特許文献1に記載の電子式電力量計によれば、エネルギ消費者に対して現在のエネルギ消費量を認識させることはできるが、エネルギ消費者に対して直接的に省エネルギ行動を働きかける作用は乏しい。又、仮にエネルギ消費者が過去に表示されたエネルギ消費量を記憶或いは記録していた場合には、当該過去に表示されたエネルギ消費量の数値と現時点で表示されているエネルギ消費量の数値との比較を行うことはできるものの、あくまで過去における自己のエネルギ消費量との比較が行えるのみであって、客観的なエネルギ消費量の評価が行えるというものではない。
本発明は上記の問題点に鑑み、エネルギ消費者のエネルギ消費量を客観的な指標に基づいて評価を行い、省エネルギへの意識付けを直接的に行う省エネ行動支援システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る省エネ行動支援システムは、標準的なエネルギ消費行動を示す標準エネルギ消費者のエネルギ消費量データである標準エネルギ消費量データと気温データとの相関関係を示す情報である標準エネルギ消費量気温感度データが格納されている記憶手段と、対象エネルギ消費者のエネルギ消費行動を前記標準エネルギ消費者との間で相対的に比較し、当該比較結果を視覚化するための視覚用データを生成する視覚用データ生成手段と、を備え、前記視覚用データ生成手段が、前記記憶手段から前記標準エネルギ消費量気温感度データを読み出して前記標準エネルギ消費量データと前記気温データとの相関関係を、気温及びエネルギ消費量の夫々を軸としてグラフ化することで標準気温感度曲線を作成すると共に、データ作成対象日に係る前記対象エネルギ消費者のエネルギ消費量データである対象エネルギ消費量データ、及び前記データ作成対象日に係る気温データである対象気温データが与えられると、前記標準気温感度曲線と同一グラフ上に前記対象エネルギ消費量データ及び前記対象気温データによって確定される対象気温感度点をプロットすることで前記視覚用データを生成することを第1の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第1の特徴構成によれば、標準エネルギ消費者のエネルギ消費量と気温との関係を示す標準気温感度曲線と同一のグラフ上に、所定のデータ作成対象日に係る対象エネルギ消費者のエネルギ消費量を当該データ作成対象日の気温データに関連付けることで特定される対象気温感度点をプロットすることで、同一気温下における対象エネルギ消費者のエネルギ消費量と、標準エネルギ消費量との比較を視覚的に行うことができる。
一般的に、気温が高い時期(冷房需要発生時期)においては、気温の上昇と共に冷房消費量が増大し、気温が低い時期(暖房需要発生時期)においては、気温の低下と共に暖房消費量が増大する。従って、横軸に気温データを取り、縦軸にエネルギ消費量を取ることで作成された標準気温感度曲線において、対象となる標準エネルギ消費量データが冷房消費由来のエネルギ消費量を含む場合には、冷房需要発生時期において右肩上がりの曲線を描くこととなり、対象となる標準エネルギ消費量データが暖房消費由来のエネルギ消費量を含む場合には、暖房需要発生時期において左肩上がりの曲線を描くこととなる。
従って、標準気温感度曲線が気温の高い領域において右肩上がりの曲線を示し、当該領域下で当該標準気温感度曲線よりも対象気温感度点が上方に位置している場合には、対象エネルギ消費者が、標準エネルギ消費者と比較して冷房運転季(一般的に夏季)におけるエネルギ消費量が比較的多いことが示唆される。特に、両者の乖離が大きい場合、対象エネルギ消費者に対し、自己のエネルギ消費量が標準エネルギ消費量から大きく乖離していることを認識させ、これによって冷房消費を抑制しようとするインセンティブを働かせることができる。
同様に、標準気温感度曲線が気温の低い領域において左肩上がりの曲線を示し、当該領域下で当該標準気温感度曲線よりも対象気温感度点が上方に位置している場合には、対象エネルギ消費者が、標準エネルギ消費者と比較して暖房運転季(一般的に冬季)におけるエネルギ消費量が比較的多いことが示唆され、暖房消費を抑制しようとするインセンティブを働かせることができる。
即ち、本発明の構成によれば、記憶手段内に標準エネルギ消費量データが格納されていれば、対象エネルギ消費者のデータ作成対象日に係るエネルギ消費量データと、該当日の気温データのみを準備することで視覚用データが生成される。気温データは、対象エネルギ消費者のエネルギ消費地点に対応する気温データを公的機関或いはその他の機関等によって開示されている情報を取得したものを利用するとすれば、視覚用データを作成するに際して必要なデータはデータ作成対象日に係る対象エネルギ消費者のエネルギ消費量データ(対象エネルギ消費量データ)のみである。即ち、例えば従来より設置されている電力量計或いはガスメータ等の指示値等の情報に基づいて視覚用データの生成が可能となり、専用の測定手段を設置することなく、対象エネルギ消費者に対して自己のエネルギ消費傾向に係る情報を提示することができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第1の特徴構成に加えて、前記記憶手段が、複数の日に係る前記対象エネルギ消費者のエネルギ消費量データ、及び該当日の前記気温データを格納しており、前記視覚用データ生成手段が、複数のデータ作成対象日特定情報が与えられると、当該データ作成対象日特定情報によって特定される複数の日を夫々前記データ作成対象日とする複数の前記対象エネルギ消費量データ及び前記対象気温データを前記記憶手段から読み出すと共に、前記標準気温感度曲線と同一グラフ上に、前記各データ作成対象日毎に確定される前記対象気温感度点夫々をプロットすることで前記視覚用データを生成することを第2の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第2の特徴構成によれば、視覚用データとして複数の日に係る対象気温感度点がプロットされているため、当該プロットされている領域と標準気温感度曲線の位置とを比較することで、より客観的に対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向を認識することができる。
例えば、標準気温感度曲線が気温の低下と共にエネルギ消費量が増大している領域(暖房季)において、プロットされた対象気温感度点群が、全体的に標準気温感度曲線よりも上方に位置しており、同様に気温の低下と共にエネルギ消費量が増大する傾向を示しているような視覚用データが表示された場合、対象エネルギ消費者は、自己の暖房消費由来のエネルギ消費量が比較的多いことを認識することができる。又、このとき、当該対象気温感度点群が形成する傾きが標準気温感度曲線の傾きよりも急勾配である場合には、気温の低下に伴う暖房消費由来のエネルギ消費量の増分が標準エネルギ消費者と比較して大きいことを認識することができる。