JP4965744B2 - エタンジニトリルの調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シアン化水素酸からのエタンジニトリルの調製方法に関する。
エタンジニトリル(シアン、(CN)2)は、安定な無色のガスであり、実験室レベルでは、1815年に、シアン化銀の熱分解によって調製された。それの反応性のおかげで、エタンジニトリルは、RoeskyおよびHofmannによってChemiker Zeitung 1984, 7-8, 231-238に概説されているように、有機化合物の合成用の有望な構成単位である。また、US 6,001,383およびWO2005/037332に示されているように、それは燻蒸剤(fumigating agent)としても有用である。さらに、エタンジニトリルはロケット推進システムにおける活性成分としての見込みがある。
知られている方法では、エタンジニトリルは、酸素、硝酸塩および銅触媒の存在下で、シアン化水素酸から生じる。
US 3,135,582には、触媒の存在下、100ないし1000℃の温度での、酸素および窒素酸化物とシアン化水素酸との反応によるエタンジニトリルの調製が開示されている。
US 3,949,061には、元素状酸素、硝酸銅が存在している水溶液中でのシアン化水素酸の反応によるエタンジニトリルの調製が開示されている。
US 3,769,388には、酸素と、実質的に無水の液状媒体と、触媒量の銀、ルテニウムまたは水銀と、硝酸塩との存在下での、シアン化水素酸の酸化が開示されている。
US 3,494,734には、触媒としての第二銅イオンの存在下でのシアン化水素酸と二酸化窒素との反応が開示されている。
DE 1163302 Aには、強酸溶液中の第二銅の塩の存在下でのシアン化水素酸の酸化が開示されており、例および明細書では、この酸化が約pH2.8で行われている。例によると、反応は、アンモニウム塩および元素状酸素、さらには元素状酸素を活性化させるための添加試薬の存在下で起こる。
Riemenschneider, W.は、Chemtech 1976, 658-661において、二酸化窒素とシアン化水素酸との反応において僅かに過剰な酸素を使用することが望ましいことを開示している。
今日まで、この調製に利用できる方法は、収率および選択性に関して十分なものではなかった。また、流出ガスからのエタンジニトリルの回収は、過剰な二酸化窒素の存在下では特に難しい。
解決しようとする技術的課題は、エタンジニトリルを調製するための代替方法を提供することであった。
この課題は、請求項1の方法によって解決された。
第二銅イオン触媒および非プロトン性極性溶媒の存在下でのシアン化水素酸の触媒酸化による、液相でのシアン化水素酸(HCN)からのエタンジニトリル((CN)2)の調製方法であって、シアン化水素酸の酸化の最中に硝酸(HNO3)を唯一の酸化剤として添加することを特徴とする方法が請求項に記載されている。したがって、NOもNO2もN24も反応混合物へ直接添加しない。
反応の最中、シアン化水素酸と硝酸とが接触すると、エタンジニトリル、NOおよび水を主に含んだ無色のガスが反応混合物から放出される。前記無色ガスは、見た目にもNxy,yは2xである,(たとえばNO2またはN24)を含んでいない。エタンジニトリルは、NOおよび水の両方から容易に分離できる。NOは、硝酸への再酸化のあと、この方法にリサイクルさせることができる。驚くべきことに、流出ガス中に含まれるNOは、溶出ガス中で更なる反応を起こさず、生成物から容易に分離できる。主生成物サーキット中のNxy,yは2xである,(たとえばNO2またはN24)の量を最小にすることは、環境危険の可能性を低減させる。
式(I)は、本方法の化学量論を示している:
6HCN + 2NO3 →3(CN)2 + 2NO +4H2O (I)
式Iによると、2モルの硝酸が、6モルのシアン化水素酸と反応するプロセスにおいて消費されて、3モルのエタンジニトリルと、2モルの一酸化窒素と、4モルの水とが得られる。しかしながら、出発量の硝酸のみが必要とされる連続操作プロセスにおいて、得られる一酸化窒素は、少なくとも理論的には、元素状酸素によって再酸化されかつ水と反応して硝酸となりうる。
好ましい実施形態では、この方法において、硝酸およびシアン化水素酸は、1:2.5ないし1:3.5の範囲内にあるモル比で同時に添加する。
本方法では、硝酸は、少なくとも40重量%、好ましくは60重量%、より好ましくは65重量%のHNO3を含む「濃」硝酸を意味している。また、発煙硝酸(〜100重量%HNO3)までの高濃度の硝酸がこのプロセスで使用できる。本発明の他の態様は、図1および図2にたとえば示した閉回路での酸化剤のリサイクルである。この方法で得られる一酸化窒素(NO)を酸素で酸化させて二酸化窒素(NO2またはN24)とすることができ、これを水と反応させて約65重量%の最大濃度を有する所定の硝酸とすることができる。
好ましい実施形態では、前記硝酸をこの方法で直接再使用して、それにより硝酸の保管および運搬の必要を最小限にすることができる。
