JP4965205B2 - 心拍ゆらぎ検出装置 - Google Patents

心拍ゆらぎ検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、心電波形や脈拍等の生体信号に基づいて拍動のゆらぎを可視化する技術に関するものである。
従来より、交感神経と副交感神経の亢進状態の評価方法として、ローレンツプロットが知られている。一般に交感神経と副交感神経とはバランスがとれていることが重要であり、交感神経と副交感神経とのバランスの乱れは拍動(心拍)のゆらぎに影響を及ぼす。
ローレンツプロットとは、この拍動のゆらぎを、心電波形や脈拍等の生体信号に基づいて可視化したものであり、広く知られている。
図23、図24は、心電波形に基づいてローレンツプロットを生成する方法を示した図である。図23の2301に示すような心電波形が収集されると、まず、R波の位置が同定され、R−R間隔が算出される。R波とは心電波形のピーク部分をいい、R−R間隔とはR波のn拍目(nは任意の整数)とn+1拍目の心拍間隔をいう。図23の例では、R波の位置はそれぞれ、R1、R2、R3、R4と同定され、R−R間隔はそれぞれT21、T32、T43と算出される。
そして、当該算出されたR−R間隔に基づいて、図24に示す2次元グラフ領域に、T21を横軸に、T32を縦軸にプロットする。更に、T32を横軸に、T43を縦軸にプロットする。このような処理を、連続するR−R間隔に対して順次行うことで、ローレンツプロットが生成される。図25は、生成されたローレンツプロットの一例を示す図であり、(a)は一般にバランスがとれた良好な状態を示しており、(b)、(c)はバランスがとれていない状態を示している((b)はストレス・疾患パターンを、(c)は不整脈パターンをそれぞれ示している)。
このような方法により生成されるローレンツプロットを応用した技術として、本願出願人は、これまでいくつかの提案を行っている。例えば、下記特許文献1では、当該ローレンツプロットを心電波形の測定と並行してリアルタイムに表示させることで、被測定者がその場で拍動のゆらぎを把握できるリアルタイム拍動モニタを提案している。
また、下記特許文献2では、表示された被測定者のローレンツプロットに対して、被測定者の特徴情報(年齢と性別)に対応する平均的なローレンツプロットの分布領域を重畳して表示させることで、被測定者が拍動のゆらぎを対比して判断できるようにした心拍間隔表示装置を提案している。
特開2001−212095号公報 特開2001−212089号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2の場合、拍動のゆらぎを把握し、自身の健康状態を確認することはできるが、拍動のゆらぎが良好でなかった場合に、被測定者にとっては、どのようにして改善したらよいのかがわからないといった問題がある。むやみに運動したりするとかえって交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、拍動のゆらぎが悪化することも考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、検出された拍動に基づいて得られた時間領域解析結果を表示する装置であって、被測定者の拍動のゆらぎを改善させるための機能を備えた装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る心拍ゆらぎ検出装置は以下のような構成を備える。即ち、
被測定者の拍動を検出し、拍動間隔を抽出する抽出手段と、
前記抽出されたn拍目の拍動間隔とn+1拍目の拍動間隔とを、2次元グラフ領域の縦軸または横軸として順次プロットする場合の各座標データを算出する座標算出手段と、
所定時間内に算出された前記座標データのばらつきを算出するばらつき算出手段と、
前記被測定者の体温情報を取得する取得手段と、
所定のばらつき閾値に対する前記算出されたばらつきの大小と、所定の体温閾値に対する前記取得された体温情報の大小とに基づいて、交感神経が優位な状態であるのか副交感神経が優位な状態であるのかを判定するとともに、該優位な状態の継続状況を判定する判定手段と、
単位時間あたりの呼吸回数を時間経過とともに変更していくための、複数の変更パターンであって、開始時の単位時間あたりの呼吸回数が互いに異なっており、かつ、終了時の単位時間あたりの呼吸回数が互いに等しくなるように構成された該複数の変更パターンの中から、前記判定手段による判定結果に対応付けられた変更パターンを選択する選択手段と、
前記被測定者の交感神経と副交感神経とのバランスを改善するための呼吸動作として、前記選択手段により選択された変更パターンによる呼吸動作が記録された動画像を表示する表示手段とを備える。
本発明によれば、検出された拍動に基づいて得られた時間領域解析結果を表示する表示する装置であって、被測定者の拍動のゆらぎを改善させるための機能を備えた装置を提供することが可能となる。
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。なお、以下の各実施形態で説明する心拍ゆらぎ検出装置は、時間領域解析の幾何学的図形解析法の1つであるローレンツプロットを表示する装置として説明するが、本発明は以下に記載の実施形態に限定されるものではない。例えば、他の心拍変動指標として、時間領域解析の幾何学的図形解析法の1つであるトライアングルインデックスや、時間/領域解析であるSDNN、SDANN、r−MSSD、RR50(NN50)、pNN50(φ0NN50)、CVRR等を表示する装置にも適用可能である。
[第1の実施形態]
1.装置の外観構成
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置の外観構成を示す図である。同図において、101はハウジングであり、内部の電子機器を覆うとともに、装置の外形を形成する。ハウジング101の一部分(102に示す部分)には、拍動を検出するための電極が埋め込まれており、被測定者が102に示す部分に身体の適所、例えば手のひらを当てることにより、被測定者の拍動を検出することができる。
103は表示/操作部であり、検出された拍動に基づいて時間領域解析法で得られるデータの1つとしてのローレンツプロットを表示すると共に、被測定者による各種操作を受け付ける。
