCMSにより特徴付けられた。同分子の高い対称性は、極めて単純なIRスペクトルをもたらし、かかるIRスペクトルは、各々、対称および非対称のGe−H伸縮に対応する2072cm−1および2062cm−1での吸収を示す。FTIRのピーク位置および相対強度は、計算スペクトルと緊密に合致する(論理IRスペクトルおよび実験IRスペクトル並びに対応するピーク割り当てについては図7および表4を参照)。いかなるSi−H振動モードもFTIRにより検出されない。HのNMRスペクトルは、3.40ppmでの一重線を示して、分子内における単一−環境GeH配位子の存在を確認する。GCMSスペクトル内の最高質量ピークは、328〜318amuの範囲で観察される。ピーク位置および同位体分布は、分子のSi(GeH四面体構造と一致するSiGe型の種を表す。分光データは総体として、Si(GeHの合成および単離の成功に関する強力な証拠を提供する。さらに、この化合物の〜1〜2トルの蒸気圧は、期待値の範囲内であり、C(GeHに関して報告された蒸気圧(1〜2トル)とほぼ同じである。
Figure 0004970267
テトラゲルミルシラン(HGe)Siの合成例
次の例は、本発明をさらに説明するために役立つ。しかしながら、この例が本発明の例示であって本発明がこの例だけに限定されないことが理解される。
3つ首の100mL丸底フラスコに、溶液を形成するために2.98g(26mmol)のKGeHおよび50mLの無水ジメチル・エーテルが入れられた。その後、液体試料Si(OTf)(2.40g、6mmol)が、−50℃で30分間掛けてKGeH/エーテルに加えられた。反応組立品の圧力は、Si(OTf)の添加の前に300トルまで下げられた。添加が完了し次第、フラスコは、2〜3時間掛けて周囲温度までゆっくりと暖められた。無色の固体の蓄積が反応鍋内で観察され、同混合液が周囲温度で90分間撹拌された後、揮発物質が動的真空下で、−196℃のU字トラップ内に凝縮された。−196℃トラップの内容物は、無色の液体として(HGe)SiHと(HGe)Siとの混合液を収集するために−45℃トラップを通して再蒸留された。混合液の最終分溜は、−10℃および−45℃に冷却されたU字トラップを通した蒸留により達成された。気相IR分光法は、−10℃トラップが(HGe)Siを含み、−45℃トラップが(HGe)SiHを含むことを明らかにした。
このプロセスから、テトラゲルミルシラン(HGe)Siが得られ、次の通りに特徴付けられた。
蒸気圧: 1〜2トル(22℃)。
IR(ガス、cm−1): 2130(vw、sh)、2072(s)、2062(s)、2020(vw、sh)、881(vw)、777(vs)、680(vw)、632(vw)。
H−NMR(C、7.15): δ3.400(一重線、Ge−H)。
GCMS: m/z328〜318(SiGe)、302〜292(Ge)、255〜238(SiGe)、230〜213(Ge)、185〜170(SiGe)、154〜140(Ge)、109〜100(SiGeH)、77〜71(GeH)。
本発明者らの方法は、純粋な(HGe)Si生成物を5〜10%収率で提供した。質量分析(GCMS)、気相IR、NMRデータにより証明された通り、本発明者らの方法は、正確な化学量論性を有しSi:Ge元素比が正確に1/4である化合物を生成する。本発明者らの分光データは、アブイニシオ理論研究により、さらに裏付けられた。
(d)トリシランHSi(SiHおよびイソ−テトラシランHSi(SiHの合成法および特性
シリル−ゲルマンを調製するためのトリフレート・ベースの前述の方法は、次式により説明される通りに同族トリシラン(HSi)SiHを合成するためにも用いられた。
H2Si(OSO2CF3)2 + 2KSiH3 → (H3Si)2S iH2 + 2KOSO2CF3 (8)
当業者には明らかである通り、イソ−テトラシラン(HSi)SiH類似物を、次式により説明される通りに得ることができる。
HSi(OSO2CF3)3 + 3KSiH3 → (H3Si)3SiH + 3KOSO2CF3 (9)
トリシランは、目下、高電子移動度および高正孔移動度のような高強化電子特性を有する歪みSiチャネル・デバイスの商業的CVD成長用の望ましいガス・ソースである。歪み薄膜は、歪み緩和および欠陥形成を防ぐために低温成長条件を用いてSi−Geのグレーデッド緩衝層を介してSi基板上で形成される。SiHおよびSiのような従来のSi水素化物と比べたトリシランの、歪みSi適用での大きな利点は、その優れた反応性であって、必要とされる低温範囲での脱水素化を容易なものにする。
