JP4964055B2 - 光並列演算素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光並列演算時に互いの光情報を組み入れることで、より高性能な並列演算をより高速に行うための光並列演算素子に関する。
近年の情報処理装置の高速化・高性能化の要求に伴い、演算処理の並列化が要求されている。このため、デジタル演算処理回路が複数組み込まれた並列演算素子が提供されているが、アナログ情報に関しては個々の信号を毎回デジタル信号に変換した後に並列デジタル演算を行わなければならない。そのために、演算処理の高速化には複数のアナログ信号をアナログのまま一度に並列に演算できる演算素子が必要となってくる。
従来のアナログ演算素子において、単一の回路のものはオペアンプのような従来の半導体素子を用い、複数の回路では、まずアナログ信号をデジタル信号に変換して、その後、複数のデジタル信号を演算処理していた。そのため、複数のアナログ信号のアナログ演算を並列に行うには、入力回路数と同数のアナログ−デジタル変換回路が必要となってしまう。しかも、回路数が多くなればなるほど複数のアナログ−デジタル変換回路同士の同期を取ることが難しくなるといった問題も生じてしまう。
一方、光を用いて演算を行う素子が提案されている。図13に従来の光演算素子の構成を模式的に断面図で示す。この光演算素子は、二次元配列した複数の光学セル51を備え、それぞれの光学セル51は隔壁52と底部53よりなる区画に光の情報を受けたときに応答する光応答性物質54を収容している。各光学セル51には演算光照射装置55により所定波長の光56が照射し、光56が照射された光学セル51内の光応答性物質54は光応答性を示し、その状態を検出することにより、演算が行われるようになっている。
しかしながら、このような従来の光演算素子は、演算の並列化を行う場合、それぞれ独立した光学セル51によって行われており、並列演算中は隣接した光学セル51同士の間での情報の遣り取りは行われていない。もし、隣り合った光学セル51同士の演算が必要な場合には、並列演算を一旦止めて、光学セル51同士の演算を行い、その後、並列演算を再開するといった作業を行っていた。
従って、光学セル51間の情報の遣り取りが多くなればなるほど、複数の光学セル51による並列演算の演算速度が低下してしまうといった問題を生じていた。並列演算には、並列演算を行う前処理にデータの並び替え等の処理が必要なため、場合によっては単独の光学セル51による演算の方が早くなるといった問題も生じてしまう。
フォトニック結晶におけるレーザー発振I,II、大高一雄、植田毅、迫田和彰、第54回日本物理学会要旨集 J. D. Joannopoulos, R. D. Moade and H. N. Winn, "Photonic Crystals", Princeton University Press, New Jerset, (1996) F. Bos, Appl. Optics, vol.20, No.20, 3553 (1981) M. Broyeretal., Appl. Phys. B, vol.35, 31 (1984) John D. Joannopoulos, Robert D. Meade, Joshua N. Winn, 訳者:藤井 壽崇、井上 光輝、"フォトニック結晶"、コロナ社、 p.68-69 吉野 勝美、武田 寛之、"フォトニック結晶の基礎と応用"、コロナ社、p.64 Yoshihiko Akahane et al. "High-Q photonic nanocavity in a two-dimensional photo crystal", Nature, 425, 944-947 (2003)
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、より高性能な並列演算をより高速に行うことができる光並列演算素子を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性物質を収容し、隔壁はフォトニック結晶からなるとともに内部に光導波路と光共振器が形成され、光応答性物質は所定波長Wiの光が照射されたとき所定の波長領域にわたって分布する光を発光し、この発光した光は光導波路及び共振器により規定波長Wfとして隣接する光学セルに入射し、この隣接する光学セルに所定波長Wiの光が照射されている状態のときに、規定波長Wfの光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子を提供する。
また、本発明は、互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性物質を収容し、隔壁はフォトニック結晶からなるとともに内部に光導波路と光共振器が形成され、底部には上方から入射した光を反射して隔壁を解して隣接する光学セルに導くためのミラーが形成され、光応答性物質は所定波長Wiの光が照射されたとき所定の波長領域にわたって分布する光を発光し、この発光した光を光導波路及び共振器により規定波長Wfとして隣接する光学セルに入射し、この隣接する光学セルに所定波長Wiの光が照射されている状態のときに、規定波長Wfの光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子を提供する。