なお、図1には示されていないが、本実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置には、被測定者の生体情報(体温、血圧等)を検出する生体情報検出手段が接続できるように構成されているものとする。以下、生体情報として体温に基づき説明するが、血圧についても同様に適用できる。
2.装置の機能構成
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置の機能構成を示す図である(生体情報検出手段としての体温計が接続された場合の機能構成を示している)。同図において、201はクロック部であり、クロック信号を発振し、CPU202に供給する。202はCPUであり、クロック部201より発振されたクロック信号に基づいて動作する。203はRAMであり、CPU202において処理されるプログラムのワークエリアとして機能するとともに、プログラム処理時にデータ等を一時的に記憶する記憶手段としても機能する。204はROMであり、CPU202にて処理されるプログラムが格納されている。
205は表示/操作部であり、CPU202において処理された処理結果を表示するとともに、被測定者からの指示入力を受け付ける。206は電極であり、被測定者の拍動を検出し、電気信号を出力する。207はアンプであり、電極206より出力された電気信号を増幅するとともに、デジタル信号(以下、心拍測定データ)に変換する。
208は生体情報検出手段としての体温計であり、被測定者の体温を検出し、電気信号を出力する。209はアンプであり、体温計208より出力された電気信号を増幅するとともに、デジタル信号(以下、体温測定データ)に変換する。
210はデータ記録部であり、CPU202において心拍測定データを処理することにより得られた算出データならびに体温測定データ、および表示/操作部205を介して被測定者が設定した被測定者に関する情報(設定データ:例えば、年齢、性別)等を記録する。
ROM204に格納されたプログラムにより実現される機能を221から229に示す。221は心拍検出処理部であり、アンプ207より出力された心拍測定データを受信する。222は心拍間隔検出処理部であり、受信した心拍測定データに基づいて、心拍波形のR波を同定したのち、各R−R間隔を算出し、ローレンツプロットデータ(2次元グラフ領域にローレンツプロットを表示するための座標データ)を生成する。また、所定時間、例えば1分間あたりの心拍数を算出する。更に、測定が完了した際には、ゆらぎ度および目標達成度を算出する。なお、ゆらぎ度とは、2次元グラフ領域の分布領域の大きさ(本実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置にあっては、ローレンツプロットデータのばらつき)のことをいうものとする。また、目標達成度とは、被測定者に関する情報(年齢、性別)に対応する平均的なローレンツプロットの分布領域の大きさに対する、生成されたローレンツプロットの分布領域の大きさの割合をいう。
223は表示処理部であり、測定開始時においては、被測定者により予め入力された設定データを表示/操作部205上に表示する。また、測定中は、心拍間隔検出処理部222において生成されたローレンツプロットデータに基づいて、表示/操作部205上にローレンツプロットを表示するとともに、心拍波形のR波のタイミングに合わせて、文字、記号、シンボルマーク等で表示される心拍検出マーク(後述)を点滅させ、更に心拍数を表示する。更に、測定完了時には、算出されたゆらぎ度および目標達成度を表示する。また、後述する体温入力処理部において受信された体温測定データを表示する。更に、測定された体温測定データおよび算出されたゆらぎ度を用いて判定された被測定者の健康状態に応じて、被測定者の交感神経と副交感神経とのバランスを改善するための呼吸方法を記録した動画像を表示する。更に、後述するトレンド処理部により抽出されたゆらぎ度をトレンドグラフとして表示する。
224はデータ記録処理部であり、算出されたローレンツプロットデータ、ゆらぎ度、目標達成度、および入力された設定データのほか、体温測定データ等を、データ記録部210に記録する。
225はトレンド処理部であり、データ記録部210に記録された過去のゆらぎ度および体温測定データを抽出し時系列に配列する。なお、特定の設定データと対応づけられたゆらぎ度及び体温測定データのみを抽出したうえで、時系列に配列することも可能である。なお、ゆらぎ度を昇順、降順、頻度順、日付毎等、任意に選択して配列することも可能である。
226はユーザ入力処理部であり、表示/操作部205を介して入力された設定データを受信する。227は体温入力処理部であり、アンプ209より出力された体温測定データを受信する。
228は判定処理部であり、算出されたゆらぎ度および体温測定データに基づいて、被測定者の健康状態を判定する。229は、判定処理部228において判定された被測定者の健康状態に応じた複数の動画像であり、被測定者の交感神経と副交感神経とのバランスを改善するための最適な呼吸方法がそれぞれ記録されている。
3.装置における画面構成
図3は、表示/操作部205の画面例を示す図である(なお、画面は液晶画面のほか、視認性の高い有機ELなどを用いても良い)。301はデータ表示部であり、表示処理部223が各種データを表示する。図3の例では、ローレンツプロットを表示するための画面が図示されており、横軸および縦軸の単位はmsecである。309、310はそれぞれデータ表示部301をスクロールするためのスクロールバーである。305は、カーソル、スクロールバーを任意に移動させるための十字キーである。
302は測定ボタンであり、被測定者が測定ボタン302を押下することにより、測定を開始する。
303はトレンド表示ボタンであり、データ表示部301上にゆらぎ度のトレンドグラフを表示する。304はトレンド表示終了ボタンであり、データ表示部301上のトレンドグラフの表示を終了させ、ローレンツプロットの表示に戻す。
4.装置における処理の流れ(全体)
図4は、本発明の第1の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置における全体処理の流れを示すフローチャートである。ステップS401において装置の電源が投入されると、ステップS402では、表示/操作部205に初期画面(例えば、図3に示す画面)が表示される。
