JP4966480B2 - 耐食性および上塗り塗装性に優れるリン酸亜鉛系処理材用後処理方法ならびに後処理されたリン酸亜鉛系処理材 - Google Patents

耐食性および上塗り塗装性に優れるリン酸亜鉛系処理材用後処理方法ならびに後処理されたリン酸亜鉛系処理材 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板(例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっき系鋼板、合金めっき系鋼板)等の鉄系材料、アルミニウム板等のアルミニウム系材料、亜鉛系材料、マグネシウム系材料、合金系材料等の種々の材料の表面にリン酸亜鉛系皮膜を形成させた後、更に、耐食性および塗装性(上塗り塗装性)を向上させる後処理組成物および後処理方法、ならびに、これらにより後処理された材料に関する。
リン酸亜鉛系処理は、塗装下地処理として一般的に使用されている。リン酸亜鉛系処理は、具体的には、リン酸亜鉛系の結晶で皮膜(リン酸亜鉛系皮膜)を形成させて材料の表面を覆い、その結晶の凹凸によるアンカー効果で優れた塗装性を得る塗装下地処理である。また、リン酸亜鉛系処理によれば、材料の表面がリン酸亜鉛系の結晶の皮膜で覆われるため、材料の腐食が抑制され、一時的な防錆効果も得られる。
このリン酸亜鉛系処理の後には、一般的に、耐食性や塗装性を向上させる目的で、クロメート液による後処理(クロメート処理)が施される。この後処理は、クロムリンス、クロムシーリング等とも呼ばれる。
リン酸亜鉛系皮膜が形成された材料は、主にリン酸亜鉛の微細な結晶によりその表面を覆われた状態になっている。クロメート液による後処理を施した場合、この結晶の隙間や欠陥部にクロメート液が浸透して、その隙間や欠陥部を埋めてクロムが不動態化することにより、封孔処理がなされるため、材料の腐食がより抑制され、耐食性が向上するとともに塗装性も向上するのであると考えられている。
また、リン酸亜鉛系皮膜にはビルドアップ結晶や二次結晶と呼ばれる結晶(材料表面に密着した結晶の上や隙間に沈着した結晶)があり、クロメート液による後処理を施した場合、これを酸性のクロメート液が溶解して除去するため、上塗り塗料密着性や塗装後耐食性が向上するとも言われている。
しかしながら、このクロメート液としては、通常、クロム酸を主成分とする水溶液が使用されている。即ち、クロメート液は、6価クロムを含んでいる。したがって、このクロメート液で後処理された材料も6価クロムを含むため、その有害性が問題となっている。
この問題を解決するため種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、クロメート液による後処理を必要とせず、十分な耐食性(耐白錆性)を確保することを目的として、リン酸亜鉛皮膜を有する亜鉛系メッキ鋼板であって、前記リン酸亜鉛皮膜が、Mgを2%以上、Ni、Co、Cuから選ばれる1種以上の元素を0.01〜1%含有し、付着量が0.7g/m2以上であることを特徴とする耐食性および色調に優れたリン酸亜鉛処理亜鉛系メッキ鋼板が提案されている。
また、特許文献2には、Zn2+イオン:0.5〜5.0g/L、Mg2+イオン:15〜30g/L、PO4 3-イオン:5〜20g/L、F-イオン:0.05〜0.50g/L並びにNO3 -イオン:75〜150g/Lを含有し、液温が40〜70℃であるリン酸塩処理液を用いて、亜鉛めっき鋼板に浸せき処理またはスプレー処理を施すことにより、亜鉛めっき鋼板上に片面あたりの皮膜量にして0.5〜3.0g/m2のリン酸塩皮膜を形成することを特徴とする亜鉛めっき鋼板のリン酸塩化成処理方法が提案されている。
しかしながら、これらの手法は、後処理をしていないため、実用上十分な耐食性が得られず、塗装性も不十分であった。
また、リン酸亜鉛処理した後に、クロムを全く使用しないで後処理を行う方法として、例えば、特許文献3には、亜鉛系めっき鋼板上にリン酸塩処理皮膜を備え、その上に、有機樹脂とチオカルボニル基含有化合物を含むか、またはバナジン酸化合物を含むことを特徴とする非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板が提案されている。
また、特許文献4には、ZnもしくはAlまたはZn−Al系のめっき鋼板表面に、Niを1〜20mg/m2析出させ、および/または、リン酸塩皮膜を0.2〜3g/m2生成させ、その上に非クロム系防錆顔料を10〜60wt%含む下塗り塗膜、上塗り塗膜を順次形成することを特徴とする非クロム系塗装金属板が記載されている。
また、特許文献5には、リン酸亜鉛を主成分とするリン酸亜鉛皮膜層と該皮膜の上層にMg,Al,Co,Mn,CaおよびNiの中から選択される1種以上の金属よりなるリン酸塩と固体潤滑剤を主成分とする複合リン酸塩皮膜層を有する鋼板が記載されている。
また、特許文献6には、ニッケル、マンガンおよびマグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種を含有するリン酸亜鉛複合皮膜層を有し、その上部に第2層皮膜として特定のエポキシ系の樹脂系皮膜層を有する鋼板が記載されている。
また、特許文献7にはリン酸亜鉛を主成分とするリン酸亜鉛皮膜層と該皮膜上層にMg,Al,Co,Mn,CaおよびNiの中から選ばれる1種以上の金属よりなるリン酸塩とエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン系樹脂およびポリエステル系樹脂の中から選ばれる1種以上の有機樹脂とを主成分とする複合リン酸塩皮膜を有する鋼板が記載されている。
