JP3561893B2 - 疲労度判定装置及びその装置を用いた作業の適正化システム並びに疲労度判定装置を備える車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、疲労度判定装置及びその装置を用いた作業の適正化システム並びに疲労度判定装置を備える車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、二輪車運転時等の疲労度は、時々刻々と変化する交通状況などの外部環境の変化に起因する精神的負荷や風圧などの物理的負荷が長時間作用することによって生じるものと考えられ、生理学的には循環調節系にも変化を生ずる。
【0003】
心電図あるいは血流脈圧図から得られるR波のR−R間隔(RR Interval:RRI)を用いて、二輪車運転に伴う疲労度とRRIの関係についてはすでに研究されているが、走行時間とともにRRIの変動成分が増加すること、またRRIの変動成分が運転疲労に伴って増加すること、さらに走行距離の増加に伴って心拍数が減少すること等、疲労度とRRIから算出される個々の指標との関係の把握に向けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、RRIは心臓の交感神経と副交感神経の活動バランスを反映するもので、例えば心拍数の増加は自律神経の活動バランスが交感神経が有意に、RRIの呼吸周期に一致した変動成分(Respiratory SinusArrhythmia:RSA)の増加は副交感神経が有意に変化したことを示す等が知られている。
【0005】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、RRIから算出される個々の指標に着目するだけではなく、複数の指標を多元的にとらえ、自律神経の活動バランスを評価することによって、RRIから算出される複数の指標を多元的に評価し、疲労度評価の有効性を向上させる疲労度判定方法及び疲労度判定装置及びその装置を用いた作業の適正化システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、請求項1に記載の疲労度判定装置は、作業者の心拍あるいは血流脈圧を検知する検知手段と、
前記検知された心室の緊張波であるR波の間隔に基づき基準時のR波の間隔の時間平均値とR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値を算出する基準時の算出手段と、
所定の疲労度を判定する時に検知された心室の緊張波であるR波の間隔に基づきR波の間隔の時間平均値とR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値を算出する疲労時の算出手段と、
前記基準時の前記時間平均値と前記所定の疲労度を判定する時の前記時間平均値の差(DIFF・RRM(X))及び、
前記基準時の前記高周波変動成分の積分値と前記所定の疲労度を判定する時の前記積分値の差(DIFF・HFA(X))を算出する変化量算出手段と、
前記時間平均値の差(DIFF・RRM(X))及び前記積分値の差(DIFF・HFA(X))が、
DIFF・RRM(X)<0、かつ、DIFF・HFA(X)<0であるときを領域【1】とし、
DIFF・RRM(X)<0、かつ、DIFF・HFA(X)>0であるときを領域【2】とし、
DIFF・RRM(X)>0、かつ、DIFF・HFA(X)>0であるときを領域【3】とし、
前記変化量が領域【1】にあるときは、作業に必要な緊張度の維持が可能な状態と判定し、
前記変化量が領域【2】にあるときは、作業に必要な適切な緊張の維持が困難な状態と判定し、
前記変化量が領域【3】にあるときは、作業に必要な適切な緊張が維持されていない状態と判定する疲労度判断手段と、
前記判定結果を信号として出力する判定結果出力手段とを有することを特徴としている。
RRIの時間平均値の低下は交感神経を、RRIを周波数変換したものの高周波変動成分の積分値の大きさは副交感神経の活動力を反映することから、作業による生体負担はある程度自律神経の活動バランスで評価することができる。このように、RRIから算出される個々の指標に着目するだけではなく、複数の指標を多元的にとらえ、自律神経の活動バランスを評価することによって、RRIから算出される複数の指標を多元的に評価し、疲労度評価の有効性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の疲労度判定装置を用いた作業の適正化システムは、前記請求項1に記載の疲労度判定装置を備え、判定結果を表示する表示手段、警報を行う警報手段及び作業者の負担を軽減する作業負担軽減手段の少なくとも1つを有することを特徴としている。