これによって、対象エネルギ消費者に対し、今後暖房機器の設定温度を多少低下させたり、或いは、不在空間においては暖房の運転を停止する等の対処措置を施すことで、同一気温下に係るエネルギ消費量を標準気温感度曲線に近づけようとする省エネ行動への意識付けの働きかけを行うことができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第1の特徴構成に加えて、前記記憶手段が、複数の日に係る前記対象エネルギ消費者のエネルギ消費量データ、及び該当日の前記気温データを格納しており、前記視覚用データ生成手段が、一のデータ作成対象日特定情報が与えられると、当該データ作成対象日特定情報によって指定される指定日を含む所定の複数日を前記データ作成対象日とする複数の前記対象エネルギ消費量データ及び前記対象気温データを前記記憶手段から読み出すと共に、前記標準気温感度曲線と同一グラフ上に、前記各データ作成対象日毎に確定される前記対象気温感度点夫々をプロットすることで前記視覚用データを生成することを第3の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第3の特徴構成によれば、データ作成対象日特定情報によって特定される特定日を含む複数日に係る対象気温感度点群が標準気温感度曲線と同一グラフ上にプロットされるため、対象エネルギ消費者は、前記特定日を適宜変更して視覚用データを随時生成させることで、自己の過去のエネルギ消費傾向の動向を直感的に把握することができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第1又は第2の特徴構成に加えて、前記記憶手段が、前記対象エネルギ消費者を含む複数のエネルギ消費者の日毎のエネルギ消費量データが集積されて、日毎の前記気温データと関連付けを有した状態で記録しており、前記記憶手段から前記複数のエネルギ消費者の日毎のエネルギ消費量データ及び該当日の前記気温データを読み出すと共に、前記複数のエネルギ消費者のエネルギ消費量データに基づいて日毎の前記標準エネルギ消費量データを導出し、導出された前記標準エネルギ消費量データと該当日の前記気温データとを関連付けることで前記標準エネルギ消費量気温感度データを作成し、前記記憶手段に記録する標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段を更に備えることを第4の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第4の特徴構成によれば、集積される複数のエネルギ消費者のエネルギ消費量データに基づいて標準エネルギ消費量データが導出されるため、標準エネルギ消費量気温感度データを逐次更新することができる。これにより、最近の動向が反映されたデータに基づいて標準気温感度曲線が生成されるため、かかるデータとの比較を行うことで、より客観性の高い情報を対象エネルギ消費者に提示することが可能となる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第4の特徴構成に加えて、前記視覚用データ生成手段が、前記対象エネルギ消費者を特定する対象エネルギ消費者特定情報、及び前記データ作成対象日を特定するデータ作成対象日特定情報が与えられると、前記対象エネルギ消費者特定情報によって特定される前記対象エネルギ消費者、並びに前記データ作成対象日特定情報によって特定される前記データ作成対象日に基づいて、前記対象エネルギ消費量データ及び前記対象気温データを前記記憶手段から読み出して前記視覚用データを生成することを第5の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第5の特徴構成によれば、対象エネルギ消費者データも記憶手段から読み出すことができるため、本発明に係る省エネ行動支援システムによって、複数のエネルギ消費者夫々に対して当該エネルギ消費者の対象気温感度点に基づく視覚用データの生成が可能となる。このため、例えば各エネルギ消費者は、自己の操作端末によって本発明に係る省エネ行動支援システムに対し電気通信回線を介してアクセスを行うことで、自己の視覚用データを確認することができる。これにより、複数のエネルギ消費者に対し、自己のエネルギ消費傾向を認識させると共に、省エネ行動に対する意識付けを行うことができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第4又は第5の特徴構成に加えて、前記記憶手段が、前記複数のエネルギ消費者の前記エネルギ消費量データを、所定の規則に基づいて前記複数のエネルギ消費者のエネルギ消費傾向を複数のエネルギ消費属性に分類した場合において各前記複数のエネルギ消費者夫々が属する当該エネルギ消費属性を認識可能な状態で蓄積しており、前記標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段が、前記対象エネルギ消費者特定情報によって特定される前記対象エネルギ消費者が属する前記エネルギ消費属性と同一のエネルギ消費属性を示す前記複数のエネルギ消費者の前記エネルギ消費量データに基づいて前記標準エネルギ消費量気温感度データを生成することを第6の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第6の特徴構成によれば、対象エネルギ消費者と同程度のエネルギ消費傾向を示す他のエネルギ消費者とのエネルギ消費量に基づいて標準エネルギ消費量気温感度データが算定されるため、対象気温感度点(群)の比較対象となる標準気温感度曲線が自己のエネルギ消費傾向に近い複数のエネルギ消費者のエネルギ消費量に基づくデータに基づいて作成されたものとなる。従って、対象エネルギ消費者は、かかる標準気温感度曲線と自己の対象気温感度点(群)を同一のグラフ上に表記されてなる視覚用データを確認することで、より客観的に自己のエネルギ消費動向を評価することができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第4〜第6の何れか一の特徴構成に加えて、前記視覚用データ生成手段が、前記対象エネルギ消費者特定情報、及び前記データ作成対象日特定情報が与えられると、前記対象エネルギ消費者特定情報によって特定される前記対象エネルギ消費者、並びに前記データ作成対象日特定情報によって指定される指定日及び当該指定日の直近の一日又は複数日で特定される前記データ作成対象日に基づいて、前記対象エネルギ消費量データ及び前記対象気温データを前記記憶手段から読み出すと共に、前記標準気温感度曲線と同一グラフ上に全ての前記データ作成対象日に係る前記対象気温感度点をプロットすることで前記視覚用データを生成することを第7の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第7の特徴構成によれば、データ作成対象日特定情報によって指定される指定日を含む過去の一日又は複数日の対象気温感度点がプロットされた視覚用データが生成される。このため、複数の対象気温感度点群が形成する領域と標準気温感度曲線の位置を比較することで、より客観的に対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向を認識することができる。