JP4960368B2 - ククルビットウリル誘導体とリガンドとの非共有結合を利用した応用 - Google Patents

ククルビットウリル誘導体とリガンドとの非共有結合を利用した応用 Download PDF

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Description

本発明は、第1物質に結合された式(1)の化合物の第1成分、及び第2物質に結合されたリガンドの第2成分(前記リガンドは、前記ククルビットウリル(cucurbituril)誘導体と相互非共有結合できること)を含むキット;固相に結合された式(1)の化合物を使用し、リガンドに結合された物質を分離及び精製する方法;固相に結合されたリガンドを利用し、式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を分離及び精製する方法;第1物質に結合された式(1)の化合物、及び第2物質に結合されたリガンドの結合体を含むセンサチップ;第1物質に結合された式(1)の化合物と第2物質に結合されたリガンドとからなる固体-触媒複合体に関する。
シクロデキストリン(米国特許第4539399号(特許文献1))、クラウンエーテル(韓国特許第026382号(特許文献2))のようなホスト分子(host molecule)物質は、さまざまなゲスト分子(guest molecule)化合物に対して包接する能力を有しており、物質の分離と除去とに対する応用が研究されてきた。前記のホスト分子物質をカラム充填剤として応用するためには、シリカゲル、ゼオライト、酸化チタン、セルロースのようなポリマーのうちから選択された固体基質に共有結合でもって連結されねばならない。このように固体基質に共有結合で連結されたホスト分子は、多種のカラムクロマトグラフィーのカラム充填剤の静止相として利用され、多様な被測定試料の分離に利用されている。
ククルビットウリルは、1905年にベーレンド(R. Behrend)、マイヤー(E. Meyer)及びラスチェ(F. Rusche)によって最初に報告になった物質であり、1981年モック(W. Mock)と共同研究者は、この物質が6個の単量体が集まって環をなした巨大な環化合物であって、C36H36N24O12の化学式を有するという事実を明らなにし、X線回折法によってその構造を確認した(J. Am. Chem. Soc. 1981, 103, 7367(非特許文献1))。モックらは、かような化合物をククルビット[6]ウリルと命名し、以後ククルビット[6]ウリルの改善された合成方法が開発された(DE 196 033 77 A1(特許文献3)参照)。
ククルビットウリルは、巨大環分子化合物であって、親油性のキャビティを有し、親水性の入口を両側に有している。従って、ククルビットウリルは、キャビティ内では親油性の相互作用がなされ、n個のカルボニル基の位置した上下の2つの入口では、それぞれ水素結合、極性-極性相互作用、陽イオン-極性相互作用などがなされ、既存のシクロデキストリンよりも多種の化合物とかなり安定した非共有結合を介した封入効果を示し、イオン性物質や極性の大きい物質、例えばガス化合物、脂肪族化合物、芳香族化合物のような多様な有機物質、殺虫剤、除草剤、アミノ酸、核酸、イオン化合物、金属イオン、有機金属イオンのような多種の化合物などを封入することが可能である(J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 11316(非特許文献2);ヨーロッパ特許第1094065号(特許文献4);及びJ. Org. Chem. 1986, 51, 1440(非特許文献3))。
米国特許第4539399号 韓国特許第026382号 DE 196 033 77 A1 ヨーロッパ特許第1094065号 J. Am. Chem. Soc. 1981, 103, 7367 J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 11316 J. Org. Chem. 1986, 51, 1440
技術的課題
本発明は、ククルビットウリル誘導体と、これと相互非共有結合できるリガンドとがそれぞれ特定物質に結合された成分を含むキットを提供する。
本発明はまた、固相に結合されたククルビットウリル誘導体を利用し、前記ククルビットウリル誘導体と相互非共有結合を行うことができるリガンドに結合された物質を分離及び精製する方法を提供する。
本発明はまた、固相に結合されたリガンドを利用し、前記リガンドと相互非共有結合を行うことができるククルビットウリル誘導体、またはこれに結合された物質を分離及び精製する方法を提供する。
本発明はまた、特定物質にそれぞれ結合されたククルビットウリル誘導体とリガンドとの結合体を含むセンサチップを提供する。
本発明はまた、特定物質にそれぞれ結合されたククルビットウリル誘導体とリガンドとからなる固体-触媒複合体を提供する。
技術的解決法
本発明者らは、ククルビットウリルと特定リガンドとの非共有結合を利用したさまざまな応用手段を確立することによって、本発明を完成するに至った。
本発明の様式
前記本発明の一様態によって、下記(a)及び(b)成分を含むキットが提供される:(a)第1物質に結合された式(1)の化合物である第1成分と、(b)第2物質に結合されたリガンドである第2成分とであり、第1物質及び第2物質はそれぞれ独立的に、固相、生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビットウリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質及び触媒からなる群より選択され、前記リガンドは、式(1)の化合物と相互非共有結合を行うことができ、一つ以上のアミン基を有する、C1-C20アルキル基;C2-C20アルケニル基;C2-C20アルキニル基;C1-C20アルコキシ基;C1-C20アミノアルキル基;C4-C20シクロアルキル基;C4-C7ヘテロアリールシクロ基;C6-C20アリール基;C5-C20ヘテロアリール基;C1-C20アルキルシリル基;C6-C20アリール基;C5-C20ヘテロアリール基;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するシクラム(cyclam)またはクラウンエーテル;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するローダミン;及びC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択され、
Figure 0004960368
式中、nは6から10の整数であり、XはO、SまたはNHであり、A1及びA2は、それぞれ独立的にH、OR、SRまたはNHRであり、Rは、H、置換または非置換のC1-C30アルキル基、置換または非置換のC2-C30アルケニル基、置換または非置換のC2-C30アルキニル基、置換または非置換のC2-C30カルボニルアルキル基、置換または非置換のC1-C30チオアルキル基、置換または非置換のC1-C30アルキルチオール基、置換または非置換のC1-C30ヒドロキシアルキル基、置換または非置換のC1-C30アルキルシリル基、置換または非置換のC1-C30アミノアルキル基、置換または非置換のC1-C30アミノアルキルチオアルキル基、置換または非置換のC5-C30シクロアルキル基、置換または非置換のC2-C30ヘテロシクロアルキル基、置換または非置換のC6-C30アリール基、置換または非置換のC6-C30アリールアルキル基、置換または非置換のC4-C30ヘテロアリール基、及び置換または非置換のC4-C30ヘテロアリールアルキル基からなる群から選択され、ただしA1及びA2は、同時に水素ではない。
前記本発明の他の様態によって、下記段階を含むリガンドに結合された物質(前記物質は、生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビットウリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質及び触媒からなる群より選択される)を分離及び精製する方法が提供される:(a)固相に結合された式(1)の化合物が静止相で充填された親和性クロマトグラフィー・カラムを調製する段階と、(b)リガンドに結合された物質を含む混合物を、前記カラムに供給する段階と、(c)前記カラムを洗浄液で洗浄する段階と、(d)移動相溶媒を前記カラムに添加し、リガンドに結合された物質を分離及び精製する段階とである。
前記本発明のさらに他の様態によって、下記段階を含む式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を分離及び精製する方法が提供される:(a)固相に結合されたリガンドが静止相で充填された親和性クロマトグラフィー・カラムを調製する段階と、(b)式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を含む混合物を、前記カラムに供給する段階と、(c)前記カラムを洗浄液で洗浄する段階と、(d)移動相溶媒を前記カラムに添加し、式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を分離及び精製する段階とである。
前記本発明のさらに他の様態によって、第1物質に結合された式(1)の化合物、及び第2物質に結合されたリガンドの結合体を含むセンサチップ(第1物質及び第2物質のうちの一つは固相であり、他の一つはヒスチジン、システインまたはトリプトファンを含む酵素、基質、基質類似物、サプレッサー、助酵素、抗体、抗原、ウイルス、細胞レクチン、多糖、糖蛋白、細胞表面受容体、核酸、相補塩基配列、ヒストン、核酸ポリメラーゼ、核酸結合蛋白質、ATP、ADP、ホルモン、ビタミン、受容体、担体蛋白質、グルタチオン、GST融合蛋白質、金属イオン、ポリHIS融合蛋白質、天然蛋白質及びその組合わせからなる群より選択される)が提供される。
前記本発明のさらに他の様態によって、第1物質に結合された式(1)の化合物と第2物質に結合されたリガンドとからなる固体-触媒複合体(この場合、第1物質及び第2物質のうちの一つは固相であり、他の一つは触媒である)が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明によるキットは、(a)第1物質に結合された式(1)の化合物である第1成分と、(b)第2物質に結合されたリガンドである第2成分とを含む。
第1成分及び第2成分にそれぞれ含まれている式(1)の化合物(ククルビットウリル誘導体)とリガンドは、上記式(1)のククルビットウリル誘導体のキャビティに前記リガンドが組み込まれることによって相互非共有結合を形成する。
第1物質または第2物質は、一般的な固体支持体である固相だけではなく、プローブ物質のような特定機能を遂行する物質である生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビットウリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質及び触媒からなる群より選択される。
本発明において、第1物質及び第2物質のうちの一つが生体分子であり、他の一つが発色団、蛍光物質またはリン光体のキットは、前記生体分子に結合したり、または反応する特定物質を検出するのに利用され、さらにかような特定物質の存在いかん、位置または程度などを分析するのに利用されうる。例えば、前記のようなキットは、第1成分中の式(1)の化合物と第2成分中のリガンドとの結合力を利用し、多様な分析方法、例えば免疫化学的染色法(Immunochemical staining)、遊細胞分析法(flow cytometry)、インシチュ混成化(in-situ hybridization)などを行うことができる。
