JP4967702B2 - スピーカ用振動板 - Google Patents

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Description

本発明は、スピーカの振動板等の音響振動板に関する。
スピーカ用振動板としては、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、これを総称してアルミニウムという)製振動板及びチタン又はチタン合金(以下、これを総称してチタンという)製振動板が広く知られている。しかしながら、このアルミニウム振動板及びチタン振動板は、金属的な音質を有するという難点がある。
そこで、炭化ホウ素を振動板とするスピーカが提案されている(特許文献1及び2)。特許文献1においては、振動板材料の炭化ホウ素(B4C)を溶射用粉体として振動板形状を有する型に溶射し堆積させて皮膜を形成し、この皮膜を離型し、アルゴン雰囲気中で加熱焼成し、焼結させる方法が開示されている。また、特許文献2においては、加熱されたアルミニウム箔を水素還元処理した後、COガス及びBClガスを供給し、アルミニウム箔の表面に、化学気相析出法によりボロンカーバイド層を形成することにより、スピーカ用振動板を製造する方法が開示されている。
特公平4−46513号公報 特公昭56−33919号公報
しかしながら、特許文献1に記載の炭化ホウ素振動板は、極めて高価であると共に、粒径が数μm〜数十μmの材料からなるため、外観はツヤ無しで外観品質が高くないという問題点がある。また、特許文献2に記載の炭化ホウ素振動板の製造方法は、加熱されたアルミニウム箔を水素還元処理する必要があり、製造工程が煩雑で製造コストが高いという難点がある。更に、これらの従来技術は、振動板の耐久性が悪いという問題点もある。更に、特許文献2に記載の炭化ホウ素振動板は、アルミニウム箔の表面にボロンカーバイド層を形成し、アルミニウムとボロンカーバイドとが直接接触しているので、両者間の密着性が悪いという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、音質が優れていると共に、製造工程が簡便で低コストで製造することができ、更に、耐久性が優れたスピーカ用振動板を提供することを目的とする。
本発明に係るスピーカ用振動板は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材と、この基材上に形成されクロム、チタン及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1種からなる中間層と、この中間層の上にスパッタリングにより形成され厚さが0.3乃至3.5μmの炭化ホウ素膜とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る他のスピーカ用振動板は、チタン又はチタン合金からなる基材と、この基材上に形成されクロムからなる中間層と、この中間層の上にスパッタリングにより形成され厚さが1.5乃至3.5μmの炭化ホウ素膜とを有することを特徴とする。
このスピーカ用振動板において、前記中間層は、厚さが0.1乃至0.3μmであることが好ましい。更に、このスピーカ用振動板のヤング率が85乃至125GPa(アルミニウム基材の場合)、又は120乃至130GPa(チタン基材の場合)であることが好ましい。
本発明によれば、音質が優れたスピーカ用振動板を低コストで製造することができ、また、耐久性が優れた振動板を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係るスピーカ用振動板を示す断面図である。アルミニウム若しくはアルミニウム合金(総称して、アルミニウム)又はチタン若しくはチタン合金(総称してチタン)からなる基材1の上に、中間層としてCr,Ti又はVからなる下地膜2が形成されている。そして、この下地膜2の上に、炭化ホウ素膜3が形成されている。
この炭化ホウ素膜3は、スパッタリングにより形成することが好ましい。また、中間層としての下地膜2は、厚さが0.1乃至0.3μmであることが好ましい。更に、炭化ホウ素膜3の厚さは0.3乃至3.5μmであることが好ましい。更に、上述の如く構成された3層構造のスピーカ用振動板のヤング率は、アルミニウム基材の場合は85乃至125GPa、チタン基材の場合は120乃至130GPaであることが好ましい。
次に、このスピーカ用振動板の製造方法について説明する。このアルミニウム又はチタンからなる基材1の表面を塩素化炭素水素で洗浄する。その後、更にこの基材1の表面をメタノールで洗浄し、CFを使用したプラズマエッチング又はArを使用したプラズマエッチングにより、基材1の表面を前処理する。