例えば、対象エネルギ消費者は、データ作成対象日特定情報を適宜変更させながら連続的に視覚用データを生成させることで、対象エネルギ消費者は自己の過去のエネルギ消費動向を視覚的に把握することができ、省エネ行動の意識付けを図ることができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第3又は第7の特徴構成に加えて、前記視覚用データ生成手段が、前記指定日に係る前記対象気温感度点と、前記指定日以外の前記データ作成対象日に係る前記対象気温感度点とを、異なる外観でプロットすることを第8の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第8の特徴構成によれば、指定日に係る対象気温感度点が、指定日以外のデータ作成対象日に係る対象気温感度点と視覚的に識別可能に構成されるため、指定日以外の過去のデータ作成対象日に係る自己のエネルギ消費傾向と標準気温感度曲線とに基づいて、指定日におけるエネルギ消費傾向に対する客観的な評価を一目で行うことができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第1〜第8の何れか一の特徴構成に加えて、前記標準エネルギ消費量気温感度データが、少なくとも前記標準エネルギ消費者の一日の総消費電力量と気温との相関関係を示す標準日電力量気温感度データを含み、前記対象エネルギ消費量データが、少なくとも前記データ作成対象日の総消費電力量で定義される対象日電力量データを含み、前記視覚用データ生成手段が、前記標準日電力量気温感度データに基づいて前記標準気温感度曲線を作成すると共に、前記標準気温感度曲線と同一グラフ上に、前記対象日電力量データ及び前記対象気温データによって確定される前記対象気温感度点をプロットすることで、電力消費行動に関する前記視覚用データを生成することを第9の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第9の特徴構成によれば、対象エネルギ消費者は視覚用データを確認することで、自己の過去の電力消費傾向を客観的に認識することができる。
このとき、一般的に、標準気温感度曲線は、エネルギ消費量(電力消費量)が殆ど気温の変化に左右されない領域を有し、かかる領域は冷房や暖房等の空調に由来する割合が小さく、一年を通して持続的に消費されるベース負荷に由来する電力消費の割合が大きいことが推察される。このため、かかる領域において、対象気温感度点が標準気温感度曲線よりも上方に位置している場合には、ベース負荷由来の電力消費が多いことが考えられるため、対象エネルギ消費者に対し、ベース負荷由来の電力消費量の削減を行わせるインセンティブを働かせることができる。
又、対象エネルギ消費者の日毎の消費電力量に係る測定データを対象エネルギ消費者データとして利用すれば良いため、常に設置されている電力量計によって必要なデータの取得が可能である。つまり、改めて専用の測定手段を設ける必要がなく、簡便な方法によって対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向を客観的に把握することができる。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第9の特徴構成に加えて、前記標準エネルギ消費量気温感度データが、更に前記標準エネルギ消費者の一日の総消費ガス量と気温との相関関係を示す標準日ガス量気温感度データを含み、前記対象エネルギ消費量データが、更に前記データ作成対象日の総消費ガス量で定義される対象日ガス量データを含み、前記視覚用データ生成手段が、前記標準日ガス量気温感度データに基づいて前記標準気温感度曲線を作成すると共に、前記標準気温感度曲線と同一グラフ上に、前記対象日ガス量データ及び前記対象気温データによって確定される前記対象気温感度点をプロットすることで、更にガス消費行動に関する前記視覚用データを生成可能に構成されていることを第10の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第10の特徴構成によれば、対象エネルギ消費者は視覚用データを確認することで、電力のみならず自己の過去のガス消費傾向を客観的に認識することができる。
特に、ガスに係る標準気温感度曲線は、一般的に低気温領域下において気温の低下と共に消費量が増大する曲線を描くことが想定されるところ、対象気温感度点が当該領域下において標準気温感度曲線よりも上方に位置していることを確認した場合には、標準エネルギ消費者と比較して、給湯或いは暖房由来のガス消費量が多い傾向にある旨を認識することができ、これによってガス消費量を削減しようとする省エネ行動を実行させるインセンティブとなり得る。例えば、浴室においてシャワの出湯時間を短くしたり、ガスを燃料とする暖房機器を有している場合にはその設定温度を低下させたりする措置を講じる検討を行う動機付けとなる。
又、複数の対象気温感度点群を標準気温感度曲線と同一のグラフ上に表記した場合、対象気温感度点群が形成する形状の傾きが、前記低気温領域下における標準気温感度曲線の傾きよりも大きい場合には、気温の低下に伴う給湯或いは暖房由来のガス消費量の増分が標準エネルギ消費者と比較して大きいことを認識することができるため、かかる情報を対象エネルギ消費者に対して提示することにより、前記の省エネ行動を実践させる強い動機付けとなり得る。
又、対象エネルギ消費者の日毎の消費ガス量に係る測定データを対象エネルギ消費者データとして利用すれば良いため、常に設置されているガスメータによって必要なデータの取得が可能である。つまり、改めて専用の測定手段を設ける必要がなく、簡便な方法によって対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向を客観的に把握することができる。
尚、対象エネルギ消費者のエネルギ消費領域において、給湯メータが設置された給湯器を有する場合には、当該給湯メータによって測定される測定データを対象エネルギ消費者データとし、標準エネルギ消費量気温感度データとして標準エネルギ消費者の一日の総消費給湯量と気温との相関関係を示す気温感度データを用いて視覚用データを作成することも可能である。
又、本発明に係る省エネ行動支援システムは、上記第1〜第10の何れか一の特徴構成に加えて、前記記憶手段が、一日を連続する所定の小時間帯毎に分割したときの各小時間帯毎の前記標準エネルギ消費量気温感度データを格納しており、前記視覚用データ生成手段が、前記対象エネルギ消費量データ、及び前記対象気温データを前記小時間帯毎、又は連続する複数の前記小時間帯で構成される中時間帯毎のデータとして与えられると、前記記憶手段から前記小時間帯毎又は前記中時間帯毎の前記標準エネルギ消費量気温感度データを読み出して、前記小時間帯毎又は前記中時間帯毎に前記標準気温感度曲線を作成すると共に、前記小時間帯毎又は前記中時間帯毎に、前記標準気温感度曲線と同一グラフ上に当該小時間帯又は中時間帯に係る前記対象気温感度点をプロットすることで前記視覚用データを生成可能に構成されていることを第11の特徴とする。
本発明に係る省エネ行動支援システムの上記第11の特徴構成によれば、対象エネルギ消費者に対して各小時間帯毎に視覚用データを提示することができるため、対象エネルギ消費者は、自己のエネルギ消費行動に係る詳細な情報を取得でき、当該情報に基づいて、今後効果的な省エネ行動を実践していく上での参考にすることができる。
本発明の構成によれば、対象エネルギ消費者のエネルギ消費行動を他の前記複数のエネルギ消費者との間で相対的に評価する指標となる省エネ評価指数に基づく視覚用データが生成されるため、当該視覚用データを対象エネルギ消費者に対して表示画面等に表示して視覚的に確認させることにより、対象エネルギ消費者に対して省エネルギへの意識付けを直接的に行うことができる。
以下において、本発明に係る省エネ行動支援システム(以下、適宜「本発明システム」と称する)の各実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下の各実施形態では、省エネ行動支援を行う対象となるエネルギ消費者を「対象エネルギ消費者」と記載し、他のエネルギ消費者と区別する。
[第1実施形態]
本発明システムの第1実施形態(以下、適宜「本実施形態」と称する)につき、図1〜図6の各図を参照して説明を行う。
図1は、本発明システムの本実施形態の概略構成を示すブロック図である。図1に示される本発明システム1は、記憶手段2と視覚用データ生成手段3とを備える。