本発明によるキットにおいて、第1物質または第2物質として使われうる固相は、それぞれ独立的にポリマー、樹脂、磁性物質、シリカゲル、ポリマーまたは金でコーティングされたシリカゲル、ジルコニウム酸化物、モノリシックポリマー、及びポリマーでコーティングされた磁性粒子、金薄膜、銀薄膜、ガラス、ITOでコーティングされたガラス、シリコン、金属電極、ナノロッド、ナノチューブ、ナノワイヤ、カードラン・ガム(curdlan gum)、セルロース、ナイロン膜、セファロース及びセファデックスからなる群から選択される固体支持体であることが望ましく、ポリスチレン樹脂、またはポリマーでコーティングされたシリカゲルが最も望ましい。
前記固相表面にハロゲン基(望ましくは、クロロ基)が存在する場合、ククルビットウリル誘導体またはリガンドに存在する基(例えば、アミン基など)と反応して共有結合を形成することによって、前記固相及びククルビットウリル誘導体またはリガンドと連結されうる。
本発明によるキットにおいて、第1物質または第2物質として使われうる生体分子は、酵素、核酸、蛋白質、アミノ酸、抗体、抗原、阻害剤、ビタミン、補助因子、脂肪酸、細胞、細胞膜、基質、基質類似物、サプレッサー、助酵素、ウイルス、レクチン、多糖、糖蛋白、受容体、ヒストン、ATP、ADP、ホルモン、受容体、グルタチオンなどがある。
前記酵素の例としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、酸化酵素、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、その組合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
また、前記触媒の例としては、グラブス触媒、ラジカル開始剤またはその組合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
本発明の一具体例において、上記式(1)の化合物は、機能基を追加的に含むことができるが、かような機能基の例としては、アミン基、カルボキシル基などがあり、望ましくは、(アミノエチルスルファニル)プロピル、(カルボキシエチルスルファニル)プロピルなどがある。
一方、ククルビットウリル誘導体である上記式(1)の化合物において、A1及びA2は、それぞれ独立的にH、OHまたはOR(ここでRは、置換または非置換のC2-C30アルケニル基である)であることが望ましい。
また、上記式(1)の化合物において、nが7であり、XがOであることが望ましい。
本発明によるキットに含まれる第1成分中の式(1)の化合物であるククルビットウリル誘導体と第2成分中の特定リガンドは、pHによって結合いかんが決定される。具体的に、ククルビットウリル誘導体と特定リガンドとが結合体を形成するためには酸性条件、その結合体が解除されるためには塩基性条件が要求される。さらに具体的に、pH8以下である酸性溶液の場合には、前記ククルビットウリル誘導体と特定リガンドは、約1010〜1015M-1の結合定数で非共有的に結合するのに対し、pH8以上である塩基性溶液の場合には、約100〜104M-1の結合定数で結合しない解離された状態に維持される。pHが下がって溶液が酸性に変わるほどにククルビットウリル誘導体と特定リガンドとの間の結合定数は増加してpHが上がり、溶液が塩基性に変わるほどにククルビットウリル誘導体と特定リガンドとの間の結合定数は低下する。
第1成分中の式(1)の化合物であるククルビットウリル誘導体と第2成分中の特定リガンドは、溶液のpHによって約100〜1015M-1の結合定数で非共有的に結合できる。例えば、nが7であるククルビットウリル誘導体と、アダマンタンアミンまたはフェロセンメチルアミンリガンドは、pH8以下である場合には、約1012M-1以上の結合定数で非共有的に結合するのに対し、pH8以上である場合には、約104M-1以下の結合定数で結合せずに解離された状態で存在する。
第1成分中の式(1)の化合物であるククルビットウリル誘導体と第2成分中の特定リガンドとの結合定数が104M-1未満であるならば、それらの結合は弱く、移動相溶媒などを流す場合、その結合が解離され、結合定数が1010M-1を超えるならば、それらの結合は強く、それらの結合体を分離し難いのである。
本発明によるキットにおいて、第1成分のうちの式(1)の化合物であるククルビットウリル誘導体と非共有結合を形成できる第2成分のうちのリガンドは、一つ以上のアミン基を有する、C1-C20アルキル基;C2-C20アルケニル基;C2-C20アルキニル基;C1-C20アルコキシ基;C1-C20アミノアルキル基;C4-C20シクロアルキル基;C4-C7ヘテロアリールシクロ基;C6-C20アリール基;C5-C20ヘテロアリール基;C1-C20アルキルシリル基;C6-C20アリール基;C5-C20ヘテロアリール基;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するシクラムまたはクラウンエーテル;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するローダミン;及びC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択される。
望ましくは、前記リガンドは、一つ以上のアミン基を有する、置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するアダマンタンまたはフェロセンまたはメタロセンである化合物である。前記アミン基は、1級アミン、2級アミンまたは水素化されたアミンであることが望ましい。最も望ましくは、前記リガンドは、アダマンタンアミンまたはフェロセンメチルアミンである。
本発明はまた、ククルビットウリル誘導体とリガンドとが相互非共有結合を形成することを利用し、リガンドに結合された物質を分離/精製できる。
具体的に、本発明はまた、下記段階を含むリガンドに結合された物質(前記物質は、生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビットウリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質及び触媒からなる群より選択される)を分離及び精製する方法に関する:(a)固相に結合された式(1)の化合物が静止相で充填された親和性クロマトグラフィー・カラムを調製する段階と、(b)リガンドに結合された物質を含む混合物を、前記カラムに供給する段階と、(c)前記カラムを洗浄液で洗浄する段階と、(d)移動相溶媒を前記カラムに添加し、リガンドに結合された物質を分離及び精製する段階とである。
前記で使われるカラムとしては、当業界に一般的に使われるものを利用できる。
本発明による前記方法で使われうる生体分子は、酵素、核酸、蛋白質、アミノ酸、抗体、抗原、阻害剤、ビタミン、補助因子、脂肪酸、細胞、細胞膜、基質、基質類似物、サプレッサー、助酵素、ウイルス、レクチン、多糖、糖蛋白、受容体、ヒストン、ATP、ADP、ホルモン、受容体、グルタチオンなどがある。前記酵素の例としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、酸化酵素、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ及びその組合わせなどがある。
本発明によるリガンドに結合された物質を分離及び精製する方法で使われうるリガンドは、式(1)の化合物と相互非共有結合を行うことができ、一つ以上のアミン基を有する、C1-C20アルキル基;C2-C20アルケニル基;C2-C20アルキニル基;C1-C20アルコキシ基;C1-C20アミノアルキル基;C4-C20シクロアルキル基;C4-C7ヘテロアリールシクロ基;C6-C20アリール基;C5-C20ヘテロアリール基;C1-C20アルキルシリル基;C6-C20アリール基;C5-C20ヘテロアリール基;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するシクラムまたはクラウンエーテル;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するローダミン;及びC1-C20アルキル基、C6-C20アリール基またはC5-C20ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択される。
本発明によるリガンドに結合された物質を分離及び精製する方法において、操作(a)の前に、式(1)の化合物と固相とを結合する段階をさらに含むことができるが、このために、式(1)の化合物に追加的な機能基を付着でき、かような機能基の例としては、アミン基、カルボキシル基などがあり、望ましくは(アミノエチルスルファニル)プロピル、(カルボキシエチルスルファニル)プロピルなどがある。
本発明によるリガンドに結合された物質を分離及び精製する方法において、操作(a)と(b)との間に、リガンドと物質とを結合する段階をさらに含むことができる。
式(1)の化合物と固相、またはリガンドと固相との間は、共有結合で連結されたことが望ましい。
本発明によるリガンドに結合された物質を分離及び精製する方法において、使われうる移動相溶媒は、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンジン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、イオン液体、N-メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、ジオキサン、クロロホルムなどがある。
また、本発明によるリガンドに結合された物質を分離及び精製する方法で使われうる洗浄液は、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンジン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、イオン液体、N-メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、ジオキサン、クロロホルムなどがある。
さらに、本発明はまた、下記段階を含む式(1)の化合物または該化合物に結合された物質(前記物質は、生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビットウリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質及び触媒からなる群より選択される)を分離及び精製する方法に関する:(a)リガンドに結合された固相が静止相で充填された親和性クロマトグラフィー・カラムを調製する段階と、(b)式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を含む混合物を、前記カラムに供給する段階と、(c)前記カラムを洗浄液で洗浄する段階と、(d)移動相溶媒を前記カラムに添加し、式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を分離及び精製する段階とである。
式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を分離及び精製方法において、操作(a)の前に、リガンドと固相とを結合する段階をさらに含むことができる。
また、式(1)の化合物に結合された物質を分離及び精製する場合には、操作(a)と(b)との間に、式(1)のククルビットウリル誘導体と前記物質とを結合する段階をさらに含むことができる。このために、式(1)の化合物に追加的な機能基を付着でき、かような機能基の例としては、アミン基、カルボキシル基などがあり、望ましくは(アミノエチルスルファニル)プロピル、(カルボキシエチルスルファニル)プロピルなどがある。
前記本発明による式(1)の化合物または該化合物に結合された物質を分離及び精製する方法で使われる洗浄液及び移動相溶媒は、前記リガンドに結合された物質を分離及び精製する方法で使われるものと同一である。
前記のような本発明による分離及び精製方法を遂行し、カラムから回収された溶液をもって、透析(dialysis)のような追加的な精製段階を行えば、さらに純粋な物質を得ることができる。
