JP4969753B2 - 虚血性疾患の処置の間に梗塞の大きさを低減するための医薬組成物 - Google Patents

虚血性疾患の処置の間に梗塞の大きさを低減するための医薬組成物 Download PDF

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Description

【0001】
この発明は、卒中および虚血性疾患、特に虚血性脳梗塞、急性心筋梗塞および慢性心疾患の、特定の増殖因子による予防および処置に関する。より特定的には、この発明は、薬剤の組成中の血管内皮増殖因子、胎盤増殖因子またはその両者の使用と、そのような予防または処置のための方法とを扱う。
【0002】
【発明の背景】
脳の動脈の断裂または閉塞によって起こる、意識、感覚および随意運動の突然の弱まりまたは喪失として定義される卒中は、米国で第3位の死亡原因である。世界的には、卒中は、アジアでの特に高い発生率により、第1位の死亡原因となっている。卒中の形態としては虚血性卒中が最も一般的であり、すべての卒中のうちの約85%を占める一方、(たとえば実質内またはクモ膜下などの)出血性卒中が残りの15%を占める。全人口の平均年齢の上昇のために、卒中の件数は増加し続けている。脳は、虚血が短時間であっても大きく影響を受けやすくかつ回復も思わしくないため、虚血性卒中の予防における初期予防がこの疾患の発生率を低減するのに最も高い可能性を与える。
【0003】
焦点性(focal)虚血性脳梗塞は、脳の特定の領域への動脈血流が臨界レベルよりも下に下がるときに起こる。大脳動脈の閉塞は、中枢の急性梗塞と、機能不全ではあるが潜在的には救済可能な(時には‘ペナンブラ’(penumbra)と称される)周囲領域の不完全な虚血とをもたらす。血管の慢性的狭窄による灌流低下の結果としての心筋の虚血は、致命的な心不全につながることがあり、健康上の大きな脅威となる。冠動脈閉塞によって引起こされる急性心筋梗塞は、数時間で細胞壊死を生じる。リフローまたは十分な灌流がなければ、大脳または心筋の虚血域に代謝低下が進行し、ついには梗塞となる一方、脳梗塞のペナンブラまたは心筋の危険な状態のしかし救済可能な領域での灌流の回復により、組織の損傷が改善され得る。
【0004】
J. Clin. Invest.(1999)103(9): 1231-6に記載のイスナーら(Isner et al.)によると、血管拡張または血管新生(内皮裏打ち(endothelial-lined)血管の形成)のいずれかを増すことにより、虚血性事象に苦しむ患者の脳のペナンブラまたは危険にさらされている心筋の灌流の改善を媒介する増殖因子は、治療上大きな価値があり得るが、たとえば、この目的のためにどの好適な増殖因子または増殖因子の組合せを選択すべきかおよびどの投与経路が効果的かつ安全であるかなど、この点で答を出すべき問題が依然として多く残っている。さらに、新たな内皮裏打ち血管の形成(すなわち血管新生)単独で、持続的な機能組織の灌流を刺激するのに十分であるか否かという未解決の問題がある。実際に、血管平滑筋細胞による内皮裏打ち血管の被覆(すなわち動脈新生)は、血管運動制御、構造的強度および完全性を与えるとともに、新しい血管に退縮に対する耐性を持たせる。
【0005】
毛細血管は内皮細胞および周細胞からなり、これらは管、枝および毛細血管網全体を形成するのに必要なすべての遺伝情報を有している。特定の血管新生分子がこのプロセスを開始することができる。Ann. Rev. Physiol.(1991)53:217-239のクラグスブルンら(Klagsbrun et al.)およびJ. Biol. Chem.(1992)267:10931-4のフォークマンら(Folkman et al.)が調査したように、血管新生を刺激する多数のポリペプチドが精製され、それらの分子的、生化学的および生物学的特性について特徴付けられた。血管新生を刺激することができかつ血管内皮細胞の分裂促進剤として高度に特異的な1つの因子は、J. Cell. Biochem.(1991)47:211-218のフェラーラら(Ferrara et al.)によると、血管内皮増殖因子(以下VEGFと称される)と呼ばれる。VEGFはvasculotropinとしても公知である。コノリーら(Connolly et al.)も、J. Biol. Chem.(1989)264:20017-20024、J. Clin. Invest.(1989)84:1470-8およびJ. Cell. Biochem.(1991)47:219-223に、治癒中のウサギの移植骨片またはラットの角膜に投与されると、インビトロで分裂する血管内皮細胞を刺激しかつ新たな血管の成長を促進する、ヒト血管透過性因子を記載している。血管透過性因子(略してVPF)という語が採用されたのは、皮内注射後、増加する血管からの液体漏れのためであり、これはVEGFと同じ物質を示すと思われる。ネズミVEGF遺伝子が特徴付けられ、胚発生におけるその発現パターンが分析された。VEGFの持続的な発現が、たとえば脈絡叢および腎臓糸球体などの、有窓内皮に隣接する上皮細胞で観察された。ブライヤーら(Breier et al.)がDevelopment(1992)114:521-532に開示したように、これは、内皮細胞の成長および分化の多機能調節器としてのその役割と矛盾しない。Science(1989)246:1306-9のロンら(Leung et al.)によると、VEGFは、8つのシステイン残基の完全な保存を含む約22%の配列同一性を、結合組織のための主要増殖因子であるヒト血小板由来増殖因子PDGFと共有する。これに代えて、スプライシングされたmRNAがVEGFとPDGFとの両者に対して同定されたが、これらのスプライシング産物は、それらの生物学的活性および受容体結合特異性において異なっている。VEGFは、(Biochem. Biophys. Res. Comm.(1989)161:851-858にフェラーラら(Ferrara et al.)がおよびProc. Natl. Acad. Sci. USA(1989)86:7311-5にゴスポダロウィッツら(Gospodarowicz et al.)が開示したように)ウシ下垂体濾胞細胞などの下垂体細胞、(Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1990)87:1323-1327にコンら(Conn et al.)が開示したような)ラットグリオーム細胞ならびにいくつかの腫瘍細胞系を含む多数の細胞系によって条件付けられた培地の中で検出されかつそれから精製された強力な血管作用タンパク質である。同様に、43−51kDaの非還元分子量を有するマウス神経芽細胞腫細胞系NB41から単離された内皮増殖因子は、Growth Factors(1989)2:9-19にレビーら(Levy et al.)によって記載された。