記憶手段2は、標準的なエネルギ消費行動を示す消費者(以下、「標準エネルギ消費者」と称する)のエネルギ消費量データ(以下、「標準エネルギ消費量データ」と称する)と気温データとの相関関係を示す情報(以下、「標準エネルギ消費量気温感度データ」と称する)を格納している。ここで、標準エネルギ消費量気温感度データは、サンプルとして抽出された複数のエネルギ消費者の同一気温下におけるエネルギ消費量の平均値を各気温毎に算出して得られたものを利用するとして良い。
視覚用データ生成手段3は、記憶手段2から標準エネルギ消費量気温感度データを読み出すと、当該データに基づいて標準エネルギ消費量データと気温データとの相関関係をグラフ化する。このとき作成されるグラフを「標準気温感度曲線」と記載する。具体的には、まず記憶手段2に記録されている一部又は全部の標準エネルギ消費量気温感度データを読み出し、一方の軸を気温データとし、他方の軸を標準エネルギ使用量データとした場合の各データが位置する点をプロットする。そして、これらのプロットされた点を直線又は曲線で結ぶことで前記標準気温感度曲線を生成する。尚、この際、所定の統計学的近似手法(線形近似法等)を用いるものとしても良い。
又、視覚用データ生成手段3は、外部より対象エネルギ消費者の(以下、「対象エネルギ消費量データ」と称する)、及びデータ作成対象日に係る気温データ(以下、「対象気温データ」と称する)が与えられると、これらのデータに基づいて特定される点を、前記の標準気温感度曲線と同一のグラフ上にプロットする。尚、以下では、対象エネルギ消費量データと対象気温データとで特定される点を「対象気温感度点」と記載し、標準気温感度曲線と対象気温感度点が同一グラフ上に記載されてなるデータを「視覚用データ」と記載する。
図1では、一例として、対象エネルギ消費量データが、対象エネルギ消費者のエネルギ消費量を測定するエネルギ消費量測定手段4から視覚用データ生成手段3に対して与えられ、対象気温データが、指定された日に係る気温データを取得可能に構成されている気温データ取得手段5から視覚用データ生成手段3に対して与えられる場合を示している。尚、本実施形態では、これらの対象エネルギ消費量データ及び対象気温データを視覚用データ生成手段3に対して与える形式については、どのような方法でも構わない。図2は、別の一例として、対象エネルギ消費量データ及び対象気温データが記憶手段2から視覚用データ生成手段3に対して与えられる場合について図示されている。
図2の態様の一例としては、例えばエネルギ消費量測定手段4によって対象エネルギ消費者の日毎のエネルギ消費量が測定されて、このデータ(日毎のエネルギ消費量データ)が記憶手段2に記録される。一方、対象エネルギ消費者のエネルギ消費領域に係る気温、又は当該気温として参照可能な地域の気温のデータが気温データ取得手段5によって日毎に取得され、この気温データが記憶手段2に記録される。視覚用データ生成手段3は、データ作成対象日を特定する所定の情報(以下、「データ作成対象日特定情報」と記載)が与えられると、当該情報によって特定されるデータ作成対象日に係るエネルギ消費量データと気温データとを記憶手段2から抽出し、夫々対象エネルギ消費量データ及び対象気温データとして読み出す。又、視覚用データ生成手段3は、別途記憶手段2から標準エネルギ消費量気温感度データを読み出して標準気温感度曲線を作成し、この曲線と同一グラフ上に、記憶手段2から読み出された対象エネルギ消費量データ及び対象気温データによって特定される対象気温感度点をプロットし、視覚用データを生成する。
図3は、上記方法により視覚用データ生成手段3によって生成された視覚用データの一例を示す図である。図3には、横軸を気温とし、縦軸をエネルギ消費量とした場合の標準気温感度曲線NC及び対象気温感度点TSdが図示されている。尚、図3では、エネルギ消費の対象として電力を想定しているため、縦軸のエネルギ消費量は電力消費量(単位:kWh)で表記されている。即ち、この場合、標準エネルギ消費量気温感度データは、少なくとも前記標準エネルギ消費者の一日の総消費電力量と気温との相関関係を示すデータ(以下、「標準日電力量気温感度データ」と称する)で構成されており、視覚用データ生成手段3によって生成される標準気温感度曲線NCは、標準的なエネルギ消費者が所定の気温下において一日に消費する総電力量(日電力量)を各気温毎に表示したグラフとなる。
この場合において、所定のデータ作成対象日に係る対象エネルギ消費者の日電力量で表される対象エネルギ消費量データ、及び前記対象気温データが視覚用データ生成手段3に与えられると、視覚用データ生成手段3は、標準気温感度曲線NCと同一グラフ上に、対象エネルギ消費量データ及び対象気温データで特定される対象気温感度点TSdをプロットすることで視覚用データを生成する。視覚用データ生成手段3は、このように生成した視覚用データを所定の表示手段(不図示)に送り、対象エネルギ消費者は、かかる表示手段(ディスプレイ等)上に視覚用データに係る表示内容を視覚的に確認することができる。
例えば、対象エネルギ消費者が図3に示されるような視覚用データを確認した場合、データ作成対象日において、自己のエネルギ消費量が標準的なエネルギ消費量(電力消費量)を上回っていることを認識することができ、今後、省エネ行動をより実践して行く契機にすることができる。図3に示される視覚用データ上に表示されている標準気温感度曲線NCは、複数のエネルギ消費者の実際のエネルギ消費量に基づいて導出されたものであるため客観性があることから、同一気温下において、対象気温感度点TSdによって表されるエネルギ消費量が、標準気温感度曲線NCによって表されるエネルギ消費量を上回っている場合には、対象エネルギ消費者に対して、自己のエネルギ消費が標準的なエネルギ消費者よりも多大にエネルギ消費を行っていることを直接的に訴えることができる。
図3で示されている対象気温感度点TSdは、夏期のあるデータ作成対象日に係る対象エネルギ消費量データ及び対象気温データ(30℃付近)に基づいて確定された点である。このような気温下においては、エネルギ消費量の増大は冷房需要の増大に由来する点が大きい。このことは、24℃付近から気温が上昇するに連れ、標準気温感度曲線NCが急激に上昇している点からも理解することができる。
従って、図3に示されるような対象気温感度点TSdがプロットされた視覚用データによれば、対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向が、標準的なエネルギ消費者と比較して冷房消費が多いという状態を直感的に示唆するものであると言える。これにより、対象エネルギ消費者は、これまでの自己のエネルギ消費行動を省み、今後冷房機器の設定温度を多少上昇させたり、或いは、不在空間においては冷房の運転を停止する等の対処措置を施すことで、同一気温下に係るエネルギ消費量を標準気温感度曲線NCに近づけようとするインセンティブが働く。
更に、視覚用データ生成手段3が、複数のデータ作成対象日に係る対象気温感度点を同一グラフ上にプロットして視覚用データを生成することで、対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向を更に客観的に評価することができる。
図4は、ある30日分の対象エネルギ消費量データ及び該当日の気温データに基づいて決定される対象気温感度点を、図3と同一の標準気温感度曲線NCが示されたグラフ上にプロットしたものである。
