JP4960051B2 - スパッタ装置用電源回路 - Google Patents

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Description

本発明は、スパッタ装置、特にDCスパッタ装置のターゲットに電力を供給するための電源回路に関する。
DCスパッタ装置は、半導体装置や液晶表示装置などに用いられる基板表面に金属薄膜や誘電体薄膜を形成するために使用されている。このDCスパッタ装置は、真空チャンバーと排気装置等から構成されている。真空チャンバー内には、薄膜を堆積させるための材料からなるターゲットと、このターゲットからターゲット材料をスパッタリングして薄膜を堆積させるための基板などが収納されている。ターゲット材料のスパッタリングは次のようにして行う。まず、チャンバーを真空に排気し、その後プラズマ生成用ガス、例えばアルゴンガスをそのチャンバーに導入する。チャンバーが所定の圧力に達した後に、チャンバーを正極に、ターゲットを負極になるようにDC電圧を印加する。チャンバー内にプラズマが発生して、ターゲット材料のスパッタリングが開始される。このスパッタリングは次のメカニズムに基づく。チャンバーとターゲット間に印加された高電圧により電子が加速されてアルゴンガスに衝突し、正にイオン化したアルゴンイオンを生成し、このアルゴンイオンがプラズマとターゲット間の電位差により加速され、ターゲット表面に衝突して物理的にターゲット材料を飛散させる。この飛散したターゲット材料が基板上に堆積して薄膜の形成が行われる。
しかしながら、DCスパッタを持続して行うと、負極であるターゲットの表面に反応性ガスや酸素等とターゲット材料が反応し、酸化膜やその他の誘電体膜が生成され、この誘電体膜が寄生コンデンサとなって電離したイオンガスを遮蔽した。このようになるとスパッタリングが行われず基板上に薄膜を形成することができなくなる、あるいは、ターゲット材料の堆積レートが変動して堆積すべき薄膜の膜厚制御が困難になる、という問題が生じる。また、ターゲット表面の寄生コンデンサに電荷が蓄積し、寄生コンデンサが絶縁破壊して局部的に電流密度が急激に上昇するアーク放電を発生した。ターゲット表面上においてアーク放電が発生すると、パーティクルが発生し、堆積すべき薄膜の品質が悪化する、という問題が起こった。
この問題を解決するために、ターゲットに直流電流を流してDCスパッタリングを行っている途中に、DC電圧と逆極性のパルス状電圧を印加して上記寄生コンデンサの生成を抑制する方法が採用されている。
図7は、この対策を講じたDCスパッタ用電源回路を示す。DCスパッタ電源102とスパッタ装置のターゲットの放電負荷103との間にパルス発生回路101を構成している。パルス発生回路101は、DCスパッタ電源102の負極と接続する入力端子IN(−)と放電負荷103への出力端子OUT(−)との間にインダクタL1を接続する。また、放電負荷103への出力端子OUT(−)とOUT(+)との間に、逆極性のパルスを重畳させるための逆バイアス用電源104と半導体スイッチング素子Q1とを直列に接続する。そして、スパッタ装置の放電負荷103にDCスパッタ電源102から直流電圧−Voutを印加している間に、半導体スイッチング素子Q1のゲートに第1の制御端子P1を介して周期的にパルスを印加し、半導体スイッチング素子Q1をオンする。すると、負の電圧が印加されている出力端子OUT(−)に逆バイアス用電源104から正の逆バイアス電圧Vxが印加され、放電負荷103の負極、即ちスパッタ装置のターゲットに(−Vout+Vx)の電圧が短い期間印加される。これにより、スパッタ装置のターゲット表面に形成される寄生コンデンサの生成を抑制する、というものである。
また、図8は、DCスパッタのターゲット表面に生成される寄生容量を抑制するための、他のDCスパッタ用電源回路を示す(特許文献1)。直流電源DCと、この直流電源DCから電力が供給されるスパッタ装置の放電負荷RLと、直流電源DCと放電負荷RLの間に構成したインダクタL1及びこれに並列接続するダイオードD1と抵抗R1が構成され、その出力端には逆パルス発生回路105が接続されている。