【0006】
VEGFは、各々が見かけの分子量23kDaを有する2つのサブユニットからなるグリコシル化カチオン46kDa二量体として特徴付けられた。これは、酸性pHおよび熱に耐性を有するスルフヒドリル還元剤によって不活性にされ、固定化ヘパリンと結合する。VEGFは、mRNAの代替スプライシングのために、121、165、189および206アミノ酸の4つの異なる形態を有する。さまざまなVEGF種は同じ遺伝子でコードされる。推定上のmRNAスプライシング域でのゲノミッククローンの分析は、代替的スプライシングと矛盾しないイントロン/エクソン構造も示す。VEGF165種は、主に正常な細胞および組織で見られる分子の形態である。VEGF121およびVEGF165種は可溶性タンパク質であり、血管新生を促進することができる。一方、VEGF189およびVEGF206種は大部分が細胞付随(cell-associated)である。すべてのVEGFアイソホームは生物学的に活性である。たとえば、種の各々は、皮内に適用されると、エバンスブルーの溢出を誘導することができる。しかしながら、VEGFアイソホームは、場合によっては増殖因子のシグナル特性を変調し得る、異なる生化学的特性を有する。VEGF165、VEGF189およびVEGF206種は、カルボキシ末端領域内に8つのさらなるシステイン残基を含む。VEGFのアミノ末端配列の前には、典型的なシグナル配列に対応する26アミノ酸が来る。シグナル配列分割のすぐ後には、一切の介在前駆配列なしに、成熟タンパク質が生成される。増殖因子のPDGFファミリーからの他のVEGFポリペプチドは米国特許第5,840,693号に開示されている。VEGFチロシンキナーゼ受容体に結合する精製されかつ単離されたVEGF−Cシステイン欠失変異体は米国特許第6,130,071号に開示されている。
【0007】
他のサイトカインと同様に、VEGFは、それが見出される特定の生物学的文脈に依存する多様な効果を有し得る。VEGFの発現は、(たとえば肺、心臓、胎盤および充実性腫瘍などの)血管化組織で高く、時間的および空間的に血管新生と相関する。VEGFは、正常な胚発生創傷治癒、組織再生および再編成の間の内皮細胞の成長を促進することにより、インビボの血管新生の誘導に直接寄与することが示された。したがって、VEGFは、EP−A−0,506,477に開示されたように、血管組織の修復を促進するのに用いることが提案された。VEGFは、充実性腫瘍の成長および転移ならびに、米国特許第6,114,320号に開示されたような虚血誘導網膜異常などの病理プロセスにも含まれる。VEGF発現は低酸素症によって引起されるため、内皮細胞増殖および血管新生は虚血域で特に刺激されるように思われる。最後に、米国特許第6,040,157号は、ヒトVEGFに対するアミノ酸配列相同性に基づく新しい血管内皮増殖因子として推定的に同定されたヒトVEGF2ポリペプチドを開示する。後者の文献は、VEGF2タンパク質を用いることによって虚血四肢のあるパラメータの回復をさらに開示する。しかしながら、J. Surg. Res.(1996)63(1):77-82のハリアワラら(Hariawala et al.)により、ブタの心臓では、短期間の高用量のVEGFの全身投与は心筋の血流を改善するが、低血圧症を発生することも公知である。
【0008】
胎盤増殖因子(以下PIGFと称する)は、マリオーネら(Maglione et al.)によりProc. Natl. Acad. Sci. USA(1991)88(20):9267-71に、血管透過性因子に関するタンパク質として開示された。米国特許第5,919,899号は、炎症性疾患の処置および外科手術、移植、潰瘍の熱傷などの後の創傷または組織の処置において使用可能な、PIGFという名のタンパク質に対するヌクレオチド配列コード付けを開示する。米国特許第5,776,755号によると、胎盤、栄養胚芽性腫瘍および培養されたヒト内皮細胞に発現されるPIGFについて、それぞれ131および152アミノ酸から構成される可溶性非ヘパリン結合およびヘパリン結合形態が記載された。
【0009】
この発明が解決すべき1つの問題は、卒中および虚血性疾患、特に虚血性脳梗塞、急性心筋梗塞および慢性心臓病の予防および処置のために有用であろう、虚血性事象に苦しむ患者の危険な状態の心筋の灌流または脳のペナンブラの灌流を改善するための方法および薬剤組成を提供することである。この発明が解決すべき別の問題は、虚血性脳梗塞の間にペナンブラの梗塞の拡大を低減または抑制するための薬剤組成および方法を提供して、それらがそのような疾患の予防および処置に有用であるようにすることである。この発明が解決すべき別の問題は、急性心筋梗塞の再血管新生を高めるための薬剤組成および方法を提供し、そのような事象を予防しかつ処置するのにそれらが有用であるようにすることである。この発明が解決すべき別の問題は、すなわち脳または心筋のペナンブラに対して、灌流を改善しまたは梗塞の拡大を低減もしくは抑制しまたはそれ以外で梗塞の再血管新生を高めることができる薬剤組成の投与の安全かつ効果的な経路を提供することである。この発明が解決すべきまた別の問題は、低血圧症などの好ましくない副作用がない、卒中および虚血性疾患、特に虚血性脳梗塞、急性心筋梗塞および慢性心臓病の予防および処置のための効果的な手段を提供することである。
