JP4964411B2 - 永久磁石の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮成形法で形成される円筒状の永久磁石の製造方法に関するものである。
モータ用永久磁石の成形方法としては、焼結成形、射出成形、圧縮成形、などが知られている。焼結成形とは、圧力もしくは圧力および磁場の下で成形し、高温で焼結する方法である。射出成形とは、磁粉とバインダー(熱可塑性樹脂、不飽和熱硬化性樹脂)とのコンパウンドを用い、一定の射出成形条件下で、磁石を成形する方法である。圧縮成形とは、バインダー(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)で被覆された磁性粉を圧力の下で成形し、冷却硬化もしくは一定の加熱温度下で熱硬化する方法である。
焼結法によるラジアル異方性磁石は高い磁気特性を得られる(特許文献1参照)が、超小型薄肉の多極および極異方性磁石への応用が極めて困難である。
希土類系等方性磁性粉コンパウンドの射出法によるステッピングモータ用磁石成形は、成形温度による磁石の高温減磁および磁性粉含有量の上限があるため、磁石のエネルギー積(BH)max値は10MGOeを超えられないのが現状である(特許文献2〜3参照)。高BHmax値を追求すると、NdFeB(ネオジウム−鉄−ボロン)系磁性粉が磁石表面に露出する部分が多くなり、磁石表面に有機もしくは無機コーティングなどの錆防止対策を取らなければいけない(特許文献4参照)。
異方性(SmFeN(サマリウム−鉄−窒素)系、NdFeB系など)磁性粉の磁場配向成形により高トルクを有する磁石を得られる(特許文献5参照)が、磁石の磁場配向射出成形もしくは磁場配向圧縮成形において、磁石の極歯数が多いほど、そして磁石寸法が小さいほど、磁場配向が困難である。また配向させない場合もしくは不充分に配向する場合においては、等方性磁石より磁気特性が低く、異方性磁性粉のメリットを発揮できなくなる。
圧縮成形法による等方性NdFeB系永久磁石において、磁性粉粒径および圧力の制御による磁性粉の緻密化は最大な利点である(特許文献6〜7参照)。
特開平06−260328号公報 特開昭63−42353号公報 特開平08−322175号公報 特開平01−166519号公報 特開昭62−030305号公報 特開平06−140235号公報 特開平07−130534号公報
上記のようにNdFeB系磁性粉の平均粒径を微細化することにより薄肉の超小型磁石を成形できる。しかしながら、この種の磁石においては、減磁率が高くなるといった課題を有している。また、NdFeB系磁性粉の露出による錆発生という課題も有していた。
(発明の目的)
本発明の目的は、耐候性、磁気特性に優れた円筒状の永久磁石を製造する方法を提供しようとするものである。
上記の目的を達成するために、本発明の永久磁石の製造方法は、等方性SmFeN磁性粉とバインダーとからなるコンパウンドを圧縮成形することで円筒状の永久磁石を製造する製造方法であって、前記永久磁石の円筒部の肉厚が0.1mm以上、0.4mm以下の永久磁石を製造する際には、前記等方性SmFeN磁性粉の平均粒径を、5μm以上、125μm以下とするとともに、前記永久磁石の円筒部の肉厚方向に前記等方性SmFeN磁性粉が少なくとも2個以上分布するように、前記肉厚が小さくなるにしたがって、前記等方性SmFeN磁性粉の平均粒径を小さくし、かつ前記肉厚が小さくなるにしたがって、前記永久磁石の円筒部の肉厚方向に分布する前記等方性SmFeN磁性粉の数を増加させることを特徴とする。
本発明によれば、耐候性、磁気特性に優れた円筒状の永久磁石を製造することができる
本実施形態に係わる超小型ステッピングモータを、図1に示す。先ず、各構成要素について詳細に説明する。1はロータを構成する円筒状の磁石であり、このロータである磁石1は、その外周表面を円周方向に等間隔にn分割(nは偶数である)して、S極、N極が交互に着磁された着磁部を有している。この磁石1は圧縮成形で形成した極異方性磁石で構成されており、簡単な形状であるために小さく、薄く構成することが容易である。また、シャフトインサート成形によって、組立てを行っても割れは発生しない。