硝酸はこの方法では化学量論的に消費される。たとえば、硝酸およびシアン化水素酸をおよそ化学量論比で同時に供給する場合、この方法には過剰な硝酸が存在しないかまたは少量のみ存在する。したがって、この反応は極めて安全に処理できる。生成物からの分離ののち、NOを別のサーキットで再酸化させて、硝酸をリサイクルさせこの方法で使用する。リサイクルさせた硝酸を使用することによって、この方法で必要とされる硝酸の初期量はほんの僅かになる。
好ましい実施形態では、この反応は、元素状酸素の非存在下で事実上行われる。二酸化窒素の代わりに硝酸を酸化剤として使用することは、反応混合物中の元素状酸素の非存在を許容し、それにより、エタンジニトリルおよび一酸化窒素を含む気体生成物ガス混合物からの分離が難しい二酸化窒素の存在および形成を避けることを可能にする。元素状酸素の非存在でこの反応を行う場合、二酸化窒素および対応するダイマーの形成は検出されないであろう。また、気体生成物混合物は全くの無色である。硝酸の使用することによるもう1つの利点は、方法から排除しなければならない二酸化炭素および他のガスの形成も低減させることにある。
好ましい実施形態では、反応混合物中に存在する水は、液相の≦20重量%であり、より好ましくは0.1ないし20重量%の範囲内にあり、特に好ましくは0.5ないし10重量%である。
図1および図2によると、この方法は、バッチ式または連続的に操作することができ、ここでは、反応混合物の一部を抜き出し、水を除去し、その後、水が枯渇した混合物を、任意に補給溶媒および銅触媒を添加したあとに、リアクタへリサイクルさせる。
好適な非プロトン性極性溶媒は、ニトリル、エーテル、グリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、ニトロ化合物、スルホン、エステル、アミド、チオアミドならびに極性芳香族複素環化合物からなる群より選択することができる。
溶媒が長期間にわたって硝酸に対し安定であることは必要ない。なぜなら、この方法では、過剰な硝酸がほんの僅かしか存在しないからである。
好ましくは、ニトリルは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、フェニルアセトニトリルおよびp−トルニトリルからなる群より選択される。
好ましいエステルは、メチルプロパノアート、エチルプロパノアート、エチルアセタート、プロピルアセタート、ブチルアセタート、ジメチルカルボナート、ジエチルカルボナート、エチルトリクロロアセタート、エチルクロロアセタート、メチルアセタート、イソペンチルアセタート、メチルベンゾアート、エチルゼンゾアート、ジエチルマロナート、エチルアセトアセタート、ジメチルフタラート、ブチロラクトン、プロピレンカルボナート、エチレンカルボナートおよびジブチルフタラートからなる群より選択される。
好ましいグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステルは、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−プロピレングリコールジメチルエーテル、1,2−プロピレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−プロピレングリコールジエチルエーテル、1,2−プロピレングリコールジプロピルエーテル、1,2−プロピレングリコールメチルブチルエーテル、1,3−プロピレングリコールジメチルエーテル、1,2−ブチレングリコールジメチルエーテル、グリセロールトリメチルエーテル、グリセロールトリエチルエーテル、グリセロールトリプロピルエーテル、グリセロールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタートからなる群より選択される。
好ましいニトロ化合物は、2−ニトロプロパン、1−ニトロプロパン、ニトロエタン、ニトロメタンおよびニトロベンゼンからなる群より選択される。
好適なスルホンはたとえばスルホランである。
好ましいエーテルは、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アニソール、テトラヒドロピラン、フェネトール、1,3−ジオキソラン、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジフェニルエーテルおよびジベンジルエーテルからなる群より選択される。
好ましいアミドは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、2−ピロリジノンおよび1−メチル−2−ピロリジノンからなる群より選択される。
好ましい極性の複素環式芳香族化合物は、ピリジン、メチルエチルピリジン、2,3−ジメチルピリミジン−1−オン、1,3−ジメチルピリミジン−2−オンおよびルチジン(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルピリジン)からなる群より選択される。
好ましいチオアミドはたとえば1−メチルピロリジン−2−チオンである。
本方法では、銅触媒は第二銅イオンを含む。
硝酸の存在により、ほぼ全ての銅合金、銅錯体および銅塩は酸化されて第二銅イオンを提供するであろう。
たとえば、前記第二銅イオンは、金属銅または銅合金から、銅(0)錯体、銅(I)塩または銅(I)錯体、銅(II)塩または銅(II)錯体、およびこれらの混合物から生じる。