また、特許文献8には第1層としてニッケル、マンガンおよびマグネシウムの中から選ばれる1種以上を含有するリン酸亜鉛皮膜層を有し、その上部に第2層としてエチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂の中から選ばれる1種の有機樹脂を主成分とする有機系皮膜を有することが記載されている。
また、特許文献9にはリン酸亜鉛を主成分とするリン酸亜鉛皮膜層と該皮膜の上層に形成されたMg,Al,Co,MnおよびCaの中から選択される1種以上の金属よりなるリン酸塩を主成分とするリン酸塩皮膜層とを有する鋼板が記載されている。
また、特許文献10にはヒドラジン誘導体、シリカ微粒子および金属表面をエッチングできる酸を含有する後処理剤と後処理方法が記載されている。
しかしながら、特許文献3〜10に記載の後処理方法は、クロメート液による後処理と比べて、耐食性が不十分であったり、耐食性がよくても塗装性が不十分であったりするという問題があり、また、コストが高いという問題等があるものもあった。
また、特許文献11には、特定の樹脂化合物と、少なくとも1種のバナジウム化合物と、ジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガンおよびセリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物とを含有することを特徴とする金属表面処理剤が記載されている。
特開2002−285346号公報 特開2001−152356号公報 特開2000−248367号公報 特開2001−81578号公報 特開2002−12983号公報 特開2001−179874号公報 特開2002−12982号公報 特開2001−105528号公報 特開2000−265281号公報 特開2001−207271号公報 特開2001−181860号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献11に記載の金属表面処理剤は、リン酸亜鉛系処理材に用いると、耐食性や塗装性が十分に得られないことがあった。
したがって、本発明は、リン酸亜鉛系処理材に従来のクロメート液による後処理を施して得られる材料と同等以上の性能、特に、耐食性および塗装性を、6価クロムを使用せずに得ることができる、リン酸亜鉛系処理材用後処理組成物、後処理方法および後処理された材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定のフッ素含有化合物と特定の有機物とを特定の割合で含有し、更に、リン酸および/またはリン酸化合物と水とを含有し、pHが特定範囲にある組成物を用いて、リン酸亜鉛系処理材の表面を後処理すると、クロメート液による後処理と同等以上の性能が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜()を提供する。
(1)リン酸亜鉛系皮膜を有するリン酸亜鉛系処理材に対し、前記リン酸亜鉛系皮膜の上に、フッ素含有化合物(A)と、カチオン性またはノニオン性を有する水溶性および/または水分散性の樹脂化合物(B)と、リン酸および/またはリン酸化合物と、水とを含有し、pHが1〜6であり、前記フッ素含有化合物(A)と前記樹脂化合物(B)の質量比が0.020〜100である、リン酸亜鉛系処理材用後処理組成物を塗布する塗布工程と、
その後、水洗することなく、前記リン酸亜鉛系処理材用後処理組成物を塗布された後の前記リン酸亜鉛系処理材の温度が40〜200℃となるように乾燥させる乾燥工程と
を具備し、
前記乾燥工程により形成される前記リン酸亜鉛系処理材用後処理組成物の乾燥皮膜の量が、1〜500mg/m 2 であり、
前記リン酸亜鉛系皮膜の量が0.1〜5g/m 2 である、リン酸亜鉛系処理材用後処理方法
(2)前記フッ素含有化合物(A)が、Ti、Zr、Hf、Si、AlおよびBからなる群から選ばれる原子の少なくとも1種を有する、フッ化物および/または錯フッ化物の1種以上である、上記(1)に記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法
(3)更に、V、W、Ni、Co、Fe、Zn、Mg、Al、Mn、CaおよびLiからなる群から選ばれる少なくとも1種を有する金属化合物(C)を含有する、上記(1)または(2)に記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法
(4)前記金属化合物(C)の含有量が、0.0010モル/kg以上であり、前記金属化合物(C)と前記フッ素含有化合物(A)のモル比が、0.02〜50である、上記(3)に記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法
(5)前記樹脂化合物(B)が、下記一般式(I)で表される樹脂化合物(a)である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法

{式中、各R1は、それぞれ独立に、−CH2−、−CH2−NH−CH2−または−CH=N−CH2−を表し、各Yは、それぞれ独立に、水素原子または下記一般式(II)

(式中、R2およびR3は互いに独立に水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。)で表される基を表し、各Zは、それぞれ独立に、ホルムアルデヒドと付加縮合しうる芳香族化合物からその芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子を除去して得られる、1〜4個の基−CH2X(式中、Xは、後述のWの定義中のXと同義である。)を有していてもよく、nで括られた構造中の芳香環基とは異なる2価の基、または、メラミン、グアナミンもしくは尿素の二つのアミノ基から水素原子を一つずつ除去して得られる2価の基を表し、各Wは、それぞれ独立に、水素原子または基Pを表し、前記基Pは−CH2X、−CH2NHCH2Xまたは−CH=NCH2X[式中、Xは−OH、−OR4(式中、R4は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基を表す。)、ハロゲン原子、または、一般式(III)もしくは(IV)

