以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。
本実施の形態の画像表示装置は、表示部1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ31と、受光信号レシーバ32と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。
表示部1は、複数の各画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置された、例えば、有機または無機のEL(ElectroLuminescence)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)からなり、後述するように線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示する。また、各画素11は、1つの発光素子を含む発光セルCWおよび1つの受光素子を含む受光セルCRを有する発光受光セルCWRから構成され、後述するように画素ごとに発光動作と共に受光動作も可能となっている。
表示信号生成部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などにより生成され、供給されたデータに基づいて、例えば、1画面ごと(1フィールドの表示ごと)に表示するための表示信号を生成し、それを表示信号保持制御部22に出力する。
表示信号保持制御部22は、表示信号生成部21から出力される表示信号を1画面ごと(1フィールドの表示ごと)に、例えばSRAM(Static Random Access Memory)などから構成されるフィールドメモリに格納して保持すると共に、各発光セルCWを駆動する発光側スキャナ24および表示信号ドライバ23、ならびに各受光セルCRを駆動する受光側スキャナ31を連動して動作するように制御する機能を有する。具体的には、発光側スキャナ24には発光タイミング制御信号41を、受光側スキャナ31には受光タイミング制御信号42を、表示信号ドライバ23には制御信号およびフィールドメモリに保持されている表示信号に基づいて、1水平ライン分の表示信号を出力する。これらの制御信号および表示信号により、後述するように、線順次動作が行われるようになっている。
発光側スキャナ24は、表示信号保持制御部22から出力される発光タイミング制御信号41に応じて駆動対象の発光セルCWを選択する機能を有する。具体的には後述するように、表示部1の各画素11に接続された発光用ゲート線を介して発光用選択信号を供給し、発光素子選択スイッチを制御する。つまり、発光用選択信号によりある画素の発光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素では表示信号ドライバ23から供給された電圧に対応した輝度の発光動作がなされるようになっている。
表示信号ドライバ23は、表示信号保持制御部22から出力される1水平ライン分の表示信号に応じて駆動対象の発光セルCWに表示データを供給する機能を有する。具体的にはやはり後述するように、表示部1の各画素11に接続されたデータ供給線を介して前述の発光側スキャナ24により選択された画素11に表示データに対応する電圧を供給する。この発光側スキャナ24および表示信号ドライバ23が連動して線順次動作することにより、任意の表示データに対応する画像が表示部1に表示される。
受光側スキャナ31は、表示信号保持制御部22から出力される受光タイミング制御信号42に応じて駆動対象の受光セルCRを選択する機能を有する。具体的には後述するように、表示部1の各画素11に接続された受光用ゲート線を介して受光用選択信号を供給し、受光素子選択スイッチを制御する。つまり、前述の発光側スキャナ24の動作と同様に、受光用選択信号によりある画素の受光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素から検出された受光信号が受光信号レシーバ32に出力されるようになっている。これにより、例えばある発光セルCWからの出射光に基づいて接触あるいは近接する物体において反射した光を、受光セルCRが受光し、検出することが可能となる。また、この受光側スキャナ31からは、受光信号レシーバ32および受光信号保持部33へ受光ブロック制御信号43が出力され、これら受光動作に寄与するブロックを制御する機能も有する。なお、本実施の形態の画像表示装置においては、前述の発光用ゲート線および受光用ゲート線は各発光受光セルCWRに対して別個に接続され、発光側スキャナ24および受光側スキャナ31はそれぞれ、独立して動作することが可能となっている。
受光信号レシーバ32は、受光側スキャナ31から出力される受光ブロック制御信号43に応じて、各受光セルCRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得する機能を有する。この受光信号レシーバ32において取得された1水平ライン分の受光信号は、受光信号保持部33へ出力される。
受光信号保持部33は、受光側スキャナ31から出力される受光ブロック制御信号43に応じて、受光信号レシーバ32から出力される受光信号を1画面ごと(1フィールドの表示ごと)の受光信号に再構成し、例えばSRAMなどから構成されるフィールドメモリに格納して保持する機能を有する。受光信号保持部33において格納された受光信号のデータは、位置検出部34へ出力される。なお、この受光信号保持部33はメモリ以外の記憶素子から構成されていてもよく、例えば受光信号のデータをアナログデータとして保持しておくことも可能である。以下、本実施の形態においては特に記載がない場合、受光信号はアナログデータとして保持されているものとする。
位置検出部34は、受光信号保持部33から出力される受光信号のデータに基づいて信号処理を行い、受光セルCRにおいて検出された物体が存在する位置を特定する機能を有する。これにより、接触あるいは近接する物体の位置を特定することが可能となる。なお、上記のように受光信号保持部33が受光信号のデータをアナログデータとして格納している場合は、位置検出部34においてアナログ/デジタル変換(以下、A/D変換という。)を行ってから信号処理が実行される。
図2は、図1における表示部1の構成の一例を表すものである。なお、この表示部1は、水平ライン方向にm個、垂直ライン方向にn個、合計で(m×n)個からなる画素11がマトリクス状に配置された構成になっているものとする。ここで、例えばPC(Personal Computer)などにおいて一般的なディスプレイ規格であるXGA(eXtended Graphics
Array)規格の表示部の場合、m=1024×3(RGB),n=768の合計2359296個からなる画素がマトリクス状に配置されていることになる。
図2に示したように、この表示部1は、合計で(m×n)個からなる画素11および各画素に含まれる前述の発光受光セルCWR11〜CWRmnと、その画素11の数に応じて接続された、m本のデータ供給線DW(DW1〜DWm)およびデータ読出線DR(DR1〜DRm)、ならびにn本の発光用ゲート線GW(GW1〜GWn)および受光用ゲート線GR(GR1〜GRn)とを備える。
データ供給線DW、データ読出線DR、発光用ゲート線GWおよび受光用ゲート線GRはそれぞれ、前述の表示信号ドライバ23、受光信号レシーバ32、発光側スキャナ24および受光側スキャナ31に接続され、表示信号、発光用選択信号および受光用選択信号が各発光受光セルCWRへ供給され、受光信号が各発光受光セルCWRから出力される。また、図2に示したように、各発光受光セルCWRに対してそれぞれ1本ずつのデータ供給線DW、データ読出線DR、発光用ゲート線GWおよび受光用ゲート線GRが接続されている。さらに、例えば1垂直ラインの発光受光セルCWR11,CWR12,…,CWR1nに対しては1本ずつのデータ供給線DW1およびデータ読出線DR1が共通に接続され、例えば1水平ラインの発光受光セルCWR11,CWR21,…,CWRm1に対しては1本ずつの発光用ゲート線GWおよび受光用ゲート線GRが共通に接続されている。なお、図2中の矢印Xは、後述するように発光用ゲート線GWおよび受光用ゲート線GRのスキャン方向を示している。
図3〜図6は、図1の表示部1における発光セルCWと受光セルCRの配置構成の一例を平面図で模式的に表したものである。
図3は、表示部1における各発光受光セルCWRにおいて、発光セルCWと受光セルCRとが上下、つまり垂直ライン方向に配置された例を示す。この場合、各発光セルCWおよび各受光セルCRはそれぞれ、左右、つまり水平ライン方向に並んで配置されている。具体的には、例えば、発光セルが水平ライン方向にCW11,CW21,…,CWm1と、受光セルが水平ライン方向にCR11,CR21,…,CRm1と並んで配置されている。なお、この例では、上に発光セルCWが、下に受光セルCRが配置された例を示しているが、逆に、上に受光セルCRが、下に発光セルCWが配置されるように構成してもよい。
図4は、表示部1における各発光受光セルCWRにおいて、図3と同様に発光セルCWと受光セルCRとが上下に配置された他の例を示すものである。ただこの例では、1つの発光受光セルCWRにおいて、1つの発光セルCWに対して上下に1つずつ、合計2つの受光セルCRが配置されている。ここで、これら2つの受光セルCRの内、上側の受光セルをCRa、下側の受光セルをCRbと称すものとする。この場合、図3の例と同様、各発光セルCWおよび各受光セルCRa,CRbはそれぞれ、左右、つまり水平ライン方向に並んで配置されている。具体的には、例えば、発光セルが水平ライン方向にCW11,CW21,…,CWm1と、受光セルが水平ライン方向にCR11a,CR21a…,CRm1aおよびCR11b,CR21b,…,CRm1bと並んで配置されている。なお、この場合も逆に、1つの画素内において1つの受光セルCRに対して上下に2つの発光セルCWが配置されるように構成してもよい。
図5は、表示部1における各発光受光セルCWRにおいて、発光セルCWと受光セルCRとが左右、つまり水平ライン方向に配置された例を示す。この場合、各発光セルCWおよび各受光セルCRはそれぞれ、上下、つまり垂直ライン方向に並んで配置されている。具体的には、例えば、発光セルが垂直ライン方向にCW11,CW12,…,CW1nと、受光セルが垂直ライン方向にCR11,CR12,…,CR1nと並んで配置されている。なお、やはりこの例では左に発光セルCWが、右に受光セルCRが配置された例を示しているが、逆に、左に受光セルCRが、右に発光セルCWが配置されるように構成してもよい。
図6は、表示部1における各発光受光セルCWRにおいて、受光セルCRが発光セルCWの内部に配置された例を示す。この場合、各発光セルCWおよび各受光セルCRはそれぞれ各画素11と同様に、マトリクス状に並んで配置されている。
なお、本実施の形態に係る表示部1における発光セルCWと受光セルCRの配置構成例の平面図はこれらに限られるものではなく、他の配置構成でもよい。
次に図7〜図9は、図1の表示部1における発光セルCWと受光セルCRの配置構成の一例を断面図で模式的に表したものである。なお、図7〜図9の例では、発光セルCWに含まれる発光素子が液晶素子であり、1対の透明基板の片側にバックライト光源が備えられた透過型の液晶表示部を元にした場合を示している。