ステップS403では、被測定者によりどのような操作が行われたのかを判定する。被測定者により測定ボタン302が押下されたと判定された場合には、ステップS404に進み、測定処理を実行する(測定処理の詳細は、後述)。一方、被測定者によりトレンド表示ボタン303が押下されたと判定された場合には、ステップS409に進み、トレンド表示処理を実行する(トレンド表示処理の詳細は、後述)。
ステップS404における測定処理が終了すると、ステップS405に進み、算出されたローレンツプロットデータ等をデータ記録部210に保存するか否かを判定する。被測定者より保存指示が入力された場合には、ステップS406に進み、ローレンツプロットデータ等の保存処理(保存処理の詳細は後述)を行う。
ステップS405において保存指示が入力されなかったと判定された場合、またはステップS406においてローレンツプロットデータ等の保存処理が終了した場合には、ステップS407に進む。
ステップS407では、動画表示を行うか否かを判定する。被測定者より動画表示指示が入力された場合には、ステップS408に進み、動画表示(動画表示処理の詳細は後述)を行った後、ステップS410に進む。
ステップS410では、電源OFF操作がなされたか否かを判定し、電源OFF操作がなされていなければ、ステップS403に戻り、上記処理を繰り返す。
一方、ステップS408において電源OFF操作がなされた場合には、処理を終了する。
5.測定処理(ステップS404)の詳細
図5A〜図9を用いて、測定処理(ステップS404)の詳細について説明する。図5Aは、測定処理(ステップS404)の流れを示すフローチャートである。
測定ボタン302が押下され測定処理が起動すると、ステップS501では、データ表示部301に設定データ入力画面を表示し、設定データが入力されたか否かを判定する。
例えば、図6はデータ表示部301に設定データ入力画面601が表示された様子を示す図である。同図に示すように、本実施形態の場合、例えば、測定に際してはデフォルトされた項目(ここでは602〜606の5項目)について被測定者が設定データを入力する構成となっている。
602は被測定者の年齢、性別を選択する項目である(被測定者の年齢、性別が選択されることで、該年齢、性別に対応する平均的なローレンツプロットの分布領域を呼び出すことができる)。603は被測定者の現在の状況を選択する項目である。604および605は被測定者の主観に基づく被測定者自身の自覚症状についての情報を入力する項目である。具体的には、604は被測定者の現在の精神状態に関する情報を入力する項目である。605は被測定者の現在の体調(肉体的状態)に関する情報を入力する項目である。606は、被測定者が現在服薬している薬に関する情報を入力する項目である。
607は設定ボタンであり、当該設定ボタン607が押下されると、設定項目602から606の設定データを設定したのち、設定データ入力画面601を閉じる。608はキャンセルボタンであり、当該キャンセルボタン608が押下されると設定項目602から606の設定データを設定することなく、設定データ入力画面601を閉じる。設定ボタン607が押下されると、ステップS501において設定データが入力されたと判断し、ステップS502に進む。一方、キャンセルボタン608が押下されると処理を終了する。
ステップS502では、閾値a、bを設定する。なお、閾値a、bの設定処理の詳細な流れは後述する。
ステップS502での処理が終わると、図7に示すように測定開始指示入力画面701が表示され、測定を開始するか否かを判定する。
開始ボタン702が押下された場合には、測定開始指示入力画面701を閉じ、測定(心拍、体温)を開始する(ステップS503において“Yes”)。一方、キャンセルボタン703が押下された場合には、測定開始指示入力画面701を閉じ、処理を終了する(ステップS503において“No”)。
ステップS503において測定が開始されると、ステップS504では、設定データ等の表示を行う。図8は、測定が開始された後のデータ表示部301の一例を示す図である。
同図において、801は心拍検出マークであり、心拍検出処理部221において受信された心拍測定データのR波に合わせて点滅する。802は心拍数表示欄(1分間あたりの心拍の数を表示する欄)である。803は現在の日時を表示する欄である。更に、806の目標設定欄には設定データ入力画面601において被測定者が選択した被測定者の年齢または年齢と性別が表示される(ただし、年齢、性別は表示されなくても良い)。804は選択された被測定者の年齢、性別に対応する平均的なローレンツプロットの分布領域を示したものである。
ステップS505では、心拍検出処理部221が心拍測定データを受信する。また体温入力処理部227が体温測定データを受信する。
ステップS506では、心拍検出処理部211で受信した心拍測定データに基づいて、心拍検出マーク801を点滅させるとともに、心拍数表示欄802に、心拍数をリアルタイム表示する。
ステップS507では、ローレンツプロットを行う。図8の805はローレンツプロットの一例である。ステップS508では、測定が開始されてから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過していなければ、ステップS505に戻る。一方、所定時間経過していれば、ステップS509に進む。なお、所定時間経過するまでの経過を、データ表示部301の任意の位置に表示(セグメント表示などで、カウントダウン表示またはカウントアップ表示)したり、ペット、子供、風景、キャラクタなどを任意に選択して順次画像等を完成させるような画面表示を行ったりしてもよい。また、所定時間経過するまでにローレンツプロットを順次表示することとしたが、所定時間経過後、全てのローレンツプロットを同時に表示するようにしても良い。
ステップS509では、今回測定時の全てのローレンツプロットデータに基づいて、目標達成度及びゆらぎ度を算出し、表示する。好ましくは、更にステップS510では、ローレンツプロットデータの分布領域を示す線を表示する。これにより被測定者に関する情報(年齢、性別)に対応する平均的なローレンツプロットの分布領域の大きさと容易に比較することができる。
ステップS511では、体温測定データをデータ表示部301に表示する。更に、ステップS512では、ステップS509にて算出されたゆらぎ度と、ステップS505にて受信された体温測定データとに基づいて、被測定者の状態を判定する(なお、判定処理の詳細は後述)。また、判定した被測定者の状態に対応するメッセージをデータ表示部301に表示する。