7は出力軸となるロータ軸であり、このロータ軸7は磁石1の内径の中心に固定されている。ロータ軸7の材質としては非磁性材質でもよいが、磁気特性を持つ材質も望ましい。2及び3は円筒状のコイルであり、その中心部は磁石1の中心部と一致しており、軸方向に並んで磁石1を挟む位置に配置されている。このコイル2,3の外径は磁石1の外径とほぼ等しい。
8は第1のステータ、9は第2のステータであって、いずれも軟磁性材料で構成されている。第1のステータ8と第2のステータ9は同一形状であって、互いの櫛歯形状である磁極の先端が対向するように向かい合って配置される。第1のステータ8は第1のコイル2によって励磁され、第2のステータ9は第2のコイル3によって励磁される。第1のステータ8と第2のステータ9には、それぞれの外筒部および内筒部の先端に切り欠くことで、周方向に複数に分割され、それぞれが軸方向に延出した櫛歯形状の磁極が形成されている。第1のステータ8の外筒部にはその先端部に外側磁極部8a,8bが形成され、内筒部にはその先端部に内側磁極部8c,8dが形成されている。外側磁極部8a,8bは360/(n/2)度、すなわち180度ずれて形成され、内部磁極部8cは外部磁極部8aと、内部磁極部8dは外部磁極部8bとそれぞれ対向するように形成される。第2のステータ9も同様に外側磁極部9a,9b、内側磁極部9c,9dがそれぞれ形成されている。
第1のステータ8の外筒部と内筒部の間であって、これら筒部の連結部近傍に第1のコイル2を配置し、外側磁極部8a,8bと内側磁極部8c,8dとの間に磁石1の一端側を挟む。第2のステータ9の外筒部と内筒部の間であって、これら筒部の連結部近傍に第2のコイル3を配置し、外側磁極部9a,9bと内側磁極部9c,9dとの間に磁石1の他端側を挟む。つまり、外側磁極部8a,8b,9a,9bが磁石1の外周表面と対向し、内側磁極部8c,8d,9c,9dが磁石1の内周表面と対向している。
10は円筒形状の連結リングであり、この連結リング10の内側の一端側に溝10a,10bが形成され、他端側には溝10c,10dが形成されており、この溝10c,10dは溝10a,10bに対して位相180/n度、すなわち45度位相がずれている。また、連結リング10は非磁性材料で構成されており、第1のステータ8と第2のステータ9との間に磁気回路を分断でき、お互いの磁極の影響は出にくい構成となっている。
ここで、上記構成のステッピングモータの回転駆動について説明する。
コイル2および3に通電して、第1のステータ8の外側磁極部8a,8bをN極、内側磁極部8c,8dをS極に励磁し、第2のステータ9の外側磁極部9a,9bをS極、内側磁極部9c,9dをN極に励磁すると、ロータである磁石1は反時計回りに45度回転する。
次に、コイル2への通電を反転させ、第1のステータ8の外側磁極部8a,8bをS極、内側磁極部8c,8dをN極に励磁し、第2のステータ9の外側磁極部9a,9bをS極、内側磁極部9c,9dをN極に励磁すると、ロータである磁石1はさらに反時計回りに45度回転する。
次に、コイル3への通電を反転させ、第1のステータ8の外側磁極部8a,8bをS極、内側磁極部8c,8dをN極に励磁し、第2のステータ9の外側磁極部9a,9bをS極、内側磁極部9c,9dをN極に励磁すると、ロータである磁石1はさらに反時計回りに45度回転する。
以後、このようにコイル2およびコイル3への通電方向を順次に切り換えていくことにより、ロータである磁石1は通電位相に応じた位置へと順に回転していく。
図2は、圧縮成形装置の構成および圧縮成形により上記磁石1の磁石予備品を形成する手順を説明するための図である。同図において、22はバインダーがSmFeN磁性粉の表面に均一的にコーティングされて成るコンパウンド(磁石組成物)であり、このコンパウンド22が充填リング21に必要重量装入され、金型空間23に規定量充填される。24,25はそれぞれ超硬合金材質の金型の内型と外型である。26は下パンチであり、27は上パンチである。28は加圧により形成された磁石予備品である。