図7は、発光素子である液晶素子を含む発光セルCWと、受光素子PDを含む受光セルCRとが隔壁13により分離された構造の例を示している。なお、図7に示した断面図は、図5に示した平面図における水平方向のA−A矢視断面図に対応するものである。この表示部1は、1対の透明基板12A,12Bと、これらの透明基板12A,12Bの間に配置され、上記のように隔壁13によって互いに交互に分離された構造の複数の発光セルCW(CW12,CW22,CW32,…)および複数の受光セルCR(CR12,CR22,CR32,…)とを有する。また、上記のように、発光セルCWは発光素子として液晶素子を含み、受光セルCRは受光素子PD(PD12,PD22,PD32,…)を含む。なお、一般的な液晶表示部におけるその他の層については図示せず、省略している。以下、図8,図9,図11においても同様である。この図では、図示しないバックライト光源からのバックライト光LBおよびこのバックライト光LBが表示部1を透過した光である透過光LTも示しており、さらに、受光セルCRにおいてはバックライト光LBが入射しないように、バックライト光源側の透明基板12Bと受光素子PDとの間に、遮蔽層14が配置されている状況を示している。このような構成にすることで、各受光素子PDはバックライト光LBの影響を受けず、バックライト光源と反対側の透明基板12Aの方向から入射された光のみを検出するようにすることが可能となる。
図8は、受光素子PDを含む受光セルCRが、発光素子である液晶素子を含む発光セルCWの内部に配置された構造の例を示している。なお、図8に示した断面図は、図6に示した平面図における水平方向のB−B矢視断面図に対応するものである。この表示部1は、1対の透明基板12A,12Bと、これらの透明基板12A,12Bの間に配置され、上記のように隔壁13によって互いに分離された構造の複数の発光セルCW(CW12,CW22,CW32,…)およびこれらの発光セルに内包された複数の受光セルCR(CR12,CR22,CR32,…)とから構成されている。また、上記のように、発光セルCWは発光素子として液晶素子を含み、受光セルCRは受光素子PD(PD12,PD22,PD32,…)を含む。なお、図8の例においても、図7の例と同様に、受光セルCRにおいてはバックライト光LBが入射しないように、バックライト光源側の透明基板12Bと受光素子PDとの間に遮蔽層14が配置され、各受光素子PDはバックライト光LBの影響を受けず、バックライト光源と反対側の透明基板12Aの方向から入射された光のみを検出するようになっている。
図9は、図8と同様、受光素子PDを含む受光セルCRが、発光素子である液晶素子を含む発光セルCWの内部に配置された構造の例を示しており、同様に図6に示した平面図における水平方向のB−B矢視断面図に対応するものである。図8に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。この表示部1において図8の構成と異なるのは、受光セルCRがバックライト光源と反対側の透明基板12Aの側に配置された構造となっている部分である。また、図7および図8の構造と同様、各受光素子PDにおいてバックライト光LBが入射しないようにバックライト光源側に遮蔽層14が配置され、やはりバックライト光LBの影響を受けず、バックライト光源と反対側の透明基板12Aの方向から入射された光のみを検出するようになっている。
なお、本実施の形態に係る表示部1における発光セルCWと受光セルCRの配置構成例の断面図はこれらに限られるものではなく、他の配置構成でもよい。
図10は、図2における発光受光セルCWRの回路構成を表すものである。
この発光受光セルCWRは、1つの発光セルCWと1つの受光セルCRとを備え、発光用ゲート線GWおよびデータ供給線DWがこの発光セルCWに接続され、受光用ゲート線GRおよびデータ読出線DRがこの受光セルCRに接続された構成となっている。つまり、通常の発光セルのみを備える1画素分のセルと比べて、受光用の分だけゲート線およびデータ線が1本ずつ増加した構成となっている。また、発光セルCWは、1つの発光素子CLと、発光用ゲート線GWから供給される発光用選択信号に応じてデータ供給線DWとこの発光素子CLの一端との間を選択的に導通させる発光素子選択スイッチSW1とを有し、発光素子CLの他端は接地されている。また、受光セルCRは、1つの受光素子PDと、受光用ゲート線GRから供給される受光用選択信号に応じてこの受光素子PDの一端とデータ読出線DRとの間を選択的に導通させる受光素子選択スイッチSW2とを有し、受光素子PDの他端は接地、または正バイアス点(図示せず)に接続されている。なお、この発光受光セルCWRの回路構成は、上記のようにゲート線が発光用と受光用とで別個に接続されているので、発光動作と受光動作とを独立して動作させることが可能である。
ここで、具体的に発光動作時および受光動作時における各構成要素の動作を説明する。まず発光動作時には、上記のように発光用ゲート線GWから供給される発光用選択信号に応じて発光素子選択スイッチSW1がオン状態となり、表示信号に応じた輝度の発光となるよう、データ供給線DWからI1の経路にて発光素子CLが充電され、発光動作を行うようになっている。一方、受光動作時には、上記のように受光用ゲート線GRから供給される受光用選択信号に応じて受光素子選択スイッチSW2がオン状態となり、受光素子PDにおいて受光した光量に応じた電流がI2の経路にてデータ読出線DRへ供給され、受光動作を行うようになっている。なお、発光動作および受光動作のいずれの動作も行っていない時には、発光素子選択スイッチSW1および受光素子選択スイッチSW2のいずれのスイッチもオフ状態となっており、データ供給線DWおよびデータ読出線DRはそれぞれ、発光素子CLおよび受光素子PDとは切断されるようになっている。
次に、以上のような構成の画像表示装置において接触あるいは近接する物体を検出する動作を説明する。
まず、図11を参照して以上のような構成の画像表示装置において、接触あるいは近接する物体を検出する動作を説明する。図11は、図1の画像表示装置において検出対象物体を検出する処理の一例を表すものである。図6に示した、発光素子である液晶素子を含む発光セルCWと受光素子PDを含む受光セルCRとが隔壁13により分離された構造の例に対応したものであり、図6に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
図11に示したように、例えば表示部1に指などの検出対象物体15を接触あるいは近接させると、例えば、発光セルCW22から出射された透過光LT1,LT2はそれぞれこの検出対象物体15で反射する。ここで、発光セルCW22から位置が近い受光セル、例えばCR12あるいはCR22などにはそれぞれ反射光LR1,LR2が入射するが、発光セルCW22から位置が遠い受光セルには反射光は入射しない。このため、ある検出対象物体15から位置が近い受光セルCRのみから受光信号が得られる。例えば、発光駆動されている水平ラインの発光セルCWから発せられて検出対象物体15で反射された光を、その発光中の水平ラインの受光素子によって検出するようにタイミング駆動を行うものとする。検出対象物体15の近傍の受光素子からは受光信号が検出される一方、それ以外の領域からは受光信号が検出されないので、表示部1のどの位置に検出対象物体15が存在するのかを検知することが可能となる。このような発光駆動と受光駆動とを各水平ラインについて順次行うこと(以下、線順次駆動という。)により、表示部1全体にわたって画像を表示しながら検出対象物体15を検出することが可能となる。
図12および図13は、図1の画像表示装置における線順次発光動作の一例を表すものである。ここで、図12および図13に示した1マスは表示部1における画素11を表すものである。
図12に示した線順次発光動作の例では、例えば矢印P1で示した位置の1水平ラインが、前述の発光側スキャナ24および表示信号ドライバ23により、スキャン方向Xで示した方向に順次発光動作していく状況を表している。またこの例では、矢印P1で示した位置の1水平ラインが、表示データによる描画が画面上において一巡するまで、つまり次の画像データが表示信号ドライバ23により供給されるまでの間は発光状態が保持され、表示部1全体が発光領域51となっている状況を表している。このように、矢印P1で示した位置の1水平ラインが線順次発光動作することにより、表示部1全体が発光領域となり、ある画像データを表示部1全体に渡って表示することが可能となる。
図13に示した線順次発光動作の例では、図12と同様、例えば矢印P1で示した位置の1水平ラインが、スキャン方向Xで示した方向に順次発光動作していく状況を表している。しかしこの例では、矢印P1で示した位置の1水平ラインが、表示データによる描画が画面上においてある時間が経過するまで、つまり次の画像データが表示信号ドライバ23により供給される前までの一定期間だけ発光状態が保持され、表示部1全体が発光領域51と非発光領域52とに分かれている状況を表している。この場合においても、矢印P1で示した位置の1水平ラインが線順次発光動作することにより、発光状態が保持される一定時間内においては、表示部1の全体または大部分が発光領域となり、ある画像データを表示部1全体に渡って表示することが可能となる。発光状態が保持される期間は、例えば図10に示した発光セルCWの回路構成における発光素子CLの容量値などにより決まるものであり、任意に設定可能である。なお、図13に示した例では、表示部1に非発光領域52が存在するが、この非発光領域52もまた線順次移動するので、残像現象効果により人の目によっては視認されることがなく、問題にならない。
図14は、図1の画像表示装置において図12および図13で示した線順次発光動作に加えて、線順次受光動作を行っている場合の一例を表すものである。なお、図14においては図13で示した線順次発光動作に線順次受光動作を加えた場合の例を示しているが、図12で示した線順次発光動作に線順次受光動作を加えるように構成することも可能である。
図14に示した例では、図12および図13と同様に例えば矢印P1で示した位置の1水平ラインがスキャン方向Xで示した方向に順次発光動作していくと共に、発光領域51から出射した光による前述のようにある検出対象物体15での反射光をスキャン方向Xで示した方向に線順次受光動作していく状況を表している。このように、矢印P1で示した位置の1水平ラインが線順次発光動作すると共にその出射光による反射光を線順次受光動作することにより、表示部1全体が発光領域になると共に受光領域となり、ある画像データを表示部1全体に渡って表示することに加えて、受光素子から検出された受光信号によりある検出対象物体15が表示部1の近傍に存在するかどうかおよび存在する場合はその位置を検出することが可能となる。なおこの場合も、表示データによる描画が画面上においてある時間が経過するまで一定期間だけ発光状態が保持され、表示部1全体が発光領域51と非発光領域52とに分かれている状況を表している。
次に、図2、図10、図11、図14および図15を参照して、図1の画像表示装置において検出対象物体15を検出する処理の詳細を説明する。図15は、図1の画像表示装置において検出対象物体15を検出する処理を表すものであり、(D)ある1垂直ライン分の発光受光セルCWRi(CWRi1〜CWRin)、およびこれらの各発光受光セルCWRiに接続された、(A)データ供給線DWi、(B)発光用ゲート線GW(GW1〜GWn)、(C)受光用ゲート線GR(GR1〜GRn)および(E)データ読出線DRiの各信号を示している。また、図15において位置を表す符号であるiおよびjはある自然数を表し、前述のように例えばXGA規格の表示部の場合(m=1024×3(RGB),n=768)、例えば表示部の中央とすると、i=1536,j=384となる。なお、以降のタイミング図においても同様である。
図15において、横軸は時間を表し、垂直期間TH1およびTH2は表示部1の画面全体分スキャンするのに要する時間、つまりこの場合は発光側スキャナ24および受光側スキャナ31がそれぞれ、GW1〜GWnまでおよびGR1〜GRnまでスキャンする時間を表すものである。ここで、検出対象物体15は表示部1における発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)付近にあるものとし、この場合これに対応する期間、つまり垂直期間TH1においてはタイミングt3〜t6の期間(受光信号検出期間TF1)において、同様に垂直期間TH2においては受光信号検出期間TF2において受光信号が検出される。また、縦軸は上記の(A)〜(C)および(E)に示した各信号の各タイミングにおける電圧を表している。ここで、(A)に示したデータ供給線DWiの信号は、各画素11において任意の輝度に対応する表示データであるものとし、表示部1において任意の画像を表示しているものとする。また、(D)に示したのは、各発光受光セルCWRiにおける発光受光期間TRWおよび発光期間TWを表すものである。発光受光期間TRWおよび発光期間TW以外の期間は、非動作期間である。なお、発光素子CLが発光している期間(発光受光期間TRWおよび発光期間TW)のうち、発光受光期間TRWは画像データに基づく発光駆動が行われている期間(図10の発光素子選択スイッチSW1がオンしている期間)であり、発光期間TWは、図10の発光素子CLの容量値によって発光状態が保持されている期間である。