逆パルス発生回路105は、パルストランスPTとこのパルストランスPTの一次側にパルス電力を供給するスイッチング回路SWと、このスイッチング回路SWに発信周波数を供給する発信回路OSCと、スイッチング回路SWの電源となるコンデンサC1とが構成されている。また、パルストランスPTの二次側は出力端子に接続し、この二次側の各端子はダイオードD2及びダイオードD4を介してコンデンサC1の負極側に接続し、更に二次側の両端子は直列接続する抵抗R2とダイオードD3に接続する。発信回路OSCは数μsecから数十μsecのパルスを周期的に発生させてスパッタ装置の放電負荷RLに逆極性の電圧パルスを与える。ダイオードD3、抵抗R2及びダイオードD4は、逆極性のパルス印加後に発生するフライバック電圧を抑制し、ダイオードD2はパルストランスPTの直流励磁を抑制する。
特開平7−150348号公報
しかしながら、上記図7に示すDCスパッタ用電源回路においては、半導体スイッチング素子Q1をオンさせると、出力端子OUT(−)に逆バイアス用電源104の逆バイアス電圧Vxが印加されると共に、インダクタL1は出力端子OUT(−)側からDCスパッタ電源102の負極側に電流を持続して流そうとする。しかしスパッタ装置のターゲットとチャンバー間には逆電圧が印加されているので放電電流が流れず、その結果、逆バイアス用電源104を大きな電流が流れてしまう。従って、逆バイアス用電源104は大電力を流すことができる大きな容量を必要とする、という課題があった。例えば、スパッタリング用として20KWの電力を必要とする場合、逆バイアス用電力としては、逆電圧のパルスのデューティ比にもよるが、略1/10程度、概ね2KW程度の容量を必要とした。
また、図8に示すDCスパッタ用電源回路においては、パルストランスPT、これに電流を供給するスイッチング回路SW及び発信回路OSC等を必要とし、部品点数が多くなるという課題があった。更に、DCスパッタ装置の放電負荷RLに対してマスター電源及び複数のスレーブ電源を並列接続して放電負荷RLに大電力を供給するシステム電源を構成する場合に、発信回路OSCのタイミングの調整や、パルストランスPTの特性の均一化が難しく、このようなシステム電源には使用できない、などの課題があった。
本発明においては上記課題を解決するために以下の手段を講じた。
(1) スパッタ装置のターゲットに電力を供給するための2つの出力端子と、前記2つの出力端子に直流電力を供給するための直流電源と、前記出力端子に前記直流電力とは逆極性の電圧を供給するための逆バイアス用電源とを備えるスパッタ装置用電源回路において、前記逆バイアス用電源の出力を制御するための第1のスイッチング素子と、1つの制御端子と2つの端子を有し前記直流電力の供給を制御するための第2のスイッチング素子と、電流バイパス用の第1のダイオードとを更に備え、前記2つの出力端子間に前記第1のスイッチング素子と前記逆バイアス用電源とを電気的に直列に接続し、前記第2のスイッチング素子の前記2つの端子の一方の端子を前記2つの出力端子のうちの一方の出力端子に電気的に接続し、直列接続する前記第1のスイッチング素子と前記逆バイアス用電源との接続点と、前記第2のスイッチング素子の前記2つの端子の他方の端子との間に前記第1のダイオードを電気的に接続し、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを相補的にオン・オフ駆動することにより、前記2つの出力端子に前記直流電力とは逆極性のパルス電圧を供給することを特徴とするスパッタ装置用電源回路とした。
(2) 上記(1)のスパッタ装置用電源回路において、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を駆動するためのスイッチング素子駆動回路を備える。
(3) 上記(2)のスパッタ装置用電源回路において、前記直流電源から供給される電圧及び電流を検出して放電が開始されたことを判定し、前記スイッチング素子駆動回路に開始通知信号を出力して、前記逆極性のパルス電圧を周期的に発生させるための放電開始判定回路を備える。
(4) 上記(2)又は(3)のスパッタ装置用電源回路において、前記出力端子から供給される電圧及び電流を検出して異常放電が発生したことを判定し、前記スイッチング素子駆動回路に異常通知信号を出力して、前記逆極性のパルス電圧を発生させるための異常放電判定回路を備える。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれか1のスパッタ装置用電源回路において、第2のダイオード、抵抗及びコンデンサを含み、前記第1のスイッチング素子と並列に接続するスナバ回路を備える。