図9は、ローレンツプロットデータの分布領域を示す線901と、目標達成度902、ゆらぎ度903、体温904、メッセージ905が表示された様子を示す図である。
5.1 閾値a、b設定処理(ステップS502)の詳細
上記閾値a、b設定処理(ステップS502)の詳細について図5Bを用いて説明する。ステップS521では、すでに測定されデータ記録部210に記録済みの過去のゆらぎ度を全て読み出す。ステップS522では、ステップS521にて読み出された過去のゆらぎ度の平均値Avgを算出する。ステップS523では、算出されたAvgをゆらぎ度の閾値aに設定する。
ステップS524では、データ記録部210に予め記録されている体温の閾値(理想体温の下限値)を読み出す。ステップS525では、読み出された値を体温の閾値bに設定する。
このように、本実施形態では、ゆらぎ度の閾値は被測定者の過去の測定結果に基づいて設定する。また体温の閾値は、予め定められた値を用いる。
5.2 判定処理(ステップS512)の詳細
次に判定処理(ステップS512)の詳細について図5Cを用いて説明する。ステップS531では、算出されたゆらぎ度が閾値a以上であるか否かを判定する。算出されたゆらぎ度が閾値a以上であると判定された場合には、ステップS532に進み、測定された体温が、閾値b以上であるか否かを判定する。測定された体温が閾値b以上であると判定された場合には、ステップS534に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値a以上であるということは、副交感神経が優位な状態にあり、身体としてはリラックスした状態にあるといえる。更に、体温が閾値b以上であるということは理想体温にあるといえる。したがって、ステップS534では、現在の被測定者は、“ほどよいリラックス状態にあり、バランスのとれた状態にある”と判定する。更に、ステップS535では、動画表示設定に“1”を設定する。
一方、ステップS532において、体温が閾値bより低いと判定された場合には、ステップS536に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値a以上であるということは、副交感神経が優位な状態にあり、身体としてはリラックスした状態にあるといえる。一方、体温が閾値bより低いということは、被測定者は低体温化傾向にあるといえる。したがって、ステップS536では、現在の被測定者は、“リラックス状態が継続し、生命活動自体も低下し、体温の低下を招いている傾向にある”と判定する。更に、ステップS537では、動画表示設定に“2”を設定する。なお、このような状態は、被測定者にとって望ましい状態とはいえず、被測定者は適度な運動を取り入れるなどして、健康を維持するようにしたほうがよいといえる。
一方、ステップS531において、ゆらぎ度が閾値aより小さいと判定された場合には、ステップS533に進み、測定された体温が、閾値b以上であるか否かを判定する。測定された体温が閾値b以上であると判定された場合には、ステップS538に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値aより小さいということは、交感神経が優位な状態にあり、身体としては緊張した状態にあるといえる。一方、体温が閾値b以上であるということは理想体温にあるといえる。したがって、ステップS538では、現在の被測定者は、“ほどよい緊張状態にあり、バランスのとれた状態にある”と判定する。更に、ステップS539では、動画表示設定に“3”を設定する。
一方、ステップS533において、体温が閾値bより低いと判定された場合には、ステップS540に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値aより小さいということは、交感神経が優位な状態にあり、身体としては緊張した状態にあるといえる。更に、体温が閾値bより低いということは、被測定者は低体温化傾向にあるといえる。したがって、ステップS540では、現在の被測定者は、“緊張状態の継続により、血流低下をまねき体温の低下を招いている傾向にある”と判定する。更に、ステップS541では、動画表示設定に“4”を設定する。
ステップS542では、ステップS534または536または538または540での判定結果をデータ表示部301に表示する。
このように本実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置では、拍動のゆらぎのみならず、体温を考慮することで、リラックス状態か緊張状態かを判定するのみならず、リラックス状態が適度に継続しているのか、継続しすぎているのか、あるいは緊張状態が適度に継続しているのか、継続しすぎているのかといった“ゆらぎ状態の継続状況”をも判定することができる。この結果、被測定者の健康状態を総合的に判断することが可能となる。
6.プロットデータ保存処理(ステップS406)の詳細
図10〜図12を用いてプロットデータ保存処理(ステップS406)の詳細について説明する。測定が完了し、分布領域を示す線901と、目標達成度902、ゆらぎ度903、体温904、メッセージ905が表示されると、図11に示すように、データ表示部301には、測定結果保存入力画面1101が表示される。測定結果保存入力画面1101には、保存ボタン1102とキャンセルボタン1103とが含まれる。保存ボタン1102は、被測定者が今回測定した測定結果の保存を指示するためのボタンである。キャンセルボタン1103は、今回測定した測定結果を保存しない旨の指示を入力するためのボタンである。
図11において、保存ボタン1102が押下されると、図10のステップS1001では、今回測定時に設定された各種設定データをデータ記録部210に記録する。更に、ステップS1002では、該設定データに対応付けて算出データ(ゆらぎ度903)ならびに体温測定データ(体温904)をデータ記録部210に記録する。なお、このとき、測定完了時の日時もあわせて記録する。
図12は、プロットデータ保存処理によりデータ記録部210に記録された各種データ(日時、設定データ、算出データ、体温測定データ)の一例を示す図である。
同図において、1201はデータ番号であり、保存するデータごとに、保存する順序に従って昇順に付される。
1202は測定完了の日時である。1203から1207は、測定の際に被測定者が入力した設定データであり、1208は算出データである。具体的には、1208はゆらぎ度である。1209は体温測定データである。