(式中、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数1〜10のヒドロキシアルキル基を表し、A-は、水酸化物イオンまたは酸イオンを表す。)で表される基を表す。]を表し、前記基Pの置換割合は前記基Pの数/(ベンゼン環の数および基Zの数の合計)=0.2〜4.0であり、nは0〜29の整数を表し、mは0〜10の整数を表す。}
)上記()に記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法を用いて後処理されてなる、後処理済みリン酸亜鉛系処理材。
本発明のリン酸亜鉛系処理材用後処理組成物をリン酸亜鉛系処理材の表面に塗布し乾燥させることにより、耐食性および塗装性に優れるリン酸亜鉛系処理材を得ることができる。本発明のリン酸亜鉛系処理材用後処理組成物は、クロムを全く含まないため、環境保全、リサイクル性等の社会問題に対する対策案として、極めて有効である。
以下、本発明のリン酸亜鉛系処理材用後処理組成物(以下「本発明の後処理組成物」という。)、後処理方法および後処理された材料について詳細に説明する。初めに、本発明の後処理組成物について説明する。
本発明の後処理組成物による後処理の対象は、リン酸亜鉛系処理材である。
リン酸亜鉛系処理材は、鋼板(例えば、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、冷延鋼板)、アルミニウム板等の金属板にリン酸亜鉛系処理を施した処理材であれば、特に限定されない。リン酸亜鉛系処理材は、リン酸亜鉛系処理により形成されるリン酸亜鉛系皮膜を表面に有する。リン酸亜鉛系皮膜の量は、0.1〜5g/m2であるのが好ましく、0.3〜4.5g/m2であるのがより好ましく、0.5〜4g/m2であるのが更に好ましい。リン酸亜鉛系皮膜の量が0.1g/m2以上であると、材料表面の露出が少なくなり、耐食性が優れたものとなり、リン酸亜鉛系皮膜元来の密着性を得ることができる。また、5g/m2以下であると、リン酸亜鉛系の結晶が粗大化せず、塗装後加工された場合に優れた塗膜密着性が得られる。
リン酸亜鉛系皮膜は、主に、リン酸亜鉛を主体とする結晶により構成される。リン酸亜鉛系皮膜は、Ni、Mn、Mg、Co、Ca等の1種以上の金属元素を含有することができる。これらを含有することにより、耐食性や密着性が向上する。特に、Ni、Mn、Mgは、耐食性向上に効果的である。
本発明の後処理組成物に用いられるフッ素含有化合物(A)は、フッ化物、錯フッ化物その他のフッ素を含有する化合物であれば特に限定されない。例えば、フッ化水素酸、そのアンモニウム塩、そのアルカリ金属塩;フッ化スズ、フッ化マンガン、フッ化第一鉄、フッ化第二鉄、フッ化アルミニウム、フッ化亜鉛、フッ化バナジウム等の金属フッ化物;酸化フッ素、フッ化アセチル、フッ化ベンゾイル等の酸フッ化物が挙げられる。
また、フッ素含有化合物(A)として、Ti、Zr、Hf、Si、AlおよびBからなる群から選ばれる原子の少なくとも1種を有する、フッ化物および/または錯フッ化物の1種以上も好適に用いられる。具体的には、例えば、(TiF62-、(ZrF62-、(HfF62-、(SiF62-、(AlF63-、(BF4OH)-等のアニオンに水素原子が1〜3原子付加した錯体、これらのアニオンのアンモニウム塩、これらのアニオンの金属塩等が挙げられる。
フッ素含有化合物(A)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の後処理組成物に用いられる樹脂化合物(B)(以下「樹脂化合物(B)ともいう。)は、カチオン性またはノニオン性を有する水溶性および/または水分散性の有機ポリマーおよび/またはポリマー生成樹脂であれば、特に限定されない。
例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂等でカチオン性またはノニオン性を有する乳化剤で水に乳化されうる水系樹脂;樹脂骨格中にカチオン性またはノニオン性を有する基を持ち、水に溶解されまたは分散されうる水系樹脂;エポキシ樹脂;アミノプラスト樹脂(例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂);タンニン;フェノール−ホルムアルデヒド樹脂;多くのアルキル基、アルキル−アミノメチル基等がフェノールリングに配されることにより、水溶性または水分散性が付与されたビニルフェノールのポリマーが挙げられる。
中でも、下記一般式(I)で表される樹脂化合物(a)が好ましい。


式中、各R1は、それぞれ独立に、−CH2−、−CH2−NH−CH2−または−CH=N−CH2−を表し、各Yは、それぞれ独立に、水素原子または下記一般式(II)で表される基を表す。

式中、R2およびR3は互いに独立に水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