上記(1)の構成とすることにより、逆バイアス用電源に過大な電流を流すことなくスパッタ装置のターゲットに逆極性のパルス電圧を供給することができる。その結果、逆バイアス用電源の容量を小さくすることができる、という利点を有する。
上記(2)の構成とすることにより、外部からスイッチング素子駆動用の制御信号を入力する必要がない、という利点を有する。
上記(3)の構成とすることにより、スパッタ装置において放電が開始される前に、2つのスイッチング素子のオン・オフ動作が繰り返され、正常に放電を開始することができなくなる、という不具合を防止することができる。
上記(4)の構成とすることにより、スパッタ装置において異常放電が発生した場合に、逆極性のパルス電圧を供給して速やかに放電の安定化を図ることができる、という利点を有する。
上記(5)の構成とすることにより、第1のスイッチング素子がオフ動作を行うときに発生するサージ電圧を逃がすことができ、第1スイッチング素子の破壊や、異常放電の発生を防止することができる、という利点を有する。
本発明のスパッタ用電源回路においては、直流電源と、この直流電源からスパッタ装置などの放電負荷に直流電力を供給するための2つの出力端子と、この出力端子に上記直流電力とは逆極性の電圧を供給するための逆バイアス用電源とを備えている。更に、逆バイアス用電源の出力を制御するための第1のスイッチング素子と、直流電源からの直流電力の供給を制御するための第2のスイッチング素子と、電流バイパス用の第1のダイオードを備えている。そして、第1のスイッチング素子と逆バイアス用電源とを電気的に直列に、上記2つの出力端子間に接続し、また、第2のスイッチング素子の一方の端子は2つの出力端子のうちの一方の端子に接続している。更に、直列接続する第1のスイッチング素子と逆バイアス用電源との接続点と、第2のスイッチング素子の他方の端子との間に、上記電流バイパス用の第1のダイオードを電気的に接続している。
そして、第1のスイッチング素子をオンし、第2のスイッチング素子をオフするパルス駆動を周期的に行うことにより、出力端子から逆極性のパルス電圧を周期的に供給することができるようにした。また、その逆極性のパルス電圧が供給されている期間は、第1のダイオードを介して電流がバイパスして流れるようにした。
その結果、逆バイアス用電源には過大な電流を流すことなくスパッタ装置の放電負荷に逆電圧を印加することができる。これにより、逆バイアス用電源の容量を大幅に小さくすることができる。例えば、スパッタ装置の放電に400V〜800V、20KWのDC電力を必要とする場合でも、逆バイアス用電源は、例えば100W程度の極めて小さな容量とすることができる。そのために、電源回路の容積を小さく、重量を軽くし、コストも低減させることができる。
更に、このスパッタ用電源回路を複数並列に接続して放電負荷に大電力を供給使用とする場合に、各スパッタ用電源回路のスイッチング素子駆動回路に同期信号を入力するようにすれば、複数のスパッタ用電源回路間において逆極性のパルス電圧の同期を容易にとることができる。従って、大電力供給のためのシステム電源の構成が容易となる、という利点を有する。
また、上記第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子を駆動するためのスイッチング素子駆動回路を更に備えている。
また、直流電源から供給される電圧と電流を検出し、スパッタ装置において放電が開始されたことを判定する放電開始判定回路を備えている。放電開始判定回路は所定の電流、電圧を検出することにより放電が開始したことを判定し、スイッチング素子駆動回路に開始通知信号を出力する。開始通知信号を入力したスイッチング素子駆動回路は、第1のスイッチング素子をオフからオンに切り替えると同時に第2のスイッチング素子をオンからオフに切り替える動作を行い、逆極性の周期的パルス電圧の供給を開始する。即ち、放電を開始する前に逆極性のパルス電圧が供給されて、放電開始が阻害されることが無いようにする。