用語「銅(0)」は、金属銅および銅合金、より好ましくは微粉化された形態にあるもの、たとえば粉末状の金属または合金を含んでいる。用語「銅(0)化合物」は形式的に電荷のない銅原子を含む金属錯体を含んでいる。
用語「銅(I)化合物」は、Cu+イオンを含んだ銅(I)塩および金属錯体を含んでいる。
好適な銅(I)塩は、Cu(I)酢酸塩、Cu(I)臭化物、Cu(I)塩化物、Cu(I)ヨウ化物、Cu(I)酸化物およびCu(I)シアン化物から選択される。
用語「銅(II)化合物」は、第二銅イオン(Cu2+)を含んだ銅(II)塩および金属錯体を含んでいる。
好ましくは、上述の溶媒のうちの少なくとも1種に溶解されうる銅(II)塩が、本方法において使用される。好適な銅(II)塩は、たとえば、硝酸銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、硫酸銅(II)、シアン化銅(II)、酸化銅(II)、ピロリン酸銅(II)、硫化銅(II)、リン酸水素銅(II)、炭酸銅(II)、水酸化銅(II)ならびに非芳香族および芳香族カルボン酸の銅(II)塩、たとえば酢酸銅(II)、蟻酸銅(II)、アセチルアセトン酸銅(II)、酒石酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、クエン酸銅(II)、安息香酸銅(II)、銅(II)メチルアセトアセタート、銅(II)エチルアセトアセタート、銅(II)エチルベンゾイルアセタート、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、フタル酸銅(II)またはトルエンスルホン酸銅(II)である。
ある好ましい実施形態では、硝酸を混合物へ供給しながら、シアン化水素酸を反応容器内に入れる。
より有利には、任意に溶媒中に溶解しているまたは溶媒に混合された触媒のみを反応容器内に入れ、硝酸およびシアン化水素酸を、反応を進めながら、同時に、非連続的または連続的に反応混合物へ添加する。
シアン化水素酸および硝酸を同時にまたは交互に(in alternating portions)供給する場合、それらを同時に化学量論的に供給する必要はない。しかしながら、過酸化および溶媒との副反応を防ぐために、シアン化水素酸および硝酸を、式Iの化学量論比におよそしたがって反応器内に入れることが推奨される。シアン化水素酸の不完全な転化を避けるために、有害な作用がなければ硝酸をさらに僅かに過剰に供給してもよい。
この方法は、15ないし150℃、好ましくは50ないし100℃、より好ましくは60ないし90℃の範囲内にある温度で行なうことができる。
高圧でこの方法を行うことにより、生成物が気体の形態で得られることに関する問題が生じることがあり、そうすると、生成物を液体反応混合物から回収しなければならないであろう。硝酸の存在下では、エタンジニトリルは、この反応で生じる水と多かれ少なかれ迅速に反応する。したがって、液体反応温度および圧力は、気体の形態にある生成物を反応器から容易に除去することを許容できる範囲にあるべきである。最も好ましくは、反応はおよそ大気圧で行われる。
シアン化水素酸および硝酸を混合したのち、エタンジニトリルおよび一酸化窒素を含む生成物ガス流が即時に生じる。有利には、前記生成物ガス流を、反応器から連続的に放出して、更なる処理(work-up)に供し、ここでエタンジニトリルをこの生成物ガス流から分離させる。
様々な方法で、たとえばエタンジニトリルの冷凍、凝縮、吸収/脱離または吸着/脱着によって、生成物ガス流からエタンジニトリルを分離できる。
特に好ましくは、生成物ガス流中のエタンジニトリルを溶媒中に吸収させて、前記溶媒から回収する。
廃棄物処理、コスト、使用する硝酸の量および環境危険を最小にするために、本方法は、シアン化水素酸と硝酸との反応において得られる一酸化窒素をリサイクルさせる可能性を提供する。有利には、工業的規模で、流出される一酸化窒素(NO)を酸化させて二酸化窒素(NO2)を得る。元素状酸素(O2)の存在下でのNOの酸化はこの技術においてよくしられている。排気されたNOから得ることができる前記NO2を水に供給することによって、硝酸(HNO3)水溶液が得られ、これを本方法において直接使用できる。NO2を水と反応させることもこの技術において知られている。このように、この方法が立ち上がれば、この方法の排気NOのリサイクルはHNO3の供給を最小にすることができる。
たとえば、好ましい実施形態では、生成物ガス流の一酸化炭素を別の反応器へ供給し、ここでこれを酸素含有ガスによって酸化させて二酸化窒素を得て、これを水に吸収させて、得られた硝酸をシアン化水素との反応へリサイクルさせる。
この反応のある好ましい実施形態は、この反応を連続プロセスにおいて行うことにあり、ここでは、この方法において、シアン化水素酸、元素状酸素および補給流の供給のみが必要とされる。便宜上、前記リサイクル方法は、好適な純度および高収率での溶媒および触媒の効率的なリサイクルを必要とする。副生成物および/または分解生成物の富化はこの方法の寿命に有害な作用を及ぼしうるので、回収される各成分は、好適な純度、好ましくは高純度であることが好ましい。硝酸のシアン化水素酸との反応で高沸点溶媒を使用することは、反応混合物からのシアンの分離を容易に行うことができるという利点を有する。