固相または特定物質に結合された式(1)のククルビットウリル誘導体は、常温の溶媒で固相または特定物質に結合されたリガンドと安定した複合体を形成し、これは、溶媒が除去された後にも、複合体を形成するほどにしっかりしている。上記式(1)のククルビットウリル誘導体とリガンドとの複合体形成いかんは、溶媒種類、pH、極性、温度、電気的変化による。
式(1)のククルビットウリル誘導体と前記リガンドとの結合は、リガンドのアミン基が水素化される条件または酸性条件が要求され、結合が解離されるためには、脱水素化される条件または塩基性条件が要求される。
また、本発明は、式(1)の化合物とリガンドとの相互非共有結合を利用し、固相に結合された式(1)の化合物を利用し、混合物中に含まれているリガンドに結合されている特定物質成分を分離及び精製したり、または固相に結合されているリガンドを利用し、混合物中に含まれている式(1)の化合物または該化合物に結合されている特定物質成分を分離できる。
具体的に、固相成分を磁性物質として使用して磁石を利用する方法、または濾過器を利用する方法を介して、前記のような特定物質成分を容易に分離できる。
さらに、前記磁石を利用する方法または濾過器を利用する方法を行った後、透析工程などを介して、さらに純粋に精製された物質を収得できる。
前記磁石を利用する方法または濾過器を利用する方法は、溶媒として、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンジン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、またはイオン液体、N-メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、ジオキサン、クロロホルムなどを使用できる。
本発明はまた、第1物質に結合された式(1)の化合物、及び第2物質に結合されたリガンドの結合体を含むセンサチップに関する。
センサチップは、固体表面に所望の物質を認知する物質であるプローブ物質(例えば、生体分子など)を固定させ、これを利用して所望の物質を検出する装置である。
本発明によるセンサチップにおいて、第1物質及び第2物質のうちの一つは固相であり、他の一つはプローブ物質である。
前記センサチップにおいて、第1物質または第2物質として使われうる固相としては、プローブ物質としては、金薄膜、銀薄膜またはITOでコーティングされたガラスのような固体支持体が望ましい。
前記センサチップにおいて、第1物質または第2物質として使われうるプローブ物質としては、ヒスチジン、システインまたはトリプトファンを含む酵素、基質、基質類似物、サプレッサー、助酵素、抗体、抗原、ウイルス、細胞レクチン、多糖、糖蛋白、細胞表面受容体、核酸、相補塩基配列、ヒストン、核酸ポリメラーゼ、核酸結合蛋白質、ATP、ADP、ホルモン、ビタミン、受容体、担体蛋白質、グルタチオン、GST融合蛋白質、金属イオン、ポリHIS融合蛋白質、天然蛋白質及びその組合わせからなる群より選択されるが、それらに限定されたものではない。前記酵素は、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、酸化酵素、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、その組合わせなどが望ましい。
前記センサチップは、所望の物質の検出を電気化学的な方法や、光化学的方法、蛍光測定、リン光測定、HPLC、ガスクロマトグラフィー、核磁気共鳴法、EPR、同位元素を利用した方法などで確認することができる。
本発明によるセンサチップは、プローブ物質が生体分子である場合、バイオセンサまたは生燃料電池の電極として利用されることもある。
本発明はまた、第1物質に結合された式(1)の化合物と、第2物質に結合されたリガンドとからなる固体-触媒複合体(この場合、第1物質及び第2物質のうちの一つは触媒であり、他の一つは固相である)に関する。
本発明による固体-触媒複合体で、前記触媒は、酵素、グラブス触媒、ラジカル開始剤、酵素またはその組合わせであることが望ましい。
また、前記固体-触媒複合体で前記触媒は、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、酸化酵素、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼまたはその組合わせなどの酵素であることが望ましい。
また、本発明による固体-触媒複合体で、固相として利用されうるものの例としては、ポリマー、樹脂、磁性物質、シリカゲル、ポリマーまたは金でコーティングされたシリカゲル、ジルコニウム酸化物、モノリシックポリマー、ポリマーでコーティングされた磁性粒子、金薄膜、銀薄膜、ガラス、ITOでコーティングされたガラス、シリコン、金属電極、ナノロッド、ナノチューブ、ナノワイヤ、カードラン・ガム、セルロース、ナイロン膜、セファロース及びセファデックスからなる群から選択され、望ましくはポリスチレン樹脂またはポリマーがコーティングされたシリカゲルなどがある。
本発明による固体-触媒複合体は、触媒活性がなくなるまで再使用が可能であり、常温で有機反応に参与して触媒作用を行うことができる。触媒作用時には、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンジン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、またはイオン液体、N-メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、ジオキサンまたはクロロホルムのようなそれぞれの反応に適した多様な緩衝溶液を使用できる。
特定物質にそれぞれ結合されたククルビットウリル誘導体とリガンドとが結合体を形成したか否かは、フーリエ変換赤外線吸収実験を介して確認することができる。
以下、実施例を介して本発明についてさらに詳細に説明する。それら実施例は、単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がそれら実施例により制限されるものと解釈されることがあってはならない。
実施例1:ククルビット[7]ウリルの合成
硫酸(9M)20mLにグリコウリル(5.7g、40mmol)を溶かした後、ホルムアルデヒド水溶液(7.0mL、91mmol)を添加した。反応混合液を75℃で24時間撹拌し、95〜100℃に温度を上昇させ、7時間反応をさらに進めた。反応混合液を水200mLに素早く注き、アセトン1Lを加えた。その結果として生成された沈殿は減圧下でフィルタリングし、水:アセトン(1:4)溶液で洗浄した。フィルタリングされた固体に水:アセトン(1:1)溶液200mLを加えて溶液状態にした後、まだ沈殿として残っている物質(ククルビット[6]ウリル)を減圧濾過で除去した。
フィルタリングされた濾過液に800mLのアセトンをさらに加え、ククルビット[5]ウリルとククルビット[7]ウリルとの混合物を沈殿状態で収得した。沈殿状態のククルビット[5]ウリル及びククルビット[7]ウリルの混合物を40mLの水に溶かした後、25mLのメタノールを加え、ククルビット[7]ウリルのみを沈殿として収得した。収得されたククルビット[7]ウリルを減圧濾過した後で真空乾燥し、その分析結果は、次の通りである。
Figure 0004960368
実施例2:ヒドロキシククルビット[7]ウリルの合成
前記実施例1で収得されたククルビット[7]ウリル(10g、8.6mmol)及びK2S2O8(39g、145mmol)を蒸溜水450mLに加え、10分間超音波処理を行った。その後、85℃に温度を上げて12時間反応を進めた。反応混合液を常温に冷却させて白色の沈殿物を収得し、この沈殿物を減圧濾過で除去した。濾過液の溶媒を蒸発させて沈殿物を収得したところ、この沈殿物がヒドロキシククルビット[7]ウリルであった。ヒドロキシククルビット[7]ウリルの置換度は約0.8であった。前記置換度は、ククルビット[7]ウリル中の水素(式(1)でのA1及びA2)がヒドロキシ基に置換された比率を意味する。
Figure 0004960368
実施例3:アリルオキシククルビット[7]ウリルの合成
実施例2で製造されたヒドロキシククルビット[7]ウリル(1.2g、0.92mmol)を無水DMSO溶液(150mL)に加えて溶かした後、NaH(0.89g、22.4mmol)を添加した。反応混合液をアルゴン環境及び常温で1時間撹拌し、撹拌を続けつつ臭化アリール(2.0mL、22.0mmol)を0℃でゆっくり加えた。反応混合液をさらに常温で12時間撹拌した後、過量の水を加えてアリルオキシククルビット[7]ウリルの沈殿として収得した。その置換度は約0.7であった。
実施例4:固相(ポリスチレン-co-DVD-NCO)の製造
ポリマー樹脂であるアミン基を有するポリスチレン-co-ジビニルベンゼン(DVB、アミン官能基化;ポリスチレン-co-DVB-NH2)(Aldrich社、30〜60メッシュ、2.5mmol N/g、5.0g、12.5mmol)をジクロロメタン50mLに加えた後、トリエチルアミン(9.6mL、69mmol)とトリフォスゲン(2.7g、9.1mmol)を添加し、常温で36時間振盪した。その後、減圧濾過してジクロロメタン、クロロホルム、エーテル、テトラヒドロフランを順々に使用して洗浄した後、24時間真空乾燥することによって、アミン基がイソシアネート基に置換されたイソシアネートメチルポリマー樹脂であるポリスチレン-co-ジビニルベンゼン(polystyrene-co-DVB-NCO)を収得した(図2)。
ポリスチレン-co-DVB-NH2についての図3のIRスペクトルとポリスチレン-co-DVB-NCOについての図4のIRスペクトルとを比較してみれば、図4のIRスペクトルでは、2264cm-1近くい新しいピークが示されるが、これは、イソシアネート基(-NCO)に該当する。
具体的に、図4のポリスチレン-co-DVB-NCOのIRスペクトルの結果は、次の通りである。
IR(KBr):3027、2929、2264、1659、1602、1494、1452、1269、1116、1029cm-1
実施例5:固相へのヒドロキシククルビット[7]ウリルの固定化
前記実施例4で製造された固相であるポリスチレン-co-DVB-NCOポリマー樹脂(2.0g、約2.5mmolN/g)をジメチルスルホキシド8mLに加えて膨らませた後、ここにジメチルスルホキシド/ピリジン(37mL/3mL)溶液中の実施例2で製造されたヒドロキシククルビット[7]ウリル(1.44g、1.2mmol)を加え、均一に混合されるようにアルゴン環境下で60℃で120時間撹拌した(図2)。その後、反応混合物を減圧濾過し、ジメチルスルホキシド、メタノール、水そしてエーテルを利用して順々に数回洗浄した後、50℃で24時間真空乾燥することによって、ヒドロキシククルビット[7]ウリルが前記固相に固定化され、そのIRスペクトルの結果は、下記の通りである(図5参照)。
IR(KBr):3026、2920、1755、1689、1602、1493、1452、1272、1115、1028cm-1
図5によれば、図4上で現れた2264cm-1のイソシアネート基に該当するピークは消え、1755cm-1でヒドロキシククルビット[7]ウリルのカルボニル炭素に該当する新しいピークを確認することができる。また元素分析を介し、固相1g当たり75〜110μmolのヒドロキシククルビット[7]ウリルが連結されていることを確認した。
実施例6:固相の製造
(1)多孔性ポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)のクロロメチル化