また、出力端子から供給される電圧と電流を検出し、スパッタ装置において異常放電が発生したことを判定する異常放電判定回路を備えている。異常放電判定回路は、供給される電圧及び電流が所定値を超えた場合に異常放電が発生したことを判定し、スイッチング素子駆動回路に異常通知信号を出力する。異常通知信号を入力したスイッチング素子駆動回路は、上記逆極性の周期的なパルス電圧とは独立して、第1のスイッチング素子をオンに、第2のスイッチング素子をオフに動作させ、逆極性のパルス電圧を生成する。このパルス電圧をスパッタ装置に供給して、異常放電を停止させるように動作する。これにより、成膜される薄膜の膜質変化、膜厚変動等の品質悪化を防止することができる。
また、第1のスイッチング素子と並列に接続する、第2のダイオード、抵抗、コンデンサを有するスナバ回路を備えている。これにより、第1のスイッチング素子のスイッチング時に発生するサージ電圧の発生を防止することができる。
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るスパッタ装置用電源回路10を表す回路図である。DCスパッタ電源2からパルス電圧発生回路1を介してスパッタ装置の放電負荷3へ電力を供給する。パルス電圧発生回路1は、DCスパッタ電源2の負極に接続するインダクタLと、インダクタLの出力側と放電負荷3に電力を供給するための出力端子OUT(−)との間に接続する第2のスイッチング素子Q2と、出力端子OUT(−)とOUT(+)との間に直列接続する逆バイアス用電源4と第1のスイッチング素子Q1と、インダクタLの出力側の接続点αをカソードに、第1のスイッチング素子Q1と逆バイアス用電源4との間の接続点βをアノードに接続する第1のダイオードD1と、第1のスイッチング素子Q1の第1の制御端子P1及び第2のスイッチング素子Q2の第2の制御端子P2のそれぞれに接続し、これらのスイッチング素子の動作を制御するためのスイッチング素子駆動回路5とから構成されている。なお、スイッチング素子駆動回路5は、パルス電圧発生回路1内に設けないで、外部から第1のスイッチング素子Q1及び第2のスイッチング素子Q2に相補的なパルス電圧を与えるようにしてもよい。
スイッチング素子駆動回路5は、第1のスイッチング素子Q1の第1の制御端子P1と第2のスイッチング素子Q2の第2の制御端子P2にパルス信号を与えることにより、このスイッチング素子の動作を制御する。第1のスイッチング素子Q1としては耐圧が高いIGBT(ゲート絶縁型バイポーラトランジスタ)スイッチング素子を使用することができる。第2のスイッチング素子Q2としては大電流を流すことができ応答速度の速いFET(絶縁効果型トランジスタ)スイッチング素子を使用することができる。DCスパッタ電源2は、スパッタ装置のターゲットにイオン化ガスを加速して衝突させ、ターゲット材料を飛散させるための電力供給用の電源である。なお、図1において、スイッチング素子駆動回路5は入力端子IN(+)、IN(−)に接続した状態を表しているが、必ずしも入力端子から駆動電力の供給を受ける必要はなく、外部電力から駆動電力を受けることができる。
図2は、図1に示すスパッタ装置用電源回路10の出力端子OUT(−)とOUT(+)間に現れる電圧波形を表す。横軸が時間を示し、縦軸が電圧を示す。以下、図1及び図2を用いてスパッタ装置用電源回路10の動作を説明する。
スイッチング素子駆動回路5は、第1のスイッチング素子Q1の第1の制御端子P1にオフ信号を出力して第1のスイッチング素子Q1をオフ状態にするとともに、第2のスイッチング素子Q2の第2の制御端子P2にオン信号を出力して第2のスイッチング素子Q2をオン状態にする。すると、DCスパッタ電源2から供給されるDC電圧−VOUTがインダクタL、第2のスイッチング素子Q2及び出力端子OUT(−)を介して放電負荷3へ供給される。このとき、出力端子OUT(−)とOUT(+)間の電圧は−Voutとなる。