【0010】
【発明の概要】
この発明のさまざまな上述の目標は、以下に開示されるものなどの、胎盤増殖因子および/または血管内皮増殖因子またはそのフラグメント、誘導体または相同体の好適な使用によって成功裡にかつ予期せずして満たされた。
【0011】
第1の局面では、この発明は、哺乳類の、(出血性卒中を含む)卒中および虚血性疾患などの疾患の処置のための胎盤増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体の使用に関する。第2の局面では、この発明は、哺乳類の、(出血性卒中を含む)卒中および虚血性疾患などの疾患の処置のための血管内皮増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体の使用に関する。第3の局面では、この発明は、哺乳類の卒中および虚血性疾患の予防または処置において相乗効果を与えるため、それぞれの比率で活性成分として、(a)胎盤増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体および(b)血管内皮増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を含む組成の使用に関する。この発明は、胎盤増殖因子−血管内皮増殖因子ヘテロ二量体の使用も含む。
【0012】
この発明の別の局面は、薬剤の製造のために、(a)胎盤増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体および(b)血管内皮増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を含む組成の使用である。この発明は胎盤増殖因子−血管内皮増殖因子ヘテロ二量体の使用も含む。
【0013】
上記使用のいずれもまたはこの発明に対して述べられる使用のいずれも、非医学的使用、非療法的使用、非診断的使用、ヒト以外への使用または排他的インビトロ使用または動物とは別の細胞での使用に制限されてもよい。
【0014】
別の局面では、この発明は、哺乳類の卒中および虚血性疾患の予防または処置のための薬剤組成に関し、この薬剤組成は、少なくとも薬学的に許容可能なキャリアを有する混合剤中の活性成分として、胎盤増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を含む。別の局面では、この発明は、哺乳類の卒中および虚血性疾患の予防または処置のための薬剤組成に関し、この薬剤組成は、少なくとも薬学的に許容可能なキャリアを有する混合剤中の活性成分として、血管内皮増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を含む。また別の局面では、この発明は薬剤組成に関し、これは、哺乳類の卒中および虚血性疾患の予防または処置において相乗効果を与えるために、薬学的に許容可能なキャリアを有する混合剤中に、それぞれの比率で活性成分として
(a)胎盤増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体および
(b)血管内皮増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を含む。この発明は、胎盤増殖因子−血管内皮増殖因子ヘテロ二量体の使用も含む。
【0015】
この発明は、哺乳類の(出血性卒中を含む)卒中または虚血性疾患の処置または予防の方法にさらに関し、この方法は、そのような処置または予防が必要な際に、哺乳類に、治療上効果的な量の胎盤増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を投与するステップを含む。この方法は、哺乳類の(出血性卒中を含む)卒中または虚血性疾患の処置または予防の方法にも関し、この方法は、そのような処置または予防が必要な際に、哺乳類に、治療上効果的な量の血管内皮増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を投与するステップを含む。最後に、この発明は、哺乳類の(出血性卒中を含む)卒中または虚血性疾患の処置または予防の方法に関し、この方法は、そのような処置または予防が必要な際に、そのような予防または処置において相乗効果を与えるように、それぞれの比率で治療上効果的な量の
(a)胎盤増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体および
(b)血管内皮増殖因子、そのフラグメント、誘導体または相同体を哺乳類に投与するステップを含む。この発明は、胎盤増殖因子−血管内皮増殖因子ヘテロ二量体の使用も含む。
【0016】
[定義]
この発明のさまざまな局面のすべてにおいて、「卒中」および「虚血性疾患」という用語は、発明の背景のセクションに述べたような意味および定義を有する。この発明の範囲内の虚血性疾患の例は、中でも、
−虚血性卒中または焦点性虚血性脳梗塞
−急性心筋梗塞または冠状虚血
−慢性虚血性心疾患
−心筋または脳の領域以外の器官、たとえば末梢四肢(たとえば四肢虚血または末梢動脈疾患)の虚血性疾患を含む。
【0017】
この発明のさまざまな局面のすべてにおいて、「哺乳類」という用語はその一般的意味で考察され、すなわちヒト、ウマ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジなどを含む。
【0018】
この発明の増殖因子を参照して本明細書中で用いられるような「相同体」という用語は、関連の増殖因子と、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%および最も好ましくは少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する分子を指す。血管内皮増殖因子については、それは二量体とそのサブユニットとの両者を含む。