多孔性ポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)のCombiGel XE-305(Aldrich社)3.0g及びクロロメチルメチルエーテル(29.90g、0.38mmol)を混合した後、SnCl4(0.90mL)を0℃で一滴ずつ添加した。反応混合物を59℃で4.5時間還流させた(図6)。CombiGel XE-305が徐々に無色で赤色に変化した。メタノール水溶液を入れて反応混合物を中和させ、赤色が消えることを確認した。ポリマー樹脂をガラスフィルタを介してメタノール、テトラヒドロフラン(THF)、水で濾過することによって、クロロメチル化されたポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)を白色のパウダーで収得し、その分析結果は、次の通りである。
元素分析:C、68.68;H、6.01;Cl、18.35%
元素分析の結果、クロロメチル化されたポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)1g当たり5.2mmolのクロリンが存在することが分かる。
CombiGel XE-305についての図7のIRスペクトルと、クロロメチル化されたCombiGel XE-305についての図8のIRスペクトルとを比較してみれば、図7のIRスペクトル上では観察されていない1265cm-1の吸収ピークが図8のスペクトルでは観察されるが、かようなピークは、-C-Clに該当する。
具体的に、図8のクロロメチル化されたポリスチレンのIRスペクトルの結果は、次の通りである。
IRスペクトル:2928、1725、1612、1510、1445、1422、1265cm-1
(2)クロロメチル化されたポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)上へのジチオールの固定化
前記(1)で収得したクロロメチル化されたポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)(2.0g)をトルエン20mLに加えて膨らませた。そして、プロパン-1,3-ジチオール(2mL、20mmol)を加え、ゆっくり振盪して15分間撹拌した。反応混合物に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU:1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)(0.9mL、6mmol)を一滴ずつ添加し、反応混合液を常温で24時間撹拌した(図6)。収得された樹脂を減圧濾過した後、CH2Cl2及びDMF(ジメチルホルムアミド)で順々に洗浄した。その後、12時間真空乾燥することによって、クロロメチル化されたCombiGel XE-305上にジチオールを固定化した。元素分析の結果、チオール基の固定化程度は、1.9mmol/g(固相1g当たりチオール基が1.9mmol)であることが分かった。
IRスペクトル:2918、2850、2563、1727、1509、1423、1238cm-1
図9のIRスペクトルについて述べれば、2563cm-1近くの-SHSエーテルCHINGピークが観察された。
実施例7:固相へのアリルオキシククルビット[7]ウリルの固定
実施例6で製造されたジチオールの固定化されたポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)1.5g及び実施例3で製造されたアリルオキシククルビット[7]ウリル(1.1g、0.68mmol)を16mLメタノールに加えた。その後、アルゴン環境で120時間(5日)300nmの紫外線を照射した(図10参照)。反応終結後、アリルオキシククルビット[7]ウリルの連結されているポリマー樹脂を減圧濾過し、メタノール、クロロホルム、アセトン、エーテルを使用して順々に洗浄した。その後、12時間真空乾燥した。
IRスペクトル:2917、2852、1753、1725、1510、1425、1238cm-1
IRスペクトル上で、ククルビット[7]ウリルのカルボニルに該当するピークが1753cm-1で現れ、元素分析の結果、固相1g当たり80〜115μmolのアリルオキシククルビット[7]ウリルが付着されていることを確認した。
実施例8:リガンド(フェロセン誘導体)と蛋白質(牛血清アルブミン)との結合
(1)(N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)の製造
20mlのDMF溶液に1.38g(6.4mmol)のフェロセン-アルデヒド(Aldrich社)を溶解させた後、5mlのNaOH(2M)中の0.75g(5.7mmol)の6-アミノカプロン酸(Merck社)と混合し、80℃で2時間還流した。この反応混合物を常温に冷却した後、この反応混合物に、5mlの水の中のNaBH4(0.63g、16.5mmol)を少しずつ加えた(図11参考)。その後、12時間が過ぎた後、酢酸水溶液(10%)をゆっくり加えてpHが5になるようにした。酢酸エチルを利用した抽出過程を介し、有機層に溶けている反応副生成物であるフェロセン-CH2OHと未反応の6-アミノカプロン酸とを除去し、水層を50℃で減圧蒸留することによって、黄褐色の結晶を収得した。この黄褐色結晶を高温のエタノールに溶かし再結晶することにより、標題化合物である板状の黄色い結晶であるN-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸を収得した。
生成されたN-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸は、HPLC、1H-NMR及び質量分析を介して確認した。再結晶された生成物は、HPLCを介して高純度に分離した。N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸の1H-NMRスペクトルは、次の通りである。
Figure 0004960368
また、質量分析の結果、m/e=330(Fc-acaH)の分子ピークを得た。
(2)N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)と牛血清アルブミン(BSA:bovine serum albumin)との結合
前記(1)で製造されたN-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)15mg、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、Fluka社)6mg、及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC、Fluka社)9mgを無水DMF溶液0.3mlに溶かし、窒素雰囲気下で90℃に温度を上げて30分間撹拌した(図11参照)。溶液の温度を80℃に維持しつつ、30分間反応をさらに進め、常温に冷却させた。30μLの反応混合液を2分間隔で、1mlのリン酸緩衝溶液(100mM)中の牛血清アルブミン(7mg)溶液に加えた。常温で一日振盪し、遠心分離機で沈殿を分離した後、50mMリン酸緩衝溶液(pH7.4)で30時間透析することによって、N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)の連結されている牛血清アルブミン(フェロセンの連結されているBSA)を製造した。
実施例9:蛋白質の精製
本実施例では、実施例5で製造されたヒドロキシククルビット[7]ウリルの結合された固相を利用し、フェロセン誘導体の連結されているBSAを精製した。
まず、実施例5で製造されたヒドロキシククルビット[7]ウリルの固定化された固相1.5gを、10mL使い捨て注射器に入れ、CH2Cl2(40mL)を1.3ml/分の流速で継続的に流した。その後、DMF(50mL、流速:0.7mL/分)を利用し、前記固相を洗浄した。
一方、0.1M HEPES緩衝溶液(pH6.0)に、実施例8で製造されたフェロセン誘導体の連結されているBSA(2mg)、グルコースオキシダーゼ(1mg)及びリパーゼ(1mg)を溶解させて蛋白質混合物を製造した。
その後、前記蛋白質混合液を、前記使い捨て注射器に0.7ml/分の流速でゆっくり流し込んだ後、50mlの水(流速:2ml/分)で注射器を洗浄し、その後、DMF/TEA(40mL/20mL、流速:2mL/分)で洗浄した。
その後、HEPES緩衝溶液(0.1M、pH8.5)(60mL、流速:2mL/分)を流して注射器から溶離液を回収した。
回収された溶離液を60℃の温度の条件で処理して蛋白質を変性させた後、この溶離液150μLに、クマシーブルーを添加してSDS-PAGEにローディングした後、これを10mAで5時間作動させた。このとき、分子量指標も共にSDS-PAGEにローディングした。
その後、SDS-PAGEゲルを電気泳動器から取り出して洗浄した後、クマシーブルーに1時間ほど浸し、洗浄溶液で一晩洗浄した。
その後、KELスキャナでゲルの染色程度を記録したところ、その結果は、図12のAの通りである。図12のAのレーン1は、分子量指標であり、レーン2は、前記溶離液をローディングした結果である。
その結果、レーン2には、66kDaの単一バンドが示されており、固相に結合されたヒドロキシククルビットウリルは、蛋白質混合物からフェロセンの連結されているBSAを分離及び精製したことを確認した。
前記溶離液を集めて凍結乾燥することによって、フェロセン誘導体の連結されている純粋なBSA蛋白質を収得した。
実施例10:蛋白質の精製
本実施例では、フェロセンの連結されている固相を利用し、ククルビットウリルが連結されている蛋白質を精製した。
(1)クロロメチル化された固相のフェロセンメチルアミン化
実施例6の(1)で製造されたクロロメチル化されたCombiGel XE-305(1.5g)を、DMF(14mL)に2時間浸して膨らませた。次に、フェロセンメチルアミン(1.35g、6.3mmol)の溶解されたDMF-ピリジン(1:2v/v、9.0mL)溶液に、前記DMF中のクロロメチル化されたCombiGel XE-305を添加し、この溶液を55℃で43時間撹拌した。反応混合物を減圧濾過した後、DMF、CH2Cl2、メタノール、エーテルなどの溶媒で洗浄し、真空下で乾燥させ、フェロセンメチルアミン化されたCombiGel XE-305を得た。
元素分析:C、64.52;H、6.72、N、5.10%
この結果、ポリマー1g当たり3.64mmolのフェロセンが連結されていることを確認した(この結果から収得されたポリマー粒子(フェロセンメチルアミン化されたCombiGel XE-305)1g当たり3.64mmolのフェロセンが含まれていることを確認した)。
FT-IR:3419、3020、2936、1627、1485、1210、1151、1025cm-1
(2)[3-(2-カルボキシエチルスルファニル)プロピル-O] 14 ククルビット[7]ウリルの合成
石英チューブにDMF(2mL)を入れ、アリルオキシククルビット[7]ウリル((Aaryl-O)14-CB[7]、35mg、0.018mmol)と3-メルカプトプロピオン酸(70mL、0.78mmol)を添加し、紫外線(254nm)下で36時間反応させた。その後、減圧蒸留法を介してDMFを除去し、反応混合物をジエチルエーテル15mLで4回洗浄した後、減圧条件で乾燥させ、[3-(2-カルボキシエチルスルファニル)プロピル-O]14ククルビット[7]ウリルを37mg、60%収得率で収得した。
収得された[3-(2-カルボキシエチルスルファニル)プロピル-O]14ククルビット[7]ウリルに対する分析結果は、下記の通りである。
Figure 0004960368
(3)ククルビット[7]ウリル誘導体と牛血清アルブミン(BSA)との結合
前記(2)で製造された[3-(2-カルボキシエチルスルファニル)プロピル-O]14ククルビット[7]ウリル37mg、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、Fluka社)6mg及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC、Fluka社)9mgを無水DMF溶液0.3mlに溶かし、窒素雰囲気下で90℃に温度を上げて30分間撹拌した。