各Zは、それぞれ独立に、ホルムアルデヒドと付加縮合しうる芳香族化合物からその芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子を除去して得られる、1〜4個の基−CH2X(式中、Xは、後述のWの定義中のXと同義である。)を有していてもよく、nで括られた構造中の芳香環基とは異なる2価の基、または、メラミン、グアナミンもしくは尿素の二つのアミノ基から水素原子を一つずつ除去して得られる2価の基を表す。ホルムアルデヒドと付加縮合しうる芳香族化合物は、特に限定されないが、例えば、フェノールスルホン酸、アルキレングリコールフェノールエーテル(アルキレン基の炭素原子数は、2〜6が好ましい。)、β−ナフトール、ナフタレンスルホン酸、トルエン、キシレン、アニリン、アセトアニリド、チオフェノール、チオフェン、フルフラール、フルフリルアルコール等の芳香族化合物が挙げられる。
各Wは、それぞれ独立に、水素原子または基Pを表す。前記基Pは−CH2X、−CH2NHCH2Xまたは−CH=NCH2Xを表す。式中、Xは−OH、−OR4(式中、R4は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基を表す。炭素原子数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基が挙げられる。炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基が挙げられる。)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子)、または、一般式(III)もしくは(IV)で表される基を表す。

式中、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数1〜10のヒドロキシアルキル基を表す。炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。炭素原子数1〜10のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、9−ヒドロキシノニル基、10−ヒドロキシデシル基が挙げられる。
-は、水酸化物イオンまたは酸イオンを表す。酸イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン等のハロゲン化物イオン;硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン等の無機酸イオン;酢酸イオン、ギ酸イオン等の有機酸イオンが挙げられる。
前記基Pの置換割合は前記基Pの数/(ベンゼン環の数および基Zの数の合計)=0.2〜4.0である。
nは0〜29の整数を表す。mは0〜10の整数を表す。一般式(I)で表される樹脂化合物(a)は、nおよびmで括られた繰返し単位に関し、ブロック的な構造でも、交互に結合した構造でも、ランダムに結合した構造でもよい。
一般式(I)においてY中のR2およびR3のアルキル基の炭素原子数が3を超えると、疎水性が高くなり過ぎる。また、W中の基Pの樹脂化合物(a)における存在割合が基Pの数/(ベンゼン環の数および基Zの数の合計)=0.2〜4.0の範囲を外れると、十分な耐食性および耐アルカリ性を得ることができなくなる。また、基Xの定義中のR4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基の炭素原子数が5を超えると、本発明の後処理組成物の安定性が低下する。また、同様に、一般式(III)および(IV)におけるR5〜R9のアルキル基またはヒドロキシアルキル基の炭素原子数が10を超えると、本発明の後処理組成物の安定性が低下する。また、nが29を超えると、粘度が高くなり過ぎ、本発明の後処理組成物中での樹脂化合物(a)の安定性が低下する。
樹脂化合物(a)は、第一級〜第四級のアミンを1分子中に少なくとも1基有する。これにより、樹脂化合物(a)は酸性溶液中でカチオン性を示すようになる。アニオン性の樹脂は、本発明の後処理組成物のpH1〜6の範囲では、溶解性および分散性安定性に劣り、または、安定性がよくても、親水性が強く、塗装性に劣るため好ましくない。
一般式(I)で表される樹脂化合物(a)は、それ自体既知化合物であるか、当業者が容易に製造しうる化合物であるかのいずれかである。例えば、基Pを有しまたは有しないフェノール系化合物もしくはビスフェノール系化合物またはこれらに更に基Zを与えるホルムアルデヒドと付加縮合しうる化合物を加えたものと、ホルムアルデヒドまたはこれに更にアンモニアを加えたものとを付加縮合させ、必要に応じ、Wを目的とするものに変換することにより得ることができる。なお、樹脂化合物(a)の本発明の後処理組成物中での溶解性または分散性を高めるため、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、フッ化水素酸等の酸成分を添加することもできる。
樹脂化合物(B)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の後処理組成物においては、前記フッ素含有化合物(A)と前記樹脂化合物(B)の質量比が0.020〜100である。質量比(A)/(B)が小さすぎると、封孔処理として、リン酸亜鉛系皮膜の隙間における素材表面との反応性に劣るようになり、耐食性が得られなくなるか、耐食性が得られても十分な塗装性が得られなくなるかのいずれかとなる。一方、質量比(A)/(B)が大きすぎると、樹脂化合物(B)の塗装性に対する効果が得られなくなる。
本発明の後処理組成物に用いられるリン酸および/またはリン酸化合物は、特に限定されない。リン酸化合物としては、例えば、リン酸のアンモニウム塩、金属塩(金属としては、例えば、アルカリ金属、Zn、Ni、Mn、Co、Mg、Al、Fe、Vが挙げられる。);ピロリン酸等の縮合リン酸;フィチン酸、ホスホン基、ホスフィン基を有する有機リン酸化合物が挙げられる。リン酸およびリン酸化合物は本発明の後処理組成物1kgあたりに0.001mol以上含むことが好ましい。これ以下であると耐食性が得られない。