7.動画表示処理(ステップS408)の詳細
図13〜図15を用いて動画表示処理(ステップS408)の詳細について説明する。プロットデータ保存処理(ステップS406)が完了すると(あるいは、プロットデータ保存処理がキャンセルされると)、図13に示すように、データ表示部301には、動画表示指示入力画面1301が表示される。動画表示指示入力画面1301には、行うボタン1302とキャンセルボタン1303とが含まれる。行うボタン1302は、判定結果に応じた動画像の表示を指示するためのボタンである。キャンセルボタン1303は、動画像の表示を行わない旨の指示を入力するためのボタンである。
図13において、行うボタン1302が押下されると、図14のステップS1401では、現在設定されている動画表示設定を読み込む(図5Cに示すように、判定処理が実行されるごとに、1〜4のいずれかの値が動画表示設定値として設定される)。
ステップS1402では、読み込まれた動画表示設定に対応する動画像229を読み込む(つまり、判定結果に応じて表示される動画像が切り替えられる)。図15(a)は、動画表示設定と動画像229との対応関係を示すテーブルである。各動画表示設定値には、それぞれ別々の動画像が対応している。なお、本実施形態における動画像とは、いずれも被測定者に適切な深呼吸を促すための動作が記録された動画像であり、インストラクタが所定のペースで深呼吸を行っている様子を撮像した動画像である。ただし、動画像ごとに深呼吸のペースが異なっているものとする。
図15(b)は、各動画表示設定値ごとに異なる動画像における、深呼吸のペースの変遷を示したグラフである。横軸は、動画像の表示を開始してからの経過時間(分)を示しており、縦軸は、動画像に映るインストラクタの深呼吸のペース(回/分)を示している。
同図に示すように、各動画表示設定値ごとに、最初の深呼吸のペースが異なっており、最終的に、同じ深呼吸のペースになる。つまり、被測定者の健康状態に応じて、被測定者に対して適切な深呼吸を促し、一定時間経過した後は、理想的な深呼吸のペースへと導く。なお、深呼吸のペースの表示ではなく、ストレッチ動作の表示を行うようにしてもよい。
8.トレンド表示処理(ステップS409)の詳細
図16〜図18を用いてトレンド表示処理(ステップS409)の詳細について説明する。
トレンド表示ボタン303が押下されると、図17に示すトレンド表示方法選択画面1700をデータ表示部301に表示する。
ステップS1601では、トレンド表示方法選択画面1700において、被測定者が選択するトレンド表示方法を受け付ける。ステップS1602では、トレンド表示方法選択画面1700において、「全データを時系列で表示」(1701)が選択されたか否かを判定する。
ステップS1602において、「全データを時系列で表示」(1701)が選択されたと判定された場合には、ステップS1603に進み、データ記録部210に記録された全てのゆらぎ度及び体温測定データを抽出する。ステップS1604では、ステップS1603にて抽出されたゆらぎ度及び体温測定データを時系列または昇順、降順にソートし、トレンドグラフとして表示する。
ステップS1602において、「全データを時系列で表示」(1701)が選択されなかったと判定された場合(つまり、「特定のデータを抽出して表示」(1702)が選択されたと判定された場合)には、ステップS1605に進む。
例えば、「特定のデータを抽出して表示」(1702)を選択した場合、被測定者は、例えば「特定のシチュエーション」(1703)、「特性の精神状態」(1704)、「特定の体調」(1705)、「特定の薬」(1706)のいずれか1つまたは複数を選択する。
なお、複数選択した場合には、それらの項目がすべて設定されたデータ番号のゆらぎ度及び体温測定データが抽出されることとなる。
そこで、ステップS1605では、当該選択された設定データが記録されたデータ番号に対応するゆらぎ度及び体温測定データをデータ記録部210より抽出する。ステップS1606では、当該抽出されたゆらぎ度及び体温測定データを時系列または昇順、降順ででソートし、ステップS1607において、トレンドグラフとして表示する。
図18は、データ表示部301に表示されたトレンドグラフ(1800はゆらぎ度のトレンドグラフ、1804は体温のトレンドグラフ)の一例を示す図である。横軸は例えば日時を示し、縦軸はゆらぎ度(%)または体温(℃)を示している。1801は、データ表示部301に表示されたゆらぎ度のトレンドグラフのうち最大値を、1803は、データ表示部301に表示されたゆらぎ度のトレンドグラフのうち最小値を、1802は、データ表示部301に表示されたゆらぎ度のトレンドグラフの平均値を、それぞれ示している。なお、横軸をシミュレーション、縦軸をゆらぎ度として表示しても良い。
図16に戻る。ステップS1608では、表示されたトレンドグラフの特定箇所が被測定者により指定されたか否かを判定する。被測定者により指定されたと判定された場合には、ステップS1609に進み、当該指定されたゆらぎ度または体温に対応する設定データを読み出し、ステップS1610にて、当該読み出された設定データを吹き出し表示する。
図19は、データ表示部301に表示されたトレンドグラフの特定箇所が指定された様子を示す図である。同図に示すように、十字キー305でカーソル1903を特定箇所に移すと、例えば、吹き出し(コメント等)が表示され(1901、1902)、当該特定箇所におけるゆらぎ度または体温に対応する設定データが表示される。
図16に戻る。ステップS1611では、トレンド表示終了ボタン304が押下されたか否かを判定する。トレンド表示終了ボタン304が押下されたと判定された場合には、トレンド表示を終了し、ステップS1601においてトレンド表示方法選択画面1700が表示される前の表示画面に戻る。
一方、ステップS1611において、トレンド表示終了ボタン304が押下されていないと判定された場合には、ステップS1608に戻る。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、拍動のゆらぎと体温とに基づいて、被測定者の健康状態を判定するとともに、被測定者のゆらぎを改善するための動作が記録された複数の動画像の中から、該判定結果に対応する動画像を選択して表示することとした。この結果、被測定者は、当該表示された動画像にあわせて動作することで、交感神経と副交感神経のバランスの乱れを改善することができるようになる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、心拍のゆらぎ度と生体情報としての体温とに基づいて被測定者(女性)の健康状態を4つに区分し、それぞれの健康状態に適した動画像を表示することとしたが、本発明は特にこれに限られず、生体情報としての血圧についても適用できる。