なお、図15に示した処理は、発光側スキャナ24による発光動作のスキャンおよび受光側スキャナ31による受光動作のスキャンが同じタイミングで同一の水平ラインによって線順次動作していく例であるが、前述のように発光動作スキャンおよび受光動作スキャンは独立して動作することが可能である。また、図15に示した線順次発光動作は図13および図14に示したように、一定期間だけ発光状態が保持される例であるが、前述のようにこの期間は任意に設定可能である。また、(E)に示したデータ読出線DRiの信号は、アナログデータとして受光信号保持部33に格納される例であるが、前述のようにデジタルデータとして受光信号保持部33に格納するように構成することも可能である。
まず最初は、全ての発光用ゲート線GWおよび受光用ゲート線GRにおいて選択信号が出力されず、各発光受光セルCWRにおいて発光素子選択スイッチSW1および受光素子選択スイッチSW2のいずれのスイッチもオフ状態となっており、データ供給線DWおよびデータ読出線DRはそれぞれ、発光素子CLおよび受光素子PDとは切断されるようになっている。よってこの期間においては、各発光受光セルは非動作状態となっている。
次にタイミングt1において、(B)発光用ゲート線GW1および(C)受光用ゲート線GR1においてそれぞれ、発光用選択信号および受光用選択信号が出力され、これらのゲート線が接続された発光受光セルCWR11,CWR21,…,CWRm1における発光素子選択スイッチSW1および受光素子選択スイッチSW2が一斉にオン状態となる。またこのとき、図15中に発光受光期間TRWで示したように、(D)発光受光セルCWRiにおいて図10に示した表示信号電流路I1の経路にて発光素子CLが充電されて発光動作を行うと共に、受光素子PDにおいて受光した光量に応じた電流がI2の経路にて(E)データ読出線DRiへ供給されて受光動作を行う。なお、この期間(タイミングt1〜t2)においては検出対象物体15による受光信号が検出されないので、(E)データ読出線DRiからは出力信号が出力されない。
タイミングt2以降も同様にして、(B)発光用ゲート線GW2 および(C)受光用ゲート線GR2 ,(B)発光用ゲート線GW3 および(C)受光用ゲート線GR3 ,…と、線順次に発光動作および受光動作を行うが、やはり検出対象物体15による受光信号が検出されないので、(E)データ読出線DRi からは出力信号が出力されない。なお、各発光受光セルCWRi とも、発光受光期間TRWが終了した後は、前述のようにある一定期間、発光期間TWが保持される。
そしてタイミングt3〜t6において、(D)各発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)は検出対象物体15からの反射光を受光し、図15に示したように受光した光量に応じた電流が電圧に変換され、(E)データ読出線DRiへ出力される(受光信号検出期間TF1)。なお、この場合主に、(D)各発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)は自己の発光動作による出射光からの反射光を受光することになるので、(E)データ読出線DRiへ出力される信号は、(A)データ供給線DWiにおける信号に応じた値となっている。
タイミングt6以降もタイミングt1〜t3と同様に、(B)発光用ゲート線GWj+2および(C)受光用ゲート線GRj+2,(B)発光用ゲート線GWj+3および(C)受光用ゲート線GRj+3,…,(B)発光用ゲート線GWnおよび(C)受光用ゲート線GRnと、線順次に発光動作および受光動作を行うが、やはり検出対象物体15による受光信号が検出されないので、(E)データ読出線DRiからは出力信号が出力されない。
このようにして、垂直期間TH1において、発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)付近の位置に検出対象物体15が存在すると検出することできる。垂直期間TH2以降も同様に動作し、例えば垂直期間TH2においては受光信号検出期間TF2において(E)データ読出線DRiから出力信号が出力され、やはり発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)付近の位置に検出対象物体15が存在すると検出する。
以上のようにして、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、1つの発光素子CLを含む発光セルCWと1つの受光素子PDを含む受光セルCRとを有する複数の発光受光セルCWRが配置された構成からなる表示部1を備え、表示信号生成部21により生成された画像データに基づいて発光側スキャナ24および表示信号ドライバ23がこれらの発光素子CLを駆動すると共に、その発光素子から出射して検出対象物体15で反射した光を受光するように受光側スキャナ31が受光素子PDを駆動し、その受光素子から受光信号レシーバ32により得られた受光信号に基づき位置検出部34において検出対象物体15を検出するようにしたので、タッチパネルや入力装置などの別個の部品を追加する必要がなく簡易な構造を確保しつつ、さらには表示部1からの出射光がタッチパネルなどの別個の部品を透過する必要もなくなるので画質の劣化を引き起こすことなく、物体の位置などを検出することが可能となる。
また、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、各発光セルCWが線順次発光動作を行うと共に各受光セルCRが線順次受光動作を行うようにしたので、通常の発光動作により画像データを表示すると共に物体の位置などを検出することが可能となる。
また、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、表示部1上に指などの検出対象物体を接触あるいは近接させることでその位置などを検出するようにしたので、ユーザはタッチパネルと同様の操作で利便良く操作することが可能となる。
さらに、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、発光用ゲート線GWおよび受光用ゲート線GRを別個に備えるようにしたので、発光動作および受光動作を独立して行うことができ、例えば、発光動作のスキャン速度を60(フレーム/秒)にし、それに対して受光動作のスキャン速度を倍の120(フレーム/秒)と高速することで、高速に移動する物体の位置などをより正確に検出するといったことが可能となる。また、あるいは逆に、発光動作のスキャン速度を60(フレーム/秒)にし、それに対して受光動作のスキャン速度を半分の30(フレーム/秒)と低速することで、検出電流を多くしてS/N比を向上し、検出感度を上げるようにすることも可能となる。
以下、第1の実施の形態についての変形例をいくつか挙げて説明する。
[変形例1]
まず、変形例1について説明する。本変形例は、第1の実施の形態において、発光側スキャナ24に対して受光側スキャナ31が間引いて駆動するようにしたものである。
図16は、変形例1に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ311と、受光信号レシーバ32と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。つまり、図1に示した第1の実施の形態における受光側スキャナ31に代えて、受光側スキャナ311を備えたものである。
受光側スキャナ311は、受光側スキャナ31と同様、表示信号保持制御部22から出力される受光タイミング制御信号42に応じて駆動対象の受光セルCRを選択する機能を有する。受光側スキャナ31と異なるのは、上記のように発光側スキャナ24に対して受光側スキャナ311が間引いて駆動するようにした点である。具体的には後述するように、発光側スキャナ24が第1の実施の形態と同様に発光用ゲート線GWをGW1,GW2,GW3,…,GWnとスキャンしていくのに対し、受光側スキャナ311は受光用ゲート線GRをGR1,GR3,GR5,…,GRn-1と、1本おきにスキャンしていき、残りの受光用ゲート線GR2,GR4,GR6,…,GRnはスキャンされないようになっている。なお、表示部1は前述のように例えば、XGA規格の場合(m=1024×3(RGB),n=768)を考慮し、nは偶数であるものとする。また、便宜的にjは奇数であるものとする。
図17は、図16の画像表示装置において検出対象物体15を検出する処理を表すものである。なお、本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、第1の実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作と同様であるので、その説明を省略し、受光側スキャナ311に関する動作のみを説明する。
図17に示したように、上記のように(B)発光用ゲート線GWが第1の実施の形態と同様にGW1,GW2,GW3,…,GWnと発光用選択信号を出力していくのに対し、(C)受光用ゲート線GRは、GR1,GR3,…,GRj,…,GRn-1と、1本おきに受光用選択信号を出力していき、残りの受光用ゲート線GR2,GR4,GRj-1,GRj+1,…,GRnには受光用選択信号が出力されない。よって、受光用ゲート線GRに対応してデータ読出線DRの出力信号も間引かれ、例えばタイミングt1〜t2,t3〜t4,t5〜t6の期間などは受光信号が検出されず、例えばタイミングt4〜t5の期間などは受光信号が検出されることとなり、これにより受光信号のデータ量を削減することができる。
このようにして、本変形例における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、発光側スキャナ24に対して受光側スキャナ31が間引いて駆動するようにしたので、第1の実施の形態における効果に加え、受光信号のデータ量を削減し、受光側の回路(受光側スキャナ311、受光信号レシーバ32、受光信号保持部33)を簡素化し、また低消費電力化を図ることが可能となる。よって、特に接触あるいは近接する物体の検出位置の精度よりも回路構成の簡素化および低消費電力化を図りたい場合には有効である。
なお、本変形例においては、奇数番号の受光用ゲート線のみをスキャンする例で説明したが、本変形例の構成はこれに限られるものではなく、受光側の回路を簡素化し、低消費電力化が図れるならば、他の構成も可能である。例えば、逆に偶数番号の受光用ゲート線のみをスキャンするようにしてもよく、また、例えば2本おきや3本おきに受光用ゲート線をスキャンするようにしてもよい。
[変形例2]
次に、変形例2について説明する。本変形例では、第1の実施の形態において、4つの発光セルCWが出射した光を4つの受光セルCRが受光し、それらの受光信号を加算して1つの受光信号として出力するようにしたものである。
図18は、変形例2に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部102と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ312と、受光信号レシーバ322と、受光信号保持部332と、位置検出部34とを備える。つまり、図1に示した第1の実施の形態における表示部1に代えて表示部102を、受光側スキャナ31に代えて受光側スキャナ312を、受光信号レシーバ32に代えて受光信号レシーバ322を、受光信号保持部33に代えて受光信号保持部332を備える。