なお、バインダーとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられるが、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、変成エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ変成フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ふっ素樹脂等が挙げられるが、これらは本発明を限定するものではない。
図2(a)は、コンパウンド22を金型空間23に充填される様子を示している。図2(b)は、充填リング21を金型から外し、上パンチ27を金型空間23に差し込み、下パンチと同時に上下からコンパウンド22に圧力をかけ、磁石予備品28を形成する様子を示している。図2(c)は、上パンチ27を金型空間23から取り出した後、下パンチ26の上昇で磁石予備品28を金型空間23から脱型する様子を示している。
形成された磁石予備品28は、温度110℃で10分加熱し、次に170℃で30分加熱成形することにより磁石予備品中のエポキシバインダーを加熱硬化させ、圧縮等方性SmFeNの磁石1となる。
上記磁石1は、平均粒径5μm以上、125μm以下のSmFeN等方性磁性粉とバインダーからなるコンパウンド22を、圧縮成形法により上下パンチを相対移動することで同時に加圧することにより形成した、小型の永久磁石である。リング状薄肉超小型磁石の厚み方向に揃えて分布できる磁性粉の数は、小型磁石の成形性、機械強度、磁気特性およびモータ特性に影響を及ぼす。例えば、薄肉厚み0.25mmのリング状磁石に対し、磁性粉の平均粒径が125μmを超えると、薄肉の厚み方向に磁性粉の数を1個しか分布できないため、形成した磁石1の機械強度は弱くなってしまう。
なお、SmFeN等方性磁性粉とバインダーからなるコンパウンド22に、滑剤、難燃剤などを添加してもよい。滑剤の適量添加は成形磁石の比重および磁気特性の改善へ寄与できるが、大量の滑剤添加により機械特性は低減する可能性がある。よって、滑剤の添加量は0.05%以上、1%以下であるが、0.1%以上、0.5%以下であることがより望ましい。
本実施形態に係るSmFeN磁性粉の平均粒径は、5μm以上、125μ以下である。肉厚み0.25mm以下のリング状磁石に対し、SmFeN等方性磁性粉の平均粒径が5μm以上、50μm以下であることがより望ましい。磁性粉の平均粒径が5μm以下になる場合、磁性粉に樹脂コーティングを行う時に、磁性粉とバインダーからコンパウンド22の凝集を発生しやすくなり、形成した磁石の磁気特性のバラツキが生じ、ステッピングモータのコギングトルクが高くなる。
SmFeN磁性粉はリボン状もしくはインゴット状の合金を、粉砕装置を用い、必要な平均粒径まで粉砕したものである。粉砕装置は、ジェットミル、ボールミル、ビスコミル、ハンマーミルなどが用いられる。
磁性粉の平均粒径はレーザ回折・散乱法により求められる。レーザ回折・散乱法においては、湿式測定法および乾式測定法がある。上記の二つの測定方法による磁性粉平均粒径の測定値は多少異なる可能性がある。本実施形態に係わる磁性粉の平均粒径が5μm以上であるため、乾式回折・散乱法により平均粒径を求めるのがより望ましい。
本実施形態の圧縮成形法は、上下パンチが相対移動することで同時に磁性粉に加圧することが特徴の一つである。単にパンチを一方向に移動させ、磁性粉に加圧する場合は、形成される磁石の軸方向の機械特性にバラツキが生じ、成形できなくなる。さらに磁石の形になっても、軸方向の磁気特性のバラツキが生じ、モータ特性への影響を無視できない。
本実施形態に係る磁石1の薄肉厚みは、0.1mm以上、1.0mm以下としている。寸法上、薄くすることによって、モータの内側磁極部と外側磁極部のギャップが小さく構成でき、少ない電流あるいはコイルの巻数で多くの磁束を発生させられ、モータの高出力化、コンパクト化を達成している。