例えば、被測定者の健康状態を判定するにあたり、脳波の検出結果を取り入れ、更に詳細に区分するようにしてもよい。
1.装置の機能構成
図20は、本発明の第2の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置の機能構成を示す図である(生体情報検出手段としての体温計及び脳波検出器が接続された場合の機能構成を示している)。同図に示す各ブロックのうち、図2との相違点を中心に説明する。
2001は脳波検出器であり、被測定者の脳波(α波)を検出し、電気信号を出力する。2002はアンプであり、脳波検出器2001より出力された電気信号を増幅するとともに、デジタル信号(以下、脳波測定データ)に変換する。
2003は脳波入力処理部であり、アンプ2002より出力された脳波測定データを受信するとともに、受信した脳波および算出された心拍数、ゆらぎ度を用いて被測定者が精神的にリラックスした状態にあるのか否かを示す心地よさ度を算出する。
223は表示処理部であり、図2の表示処理部と概ね同様の機能を有するが、図2の表示処理部との相違は、測定完了時に、体温測定データに加えて、脳波入力処理部2003において算出された心地よさ度を表示する点にある。
224はデータ記録処理部であり、図2のデータ記録処理部と概ね同様の機能を有するが、図2のデータ記録処理部との相違は、算出されたデータとして、更に、心地よさ度をデータ記録部210に記録する点にある。
225はトレンド処理部であり、図2のトレンド処理部と概ね同様の機能を有するが、図2のトレンド処理部との相違は、データ記録部210に記録された心地よさ度を抽出し時系列または昇順、降順に配列する点にある。
229は判定処理部であり、算出された各種データ(ゆらぎ度、体温差、心地よさ度)に基づいて、被測定者の健康状態を判定する。
2.装置における処理の流れ(全体)
本実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置における全体処理の流れを示すフローチャートは図4と同様であるため、ここでは説明を省略し、全体処理の流れを構成する各工程のうち、上記第1の実施形態と相違する点を中心に以下に説明する。
3.測定処理(ステップS404)の詳細
図21A〜図22を用いて、本実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置における測定処理(ステップS404)の詳細について説明する。図21Aは、測定処理(ステップS404)の流れを示すフローチャートである。なお、図5Aと同じ処理については同一の参照番号を付すこととし、説明は省略する(図5Aとの相違点についてのみ説明する)。
ステップS2101では、閾値a、b、cを設定する。なお、閾値a、b、cの設定処理の詳細な流れは後述する。
ステップS505では、心拍検出処理部221、体温入力処理部227がそれぞれ心拍測定データおよび体温測定データを受信するほか、脳波入力処理部2003が脳波測定データを受信する。
ステップS2102では、ステップS505にて受信された脳波測定データとステップS506にて検出された心拍数とステップS509にて算出されたゆらぎ度とに基づいて、被測定者の心地よさ度を算出する。なお、心地よさ度の算出にあたっては下式を用いる。
(式1)心地よさ度=A×単位時間あたりの拍動数+B×ばらつき+C×脳波+D
ただし、A、B、C、Dは係数
ステップS2103では、ステップS505にて受信された体温測定データとステップS509にて算出されたゆらぎ度とステップS2102にて算出された心地よさ度とに基づいて、被測定者の状態を判定する(なお、判定処理の詳細は後述)。また、判定した被測定者の状態に対応するメッセージをデータ表示部301に表示する。
3.1 閾値a、b、c設定処理(ステップS2101)の詳細
上記閾値a、b、c設定処理(ステップS2101)の詳細について図21Bを用いて説明する(ただし、図5Bとの相違点を中心に説明する)。
ステップS2121では、データ記録部210に予め記録されている心地よさ度の閾値を読み出す。ステップS2122では、読み出された値を心地よさ度の閾値cに設定する。
このように、本実施形態では、ゆらぎ度の閾値は被測定者の過去の測定結果に基づいて設定する。また体温および心地よさ度の閾値は、予め定められた値を用いる。
3.2 判定処理(ステップS2103)の詳細
次に判定処理(ステップS2103)の詳細について図21Cを用いて説明する。ステップS531では、算出されたゆらぎ度が閾値a以上であるか否かを判定する。算出されたゆらぎ度が閾値a以上であると判定された場合には、ステップS2131に進む。
ステップS2131では、測定された体温測定データを含む過去の基礎体温の高温期と低温期の差異を算出する。現在が高温期にある場合には、測定された体温を含む直近の高温期の体温の平均値と、その前の低温期の体温の平均値との差異を算出する。また、現在が低温期にある場合には、測定された体温を含む直近の低温期の体温の平均値と、その前の高温期の体温の平均値との差異を算出する。更に、算出された差異が閾値b以上であるか否かを判定する。算出された差異が閾値b以上であると判定された場合には、ステップS2133に進む。
ステップS2133では、算出された心地よさ度が閾値c以上であるか否かを判定する。算出された心地よさ度が閾値c以上であると判定された場合には、ステップS2137に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値a以上であるということは、副交感神経が優位な状態にあるといえる。更に、基礎体温の高温期と低温期との差異が閾値b以上であるということは体調が良い状態にあるといえる。更に、心地よさ度が閾値c以上であるということは、リラックスの感情が優位にあるといえる。したがって、ステップS2137では、現在の被測定者は、“精神面でのストレスは低く、体温にも影響していない”と判定する。なお、副交感神経優位になりすぎると、アレルギー、肥満の原因となるため注意が必要であることから、この時点で被測定者は、程よい緊張状態を取り入れたほうがよいといえる。