例えば、図2に示される構成において、記憶手段2内には、該当する30日を含む複数日に係る対象エネルギ消費者のエネルギ消費量データと、該当する日の気温データとが格納されているとする。この場合に、前記の30日を特定するためのデータ作成対象日特定情報が視覚用データ生成手段3に対して与えられると、視覚用データ生成手段3は、当該情報によって特定される30日分のデータ作成対象日に係るエネルギ消費量データと気温データとを記憶手段2から抽出し、夫々対象エネルギ消費量データ及び対象気温データとして読み出し、標準気温感度曲線NCが示されたグラフ上に、該当する30日に係る対象気温感度点群TSd0をプロットする。これによって図4に示されるような視覚用データが生成される。
図4に示されるような視覚用データを参照すれば、表示されている30日の内の大半の日に係る対象気温感度点が、標準気温感度曲線NCよりもグラフ上で上方に位置していることから、対象エネルギ消費者が標準的なエネルギ消費者よりもエネルギ消費量が多い状態であるという事実を、更に客観的に認識することができる。
又、対象気温感度点群TSd0は、概ね気温の上昇と共にエネルギ消費量が増大する右肩上がりの形状をなしていることから、データ作成対象日に係るエネルギ消費には冷房需要に由来するエネルギ消費が含まれていることが推察されるところ、冷房消費に係るエネルギ消費量の抑制を図ることで標準エネルギ消費者のエネルギ消費量に近づけることができることを認識することができる。
例えば図3に示されるように一日の対象気温感度点のみがプロットされている場合には、たまたまデータ作成対象日に該当する日に来客があったためにエネルギ消費量が増加したという場合も想定し得るため、図3の表示結果のみから直ちに対象エネルギ消費者が恒常的に標準エネルギ消費者と比較してエネルギ消費量が多いと結論づけることは早計とも言える。
しかしながら、図4に示されるように、複数日に係る対象気温感度点を同一グラフ上に標準気温感度曲線NCと共に表記することで、対象エネルギ消費者は、標準エネルギ消費者と比較して恒常的にエネルギ消費量が多い傾向にあると判断することができる。従って、図4のような内容の視覚用データを対象エネルギ消費者に確認させることで、これまでの自己のエネルギ消費行動を省みさせると共に、今後更に省エネ行動を実践していく動機付けとなり得る。
特に、図4のように、高気温下におけるエネルギ消費量が多い対象エネルギ消費者の場合は、上記のように冷房消費が多いことが考えられるため、対象エネルギ消費者は、今後冷房機器の設定温度を多少上昇させたり、或いは、不在空間においては冷房の運転を停止する等の対処措置を施すことで、同一気温下に係るエネルギ消費量を標準気温感度曲線NCに近づけようとするインセンティブが働く。
図5は、図4とは別の30日(冬季)に係る対象気温感度点群TWd0を標準気温感度曲線NCと同一のグラフ上に表記してなる視覚用データである。図5上に示されている対象気温感度点群TWd0が表す気温下では、エネルギ消費量の増大は暖房需要の増大に由来する点が大きい。このことは、10℃付近から気温が低下するに連れ、標準気温感度曲線NCが急激に上昇している点からも理解することができる。
対象エネルギ消費者は、図5に示されるような視覚用データを参照することで、表示されている30日の内の大半の日に係る対象気温感度点が、標準気温感度曲線NCよりもグラフ上で上方に位置していることから、自己のエネルギ消費量が標準的なエネルギ消費者よりも多い状態であるという事実を認識することができる。
特に、図5によれば、対象エネルギ消費者の対象気温感度点群TWd0は、概ね気温の低下と共にエネルギ消費量が増大する左肩上がりの形状をなしている。そして、その傾きは、標準気温感度曲線NCの傾きよりも大きい。即ち、対象エネルギ消費者は、標準エネルギ消費者と比較して、気温の低下に伴う暖房消費由来のエネルギ消費量の増分が比較的大きいことが推察されるところ、対象エネルギ消費者は、今後暖房機器の設定温度を多少低下させたり、或いは、不在空間においては暖房の運転を停止する等の対処措置を施すことで、同一気温下に係るエネルギ消費量を標準気温感度曲線NCに近づけようとするインセンティブが働く。
図6は、図4及び図5とは更に異なる別の30日(中間季)に係る対象気温感度点群TMd0を標準気温感度曲線NCと同一のグラフ上に表記してなる視覚用データである。標準気温感度曲線NCによれば、図6上に示されている対象気温感度点群TMd0が表す気温下では、エネルギ消費量が殆ど気温の変化に左右されないことが分かる。このことは、該当日に係る電力消費が、冷房や暖房等の空調に由来する割合が小さく、一年を通して持続的に消費されるベース負荷(照明、TV、冷蔵庫等の空調以外の電気機器)に由来する電力消費の割合が大きいことを表している。
対象エネルギ消費者は、図6に示されるような視覚用データを参照することで、表示されている30日間に係る対象気温感度点群TMd0が、概ね標準気温感度曲線NCよりもグラフ上で多少上方に位置していることから、自己のエネルギ消費量が標準的なエネルギ消費者と比較した場合、際だって多いという訳ではないにしても全般的に見れば多い状態であるという事実を認識することができる。そして、図6に表記されている対象気温感度点群TMd0によって表される中間気温下では、ベース負荷由来の電力消費が多いことが考えられるため、対象エネルギ消費者は、今後不在空間内の照明やTVの電源を落としたり、冷蔵庫の設定温度を上昇させたりする等の対処措置を施すことで、同一気温下に係るエネルギ消費量を標準気温感度曲線NCに近づけようとするインセンティブが働く。
このように本発明システム1が備える視覚用データ生成手段3が、図3〜図6の各図に示されるような視覚用データを生成することで、対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向を客観的に認識することができ、今後の省エネ行動に対する指針として活用することができる。又、対象気温感度点を標準気温感度曲線と同一のグラフ上に表記することにより、対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向に応じた省エネ行動を推進させる効果を有する。
具体的には、標準気温感度曲線が右肩上がりを描く領域において対象気温感度点が標準気温感度曲線より上方に位置している場合には、冷房消費に係るエネルギ消費量が多いことが示唆されるため、対象エネルギ消費者は冷房消費に係るエネルギ消費量を削減する省エネ行動を重点的に行う必要があることを認識することができる。
又、標準気温感度曲線が左肩上がりを描く領域において対象気温感度点が標準気温感度曲線より上方に位置している場合には、暖房消費に係るエネルギ消費量が多いことが示唆されるため、対象エネルギ消費者は暖房消費に係るエネルギ消費量を削減する省エネ行動を重点的に行う必要があることを認識することができる。
更に、標準気温感度曲線がほぼ水平状態を示す領域において対象気温感度点が標準気温感度曲線より上方に位置している場合には、ベース負荷由来の電力消費に係るエネルギ消費量が多いことが示唆されるため、対象エネルギ消費者はベース負荷由来の電力消費に係るエネルギ消費量を削減する省エネ行動を重点的に行う必要があることを認識することができる。
このように、視覚用データに基づいて、対象エネルギ消費者のエネルギ消費傾向を詳細に認識することができるため、各対象エネルギ消費者は、自己のエネルギ消費傾向に基づいて効果的な省エネ行動を実践することができる。又、エネルギ消費量として電力消費量を用いる場合、実際に利用しているデータは対象エネルギ消費者の該当日に係る日電力量のデータと、該当日の気温データ、及び標準日電力量気温感度データのみであり、実際に対象エネルギ消費者のエネルギ消費領域において測定すべきデータは日電力量のデータのみで良い。即ち、通常の電力量計によって測定される日毎の電力消費量を用いて視覚用データの作成が可能であり、他の測定系は不要である。このため、専用の測定手段を設置することなく、対象エネルギ消費者に対して自己のエネルギ消費傾向に係る情報を提示することができる。