次にスイッチング素子駆動回路5は、第1のスイッチング素子Q1をオンし、第2のスイッチング素子Q2をオフするための期間t1の駆動信号を第1の制御端子P1及び第2の制御端子P2へ出力する。すると、第1のスイッチング素子Q1はオフからオンへ切り替り、第2のスイッチング素子Q2はオンからオフへ切り替わる。このとき出力端子OUT(−)とOUT(+)との間には、期間t1、電圧Vyの第1のパルス電圧11が供給される。期間t1は、通常数μsecから数10μsecである。そして、このt1の期間、DCスパッタ電源2から供給される電流は、インダクタL、第1のダイオードD1及び第1のスイッチング素子Q1を通して電流れる。即ち、図7に示される従来例と異なり、逆バイアス用電源4をこの電流が流れない。そのために、逆バイアス用電源4の容量は増加させる必要が無い。
また、図2に示すように、逆極性の第1のパルス電圧11は、以降周期T=(t1+t2)の周期パルス電圧12〜14として繰り返して発生させる。この周波数は通常数KHzから数10KHzである。また、パルス電圧のデューティ比Dは、D(%)=t1*100/(t1+t2)と定義して、通常5%〜20%に設定する。この様に周期的に逆極性のパルス電圧をスパッタ装置の放電負荷3に供給することにより、ターゲット表面に寄生コンデンサが誘起されることを抑制し、スパッタリングの際のプラズマの不安定化、スパッタリング効率の悪化を防止することができる。更に、寄生容量に蓄積された電荷によるアーク放電の発生を防止するように機能する。
図3は、本発明の他の実施の形態に係るスパッタ装置用電源回路10を表す回路図である。同一の部分又は同一の機能を有する部分は同一の符号により表す。図4は、図3に示すスパッタ装置用電源回路10の出力端子OUT(−)とOUT(+)間の電圧波形を示す。
図3に示すパルス電圧発生回路1は、パルス電圧発生回路1の入力端子IN(−)及びIN(+)の間に、放電負荷3におけるプラズマ放電の開始を検出するための放電開始判定回路8を備えている。放電負荷3に対して、プラズマが発生していない状態からプラズマを発生させるために、DCスパッタ電源2から入力端子IN(−)とIN(+)の間にイグニッション電圧を印加する。このとき、スイッチング素子駆動回路5は、第1のスイッチング素子Q1をオフ状態に、第2のスイッチング素子Q2をオン状態に維持する制御信号を第1の制御端子P1及び第2の制御端子P2に供給する。図4示すように、出力端子OUT(−)とOUT(+)の間にそのイグニッション電圧−Vigが現れる。通常、このイグニッション電圧−Vigは−1000V〜−1800Vの高圧となる。そして放電が開始されると電圧の絶対値が急激に小さくなりオーバーシュート後に定常供給電圧−Voutに漸近する。
放電開始判定回路8は、入力端子IN(−)とIN(+)間の電圧と、入力端子IN(−)又はIN(+)を流れる電流を検出し、所定の値(例えば電圧−V1、電流I1)に達したときに放電負荷3においてプラズマが発生したと判定する。すると、放電開始判定回路8は開始信号をスイッチング素子駆動回路5に出力する。開始信号を入力したスイッチング素子駆動回路5は、第1のスイッチング素子Q1をオンし、同時に第2のスイッチング素子Q2をオフする制御信号を第1の制御端子P1及び第2の制御端子P2のそれぞれに出力する。その結果、期間t1の逆極性の第1のパルス電圧11が出力端子OUT(−)とOUT(+)間に供給される。以降、スイッチング素子駆動回路5は駆動信号を第1の制御端子P1及び第2の制御端子P2に継続して出力する。その結果、出力端子OUT(−)とOUT(+)間には周期T、期間t1の周期パルス電圧12、13、14・・・が継続して供給される。
そして、この逆極性の周期パルス電圧12、13、14・・・が供給される各t1の期間、DCスパッタ電源2から第1のスイッチング素子Q1、第1のダイオードD1及びインダクタLを通して電流が流れる。即ち、この電流は、逆バイアス用電源4を介することなく第1のダイオードD1によりバイパスされて流れる。これにより、逆バイアス用電源4の容量を小さくすることができる。
図3に示すパルス電圧発生回路1は、出力端子OUT(−)とOUT(+)間に、放電負荷3の異常放電を判定するための異常放電判定回路9を備えている。異常放電判定回路9は、出力端子OUT(−)、OUT(+)間の電圧及び出力端子OUT(−)又はOUT(+)を流れる電流を検出し、所定の値(例えば電圧−V2、電流I2)に達したときに放電負荷3が異常放電を起こしたと判定する。