また、本発明は、互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性物質を収容し、隔壁はフォトニック結晶からなるとともに内部に光導波路と光共振器が形成され、光応答性物質は所定波長Wiの光が照射されたとき所定の波長領域にわたって分布する光を発光し、この発光した光を光導波路及び共振器により規定波長Wfとして隣接する光学セルに入射し、特定のセルに隣接する2以上の光学セルから規定波長Wfの明るい光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子を提供する。
また、本発明は、互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性Wfとして隣接する光学セルに入射し、特定の光学セルに隣接する2以上の光学セルから規定波長Wfの光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子を提供する。
さらに、本発明は、上記各発明において、光応答性物質がレーザー色素であることを特徴とする光並列演算素子を提供する。
本発明によれば、光学セル間に光導波路と光発振器が形成されたフォトニック結晶よりなる隔壁を備え、複数の光学セル内の光応答性分子に対する光の遣り取りを利用して演算を行うことで、複数のセルの情報を足し合わせることが可能になり、より高性能な並列演算を高速で行う演算素子を実現でき、係るアナログ演算装置の性能向上に寄与するところが大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光並列演算素子の構成を模式的に示す平面図及び断面図、図2は、前記光並列演算素子の原理説明図である。
光学セル11は、隔壁12と底部13で区画化された空間を有し、その空間に光の情報を受けたときに応答する光応答性物質14が収容されている。隔壁12はフォトニック結晶で作られており、この隔壁12内には光共振器15と光導波路16が形成されている。光学セル11の上側は開口するように記載されているが、装置化にあたっては光応答性物質14を密閉した構造とする。この密閉化は、光透過性材料でふたをする方法で行ってもよく、カプセル化してもよい。光学セル11内の光応答性物質14は上側から光の照射が行えるようになっている。なお、ここで上側とは、図面に示してある方向を指し、実際の使用にあたっては任意の方向を向いていてよい。本実施形態では、後述する第2実施形態のように底部13にミラーを設けた構成となっていないが、ミラーを設けるかどうかは、光応答性物質14として使用する分子の種類や演算方法、あるいは得ようとする光信号の大きさ等により決めることができる。
光学セル11の材料としては、例えば石英、シリコン、サファイア、透明アルミナ、ガラス等を用いることができる。光学セル11の光応答性物質14を収容する空間は例えばマイクロマシーン技術により加工することができる。
隔壁12はフォトニクス結晶で構成することができるが、フォトニクス結晶としては、石英、シリコン、サファイア、透明アルミナ、ガラス等の材料に穴を開けた物、もしくは光応答性物質14と接する部分を透明の材質(石英、サファイア、透明アルミナ、ガラス等)よりなる透明の壁で囲まれた光学セル11の間に不透明アルミナ、シリコン、ガリウム砒素等の円筒状の支柱を周期的に立てた物等を用いることができる。
光応答性物質14としては、例えば、Coumarin 500 (7-Ethyamino-4-trifluormethylcoumarin))、Rhodamine101 (8-(2-Carboxyphenyl)-2,3,5,6,11,12,14,15-octahydro-1H,4H,10H,13H-diquinolizino [9,9a,1-bc:9',9a',1-hi] xanthylium Perchloarate)、Rhodamine6G(Benzoic Acid, 2-[6-(ethylamino)-3-(ethylimino)-2,7-dimethyl-3H-xanthen-9-yl]-ethyl ester, monohydrochloride))等のレーザー色素を用いることができる。
これらの色素は、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶媒に溶解して使用することができる。