尚、図2において、視覚用データ生成手段3は、ある一日を特定するデータ作成対象日特定情報が与えられると、当該情報によって指定される日(以下、「指定日」と記載)を含む所定の複数日(例えば直近30日)を前記データ作成対象日として、該当する対象エネルギ消費量データ及び対象気温データを記憶手段2より読み出して対象気温感度点をグラフ上にプロットする構成としても良い。この場合、データ作成対象日特定情報を適宜変更することで、プロットされる対象気温感度点群が形作る形状がその都度変化する。これにより、例えば、前記データ作成対象日特定情報を適宜変更させながら視覚用データを断続的に生成させ、これらを確認することで、対象エネルギ消費者は、自己の過去のエネルギ消費動向を視覚的に把握することができる。
このとき、視覚用データ生成手段3は、前記指定日に係る対象気温感度点と、指定日以外のデータ作成対象日に係る対象気温感度点とを異なる外観(形状、模様、色彩等)でプロットすることで視覚用データを作成するものとしても構わない。図7は、図4に示される視覚用データを、指定日に係る対象気温感度点を指定日以外の対象気温感度点と異なる外観でプロットした場合のグラフである。このようにすることで、直近の過去の複数日における自己のエネルギ消費傾向並びに標準気温感度曲線とに基づいて、指定日に係るエネルギ消費傾向に対する客観的な評価を、一目で行うことができる。以下において、指定日を含む複数日に係る対象気温感度点をプロットすることで作成される視覚用データについても、同様の構成として良い。
更に、この場合、前記指定日を含む所定の複数日と、過去一年又は複数年に係る対応する同日とを前記データ作成対象日として視覚用データを生成するものとしても構わない。この場合、対象エネルギ消費者は、自己の年単位のエネルギ消費動向を視覚的に把握することができる。
[第2実施形態]
本発明システムの第2実施形態(以下、適宜「本実施形態」と称する)について図8を参照して説明を行う。
図8は、本実施形態に係る本発明システムの概略構成を示すブロック図である。図8に示される本発明システム1aは、図1或いは図2に示される第1実施形態の本発明システム1と比較して、更に標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段7、及び入出力手段8を備える点が異なる。そして、本発明システム1aは、この入出力手段8より電気通信回線NWを介して対象エネルギ消費者を含む複数のエネルギ消費者のエネルギ消費量データが与えられる構成である。
又、本実施形態では、第1実施形態における本発明システム1が備えていた記憶手段2の代わりに、記憶手段2aを備える構成である。当該記憶手段2aは、記憶手段2と同様、標準エネルギ消費量気温感度データを格納すると共に、更に、複数のエネルギ消費者に係るエネルギ消費量データを気温データと所定の関連付けを有した状態で格納している。
以下、本実施形態に係る本発明システム1aの構成につき、説明する。
入出力手段8は、電気通信回線NWを介して各エネルギ消費者(CT、C1、C2…)のエネルギ消費量データを受信可能に構成されている。尚、以下では、本発明システムを用いて省エネルギ支援を行う対象となるエネルギ消費者を対象エネルギ消費者CTと称し、他のエネルギ消費者(C1、C2…)と区別して記載する。
各エネルギ消費者(CT、C1、C2…)は、自己の日毎のエネルギ消費量を測定するエネルギ消費量測定手段(不図示)を有しており、当該測定結果に基づいて生成される日毎のエネルギ消費量データが電気通信回線NWを介して本発明システム1に送信される。このとき、一日分のエネルギ消費量の測定が完了した後、当該測定結果に基づくエネルギ消費量データが毎日送信されるものとしても構わないし、複数日分のエネルギ消費量がエネルギ消費量測定手段において記憶されており、所定の日数間隔の下で、複数日分のエネルギ消費量データが一括して送信されるものとしても構わない。
入出力手段8に対して与えられた各エネルギ消費者のエネルギ消費量データは、記憶手段2aに蓄積される。このとき、記憶手段2aでは、各エネルギ消費者毎に識別された状態でエネルギ消費量データが蓄積されるものとする。
又、記憶手段2aは、所定のタイミングで気温データ取得手段5より入出力手段8を介して取り込まれた気温データを格納している。このとき、各エネルギ消費者(CT、C1、C2、…)のエネルギ消費領域(消費地点)の気温として参照可能な一又は複数の地点における気温データが気温データ取得手段5から取り込まれるものとする。そして、記憶手段2aでは、各エネルギ消費者毎に識別された状態で記録されている各エネルギ消費量データが、当該消費量データが測定された対象日に係る気温データと関連付けを有した状態(例えばデータベース形式)で記録されるものとする。このとき、各エネルギ消費者毎に、エネルギ消費領域の気温として参照可能な地点の気温データが関連付けられるものとする。
標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段7は、記憶手段2aに格納されている複数のエネルギ消費者に係るエネルギ消費量データと、当該消費量データに関連付けられている気温データとに基づき、標準エネルギ消費量気温感度データを生成し、記憶手段2aに記録する。標準エネルギ消費量気温感度データについての説明は第1実施形態と重複するので割愛する。
例えば対象エネルギ消費者CTが自己の視覚用データを確認すべく本発明システム1aに対して指示を行ったとする。具体的には、自己の通信端末を用いて電気通信回線NWを介して本発明システム1にアクセスすることで行うものとして良い。このとき、自己を特定するための所定の識別IDを本発明システム1aに対して送信するものとすることができる。又、併せて対象エネルギ消費者CTは、本発明システム1aに対し、視覚用データの生成対象となるデータ作成対象日を特定するためのデータ作成対象日特定情報を併せて送信する。
本発明システム1aは、送信された識別IDを確認すると、当該識別IDを対象エネルギ消費者特定情報として視覚用データ生成手段3に与えると共に、データ作成対象日特定情報についても併せて視覚用データ生成手段3に与える。視覚用データ生成手段3は、データ作成対象日特定情報に基づいて特定されるデータ作成対象日の、対象エネルギ消費者特定情報によって特定されるエネルギ消費者(対象エネルギ消費者CT)のエネルギ消費量データ(即ち「対象エネルギ消費量データ」に相当)、当該データ作成対象日の気温データ(即ち「対象気温データ」に相当)、及び標準エネルギ消費量気温感度データを記憶手段2aから読み出す。そして、第1実施形態と同様、標準エネルギ消費量気温感度データに基づいて標準気温感度曲線を作成し、同一グラフ上に、対象エネルギ消費量データ及び対象気温データで特定される対象気温感度点をプロットし、視覚用データを生成する。生成された当該視覚用データは、入出力手段8及び電気通信回線NWを介して、対象エネルギ消費者CTによって閲覧可能な状態となる。
本実施形態の構成によれば、同一のシステムによって、複数のエネルギ消費者夫々に対して当該エネルギ消費者の対象気温感度点に基づく視覚用データの生成が可能となる。かかる構成の場合、他のエネルギ消費者の視覚用データの閲覧を防止すべく、視覚用データの生成前に所定の認証処理を施す構成としても良い。