その後、基材1の表面上に、Cr,V又はTiからなる下地膜2を真空プロセスにより形成する。この真空プロセスにおいては、1つのチャンバに複数のスパッタターゲットが設けられたものを使用し、下地膜2と炭化ホウ素膜3(BC膜)を連続して成膜できる装置を使用する。そして、基材をチャンバ内の基材ホルダにセットし、チャンバ内を真空引きし、所定温度まで基材を加熱する。この加熱温度は、アルミニウム基材の場合は100〜250℃、チタン基材の場合は100〜510℃である。この加熱を継続した状態で、下地膜2を所定の厚さになるように基材上にスパッタリングにより成膜する。次いで、加熱を継続した状態で、基材ホルダをBCターゲット上に移動させ、下地膜2上に、スパッタリングにより炭化ホウ素膜3(BC膜)を成膜する。このとき、基材1の加熱温度は、例えば100℃と低くすることができる。なお、スパッタリングのバイアス電圧は例えば1kVである。冷却後、チャンバの真空を破り、成膜された基材を取り出す。これにより、スピーカ用振動板が得られる。
このように製造された本実施形態のスピーカ用振動板は、炭化ホウ素膜3を比較的薄くできる。即ち、炭化ホウ素膜3が薄くても、その音響特性を発現できるためには、アルミニウム又はチタンからなる基材1の厚さを薄くすればよい。しかし、振動板の基材1を薄くすると、炭化ホウ素膜3のスパッタリングによる膜作成時に、基材1が加熱されたときに、基材1の変形が生じやすくなる。このため、基材1の加熱温度はできるだけ低くすることが必要であるが、炭化ホウ素膜3の形成時に、基材1の温度を低くすると、炭化ホウ素膜3の密着性が劣化し、剥がれやすくなる。しかし、本発明においては、中間層として、Cr,Ti又はVからなる下地膜2を形成し、この下地膜2の上に炭化ホウ素膜3を形成するので、この炭化ホウ素膜3の形成時に比較的低温で形成しても、炭化ホウ素膜3の密着性を高く確保することができる。従って、本発明においては、下地膜2を設けることにより、炭化ホウ素膜3の形成時の基材温度を比較的低くしても、炭化ホウ素膜3の密着性を高めることができると共に、基材加熱温度が低いことにより、基材1の変形を防止することができる。また、基材1の変形を防止できる結果、基材1の厚さを薄くすることができ、従って炭化ホウ素膜3を薄くすることができる。これにより、振動板全体の厚さを薄くしても音質が優れたスピーカ用振動板を得ることができる。
このようにして、本発明によれば、比較的低コストで、音質が優れた振動板を得ることができる。また、下地膜2は真空プロセスで成膜し、この下地膜2が炭化ホウ素膜1の成膜時に酸素のゲッターとなるので、下地膜2と炭化ホウ素膜3との密着性が優れており、高耐久性の複合振動板を得ることができる。そして、この複合振動板は、最上層の炭化ホウ素膜3が微細結晶粒に起因する光沢をもつ灰黒色の独特の外観を有するので、スピーカ用の振動板の意匠性も優れている。
次に、本発明の効果を実証するための実施例比較例について説明する。下記表1は実施例比較例の基材の種類、基材加熱温度、下地膜の種類、下地膜の厚さ(μm)、炭化ホウ素膜の厚さ(μm)、ヤング率(GPa)を示す。また、下記表2は、その外観評価及びスピーカにしたときの試聴結果を示す。なお、基材の厚さは30μmである。
Figure 0004967702
Figure 0004967702
炭化ホウ素膜3の厚さは、SEM(走査型電子顕微鏡)観察によって、振動板の頂点部を測定した。ヤング率は、振動板形状と同時に作製した短冊片での測定である。このサンプルサイズは、10mm×50mm×0.03mmである。測定方法は真空中での片持ち式共振法により行った(日本テクノプラス社製TE−RTにより測定)。共振周波数は30〜40Hzである。試聴は、ツィータに上記実施例比較例の振動板を使用してスピーカシステムにより実施した。
その結果、本発明の範囲を満たす実施例11乃至24の振動板は、剥がれがなく、試聴結果も良好であった。これに対し、比較例1乃至10の場合は、膜の剥がれが生じたり、形状の歪みが大きかったり、試聴結果も悪いものであった。
本発明の実施形態の振動板の構成を示す断面図である。
符号の説明
1:基材、2:下地膜、3,炭化ホウ素膜

Claims (5)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材と、この基材上に形成されクロム、チタン及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1種からなる中間層と、この中間層の上にスパッタリングにより形成され厚さが0.3乃至3.5μmの炭化ホウ素膜とを有することを特徴とするスピーカ用振動板。
  2. チタン又はチタン合金からなる基材と、この基材上に形成されクロムからなる中間層と、この中間層の上にスパッタリングにより形成され厚さが1.5乃至3.5μmの炭化ホウ素膜とを有することを特徴とするスピーカ用振動板。
  3. 前記中間層は、厚さが0.1乃至0.3μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ用振動板。
  4. ヤング率が85乃至125GPaであることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  5. ヤング率が120乃至130GPaであることを特徴とする請求項に記載のスピーカ用振動板。
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