リン酸および/またはリン酸化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の後処理組成物は、更に、水を含有する。
本発明の後処理組成物は、更に、V、W、Ni、Co、Fe、Zn、Mg、Al、Mn、CaおよびLiからなる群から選ばれる少なくとも1種を有する金属化合物(C)を含有するのが好ましい。金属化合物(C)を含有することにより、耐食性が更に向上する。
金属化合物(C)としては、例えば、上記金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フッ素化合物、塩酸塩、有機酸塩、有機化合物が挙げられる。
金属化合物(C)の含有量は、0.0010モル/kg以上であるのが好ましい。金属化合物の含有量が0.001モル/kg以上であると、十分な耐食性向上効果が得られる。
また、金属化合物(C)とフッ素含有化合物(A)のモル比は、0.02〜50であるのが好ましく、0.02〜20であるのがより好ましく、0.03〜10であるのが更に好ましい。モル比(C)/(A)が0.02以上であると、十分な耐食性向上効果が得られる。また、モル比(C)/(A)が50以下であると、得られる皮膜が堅くて脆くなることがなく、塗装後、加工を受ける部分での密着性が十分となる。
本発明の後処理組成物は、更に、被塗面に均一な皮膜を得るために濡性向上剤と呼ばれる界面活性剤、水溶性溶剤、増粘剤、溶接性の向上のための導電性物質等を含有することができる。
本発明の後処理組成物は、pH1〜6であり、pH1.5〜5.5であるのが好ましく、pH2〜5であるのがより好ましい。pHが低すぎると、リン酸亜鉛系結晶を過度に溶解し、リン酸亜鉛系皮膜の隙間や欠陥部を広げてしまい、耐食性や塗装性を低下させるため好ましくない。一方、pHが高すぎると、リン酸亜鉛系皮膜のビルドアップ結晶等の溶解作用が低下し、更にエッチング効果も低下するため、やはり耐食性や塗装性が低下する。
本発明の後処理組成物をpH1〜6に調整する方法は、特に限定されず、酸成分またはアルカリ成分を用いて調整することができる。酸成分としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、フッ化水素酸等の無機酸;酢酸、タンニン酸、シュウ酸等の有機酸が挙げられる。アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、第一級〜第三級アミンが挙げられる。
本発明の後処理組成物は、後述するリン酸亜鉛系処理材に塗布され乾燥される工程において、リン酸亜鉛系皮膜で被覆されていない素材表面(例えば、リン酸亜鉛系結晶の隙間、欠陥部)と反応し密着性の良好な皮膜を形成するとともに、樹脂化合物(B)が造膜し、優れた耐食性および塗装性を付与するものと考えられる。
まず、本発明の後処理組成物においては、フッ素含有化合物(A)が、リン酸亜鉛系皮膜の隙間や欠陥部に浸透して、素材表面との反応性(エッチング効果)を高める一方で、リン酸および/またはリン酸化合物が、素材表面からエッチングによって生じた金属イオンと反応し、リン酸亜鉛系皮膜の隙間や欠陥部を封孔し、これによって耐食性が向上するのであると考えられる。
また、本発明の後処理組成物においては、樹脂化合物(B)がpH1〜6の範囲で安定な水性樹脂であり、本発明の後処理組成物の塗布時または加熱工程もしくは乾燥工程において、フッ素含有化合物(A)とリン酸および/またはリン酸化合物と素材表面との反応と相まって、緻密な3次元構造を形成して造膜するとともに、素材表面およびリン酸亜鉛系皮膜上に固着すると考えられる。つまり、封孔作用に加えて、樹脂皮膜のバリアー性により耐食性を向上し、リン酸亜鉛系皮膜自体のアンカー効果と樹脂の効果で塗装性を向上させているものと考えられる。
特に、質量比(A)/(B)が特定の範囲にあるため、耐食性および塗装性の両者が極めて優れたものとなる。
更に、本発明の後処理組成物は、pH1〜6であるため、ビルドアップ結晶、二次結晶と呼ばれる結晶を溶解除去する効果も有していると推測する。
更に、フッ素含有化合物(A)が、Ti、Zr、Hf、Si、AlおよびBからなる群から選ばれる原子の少なくとも1種を有する、フッ化物および/または錯フッ化物の1種以上である場合、本発明の後処理組成物のリン酸亜鉛系処理材塗布時および乾燥時の反応性を高め、更に、樹脂化合物(B)の造膜性を向上させることで、より密着性の高い皮膜を形成させる効果があり、その結果、耐食性と塗装性を更に向上させると考えられる。
更に、樹脂化合物(B)において、置換基−CH2Xは、いずれも、カチオノイド(−CH2 +)として作用するもので、樹脂骨格中の電子密度の高い部位(芳香環)と親電子置換的に架橋反応するが、これらのカチオノイド基は、金属表面の電子密度の高い部位とも反応し、樹脂化合物(B)は析出し表面に固着する。このようにして形成された皮膜が更に優れた耐食性を有するのは、形成された皮膜の表面バリアー性によることのほか、次のことが考えられる。即ち、樹脂化合物(B)は共鳴安定化構造を有する化合物である。樹脂化合物(B)で形成される皮膜は、金属表面と反応し固着することによって、素材金属の外殻軌道と重なる程度に十分近い距離であるため、φ軌道を利用して腐食によって生ずる電子を非局在化する作用を持ち、このことによって、表面電位が均一に保たれ、優れた耐食性(平面部のみならず、切断端面、キズ部)を付与すると考えられる。
なお、従来のクロメート皮膜の防食機構は、溶解性のある6価のクロムが溶け出し、金属表面露出部に再析出する自己補修作用であると一般的に言われているが、本発明者らは、クロメート皮膜の防食機構はクロムの高いカチオノイド性(金属表面への高い固着反応性)と優れた(腐食電子の)非局在化作用に起因する、本発明の後処理組成物と同様の防食機構であるものと考えている。