更にステップS2138では、ステップS2137の判定結果に対応して、動画表示設定に“1”を設定する。
一方、ステップS2133において、心地よさ度が閾値cより小さいと判定された場合には、ステップS2139に進む。
ここで、心地よさ度が閾値cより小さいということは、被測定者はリラックス状態にないといえる。したがって、ステップS2139では、現在の被測定者は、“精神面でのストレスを感じている可能性がある”と判定する。なお、このような状態は、被測定者にとって望ましい状態とはいえず、被測定者は適度な運動を取り入れるなどして、健康を維持するようにしたほうがよいといえる。
更にステップS2140では、ステップS2139の判定結果に対応して、動画表示設定に“5”を設定する。
一方、ステップS2131において、基礎体温の高温期と低温期との差異が閾値bより小さいと判定された場合には、ステップS2134に進み、算出された心地よさ度が閾値c以上であるであるか否かを判定する。算出された心地よさ度が閾値c以上であると判定された場合には、ステップS2141に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値a以上であるということは、副交感神経が優位な状態にあるといえる。一方、基礎体温の高温期と低温期との差異が閾値bより小さいということは、体調が正常なリズムでないといえる。一方、心地よさ度が閾値c以上であるということはリラックスの感情が優位にあるといえる。したがって、ステップS2141では、“現在の被測定者は、精神面でのストレスは低いが女性ホルモンの働きに異常の可能性がある”と判定する。
更にステップS2142では、ステップS2141の判定結果に対応して、動画表示設定に“2”を設定する。
一方、ステップS2134において、心地よさ度が閾値cより小さいと判定された場合には、ステップS2143に進む。
ここで、心地よさ度が閾値cより小さいということは、被測定者がリラックス状態にないといえる。したがって、ステップS2143では、“精神面でのストレスが体温異常に影響を及ぼしている可能性がある”と判定する。
更にステップS2144では、ステップS2143の判定結果に対応して、動画表示設定に“6”を設定する。
一方、ステップS531において、ゆらぎ度が閾値aより小さいと判定された場合には、ステップS2132に進み、基礎体温の高温期と低温期との差異が閾値b以上であるか否かを判定する。差異が閾値b以上であると判定された場合には、ステップS2135に進む。
ステップS2135では、算出された心地よさ度が閾値c以上であるか否かを判定する。算出された心地よさ度が閾値c以上であると判定された場合には、ステップS2145に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値aより小さいということは、交感神経が優位な状態にあるといえる。更に、基礎体温の高温期と低温期との差異が閾値b以上であるということは体調が良い状態にあるといえる。更に、心地よさ度が閾値c以上であるということは、リラックスの感情が優位にあるといえる。したがって、ステップS2145では、現在の被測定者は、“精神面でのストレスも低く、体温に影響を及ぼしていない”と判定する。
更にステップS2146では、ステップS2145の判定結果に対応して、動画表示設定に“3”を設定する。
一方、ステップS2135において、心地よさ度が閾値cより小さいと判定された場合には、ステップS2147に進む。
ここで、心地よさ度が閾値cより小さいということは、被測定者がリラックス状態にないといえる。したがって、ステップS2147では、“精神面でのストレスを感じているが体温には影響していない”と判定する。
更にステップS2148では、ステップS2148の判定結果に対応して、動画表示設定に“7”を設定する。
一方、ステップS2132において、基礎体温の高温期と低温期との差異が閾値bより小さいと判定された場合には、ステップS2136に進み、算出された心地よさ度が閾値c以上であるか否かを判定する。算出された心地よさ度が閾値c以上であると判定された場合には、ステップS2149に進む。
ここで、ゆらぎ度が閾値aより小さいということは、交感神経が優位な状態にあるといえる。一方、基礎体温の高温期と低温期との差異が閾値bより小さいということは、体調が正常なリズムでないといえる。一方、心地よさ度が閾値c以上であるということはリラックスの感情が優位にあるといえる。したがって、ステップS2149では、“精神面でのストレスは低いが女性ホルモンの働きに異常の可能性がある”と判定する。
更にステップS2150では、ステップS2149の判定結果に対応して、動画表示設定に“4”を設定する。
一方、ステップS2136において心地よさ度が閾値cより小さいと判定された場合には、ステップS2151に進む。
ここで、心地よさ度が閾値cより小さいということは、被測定者はリラックス状態にないといえる。したがって、ステップS2151では、“精神面でのストレスが体温異常に影響を及ぼしている可能性がある”と判定する。
更にステップS2152では、ステップS2151の判定結果に対応して、動画表示設定に“8”を設定する。
ステップS2153では、ステップS2137、2139、2141、2143、2145、2147、2149、2151のいずれかで判定された判定結果をデータ表示部301に表示する。
このように、本実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置では、拍動のゆらぎと体温と心地よさ度とに基づいて、被測定者の健康状態を総合的に判定する。具体的には、基礎体温の高温期と低温期との差異の大きさに基づいて、被測定者の体調の良し悪しを判定し、体調が悪いと判定された場合、その原因が精神面のストレスによるものなのか、それ以外の原因によるものなのかを、拍動のゆらぎと心地よさ度とに基づいて判定する。
また、被測定者の体調が良いと判定された場合でも、症状としてあらわれていないだけで実際は精神的なストレスを受けている可能性があるのか、あるいは、実際に精神的なストレス自体を受けていないのかを、拍動のゆらぎと心地よさ度とに基づいて判定する。これにより、被測定者は体調を崩す前に適切な対応をとることが可能となる。
4.動画表示処理(ステップS408)の詳細