溶液の温度を80℃に維持させつつ30分間反応をさらに進め、常温に冷却させた。30μLの反応混合液を2分間隔で1mlのリン酸緩衝溶液(100mM)中の牛血清アルブミン(BSA、Sigma社)(7mg)溶液に加えた。常温で一日振盪し、遠心分離機で沈殿を分離した後、50mMリン酸緩衝溶液(pH7.4)で30時間透析することによって、[3-(2-カルボキシエチルスルファニル)プロピル-O]14CB[7」の連結されている牛血清アルブミンを製造した。本実施例(1)で製造されたフェロセンメチルアミン化された固相を利用し、前記(2)で製造されたククルビット[7]ウリルの連結されているBSAを精製した。
まず、製造されたフェロセンメチルアミン化された固相1.5gを10mL使い捨て注射器に込め、CH2Cl2(40mL)を1.3ml/分の流速で継続的に流した。その後、DMF(50mL、流速:0.7mL/分)を利用して樹脂を洗浄した。一方、リン酸緩衝溶液(0.1M、pH6.0)に、製造されたCB[7」の連結されているBSA(2mg)、グルコースオキシダーゼ(1mg)及びリパーゼ(1mg)を溶解させて蛋白質混合物を製造した。その後、蛋白質混合液をカラムに0.7ml/分の流速でゆっくり流した後、50mlの水(流速:2ml/分)で注射器を洗浄し、その後、DMF/TEA(40mL/20mL、流速:2mL/分)で洗浄した。その後、蛋白質混合液をカラムに0.7ml/分の流速でゆっくり流した後、50mlの水(流速:2ml/分)で注射器を洗浄し、その後、DMF/TEA(40mL/20mL、流速:2mL/分)で洗浄した。
その後、HEPES緩衝溶液(0.1M、pH8.5)(60mL、流速:2mL/分)を流して溶離液を回収した。回収された溶離液を60℃の温度下で蛋白質を変性させた後、前記溶離液150μLにクマシーブルーを添加してSDS-PAGEにローディングし、SDS-PAGEを10mAで5時間作動させた。このとき、分子量指標も共にローディングした。
その後、ゲルスキャナでゲルの染色程度を記録したところ、その結果は、図12のBの通りである。図12のBのレーン1は分子量指標であり、レーン2は、前記溶離液をローディングした結果である。
その結果、レーン2には、66kDaの単一バンドが示されており、フェロセンの連結した固相がククルビットウリル誘導体の結合されたBSAを蛋白質混合物から分離及び精製したことを確認した。
前記溶離液を集めて凍結乾燥することによって、ククルビットウリル誘導体の結合されたBSA蛋白質を収得した。
実施例11:抗原の精製
本実施例では、実施例7で製造されたアリルオキシククルビット[7]ウリルの結合された固相と、フェロセン誘導体の結合された抗体とを利用し、前記抗体と特異的に結合する抗原を精製した。
(1)ククルビットウリル誘導体の結合された固相の準備
実施例7で製造されたアリルオキシククルビット[7]ウリルの固定化された固相300mgを、過量の50mMのHEPES溶液(pH8.5)と共に5分間10,000rpmで遠心分離した後、200μLピペットを利用して上澄液を除去することによって、固相を2回洗浄した。
(2)フェロセン誘導体の連結されている抗BSA蛋白質溶液の製造
下記のような方法を行い、フェロセン誘導体の連結されている抗BSA蛋白質溶液を下記のように製造した。
実施例8の(1)で製造されたN-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)15mg、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、Fluka社)6mg及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC、Fluka社)9mgを無水DMF溶液0.3mlに溶かし、窒素雰囲気下で90℃に温度を上げて30分間撹拌した。溶液の温度を80℃に維持させつつ30分間反応をさらに進め、常温に冷却させた。30μLの反応混合液を2分間隔で1mlのリン酸緩衝溶液(100mM)中の抗牛血清アルブミン7mg溶液(anti-BSA溶液、Sigma社)に加えた。常温で一日振盪し、遠心分離機で沈殿を分離した後、50mMリン酸緩衝溶液(pH7.4)で30時間透析することによって、N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)の連結されている抗牛血清アルブミン(フェロセンの連結されている抗BSA)を製造した。
フェロセン誘導体の連結されている抗BSAの抗体蛋白質溶液を50mMのHEPES(pH7.4)溶液で、100μg/mLの濃度に希釈させた(体積は500μL)(抗体蛋白質溶液には、外部蛋白質や、アジド、グリシン、TRIS、1級アミン基を有する他の試料が存在する場合、使用前に透析や、またはゲル濾過クロマトグラフィーなどを利用して除去した)。
(3)アリルオキシククルビット[7]ウリルの結合された固相とフェロセン誘導体の連結されている抗BSA蛋白質との結合
前記(1)で準備されたアリルオキシククルビット[7]ウリルの結合された固相に、500μLの50mMのHEPES(pH7.4)溶液を添加して懸濁させた後、これに前記(2)で100μg/mLに希釈されたフェロセンの連結されている抗BSAの抗体蛋白質溶液500μLを添加した。
前記混合液を室温の暗室で3時間ゆっくり撹拌した。その後、HEPES緩衝溶液(pH7.4)で粒子を2回洗浄した。500μLのブロッキング緩衝溶液(0.1Mエタノールアミン及びHEPES緩衝溶液)を加えた。その後、500μLのHEPES緩衝溶液(pH7.4)で2回固相を洗浄した。
(4)抗原の精製
フェロセン誘導体の連結されている抗BSA蛋白質と、アリルオキシククルビット[7]ウリルの結合された固相との結合体を2つのチューブに分けて入れ、チューブのうち一つには、対照群としてリゾチームを含んだ(1mg/mL)緩衝溶液500μLを添加し、他の一つには、BSAを含んだ(1mg/mL)緩衝溶液500μLを添加した。
前記固相と蛋白質溶液とがそれぞれ混合された2つのチューブを室温の暗室で3時間ゆっくり撹拌した。HEPES緩衝溶液(pH7.4)を利用し、固相粒子を2回洗浄した。
対照群であるリゾチームを含んだ緩衝溶液で処理された固体支持体及びBSAを含んだ緩衝溶液で処理された固体支持体それぞれを、300μLの溶離緩衝溶液(0.1Mグリシン)を利用して抽出した。
60℃の温度下で蛋白質を変性させた後、前記溶離液150μLにクマシーブルーを添加してSDS-PAGEにローディングし、SDS-PAGEを10mAで5時間作動させた。このとき、分子量指標も共にローディングした。
作動後には、SDS-PAGEゲルを電気泳動機器から取り出して洗浄した後、クマシーブルー染料に1時間ほど浸し、洗浄溶液で一晩洗浄した。
その後、ゲルスキャナでゲルの染色程度を記録し、その結果は、図13の通りである。図13のレーン1は分子量指標であり、レーン2及び3は、それぞれリゾチームを含んだ溶液及びBSAを含んだ溶液で処理した結果である。
図13について述べれば、リゾチームを含む溶液で処理した場合(レーン2)には、蛋白質が検出されていないのに対し、BSAを含む溶液で処理した場合、66kDaのバンドが現れ、これによりBSAは、ククルビットウリルの固定化された固相とフェロセン誘導体とが連結されている抗BSAの結合体によって分離されたことを確認した。
実施例12:センサチップ
(1)金表面へのアリルオキシククルビット[7]ウリルの固定化
平らな金表面(2cmx1cm)を1mMの1,8-オクタンジチオールの溶けているエタノール溶液に2時間浸し、チオール基を金表面に導入した。金表面を実施例3で製造されたアリルオキシククルビット[7]ウリル(1mM)の溶けているDMF溶液に浸し、254nm及び300nmの紫外線を同時に1時間照射した後、金表面を取り出してDMFで洗浄することによって、アリルオキシククルビット[7]ウリルが共有結合で連結された金表面を製造した(図14参照)。
(2)金表面に連結されたアリルオキシククルビット[7]ウリルとフェロセン分子との包接
本実施例では、フェロセン分子がアリルオキシククルビット[7]ウリルのキャビティに包接されうるか否かを確認した。
まず、0.2Mのフェロセントリメチルアンモニウムヨード水溶液(pH6.2)に前記(1)で製造されたアリルオキシククルビット[7]ウリルが共有結合された金表面を浸して1時間放置した。その結果、フェロセントリメチルアンモニウムヨードがアリルオキシククルビット[7]ウリルのキャビティに包接されることをフーリエ変換赤外線吸収実験を介して確認した(図15及び16参照)。
フェロセントリメチルアンモニウムヨードに対するFTIRスペクトル(図15):1483、1473、1459、1445、1409、1386、1247cm-1
アリルオキシククルビット[7]ウリルに対するFTIRスペクトル(図16):1756、1471、1377、1322、1255cm-1
アリルオキシククルビット[7]ウリルが共有結合された金表面とフェロセントリメチルアンモニウムヨードとの反応物にするFTIRスペクトル(図17):1755、1483、1473、1459、1409、1386、1317、1247cm-1
(3)金表面に連結されたアリルオキシククルビット[7]ウリルとフェロセンに連結されたグルコースオキシダーゼとの包接及びその酵素活性度の測定
まず、フェロセンの連結されているグルコースオキシダーゼ(Fc-GOx)酵素溶液を製造したが、その製造方法は、BSAの代わりにグルコースオキシダーゼを使用した点を除いては、実施例8の(2)に記載された方法と同一に行った。
その後、前記(1)で製造された金表面にアリルオキシククルビット[7]ウリルが結合された金電極を、フェロセンの連結されているグルコースオキシダーゼ(Fc-GOx)酵素溶液(10ml)の0.1Mリン酸緩衝溶液(200U ml-1グルコースオキシダーゼ含む、pH6.3)に浸して常温で30分間放置した。金電極を取り出し、0.1Mのリン酸緩衝溶液(pH6.3)で洗浄した。
アリルオキシククルビット[7]ウリルに包接されたグルコースオキシダーゼの活性度は、金電極を0.1Mグルコース溶液(10mlの0.1Mリン酸緩衝溶液、pH6)に浸した後で25℃で1分間培養することによって確認した。金電極を除去した後、100μlパーオキシダーゼ(50purpurogallin units ml-1)溶液及び20μl o-ジアニシジン.2HCl(水の中で1%m/v)溶液を加え、混合液をガラスセルに移した。酵素活性度は、460nmでの吸光度を介して確認した(図18)。
460nmでの吸光度が示されているのは、酵素活性を意味するものであり、グルコースが酵素と反応すれば、過酸化水素が生成され、この過酸化水素と反応するパーオキシダーゼは、過酸化水素と反応しつつo-ジアニシジン.2HClを酸化させて460nmの光を吸収する。従って、460nmでの吸光度を見れば、酵素の活性度が分かる。
(4)電気化学的測定
試料中のグルコース濃度を測定するために、グルコースを消耗して起こる酵素反応の結果物であるH2O2の量を測定した。前記(1)で製造された金電極を、H2O2の濃度を測定するのに使用した。0.1Mのリン酸緩衝溶液にグルコースオキシダーゼを溶かし、10〜120mM濃度の溶液を製造して測定した。あらゆる実験は、25℃の恒温槽でなされた。
その結果を基に較正曲線(calibration curve)を描いた(図19)。
実施例13:固体触媒
(1)N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)の連結されているリパーゼの製造
実施例8の(1)で製造されたN-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)15mg、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、Fluka社)6mg、及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC、Fluka社)9mgを無水DMF溶液0.3mlに溶かし、窒素雰囲気下で90℃に温度を上げて30分間撹拌した(図15参照)。溶液の温度を80℃に維持させつつ30分間反応をさらに進め、常温に冷却させた。30μLの反応混合液を2分間隔で1mlのリン酸緩衝溶液(100mM)中のリパーゼ(7mg)溶液に加えた。常温で一日振盪し、遠心分離機で沈殿を分離した後、50mMリン酸緩衝溶液(pH7.4)で30時間透析することによって、N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)の連結されているリパーゼ(フェロセンの連結されているリパーゼ)を製造した。