好ましい実施形態では、本方法は連続プロセスで行われ、ここでは、任意に少なくとも有機溶媒および触媒が回収される。
硝酸のシアン化水素酸との反応は、便宜上、エタンジニトリルの処理に使用する溶媒と実質的に同じ有機溶媒中で行われる。
好ましい実施形態では、エタンジニトリルの処理は、エタンジニトリルを生成物ガス流混合物から回収するための溶媒を使用して行われる。好ましくは、前記溶媒は、約+30℃以下の温度で、エタンジニトリルに対する優れた吸収性と一酸化窒素に対する乏しい吸収性とを有する。
−5ないし+30℃の温度では、アセトニトリルは、エタンジニトリルを一酸化窒素よりも遥かによく可溶化させるので、両化合物を効率的に分離するのに使用できる。
したがって、より好ましい実施形態では、有機溶媒はアセトニトリルである。
特に好ましい実施形態では、硝酸とシアン化水素酸との反応を有機溶媒としてアセトニトリルを用いて行い、生成物ガス流を、任意に凝縮器を通過したのち、向流のアセトニトリルとともに吸収塔へ供給する。向流のアセトニトリルは、主にエタンジニトリルを吸収する一方、一酸化窒素は気体の形態のままであり、最終的に、生成物エタンジニトリルはアセトニトリルから回収されてこの方法から取り除かれ、一方で回収したアセトニトリルはこの方法へリサイクルされる。反応および生成物ガス流からのエタンジニトリルの回収の両方でアセトニトリルを使用することは、化合物の効率的なリサイクルおよび高収率での生成物の回収を提供する。
他の特に好ましい実施形態では、生成物のエタンジニトリルを、一酸化窒素から分離させたのち、脱離塔においてアセトニトリルから回収する。
任意に、回収した一酸化窒素を、酸素含有ガスの存在下で酸化させて二酸化窒素を得て、これを水と反応させて硝酸を得る。前記リサイクルさせた硝酸もこの方法において再使用できる。
図1は、好ましい実施形態における本発明の方法を図示しており、ここでは硝酸と有機溶媒とをこの方法においてリサイクルさせる。 図2は、好ましい実施形態における本発明の方法を図示しており、ここでは極性有機溶媒としてのアセトニトリルの使用に特に適合させたより詳細な形態を示している。
図の説明
図1:
図1は、硝酸のリサイクルを伴う方法の一般的な形態を図示している。反応器01は、シアン化水素酸、硝酸、触媒および溶媒の供給をそれぞれ行うためのライン21、22、23および24を備えている。連続プロセスにおいて、硝酸、溶媒および触媒のほとんどがリサイクルライン37、40および43を通してリサイクルされるが、ライン22、23および24はこの方法の最中の補給目的としても使用でき、他方、ライン21は、反応の最中に必要とされるシアン化水素酸を提供するのにも使用される。ライン33および34は一酸化窒素を再酸化させるための元素状酸素および水をそれぞれ提供する。
エタンジニトリル、一酸化窒素、有機溶媒および水ならびに微量の二酸化炭素を含む、反応器01からのライン25で放出される生成物ガス流は、凝縮器02へ供給され、ここで有機溶媒および水のほとんどが凝縮し、ライン26中の凝縮物は、任意に水の部分的または完全な除去のあと、反応器01へリサイクルされる。凝縮器02からの残りの生成物ガス流はライン27によりエタンジニトリルを単離するための処理ユニット12へ供給される。ライン27中の生成物ガス流は、エタンジニトリルと、一酸化窒素と、少量の不活性ガスたとえば二酸化炭素とを含んでおり、実質的に溶媒および水が枯渇している。処理ユニット12は、(i)主に純粋なエタンジニトリルからなるガス生成物用のライン32と、(ii)主に回収した有機溶媒からなっていて微量の水を有し、反応器01へ再注入されて処理ユニット12内の不必要な化合物(たとえば水)の蓄積を抑制する流出物パージライン28と、(iii)主に一酸化窒素と不活性ガスたとえば二酸化炭素とからなるライン29とを備えている。
ライン29のガス流は酸化反応器07へ再注入され、ここで、ライン33を通して供給した酸素含有ガスの存在下で、有利には触媒の存在下で、一酸化窒素を酸化させて二酸化窒素にする。二酸化窒素を含むライン35の流出ガス流は、任意に反応器08へリサイクルされてライン34を通して供給した水と反応し、硝酸を得る。反応器08は排気ガスたとえば二酸化炭素を除去するためのライン36を備えている。硝酸は、任意に、ライン37によって反応器01へ注入されるか、または他のところで使用される。
処理ユニット12:
ライン27の熱力学的性質に依存するが、エタンジニトリルを回収するための様々な分離技術を使用することができる。好適な実施形態は、吸収塔と溶媒をリサイクルさせるための再生ユニットとの併用である。エタンジニトリルは、吸収塔の溶媒中に高い選択性で吸収され、脱離、蒸留または精留を含む次の再生ユニットで放出される。さらなる処理の可能性は、好適な溶媒での不活性ガスの吸収である。それゆえに、エタンジニトリルは、第1塔のヘッド生成物(head product)である。
エタンジニトリルを吸収/再生によって回収する代わりに、例えば(i)吸着技術、すなわち固体吸着剤上でのエタンジニトリルの吸着および好適な溶媒を使用するその後の脱着か、または(ii)エタンジニトリルを他の反応相手から分離させるための液体−液体抽出技術を使用できる。両方の例において溶媒をリサイクルさせるのに必要な手段は当業者に知られている。
