JP4965744B2 - エタンジニトリルの調製方法 - Google Patents
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6HCN + 2NO3 →3(CN)2 + 2NO +4H2O (I)
式Iによると、2モルの硝酸が、6モルのシアン化水素酸と反応するプロセスにおいて消費されて、3モルのエタンジニトリルと、2モルの一酸化窒素と、4モルの水とが得られる。しかしながら、出発量の硝酸のみが必要とされる連続操作プロセスにおいて、得られる一酸化窒素は、少なくとも理論的には、元素状酸素によって再酸化されかつ水と反応して硝酸となりうる。
図1:
図1は、硝酸のリサイクルを伴う方法の一般的な形態を図示している。反応器01は、シアン化水素酸、硝酸、触媒および溶媒の供給をそれぞれ行うためのライン21、22、23および24を備えている。連続プロセスにおいて、硝酸、溶媒および触媒のほとんどがリサイクルライン37、40および43を通してリサイクルされるが、ライン22、23および24はこの方法の最中の補給目的としても使用でき、他方、ライン21は、反応の最中に必要とされるシアン化水素酸を提供するのにも使用される。ライン33および34は一酸化窒素を再酸化させるための元素状酸素および水をそれぞれ提供する。
ライン27の熱力学的性質に依存するが、エタンジニトリルを回収するための様々な分離技術を使用することができる。好適な実施形態は、吸収塔と溶媒をリサイクルさせるための再生ユニットとの併用である。エタンジニトリルは、吸収塔の溶媒中に高い選択性で吸収され、脱離、蒸留または精留を含む次の再生ユニットで放出される。さらなる処理の可能性は、好適な溶媒での不活性ガスの吸収である。それゆえに、エタンジニトリルは、第1塔のヘッド生成物(head product)である。
有機溶媒、水および触媒を含む混合物の熱力学的性質に依存するが、たとえば非共沸混合物のための単蒸留または精留、当業者に知られている好適な塔構造における共沸性混合物のための圧力スイング精留または同伴剤(entrainment agent)(たとえばエーテルまたは炭化水素)を用いる精留を使用して分離を行うことができる。塔は、棚段塔、気泡塔もしくは気泡棚段塔か、または規則もしくは不規則充填剤を有する塔から選択できる。あるいは、反応水を分離するのに、膜分離技術たとえば蒸発脱水、浸透蒸発または限外濾過を使用できる。上述の方法に加えて、水を反応混合物から分離するのに、吸着、吸収または抽出の工程を使用することもできる。
図2は、主極性溶媒としてアセトニトリルを使用する、好ましい形態の方法を図示している。図1によると、反応器01は、シアン化水素酸、硝酸、触媒および有機溶媒(すなわちアセトニトリル)をそれぞれ供給するためのライン21、22、23および24を備えている。また、硝酸、有機溶媒(すなわちアセトニトリル)および触媒は、リサイクルライン37、40および43をそれぞれ通ってさらに供給される。ライン22、23および24は、この方法の最中の補給目的のためにも使用でき、一方でライン21は反応の最中に必要とされるシアン化水素酸を供給するのにも使用される。ライン33および34は、一酸化窒素を再酸化させるために、元素状酸素および水をそれぞれ供給する。
01:反応器
02:熱交換器(凝縮器)
03:吸収塔
04:熱交換器
05:脱離塔
06:熱交換器
07:反応器
08:反応器
09:精留塔
10:蒸留塔
11:熱交換器
12:一酸化窒素からの生成物回収のための処理ユニット
13:溶媒回収ユニット
21:シアン化水素酸の供給
22:硝酸の供給
23:触媒の酸の供給
24:溶媒の供給
25:反応器からの気体生成物流
26:生成物が枯渇した溶媒流
27:溶媒が枯渇した生成物ガス流
28:パージ流(凝縮水および生成物が枯渇した溶媒流)
29:一酸化窒素および不活性ガスを含む気体流
30:エタンジニトリルを回収するための洗浄用溶媒
31:エタンジニトリルおよび水を有する溶媒
32:エタンジニトリル生成物ガス流
33:酸素を含むガス
34:水の供給
35:二酸化窒素ガス流
36:排気ガス流
37:リサイクルされた硝酸
38:反応混合物の部分量
39:溶媒および水の流れ
40:回収した触媒のためのリサイクルループ
41:方法から除去された水
42:オーバーヘッド流
43:溶媒、エタンジニトリルおよびシアン化水素酸のバイパス流
44:溶媒および水の混合物の凝縮液体分画
例においてのみ、エタンジニトリルの収率を容易に測定する目的で、流出生成物ガスを、気体状態のまま残るNOおよびN2とは対照的にエタンジニトリルを完全に吸収する塩基性ストリッパ(KOH溶液)に通した。例に示すように、本方法は、二酸化窒素および他の高次酸化窒素化合物,NxOy,yは2xである,として纏められる,の発生を避ける。
アセトニトリル(694mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.5g、42mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。2時間以内に、シアン化水素酸(HCN、100%、63.1g)および硝酸(65重量%、84.5g)を先の温度で同時に供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに30分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:エタンジニトリル((CN)2):64.9%、NOおよびN2:32.5%、CO2:2.6%、HCN:0%、H2O:0%およびアセトニトリル(溶媒のピーク)。