(2)フェロセンの連結されているリパーゼ分子を固体支持体に固定化されたヒドロキシククルビット[7]ウリルに包接
実施例6で製造されたポリマー樹脂に固定化されたヒドロキシククルビット[7]ウリル1.0gを10mL容量の使い捨て注射器に込め、CH2Cl2(40mL)を1.3mL/分の流速で継続的に流した。その後、DMF(50mL、流速:0.7mL/min)を利用して樹脂を洗浄した。前記(1)で製造されたフェロセンの連結されているリパーゼ2mgをリン酸緩衝溶液(0.1MpH6.0)に溶解させ、カラムに0.7ml/分の流速でゆっくり流した後、50mlの水(流速:2ml/分)で注射器を洗浄した。その後、注射器中の固体支持体に固定化されたヒドロキシククルビット[7]ウリルに、フェロセンの連結されているリパーゼが包接された形態のポリマー粒子を集め、真空乾燥した。
前記(2)で製造された固体支持体に固定化されたヒドロキシククルビット[7]ウリルに、フェロセンの連結されているリパーゼ分子が包接された形態のポリマー樹脂を触媒として使用した。
(3)α-ピネンのエポキシ化
8mLのトルエンにα-ピネン(2.38mL、15mmol)及びオクタン酸(2.37mL、15mmol)を溶かした後、前記(2)で収得された触媒150mgを加えた。反応は、常温で撹拌してH2O2(23mmol、2.6mL)を順次に加えることによって始まった。
4時間後、反応混合液を濾過して触媒粒子を回収した。濾過液を減圧蒸発させた後、カラムクロマトグラフィーで生成物を分離した。
生成物であるα-ピネンオキサイド化合物は、1H NMRと13C NMR及び質量分析を介して確認した。一定の時間隔で有機層の一部を取り出して生成物を確認した。
α-ピネンオキサイド:オイル、沸点102-104℃/50mm:
Figure 0004960368
(4)メチルアセトアセテートとn-ブタノールとのトランスエステル化反応
トルエン20mLにメチルアセトアセテート(2.1mL、20mmol)及びn-ブタノール(1.8mL、20mmol)を入れ、30℃で15分間400rpmで撹拌した。そして、前記(2)で製造された触媒(FerlipaseCB[7] polymer beads)115mgを添加して反応を開始した。澄んだ液体サンプルを周期的に取り出し、生成物であるn-ブチルアセトアセテートを確認した。
Figure 0004960368
実施例14.細胞死滅程度の確認
死滅した細胞の表面と選択的に結合すると知られている蛋白質アネキシンVに結合されたフェロセン誘導体(アネキシンV-フェロセン誘導体)を、抗ガン剤により細胞死滅が誘導された細胞に処理した後、FITCに結合されたククルビットウリル誘導体(FITC-ククルビットウリル誘導体)を処理した後、遊細胞分析機(Flow cytometry)を介して細胞死滅程度を確認した。
(1)抗ガン剤処理による細胞死滅誘導
2mLのRPMI-1640培養液(10%FCS含む)を、37℃及び5%CO2条件でKB細胞(口腔ガン細胞)(韓国細胞株銀行、KCLB)106個ほどを2つの6ウェル細胞培養皿で48時間培養した。
その後、6ウェル細胞培養皿のうち一つは、RPMT-1640培養液(10%FCS含む)のみを2mL交換し(対照群)、他の一つは、0.5μM(0.3μg/ml)のドキソルビシンをRPMT-1640培養液(10%FCS含む)2mLで交換した後、2つの培養皿をさらに37℃、5%CO2条件で3日間培養した。
(2)細胞へのアネキシンV-フェロセン誘導体の処理
実施例8の(1)で製造されたN-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)15mg、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、Fluka社)6mg、及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC、Fluka社)9mgを無水DMF溶液0.3mlに溶かし、窒素雰囲気下で90℃に温度を上げて30分間撹拌した(図15参照)。
溶液の温度を80℃に維持させつつ30分間反応をさらに進め、常温に冷却させた。30μLの反応混合液を2分間隔で1mlのリン酸緩衝溶液(100mM)中のアネキシンV(Sigma社)(9mg)溶液に加えた。常温で一日振盪し、遠心分離機で沈殿を分離した後、50mMリン酸緩衝溶液(pH7.4)で30時間透析することによって、N-(フェロセニルメチル)-6-アミノカプロン酸(Fc-aca)の連結されているアネキシンV(アネキシンV-フェロセン誘導体)を収得した。
前記(1)の2つの細胞培養皿に存在する既存の培養液を除去し、PBS緩衝溶液(pH7.4、sigma社)だけで2mLで2回洗浄した後、前記(1)で合成したフェロセンの連結されているアネキシン-V溶液試薬100μl(10μlの10X結合緩衝溶液(トレビジェン社)、1μlのフェロセンの連結されているアネキシン-V、89μlの蒸溜水)を含むRPMT-1640培養液(10%FCS含む)2mLで交換した後、2つの培養皿をさらに37℃、5%CO2条件で2時間培養した。
その後、細胞を固定化させるために、2つの細胞培養皿に存在する既存の培養液を除去し、PBSバッファ(pH7.4、Sigma社)だけで2mLで(に)2回洗った後、2%のホルムアルデヒド(sigma社)の含まれたPBS緩衝溶液(pH7.4、sigma社)2mLを入れた後、15分間浸漬させた。
(3)[3-(2-アミノエチルスルファニル)プロピル-O] 14 ククルビット[7]ウリルの製造
石英チューブにDMF3mL、実施例3で製造されたアリルオキシククルビット[7]ウリル50mg(0.025mmol)、2-アミノエタンチオールヒドロクロライド87mg(0.77mmol)、AIBN 0.32mg(0.002mmol)を置いて密封した。フリーズ-ポンプ-ソー排ガス法(freeze-pump-thaw degassing method)を利用し、前記チューブ内部を窒素環境にした後、チューブを254nmの紫外線が照射される反応器に位置させて36時間放置した。反応が終結した後、減圧条件で溶媒を除去し、トリエチルアミン0.5mLを添加した後、ジエチルエーテル15mLで4回洗浄する。洗浄後、減圧条件で化合物を乾燥し、48mg、62%の収得率で最終化合物を得た。
Figure 0004960368
(4)FITC-ククルビットウリル誘導体の処理
DMSO(5mL)に[3-(アミノエチルスルファニル)プロピル-O]14ククルビット[7]ウリル(100mg、0.033mmol)と、1M NaOH1mLとを添加し、DMSO(8mL)に溶かしたFITC(28.26mg、0.072mmol)を入れた後、12時間常温で撹拌した。
反応容器に蒸溜水(10mL)を入れた後、11Mの塩酸溶液を少しずつ入れて中性化させた。その後、12時間透析した後、溶媒を減圧蒸留法を介して除去し、白色固体の最終化合物を60%(75mg)収得率で収得した。
最終化合物は、遮光された4℃冷蔵庫に保管した。
Figure 0004960368
2つの細胞培養皿から既存の緩衝溶液を除去し、PBS緩衝溶液(simga社)9mLで2回洗浄した後、二ヵ所の細胞培養皿に同一に前記で収得したFITC-ククルビットウリル誘導体45μgの溶けているPBS緩衝溶液(sigma社)9mLに15分間浸漬させた。
(5)細胞死滅程度の確認
PBS緩衝溶液に含まれている細胞をそれぞれ遠心分離用チューブに移した後、遠心分離を介してそれぞれの細胞のみを取った後、500μlのPBS緩衝溶液にさらにそれぞれ懸濁させた。
その後、遊細胞分析機(Flow cytometry)(Becton Dickinson社、FACSCalibur、Ex=488nm、Em=530nm(FITC検出用))を利用して細胞死滅の程度を確認した。
ドキソルビシンを処理した場合、ほとんどの細胞が、ドキソルビシンを処理していない場合よりはるかに強力なFITC信号を示すので、ドキソルビシンを処理した場合にほとんどの細胞が死滅したということを遊細胞分析機の結果から確認することができる。図20の(a)は、ドキソルビシンを処理していないKB細胞についてのもので、(b)はドキソルビシンを処理したKB細胞についてのものである。
実施例15:親和性クロマトグラフィーを利用したククルビットウリル[7]の分離
(1)クロロメチル化されたポリスチレンのアダマンチルアミン化
前記実施例6の(1)で製造されたクロロメチル化されたポリスチレン(1%ジビニルベンゼンで架橋化)(クロロメチル化されたCombiGel XE-305)(2.0g)をDMF(17mL)に2時間十分に浸した。1-アダマンタンアミンヒドロクロライド(TCI、1.59g、8.5mmol)をDMF-ピリジン(1:2v/v、12.0mL)溶液に徐々に入れた後、前記DMF中のクロロメチル化されたCombiGel XE-305を添加し、55℃で43時間撹拌した。反応混合物をDMF、CH2Cl2、メタノール及びジエチルエーテルの順に濾過した後で洗浄した。その後、真空状態で乾燥し、アダマンチルアミン化されたCombiGel XE-305のポリマー粒子を収得した。
元素分析:C、61.73;H、6.87、N、5.43%(この元素分析の結果から、収得されたアダマンチルアミン化されたCombiGel XE-305 1g当たり3.88mmolのアダマンチルアミンの含まれていることを確認した)。
IRスペクトル(図21参照):3417、3022、2935、1630、1483、1213、1153cm-1
(2)親和性クロマトグラフィーを利用したククルビット[7]ウリルの分離
前記(1)で製造されたアダマンチルアミン化されたCombiGel XE-305(クロロメチル化されている)1.0gを10mL使い捨て注射器に込め、CH2Cl2溶媒(約20mL)を流した。樹脂が多少膨らめば、CH2Cl2/トリフルオロ酢酸(TFA)(45mL/5mL)を1.3mL/分の速度で流した(流率(FR):1.3mL/min)。これは、アダマンチルアミンを水素化するためのものである。その後、50mLのCH2Cl2を2mL/分の速度で流して樹脂を洗浄し、次に、50mLのDMFを0.7mL/minで流し、再び樹脂を膨らませた。未精製のククルビット[7]ウリルの混合物1gを30mLの水に溶かした後、前記の樹枝状に溶液を0.7mL/分の速度でゆっくり流した。その後、50mLの水を2mL/分で流して樹脂を洗浄した後、50mLメタノールを0.7mL/分の速度で流して洗浄した。樹脂に結合されたCB[7]は、DMF/TEA(トリエチルアミン)(40mL/20mL)を2mL/分の速度で、またはアンモニウムバイカーボネート溶液を流して樹脂から脱着させた。次に、60mLの水を2mL/分の速度で流して溶液と共に分離した。上記の2つの分類液を濃縮させれば、白色固体物質が生じ、最終的にメタノールで洗って白色固体(240mg)を得た。
1H NMR情報から、収得された物質は、他のいかなる同族体も含まれていない純粋なククルビット[7]ウリル(化学式2でA1及びA2は、それぞれHであり、XはOであり、nは7である化合物)であることを確認した。
ククルビット[7]ウリル:
Figure 0004960368
一方、アダマンチルアミン化されたCombiGel XE-305の代わりに、前記実施例10の(1)で製造されたフェロセンメチルアミン化されたCombiGel XE-305を使用した点を除いては、前記と同一の方法を行い、ククルビット[7]ウリルの混合物を分離してみた結果、前記と同一の結果を収得した。
(3)親和性クロマトグラフィーを利用したヒドロキシククルビット[7]ウリルの分離