疲労度評価を表示、または警報、あるいは自動的に作業者の負担を軽減することができる。
請求項3に記載の車両は、前記請求項1に記載の疲労度判定装置を備えることを特徴としている。自動的に運転者の疲労度評価を表示、または警報することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の疲労度判定装置及びその装置を用いた作業の適正化システム並びに疲労度判定装置を備える車両の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は疲労度判定装置を用いた運転を含む作業の適正化システムを示す概略構成図である。作業の適正化システム1には、疲労度判定装置2が備えられている。疲労度判定装置2は、検知手段3、CPU4及びメモリ5を有している。検知手段3は、運転者を含む作業者の心拍あるいは血流脈圧を検知する。CPU4には、検知された心室の緊張波であるR波の間隔に基づき基準時のR波の間隔の時間平均値RRM0とR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFA0を算出する基準時の算出手段6と、所定の疲労度を判定する時に検知された心室の緊張波であるR波の間隔に基づきR波の間隔の時間平均値RRMxとR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFAXを算出する疲労時の算出手段7と、この基準時のR波の間隔の時間平均値RRM0及びR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFA0と、所定の疲労度を判定する時のR波の間隔に基づきR波の間隔の時間平均値RRMx及びR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFAXとを比較して変化量を算出する変化量算出手段8と、この変化量から作業者の疲労度を判定する疲労度判断手段9と、この判定結果を信号として出力する判定結果出力手段10とを有している。メモリ5には、基準時の算出手段6及び疲労時の算出手段7からの算出データが記憶され、またCPU4を実行するプログラムが記憶されている。
【0011】
また、作業の適正化システム1には、表示手段11、警報手段12及び作業負担軽減手段13が備えられている。表示手段11は、判定結果を例えばアナログ表示またはデジタル表示する。警報手段12は、判定結果を例えばブザー、ランプ等により警報する。また、作業負担軽減手段13は、自動的に運転者を含む作業者の負担を軽減して例えば運転を含む作業の中断を行う。
【0012】
次に、図2乃至図7に基づき疲労度判定について説明する。図2は疲労度判定のメインプログラム、図3は算出サブプログラム、図4は検知された心室の緊張波であるR波を示す図、図5はRRI値関数を示す図、図6はPSD関数を示す図、図7は疲労判定モデルを示す図である。
【0013】
図2は疲労度判定のメインプログラムにおいて、ステップS11で検知された心室の緊張波であるR波の間隔に基づき、作業中、あるいは作業を行う前のリラックスした状態の基準時に、R波の間隔の時間平均値RRMとR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFAを図3の算出サブプログラムを用いて算出し、基準時のR波の間隔の時間平均値RRM0、R波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFA0として、メモリ5に格納し記憶する。ステップS12で所定の疲労度を判定する時に検知された心室の緊張波であるR波の間隔の時間平均値RRMとR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFAを図3の算出サブプログラムを用いて算出し、疲労度を判定する時のR波の間隔の時間平均値RRMxとR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFAXとしてメモリ5に格納し記憶する。ステップS13でメモリ5に記憶されたそれぞれのデータを読み出し、基準時のR波の間隔の時間平均値RRM0及びR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFA0と、所定の疲労度を判定する時のR波の間隔に基づきR波の間隔の時間平均値RRMx及びR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値HFAXとを比較し、基準時から疲労度を判定する時までの変化量(差)を算出し、ステップS14で変化量から作業者の疲労度を判定する。