ここで、隔壁12を構成するフォトニック結晶内に設けられる光共振器15と光導波路16について述べる。フォトニック結晶の例として、例えば誘電率が13と大きいGaAsに周期的に穴を開けた構造において、この構造の穴の中では誘電率が1(空気)となり、図5(非特許文献5 John D. Joannopoulos, Robert D. Meade, Joshua N. Winn, 訳者:藤井 壽崇、井上 光輝、“フォトニック結晶”、コロナ社、 p.68-69)に示すように誘電率の異なる物質を周期的に並べた構造を挙げることができる。このような構造をフォトニック結晶といい、構造内では、光が透過できない光のバンドギャップと呼ばれる領域が発生する。しかも、この光のバンドギャップの値、すなわち透過できない光の波長はフォトニック結晶の穴の間隔に対応している。この構造のままであると、ただの光の反射壁にしかならないが、周期構造内の一部の構造を変えることで、光導波路(図6:非特許文献6 吉野 勝美、武田 寛之、“フォトニック結晶の基礎と応用”コロナ社、p.64)や光共振器(図7:非特許文献7 Yoshihiko Akahane et al. “High-Q photonic nanocavity in a two-dimensional photo crystal”, Nature, 425, 944-947 (2003))を形成することができる。光導波路は、図6に示すように光の通り道に対応した部分の穴を開けずにおくと、その部分が光の導波路になる。また、図7のように両端にフォトニック結晶の構造の一部を残しておくと、その周期性のない部分で光の共振が起こる。光の共振波長(共振周波数)は図7のグラフのように周期性のない部分の大きさ及び構造に反映している。
フォトニック結晶を図8に模式的に示す。
演算動作について述べると、まず図2(i)に示すように、一次元配列の光学セルを考える。波長Wiの光を光学セルA(11)に入れた光応答性物質14に照射する。同時に、波長Wiの光を光学セルB(11)に入れた光応答性物質14に照射する。この時、光応答性物質14からは波長が広く分布した光が発光される。光学セルA(11)で発光した光は図示しない左隣の光学セルと右隣の光学セルB(11)に向かい、光学セルB(11)で発光した光は左隣の光学セルB(11)と右隣の光学セルC(11)に向かうが、光学セルA(11)と光学セルB(11)の間の隔壁12であるフォトニック結晶に設けられた光共振器15と光導波路16により、規定波長Wsのみの光がそれぞれ光学セルA(11)と光学セルB(11)に透過し、光学セルA(11)と光学セルB(11)に入れられた光応答性物質14にそれぞれ照射される。このとき、光学セルA(111)と光学セルB(11)内の光応答性物質14に照射される光は所定量以上の光量となり、光応答性物質14は励起され、強く発光する(図2(ii)、(iii))。また、光学セルA(11)の左隣の光学セルのみや光学セルC(11)のみへの光照射では光量が足りず、光学セルA(11)や光学セルB(11)のように発光は起こらないようになっている。そして発光の有無とその強度が隣接する光学セル11どうしの演算結果となる。従って、特定光学セルに隣接する複数の光学セルから光の情報が同時に入力された場合に起る光応答性物質14の変化を利用することで、複数の入力情報による演算が可能になる。
以上、本発明の光並列演算素子の原理を一次元配列の光学セルを用いた場合を例に説明してきたが、もちろん、本発明では、多数の光学セルを二次元配列した素子構成とすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について述べる。図3は、本発明の第2実施形態に係る光並列演算素子の構成を模式的に示す平面図及び断面図、図4は、前記光並列演算素子の原理説明図である。図3、図4において図1、図2と同様な要素には同じ符号を付してある。
前述の第1の実施形態と同様に、光学セル11は、隔壁12と底部13Aで区画化された空間を有し、その空間に光の情報を受けたときに応答する光応答性物質14が収容されている。隔壁12はフォトニック結晶で作られており、この隔壁12内には光共振器15と光導波路16が形成されている。図1に示されている光共振器15と光導波路16は隔壁12につき2個ずつ描かれているが、隔壁に形成する光共振器15と光導波路16は、それぞれ1個ずつでも本特許の動作をされることが可能なため、隔壁12に形成する光共振器15と光導波路16の数は特定しない。また、底部13Aは図3の下側に詳しく示すように断面が三角形状となっており、その2辺に相当する部分に図示のようにミラー17が形成されている。このミラー15は隣接する光学セル11と光の情報の遣り取りをより良好にするために設けられている。第2の実施形態では、第1の実施形態とこの底部13Aの形状とミラー17が設けられている構成が異なっており、その他の構成は同様である。