【0019】
この発明の増殖因子を参照して本明細書中で用いられるような「フラグメント」という用語は、増殖因子の活性部分、すなわち、灌流を向上させまたは梗塞の拡大を低減もしくは抑制しまたはそれ以外で梗塞の再血管新生を高めることが機能的に可能な部分を含みつつ、親増殖因子の(血管新生および/または動脈新生について)必須でない多数の特性を失っていてもよい分子を指す。好ましくはこの発明で用いられるフラグメントは、関連の増殖因子の血管新生および/または動脈新生フラグメントである。
【0020】
この発明の増殖因子を参照して本明細書中で用いられるような「誘導体」という用語は、(上に定義されたような)増殖因子の少なくとも活性部分と、たとえば突然変異の導入などのさらなる操作により、野生型増殖因子中に存在するものとは異なる相補部分とを含む分子を指す。
【0021】
本明細書中で用いられるような「血管内皮増殖因子」という用語は、それがヒト起源または動物起源のものであっても、発明の背景のセクションに開示されたものなどのような、そのすべてのアイソホームを指す。しかし、165アミノ酸アイソホームが好ましい。本明細書で用いられるような「胎盤増殖因子」という用語は、それがヒト起源または動物起源のものであっても、そのすべてのアイソホーム、すなわち上に開示された131および152アミノ酸形態を指す。
【0022】
【詳細な説明】
この発明のさまざまな局面を構成する処置または予防の方法において、活性成分の投与は、哺乳類の医学的状態および必要性に依存して、慢性または間欠的であってもよい。活性成分は、経口、鼻内、皮下、筋肉内、皮内、静脈内、動脈内もしくは非経口投与によってまたはカテーテル法によって、好ましくは皮下で患者に与えられ得る。しかしながら、最も好ましい投与の形態は、浸透ポンプなどによる、慢性的連続皮下送達である。本明細書中で用いられるような「治療上効果的な量」という用語は、灌流を向上させまたは梗塞の拡大を低減もしくは抑制しまたはそれ以外で梗塞の再血管新生を高めることができる量を意味し、より好ましくは、各活性成分ごとに、処置される哺乳類の体重1キログラム当りおよび1週間当り、約2から2,000μgの量を意味する。胎盤増殖因子と血管内皮増殖因子との両者がそれぞれ生物活性成分(a)および(b)として存在するこの発明のさまざまな局面では、それらは好ましくは、同時、別個または逐次の使用のために、約1から約99重量%の成分(a)および約1から約99重量%の成分(b)を含む調製物の組合せとして用いられる。
【0023】
処置または予防されるべき哺乳類において、成分(a)および(b)が、それらを合わせた治療効果を必ずしも同時に直接に与えないことを鑑みると、成分(a)と(b)との両者を含むこの発明の薬剤組成は、別ではあるが隣接した形で2つの成分を含むパッケージまたは医療キットの形態であってもよい。したがって後者の文脈では、成分(a)および(b)の各々を、他の成分とは異なる投与経路に好適な態様で調製してもよい。
【0024】
この発明のさまざまな局面を構成する薬剤組成において、「薬学的に許容可能なキャリア」という用語は、たとえば、前記成分を溶解、分散もしくは拡散することによって適用もしくは散布が容易になりおよび/または、効果を損なうことなく保管、運搬もしくは取扱いが容易になるように、活性成分を調製するいかなる材料または物質をも意味する。薬学的に許容可能なキャリアは、固体または液体または圧縮されて液体を形成する気体であり得る。すなわち、この発明の組成は好適には、濃縮液、エマルジョン、溶液、顆粒、粉剤、スプレー、エアロゾル、錠剤または粉末として用いられ得る。しかしながら、皮下使用に好適な調製が非常に好ましい。
【0025】
この組成での使用に好適な薬剤キャリアは当業者には周知であり、この発明の範囲内ならそれらの選択に対する特定の制限は存在しない。それらは、製薬上の実践に矛盾しなければ、すなわち、哺乳類に対して永久的な損傷を与えないキャリアおよび添加剤ならば、湿潤剤、分散剤、粘着剤、接着剤、乳化剤、溶媒、被覆剤、抗菌および抗カビ剤(たとえばフェノール、ソルビン酸、クロロブタノール)、等張剤(砂糖または食塩など)などの添加物も含み得る。この発明の薬剤組成は、たとえば、選択されたキャリア材料および適切な場合は界面活性剤などの他の添加剤と、活性成分とを、1ステップまたは複数ステップ手順で均質に混合、被覆および/または粉砕することにより、いずれの公知の態様で調製されてもよく、また、たとえば、通常は約1から10μmの直径を有するミクロスフィアの形態でそれらを得るように、すなわち制御されたまたは持続性のある活性成分放出のためにマイクロカプセルを製造するため、微粉化によって調製されてもよい。
【0026】
この発明の薬剤組成で用いるべき好適な界面活性剤は、良好な乳化、分散および/または湿潤特性を有する非イオン、カチオンおよび/またはアニオン材料である。好適なアニオン界面活性剤は、水溶性石鹸と水溶性合成界面活性剤との両者を含む。好適な石鹸は、たとえば、オレイン酸もしくはステアリン酸のまたはココナツ油もしくは獣脂から入手可能な天然脂肪酸混合物のナトリウムまたはカリウム塩などの、より高い脂肪酸(C10−C22)のアルカリまたはアルカリ土類金属塩、未置換または置換アンモニウム塩である。合成界面活性剤は、ポリアクリル酸のナトリウムまたはカルシウム塩;脂肪スルホン酸塩および硫酸塩;スルホン化ベンゾイミダゾール誘導体ならびにアルキルアリルスルホン酸塩を含む。脂肪スルホン酸塩または硫酸塩は通常は、たとえば、リグノスルホン酸もしくはドデシルスルホン酸もしくは天然脂肪酸から得られる脂肪アルコール硫酸塩の混合物のナトリウムまたはカルシウム塩、(ラウリル硫酸ナトリウムなどの)硫酸もしくはスルホン酸エステルおよび脂肪アルコール/エチレンオキシド付加物などのスルホン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩などの、8から22個の炭素原子を有するアルキルまたはアシルラジカルで置換された、アルカリまたはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩または未置換アンモニウム塩の形である。