例えば、各エネルギ消費者は、夫々個別に前記識別IDとパスワードを有しているとする。この場合、対象エネルギ消費者CTが、自己の通信端末(不図示)から電気通信回線NWを介して本発明システム1aに対してアクセスを行う際、本発明システム1aが識別IDとパスワードの入力を求め、当該識別ID及びパスワードによって認証処理を行い、正しく認証された場合にのみ視覚用データの閲覧が可能となる構成とすることができる。かかる場合、認証処理用の識別ID及びパスワードが入出力手段8によって認識されると、本発明システム1a上の認証処理手段(不図示)によってかかる識別ID及びパスワードに関する情報が与えられて、当該認証処理手段が接続元に対して本発明システム1aへの接続を認めても良いか否かの判断を行う。そして、接続を認めても良いと判断された場合には、その旨の情報が対象エネルギ消費者CTの通信端末に送信されると共に通信端末から本発明システム1aに対するアクセスが可能な状態となり、接続が認められないと判断された場合には、その旨の情報が通信端末に送信されると共に、当該通信端末から本発明システム1に対するアクセスを拒否する。
尚、上記認証処理が行われる場合には、本発明システム1aは、入力される識別IDによって対象エネルギ消費者CTを特定すると共に、前記認証が完了した場合にのみ、視覚用データの作成対象を特定するデータ作成対象日特定情報の入力を求め、識別ID(対象エネルギ消費者特定情報に相当する)と当該データ作成対象日特定情報とに基づいて、対象エネルギ消費者CTに係る視覚用データの生成を行うものとしても良い。
又、本実施形態においても、ある一日を指定するデータ作成対象日特定情報が与えられると、当該情報によって指定される指定日を含む所定の複数日(例えば直近30日)を前記データ作成対象日として、該当する対象エネルギ消費量データ及び対象気温データを記憶手段2aより読み出して対象気温感度点をグラフ上にプロットする構成としても良い。
尚、本実施形態は、対象エネルギ消費者を含む複数のエネルギ消費者に係るエネルギ消費量データが、気温データと所定の関連付けを有した状態で記憶手段2aに格納されていれば良く、各エネルギ消費者のエネルギ消費量データ計測してから、当該計測結果を記憶手段2aに記録するまでの方法はどのような方法でも構わない。即ち、上記図8のように、電気通信回線NWを介して各エネルギ消費者のエネルギ消費量データが入出力手段8に対して送信される場合に限定されるものではなく、例えば定期的に検針を行うことで取得された取得値が、記憶手段2aを有する端末に対して直接入力されることで各エネルギ消費者のエネルギ消費量データが記録されるものとしても構わない。
[第3実施形態]
本発明システムの第3実施形態(以下、適宜「本実施形態」と称する)について図9〜図12の各図を参照して説明を行う。
尚、本実施形態は、第1或いは第2実施形態と比較して、視覚用データが所定の時間帯毎に算出可能に構成される点が異なるのみであり、他は前記各実施形態と共通である。以下では、本実施形態に係る本発明システムが、第2実施形態に係る本発明システム1aと同一の構成を有するものとして説明を行う。
本実施形態では、各エネルギ消費者(CT、C1、C2、…)の各日のエネルギ消費量データが、所定の小時間帯毎のデータとして電気通信回線NWを介して本発明システム1aに与えられる構成である。そして、記憶手段2aには、複数のエネルギ消費者のエネルギ消費量データが、日毎に、所定の小時間帯毎のデータとして格納されている。
例えば、各エネルギ消費者(CT、C1、C2、…)の各日のエネルギ消費量データが、1時間毎のデータとして本発明システム1aに与えられる場合、記憶手段2aには、日毎に1時間毎の24時間分のエネルギ消費量データが記録されている。尚、かかる場合、対象とするエネルギ消費量データとしては、時間帯毎の消費量の変化が大きく、最小消費量が0になることが考えにくい電力消費量データを用いるのが好適である。
又、本実施形態では、気温データ取得手段5より、各日の気温データを前記小時間帯毎に取得して記憶手段2aに格納する。そして、標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段7は、小時間帯毎、又は連続する小時間帯で構成される中時間帯毎に、気温データ及びエネルギ消費量データを読み出して標準エネルギ消費量気温感度データを生成する。
例えば、各エネルギ消費者(CT、C1、C2、…)の各日のエネルギ消費量データ、及び気温データが、夫々1時間毎のデータとして記憶手段2aに格納されている場合に、標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段7が、当該1時間毎に標準エネルギ消費量気温感度データを生成するものとしても構わないし、一日を午前0時から午前6時まで、午前6時から午後0時まで、午後0時から午後6時まで、及び午後6時から午前0時までの4つの中時間帯(第1中時間帯〜第4中時間帯)に分解した場合の各中時間帯毎に標準エネルギ消費量気温感度データを生成するものとしても構わない。尚、中時間帯毎に標準エネルギ消費量気温感度データを生成する場合には、当該中時間帯を構成する各小時間帯に係る全気温データに基づいて(例えば平均値の導出によって)決定される一の気温データを、当該中時間帯に係る気温データとして採用するものとして良い。
視覚用データ生成手段3は、データ作成対象日特定情報に基づいて特定されるデータ作成対象日の、対象エネルギ消費者特定情報によって特定されるエネルギ消費者(対象エネルギ消費者CT)のエネルギ消費量データ(即ち「対象エネルギ消費量データ」に相当)、当該データ作成対象日の気温データ(即ち「対象気温データ」に相当)、及び標準エネルギ消費量気温感度データを記憶手段2aから読み出す。そして、標準エネルギ消費量気温感度データに基づいて標準気温感度曲線を作成し、同一グラフ上に、対象エネルギ消費量データ及び対象気温データで特定される対象気温感度点をプロットし、視覚用データを生成する。
このとき、視覚用データ生成手段3は、各中時間帯毎の視覚用データを全て作成するとしても構わないし、予め対象エネルギ消費者CTによって作成対象となる中時間帯の指定が可能に構成されていて、当該指定された中時間帯に係る視覚用データのみを視覚用データ生成手段3が作成するものとしても構わない。後者の場合には、視覚用データ生成手段3は、記憶手段2aから、指定された中時間帯に係る対象エネルギ消費量データ、指定された中時間帯に係る対象気温データ、及び指定された中時間帯に係る標準エネルギ消費量気温感度データのみを読み出して視覚用データを生成するものとしても良い。
図9及び図10は、データ作成対象日を、データ作成対象日特定情報によって指定された夏季のある指定日を含む直近30日間としたときの、各中時間帯毎(上記の第1〜第4中時間帯毎)の視覚用データの一例である(紙面の都合上2図面に分かれている)。図9(a)、図9(b)、図10(a)、及び図10(b)が夫々第1〜第4の各中時間帯に係る視覚用データに相当する。尚、グラフの各軸は、図3と同様、横軸が気温を表しており、縦軸がエネルギ消費量(電力消費量)を表している。又、データ作成対象日全体に係る視覚用データは図4で表されるものとする。