【0014】
この疲労度の判定結果が下記する領域【1】の場合には、ステップS14へ移行して警報手段12で黄色あるいは緑色の点灯を行い(ステップS15)、作業(運転)中止状態にされているか否かの判断を行い(ステップS16)、作業(運転)が継続中であるならば、ステップS12へ移行し、次の判定対象時(X+1)について上記と同様の判定を行い、作業(運転)が中止状態にされたと判断されれば、判定を終了する。疲労度の判定結果が下記する領域【2】、【3】の場合には、ステップS17へ移行して、疲労度の判定結果が下記する領域【2】の場合は警報手段12で赤色の点灯し、また疲労度の判定結果が下記する領域【3】の場合には点滅を行い、ステップS18で自動的に作業(運転)者の負担を軽減してさらに自動的に作業(運転)の中断を行い(ステップS19)、判定を終了する。
【0015】
次に、図3の算出サブプログラムについて説明する。ステップS21において、図4に示すように検知手段3から検出される心室の緊張波であるR波の連続するRパルスから、RR間隔(RRI)をシーケンシャルに求め、シーケンシャル番号と対応するRRI値(秒)を所定個メモリ5に格納する。あるいは所定時間T中のシーケンシャル番号と対応する複数のRRI値(秒)をメモリ5に格納する。メモリ5中のRRI値のデータ数をYとするとき、ステップS22で、メモリ5中のY個のRRI値の平均値RRMを算出し、メモリ5に格納する。ステップS23で、メモリ5からRRIデータを取り出し、ステップS24でメモリ5中のシーケンシャル番号と対応するRRI値(秒)のY個のデータから、シーケンシャル番号を変数とするRRI値関数(図5)を求め、このRRI値関数に基づき、RRI値関数をフーリエ変換し、RRI値関数を周波数分解する。これが、周波数変換である。この周波数分解結果、ステップS25で横軸をHz、縦軸をPSD(Power Spectral Density Function)単位とするPSD関数が得られる(図6)。
【0016】
即ち、RRI値には、図6に示すように、0.08〜0.15HzのMayer Wave related SinusArrhythmia(MWSA)と呼ぼれる動脈血圧が示す約10秒周期の低周波変動成分(LF:Low Frequency compornent)と0.15Hz以上のRSAによる高周波変動成分(HF:High Frequency compornent)が存在することが知られている。HFは副交感神経の活動を、LFは交感神経の指標であるとともに、副交感神経の圧受容体反射感受性を反映する指標であると考えられている。本願発明者の実施した主観的疲労感に関するアンケート調査によれば、前記RRMと、HFのパワーすなわちHFの積分値と2つのファクターが、疲労度に対して相関性の高いことが分かった。そして、RRI値からこれら変動成分を抽出するためには、スペクトル解析などが適用されるが、そのためには系列時系列は定常性であることが必要である。したがって、必ずしも定常性が保証されていない作業時のRRI値からLF、HFを検出するには非定常成分を除去することが必要である。そこで、非定常成分を除くために、McClellanとParksによる直線位相FIR(Finite Impulse Response)フィルタの設計法に基づき、Pemezのアルゴリズムにより設計された標本化周波数1.0Hz、通過域の下限周波数軌0.06Hz、通過域の最大減衰量0.1dB、阻止域の上限周波数0.03Hz、阻止域の最大減衰量40.0dBなるフィルタを適用した。次に、100beats毎に、フーリエ変換FFT(Fast Fourier Transform)によってパワースペクトル密度(Power Spectral Density:PSD)を算出する。本疲労度判定方法において、HFの積分値はこのようにして求められる図6に示すPSD関数について、LFとHFの山の鞍部以上を積分するか、あるいは0.15Hz以上を積分して求める。これが積分値HFA(High Frequency Amplitude)である。また、上記のように算出されたPSDについて、これらを1000beatsにわたって平均したものを対象に、LFとHF各々のピーク周波数±0.04c/b(cycle/beat)の帯域パワーを算出し、それぞれを積分値LFA(Low Freq. Amplitude)、積分値HFAとしても良い。