好適なスルホン化ベンゾイミダゾール誘導体は好ましくは8から22個の炭素原子を含む。アルキルアリルスルホン酸塩の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸もしくはジブチル−ナフタレンスルホン酸もしくはナフタレン−スルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム、カルシウムまたはアルカノールアミン塩である。また好適なのは、たとえば、リン酸エステルとエチレンオキシドおよび/もしくはプロピレンオキシドへのp−ノニルフェノールの付加物との塩またはリン脂質などの対応するリン酸塩である。この目的に好適なリン脂質は、(動物もしくは植物細胞起源の)天然リン脂質または、たとえば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセリン、リゾレシチン、カルジオリピン、ジオクタニルホスファチジル−コリン、ジパルミトイルホスファチジル−コリンおよびそれらの混合物などの、ケファリンもしくはレシチンタイプの合成リン脂質である。
【0027】
好適な非イオン界面活性剤は、分子中に少なくとも12個の炭素原子を含む、アルキルフェノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪族アミンまたはアミドのポリエトキシル化およびポリプロポキシル化誘導体と、アルキルアレーンスルホン酸塩と、脂肪族および脂環式アルコール、飽和および不飽和脂肪酸ならびにアルキルフェノールのポリグリコールエーテル誘導体などのジアルキルスルホスクシナートとを含み、前記誘導体は好ましくは、(脂肪族)炭化水素部分に3から10個のグリコールエーテル基および8から20個の炭素原子と、アルキルフェノールのアルキル部分に6から18個の炭素原子とを含む。さらなる好適な非イオン界面活性剤は、アルキル鎖中に1から10個の炭素原子を含む、ポリプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコールとのポリエチレンオキシドの水溶性付加物である。この付加物は、20から250個のエチレングリコールエーテル基および/または10から100個のプロピレングリコールエーテル基を含む。そのような化合物は通常、プロピレングリコール単位当り1から5個のエチレングリコール単位を含む。非イオン界面活性剤の代表例は、ノニルフェノール−ポリエトキシエタノール、ひまし油ポリグリコールエーテル、ポリプロピレン/ポリエチレンオキシド付加物、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノールである。(ポリオキシエチレンソルビタントリオレアートなどの)ポリエチレンソルビタン、グリセロール、ソルビタン、ショ糖およびペンタエリトリトールの脂肪酸エステルも、好適な非イオン界面活性剤である。
【0028】
好適なカチオン界面活性剤は、オプションでハロゲン、フェニル、置換フェニルまたはヒドロキシと置換される、4つの炭化水素ラジカルを有する第四アンモニウム塩、好ましくはハロゲン化物、を含む。たとえば、第四アンモニウム塩は、N置換基として、少なくとも1つのC8−C22アルキルラジカル(たとえばセチル、ラウリル、パルミチル、ミリスチル、オレイルなど)と、さらなる置換基として、未置換またはハロゲン化低級アルキル、ベンジルおよび/またはヒドロキシ低級アルキルラジカルとを含む。
【0029】
この目的に好適な界面活性剤のより詳細な記載はたとえば、「マクカチェオン洗剤および乳化剤年報」(“McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual,”MC Publishing Corp., Ridgewood, New Jersey, 1981)、“Tensid-Taschenbuch,” 2nd ed. (Hanser Verlag, Vienna, 1981)および「界面活性剤事典」(“Encyclopaedia of Surfactants,” Chemical Publishing Co., New York, 1981)に見られる。
【0030】
この発明の薬剤組成中の活性成分の作用の持続時間を制御するために、さらなる成分を含んでもよい。したがって、徐放性組成は、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニルピロリドン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硫酸プロタミンなどの適切な重合体キャリアを選択することによって達成され得る。薬剤放出の速度および作用の持続時間も、ヒドロゲル、ポリ乳酸、ヒドロキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸メチルおよび他の上述の重合体などの高分子物質の、たとえばマイクロカプセルなどの粒子に活性成分を組入れることによって制御され得る。そのような方法は、リポソーム、ミクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、ナノカプセルなどのようなコロイド薬送達系を含む。投与の経路に依存して、薬剤組成は保護コーティングも必要とするであろう。
【0031】
注射可能な使用に好適な製薬の形態は、その即時調製のため、滅菌水溶液または分散液および滅菌粉末を含む。したがって、この目的のための典型的なキャリアは、生体適合緩衝液、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどと、その混合物とを含む。
【0032】