アセトニトリル(902mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、7g、30mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。2.5時間以内に、HCN(81.6g)および硝酸(65重量%、102.6g)を先の温度で同時に混合物へ供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに60分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:(CN)2:65.6%、NOおよびN2:31.7%、CO2:2.8%、HCN:0%、H2O:0%およびアセトニトリル(溶媒のピーク)。−15℃に温度調節した冷却器において、アセトニトリルを気体混合物から除去した。続いて、残りの気体混合物をKOH水溶液(10重量%)に通し、(CN)2およびCO2をほぼ完全に吸収させた。吸収された(CN)2を測定すると65gであり、80%の収率に対応していた。
アセトニトリル(660mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.0g、40mmol)およびH2O(63.0mL)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。4.5時間以内に、HCN(100%、149.8g)および硝酸(65重量%、194g)を先の温度で同時に混合物へ供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに60分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:(CN)2:69.3%、NOおよびN2:28.5%、CO2:0.5%、HCN:1.3%、H2O:0%およびアセトニトリル(溶媒のピーク)。−15℃に温度調節した冷却器において、アセトニトリルを気体混合物から除去した。続いて、残りの気体混合物をKOH水溶液(10重量%)に通し、ここで(CN)2およびCO2を吸収させた。吸収された(CN)2を測定すると116gであり、78%の収率に対応していた。
スルホラン(356mL)中の硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.0g、40mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、70℃まで加熱した。3時間以内に、HCN(100%、99.7g)および硝酸(65重量%、129.6g)を先の温度で同時に混合物へ供給した。完全に添加したのち、混合物をさらに30分間攪拌した。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は以下の組成を有していた:(CN)2:46.1%、NO+N2:42.0%、CO2:10.7%、HCN:0.3%、H2O:0.3%。気体混合物をKOH水溶液(10重量%)に通し、ここで(CN)2およびCO2を吸収させた。吸収されたエタンジニトリルを測定すると72gであり、54%の収率に対応していた。
2Lの容器(Labmax, Mettler)内で、硝酸銅(II)三水和物(95重量%、10.0g、40mmol)、アセトニトリル(600mL)および水(63mL)を、窒素下で調製し、70℃まで加熱した。3時間以内に、シアン化水素酸(100%、0.54g/分)および硝酸(65重量%、0.72g/分)を、同時に混合物へ供給し、続けて先の温度でさらに30分間にわたって攪拌した。全反応時間にわたって、ある量を反応混合物から連続的に放出し、さらに、アセトニトリル(600mL)中の硝酸銅(II)三水和物(10.0g)を連続的に補充した。放出および注入の両方とも、1.5g/分の供給速度で行った。HCNの添加により混合物から即時に接近するガス流は無色であった。HNCの添加により、NO2を含まないことを示す無色ガスが混合物から放出された。ガスクロマトグラフ分析によると、流出ガス生成物は全反応時間にわたって以下の組成を有していた:(CN)2:70.6ないし71.4%、NO+N2:27.9ないし29.9%、CO2:0.3ないし0.8%、HCN:0ないし0.5%、H2O:0ないし0.1%。気体生成物流を−15℃に保たれた冷却器に通し、アセトニトリルを除去した。最終的に、(CN)2(79g)が得られ、収率は80%であった。