すると、異常放電判定回路9はスイッチング素子駆動回路5に対して異常通知信号を出力する。異常通知信号を入力したスイッチング素子駆動回路5は、直ちに第1のスイッチング素子Q1をオンし、第2のスイッチング素子Q2をオフする制御信号を第1の制御端子P1及び第2の制御端子P2に出力する。その結果、図4に示すように、期間t1の周期パルス電圧11〜14とは独立に、電圧Vy、期間t1’の単パルス電圧15が出力端子OUT(−)とOUT(+)間に供給される。これにより、放電負荷3の異常放電を安定化させることができ、スパッタレートの変化や堆積される薄膜の膜質変化を最小限に抑制することができる。なお、単パルス電圧15の期間t1’は、放電負荷3の特性に従って、t1と等しくしても良いし、異なるようにしてもよい。
図3に示すパルス電圧発生回路1は、第1のスイッチング素子Q1がオフ動作を行う際に発生するサージ電圧を抑制するために、第1のスイッチング素子Q1と並列に接続するスナバ回路7を備えている。スナバ回路7は、接続点γにアノードを接続する第2のダイオードD2と、第2のダイオードD2のカソードと接続点βとの間に並列に接続した抵抗RとコンデンサCとにより構成されている。これにより、第1のスイッチング素子Q1がオフするときに発生する大きなサージ電圧は、第2のダイオードD2とコンデンサCを介して開放され、その発生が抑制される。その結果、第1のスイッチング素子Q1がサージ電圧により破壊されることも防止される。
図5は、スナバ回路7の他の実施の形態を表す回路図である。図5(a)に示すスナバ回路7は、アノードを接続点γに接続し、カソードをコンデンサC3を介して接続点βに接続する第3のダイオードD3と、この第3のダイオードD3と並列接続する抵抗R3とから構成されている。図5(b)は、2つの第1のスイッチング素子Q1aとQ1bとが直列接続する場合の、スナバ回路7の一例を表す回路図である。接続点γから接続点βに向けて、第4のダイオードD4、コンデンサC4、第5のダイオードD5、コンデンサC5が直列接続する。コンデンサC4と第5のダイオードD5との接続点が2つの第1のスイッチング素子Q1aとQ1bとの接続点と接続する。更に、第5のダイオードD5とコンデンサC5との間の接続点と接続点γとの間に抵抗R4が接続し、第4のダイオードD4とコンデンサC4との接続点と接続点βとの間に抵抗R5が接続する構成を有している。
なお、以上において、スナバ回路7は、第1のスイッチング素子Q1と並列に接続した例について説明したが、第2のスイッチング素子Q2にも同様にスナバ回路7を接続すれば、第2のスイッチング素子Q2の動作時に発生するサージ電圧を防止することができる。
図6は、本発明に係る他の実施の形態に係るスパッタ装置用電源回路10を表す回路図であり、図1に示した回路図の変形例である。なお、図6に示した図においては、図1に示した回路図に係るスイッチング素子駆動回路5を省略してある。同一の部分又は同一の機能を表す部分は同一の符号を付した。DCスパッタ電源2からパルス電圧発生回路1を介してスパッタ装置の放電負荷3へ電力を供給する。パルス電圧発生回路1は、DCスパッタ電源2の負極と放電負荷3へ出力するための出力端子OUT(−)との間に接続するインダクタLと、DCスパッタ電源2と出力端子OUT(+)との間に接続する第2のスイッチング素子Q2と、2つの出力端子OUT(−)と出力端子OUT(+)間に直列接続する第1のスイッチング素子Q1及び逆バイアス用電源4と、第1のスイッチング素子Q1と逆バイアス用電源4との間の接続点βと第2のスイッチング素子Q2のDCスパッタ電源2側の接続点αとの間に接続する第1のダイオードD1とから構成されている。
そして、第1のスイッチング素子Q1の第1の制御端子P1と第2のスイッチング素子Q2の第2の制御端子P2とに図示しないパルス電圧発生回路から相補的なパルス信号を与える。即ち、第1の制御端子P1に第1のスイッチング素子Q1をオフする電圧を印加している間は、第2の制御端子P2に第2のスイッチング素子Q2をオンする電圧を印加して、DCスパッタ電源2からの直流電力を出力端子に供給する。そして、第1の制御端子P1に第1のスイッチング素子Q1をオンする電圧を印加している間は、第2の制御端子P2に第2のスイッチング素子Q2をオフする電圧を印加する。これにより、図2に示すような電圧波形の電力を出力端子OUT(−)、OUT(+)に供給する。第2のスイッチング素子Q2がオフし第1のスイッチング素子Q1がオンして、逆バイアス用電源4から逆バイアスが出力端子OUT(−)、OUT(+)に出力されている間は、インダクタL及びDCスパッタ電源2を流れる電流はバイパス用の第1のダイオードD1を介して流れることになる。これにより、逆バイアス用電源4に対する負荷を減少させることができる。