表示部102は、表示部1と同様、複数の各画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置され、線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示する。表示部1と異なるのは、4つの受光セルが繋がっており、まとまって動作するようにした点である。具体的には上記のように、4つの発光セルが出射した光を4つの受光セルが受光し、それらの受光信号を加算して1つの受光信号として出力するようになっている。
受光側スキャナ312は、受光側スキャナ31と同様、表示信号保持制御部22から出力される受光タイミング制御信号42に応じて駆動対象の受光セルCRを選択する機能を有する。受光側スキャナ31と異なるのは、上記のように表示部102に配置された4つの受光セルが繋がっていてまとまって動作する構成になっているので、これに対応して受光用ゲート線の本数が半分になっている点である。具体的には後述するように、発光側スキャナ24が第1の実施の形態と同様に発光用ゲート線GWをGW1 ,GW2 ,GW3 ,…,GWn とスキャンしていくのに対し、受光側スキャナ311は本数が半分になっている分、受光用ゲート線GRをGR1 ,GR3 ,GR5 ,…,GRn-1 と、スキャンしていくようになっている。なお、この場合、上記のように奇数番号の受光用ゲート線のみから構成されているものとし、変形例1の場合と同様、nは偶数であるものとする。また、同様に便宜的にjは奇数であるものとする。
受光信号レシーバ322は、受光信号レシーバ32と同様、受光側スキャナ312から出力される制御信号に応じて、各受光セルCRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得する機能を有する。受光信号レシーバ32と異なるのは、やはり表示部102の構成に対応して、データ読出線DRの本数が半分になっている点である。具体的には、本数が半分になっている分、データ読出線DRがDR1,DR3,DR5,…,DRm-1と構成されている。なお、この場合、上記のように奇数番号のデータ読出線のみから構成されているものとし、mは偶数であるものとする。また、jと同様、便宜的にiは奇数であるものとする。
受光信号保持部332は、受光信号保持部33と同様、受光側スキャナ312から出力される受光ブロック制御信号43に応じて、受光信号レシーバ322から出力される受光信号を1画面ごとの受光信号に再構成し、格納して保持する機能を有する。受光信号保持部33と異なるのは、やはり表示部102の構成に対応してデータ読出線DRの本数が半分になっている分、記憶素子の数も削減されて簡素化している点である。
図19は、図18の画像表示装置において検出対象物体15を検出する処理を表すものである。なお、本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、第1の実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作と同様であるので、その説明を省略し、表示部102、受光側スキャナ312、受光信号レシーバ322および受光信号保持部332に関する動作のみを説明する。なお、(A)データ供給線により供給される表示データは、便宜的に1垂直ラインDWi,DWi+1とも同一であるものとし、(A)にDWi,DWi+1の両ライン分を含めて示している。また、(D)に示したのは、各発光受光セルCWRiにおける発光受光期間TRW、発光期間TWおよび受光期間TRを表すものである。発光受光期間TRW、発光期間TWおよび受光期間TR以外の期間は、非動作期間である。
図19に示したように、上記のように(B)発光用ゲート線GWが第1の実施の形態と同様にGW1 ,GW2 ,GW3 ,…,GWn と発光用選択信号を出力していくのに対し、(C)受光用ゲート線GRは、本数が半分になっている分、GR1 ,GR3 ,GR5 ,…,GRn-1 と受光用選択信号を出力していき、さらに信号のパルス幅が(B)発光用ゲート線GWや第1の実施の形態における図15と比べて2倍になっている。よって、各発光受光セルCWRi2,CWRi4,CWRi6,…,CWRinにおける動作は、図15に示した第1の実施の形態の場合と異なる。具体的には例えば発光受光セルCWRi2で説明すると、図15の場合はタイミングt1〜t2の期間は非動作期間であったのに対し、本変形例の場合、タイミングt1〜t2の期間は受光期間TRとなっている。その理由は、このタイミングt1〜t2の期間において、発光用ゲート線GW2 からは発光用選択信号は出力されていないのに対し、受光用ゲート線GR1 から、発光受光セルCWRi1だけでなく発光受光セルCWRi2に対しても受光用選択信号が出力されているからである。このように、この場合、各発光受光セルCWRi1,CWRi3,CWRi5,…,CWRin-1と各発光受光セルCWRi2,CWRi4,CWRi6,…,CWRinとでは、発光および受光の動作期間が異なることとなる。
そして本変形例では、図18に示したように、4つの受光セルにおいて検出された受光信号を加算して1つの受光信号としてデータ読出線DRへ出力する。よって、例えば、タイミングt4〜t5において、4つの発光受光セルCWRij,CWRi(j+1),CWR(i+1)j,CWR(i+1)(j+1)において検出された受光信号が加算して1つの信号として、(E)データ読出線DRiへ出力されることになる。よって、この例では(A)データ供給線D
Wにより供給される表示データはDWi,DWi+1とも同一なので、図15に示した第1の実施の形態と比べて、(E)データ読出線DRiにおける受光信号の信号量は約4倍になることになる。このようにして、受光信号のデータ量を削減すると共に、各受光信号における信号量を上げることができる。
このようにして、本変形例における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、4つの発光セルが出射した光を4つの受光セルが受光し、それらの受光信号を加算して1つの受光信号として出力するようにしたので、第1の実施の形態における効果に加え、受光信号のデータ量を削減し、受光側の回路(受光側スキャナ312・受光信号レシーバ322、受光信号保持部332)を簡素化し、また低消費電力化を図ることが可能となる。また、4つの受光信号を加算して1つの受光信号として受光信号レシーバ322に出力するようにしたので、出力信号量を上げてS/N比を向上させ、検出感度を上げることも可能となる。
なお、本変形例においては、4つの発光セルが出射した光を1つの受光信号として出力し、奇数番号の受光用ゲート線および奇数番号のデータ読出線のみから構成されている例で説明したが、本変形例の構成はこれに限られるものではなく、受光側の回路を簡素化し、低消費電力化が図れるならば、他の構成も可能である。例えば、逆に偶数番号の受光用ゲート線および奇数番号のデータ読出線のみから構成するようにしてもよく、また、例えば6つや9つの発光セルが出射した光を1つの受光信号として出力するようにしてもよい。
[変形例3]
次に、変形例3について説明する。本変形例は、第1の実施の形態において、発光セルCWに対して受光セルCRの配置自体を間引いた構成にしたものである。
図20は、変形例3に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部103と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ313と、受光信号レシーバ323と、受光信号保持部333と、位置検出部34とを備える。つまり、図1に示した第1の実施の形態における表示部1に代えて表示部103を、受光側スキャナ31に代えて受光側スキャナ313を、受光信号レシーバ32に代えて受光信号レシーバ323を、受光信号保持部33に代えて受光信号保持部333を備えたものである。
表示部103は、表示部1と同様、複数の各画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置され、線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示する。表示部1と異なるのは、発光セルCWに対して受光セルCRの配置自体を間引いた構成にした点である。具体的には、4つの発光セルCWに対して1つの受光セルCRが配置された構成となっている。
受光側スキャナ313は、受光側スキャナ31と同様、表示信号保持制御部22から出力される受光タイミング制御信号42に応じて駆動対象の受光セルCRを選択する機能を有する。受光側スキャナ31と異なるのは、上記のように表示部103に配置された受光セルCRを発光セルCWに対して間引いた構成としたので、これに対応して受光用ゲート線GRの本数が半分になっている点である。具体的には後述するように、発光側スキャナ24が第1の実施の形態と同様に発光用ゲート線GWをGW1,GW2,GW3,…,GWnとスキャンしていくのに対し、受光側スキャナ313は本数が半分になっている分、受光用ゲート線GRをGR1,GR3,GR5,…,GRn-1と、スキャンしていくようになっている。なおこの場合、上記のように変形例2と同様、奇数番号の受光用ゲート線のみから構成されているものとし、変形例1,2の場合と同様、nは偶数であるものとする。また、同様に便宜的にjは奇数であるものとする。
受光信号レシーバ323は、受光信号レシーバ32と同様、受光側スキャナ313から出力される制御信号に応じて、各受光セルCRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得する機能を有する。受光信号レシーバ32と異なるのは、やはり表示部103の構成に対応して、データ読出線DRの本数が半分になっている点である。具体的には、本数が半分になっている分、データ読出線DRがDR1,DR3,DR5,…,DRm-1と構成されている。なお、この場合、上記のように奇数番号のデータ読出線のみから構成されているものとし、mは偶数であるものとする。また、jと同様、便宜的にiは奇数であるものとする。
受光信号保持部333は、受光信号保持部33と同様、受光側スキャナ313から出力される受光ブロック制御信号43に応じて、受光信号レシーバ323から出力される受光信号を1画面ごとの受光信号に再構成し、格納して保持する機能を有する。受光信号保持部33と異なるのは、やはり表示部103の構成に対応してデータ読出線DRの本数が半分になっている分、記憶素子の数も削減されて簡素化している点である。
図21は、図20の画像表示装置において検出対象物体15を検出する処理を表すものである。なお、本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、第1の実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作と同様であるので、その説明を省略し、表示部103、受光側スキャナ313、受光信号レシーバ323および受光信号保持部333に関する動作のみを説明する。
図21に示したように、本変形例における動作は、基本的には図17に示した例と同様の動作となる。理由としては、図17の例では受光用ゲート線GRのスキャンを間引いているのに対し、本変形例では受光用ゲート線GR自体を間引いた構造となっているからである。よって、受光用ゲート線GRに対応してデータ読出線の出力信号も間引かれ、図17の例と同様に受光信号のデータ量を削減することができる。
このようにして、本変形例における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、発光セルCWに対して受光セルCRの配置自体を間引いた構成にしたので、第1の実施の形態における効果に加え、受光信号のデータ量を削減し、受光側の回路(受光側スキャナ313、受光信号レシーバ323、受光信号保持部333)を簡素化し、また低消費電力化を図ることが可能となる。