US 3,949,061のexample 2 run 4にしたがって、硝酸銅(II)水溶液(500mL、190.5gの硝酸銅(II)を含む、750mmol)を、窒素下で2Lの容器(Labmax, Mettler)に入れ、65重量%の硝酸(79g)を用いてpHを約0に調節した。30分以内に、HCN(100%、41.5g)を20℃で攪拌しながら供給した。HCNの添加により、NO2の存在を示す茶色のガスが混合物から放出された。混合物を30分以内に30℃まで加熱し、さらに30分間にわたって一定に攪拌した。続けてさらなるHCN(15.5g)を30℃で供給した。混合物を30℃でさらに30分にわたって攪拌した。第1のHCN投与量から始めて、酸素を、フリットを通して混合物に15分間にわたって0.23mol/時で、その後0.12mol/時に減らして供給し、これを反応が終わるまで続けた。排出ガスのガスクロマトグラフ分析から、反応の途中で(CN)2の含流量が22.3%から4.5%へと減少したことがわかった。低い収率およびさらには排出ガス中の(CN)2の含有量の低下により、反応温度を20℃から30℃に高め、並行してさらに3時間にわたってHCNおよびO2の投与を継続した。しかしながら、(CN)2は4.6%に低下し、NO、NxOy,yは2xである,およびN2は74%まで増加し、一方でHCNは約20%まで増加した。反応の最中、透明な青色溶液が緑みの懸濁液に変わり、白色の沈降物が現れた。この白色の沈降物は、不溶性のCuCNおよびオキサミド(NC−C(O)NH2)であることがわかり、後者は(CN)2の加水分解生成物であった。(CN)2の最終収率:13%。
2Lの容器(Labmax, Mettler)内に、US3997653にしたがい、10.5gの硝酸銅(II)三水和物の混合物(95重量%、10.5g、42mmol)をアセトニトリル(693mL)と共に入れ、70℃まで加熱した。0.54mol/時(0.35mL/分)の供給速度でHCNを添加した。HCNを添加すると、NO2の存在を示す茶色いガスが混合物から放出された。第1のHCN投与量から始めて、酸素をフリットを通して混合物に3時間の期間にわたって0.23mol/時(60mL/分)で供給した。反応の途中、青色溶液が緑みの懸濁液に変わり、白色の沈殿物が現れた。排出ガスのガスクロマトグラフ分析から、(CN)2の含有量の35から27%への減少が明らかになった。NO、NxOy,yは2xである,およびN2は約56%のままであり、CO2含有量は7.6から0%となり、一方でHCN含有量は0から14%まで増加した。(CN)2の最終収率:38%。
Claims (15)
- 第二銅イオン触媒および非プロトン性極性溶媒の存在下でのシアン化水素酸の触媒酸化による、液相でのエタンジニトリルの調製方法であって、硝酸を唯一の酸化剤として反応混合物へ添加することを特徴とする方法。
- シアン化水素酸および硝酸を反応混合物へ同時に供給する請求項1に記載の方法。
- 前記液相の20重量%までの量で水が前記反応混合物中に存在することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記非プロトン性極性溶媒が、有機ニトリル、エーテル、グリコール誘導体、有機ニトロ化合物、スルホン、エステル、アミド、チオアミドおよび極性の芳香族複素環化合物から選択されることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の方法。
- 前記第二銅イオンは、銅(0)金属もしくは合金または銅(0)錯体、銅(I)塩または銅(I)錯体、銅(II)塩または銅(II)錯体、およびこれらの混合物から生じる請求項1ないし4の何れか1項に記載の方法。
- 硝酸およびシアン化水素酸を1:2.5ないし1:3.5の範囲内にあるモル比で同時に添加することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- エタンジニトリルと一酸化窒素とを含む生成物ガス流を反応器から連続的に除去して、さらなる処理に供し、エタンジニトリルを前記生成物ガス流から分離させる請求項1ないし6の何れか1項に記載の方法。
- 前記生成物ガス流のエタンジニトリルを溶媒中に吸収させて、前記溶媒から回収する請求項1ないし7の何れか1項に記載の方法。
- 前記生成物ガス流の一酸化窒素を別の反応器へ供給し、ここでこれを酸素含有ガスによって酸化させて二酸化窒素を得て、これを水に吸収させて硝酸を得て、これをシアン化水素酸との反応にリサイクルさせる請求項1ないし8の何れか1項に記載の方法。
- 方法を連続プロセスとして行う請求項1ないし9の何れか1項に記載の方法。
- 硝酸とシアン化水素酸との反応を、エタンジニトリルの処理に使用する溶媒と実質的に同じ有機溶媒中で行う請求項10に記載の方法。
- 前記有機溶媒がアセトニトリルである請求項11に記載の方法。
- 硝酸とシアン化水素酸との反応をアセトニトリル中で行い、前記生成物ガス流の一酸化窒素を向流のアセトニトリルとともに吸収塔へ供給し、前記向流のアセトニトリルは主にエタンジニトリルを吸収する一方、一酸化窒素は気体の形態のままであり、最終的には、生成物エタンジニトリルをアセトニトリルから回収して前記方法から除去する一方、回収したアセトニトリルを前記方法へリサイクルさせる請求項1ないし12の何れか1項に記載の方法。
- 生成物エタンジニトリルを脱離塔においてアセトニトリルから回収する請求項13に記載の方法。
- 回収した一酸化窒素を酸素含有ガスの存在下で酸化させて二酸化窒素を得て、これを水と反応させて硝酸カラムを得て、任意に前記リサイクルさせた硝酸を前記方法において再使用する請求項13に記載の方法。
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