つぎに、本発明のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法(以下「本発明の後処理方法」という。)について説明する。
本発明の後処理方法は、上述したリン酸亜鉛系皮膜を有するリン酸亜鉛系処理材に対し、前記リン酸亜鉛系皮膜の上に、上述した本発明の後処理組成物を塗布する塗布工程と、
その後、水洗することなく、前記後処理組成物を塗布された後の前記リン酸亜鉛系処理材の温度が40〜200℃となるように乾燥させる乾燥工程と
を具備する。
塗布工程における塗布の方法は、特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、エアースプレー、エアーレススプレー、浸せき、バーコート、刷毛塗りが挙げられる。
乾燥工程においては、後処理組成物を塗布された後のリン酸亜鉛系処理材の温度が40〜200℃、好ましくは50〜150℃、より好ましくは50〜120℃となるように乾燥させる。乾燥温度が低すぎると、後処理組成物が乾燥するのに時間がかかり、また、皮膜の安定化が不十分となって耐食性が低下する場合がある。一方、乾燥温度が高すぎると、材料の温度を下げるのに時間を要して、作業性が低下し、また、樹脂の分解が始まって、所望の効果が得られなくなることがある。
乾燥の方法は、特に限定されず、例えば、熱風、遠赤外線加熱、直火、インダクションヒーターが挙げられる。
乾燥時間は、特に制限されないが、通常、工業的に採算の合う条件で設定する。
乾燥工程により形成される後処理組成物の乾燥皮膜の量は、1〜500mg/m2であるのが好ましく、2〜400mg/m2であるのがより好ましく、3〜300mg/m2であるのが更に好ましい。乾燥皮膜の量が少なすぎると、リン酸亜鉛系処理剤の表面を覆い切れず、耐食性が不十分となることがある。乾燥皮膜の量が多すぎると、リン酸亜鉛系結晶の隙間を本発明の後処理組成物の皮膜が埋めてしまい、アンカー効果が得られなくなって密着性が低下することがある。
最後に、本発明の後処理済みリン酸亜鉛系処理材について説明する。
本発明のリン酸亜鉛系処理材の一つの態様は、上述した本発明の後処理組成物を用いて後処理されてなる、後処理済みリン酸亜鉛系処理材である。
また、本発明のリン酸亜鉛系処理材の他の態様は、上述した本発明の後処理方法を用いて後処理されてなる、後処理済みリン酸亜鉛系処理材である。
本発明の後処理済みリン酸亜鉛系処理材は、耐食性および塗装性に優れる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.試験板の作製
(1)供試材(素材)
以下の市販の材料を供試材として使用した。なお、供試材のサイズは70mm×150mmである。
(i)電気亜鉛めっき鋼板(EG):板厚0.8mm、目付量=20/20(g/m2
(ii)溶融亜鉛めっき鋼板(GI):板厚0.8mm、目付量=60/60(g/m2
(iii)合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA):板厚0.8mm、目付け量=40/40(g/m2
(iv)冷延鋼板(SPC):板厚0.8mm
(v)アルミニウム板(AL):板厚0.4mm、6000番
(2)リン酸亜鉛系処理材の作製
供試材の種類に応じて、リン酸亜鉛系処理を行い、リン酸亜鉛系処理材を得た。
(I)供試材(i)のリン酸亜鉛系処理
EG材である供試材(i)にアルカリ脱脂液(日本パーカライジング(株)製CL−N364Sを20g/Lで希釈し、60℃に加温したもの)をスプレーで吹きかけ、表面を清浄化し、水道水で水洗した。
ついで、表面調整処理液(日本パーカライジング(株)製PL−Zを水道水で0.2〜2.5g/Lに希釈したもの)に20秒間浸せきさせた後、リン酸亜鉛系処理液(日本パーカライジング(株)製PB−3312Mを水道水で55g/Lに希釈して60℃に加温した後、日本パーカライジング(株)製NT−4055で遊離酸を1.4ポイントに調整したもの)で数秒間スプレー処理した。
その後、ただちに水道水で水洗し、更に、純水で洗浄した後、ロール絞りで水切りを行い、送風乾燥し、リン酸亜鉛系処理材を得た。
表面調整処理液の濃度とリン酸亜鉛系処理液の処理時間とを変えることにより、種々のリン酸亜鉛系皮膜量(0.2〜2.5g/m2)のリン酸亜鉛系処理材を得た。
(II)供試材(ii)のリン酸亜鉛系処理
GI材である供試材(ii)にアルカリ脱脂液(日本パーカライジング(株)製FC−4336を20g/Lで希釈し、60℃に加温したもの)をスプレーで吹きかけ、表面を清浄化し、水道水で水洗した。
ついで、表面調整処理液(日本パーカライジング(株)製PL−Zを水道水で0.5〜2.5g/Lに希釈したもの)で表面を10秒間スプレー処理して、リン酸亜鉛系処理液(日本パーカライジング(株)製PB−3300Mを水道水で50g/Lに希釈して65℃に加温した後、日本パーカライジング(株)製NT−4055で遊離酸を1.2ポイントに調整したもの)で数秒間スプレー処理した。
その後、ただちに水道水で水洗し、更、に純水で洗浄した後、ロール絞りで水切りを行い、送風乾燥し、リン酸亜鉛系処理材を得た。
表面調整処理液の濃度とリン酸亜鉛系処理液の処理時間とを変えることにより、種々のリン酸亜鉛系皮膜量(0.8〜1.8g/m2)のリン酸亜鉛系処理材を得た。
(III)供試材(iii)および(iv)のリン酸亜鉛系処理
GA材である供試材(iii)とSPC材である供試材(iv)をアルカリ脱脂液(日本パーカライジング(株)製FC−E2085を20g/Lで希釈し、45℃に加温したもの)に2分間浸せきさせて表面を清浄化し、水道水で水洗した。