演算動作について述べると、まず図4(i)に示すように、一次元配列の光学セルを考える。波長Wiの光を光学セルA(11)に入れた光応答性物質14に照射する。同時に、波長Wiの光を光学セルC(11)に入れた光応答性物質14に照射する。この時、光応答性物質14からは波長が広く分布した光が発光される。光学セルA(11)で発光した光はミラー17で反射され、図示しない左隣の光学セルと光学セルB(11)に向かい。光学セルC(11)で発光した光はミラー17で反射され、左隣の光学セルB(11)と右隣の光学セルD(11)に向かう。光学セルA(11)と光学セルB(11)の間の隔壁12を構成するフォトニック結晶に設けられた光共振器15及び光導波路16と、光学セルC(11)と光学セルB(11)の間の隔壁12を構成するフォトニック結晶に設けられた光共振器15及び光導波路16により、規定波長Wfのみの光が透過し、光学セルB(11)に入れられた光応答性物質14に照射される。このとき、光学セルB(11)内の光応答性物質14に照射される光は所定量以上の光量となり、光応答性物質14は励起され、強く発光する(図4(ii)、(iii))。また、光学セルA(11)のみや光学セルC(11)のみへの光照射では隣接する光学セル11への光量が足りず、発光は起こらないようになっている。そして前記現象の結果生じた強い光が隣接する光学セルB(11)と光学セルA(11)、C(11)との演算結果となる。従って、特定光学セルに隣接する複数の光学セルから光の情報が同時に入力された場合に起きる光応答性物質14の変化を利用することで、複数の入力情報による演算が可能になる。
以上、本発明の光並列演算素子の原理を一次元配列した場合を例に説明してきたが、もちろん、本発明では、多数の光学セルを二次元配列した素子構成とすることができる。
また、第1の実施形態では隣どうしの光学セルに着目し、第2の実施形態では特定光学セルとその両隣の光学セルに着目したが、両者の関係を入れ替えても同様に光並列アナログ演算を行うことができる。
また、上記の第2の実施形態では、各光学セルの形状が平面視正方形状であり、底部の形状が四角錐状である場合を例に述べたが、各光学セルは、その形状が平面視正三角形状であり、底部の形状が三角錐状であるものとして、これらを細密に配置してもよく、また、その形状を平面視正六角形状とし、底部の形状が六角錐状として、これらを蜂の巣状に配置してもよい。これらは、各光学セルの形成にマイクロマシーン技術を使用した場合、リソグラフィーのマスクのパターンを変えるだけで作製することができる。また、各光学セルの底部の形状は上部が平らとなっていてもよい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
図9は本発明の実施例に係る光並列演算素子の隔壁を構成するフォトニック結晶を模式的に示す平面図と光学セルの構成を模式的に示す断面図、図10は前記光並列演算素子の原理説明図である。図4の光並列演算素子は4つの光学セルを有しているが、これは例示のためであり、実際には所要数の光学セルを二次元配列させたものとすることができる。
光学セルは、誘電率13のガラスを使用し、240nmの間隔で直径約87nmの穴を半導体微細加工法により周期的に開け、導波路の部分は穴を開けずにおき、そして導波路の両側に穴を開け共振器を設け、隔壁を形成した。光学セル自体はマイクロマシーン技術で加工した。共振器と導波路を設けたフォトニック結晶は625nmの光は透過し、それ以外の光は遮断する。断面が三角形の底部には金を蒸着してミラーを設けた。このミラーは、上方から入ってきた光を、隔壁を通して隣接する光学セルに向かって反射するように形成した。光学セル内には光応答性物質としてRhodamine101のメタノール溶液を用いた。この光応答性物質は波長Wiを308nmの光とした場合には、1リットルのメタノールに0.75g溶かしたもの、波長Wiを488nmの光とした場合には、1リットルのメタノールに2.5g溶かしたもの、波長Wiを532nmの光とした場合には、1リットルのメタノールに0.50g溶かしたものとした。
図10の原理説明図を用いて、この光並列演算素子の動作について説明する。図10(i)に示すように、光学セルAに入れた光応答性物質(Rhodamine101のメタノール溶液)に波長308nmの光を照射する同時に、光学セルCに入れた同じ光応答性物質に波長308nmの光を照射した。この時、光学セルAとCのRhodamine101が波長308nmの光により励起し発光した。この光はミラーで反射し、光共振器と光導波路が設けられた隔壁のフォトニック結晶で波長625nmの光のみが選択され、光学セルBに照射された。光学セルBのRhodamine101は、光学セルAとCからの波長532nmの光を同時に受け、波長640nmの光を強く発光した。光学セルAやのみCのみを光照射した時には、光学セルBにおいてRhodamine101を発光させるだけの光量が足りず、Rhodamine101による波長625nmの発光は起きなかった。この一連の現象の結果として光学セルBで生じた強い光が隣接する演算結果となる。波長Wiが488nmの場合と532nmの場合についても同様な結果が得られた。
上記では、底部にミラーが設けた光学セルを有する光並列演算素子を例に述べたが、図1、図2に示すような底部にミラーを設けない光学セルを有する光並列演算素子においても、同様な演算結果が得られた。
また、ここで本発明の応用例として、飛行機の飛行管制システムを挙げる。図11、図12が管制システムの画面で、図11は光学セルの底部にミラーが無い場合、図12は光学セルの底部にミラーがある場合を示す。
まず、ミラーが無い場合には、ニアミスかどうかを判定する各飛行機の境界を円として、円内を市松模様のように励起光Wiを照射する。もし、2台の飛行機がニアミスを起こすほど接近した場合、互いの光照射領域が近接してしまい近接部分の光学セルが非常に明るく光る。