本実施形態に係る磁石1の外径は、1mm以上、5mm以下としている。一般に超小型になればなるほど製造が難しく、コストが高くなり、またモータの出力はモータの直径の2乗から3乗に比例して小さくなり、さらに入力に対する出力の効率も悪くなる傾向がある。磁石1の外径が5mm以上になると、磁石を組み込んだステッピングモータがスチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話カメラ、プリンタなどの電化製品に使われにくくなる。
以下に、上記磁石1を形成するに当たっての、各実施例及び比較例を示す。
実施例1では、コンパウンド(磁石組成物)として、平均粒径106μmの等方性SmFeN(株式会社東芝)100重量部に対し、1重量部エポキシバインダー(CT200 長瀬エレックス株式会社)をアセトンで溶解させ、ハイスピードミキサー(深江パウテック株式会社)を用い、磁性粉表面にコーティングした。エポキシバインダーをコーティングした磁性粉に0.3重量部の滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、もう一度ミキサーで混合した。
得られたコンパウンドを、図2(a),(b),(c)に例示した通り、成形金型を振動させながら、上下パンチの相対移動で同時に加圧し、圧縮成形を行い、外径3.9mm、厚み0.4mm、長さ3.8mmのリング状磁石1を形成した。
実施例2では、コンパウンドとして、等方性SmFeN(株式会社東芝)の平均粒径75μm、100重量部に対し、1.5重量部のエポキシバインダー(CT200 長瀬エレックス株式会社)をアセトンで溶解させ、ハイスピードミキサーを用い、磁性粉表面にコーティングした。エポキシバインダーをコーティングした磁性粉に0.3重量部の滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、もう一度ミキサーで混合した。
得られたコンパウンドを、図2(a),(b),(c)に例示した通り、成形金型を振動させながら、上下パンチの相対移動で同時に加圧し、圧縮成形を行い、外径2.9mm、厚み0.3mm、長さ3.8mmのリング状磁石1を形成した。
実施例3では、コンパウンドとして、等方性SmFeN(株式会社東芝)の平均粒径40μm、100重量部の磁性粉に対し、1.5重量部のエポキシバインダー(CT200 長瀬エレックス株式会社)をアセトンで溶解させ、ハイスピードミキサーを用い、磁性粉表面にコーティングした。コーティングした磁性粉に対し、0.3重量部の滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、もう一度ミキサーで混合した。
得られたコンパウンドを、図2(a),(b),(c)に例示した通り、成形金型を振動させながら、上下パンチの相対移動で同時に加圧し、圧縮成形を行い、外径2.0mm、厚み0.25mm、長さ3.8mmのリング状磁石1を形成した。
実施例4では、コンパウンドとして、等方性SmFeN(株式会社東芝)の平均粒径15μm、100重量部の磁性粉に対し、2重量部のエポキシバインダー(CT200 長瀬エレックス株式会社)をアセトンで溶解させ、ハイスピードミキサーを用い、磁性粉表面にコーティングした。コーティングした磁性粉に対し、0.3重量部の滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、もう一度ミキサーで混合した。
得られたコンパウンドを、図2(a),(b),(c)に例示した通り、成形金型を振動させながら、上下パンチの相対移動で同時に加圧し、圧縮成形を行い、外径1.3mm、厚み0.2mm、長さ3.8mmのリング状磁石1を形成した。
(比較例1)
比較例1では、コンパウンドとして、等方性SmFeN(株式会社東芝)の平均粒径175μm100重量部に対し、1重量部のエポキシバインダー(CT200 長瀬エレックス株式会社)をアセトンで溶解させ、ハイスピードミキサーを用い、磁性粉表面にコーティングした。コーティングした磁性粉に0.3重量部の滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、もう一度ミキサーで混合した。