エタンジニトリルを回収するためのもう1つの代替案は、エタンジニトリルを気体生成物流からのエタンジニトリルを直接凍らせることにある。これは、気体生成物流が交互に灌流される2つの並列熱交換ラインを使用して行うことができる。一方のラインにおいてエタンジニトリルが固化している間、他方のラインで固化したエタンジニトリルが再気化し、ほぼ純粋な形態で得られる。
ライン38では、有機溶媒、水、触媒、溶存しているエタンジニトリルならびに少量の未反応の硝酸およびシアン化水素酸を含んだ反応混合物の部分量が、連続または非連続モードで、反応器01から放出され、溶媒回収ユニット13へ供給される。溶媒回収ユニット13の中では、以下でより詳細に説明するように、水が反応混合物から分離され、ライン41においてこの方法から放出され、一方、回収した有機溶媒、触媒および硝酸は、ライン40において反応器01へリサイクルされる。溶媒回収ユニット13は、溶媒、エタンジニトリルおよびシアン化水素酸の混合物を入れたバイパスライン43をさらに備え、これらも反応器へリサイクルされる。
溶媒回収ユニット13:
有機溶媒、水および触媒を含む混合物の熱力学的性質に依存するが、たとえば非共沸混合物のための単蒸留または精留、当業者に知られている好適な塔構造における共沸性混合物のための圧力スイング精留または同伴剤(entrainment agent)(たとえばエーテルまたは炭化水素)を用いる精留を使用して分離を行うことができる。塔は、棚段塔、気泡塔もしくは気泡棚段塔か、または規則もしくは不規則充填剤を有する塔から選択できる。あるいは、反応水を分離するのに、膜分離技術たとえば蒸発脱水、浸透蒸発または限外濾過を使用できる。上述の方法に加えて、水を反応混合物から分離するのに、吸着、吸収または抽出の工程を使用することもできる。
図2:
図2は、主極性溶媒としてアセトニトリルを使用する、好ましい形態の方法を図示している。図1によると、反応器01は、シアン化水素酸、硝酸、触媒および有機溶媒(すなわちアセトニトリル)をそれぞれ供給するためのライン21、22、23および24を備えている。また、硝酸、有機溶媒(すなわちアセトニトリル)および触媒は、リサイクルライン37、40および43をそれぞれ通ってさらに供給される。ライン22、23および24は、この方法の最中の補給目的のためにも使用でき、一方でライン21は反応の最中に必要とされるシアン化水素酸を供給するのにも使用される。ライン33および34は、一酸化窒素を再酸化させるために、元素状酸素および水をそれぞれ供給する。
エタンジニトリル、一酸化窒素、有機溶媒(すなわちアセトニトリル)、水および微量の二酸化炭素を含む、反応器01からの生成物ガス流はライン25によって凝縮器02へ供給される。有機溶媒(すなわちアセトニトリル)および水を含む凝縮物は、任意に水の部分的または完全除去ののち、ライン26を通して反応器01へリサイクルされる。凝縮器02からのライン27において得られ、エタンジニトリルおよび一酸化窒素を含み、少量の不活性ガスたとえば二酸化炭素とほんの僅かな量の有機溶媒(すなわちアセトニトリル)および水とを伴う気体流出物は、ライン27により吸収塔03の底部へ、ライン30で塔03の塔ヘッドへリサイクルされる有機溶媒(すなわちアセトニトリル)の流れと向流させて放出される。吸収塔03は、約−5ないし+30℃、好ましくは0ないし+15℃の範囲内にある温度で動作し、規則もしくは不規則充填材で充填された充填塔でもよいし、棚段塔、気泡塔または気泡棚段塔でもよい。アセトニトリルと微量の水とを含むライン28の混合物は、塔03から、この塔の塔ヘッドの側面に取り付けられた排出パイプを通して除去され、反応器01へ再注入される。反応器01へのリサイクルライン28は、連続動作中に吸収/脱離列における塔03内に水および有機溶媒(すなわちアセトニトリル)が溜まるのを防ぐ。
有機溶媒(すなわちアセトニトリル)、エタンジニトリルおよび水を含む塔03の底部生成物はライン31により排出され、ヒーター04へ供給され、その後脱離塔05のヘッドへリサイクルされる。有利には、一酸化窒素を微量の不活性ガスたとえば二酸化炭素と共に含む塔03のオーバーヘッド流は、ライン29により酸化反応器07へ供給されて、以下に概略するように硝酸を得る。
アセトニトリルを不純物およびこの方法に有害な他の化合物(たとえば水)から分離することは、当業者に知られている技術水準にしたがって、たとえば低圧および/または高められた温度を使用して、脱離塔05内で行われる。有利には、塔05は、規則もしくは不規則充填材で充填された充填塔として、または棚段塔、気泡塔若しくは気泡棚段塔として構成されている。水をまだ含みうる精留された有機溶媒(すなわちアセトニトリル)の流れは塔05の底部から放出され、ライン30によって熱交換器06へと供給される。続けて、アセトニトリルは塔03の動作温度まで加熱され、その後塔03のヘッドへリサイクルされる。ほぼ純粋な気体生成物であるエタンジニトリルを含む塔05のオーバーヘッド流はライン32によって放出され、これは、直接使用することもできるし、またはたとえば冷却および凝縮のあとに回収してもよい。気体のまたは液化したエタンジニトリルを塩基に通して、それの加水分解された化合物を得ることもできる。