なお、本変形例においては、4つの発光セルCWに対して1つの受光セルCRを配置し、奇数番号の受光用ゲート線および奇数番号のデータ読出線のみから構成されている例で説明したが、本変形例の構成はこれに限られるものではなく、受光側の回路を簡素化し、低消費電力化が図れるならば、他の構成も可能である。例えば、逆に偶数番号の受光用ゲート線および偶数番号のデータ読出線のみから構成するようにしてもよく、また、例えば6つや9つの発光セルCWに対して1つの受光セルCRを配置するように構成してもよい。さらに、例えば4つの発光セルCWに対して2つや3つなど複数の受光セルCRを配置し、これら複数の受光セルCRで検出された受光信号を1つの受光信号として出力する、つまり変形例2と組み合わせたような構成にしてもよい。
[変形例4]
次に、変形例4について説明する。本変形例では、第1の実施の形態において変形例3とは逆に、1つの発光セルCWに対して複数の受光セルCRを配置した構成にしたものである。
図22は、変形例4に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部104と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ314と、受光信号レシーバ324と、受光信号保持部334と、位置検出部34とを備える。つまり、図1に示した第1の実施の形態における表示部1に代えて表示部104を、受光側スキャナ31に代えて受光側スキャナ314を、受光信号レシーバ32に代えて受光信号レシーバ324を、受光信号保持部33に代えて受光信号保持部334を備えたものである。
表示部104は、表示部1と同様、複数の各画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置され、線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示する。表示部1と異なるのは、1つの発光セルCWに対して複数の受光セルCRを配置した構成とした点である。具体的には、1つの発光セルCWに対して4つの受光セルCRを配置した構成となっている。
受光側スキャナ314は、受光側スキャナ31と同様、表示信号保持制御部22から出力される受光タイミング制御信号42に応じて駆動対象の受光セルCRを選択する機能を有する。受光側スキャナ31と異なるのは、上記のように表示部104に配置された受光セルCRは1つの発光セルCWに対して4つ配置した構成なので、これに対応して受光用ゲート線の本数が2倍になっている点である。具体的には後述するように、発光側スキャナ24が第1の実施の形態と同様に発光用ゲート線GWをGW1,GW2,GW3,…,GWnとスキャンしていくのに対し、受光側スキャナ311は本数が2倍になっている分、受光用ゲート線GRをGR1,GR2,GR3,GR4,…,GR(2n-1),GR2nと、スキャンしていくようになっている。
受光信号レシーバ324は、受光信号レシーバ32と同様、受光側スキャナ314から出力される制御信号に応じて、各受光セルCRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得する機能を有する。受光信号レシーバ32と異なるのは、やはり表示部104の構成に対応して、データ読出線DRの本数が2倍になっている点である。具体的には、本数が2倍になっている分、データ読出線DRがDR1,DR2,DR3,DR4,…,DR(2m-1),DR2mと構成されている。
受光信号保持部334は、受光信号保持部33と同様、受光側スキャナ314から出力される受光ブロック制御信号43に応じて、受光信号レシーバ324から出力される受光信号を1画面ごとの受光信号に再構成し、格納して保持する機能を有する。受光信号保持部33と異なるのは、やはり表示部104の構成に対応してデータ読出線DRの本数が2倍になっている分、記憶素子の数も増加している点である。
図23は、図22の画像表示装置において検出対象物体15を検出する処理を表すものである。ここで縦軸は、(D)ある1垂直ライン分の発光セルCWi(CWi1〜CWin)および(E)同じ1垂直ライン分の受光セルCR2i(CWR2i1〜CWR2i2n)、ならびにこれらの各発光受光セルCWi,CR2i2nに接続された、(A)データ供給線DWi、(B)発光用ゲート線GW(GW1〜GWn)、(C)受光用ゲート線GR(GR1〜GR2n)および(F)データ読出線DR2iの各信号を示している。
なお、本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、第1の実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作と同様であるので、その説明を省略し、表示部104、受光側スキャナ314、受光信号レシーバ324および受光信号保持部334に関する動作のみを説明する。
図23に示したように、上記のように(B)発光用ゲート線GWが第1の実施の形態と同様にGW1,GW2,GW3,…,GWnと発光用選択信号を出力していくのに対し、(C)受光用ゲート線GRは、本数が2倍になっている分、GR1,GR2,GR3,GR4,…,GR2n-1,GR2nと受光用選択信号を出力していき、さらに信号のパルス幅が(B)発光用ゲート線GWや第1の実施の形態における図15と比べて半分になっている。
そして本変形例では、図22に示したように、1つの発光セルに対して4つの受光セルが別個に配置され、4つの受光信号としてデータ読出線DRへ出力するようになっている。よって、例えば、タイミングt4〜t5において、(E)4つの受光セルCR(2i-1)(2j-1),CR(2i-1)2j,CR2i(2j-1),CR2i2jにおいて検出された受光信号がそれぞれ4つの信号として、(F)データ読出線DR(2i-1),DR2iへ出力されることになる。よって、図15に示した第1の実施の形態の場合と比べて、4倍の解像度で接触あるいは近接する物体を検出することが可能となる。
このようにして、本変形例における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、1つの発光素子に対して複数の受光素子を配置するようにしたので、第1の実施の形態における効果に加え、接触あるいは近接する物体をより精度良く位置検出することが可能となる。
なお、本変形例においては、1つの発光セルCWに対して4つの受光セルCRを配置した例で説明したが、本変形例の構成はこれに限られるものではなく、接触あるいは近接する物体をより精度良く位置検出できるならば、他の構成も可能である。例えば、1つの発光セルCWに対して6つや9つの受光セルCRを配置するように構成してもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
上記の第1の実施の形態では、発光用ゲート線GWと受光用ゲート線GRとが、1つの発行受光セルCWRに対して別個に接続されている構成の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法について説明したが、本実施の形態では、これらの発光用ゲート線GWと受光用ゲート線GRとが1本の共通ゲート線Gとして、1つの発行受光セルCWRに接続されるように構成した画像表示装置および画像表示装置の駆動方法について説明する。
図24は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。この図において、図1に示した第1の実施の形態に係る画像表示装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部105と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、共通スキャナ25と、受光信号レシーバ32と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。つまり、図1に示した第1の実施の形態における表示部1に代えて表示部105を、発光側スキャナ24および受光側スキャナ31に代えて共通スキャナ25を備えたものである。
表示部105は、表示部1と同様、複数の各画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置され、線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示する。表示部1と異なるのは、上記のように、第1の実施の形態における発光用ゲート線GWと受光用ゲート線GRとが1本の共通ゲート線Gとして1つの発行受光セルCWRに接続された構成とした点である。
共通スキャナ25は、第1の実施の形態における発光用ゲート線GWおよび受光用ゲート線GRの機能を併せ持つものである。つまり、表示信号保持制御部22から出力される共通タイミング制御信号44に応じて駆動対象の発光セルCWと受光セルCRの両方を選択する機能を有する。具体的には後述するように、表示部1の各画素11に接続された共通ゲート線を介して選択信号を供給し、発光素子選択スイッチおよび受光素子選択スイッチを制御する。つまり、選択信号によりある画素の発光素子選択スイッチおよび受光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素では表示信号ドライバ23から供給された電圧に対応した輝度の発光動作がなされると共に、その画素から検出された受光信号が受光信号レシーバ32に出力されるようになっている。また、この共通スキャナ25からは、受光信号レシーバ32および受光信号保持部33へ受光ブロック制御信号43が出力され、これら受光動作に寄与するブロックを制御する機能も有する。なお、本実施の形態の画像表示装置においては、上記のように第1の実施の形態における発光用ゲート線GWと受光用ゲート線GRとが1本の共通ゲート線Gとして1つの発行受光セルCWRに接続された構成となっているので、発光動作と受光動作とを同じタイミングで線順次動作させることが可能となっている。
図25は、図24の表示部105の構成の一例を表すものであり、第1の実施の形態における図2に対応するものである。なお、この表示部105は図2と同様、水平ライン方向にm個、垂直ライン方向にn個、合計で(m×n)個からなる画素11がマトリクス状に配置された構成になっているものとする。
図25に示したように、この表示部105は、合計で(m×n)個からなる画素11および各画素に含まれる前述の発光受光セルCWR11〜CWRmnと、その画素11の数に応じて接続されたm本のデータ供給線DW(DW1〜DWm)およびデータ読出線DR(DR1〜DRm)と、n本の共通ゲート線G(G1〜Gn)とを備える。
データ供給線DW、データ読出線DRおよび共通ゲート線Gはそれぞれ、前述の表示信号ドライバ23、受光信号レシーバ32および共通スキャナ25に接続され、表示信号および選択信号が各発光受光セルCWRへ供給され、受光信号が各発光受光セルCWRから出力される。また、各発光受光セルCWRに対してそれぞれ1本ずつのデータ供給線DW、データ読出線DRおよび共通ゲート線Gが接続されている。さらに、例えば1垂直ラインの発光受光セルCWR11,CWR12,…,CWR1nに対しては1本ずつのデータ供給線DW1およびデータ読出線DR1が共通に接続され、例えば1水平ラインの発光受光セルCWR11,CWR21,…,CWRm1に対しては1本の共通ゲート線G1が共通に接続されている。
図26は、図25の発光受光セルCWRの回路構成を表すものであり、第1の実施の形態における図10に対応するものである。
この発光受光セルCWRは1つの発光セルCWと1つの受光セルCRとを備え、共通ゲート線Gが発光セルCWおよび受光セルCRに、データ供給線DWが発光セルCWに、データ読出線DRが受光セルCRに接続された構成である。つまり、通常の発光セルのみを備える1画素分のセルと比べて、受光用の分だけデータ線が1本増加した構成となっている。また、発光セルCWは、1つの発光素子CLと、共通ゲート線Gから供給される選択信号に応じてデータ供給線DWとこの発光素子CLの一端との間を選択的に導通させる発光素子選択スイッチSW1とを有し、発光素子CLの他端は接地されている。また、受光セルCRは、1つの受光素子PDと、共通ゲート線Gから供給される選択信号に応じてこの受光素子PDの一端とデータ読出線DRとの間を選択的に導通させる受光素子選択スイッチSW2とを有し、受光素子PDの他端は接地、または正バイアス点(図示せず)に接続されている。なお、この発光受光セルCWRの回路構成は、上記のようにゲート線が発光用と受光用とで共通に接続されているので、発光動作と受光動作とを同じタイミングで動作させることが可能である。