ついで、表面調整処理液(日本パーカライジング(株)製PL−Xを水道水で2.0g/Lに希釈したもの)に浸せきさせた後、取り出して、リン酸亜鉛系処理液(日本パーカライジング(株)製PB−WL35をカタログに準じて調整し、35℃に加温したもの)に2分間浸せきさせた。
その後、ただちに水道水で水洗し、更、に純水で洗浄した後、ロール絞りで水切りを行い、送風乾燥し、リン酸亜鉛系処理材を得た。
表面調整処理液の濃度とリン酸亜鉛系処理液の処理時間とを変えることにより、種々のリン酸亜鉛系皮膜量(1.8〜4.5g/m2)のリン酸亜鉛系処理材を得た。
(IV)供試材(v)のリン酸亜鉛系処理
AL材である供試材(v)をアルカリ脱脂液(日本パーカライジング(株)製FC−E2085を20g/Lで希釈し、45℃に加温したもの)に2分間浸せきさせて表面を清浄化し、水道水で水洗した。
ついで、表面調整処理液(日本パーカライジング(株)製PL−Xを水道水で2.5g/Lに希釈したもの)に浸せきさせた後、取り出して、リン酸亜鉛系処理液(日本パーカライジング(株)製PB−AX35をカタログに準じて調整し、35℃に加温したもの)に2分間浸せきさせた。
その後、ただちに水道水で水洗し、更に、純水で洗浄した後、ロール絞りで水切りを行い、送風乾燥し、リン酸亜鉛系処理材を得た。
表面調整処理液の濃度とリン酸亜鉛系処理液の処理時間とを変えることにより、種々のリン酸亜鉛系皮膜量(1.0〜1.2g/m2)のリン酸亜鉛系処理材を得た。
(3)後処理組成物
下記の各成分を、第2表に示す組成(質量部)で混合し、pHをアンモニアで調整して第2表に示す値として、各後処理組成物を得た。
なお、比較例1および8〜11のクロメート後処理には、クロメート後処理液1(パーレン62(日本パーカライジング(株)製、略称:LN−62)を純水で希釈したもの)とクロメート後処理液2(パーレン60(日本パーカライジング(株)製、略称:LN−60)を純水で希釈したもの)を用いた。
(I)フッ素含有化合物(A)
A1:フッ化水素酸
A2:チタンフッ化水素酸
A3:ジルコンフッ化水素酸
(II)樹脂化合物(B)
B1:カチオン変性エポキシ樹脂(アデカレジンEPEC−0436、旭電化工業(株)製)
B2:ノニオン性水溶性ポリエステル樹脂(FR−627、互応化学工業(株)製)
B3:カチオン性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX−670、旭電化工業(株)製)
b1〜b9:上記一般式(I)で表され、R1、Y、Z、W、nおよびmが第1表に示される樹脂化合物(a)
第1表中の記号の意味は以下のとおりである。
1:(i)−CH2−、(ii)−CH2−NH−CH2
W:(i)H、(ii)−CH2OH、(iii)−CH2OCH3、(iv)−CH2Br、(v)−CH2N(CH3)(CH2CH2OH)、(vi)−CH2N(CH2CH2OH)2、(vii)−CH2NH2
Y:(i)H、(ii)下記式(式中、Wは上記で定義された(i)〜(vii)で表される基を表す。)で表される基

Z:(i)アニリンからその芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子を除去して得られる2価の基、(ii)フルフリルアルコールからその芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子を除去して得られる2価の基
また、第1表中、WおよびYの欄の括弧内の数値は、Wについては基Pの数/(ベンゼン環の数および基Zの数の合計)を、Yについてはベンゼン環1個に対するYの置換数を示す。なお、Yが上記(ii)である場合は、Wの欄の括弧内の数値は、Yが含有するWも「基Pの数」に含めて計算される。
(III)リン酸化合物
P1:リン酸
P2:リン酸第一アンモニウム
P3:フィチン酸
(IV)金属化合物(C)
C1:メタバナジン酸アンモニウム
C2:三酸化バナジウム
C3:バナジウムオキシアセチルアセトネート
C4:タングステン酸アンモニウム
C5:重リン酸マグネシウム
C6:炭酸ニッケル(Ni29質量%含有品)
C7:酸化亜鉛
C8:重リン酸アルミニウム
(4)後処理方法
上記(2)で得られたリン酸亜鉛系処理材に、上記(3)で得られた後処理組成物をバーコートまたはロールコートにより塗布し、その後、水洗することなく、そのままオーブンに入れて、第2表に示される乾燥温度で乾燥させ、第2表に示される皮膜量(比較例1および8〜11においては、Crの付着量で表した。)の皮膜を形成させた。乾燥温度は、オーブン中の雰囲気温度とオーブンに入れている時間とで調節した。バーコートおよびロールコートの具体的な方法は以下のとおりである。
バーコート塗装:後処理組成物をリン酸亜鉛系処理材に滴下して、#3〜5バーコーターで塗装した。使用したバーコーターの番手と後処理組成物の濃度とにより、所定の皮膜量となるように調整した。
ロールコート塗装:リン酸亜鉛系処理材を後処理組成物に室温で1秒程度浸せきさせ、取り出した後、ロールで余分な液を切り、塗布量を調整した。ロールによる水切り量と後処理組成物の濃度とにより、所定の皮膜量となるように調整した。
2.後処理されたリン酸亜鉛系処理材の性能
上記で得られた後処理済みリン酸亜鉛系処理材について、以下のようにして耐食性および塗装性を評価した。結果を第3表に示す。
(1)耐食性
70×150mmの後処理済みリン酸亜鉛系処理材の裏面および端面部をテープでシールした後に、JIS Z2371(2000)による塩水噴霧試験を行い、錆の発生状況を目視で観察し、下記基準により評価を行った。
<評価基準>
◎:白錆発生面積が全面積の5%未満
○:白錆発生面積が全面積の5%以上10%未満
○△:白錆発生面積が全面積の10%以上20%未満
△:白錆発生面積が全面積の20%以上40%未満
×:白錆発生面積が全面積の40%以上
(2)塗装性