テトラシラン(HSi)SiH化合物は、Siベース・デバイスのCVDにまだ使用されたことはないが、トリシランと比べて反応性が高く、従って分解温度が低いために、低温成長適用により適していることが期待される。その分岐構造により、この化合物が安定しやすく、かつ、トリシランに匹敵する顕著な室温揮発性を有することが示唆される。よって、この化合物は、商業的な大規模適用向けの実行可能なCVDソースであることが期待され、その完全な開発は即時的対価を保証する。この化合物の予想される存在については、いくつかの記述があるものの、その特性の決定的な合成経路および特徴付けは、今日に至るまで報告されていない。
トリシランSiの合成例
次の例は、本発明をさらに説明するために役立つ。しかしながら、この例が本発明の例示であって本発明がこの例だけに限定されないことが理解される。
3つ首の100mL丸底フラスコに、1.60g(22.8mmol)のKSiHが入れられ、その後、エーテル40mLが、薄オレンジ色の溶液を形成するために加えられた。その後、液体試料HSi(OTf)(3.58g、10.9mmol)が、−40℃で30分間掛けてKSiH/エーテルに加えられた。反応組立品の圧力は、HSi(OTf)の添加の前に10トルまで下げられた。トリフレートが添加されると直ちに起泡が観察され、その際、揮発物質は、−78℃トラップおよび−196℃トラップを通過することにより添加プロセス中に頻繁に捕捉された。添加が完了し次第、フラスコは、頻繁に捕捉を行いながら周囲温度までゆっくりと暖められた。オフホワイト色の固体の蓄積が反応鍋内で観察され、混合液は周囲温度で30分間撹拌された。その後、各トラッ
プからの揮発物質は一緒にされ、無排気で−125℃および−196℃のU字トラップを通して再蒸留された。各トラップの内容物は、気相FTIR分光法により点検され、トリシラン(−125℃)、およびシランとジシランとの混合物(−196℃)の存在が明らかとなった。
このプロセスは80mgのトリシランを産出し、Siが15%〜20%の収率で得られて、さらに、次の通りに特徴付けられた。
IR(ガス、cm−1): 2210(vw、sh)、2161(vs)、1003(vw、br)、941(m)、880(vs)、802(vw)、748(vw)、716(s)、705(s)、673(vw)、589(vw、br)、472(vw)、442(vw)。
EIMS(m/z): 92〜84(Si8−x)、62〜56(Si6−x)、32〜28(SiH4−x)。
上記発明は、本願で説明された通りの多数の利点を有する。より幅広い諸側面における本発明は、示され説明された特定の詳細、代表的デバイスおよび例示的な例に限定されない。従って、一般的な発明コンセプトの精神または適用範囲から逸れることなく、かかる詳細からの変更を行うことができる。
本発明の方法に従って得られる最も一般的な配置のSiHGeHの分子構造を示す分子模型図。 最も一般的な配置のSiGeの分子構造を示し、対称の(α)SiH(GeHは、本発明の方法に従って得られた、分子模型図。 最も一般的な配置のSiGe10の分子構造を示し、対称の(α)SiH(GeHは、本発明の方法に従って得られた、分子模型図。 本発明の方法に従って得られる最も一般的な配置のSi(GeHの分子構造を示す分子模型図。 SiH(GeHの標準化された論理赤外線スペクトルおよび実験赤外線スペクトルを、(a)スペクトルの低周波数部分および(b)高周波数水素帯域に関して示すグラフ。 SiH(GeHの標準化された論理赤外線スペクトルおよび実験赤外線スペクトルを、(a)スペクトルの低周波数部分および(b)高周波数水素帯域に関して示すグラフ。 Si(GeHの標準化された論理赤外線スペクトルおよび実験赤外線スペクトルを、(a)スペクトルの低周波数部分および(b)高周波数水素帯域に関して示すグラフ。

Claims (3)

  1. 化学式(HGe)4−xSiHを有し、xが1または2であり単一の珪素中心原子に水素原子とGeH基が四面体構造に結合している、珪素−ゲルマニウム水素化物からなる化合物。
  2. x=1である、請求項1に記載の化合物。
  3. x=2である、請求項1に記載の化合物。
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