図9(a)では、第1中時間帯に係る標準気温感度曲線NC1が示されたグラフ上に、指定日の第1中時間帯に係る対象気温感度点TS1、及び指定日を含む30日分のデータ作成対象日に係る対象気温感度点群TS10がプロットされている。同様に、図9(b)では、第2中時間帯に係る標準気温感度曲線NC2が示されたグラフ上に、指定日の第2中時間帯に係る対象気温感度点TS2、及び指定日を含む30日分のデータ作成対象日に係る対象気温感度点群TS20がプロットされている。図10(a)では、第3中時間帯に係る標準気温感度曲線NC3が示されたグラフ上に、指定日の第3中時間帯に係る対象気温感度点TS3、及び指定日を含む30日分のデータ作成対象日に係る対象気温感度点群TS30がプロットされている。図10(b)では、第4中時間帯に係る標準気温感度曲線NC4が示されたグラフ上に、指定日の第4中時間帯に係る対象気温感度点TS4、及び指定日を含む30日分のデータ作成対象日に係る対象気温感度点群TS40がプロットされている。
図9及び図10の各図を参照すれば、対象エネルギ消費者CTは、第1及び第2中時間帯においては、標準的なエネルギ消費者と比較して大差ないエネルギ消費傾向にある一方、第3及び第4中時間帯においては、標準的なエネルギ消費者と比較してエネルギ消費量が全体的に多いエネルギ消費傾向にある旨を認識することができる。そして、第3及び第4中時間帯において標準気温感度曲線NC3或いはNC4を上回る値を示している領域が、標準気温感度曲線が右肩上がりを描く領域下であることから、対象エネルギ消費者CTは、当該中時間帯において、冷房消費に係るエネルギ消費量が比較的多いことが示唆される。従って、対象エネルギ消費者CTは、特に第3及び第4中時間帯、即ち午後の時間帯における冷房消費に係るエネルギ消費量を削減する省エネ行動を重点的に行う必要があることを認識することができる。
このように、一日を所定の中時間帯毎(ここでは6時間毎)に分解し、各中時間帯毎に視覚用データを生成することで、第1及び第2実施形態と比較して更に詳細な対象エネルギ消費者CTのエネルギ消費傾向を認識することができ、今後効果的な省エネ行動を実践していく上での有用な情報を提供することが可能となる。
尚、比較のために、前記指定日に係る時間帯別の対象エネルギ消費者CTのエネルギ消費量を示すグラフを図11に、前記データ作成対象日(30日間)に係る日別の対象エネルギ消費者のエネルギ消費量を示すグラフを図12に夫々示す。これらのグラフには、対象エネルギ消費者のエネルギ消費量と共に、比較のために同時間帯又は同日における標準エネルギ消費者のエネルギ消費量を並べて図示している。
図11を参照することにより、対象エネルギ消費者CTが前記指定日においては、夕方以降にエネルギ消費量が多いことを認識することはできるものの、当該エネルギ消費が直ちに冷房消費由来のものであるかどうかの判断を行うことはできない。又、図12を参照することにより、対象エネルギ消費者が前記データ作成対象日(30日間)に亘って、全般的に標準エネルギ消費者よりもエネルギ消費量が多い傾向にある旨を認識することはできるものの、図12の表示内容のみから当該エネルギ消費が直ちに冷房消費由来のものであるかどうかの判断を行うことはできない。
これに対し、図9及び図10の各図を参照することで、対象エネルギ消費者CTが、どの時間帯に冷房消費由来のエネルギ消費量が比較的多いかという傾向を認識することができる。又、他の時期(例えば上記の図4或いは図5において想定される時期)においても同様に時間帯毎の視覚化データを形成することで、暖房消費由来、或いはベース負荷消費由来のエネルギ消費状況についても認識が可能となる。
尚、上記の説明においては、本実施形態に係る本発明システムが第2実施形態に係る本発明システム1aと同一であるものとして説明を行ったが、第1実施形態に係る本発明システム1と同一である場合にも同様に実現可能である。かかる場合、第1実施形態に係る本発明システム1が備える記憶手段2に所定の小時間帯毎(例えば1時間帯毎)の標準エネルギ消費量気温感度データが格納されており、所定の小時間帯毎のデータとして対象エネルギ消費量データ及び対象気温データが本発明システム1に与えられる場合に、視覚用データ生成手段3が、所定の小時間帯毎又は連続する小時間帯で構成される中時間帯毎に視覚用データを生成するものとすることができる。
[別実施形態]
以下に、本発明システムの別実施形態につき、説明する。
〈1〉 標準エネルギ消費量気温感度データを生成する際、予め対象エネルギ消費者CTと同程度のエネルギ消費傾向を示す複数のエネルギ消費者を抽出し、当該抽出された複数のエネルギ消費者のエネルギ消費量データと気温データに基づいて標準エネルギ消費量気温感度データを生成するものとしても良い。かかる場合、図8の構成を示す本発明システム1aにおいては、入出力手段8に対して識別IDが入力され、認証処理が完了後、当該識別IDに基づいて対象エネルギ消費者CTを特定すると共に、特定された対象エネルギ消費者CTと同一のエネルギ消費傾向を示す複数のエネルギ消費者が示す標準エネルギ消費量気温感度データを記憶手段2aから読み出すものとする。
このように構成することで、対象エネルギ消費者CTと同程度のエネルギ消費傾向を示す他のエネルギ消費者とのエネルギ消費量に基づいて標準エネルギ消費量気温感度データが算定されるため、対象気温感度点(群)の比較対象となる標準気温感度曲線が自己のエネルギ消費傾向に近い複数のエネルギ消費者のエネルギ消費量に基づくデータに基づいて作成されたものとなり、自己のエネルギ消費動向に対するより客観的に評価を行うことができる。
尚、エネルギ消費傾向毎の標準エネルギ消費量気温感度データは、予め前もって標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段7が生成して記憶手段2aに記録させているものとしても構わないし、視覚用データの生成指示がされる都度、標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段7が生成するものとしても構わない。
このとき、例えば、記憶手段2aにおいて、予め各エネルギ消費者のエネルギ消費領域の床面積を大きさに応じて複数のセグメントに分割した場合に、各エネルギ消費者がどのセグメントに属するかを示す床面積情報が登録されている場合には、標準エネルギ消費量気温感度データ生成手段7が、当該対象エネルギ消費者CTと同一の床面積情報を示すエネルギ消費者に関するエネルギ消費量データを記憶手段2aから読み出すことで省エネ評価指数を算定する構成としても構わない。
又、対象エネルギ消費者と同程度のエネルギ消費傾向を示す消費者を抽出するその他の方法としては、エネルギ消費者の家族構成、昼間の在宅者の有無又は数に関する情報、所定期間(特に3月、10月等の中間季)における電力使用量の実績値又は電力使用料金等を参照して抽出するものとしても構わない。
〈2〉 上述の各実施形態では、入出力手段8に対して与えられるエネルギ消費量データが電力消費量を示すデータ(日電力量、又は所定の単位時間当たりの電力量)で構成されるものとしたが、これに加えて、給湯消費量データ、又はガス消費量データが付加されるものとしても構わない。かかる場合、これらの項目についても、上記の各実施形態と同様に標準気温感度曲線を作成すると共に、同一グラフ上に対象気温感度点(群)をプロットすることで、標準エネルギ消費者とのエネルギ消費傾向の比較を客観的に行うことができる。給湯消費量或いはガス消費量は、特に冬季に増大する傾向にあるところ、冬季において対象気温感度点(群)を標準気温感度曲線と同一グラフ上に表記して視覚用データとして対象エネルギ消費者CTに対して視覚的に確認させることで、自己の給湯或いはガス消費傾向を再認識させ、当該項目に係る今後の省エネ行動の取り組みに対する動機付けにすることができる。