合成により製造されたヒドロキシククルビット[7]ウリルは、多量のカルシウム塩を含む。ヒドロキシククルビット[7]ウリルを含む混合物から純粋なヒドロキシククルビット[7]ウリル(式(1)でA1及びA2がいずれもOHであり、XはOであり、nは7である化合物)を得るために、前記混合物を水に溶かした後、アダマンチルアミン化されたCombiGel XE-305樹脂状に通過させた。そして、前記(2)に記載された方法と同一に行い、ヒドロキシククルビット[7]ウリルを分離した。
ヒドロキシククルビット[7]ウリル:
Figure 0004960368
一方、アダマンチルアミン化されたCombiGel XE-305の代わりに、前記実施例10の(1)で製造されたフェロセンメチルアミン化されたCombiGel XE-305を使用した点を除いては、前記のような方法を行い、ヒドロキシククルビット[7]ウリルの混合物を分離してみた結果、前記と同一の結果を得た。
(4)親和性クロマトグラフィーを利用した他の置換基を有するククルビット[7]ウリルの精製
パーヒドロキシククルビット[7]ウリル、ジ-メタ-アミノフェニルククルビット[7]ウリル、ジ-パラ-アミノフェニルククルビット[7]ウリル、ジメチルククルビット[7]ウリル、ククルビット[8]ウリル、ヒドロキシククルビット[8]ウリル、シクロヘキサノククルビット[7]ウリル、ジ-p-メトキシフェニルククルビット[7]ウリル及びジ-p-ヒドロキシフェニルククルビット[7]ウリルそれぞれを含む混合物を、前記(2)でククルビット[7]ウリルの精製に使われた親和性クロマトグラフィーを行った結果、前記ククルビットウリルそれぞれが精製されたことを確認した。
固相に結合されたククルビット[7]ウリルと、固相に結合されたリガンドとが相互非共有結合を形成することを概略的に示した図面である。 ポリスチレン-co-DVB-NH2からポリスチレン-co-DVB-NCOを製造する反応と、ポリスチレン-co-DVB-NCOにヒドロキシククルビット[7]ウリルを固定化する反応とを示した図面である。 ポリスチレン-co-DVB-NH2についてのFT-IRスペクトルを示す図面である。 ポリスチレン-co-DVB-NCOについてのFT-IRスペクトルを示す図面である。 ポリスチレン-co-DVB-NCOにヒドロキシククルビット[7]ウリルを固定化させた、ポリスチレン-co-DVB-CO-ヒドロキシククルビット[7]ウリルのFT-IRスペクトルを示す図面である。 CombiGel XE-305のクロロメチル化及びジチオール化反応を示す図面である。 CombiGel XE-305のFT-IRスペクトルを示す図面である。 クロロメチル化されたCombiGel XE-305のFT-IRスペクトルを示す図面である。 ジチオールの固定化された、クロロメチル化されたCombiGel XE-305のFT-IRスペクトルを示す図面である。 クロロメチル化反応及びジチオール化反応を行ったCombiGel XE-305に、アリルオキシククルビット[7]ウリルを固定化する反応を示した図面である。 フェロセンに固相が結びつく過程を示した図面である。 A及びBは、それぞれヒドロキシククルビット[7]ウリル及びアリルオキシククルビット[7]ウリルの連結されている固体支持体と、フェロセンの連結されている抗BSA抗体との複合体を利用し、BSA蛋白質を精製した電気泳動した結果を示す図面である。 リゾチームを含む蛋白質溶液(レーン2)及びBSAを含む蛋白質溶液(レーン3)を、アリルオキシククルビットウリルの結合された固相とフェロセンの連結されている抗BSAとの複合体で精製した電気泳動結果と、レーン1は、分子量指標をローディングした結果とを示す図面である。 金表面上でのアリルオキシククルビット[7]ウリルの固定化反応を示した図面である。 フェロセンメチレントリメチルアンモニウムヨードのFT-IRスペクトルを示す図面である。 金表面に結合されたアリルオキシククルビットウリル[7]のFT-IRスペクトルを示す図面である。 金表面上に結合されたアリルオキシククルビットウリル[7]分子に包接されたフェロセンメチレントリメチルアンモニウムヨードのFT-IRスペクトルを示す図面である。 グルコースオキシダーゼがCB[7]とフェロセンとに連結されたセンサの活性度を示すo-ジアニシジン.2HClのUV-Vis吸収スペクトルを示す図面である。 グルコースオキシダーゼがCB[7]とフェロセンとに連結されたセンサを利用し、10〜120mM間のグルコース溶液で測定した較正曲線を示すグラフである。 ドキソルビシンを処理していないKB細胞(a)と、ドキソルビシンを処理したKB細胞(b)とにアネキシンV-フェロセン誘導体を処理した後でFITC-ククルビットウリル誘導体を処理した後、FITC程度に対する遊細胞分析の結果を示したグラフである。 アダマンチルアミン化されたCombiGel XE-305についてのIRスペクトルである。

Claims (29)

  1. 下記a)、及びb)成分:
    a)第1物質に結合された下記化学式(1)の化合物の第1成分、及び
    b)第2物質に結合されたリガンドの第2成分、
    を含むキットであって、
    前記第1物質及び第2物質それぞれ独立的に、固相、生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビトゥリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質及び触媒からなる群から選択され、
    前記リガンド、化学式(1)の化合物と相互非共有結合を行うことができ、かつ一つ以上のアミン基を有する、
    −C20アルキル基;C−C20アルケニル基;C−C20アルキニル基;C−C20アルコキシ基;C−C20アミノアルキル基;C−C20シクロアルキル基;C−Cヘテロアリールシクロ基;C−C20アリール基;C−C20ヘテロアリール基;C1−C20アルキルシリル基;C6−C20アリール基;C5−C20ヘテロアリール基;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するシクラムまたはクラウンエーテル;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するローダミン;及びC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択される、キット:
    Figure 0004960368
    式中、
    nは6ないし10の整数であり、
    XはO、SまたはNHであり、
    及びAはそれぞれ独立的にH、OR、SRまたはNHRであり、ただしA及びAは、同時にHではなく、
    前記Rは、H、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30カルボニルアルキル基、置換または非置換のC−C30チオアルキル基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30ヒドロキシアルキル基、置換または非置換のC−C30アルキルシリル基、置換または非置換のC−C30アミノアルキル基、置換または非置換のC−C30アミノアルキルチオアルキル基、置換または非置換のC−C30シクロアルキル基、置換または非置換のC−C30ヘテロシクロアルキル基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30アリールアルキル基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリールアルキル基からなる群から選択される。)
  2. 第1物質及び第2物質のうちの一つは生体分子であり、他の一つは、発色団、蛍光物質またはリン光体であることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  3. 前記固相がそれぞれ独立的に、高分子、樹脂、磁性物質、シリカゲル、高分子または金のコーティングされたシリカゲル、ジルコニウム酸化物、モノリシック高分子、及び高分子のコーティングされた磁性粒子、金薄膜、銀薄膜、ガラス、ITOのコーティングされたガラス、シリコン、金属電極、ナノロッド、ナノチューブ、ナノワイヤ、カードラン・ガム(curdlan gum)、セルロース、ナイロン膜、セファロース及びセファデックスからなる群より選択される固体支持体であることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  4. 前記固相が、ポリスチレン樹脂、またはポリマーでコーティングされたシリカゲルであることを特徴とする請求項3に記載のキット。
  5. 前記生体分子が、酵素、核酸、蛋白質、アミノ酸、抗体、抗原、阻害剤、ビタミン、補助因子、脂肪酸、細胞、細胞膜、基質、基質類似物、抑制剤、助酵素、ウイルス、レクチン、多糖、糖蛋白、受容体、ヒストン、ATP、ADP、ホルモン、受容体及びグルタチオンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  6. 前記酵素が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペロキシダーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、酸化酵素、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルノニダーゼ及びその組合わせからなる群より選択されることを特徴とする請求項5に記載のキット。
  7. 前記触媒が、グラブス触媒、ラジカル開始剤またはその組合わせであることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  8. 化学式(1)のA及びAがそれぞれ独立的にH、OHまたはORであり、Rが、置換または非置換のC−C30アルケニルであることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  9. 化学式(1)のnが7であり、XがOであることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  10. 前記リガンドが、一つ以上のアミン基を有し、かつ置換もしくは非置換のC−C20アルキル基、C−C20アリール基またはC−C20ヘテロアリール基を有するアダマンタン、フェロセンあるいはメタロセンであることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  11. アミン基が1級アミン、2級アミンまたは水素化されたアミンであることを特徴とする請求項10に記載のキット。
  12. 前記リガンドが、アダマンタンアミンまたはフェロセンメチルアミンであることを特徴とする請求項10に記載のキット。
  13. リガンドに結合された物質を分離及び精製する方法であって、
    下記段階:
    a)固相に結合された下記化学式(1):
    Figure 0004960368
    (式中、n、X、A 及びA は、それぞれ請求項1で定義された通りである。)
    で表される化合物が静止相で充填された親和性クロマトグラフィー・カラムを提供する段階と、
    b)リガンドに結合された物質を含む混合物を、前記カラムに提供する段階と、
    c)前記カラムを洗浄液で洗浄する段階と、
    d)移動相溶媒を前記カラムに提供し、リガンドに結合された物質を分離及び精製する段階
    を含み、
    前記物質が、生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビトゥリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質及び触媒からなる群より選択され、ならびに