理論に縛られることを望まないのであれば、以下の実験証拠に基づくと以下のように考えられる。すなわち、両者のPIGF対立遺伝子がないために、検出可能な血管損傷は起こらないが、内皮および平滑筋細胞の成長、遊走および生存における血管内皮増殖因子(VEGF)の効果を仲介するには、胎盤増殖因子(PIGF)が必要である。さらに、PIGFがないことは、インビボのさまざまな病理プロセスの間に、VEGF仲介される血管新生および動脈新生を大きく損なうと思われる。したがって、PIGFは、低血圧症または全身水腫などの全身への影響を引起すことなく、増大するVEGF発現の血管新生部位でのみ血管成長を刺激する、VEGFの魅力的な代替治療薬である。
【0033】
以下の実験データは、マウスの中大脳動脈(以下、MCAと称する)の閉塞によって起こる脳梗塞のサイズが、(英国、Abingdon、R&D;ドイツ、ハノーヴァー、Pharma Biotechnologie;カリフォルニア州、コスタメサ、ICN;およびイタリア、Anagni、Geymonat SpAなどのさまざまなソースから入手可能な)PIGF、VEGF(たとえばrVEGF165は、中でも、英国、Abingdon、R&D;カリフォルニア州、サンタクルーズ、Santa Cruz Biotechnology Inc.;ドイツ、ハノーヴァー、Pharma Biotechnologie; カリフォルニア州、コスタメサ、ICN;マサチューセッツ州、ウォバーン、Endogen;英国、LeicesterShire、Harlan Sera Laboratories;ニュージャージー州、ロッキーヒル、Peprotechから入手可能である)または好ましくは両者を組合せて、浸透ミニポンプを介した連続的皮下送達によって大幅に低減されることを証明する。さらに、左冠状動脈(以下、LCAと称する)の閉塞後の虚血性心筋の再血管新生も、浸透ミニポンプを介した、PIGF、VEGF(rVEGF165)またはその両者の連続的皮下送達によって大幅に改善される。少量のPIGFの慢性送達は、虚血性梗塞の大きさを低減するほどには少なくともVEGFと同じくらい効果的であることがわかった。さらに、VEGFとPIGFとの両者をともに投与すると、いずれかの増殖因子単独から予測されるよりも効果的であった。これらのデータは、VEGF、好ましくはPIGFまたはその両者の組合せが、患者を好ましくない副作用の危険にさらすことなく、卒中および虚血性疾患、特に虚血性卒中および急性心筋梗塞の処置および予防に成功裡に使用可能であることを示している。
【0034】
以下の例においてこの発明のさまざまな実施例をより詳細に実際に説明する。しかしながら、それらはこの発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0035】
例1−VEGF、PIGFまたはその両者の組合せの慢性投与による、脳虚血性梗塞拡大に対する防御
エイ・ジャイルズ(A. Giles)がThromb. Haemost. (1987) 58: 1078-1084に公開したような、米国生理学会(American Physiological Society)および国際止血血栓症学会(the International Committee on Thrombosis and Haemostasis)の指針に従って、動物実験を行なった。焦点性脳虚血は、J. Neurochem. (1987) 49: 846-51のウェルシュら(Welsh et al.)によると、MCAの持続的閉塞によってもたらされた。簡単に述べると、50%スイス/50%129の遺伝的背景を有する、体重が20から30gのいずれかの性別のマウスに、(オランダ、アーネム、アファルモ社(Apharmo)から入手可能な75mg/mlの)ケタミンおよび(ドイツ、レーバークーゼン、バイエル社(Bayer)から入手可能な5mg/mlの)キシラジンの腹膜内注射で麻酔をかけた。(ベルギー、ブリュッセル、フェデラ社(Federa)から入手可能な1mg/kgの)アトロピンを筋肉内に投与し、加温パッド上に動物を置くことによって体温を維持した。左耳と左目との間をU字状に切開した。側頭筋の最上部および裏側のセグメントを横に切開し、側頭筋の収縮により頭蓋を露出した。火傷を防止するために塩水を過融解し、手持ちドリルを用いて、MCAの上の領域に(1から2mmの直径の)小さな開口をあけた。鉗子で髄膜を取除き、(フランス、ヌイイ、エチロン社(Ethylon)から入手可能な)10−0ナイロン糸で結紮することによりMCAを閉塞し、結紮点から遠位に横切開した。最後に、側頭筋と皮膚を元通りに縫合した。動物を回復させ、次にケージに戻した。梗塞を作られたマウスは、7日間にわたって増殖因子が連続的に送達されるように背中に皮下に埋込まれた浸透ミニポンプ(Alzet type 2001、オランダ、Someren、Broekman Institute)を用いて、塩水(対照のため)、PIGF(715ng/日)、VEGF(425ng/日)またはその両者の組合せで処置された。その期間の後、(イリノイ州、ノースシカゴ、アボットラボラトリーズ(Abbott Laboratories)から入手可能な500mg/kgの)ネンブタールを過量摂取させて動物を死亡させ、リン酸緩衝液塩水中4%のホルマリンで左心室を介して灌流固定し、断頭した。脳を除去し、Nature (1996) 380: 435-439、Nature (1996) 383: 73-75およびNature (1998) 394: 485-490にピー・カルメリートら(P. Carmeliet et al.)が記載したように、組織学のために処理し、不可逆性虚血死の間に早期に消滅する構造タンパク質である微小管結合タンパク質2(以下、MAP2と称する)に対して免疫染色した。脳全体のMAP−2陰性梗塞域は、専用の画像解析システム(ライカ(Leica)から入手可能なQuantimed6000)を用いて420μmの距離で形態計測的に定量された。梗塞の容積は、セクションの厚みで乗算されるセクションの未染色面積の和として規定された。以下の表1に示されるこれらの実験のデータは、mm3で表わされかつ脳梗塞を測定するための手段として用いられる梗塞のサイズの平均(SEM)値の平均±標準誤差であり、カッコの中に観察の数を含む。ここで、*は対照に対してp=0.001であることを意味する。有意差(significance of differences)は片側t検定で判定された。