ここで、具体的に発光動作時および受光動作時における各構成要素の動作を説明する。上記のように共通ゲート線Gから供給される選択信号に応じて発光素子選択スイッチSW1および受光素子選択スイッチSW2がオン状態となり、表示信号に応じた輝度の発光となるよう、データ供給線DWからI3の経路にて発光素子CLが充電され、発光動作を行うと共に、受光素子PDにおいて受光した光量に応じた電流がI4の経路にてデータ読出線DRへ供給され、受光動作を行うようになっている。なお、この発光と受光の共通動作を行っていない時には、発光素子選択スイッチSW1および受光素子選択スイッチSW2のいずれのスイッチもオフ状態となっており、データ供給線DWおよびデータ読出線DRはそれぞれ、発光素子CLおよび受光素子PDとは切断されるようになっている。
図27は、図24の画像表示装置において検出対象物体を検出する処理を表すものであり、第1の実施の形態における図15に対応するものである。また、この図においては、(C)ある1垂直ライン分の発光受光セルCWRi(CWRi1〜CWRin)、およびこれらの各発光受光セルCWRiに接続された、(A)データ供給線DWi、(B)共通ゲート線G(G1〜Gn)および(D)データ読出線DRiの各信号を示している。
本実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、第1の実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作と同様であり、異なるのは、共通ゲート線Gにより、発光素子CLおよび受光素子PDの両方が同時に選択される点である。よって図15に示した第1の実施の形態の場合と同様、受光素子検出期間TF1,TF2において受光信号が得られることにより、発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)付近の位置に検出対象物体15が存在すると検出することができる。
以上のようにして、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、1つの発光素子CLを含む発光セルCWと1つの受光素子PDを含む受光セルCRとを有する複数の発光受光セルCWRが配置された構成からなる表示部105を備え、表示信号生成部21により生成された画像データに基づいて共通スキャナ25および表示信号ドライバ23がこれらの発光素子CLを駆動すると共に、その発光素子から出射して検出対象物体で反射した光を受光するように共通スキャナ25が受光素子PDを駆動し、その受光素子から受光信号レシーバ32により得られた受光信号に基づき位置検出部34において検出対象物体15を検出するようにしたので、第1の実施の形態と同様に、タッチパネルや入力装置などの別個の部品を追加する必要がなく簡易な構造を確保しつつ、さらには表示部1からの出射光がタッチパネルなどの別個の部品を透過する必要もなくなるので画質の劣化を引き起こすことなく、物体の位置などを検出することが可能となる。
また、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、第1の実施の形態と同様、表示部105上に指などの検出対象物体を接触あるいは近接させることでその位置などを検出するようにしたので、ユーザはタッチパネルと同様の操作で利便良く操作することが可能となる。
また、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、各発光セルCWが線順次発光動作を行うと共に各受光セルCRが線順次受光動作を行うようにしたので、第1の実施の形態と同様、通常の発光動作により画像データを表示すると共に物体の位置などを検出することが可能となる。
さらに、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、ゲート線を発光用と受光用とで共通に接続される構成にしたので、発光動作と受光動作とを同じタイミングで行うことができ、通常の発光のみの画像表示装置に対してデータ線を1本(データ読出線DR)増やすだけで、ゲート線を増やすことなく受発光が可能な画像表示装置とすることが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、第2の実施の形態においてさらに、データ供給線DWとデータ読出線DRとが1本の共通データ線Dとして、1つの発光受光セルCWRに接続されるように構成した画像表示装置および画像表示装置の駆動方法について説明する。
図28は、本発明の第3の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。この図において、図1に示した第1の実施の形態に係る画像表示装置および図24に示した第2の実施の形態に係る画像表示装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部106と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、共通スキャナ25と、受光信号レシーバ32と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。つまり、図24に示した第2の実施の形態における表示部105に代えて表示部106を備えたものである。
表示部106は、表示部105と同様、複数の各画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置され、線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示する。表示部105と異なるのは、上記のように、第2の実施の形態におけるデータ供給線DWとデータ読出線DRとが1本の共通データ線Dとして、1つの発光受光セルCWRに接続された構成とした点である。
図29は、図28の表示部106の構成の一例を表すものであり、第1の実施の形態における図2、および第2の実施の形態における図25に対応するものである。なお、この表示部106は図2および図25と同様、水平ライン方向にm個、垂直ライン方向にn個、合計で(m×n)個からなる画素11がマトリクス状に配置された構成になっているものとする。
図29に示したように、この表示部106は、合計で(m×n)個からなる画素11および各画素に含まれる前述の発光受光セルCWR11〜CWRmnと、その画素11の数に応じて接続されたm本の共用データ線D(D1〜Dm)と、n本の共通ゲート線G(G1〜Gn)とを備える。
共用データ線Dおよび共通ゲート線Gはそれぞれ、前述の表示信号ドライバ23、受光信号レシーバ32および共通スキャナ25に接続され、表示信号および選択信号が各発光受光セルCWRへ供給され、受光信号が各発光受光セルCWRから出力される。また、図29に示したように、各発光受光セルCWRに対してそれぞれ1本ずつの共用データ線Dおよび共通ゲート線Gが接続されている。さらに、例えば1垂直ラインの発光受光セルCWR11,CWR12,…,CWR1nに対しては1本の共用データ線D1が共通に接続され、例えば1水平ラインの発光受光セルCWR11,CWR21,…,CWRm1に対しては1本の共通ゲート線G1が共通に接続されている。
図30は、図29の発光受光セルCWRの回路構成を表すものであり、第1の実施の形態における図10、および第2の実施の形態における図26に対応するものである。
この発光受光セルCWRは、1つの発光セルCWと1つの受光セルCRとを備え、共通ゲート線Gと共用データ線Dとが、発光セルCWおよび受光セルCRに接続された構成となっている。つまり、通常の発光セルのみを備える1画素分のセルと基本的に同様の構成である。また、この発光受光セルCWRはさらに、共通ゲート線Gから供給される選択信号に応じて、共用データ線Dをデータ供給およびデータ読出のいずれに用いるかを切り換える切換スイッチSW3を備える。発光セルCWは、1つの発光素子CLと、共通ゲート線Gから供給される選択信号に応じて共用データ線Dとこの発光素子CLの一端との間を選択的に導通させる発光素子選択スイッチSW1とを有し、発光素子CLの他端は接地されている。また、受光セルCRは、1つの受光素子PDと、共通ゲート線Gから供給される選択信号に応じてこの受光素子PDの一端と共用データ線Dとの間を選択的に導通させる受光素子選択スイッチSW2とを有し、受光素子PDの他端は接地、または正バイアス点(図示せず)に接続されている。
ここで、具体的に発光動作時および受光動作時における各構成要素の動作を説明する。上記のように共通ゲート線Gから供給される選択信号に応じて発光素子選択スイッチSW1および受光素子選択スイッチSW2がオン状態となると共に切換スイッチSW3がオフ状態となり、表示信号に応じた輝度の発光となるよう、共用データ線DからI5の経路にて発光素子CLが充電され、発光動作を行うと共に、受光素子PDにおいて受光した光量に応じた電流がI6の経路にて共用データ線Dへ供給され、受光動作を行うようになっている。なお、この発光と受光の共通動作を行っていない時には、発光素子選択スイッチSW1および受光素子選択スイッチSW2のいずれのスイッチもオフ状態になると共に切換スイッチSW3はオン状態となっていて、共用データ線Dは発光素子CLおよび受光素子PDとは切断されるようになっている。
図31は、図29の画像表示装置において検出対象物体15を検出する処理を表すものであり、第1の実施の形態における図15、および第2の実施の形態における図27に対応するものである。また、この図においては、(C)ある1垂直ライン分の発光受光セルCWRi(CWRi1〜CWRin)、およびこれらの各発光受光セルCWRiに接続された、(A)共用データ線Di(データ供給側)、(B)共通ゲート線G(G1〜Gn)および(D)共用データ線Di(データ読出側)の各信号を示している。
本実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、第1および第2の実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作と同様であり、異なるのは、共通ゲート線Gにより発光素子CLおよび受光素子PDの両方が同時に選択されると共に、データ線もデータ供給側およびデータ読出側が共用となっている(共用データ線D)点である。よって図15に示した第1の実施の形態および図27に示した第2の実施の形態の場合と同様、受光信号検出期間TF1,TF2において受光信号が得られることにより、発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)付近の位置に検出対象物体15が存在すると検出することができる。
以上のようにして、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、1つの発光素子CLを含む発光セルCWと1つの受光素子PDを含む受光セルCRとを有する複数の発光受光セルCWRが配置された構成からなる表示部106を備え、表示信号生成部21により生成された画像データに基づいて共通スキャナ25および表示信号ドライバ23がこれらの発光素子CLを駆動すると共に、その発光素子から出射して検出対象物体15で反射した光を受光するように共通スキャナ25が受光素子PDを駆動し、その受光素子から受光信号レシーバ32により得られた受光信号に基づき位置検出部34において検出対象物体15を検出するようにしたので、第1および第2の実施の形態と同様、タッチパネルや入力装置などの別個の部品を追加する必要がなく簡易な構造を確保しつつ、さらには表示部1からの出射光がタッチパネルなどの別個の部品を透過する必要もなくなるので画質の劣化を引き起こすことなく、物体の位置などを検出することが可能となる。