なお、図1、図3、図5において示したスイッチング素子駆動回路5、放電開始判定回路8、異常放電判定回路9及びスナバ回路7を本図6のパルス電圧発生回路1に適用することができることはいうまでもない。
本発明の実施形態に係るスパッタ装置用電源回路を表す回路図である。 本発明の実施形態に係るスパッタ装置用電源回路の出力電圧波形図である。 本発明の他の実施形態に係るスパッタ装置用電源回路を表す回路図である。 本発明の他の実施形態に係るスパッタ装置用電源回路の出力電圧波形図である。 本発明の実施形態に係るスパッタ装置用電源回路に用いられるスナバ回路図である。 本発明の実施形態に係るスパッタ装置用電源回路を表す回路図である。 従来公知のスパッタ装置用電源回路を表す回路図である。 従来公知のスパッタ装置用電源回路を表す回路図である。
符号の説明
1 パルス発生回路
2 DCスパッタ電源
3 放電負荷
4 逆バイアス用電源
5 スイッチング素子駆動回路
7 スナバ回路
8 放電開始判定回路
9 異常放電判定回路
L インダクタ
Q1 第1のスイッチング素子
Q2 第2のスイッチング素子
P1 第1の制御端子
P2 第2の制御端子

Claims (5)

  1. スパッタ装置のターゲットに電力を供給するための2つの出力端子と、前記2つの出力端子に直流電力を供給するための直流電源と、前記出力端子に前記直流電力とは逆極性の電圧を供給するための逆バイアス用電源とを備えるスパッタ装置用電源回路において、
    前記逆バイアス用電源の出力を制御するための第1のスイッチング素子と、1つの制御端子と2つの端子を有し前記直流電力の供給を制御するための第2のスイッチング素子と、電流バイパス用の第1のダイオードとを更に備え、
    前記2つの出力端子間に前記第1のスイッチング素子と前記逆バイアス用電源とを電気的に直列に接続し、
    前記第2のスイッチング素子の前記2つの端子の一方の端子を前記2つの出力端子のうちの一方の出力端子に電気的に接続し、
    直列接続する前記第1のスイッチング素子と前記逆バイアス用電源との接続点と、前記第2のスイッチング素子の前記2つの端子の他方の端子との間に前記第1のダイオードを電気的に接続し、
    前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを相補的にオン・オフ駆動することにより、前記2つの出力端子に前記直流電力とは逆極性のパルス電圧を供給することを特徴とするスパッタ装置用電源回路。
  2. 前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を駆動するためのスイッチング素子駆動回路を備えることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置用電源回路。
  3. 前記直流電源から供給される電圧及び電流を検出して放電が開始されたことを判定し、前記スイッチング素子駆動回路に開始通知信号を出力して、前記逆極性のパルス電圧を周期的に発生させるための放電開始判定回路を備えることを特徴とする請求項2に記載のスパッタ装置用電源回路。
  4. 前記出力端子から供給される電圧及び電流を検出して異常放電が発生したことを判定し、前記スイッチング素子駆動回路に異常通知信号を出力して、前記逆極性のパルス電圧を発生させるための異常放電判定回路を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のスパッタ装置用電源回路。
  5. 第2のダイオード、抵抗及びコンデンサを含み、前記第1のスイッチング素子と並列に接続するスナバ回路を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパッタ装置用電源回路。
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