後処理済みリン酸亜鉛系処理材にメラミンアルキッド系塗料(グリミン(登録商標)、新東塗料社製)を焼き付け乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布して、140℃雰囲気のオーブンで30分間焼き付けた。オーブンから取り出して24時間後に1mm間隔の碁盤目をNTカッターで切り、この部分をセロテープで塗膜をはく離させて、下記基準により評価を行った。更に、この碁盤目部分をエリクセン押出機にて5mm押し出し(加工部)、再度、セロテープで塗膜をはく離させ、同様に下記評価基準で評価した(これらを一次試験とする)。
更に、オーブンから取り出して24時間後に沸騰した純水に2時間浸せきさせ、取り出して、24時間放置した。その後、上述した一次試験と同様に評価試験を行った(これらを二次試験とする)。
<評価基準>
◎:塗膜残存面積100%(塗膜はく離なし)
○:塗膜残存面積95%以上100%未満
○△:塗膜残存面積80%以上95%未満
△:塗膜残存面積50%以上80%未満
×:塗膜残存面積50%未満
第3表から明らかなように、本発明の後処理組成物を用いて後処理を行った場合(実施例1〜32)は、耐食性および塗装性のいずれにも優れており、比較例1および8〜11のクロメート処理と同等以上の性能が得られた。
これに対し、後処理を行わない場合(比較例2)は、耐食性および塗装性に劣っていた。また、本発明の後処理組成物に該当しない場合(比較例3〜7)は、耐食性および塗装性の両者を満足するものが得られなかった。

Claims (6)

  1. リン酸亜鉛系皮膜を有するリン酸亜鉛系処理材に対し、前記リン酸亜鉛系皮膜の上に、フッ素含有化合物(A)と、カチオン性またはノニオン性を有する水溶性および/または水分散性の樹脂化合物(B)と、リン酸および/またはリン酸化合物と、水とを含有し、pHが1〜6であり、前記フッ素含有化合物(A)と前記樹脂化合物(B)の質量比が0.020〜100である、リン酸亜鉛系処理材用後処理組成物を塗布する塗布工程と、
    その後、水洗することなく、前記リン酸亜鉛系処理材用後処理組成物を塗布された後の前記リン酸亜鉛系処理材の温度が40〜200℃となるように乾燥させる乾燥工程と
    を具備し、
    前記乾燥工程により形成される前記リン酸亜鉛系処理材用後処理組成物の乾燥皮膜の量が、1〜500mg/m 2 であり、
    前記リン酸亜鉛系皮膜の量が0.1〜5g/m 2 である、リン酸亜鉛系処理材用後処理方法。
  2. 前記フッ素含有化合物(A)が、Ti、Zr、Hf、Si、AlおよびBからなる群から選ばれる原子の少なくとも1種を有する、フッ化物および/または錯フッ化物の1種以上である、請求項1に記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法
  3. 更に、V、W、Ni、Co、Fe、Zn、Mg、Al、Mn、CaおよびLiからなる群から選ばれる少なくとも1種を有する金属化合物(C)を含有する、請求項1または2に記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法
  4. 前記金属化合物(C)の含有量が、0.0010モル/kg以上であり、前記金属化合物(C)と前記フッ素含有化合物(A)のモル比が、0.02〜50である、請求項3に記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法
  5. 前記樹脂化合物(B)が、下記一般式(I)で表される樹脂化合物(a)である、請求項1〜4のいずれかに記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法

    {式中、各R1は、それぞれ独立に、−CH2−、−CH2−NH−CH2−または−CH=N−CH2−を表し、各Yは、それぞれ独立に、水素原子または下記一般式(II)

    (式中、R2およびR3は互いに独立に水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。)で表される基を表し、各Zは、それぞれ独立に、ホルムアルデヒドと付加縮合しうる芳香族化合物からその芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子を除去して得られる、1〜4個の基−CH2X(式中、Xは、後述のWの定義中のXと同義である。)を有していてもよく、nで括られた構造中の芳香環基とは異なる2価の基、または、メラミン、グアナミンもしくは尿素の二つのアミノ基から水素原子を一つずつ除去して得られる2価の基を表し、各Wは、それぞれ独立に、水素原子または基Pを表し、前記基Pは−CH2X、−CH2NHCH2Xまたは−CH=NCH2X[式中、Xは−OH、−OR4(式中、R4は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基を表す。)、ハロゲン原子、または、一般式(III)もしくは(IV)

    (式中、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数1〜10のヒドロキシアルキル基を表し、A-は、水酸化物イオンまたは酸イオンを表す。)で表される基を表す。]を表し、前記基Pの置換割合は前記基Pの数/(ベンゼン環の数および基Zの数の合計)=0.2〜4.0であり、nは0〜29の整数を表し、mは0〜10の整数を表す。}
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のリン酸亜鉛系処理材用後処理方法を用いて後処理されてなる、後処理済みリン酸亜鉛系処理材。
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