ミラーがある場合には、飛行機の領域を点としてみなし、領域が隣接した場合に励起光Wiを照射した2つの光学セルで挟まれた光学セルが非常に明るく光る。
本発明の第1の実施形態に係る光並列演算素子の構成を模式的に示す平面図及び断面図である。 図1の光並列演算素子の原理説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る光並列演算素子の構成を模式的に示す平面図及び断面図である。 図3の光並列演算素子の原理説明図である。 フォトニック結晶の説明図である。 フォトニック結晶に形成された光導波路の説明図である。 フォトニック結晶に形成された光共振器の説明図である。 フォトニック結晶の模式図である。 本発明の実施例に係る光並列演算素子の隔壁を構成するフォトニック結晶を模式的に示す平面図と光学セルの構成を模式的に示す断面図である。 図9の光並列演算素子の原理説明図である。 飛行機の飛行管制システムへの応用例で、光学セルの底部にミラーが無い場合の管制システムの画面を示す図である。 飛行機の飛行管制システムへの応用例で、光学セルの底部にミラーがある場合の管制システムの画面を示す図である。 従来の光演算素子の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
11 光学セル
12 隔壁
13、13A 底部
14 光応答性物質
15 光共振器
16 光導波路
17 ミラー

Claims (5)

  1. 互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、
    各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性物質を収容し、隔壁はフォトニック結晶からなるとともに内部に光導波路と光共振器が形成され、
    光応答性物質は所定波長Wiの光が照射されたとき所定の波長領域にわたって分布する光を発光し、この発光した光は光導波路及び共振器により規定波長Wfとして隣接する光学セルに入射し、この隣接する光学セルに所定波長Wiの光が照射されている状態のときに、規定波長Wfの光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子。
  2. 互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、
    各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性物質を収容し、隔壁はフォトニック結晶からなるとともに内部に光導波路と光共振器が形成され、底部には上方から入射した光を反射して隔壁を解して隣接する光学セルに導くためのミラーが形成され、
    光応答性物質は所定波長Wiの光が照射されたとき所定の波長領域にわたって分布する光を発光し、この発光した光を光導波路及び共振器により規定波長Wfとして隣接する光学セルに入射し、この隣接する光学セルに所定波長Wiの光が照射されている状態のときに、規定波長Wfの光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子。
  3. 互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、
    各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性物質を収容し、隔壁はフォトニック結晶からなるとともに内部に光導波路と光共振器が形成され、
    光応答性物質は所定波長Wiの光が照射されたとき所定の波長領域にわたって分布する光を発光し、この発光した光を光導波路及び共振器により規定波長Wfとして隣接する光学セルに入射し、特定のセルに隣接する2以上の光学セルから規定波長Wfの光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子。
  4. 互いに隣接して設けられる複数の光学セルを有し、
    各光学セルは、上部に光の入射部を有するとともに、隔壁と底部で区画化された空間に、光の情報を受けたときに応答する光応答性物質を収容し、隔壁はフォトニック結晶からなるとともに内部に光導波路と光共振器が形成され、底部には上方から入射した光を反射して隔壁を解して隣接する光学セルに導くためのミラーが形成され、
    光応答性物質は所定波長Wiの光が照射されたとき所定の波長領域にわたって分布する光を発光し、この発光した光は光導波路及び共振器により規定波長Wfとして隣接する光学セルに入射し、特定の光学セルに隣接する2以上の光学セルから規定波長Wfの光が入射すると波長Wfの明るい光が発生し、この波長Wfの明るい光に基づいて光学セル間のアナログ演算を行うことを特徴とする光並列演算素子。
  5. 光応答性物質がレーザー色素であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光並列演算素子。
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