得られたコンパウンドを、図2(a),(b)、(c)に例示した通り、成形金型を振動させながら、上下パンチの相対移動で同時に加圧し、圧縮成形を行い、外径3.9mm、厚み0.4mm、長さ3.8mmのリング状磁石を形成したが、形成した磁石の厚み方向および軸方向の充填均一性は良くなく、磁気特性にバラツキが出てしまった。
(比較例2)
比較例2では、コンパウンドとして、等方性NdFeB系(MQP−B MQ社)の平均粒径106μm、100重量部に対し、1重量部エポキシバインダー(CT200 長瀬エレックス株式会社)をアセトンで溶解させ、ハイスピードミキサーを用い、磁性粉表面にコーティングした。エポキシバインダーをコーティングした磁性粉に0.3重量部の滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、もう一度ミキサーで混合した。
得られたコンパウンドを、図2(a),(b),(c)に例示した通り、成形金型を振動させながら、上下パンチの相対移動で同時に加圧し、圧縮成形を行い、外径3.9mm、厚み0.4mm、長さ3.8mmのリング状磁石を形成した。
(比較例3)
比較例3では、コンパウンドとして、等方性NdFeB系(MQP−B MQ社)の平均粒径15μm、100重量部に対し、2重量部エポキシバインダー(CT200 長瀬エレックス株式会社)をアセトンで溶解させ、ハイスピードミキサーを用い、磁性粉表面にコーティングした。コーティングした磁性粉に0.3重量部の滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、もう一度ミキサーで混合した。
得られたコンパウンドを、図2(a),(b),(c)に例示した通り、成形金型を振動させながら、上下パンチの相対移動で同時に加圧し、圧縮成形を行い、外径1.3mm、厚み0.2mm、長さ3.8mmのリング状磁石を形成した。
図3は、上記実施例1〜4および比較例1〜3における、圧縮成形された磁石の組成、寸法および成形圧力をまとめて示す図である。
《形成した磁石の環境試験》
形成した実施例1〜4および比較例1〜3の磁石を、80℃90%RHに設定した環境試験機中に置き、240時間後の磁石表面の錆発生状況を調べた。比較例2および比較例3のNdFeB系等方性圧縮磁石の表面に錆が顕著に発生した。実施例1〜実施例4および比較例1のSmFeN等方性圧縮磁石の表面に錆は発生せず、良好な表面状態であった。
《モータの特性評価》
形成した実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3の磁石にシャフト(回転軸)を圧入し、極異方性パターンで着磁を行った。着磁した磁石を図1のステッピングモータに組込み、モータ特性を調べた。
実施例1において形成した磁石1を組み込んだステッピングモータを、電圧5V、40Ω、2相駆動、500ppsの条件下で駆動することにより、プルアウトトルク0.25mNmが得られた。ステッピングモータを耐久500時間運転した後のプルアウトトルク低減率は2%しかなかった。
実施例2において形成した磁石を組み込んだステッピングモータを、5V、40Ω、2相駆動、500ppsの条件下で駆動することにより、プルアウトトルク0.14mNmが得られた。ステッピングモータを耐久500時間運転した後のプルアウトトルク低減は3%であった。
実施例3において形成した磁石を組み込んだステッピングモータを、5V、40Ω、2相駆動、500ppsの条件下で駆動することにより、プルアウトトルク0.025mNmが得られた。ステッピングモータを耐久500時間運転した後のプルアウトトルク低減率は5%であった。
実施例4において形成した磁石を組み込んだステッピングモータを、5V、40Ω、2相駆動、500ppsの条件下で駆動することにより、プルアウトトルク0.012mNmが得られた。ステッピングモータを耐久500時間運転した後のプルアウトトルク低減率は6%であった。