【0017】
上記いずれかの方法による算出HFA値をメモリ5中に格納する。なお、メモリ5中において、算出実施回次Xに対応して、RRMx、HFAxのセットデータとして記憶される。最後にメモリ5中のY個のRRI値データをクリアして、この算出サブプログラムが終了される。
【0018】
次に、基準時から疲労度を判定する時までの変化量から作業者の疲労度判定を、図7に基づいて説明する。
【0019】
基準時から疲労度を判定する時までの変化量が、算出値DIFF・RRM(X)と算出値DIFF・HFA(X)に基づき算出され、これを図7に示す。ロジスティック回帰分析を用いて、作業時の生体負担度を評価する方法を検討した結果、RRΜ値と積分値HFAの2つのRRI指標によるモデルの有効性が確認された。RRM値の低下は自律神経の活動バランスが交感神経側に傾き、「攻撃や逃避」に備える状態を反映するものである。また、積分値HFAの大きさは、副交感神経活動の強さに比例することが知られている。RRΜ値の低下が交感神経、積分値HFAが副交換神経の活動を反映することから、交感神経と副交感神経の活動バランスを表すものと考えられる。さらに、作業(運転)時の生体負担度の変化の評価には、作業(運転)時の生体負担度の変化は、ある程度自律神経の活動バランスの変化で説明できる。
【0020】
図7に示すように、変化のパタ−ンは領域【3】(第1象限)はRRM上昇、HFA上昇、領域【2】(第2象限)はRRM低下、HFA上昇、領域【1】(第3象限)はRRM低下、HFA低下に大別できる。HFAは緊張度が増したり、ストレス環境下では低下し、緊張度が低下してリラックス状態になると上昇することが知られている。さらに、作業(運転)時には、作業(運転)に必要な適正緊張の維持が困難になった結果、緊張度が低下してHFAが上昇することが考えられる。また、RRΜの上昇は覚醒度低下の前兆と考えられる。従って、領域【3】は覚醒度が低下(RRΜ上昇)して、作業(運転)に必要な適切な緊張が維持されていない(HFA上昇)状態、領域【2】は生体が「長距離走行」というタスクに対して「攻撃や逃避」体制をつくっている(RRΜ低下)ものの、作業に必要な適切は緊張の維持がもはや困難(HFA上昇)になった状態、領域【1】は運転を負担と感じているが、まだ運転するのに必要な緊張度の維持は可能な状態(HFA低下)にあるものと推定される。
【0021】
従って、この実施の形態では、算出値DIFF・HFA(X)>0の時、図7の領域【2】、領域【3】にあり、さらに、算出値DIFF・RRM(X)<0ならば、図7の領域【2】にあり、作業(運転)を続行する集中力の維持が困難と判定し、警報手段12の赤を点灯する。さらに、算出値DIFF・RRM(X)>0ならば、図7の領域【3】にあり、覚醒度低下と判定する。この場合には警報手段12の赤を点滅する。
【0022】
図7の領域【2】、領域【3】にある場合、例えば運転におけるエンジンの間欠失火、燃料供給量低下により走行速度を低減する。また、所定時間経過後作業(運転)を中断するように完全失火、燃料供給停止を行う。
【0023】
また、算出値DIFF・HFA(X)<0、且つ算出値DIFF・RRM(X)<0の時、図7の領域【1】にあり、作業(運転)を負担と感じ始めたと判定する。警報手段12の黄を点灯する。図7の領域【1】にあっても、算出値DIFF・HFA(X)の自乗、算出値DIFF・RRM(X)の自乗の和の平方根により、図7の極座標表示におけるr値を求め、r(X)とする。r(X)が所定値r0より小なる時、作業(運転)負荷を感じない状態と判定し、警報手段12の緑を点灯してもよい。そして、r(X)が所定値r0より大なる時、作業(運転)負荷を感じた状態と判定し、警報手段12の黄を点灯する。なお、図7の疲労度判定領域図において、両算出値を示す座標点×は時間の経過とともに、図中太矢印方向に領域【1】、領域【2】、領域【3】の領域に移動する。