動画表示処理(ステップS408)の詳細は、上記第1の実施形態において図13〜図15を用いて説明したものと同じであるため、ここでは説明を省略する。ただし、本実施形態の場合、判定処理(ステップS2103)における判定の結果、8通りの判定結果に区分けされるため、対応する動画像も8種類あるものとする。
図22は、本実施形態における動画表示設定と動画像229との対応関係を示すテーブルである。各動画表示設定値(2201)には、それぞれ別々の動画像(2202)が対応している。なお、本実施形態における動画像とは、いずれも被測定者に適切な深呼吸を促すための動作が記録された動画像であり、インストラクタが所定のペースで深呼吸を行っている様子を撮像したものである。ただし、動画像ごとに深呼吸のペースが異なっているものとする。深呼吸のペースの変遷は、図15(b)において既に例示したので、ここでは詳細説明を割愛する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、心拍とあわせて体温および脳波を測定し、拍動のゆらぎと基礎体温の差異と心地よさ度とに基づいて、被測定者の健康状態を判定するとともに、被測定者のゆらぎを改善するための動作が記録された複数の動画像の中から、該判定結果に対応する動画像を選択して表示する構成とした。この結果、被測定者は、当該表示された動画像にあわせて動作することで、交感神経と副交感神経のバランスの乱れを改善させることが可能となる。
[第3の実施形態]
上記第1、第2の実施形態では、交感神経と副交感神経のバランスの乱れを改善するための手段として、深呼吸のペースの変遷を変える場合について説明したが、本発明は特にこれに限られない。判定結果に応じて、呼気と吸気とのバランスを切り替えたり、呼吸方法として腹式呼吸と胸式呼吸とを切り替えたりするようにしてもよい。
また、判定結果に応じて切り替える対象は、呼吸に関するものに限られず、例えば、適切な運動内容等に関する動画像を表示するようにしてもよい。
また、上記第1、第2の実施形態では、被測定者の交感神経と副交感神経とのバランスを改善するための動作を記録した動画像を表示することとしたが、本発明は特にこれに限られず、例えば、動作内容を文字で表示するようにしてもよいし、音声出力するようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置の外観構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置の機能構成を示す図である。 表示/操作部205の画面例を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置における処理の流れを示すフローチャートである。 測定処理(ステップS403)の処理の流れを示すフローチャートである。 閾値設定処理(ステップS502)の処理の流れを示すフローチャートである。 判定処理(ステップS512)の処理の流れを示すフローチャートである。 設定データ入力画面601が表示された様子を示す図である。 測定開始指示入力画面701が表示された様子を示す図である。 測定が開始された後のデータ表示部301の一例を示す図である。 ローレンツプロットデータのゆらぎ度を示す線901と、目標達成度902、ゆらぎ度903、体温904が表示された様子を示す図である。 プロットデータ保存処理(ステップS406)の処理の流れを示すフローチャートである。 測定結果保存入力画面1101が表示された様子を示す図である。 プロットデータ保存処理によりデータ記録部210に記録された各種データを示す図である。 動画表示指示入力画面が表示された様子を示す図である。 動画表示処理(ステップS408)の流れを示すフローチャートである。 動画表示設定と動画像との対応関係ならびに各動画像における深呼吸のペースの変遷を示す図である。 トレンド表示処理(ステップS408)の処理の流れを示すフローチャートである。 トレンド表示方法選択画面の一例を示す図である。 データ表示部301に表示されたトレンドグラフの一例を示す図である。 データ表示部に表示されたトレンドグラフの特定箇所が指定された様子を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置の機能構成を示す図である。 測定処理(ステップS404)の流れを示すフローチャートである。 閾値a、b、c設定処理(ステップS2101)の処理の流れを示すフローチャートである。 判定処理(ステップS2103)の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態にかかる心拍ゆらぎ検出装置における、動画表示設定と動画像229との対応関係を示すテーブルである。 心電波形に基づくローレンツプロット方法を説明するための図である。 心電波形に基づくローレンツプロット方法を説明するための図である。 ローレンツプロットの一例を示す図である。

Claims (1)

  1. 被測定者の拍動を検出し、拍動間隔を抽出する抽出手段と、
    前記抽出されたn拍目の拍動間隔とn+1拍目の拍動間隔とを、2次元グラフ領域の縦軸または横軸として順次プロットする場合の各座標データを算出する座標算出手段と、
    所定時間内に算出された前記座標データのばらつきを算出するばらつき算出手段と、
    前記被測定者の体温情報を取得する取得手段と、
    所定のばらつき閾値に対する前記算出されたばらつきの大小と、所定の体温閾値に対する前記取得された体温情報の大小とに基づいて、交感神経が優位な状態であるのか副交感神経が優位な状態であるのかを判定するとともに、該優位な状態の継続状況を判定する判定手段と、
    単位時間あたりの呼吸回数を時間経過とともに変更していくための、複数の変更パターンであって、開始時の単位時間あたりの呼吸回数が互いに異なっており、かつ、終了時の単位時間あたりの呼吸回数が互いに等しくなるように構成された該複数の変更パターンの中から、前記判定手段による判定結果に対応付けられた変更パターンを選択する選択手段と、
    前記被測定者の交感神経と副交感神経とのバランスを改善するための呼吸動作として、前記選択手段により選択された変更パターンによる呼吸動作が記録された動画像を表示する表示手段と
    を備えることを特徴とする心拍ゆらぎ検出装置。
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