比較例1において形成した磁石を組み込んだステッピングモータを、5V、40Ω、2相駆動、500ppsの条件下で駆動することにより、プルアウトトルク0.21mNmが得られたが、磁石の組成が均一ではないため、コギングトルクは高かった。
比較例2において形成した磁石を組み込んだステッピングモータを、5V、40Ω、2相駆動、500ppsの条件下で駆動することにより、プルアウトトルク0.21mNmが得られたが、モータを耐久500時間運転した後のプルアウト低減率は50%であった。
比較例3において形成した磁石を組み込んだステッピングモータを、5V、40Ω、2相駆動、500ppsの条件下で駆動することにより、プルアウトトルク0.009mNmが得られたが、ステッピングモータを耐久500時間運転した後のプルアウトトルクの低減率は60%であった。
図4は、上記実施例1〜4および比較例1〜3における磁石の環境試験およびモータ特性評価の結果をまとめて示す図である。
本実施形態によれば、磁石1を、耐候性、磁気特性に優れたSmFeN等方性磁性粉を用い、磁性粉の平均粒径を5μm以上、125μm以下に制御し、前記の磁性粉とバインダーとからなるコンパウンドを、圧縮成形法により上下パンチを相対移動することで同時に加圧して形成した永久磁石としている。よって、磁石1の表面に錆を発生せずに耐候性を充分に持ち、磁気特性に優れた磁石1とすることができる。
また、形成した磁石1の形状を薄肉リング状とし、薄肉厚みを0.1mm以上、1.0mm以下としている。さらに、磁石1の外径を、1mm以上、5mm以下としている。よって、薄肉化した磁石1とすることができ、軽量化・高トルク化を両立可能となる。
また、図1に示すように、上記の磁石1をロータとし、該ロータと、複数の磁極部と、この磁極部を励磁する複数のコイルとを有する超小型ステッピングモータを構成することにより、高トルクを有する超小型ステッピングモータを実現することができる。
本発明の一実施形態に係わる超小型ステッピングモータの断面図である。 本発明の一実施形態に係わる圧縮成形装置の構成および圧縮成形の手順を説明するための図である。 本発明の実施例1〜4および比較例1〜3における圧縮成形された磁石の組成、寸法および成形圧力をまとめて示す図である。 本発明の実施例1〜4および比較例1〜3における磁石の環境試験およびモータ特性評価の結果をまとめて示す図である。
符号の説明
1 磁石
2 第1コイル
3 第2コイル
7 出力軸
8 第1ステータ
8a,8b 外側磁極部
8c,8d 内側磁極部
9 第2ステータ
9a,9b 外側磁極部
9c,9d 内側磁極部
10 保持部材
21 充填リング
22 コンパウンド
23 金型空間
24 金型内型
25 金型外型
26 下パンチ
27 上パンチ
28 磁石予備品

Claims (3)

  1. 等方性SmFeN磁性粉とバインダーとからなるコンパウンドを圧縮成形することで円筒状の永久磁石を製造する製造方法であって、
    前記永久磁石の円筒部の肉厚が0.1mm以上、0.4mm以下の永久磁石を製造する際には、前記等方性SmFeN磁性粉の平均粒径を、5μm以上、125μm以下とするとともに、
    前記永久磁石の円筒部の肉厚方向に前記等方性SmFeN磁性粉が少なくとも2個以上分布するように、前記肉厚が小さくなるにしたがって、前記等方性SmFeN磁性粉の平均粒径を小さくし、かつ前記肉厚が小さくなるにしたがって、前記永久磁石の円筒部の肉厚方向に分布する前記等方性SmFeN磁性粉の数を増加させることを特徴とする永久磁石の製造方法。
  2. 前記肉厚が0.25mm以下の永久磁石を製造する際には、前記等方性SmFeN磁性粉の平均粒径を、5μm以上、50μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石の製造方法。
  3. 前記製造方法は、上下パンチが相対移動することで、前記等方性SmFeN磁性粉を圧縮成形することを特徴とする請求項1または2に記載の永久磁石の製造方法。
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