先の図1において概説したように、塔03においてライン25の気体生成物ガス流から回収した一酸化窒素は、再酸化されて硝酸になり、硝酸として、ライン37によって反応器01へ再注入されて、この方法を実行するのに必要とされる酸化剤の量を減らす。
ライン38では、有機溶媒(すなわちアセトニトリル)、水、触媒、溶存エタンジニトリルならびに少量の未反応の硝酸およびシアン化水素を含む反応混合物の部分的な量が、連続モードまたは非連続モードの何れかで反応器01から放出され、0.8ないし20barの範囲内にある、好ましくは0.8ないし8barの範囲内にある、特に好ましくは4ないし6barの範囲内にある圧力で動作する精留塔09へ供給される。塔09では、生成物ガス流が、(i)有機溶媒(すなわちアセトニトリル)、水ならびに微量のエタンジニトリルおよびシアン化水素酸からなるほぼ非共沸性の組成物を含むオーバーヘッド流,ライン39によって、蒸留塔10へ供給される,と、(ii)有機溶媒(すなわちアセトニトリル)、触媒、硝酸および微量の水を含む底部生成物,ライン40によって反応器01へとリサイクルされる,とに分離される。蒸留塔10は、約0.05ないし1bar、好ましくは0.1ないし0.5barの範囲内にある低圧で動作している。塔10内では、塔09の塔ヘッド流であるライン39の混合物が、(i)オーバーヘッド流と(ii)底部生成物とに分離される。オーバーヘッド流(i)はライン42によって凝縮器11へ供給され、一方主に水からなる底部生成物(ii)はライン41によってこの方法から放出される。連続モードでの動作中、ライン41によって放出させる水は、水の全量を一定のレベルに制御すれば、反応器01において得られるモル量の水におおよそ対応する。凝縮器11の内部では、ライン42によって供給するオーバー流が、(i)有機溶媒(すなわちアセトニトリル)および水からなるほぼ非共沸性の混合物を含む凝縮液体分画,ライン44によって塔09のヘッドへリサイクルされる,と、(ii)エタンジニトリル、シアン化水素酸、および有機溶媒(すなわちアセトニトリル)を含む気体流,ライン43によって反応器01へリサイクルされる,とに分離される。
図1および図2の実施形態の一覧
01:反応器
02:熱交換器(凝縮器)
03:吸収塔
04:熱交換器
05:脱離塔
06:熱交換器
07:反応器
08:反応器
09:精留塔
10:蒸留塔
11:熱交換器
12:一酸化窒素からの生成物回収のための処理ユニット
13:溶媒回収ユニット
21:シアン化水素酸の供給
22:硝酸の供給
23:触媒の酸の供給
24:溶媒の供給
25:反応器からの気体生成物流
26:生成物が枯渇した溶媒流
27:溶媒が枯渇した生成物ガス流
28:パージ流(凝縮水および生成物が枯渇した溶媒流)
29:一酸化窒素および不活性ガスを含む気体流
30:エタンジニトリルを回収するための洗浄用溶媒
31:エタンジニトリルおよび水を有する溶媒
32:エタンジニトリル生成物ガス流
33:酸素を含むガス
34:水の供給
35:二酸化窒素ガス流
36:排気ガス流
37:リサイクルされた硝酸
38:反応混合物の部分量
39:溶媒および水の流れ
40:回収した触媒のためのリサイクルループ
41:方法から除去された水
42:オーバーヘッド流
43:溶媒、エタンジニトリルおよびシアン化水素酸のバイパス流
44:溶媒および水の混合物の凝縮液体分画
例:
例においてのみ、エタンジニトリルの収率を容易に測定する目的で、流出生成物ガスを、気体状態のまま残るNOおよびN2とは対照的にエタンジニトリルを完全に吸収する塩基性ストリッパ(KOH溶液)に通した。例に示すように、本方法は、二酸化窒素および他の高次酸化窒素化合物,Nxy,yは2xである,として纏められる,の発生を避ける。
例1:
アセトニトリル(694mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.5g、42mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。2時間以内に、シアン化水素酸(HCN、100%、63.1g)および硝酸(65重量%、84.5g)を先の温度で同時に供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに30分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:エタンジニトリル((CN)2):64.9%、NOおよびN2:32.5%、CO2:2.6%、HCN:0%、H2O:0%およびアセトニトリル(溶媒のピーク)。
−15℃に温度調節した冷却器において、アセトニトリルを気体混合物から除去した。続いて、残りの気体混合物をKOH水溶液(10重量%)に通した。吸収された(CN)2を測定すると54gであり、85%の収率に対応していた。
例2:
アセトニトリル(902mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、7g、30mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。2.5時間以内に、HCN(81.6g)および硝酸(65重量%、102.6g)を先の温度で同時に混合物へ供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに60分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:(CN)2:65.6%、NOおよびN2:31.7%、CO2:2.8%、HCN:0%、H2O:0%およびアセトニトリル(溶媒のピーク)。−15℃に温度調節した冷却器において、アセトニトリルを気体混合物から除去した。続いて、残りの気体混合物をKOH水溶液(10重量%)に通し、(CN)2およびCO2をほぼ完全に吸収させた。吸収された(CN)2を測定すると65gであり、80%の収率に対応していた。
例3:
アセトニトリル(660mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.0g、40mmol)およびH2O(63.0mL)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。4.5時間以内に、HCN(100%、149.8g)および硝酸(65重量%、194g)を先の温度で同時に混合物へ供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに60分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:(CN)2:69.3%、NOおよびN2:28.5%、CO2:0.5%、HCN:1.3%、H2O:0%およびアセトニトリル(溶媒のピーク)。−15℃に温度調節した冷却器において、アセトニトリルを気体混合物から除去した。続いて、残りの気体混合物をKOH水溶液(10重量%)に通し、ここで(CN)2およびCO2を吸収させた。吸収された(CN)2を測定すると116gであり、78%の収率に対応していた。
例4:
スルホラン(356mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.0g、40mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。3時間以内に、HCN(100%、99.7g)および硝酸(65重量%、129.6g)を先の温度で同時に混合物へ供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに30分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:(CN)2:46.1%、NO+N2:42.0%、CO2:10.7%、HCN:0.3%、H2O:0.3%。気体混合物をKOH水溶液(10重量%)に通し、ここで(CN)2およびCO2を吸収させた。吸収されたエタンジニトリルを測定すると72gであり、54%の収率に対応していた。
例5:
2Lの容器(Labmax, Mettler)内で、硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.0g、40mmol)、アセトニトリル(600mL)および水(63mL)を、窒素下で調製し、70℃まで加熱した。3時間以内に、シアン化水素酸(100%、0.54g/分)および硝酸(65重量%、0.72g/分)を、同時に混合物へ供給し、続けて先の温度でさらに30分間にわたって攪拌した。全反応時間にわたって、ある量を反応混合物から連続的に放出し、さらに、アセトニトリル(600mL)中の硝酸銅(II)三水和物(10.0g)を連続的に補充した。放出および注入の両方とも、1.5g/分の供給速度で行った。HCNの添加により混合物から即時に接近するガス流は無色であった。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は全反応時間にわたって以下の組成を有していた:(CN)2:70.6ないし71.4%、NO+N2:27.9ないし29.9%、CO2:0.3ないし0.8%、HCN:0ないし0.5%、H2O:0ないし0.1%。気体生成物流を−15℃に保たれた冷却器に通し、アセトニトリルを除去した。最終的に、(CN)2(79g)が得られ、収率は80%であった。
比較例1:
US 3,949,061のexample 2 run 4にしたがって、硝酸銅(II)水溶液(500mL、190.5gの硝酸銅(II)を含む、750mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、65重量%の硝酸(79g)を用いてpHを約0に調節した。30分以内に、HCN(100%、41.5g)を20℃で攪拌しながら供給した。HCNの添加により、NO2の存在を示す茶色のガスが混合物から放出された。混合物を30分以内に30℃まで加熱し、さらに30分間にわたって一定に攪拌した。続けてさらなるHCN(15.5g)を30℃で供給した。混合物を30℃でさらに30分にわたって攪拌した。第1のHCN投与量から始めて、酸素を、フリットを通して混合物に15分間にわたって0.23mol/時で、その後0.12mol/時に減らして供給し、これを反応が終わるまで続けた。