【0036】
【表1】
Figure 0004969753
【0037】
大脳内の出血はどのマウスにも観察されなかった。まとめて考えると、これらのデータは、VEGFおよびPIGFおよびさらにその組合せがペナンブラの梗塞の拡大を抑制するのに効果的であることを示している。
【0038】
例2−ネズミ急性心筋梗塞モデル
Cardiovasc. Res. (1999) 41:586-59にルトゲンスら(Lutgens et al.)が記載したように、左冠状動脈(LCA)の永続的な結紮によって心筋梗塞を生じさせた。簡単に述べると、マウスを、60mg/kgのペントバルビタールナトリウムの腹膜内注射で麻酔した。動物を仰向け位置に置き、先の鈍い21ゲージ針を挿管し、(マサチューセッツ州ホリストン、Harvard Apparatus Inc.から入手可能な)Rodent人工呼吸器モデル683を用いて、100/分の呼吸速度で1回呼吸量1.0mlで正圧呼吸するようにした。第3肋間隙上の皮膚横切開および第3と第4の肋骨間の左開胸を行ない、左耳介の先端から約1mm遠端でLCAのまわりに6.0フィラメントを結んだ。動物を右にわずかに回転させると、左心室をよりよく露出するような心臓の向きになる。胸部空洞を閉じかつ呼息の終わり(end expiration)に正圧を用いて肺を再拡張した後、梗塞を作られたマウスを加温パッドの上で回復させた。
【0039】
7日間の間、VEGF、PIGFまたはその両者を送達する浸透ミニポンプ(Alzet type 2001、オランダ、Someren、Broekman Instituteから入手可能)を、心筋梗塞の施与(performance)のすぐ後にマウスの背中に皮下に埋込んだ。外科的な傷は見たところ感染することなく治癒した。手術による死亡率は10%であった。
【0040】
手術後7日で、梗塞を作られたマウスに上述のように麻酔し、0.9%塩水で灌流し、腹部大動脈を介して生理圧で0.1Mリン酸緩衝塩水(pH7.0)中1%のパラホルムアルデヒドで灌流固定した。弛緩した状態で心停止させるため、灌流固定の前に、心臓に100μl、0.1M塩化カドミウムを注射した。固定された心臓は、Nat. Med. (1999) 5(10): 1135-1142にヘイマンズら(Heymans et al.)が記載したように、組織学のために解剖されかつ準備された。
【0041】
ヘマトキシリン−エオシン染色のために6μm厚の断面を用いた。内皮細胞はトロンボモデュリン(マサチューセッツ州ボストン、ハーバード大学からのトロンボモデュリン抗体)に対して染色される一方、血管平滑筋細胞は、ヘイマンズら(上記のものを引用)が記載のように、平滑筋アルファアクチン(Sigma)に対して染色された。(ベルギー、ブリュッセル、ライカ社から入手可能な)Quantimet Q600画像解析システムを用いて、梗塞当りの血管数を形態計測的に計数した。
【0042】
例3−マウスにおけるVEGF、PIGFまたはその両者の組合せの慢性投与による、高められた急性心筋梗塞再血管新生
例2に記載の方法により、7日間にわたって連続してこれらの増殖因子を送達することによってVEGFおよびPIGFの治療上の効果をテストした。これらのテストの結果を以下の表2および表3に示す。表中、
−表2は、各々8匹から10匹のマウスの群の梗塞について、血管新生の尺度としての、内皮細胞のトロンボモデュリン染色によって識別される血管数(平均+SEM値)を示す。*は対照に対してp<0.05であることを意味する。
【0043】
−表3は、各々8匹から10匹のマウスの群の梗塞において、動脈新生の尺度としての、内皮細胞の平滑筋アルファアクチン染色によって識別される血管数(平均+SEM値)を示す。*は対照に対してp<0.05であることを意味する。
【0044】
【表2】
Figure 0004969753
【0045】
示されるのは、梗塞を有するマウスを715ng/日のPIGF二量体で処置することが、梗塞を有するマウスを430ng/日のVEGF二量体で処置するよりも、すべてのタイプの血管において、新たな内皮裏打ち血管の形成(血管新生)と、虚血性心筋中の平滑筋細胞での被覆によるこれら冠状血管の成熟(動脈新生)とをより刺激したということである。より多くの量(3.5μg/日)のPIGF二量体も梗塞の血管新生および動脈新生を改善した。
【0046】
【表3】
Figure 0004969753
【0047】
例4−ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子不足のマウスにおけるVEGF、PIGFまたはその両者の組合せの慢性投与による、高められた急性心筋梗塞再血管新生
虚血性心筋の血管新生および動脈新生の刺激におけるPIGFとVEGFとの間の相乗作用を、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(u−PA-/-)が不足している、梗塞を有するマウスでテストした。なぜならこれらのマウスは、VEGF単独による治療的血管新生に耐性を有するからである。VEGF(450ng/日)とPIGF(3.5μg/日)との組合せを用いてu−PA-/-のマウスを処置することは、表4および表5に示されるように、心筋の血管新生および動脈新生の向上において、VEGF(450ng/日)またはPIGF(3.5μg/日)単独の場合よりも効果的であった。これらの表は、それぞれ表2および表3と同じ態様で結果を示している。
【0048】
【表4】
Figure 0004969753
【0049】
【表5】
Figure 0004969753
【0050】
例5−PIGF対VEGF投与の副作用