また、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、表示部106上に指などの検出対象物体15を接触あるいは近接させることでその位置などを検出するようにしたので、第1および第2の実施の形態と同様、ユーザはタッチパネルと同様の操作で利便良く操作することが可能となる。
また、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、各発光セルCWが線順次発光動作を行うと共に各受光CRセルが線順次受光動作を行うようにしたので、第1および第2の実施の形態と同様、通常の発光動作により画像データを表示すると共に物体の位置などを検出することが可能となる。
さらに、本実施の形態の画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、ゲート線およびデータ線を発光用と受光用とで共通に接続される構成にしたので、発光動作と受光動作とを同じタイミングで行うことができ、通常の発光のみの画像表示装置から接続線を増やすことなく同様の構成で、受発光が可能な画像表示装置とすることが可能となる。
以下、第1〜第3の実施の形態について共通の変形例をいくつか挙げて説明する。これらの変形例は、第1〜第3の実施の形態のいずれについても適用可能であるが、以下の説明では、第1の実施の形態を基本にして進めていく。
[変形例5]
まず、第1〜第3の実施の形態について共通の変形例5について説明する。本変形例は、第1〜第3の実施の形態において、受光信号レシーバ32と受光信号保持部33との間にコンパレータ35を配置するように構成したものである。
図32は、変形例5に係る画像表示装置の全体構成を表すものであり、第1の実施の形態における図1に対応するものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ31と、受光信号レシーバ32と、コンパレータ35と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。
コンパレータ35は、受光信号レシーバ32から出力された受光信号を、表示信号保持制御部22から出力される所定の電圧であるしきい値電圧信号Vtと比較して、A/D変換を行う機能を有する。具体的には後述するように、例えば受光信号がしきい値電圧信号Vtよりも高い電圧である場合には1、低い電圧である場合には0といった具合に、受光信号をデジタルデータに変換する。また、このデジタルデータに変換されたデータ(コンパレータ出力信号Vc)は、受光信号保持部33へ出力される。
図33は、図32の画像表示装置において検出対象物体を検出する処理を表すものであり、第1の実施の形態における図15に対応するものである。また、この図においては、(D)ある1垂直ライン分の発光受光セルCWRi(CWRi1〜CWRin)、およびこれらの各発光受光セルCWRiに接続された、(A)データ供給線DWi、(B)発光用ゲート線GW(GW1〜GWn)および(C)受光用ゲート線GR(GR1〜GRn)、(E)データ読出線DRi、(F)しきい値電圧信号Vt、(G)コンパレータ出力信号Vciの各信号を示している。
本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、第1の実施の形態における画像表示装置の駆動方法の基本動作と同様であり、異なるのは、上記のように受光信号レシーバ32と受光信号保持部33との間にコンパレータ35を配置したことにより、コンパレータ出力信号Vc、つまり受光信号保持部33への入力信号がデジタルデータになっている点である。よって、(E)データ読出線DRi の信号量が所定の(F)しきい値電圧信号Vtよりも大きければ、(G)コンパレータ出力信号Vci が1となり、逆に(E)データ読出線DRi の信号量が所定の(F)しきい値電圧信号Vtよりも小さければ、(G)コンパレータ出力信号Vci が0となっている。このようにして図15に示した第1の実施の形態の場合と同様、受光信号検出期間TF1,TF2において受光信号が得られることにより、発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)付近の位置に検出対象物体15が存在すると検出することができる。
このようにして、本変形例における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、受光信号レシーバ32と受光信号保持部33との間にコンパレータ35を配置するようにしたので、受光信号保持部33および位置検出部34で扱うデータがデジタルデータとなるため、第1の実施の形態における効果に加え、これらのブロックにおいて処理の負荷を押さえ、回路構成の簡素化や低消費電力化を図ることが可能となる。
図34は、変形例5に係る画像表示装置の他の全体構成例を表すものである。この例は、図32に示した変形例5においてさらに、受光信号レシーバ32とコンパレータ35との間にシフトレジスタ36を配置した構成のものである。この図において、図32に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ31と、受光信号レシーバ32と、シフトレジスタ36と、コンパレータ351と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。
シフトレジスタ36は、受光信号レシーバ32から出力された受光信号を、受光側スキャナ31から出力される受光ブロック制御信号43に応じてシフトレジスタで順番に選択し、パラレル/シリアル変換をしてコンパレータ351へ出力する機能を有する。具体的には、m出力分のパラレルデータである受光信号を1出力分のシリアルデータとしてコンパレータ351へ出力することにより、図32の構成と比べて、コンパレータの数をm個から1個へ削減することが可能となる。
コンパレータ351は、シフトレジスタ36から出力された、上記のようにパラレル/シリアル変換がなされた受光信号を、コンパレータ35と同様に、表示信号保持制御部22から出力される所定の電圧であるしきい値電圧信号Vtと比較して、A/D変換を行う機能を有する。また、このデジタルデータに変換されたデータ(コンパレータ出力信号Vc)は、受光信号保持部33へ出力される。
このようにして、図34における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、図32に示した変形例5においてさらに、受光信号レシーバ32とコンパレータ351との間にシフトレジスタ36を配置するようにしたので、変形例5の効果に加え、コンパレータの数が削減されることとなり、これらのブロックにおいて処理の負荷を押さえ、さらに回路構成の簡素化や低消費電力化を図ることが可能となる。
ここで、このしきい値電圧Vtを変化させた場合の効果について説明する。
図35は、受光信号の信号量の分布の一例を表すものであり、発光受光セルCWRijを中心とした各発光受光セル(CWR(i-4)(j-5)〜CWR(i+4)(j+5))の領域について示している。
この例では、発光受光セルCWRijにおける受光信号61は受光信号レベルが9、発光受光セルCWRi(j-1),CWR(i+1)j,CWRi(j+1),CWR(i-1)jにおける各受光信号62A〜62Dは受光信号レベルが5、発光受光セルCWR(i+1)(j-1),CWR(i+1)(j+1),CWR(i-1)(j+1),CWR(i-1)(j-1)における各受光信号63A〜63Dは受光信号レベルが3、発光受光セルCWR(i+2)j,CWRi(j+2),CWR(i-2)jにおける各受光信号64A〜62CおよびCWRi(j-2)(図示せず)における受光信号は受光信号レベルが1となっており、発光受光セルCWRijから位置が離れるにしたがって受光信号レベルが小さくなるような分布となっている。前述のように、これらの各受光信号の信号量を位置検出部34やコンパレータ35,351において、あるしきい値電圧Vtと比較することにより、接触あるいは近接する物体がどの位置に存在するのかを検出することができる。
図36は、図35の受光信号の信号量の分布においてしきい値電圧Vtを変化させた場合を表すものである。図36(A)、(B)、(C)はそれぞれ、図35においてしきい値電圧Vtを、受光信号レベル2、受光信号レベル4、受光信号レベル6とした場合を示している。なお、受光信号検出領域65〜67でそれぞれ示された領域は、その位置の発光受光セルCWRにおける受光信号の信号量が、しきい値電圧Vtよりも大きい領域であり、その位置において物体が検出されたことを表す。
このように、(A)→(B)→(C)と、しきい値電圧の受光信号レベルを増加させていくに従って、物体が検出された領域の面積が発光受光セルCWRijの位置を中心として小さくなっていくことがわかる。よって、例えば、ユーザが物体の性状(大きさ、表面状態(反射率、色、粗さなど)など)や、検出の目的(位置の検出、大きさの検出、色の検出など)、検出の精度などによって任意にしきい値電圧Vtを変化させることにより、より正確で利便性の良い位置検出をすることが可能となる。
[変形例6]
次に、第1〜第3の実施の形態について共通の変形例6について説明する。物体が接触あるいは近接した場合の反射光は、発光セルCWにおける発光量が高ければ多く、発光セルCWにおける発光量が低ければ少なくなる。よって、発光セルCWがどれくらいの光量で発光しているかによって、受光セルCRが検出する受光信号の信号量も異なってくる。よって、本変形例は、第1〜第3の実施の形態において、受光信号レシーバ32と受光信号保持部33との間にシフトレジスタ36およびコンパレータ351を配置し、さらに表示信号制御部22から出力された表示信号45に基づいてコンパレータ351におけるしきい値電圧Vtを生成するしきい値電圧生成部37を配置するように構成したものである。つまり、図34に示した画像表示装置から、しきい値電圧Vtを生成するしきい値電圧生成部37を追加した構成のものである。
図37は、変形例6に係る画像表示装置の全体構成を表すものであり、第1の実施の形態における図1に対応するものである。この図において、図1および図34に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ31と、受光信号レシーバ32と、シフトレジスタ36と、コンパレータ351と、しきい値電圧生成部37と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。
しきい値電圧生成部37は、表示信号制御部22から出力された各画素11における表示信号45に基づいてコンパレータ351におけるしきい値電圧Vtを生成し、コンパレータ351へ出力する機能を有する。よって、コンパレータ351において各画素11における発光セルCWの出射光に応じたしきい値電圧Vtを、各画素毎に設定することができる。
図38は、図37の画像表示装置において検出対象物体を検出する処理を表すものであり、第1の実施の形態における図15および変形例5における図33に対応するものである。また、この図においては図33と同様、(D)ある1垂直ライン分の発光受光セルCWRi(CWRi1〜CWRin)、およびこれらの各発光受光セルCWRiに接続された、(A)データ供給線DWi、(B)発光用ゲート線GW(GW1〜GWn)および(C)受光用ゲート線GR(GR1〜GRn)、(E)データ読出線DRi、(F)しきい値電圧信号Vt、(G)コンパレータ出力信号Vciの各信号を示している。なお、本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、図33に示した動作と同様であるので、その説明を省略し、しきい値電圧生成部37およびコンパレータ351に関する動作のみを説明する。