排出ガスのガスクロマトグラフ分析から、反応の途中で(CN)2の含流量が22.3%から4.5%へと減少したことがわかった。低い収率およびさらには排出ガス中の(CN)2の含有量の低下により、反応温度を20℃から30℃に高め、並行してさらに3時間にわたってHCNおよびO2の投与を継続した。しかしながら、(CN)2は4.6%に低下し、NO、Nxy,yは2xである,およびN2は74%まで増加し、一方でHCNは約20%まで増加した。反応の最中、透明な青色溶液が緑みの懸濁液に変わり、白色の沈降物が現れた。この白色の沈降物は、不溶性のCuCNおよびオキサミド(NC−C(O)NH2)であることがわかり、後者は(CN)2の加水分解生成物であった。(CN)2の最終収率:13%。
比較例2:
2Lの容器(Labmax, Mettler)内に、US3997653にしたがい、10.5gの硝酸銅(II)三水和物の混合物(95重量%、10.5g、42mmol)をアセトニトリル(693mL)と共に入れ、70℃まで加熱した。0.54mol/時(0.35mL/分)の供給速度でHCNを添加した。HCNを添加すると、NO2の存在を示す茶色いガスが混合物から放出された。第1のHCN投与量から始めて、酸素をフリットを通して混合物に3時間の期間にわたって0.23mol/時(60mL/分)で供給した。反応の途中、青色溶液が緑みの懸濁液に変わり、白色の沈殿物が現れた。排出ガスのガスクロマトグラフ分析から、(CN)2の含有量の35から27%への減少が明らかになった。NO、Nxy,yは2xである,およびN2は約56%のままであり、CO2含有量は7.6から0%となり、一方でHCN含有量は0から14%まで増加した。(CN)2の最終収率:38%。

Claims (15)

  1. 第二銅イオン触媒および非プロトン性極性溶媒の存在下でのシアン化水素酸の触媒酸化による、液相でのエタンジニトリルの調製方法であって、硝酸を唯一の酸化剤として反応混合物へ添加することを特徴とする方法。
  2. シアン化水素酸および硝酸を反応混合物へ同時に供給する請求項1に記載の方法。
  3. 前記液相の20重量%までの量で水が前記反応混合物中に存在することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記非プロトン性極性溶媒が、有機ニトリル、エーテル、グリコール誘導体、有機ニトロ化合物、スルホン、エステル、アミド、チオアミドおよび極性の芳香族複素環化合物から選択されることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記第二銅イオンは、銅(0)金属もしくは合金または銅(0)錯体、銅(I)塩または銅(I)錯体、銅(II)塩または銅(II)錯体、およびこれらの混合物から生じる請求項1ないし4の何れか1項に記載の方法。
  6. 硝酸およびシアン化水素酸を1:2.5ないし1:3.5の範囲内にあるモル比で同時に添加することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. エタンジニトリルと一酸化窒素とを含む生成物ガス流を反応器から連続的に除去して、さらなる処理に供し、エタンジニトリルを前記生成物ガス流から分離させる請求項1ないし6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記生成物ガス流のエタンジニトリルを溶媒中に吸収させて、前記溶媒から回収する請求項1ないし7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記生成物ガス流の一酸化窒素を別の反応器へ供給し、ここでこれを酸素含有ガスによって酸化させて二酸化窒素を得て、これを水に吸収させて硝酸を得て、これをシアン化水素酸との反応にリサイクルさせる請求項1ないし8の何れか1項に記載の方法。
  10. 方法を連続プロセスとして行う請求項1ないし9の何れか1項に記載の方法。
  11. 硝酸とシアン化水素酸との反応を、エタンジニトリルの処理に使用する溶媒と実質的に同じ有機溶媒中で行う請求項10に記載の方法。
  12. 前記有機溶媒がアセトニトリルである請求項11に記載の方法。
  13. 硝酸とシアン化水素酸との反応をアセトニトリル中で行い、前記生成物ガス流の一酸化窒素を向流のアセトニトリルとともに吸収塔へ供給し、前記向流のアセトニトリルは主にエタンジニトリルを吸収する一方、一酸化窒素は気体の形態のままであり、最終的には、生成物エタンジニトリルをアセトニトリルから回収して前記方法から除去する一方、回収したアセトニトリルを前記方法へリサイクルさせる請求項1ないし12の何れか1項に記載の方法。
  14. 生成物エタンジニトリルを脱離塔においてアセトニトリルから回収する請求項13に記載の方法。
  15. 回収した一酸化窒素を酸素含有ガスの存在下で酸化させて二酸化窒素を得て、これを水と反応させて硝酸カラムを得て、任意に前記リサイクルさせた硝酸を前記方法において再使用する請求項13に記載の方法。
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