高忠実度微圧計(テキサス州ヒューストン、ミラーインスツルメンツ(Millar Instruments))を用いて測定された平均動脈血圧(MAP)は対照のマウスで93±5mmHgであった。3μgの活性VEGF二量体のボーラス皮内注射により、かなりの低血圧症(68±3mmHg;p<0.05)を生じた。5μgの活性PIGF二量体のボーラス投与は、動脈血圧(91±11mmHg)を低下させなかった。これらのデータが示すのは、3μgの量の急性投与の際、PIGFが全身の血行力学的副作用を有しない一方、VEGFは血圧を低下させるということである。
【0051】
例6−PIGF−VEGFヘテロ二量体の使用
VEGFおよびPIGFは、二量体としてそれらの同源受容体に結合しなければならない。VEGF/VEGF−ホモ二量体およびPIGF/PIGF−ホモ二量体の活性は上述されている。しかしながら、VEGFとPIGFとはヘテロ二量体を形成することもでき、インビボで記録されている(カオ・ワイ、リンデン・ピー、シマ・ディ、ブラウン・エフおよびフォークマン・ジェイ(Cao, Y., Linden, P., Shima, D., Browne, F. & Folkman, J.)の「胎盤増殖因子/血管内皮増殖因子のヘテロ二量体のインビボ血管新生活性および低酸素症誘導」(“In vivo angiogenic activity and hypoxia induction of heterodimers of placenta growth factor/vascular endothelial growth factor,”J Clin Invest 98, 2507-11, 1996);ディサルボ・ジェイら(DiSalvo, J. et al.)の「自然発生血管内皮増殖因子、胎盤増殖因子ヘテロ二量体の精製および特徴化」(“Purification and characterization of a naturally occurring vascular endothelial growth factor. placenta growth factor heterodimer,”J Biol Chem 270, 7717-23, 1995))。インビボでの血管新生および動脈新生におけるそれらの役割には議論が残るが、治療としての適用にVEGF/PIGFヘテロ二量体を使用可能か否かについての情報は入手できない。
【0052】
例3の表2および表3に例示されたのと同じ梗塞再血管新生モデルを用いて、野生型マウスに、VEGF/PIGFヘテロ二量体(英国、Abingdon、R&D)を、10マイクログラムの用量で1週間浸透ミニポンプを介して投与した。実験データは、血管数/梗塞の代わりに血管数/mm2として表6および表7に報告される。しかしながら、この表は以前の表と同様に定性的に解釈され得る。
【0053】
【表6】
Figure 0004969753
【0054】
【表7】
Figure 0004969753
【0055】
すべての値は統計的に有意である(p<0.05;処置対対照)。

Claims (13)

  1. 哺乳類の虚血性疾患の処置の間に梗塞の大きさを低減するための、全身の血行力学的副作用を有しない医薬組成物であって、
    薬学的に許容可能なキャリアと混合して、活性成分として、胎盤増殖因子(PlGF)、または胎盤増殖因子と少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有する相同体である血管新生ポリペプチド、またはPlGFもしくは前記相同体の血管新生フラグメントを含有する、医薬組成物。
  2. 前記相同体である血管新生ポリペプチドは、胎盤増殖因子と少なくとも90%以上のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 虚血性疾患は卒中または急性心筋梗塞ある、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 大脳での事象の後に使用するためのものであって、医薬の適用がその事象に伴われる虚血性および出血性卒中の両者を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 前記医薬組成物は慢性的に投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 前記医薬組成物は間欠的に投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 前記増殖因子は、経口、鼻腔内、皮下、筋肉内、皮内、静脈内、動脈内もしくは非経口投与によってまたはカテーテル法によって投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. 医薬組成物の治療として効果的な量は、前記哺乳類の体重1kgあたりおよび1週間あたり2から2,000μgの量である、請求項1に記載の医薬組成物。
  9. 哺乳類の虚血性疾患の処置において梗塞の大きさを低減するための、全身の血行力学的副作用を有しない医薬であって、
    そのような処置または予防が必要な哺乳類への投与のため、胎盤増殖因子、または胎盤増殖因子と少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有する相同体である血管新生ポリペプチド、またはPlGFもしくは前記相同体の血管新生フラグメントを、治療として効果的な量、含有する、医薬。
  10. 前記相同体である血管新生ポリペプチドは、胎盤増殖因子と少なくとも90%以上のアミノ酸配列同一性を有する、請求項に記載の医薬。
  11. 前記投与は慢性および間欠投与のうち1つである、請求項に記載の医薬。
  12. 前記増殖因子は、経口、鼻腔内、皮下、筋肉内、皮内、静脈内、動脈内または非経口投与のうち1つおよびカテーテル法によって投与される、請求項に記載の医薬。
  13. 治療として効果的な量は、前記哺乳類の体重1kgあたりおよび1週間あたり2から2,000μgである、請求項に記載の医薬。
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