本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、図33に示した変形例5の駆動方法の基本動作と同様であり、異なるのは、上記のように表示信号保持制御部22から出力された各画素11における表示信号45に基づいてコンパレータ351におけるしきい値電圧Vtを生成するようにした点である。よって、図33に示した変形例5の場合はしきい値電圧Vtは一定値であったのに対し、本変形例では、しきい値電圧信号Vtが(A)データ供給線DWi に応じた可変の値となっている。もちろんこの場合も、(E)データ読出線DRi の信号量が所定の(F)しきい値電圧信号Vtよりも大きければ、(G)コンパレータ出力信号Vci が1となり、逆に(E)データ読出線DRi の信号量が所定の(F)しきい値電圧信号Vtよりも小さければ、(G)コンパレータ出力信号Vci が0となる。このようにして図15に示した第1の実施の形態の場合と同様、受光信号検出期間TF1,TF2において受光信号が得られることにより、発光受光セルCWRi(j-1),CWRij,CWRi(j+1)付近の位置に検出対象物体15が存在すると検出することができる。
このようにして、本変形例における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、図34に示した画像表示装置からさらにしきい値電圧生成部37を追加し、隣接する画素の発光量が高ければしきい値電圧を高く、発光量が低ければしきい値電圧も低くするといったように、各画素の表示信号に応じてコンパレータ351のしきい値電圧Vtを変化するようにしたので、図34に示した画像表示装置の効果に加え、接触あるいは近接する物体の位置をより正確に検出することが可能となる。
[変形例7]
次に、第1〜第3の実施の形態について共通の変形例7について説明する。画像表示装置の表示部1の表面には、接触あるいは近接する物体からの反射光以外に、環境光も照射されている。そこで、本変形例は、第1〜第3の実施の形態において、受光信号レシーバ32と受光信号保持部33との間にコンパレータ35を配置し、さらに受光信号レシーバ32から出力された受光信号VRに基づいてコンパレータ35におけるしきい値電圧Vtを生成するしきい値電圧生成部371を配置するように構成したものである。つまり、図32に示した変形例5においてしきい値電圧生成部371を追加した構成であり、これにより受光素子にて受光信号を検出する際に環境光の影響を除去する処理を行うようにしたものである。
図39は、変形例7に係る画像表示装置の全体構成を表すものであり、第1の実施の形態における図1に対応するものである。この図において、図1および図32に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、発光側スキャナ24と、受光側スキャナ31と、受光信号レシーバ32と、コンパレータ35と、しきい値電圧生成部371と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。
しきい値電圧生成部371は、受光信号レシーバ32から出力された1水平ライン分の各画素11における受光信号VRに基づいてコンパレータ35におけるしきい値電圧Vtを生成し、コンパレータ35へ出力する機能を有する。よって、コンパレータ35において各画素11における受光セルCRへの反射光に応じたしきい値電圧Vtを、各画素毎に設定することができる。
コンパレータ35は、受光信号レシーバ32から出力された受光信号を、しきい値電圧生成部371から出力されるしきい値電圧信号Vtと比較して、A/D変換を行う機能を有する。また、このデジタルデータに変換されたデータ(コンパレータ出力信号Vc)は、受光信号保持部33へ出力される。
図40は、図39の画像表示装置において環境光の影響を除去する処理の一例を表すものであり、(A)〜(D)の処理から構成される。ここで、図40に示した1マスは、図12〜図14と同様に、表示部1における画素11を表すものである。
まず図14(A)で、あらかじめ表示部1全体が黒表示領域53となっており、発光セルCWからの発光は最も低い輝度となっている。よって、この発光セルCWからの発光による接触あるいは近接する物体での反射光は、受光セルCRにおいてほとんど検出されないようになっている。また、この環境光の影響を除去するための一連の処理を行っている間は、この画像表示装置の近傍には反射の対象となるような物体を置かないようにし、受光セルCRにおいて検出される光は、環境光によるもののみとする必要がある。ここで、例えば矢印P2で示した位置の1水平ラインが、スキャン方向Xの方向に前述のように線順次発光動作および線順次受光動作を行っていく。
次に図14(B)〜(C)の矢印P3およびP4で示した位置の1水平ラインのように、表示部1の1画面分を同様にして線順次発光動作および線順次受光動作を行う。またこのとき、各受光セルCRにおいて検出された受光信号は受光信号レシーバ32へ出力され、受光信号レシーバは1水平ライン分の受光信号VRを、しきい値電圧生成部371へ出力する。そして上記のようにしきい値電圧生成部371は、この受光信号VRに基づいてコンパレータ35におけるしきい値電圧Vtを生成し、コンパレータ35へ出力する。
そして1画面分の環境光の検出処理が終了すると、図14(D)の矢印P2で示した位置の1水平ラインにおいて通常の表示動作が開始され、同様にスキャン方向Xの方向に通常表示領域54が広がっていくと共に、コンパレータ35は、(A)〜(C)において得られた環境光による受光信号VRを考慮して生成されたしきい値電圧Vtにより、各画素11における受光信号のA/D変換を行っていくので、環境光の影響を除去することができる。
図41は、環境光の影響を除去する処理を表すものであり、第1の実施の形態における図15および変形例5における図33に対応するものである。また、この図においては図33と同様、(D)ある1垂直ライン分の発光受光セルCWRi(CWRi1〜CWRin)、およびこれらの各発光受光セルCWRiに接続された、(A)データ供給線DWi、(B)発光用ゲート線GW(GW1〜GWn)および(C)受光用ゲート線GR(GR1〜GRn)、(E)データ読出線DRi、(F)しきい値電圧信号Vt、(G)コンパレータ出力信号Vciの各信号を示している。なお、本変形例における画像表示装置の駆動方法の基本動作は、図33に示した動作と同様であるので、その説明を省略し、しきい値電圧生成部371およびコンパレータ35に関する動作のみを説明する。
まず上記のように、垂直期間TH1においては表示部1全体が黒表示領域53となっており、(A)データ供給線DWiにおける信号量は最も小さい値となっている。よって、タイミングt4〜t7において(E)データ読出線DRiから出力される受光信号は、環境光によるものとみなされる。次に垂直期間TH2においては、垂直期間TH1におけるタイミングt4〜t7に対応する期間であるタイミングt8〜t9において、垂直期間TH1において検出された環境光による受光信号の分だけ、しきい値電圧Vtが上乗せされるようになっている。このようにして、環境光の影響の分を考慮してしきい値を設定する。
以上のように、本変形例における画像表示装置および画像表示装置の駆動方法によれば、図32に示した変形例5においてさらにしきい値電圧生成部371を追加し、これにより受光素子にて受光信号を検出する際に環境光の影響を除去する処理を行うようにしたので、変形例5の効果に加え、環境光の影響も考慮に入れて検出することにより、接触あるいは近接する物体の位置をより正確に検出することが可能となる。
なお、本変形例においては、もともとのしきい値電圧Vtは一定値である例で説明したが、図37および図38の例のように、しきい値電圧Vtが表示信号45に基づいて生成された可変の値である場合にも適用することが可能である。その場合、しきい値電圧Vtは、表示信号45および受光信号VRの両方の信号に基づいて生成されることになる。
[変形例8]
次に、第1〜第3の実施の形態について共通の変形例8について説明する。本変形例は、画像表示装置において任意の位置に同時に配置された複数の検証対象物を検出し、また、任意に移動する位置においても検証対象物を検出するようにしたものである。
図42は、変形例8に係る画像表示装置の全体構成を表すものであり、第1の実施の形態における図1に対応するものである。この図において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この画像表示装置は、表示部1と、表示信号生成部215と、表示信号保持制御部225と、表示信号ドライバ235と、発光側スキャナ245と、受光側スキャナ315と、受光信号レシーバ32と、受光信号保持部33と、位置検出部34とを備える。
ここで、表示信号生成部215、表示信号保持制御部225、表示信号ドライバ235、発光側スキャナ245および受光側スキャナ315の基本動作は、それぞれ図1における表示信号生成部21、表示信号保持制御部22、表示信号ドライバ23、発光側スキャナ24および受光側スキャナ31と同様であるので、説明を省略する。
表示信号生成部215は、入力画像データの一部を、後述するように所定のマークを表示させるためのマークデータと置き換えて表示信号を合成する機能をさらに備え、表示信号保持制御部225、表示信号ドライバ235、発光側スキャナ245および受光側スキャナ315は、そのマークデータに応じて発光セルCWから出射した光を、その発光セルCWの位置に対応する発行受光セルCWR内の受光セルCRによって受光し、受光信号を検出する。このようにして、所定のマークが表示されている領域から、接触あるいは近接する物体を検出することができる。
図43は、図42の画像表示装置において任意の位置に同時に配置された複数の検証対象物を検出する場合を表すものである。また、この図は図42に示した画像表示装置に対応する画像表示装置7が備える表示部1上に、任意の画像データが表示されていると共に複数の所定のマーク71〜74が同時に表示されている状況を表している。
本変形例は、反射光を検出するための光源として、表示部1における発光セルCWからの出射光を用いている。よって、表示部1の任意の位置からの接触あるいは近接する物体の反射光を検出することが可能である。例えば、表示部1の任意の位置に所定のマーク71〜74からなるボタン様の画像を表示させ、この領域から物体の反射光を検出するようにすれば、タッチパネルと同等の効果が得ることができる。また、本変形例は、受光信号保持部33において再構成された受光信号により物体の位置検出を行っているので、同時に配置された複数の位置検出をすることが可能である。これによりユーザは、画像表示装置において任意の位置に同時に配置された複数の接触あるいは近接する物体を検出することが可能となる。
図44はさらに、図42の画像表示装置において所定のマークが移動する場合を表すものであり、図43に示した画像表示装置7に対応するものである。この図は、図43に示した画像表示装置7上に表示されている複数の所定のマーク71〜74の内、マーク74が矢印741のように移動している状況を表している。また、この図において、図43に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本変形例において、表示信号生成部215は、上記のように入力画像データ一部を所定のマークを表示させるためのマークデータと置き換えて表示信号を合成する機能を有する。ここで、この入力画像データが複数のフレームからなる動画像データである場合、表示信号生成部215がこれらの動画像データに応じて、入力画像データの一部をフレーム毎に互いに異なる位置でマークデータに置き換えるようにすれば、例えば図44に示したようにボタン様の部分を移動させていくことや、動画の部分にボタン様の部分を表示させること、あるいは必要に応じてボタン様の部分を表示したり消したりするといったことが可能となる。
これによりユーザは、画像表示装置において任意に移動する位置においても接触あるいは近接する物体を検出することが可能となる。また、どのような画像を表示するかは、表示信号生成部215により決定されるので、所定のマークからなるボタン用の画像を表示していないときは、位置検出がされた結果のデータを利用しないようにすれば、誤検出を防ぐことも可能となる。