    前記リガンドが、化学式(1)の化合物と相互非共有結合を行うことができ、かつ一つ以上のアミン基を有する、C −C 20 アルキル基;C −C 20 アルケニル基;C −C 20 アルキニル基;C −C 20 アルコキシ基;C −C 20 アミノアルキル基;C −C 20 シクロアルキル基;C −C ヘテロアリールシクロ基;C −C 20 アリール基;C −C 20 ヘテロアリール基;C1−C20アルキルシリル基;C6−C20アリール基;C5−C20ヘテロアリール基;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシクラムまたはクラウンエーテル;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するローダミン;及びC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択される
    方法
  14. 前記段階a)以前に、化学式(1)の化合物と固相とを結合する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記段階a)とb)との間に、前記リガンドと前記物質とを結合する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  16. 前記移動相溶媒が、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、イオン液体、N−メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、及びジオキサンからなる群より選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  17. 前記洗浄液が、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンジン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、イオン液体、N−メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、及びジオキサンからなる群より選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 下記化学式(1):
    Figure 0004960368
    (式中、n、X、A及びAは、それぞれ請求項1で定義された通りである。)
    で表される化合物、または前記化合物に結合された物質を分離、及び精製する方法であって、
    下記段階:
    a)リガンドに結合された固相が静止相で充填された親和性クロマトグラフィ・カラムを提供する段階と、
    b)化学式(1)の化合物または前記化合物に結合された物質を含む混合物を、前記カラムに提供する段階と、
    c)前記カラムを洗浄液で洗浄する段階と、
    d)移動相溶媒を前記カラムに提供し、化学式(1)の化合物または前記化合物に結合された物質を分離及び精製する段階
    を含み、
    前記物質が、生体分子、抗酸化剤、化学治療剤、抗ヒスタミン剤、ククルビトゥリル・デンドリマー、シクロデキストリン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カリックスアレン誘導体、シクロファン誘導体、環状ペプチド誘導体、金属イオン、発色団、蛍光物質、リン光体、放射性物質、及び触媒からなる群より選択され、ならびに
    前記リガンドが、化学式(1)の化合物と相互非共有結合を行うことができ、かつ一つ以上のアミン基を有する、C −C 20 アルキル基;C −C 20 アルケニル基;C −C 20 アルキニル基;C −C 20 アルコキシ基;C −C 20 アミノアルキル基;C −C 20 シクロアルキル基;C −C ヘテロアリールシクロ基;C −C 20 アリール基;C −C 20 ヘテロアリール基;C1−C20アルキルシリル基;C6−C20アリール基;C5−C20ヘテロアリール基;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシクラムまたはクラウンエーテル;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するローダミン;及びC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択される
    方法
  19. 前記段階a)以前に、リガンドと固相とを結合する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記段階a)とb)との間に、化学式(1)の化合物と前記物質とを結合する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  21. 前記移動相溶媒が、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、イオン液体、N−メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、及びジオキサンからなる群より選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  22. 前記洗浄液は、メタノール、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトニトリル、キシレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エタノール、ジグリコールエーテル、シリコン、超臨界二酸化炭素、イオン液体、N−メチルピロリジン、ピリジン、水、水酸化アンモニウム、及びジオキサンからなる群より選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  23. 第1物質に結合された下記化学式(1)
    Figure 0004960368
    (式中、n、X、A 及びA は、それぞれ請求項1で定義された通りである。)
    で表される化合物、及び第2物質に結合されたリガンドの結合体を含むセンサチップであって、
    前記第1物質及び第2物質のうちの一つは固相であり、他の一つはヒスチジン、システインまたはトリプトファンを含む酵素、基質、基質類似物、サプレッサー、助酵素、抗体、抗原、ウイルス、細胞レクチン、多糖、糖蛋白、細胞表面受容体、核酸、相補塩基配列、ヒストン、核酸ポリメラーゼ、核酸結合蛋白質、ATP、ADP、ホルモン、ビタミン、受容体、担体蛋白質、グルタチオン、GST融合蛋白質、金属イオン、ポリHIS融合蛋白質、天然蛋白質及びその組合わせからなる群より選択され、ならびに
    前記リガンドは、下記化学式(1)の化合物と相互非共有結合を行うことができ、かつ一つ以上のアミン基を有する、C −C 20 アルキル基;C −C 20 アルケニル基;C −C 20 アルキニル基;C −C 20 アルコキシ基;C −C 20 アミノアルキル基;C −C 20 シクロアルキル基;C −C ヘテロアリールシクロ基;C −C 20 アリール基;C −C 20 ヘテロアリール基;C −C 20 アルキルシリル基;C −C 20 アリール基;C −C 20 ヘテロアリール基;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシクラムまたはクラウンエーテル;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するローダミン;及びC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択される、
    センサチップ
  24. 前記固相が、金薄膜、銀薄膜またはITOでコーティングされたガラスであることを特徴とする請求項23に記載のセンサチップ。
  25. 第1物質に結合された下記化学式(1)
    Figure 0004960368
    (式中、n、X、A 及びA は、それぞれ請求項1で定義された通りである。)
    で表される化合物と第2物質に結合されたリガンドとからなる固体−触媒複合体であって、
    前記第1物質及び第2物質のうちの一つは固相であり、他の一つは触媒であり、
    前記リガンドは、化学式(1)の化合物と相互非共有結合を行うことができ、かつ一つ以上のアミン基を有する、C −C 20 アルキル基;C −C 20 アルケニル基;C −C 20 アルキニル基;C −C 20 アルコキシ基;C −C 20 アミノアルキル基;C −C 20 シクロアルキル基;C −C ヘテロアリールシクロ基;C −C 20 アリール基;C −C 20 ヘテロアリール基;C1−C20アルキルシリル基;C6−C20アリール基;C5−C20ヘテロアリール基;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアダマンタン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフェロセンまたはメタロセン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するカルボラン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するフラーレン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシクラムまたはクラウンエーテル;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有する酸素が保護されたアミノ酸;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するペプチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するアルカロイド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するシスプラチン;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するオリゴヌクレオチド;置換または非置換のC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するロダミン;及びC −C 20 アルキル基、C −C 20 アリール基またはC −C 20 ヘテロアリール基を有するナノ粒子からなる群より選択される
    固体−触媒複合体
  26. 前記固相が、ポリマー、樹脂、磁性物質、シリカゲル、ポリマーまたは金でコーティングされたシリカゲル、ジルコニウム酸化物、モノリシックポリマー、ポリマーでコーティングされた磁性粒子、金薄膜、銀薄膜、ガラス、ITOでコーティングされたガラス、シリコン、金属電極、ナノロッド、ナノチューブ、ナノワイヤ、カードラン・ガム、セルロース、ナイロン膜、セファロース、及びセファデックスからなる群より選択されることを特徴とする、請求項25に記載の固体−触媒複合体。
  27. 前記固相が、ポリスチレン樹脂、またはポリマーでコーティングされたシリカゲルであることを特徴とする請求項26に記載の固体−触媒複合体。
  28. 前記触媒が、グラブス触媒、ラジカル開始剤またはその組合わせであることを特徴とする請求項25に記載の固体−触媒複合体。
  29. 前記触媒が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペロキシダーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、酸化酵素、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルノニダーゼ及びその組合わせからなる群より選択される酵素であることを特徴とする、請求項25に記載の固体−触媒複合体。
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