【0024】
図8及び図9は作業の適正化システムを自動二輪車に適用した実施の形態を示し、図8は自動二輪車の側面図、図9はハンドル部の平面図である。
【0025】
自動二輪車20の右側のアクセルグリップ21には、検知手段3が設けられ、運転者の心拍あるいは血流脈圧を検知する。検知手段3はRパルス(心室の緊張波)を検知し、連続して疲労度判定装置2のCPU4に送信する。疲労度判定装置2のCPU4は、図1に示すように構成され、図2及び図3に示すプログラムに実行による疲労度判定の実施結果に基づき、表示手段11、警報手段12を作動する。表示手段11、警報手段12は、ハンドル22に取り付けられた表示装置23に設けられている。表示装置23には、スピードメータ24及びタコメータ25が取り付けられ、タコメータ25の近傍に表示手段11、警報手段12が位置している。表示手段11は、液晶表示パネルで構成される。警報手段12は、例えば警告灯で構成される。
【0026】
警報手段12の警告灯は、図7の疲労度判定領域図に基づき、領域【1】の時、黄を点灯、領域【2】の時、赤を点灯、領域【3】の時、赤を点滅する。なお、領域【2】、領域【3】の時赤を点滅、且つ領域【3】の時の方が点滅間隔を短くするようにしても良い。
【0027】
また、疲労度判定の実施結果に基づき、領域【2】、領域【3】の時、点火制御装置26を介して点火プラグ27を間欠的に失火させるとともに、間欠間隔を徐々に短くし、あるいは燃料供給装置28の燃料供給量を徐々に減少させ、エンジン回転数を徐々に低下させる。また、所定時間におけるR波数から心拍数を算出し、所定時間毎に、心拍数を表示手段11の液晶表示パネルにデジタル表示する。
【0028】
図10は作業の適正化システムを飛行機に適用した実施の形態を示している。飛行機30の操縦士の心拍あるいは血流脈圧を検知し、判定のための算出値が図7の領域【2】、領域【3】にある時、自動操縦モードにする。あるいは、地上管制塔31で管制管理者は、遠隔操縦モードにする。
【0029】
なお、列車、船舶、原子力等の運転においても、同様に判定のための算出値が図7の領域【2】、領域【3】にある時、自動運転モードにし、あるいは管制管理者による遠隔運転モードにする。
【0030】
図11は作業の適正化システムをオフィスに適用した実施の形態を示している。作業者、例えば看護婦、医者、オペレータ等においては、勤務開始時に、例えばキーボード40に個人のIDカードを入力し、検知手段3に一定時間指を当て、心拍あるいは血流脈圧を検知する。そして、所定時間後に再び検知手段3に一定時間指を当て、心拍あるいは血流脈圧を検知する。これらの検知情報は、疲労度判定装置2のCPU4に送られ、CPU4で疲労度を判定して管理し、キーボード40に設けた警報手段12を構成するCRT上に、例えば4時間勤務毎の判定結果に基づき、結果を表示する。また、CPU4に蓄積されたデータにより労務管理、健康チェックが行われる。
【0031】
図12は作業の適正化システムを時計に適用した実施の形態を示している。腕時計50に作業の適正化システムが組み込まれており、疲労測定開始時リセット51を押すと、検知手段3が心拍あるいは血流脈圧を検知する。この基準時脈波測定後、所定時間毎に脈波測定を行い、疲労度判定して、その判定結果を、図7の疲労度判定領域図と同様に、時間経過とともに領域【1】〜領域【3】のどの領域位置にあるか、液晶パネル52にマップ表示する。
【0032】
図13は作業の適正化システムの検知手段を自動車のハンドルに組み込んだ実施の形態を示している。図13(a)に示すように運転者は、手60でハンドル61を握る。図13(b)に示すようにハンドル61の心材61aの周りに検知手段3が設けられ、メインスイッチにより始動モータを起動させる運転開始時にハンドル61を握ると、検知手段3が血流脈圧を検知する。この基準時脈波測定後、ハンドル61を握って運転している間自動車運転者の血脈圧力の連続測定する。
【0033】
図14は作業の適正化システムの検知手段の構成を示す図である。検知手段3は、光電式脈波ピックアップを使用しても良い。光電式脈波ピックアップは、例えば指先を当てると血流脈圧をRパルスに変換し、例えばステアリング表面、グローグ内、あるいは各種パネル表上等に設けられる。
【0034】
【発明の効果】
前記したように、請求項1及び請求項2記載の発明では、RRIの時間平均値とR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値によるモデルの作業時生体負担評価への有効性が確認され、RRIの時間平均値の低下は交感神経を、RRIを周波数変換したものの高周波変動成分の積分値の大きさは副交感神経の活動力を反映することから、作業による生体負担はある程度自律神経の活動バランスで評価することができる。RRIから算出される個々の指標に着目するだけではなく、複数の指標を多元的にとらえ、自律神経の活動バランスを評価することによって、RRIから算出される複数の指標を多元的に評価し、疲労度評価の有効性を向上させることができる。
【0035】
請求項3記載の発明では、疲労度評価を表示、または警報、あるいは自動的に作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】疲労度判定装置を用いた作業の適正化システムを示す概略構成図である。
【図2】疲労度判定のメインプログラムである。
【図3】算出サブプログラムである。
【図4】検知された心室の緊張波であるR波を示す図である。
【図5】RRI値関数を示す図である。
【図6】PSD関数を示す図である。
【図7】疲労判定モデルを示す図である。
【図8】作業の適正化システムを自動二輪車に適用した実施の形態を示す自動二輪車の側面図である。
【図9】作業の適正化システムを自動二輪車に適用した実施の形態を示すハンドル部の平面図である。
【図10】作業の適正化システムを飛行機に適用した実施の形態を示す図である。している。
【図11】作業の適正化システムをオフィスに適用した実施の形態を示す図である。
【図12】作業の適正化システムを時計に適用した実施の形態を示す図である。
【図13】作業の適正化システムの検知手段を自動車のハンドルに組み込んだ実施の形態を示す図である。
【図14】作業の適正化システムの検知手段の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 作業の適正化システム
2 疲労度判定装置
3 検知手段
4 CPU
5 メモリ
6 基準時の算出手段
7 疲労時の算出手段
8 変化量算出手段
9 疲労度判断手段
10 判定結果出力手段
11 表示手段
12 警報手段
13 作業負担軽減手段
Claims (3)
- 作業者の心拍あるいは血流脈圧を検知する検知手段と、
前記検知された心室の緊張波であるR波の間隔に基づき基準時のR波の間隔の時間平均値とR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値を算出する基準時の算出手段と、
所定の疲労度を判定する時に検知された心室の緊張波であるR波の間隔に基づきR波の間隔の時間平均値とR波の間隔を周波数変換したものの高周波変動成分の積分値を算出する疲労時の算出手段と、
前記基準時の前記時間平均値と前記所定の疲労度を判定する時の前記時間平均値の差(DIFF・RRM(X))及び、
前記基準時の前記高周波変動成分の積分値と前記所定の疲労度を判定する時の前記積分値の差(DIFF・HFA(X))を算出する変化量算出手段と、
前記時間平均値の差(DIFF・RRM(X))及び前記積分値の差(DIFF・HFA(X))が、
DIFF・RRM(X)<0、かつ、DIFF・HFA(X)<0であるときを領域【1】とし、
DIFF・RRM(X)<0、かつ、DIFF・HFA(X)>0であるときを領域【2】とし、
DIFF・RRM(X)>0、かつ、DIFF・HFA(X)>0であるときを領域【3】とし、
前記変化量が領域【1】にあるときは、作業に必要な緊張度の維持が可能な状態と判定し、
前記変化量が領域【2】にあるときは、作業に必要な適切な緊張の維持が困難な状態と判定し、
前記変化量が領域【3】にあるときは、作業に必要な適切な緊張が維持されていない状態と判定する疲労度判断手段と、
前記判定結果を信号として出力する判定結果出力手段とを有することを特徴とする疲労度判定装置。 - 前記請求項1に記載の疲労度判定装置を備え、
判定結果を表示する表示手段、警報を行う警報手段及び作業者の負担を軽減する作業負担軽減手段の少なくとも1つを有することを特徴とする疲労度判定装置を用いた作業の適正化システム。 - 前記請求項1に記載の疲労度判定装置を備えることを特徴とする車両。
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