JP4956061B2 - 合わせガラス - Google Patents
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Description
[1] 2枚のガラス板が中間膜を介して積層されてなる合わせガラスであって、一方のガラス板が有色透明ガラス板であり、他方のガラス板が可視光線反射ガラス板であり、中間膜が錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を含んでいることを特徴とする合わせガラス、
[2] 有色透明ガラス板が室外側に位置し、可視光線反射ガラス板が室内側に位置するようにして用いられる前項[1]に記載の合わせガラス、
[3] 可視光線反射ガラス板が、ガラス板の片面または両面に金属膜を被覆してなる前記[1]または[2]に記載の合わせガラス、
[4] 金属膜がAg膜である前記[3]に記載の合わせガラス、
[5] 中間膜が、ポリビニルアセタール樹脂を構成樹脂とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の合わせガラス、
[6] ポリビニルアセタール樹脂が、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂である前記[5]に記載の合わせガラス、
[7] 中間膜に含まれる錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子の含有量が、中間膜に対して、0.1〜1.0質量%である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の合わせガラス、および
[8] 車両のサイドガラス、リアガラスまたはルーフガラスに用いられる前記[1]〜[7]のいずれかに記載の合わせガラス、
に関する。
前記有色透明ガラス板は、有色透明ガラスで作られたガラス板であって、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知のものであってよい。前記有色透明ガラスの種類としては、例えばグリーン色、ブロンド色、グレー色、ブルー色のソーダライムシリカガラスなどが挙げられる。前記有色透明ガラスとして、グリーン色ソーダライムシリカガラスを採用した場合には、その構成としては、質量百分率表示でFe2O3換算した全鉄0.3〜1%を含有するソーダライムシリカガラスが挙げられ、好適には、質量百分率表示でFe2O3換算した全鉄中のFe2O3換算したFeOの質量が20〜40%のソーダライムシリカガラスが挙げられる。さらに、合わせガラスから切り出した1cm2の合わせガラス片を構成する各ガラス板に含まれるFe2O3換算した全鉄の含有量の総和が、2〜7mgであることが好ましい。
前記可視光線反射ガラス板は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、常法に従い、ガラス板の片面または両面を金属膜で被覆することにより得られる。より具体的には、例えば、ガラス板の少なくとも一つのガラス面を、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により、金属膜で被覆することにより得られる。なお、前記金属膜を構成する金属としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)等の光線反射能を有する金属が挙げられる。前記金属膜としては、Ag膜が好ましい。また、ガラス板の片面に金属膜を被覆する場合、中間膜側の面すなわち通常の使用時には室外に近い側となる面に被覆するのが好ましい。なお、金属膜の厚さとしては、2〜200nm程度が好ましい。
前記中間膜は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を含む中間膜であれば特に限定されない。中間膜中の錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子の含有量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは0.1〜1.0質量%である。また、ITO微粒子の粒子径としては、特に限定されないが、10〜80nmが好ましい。
本発明の合わせガラスは、常法に従い、前記有色透明ガラス板と前記可視光線反射ガラス板とを前記中間膜を介して積層し、これを一体化することにより製造できる。例えば、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスの間に前記中間膜を挟み、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70〜110℃で予備接着し、次いで、オートクレーブを用いるか、又は加熱機能を備えたプレス装置を用い、約120〜150℃で、約1〜1.5MPaの圧力で本接着を行うことにより本発明の合わせガラスを製造することができる。
なお、本発明の合わせガラスを構成する各ガラス板および中間膜の厚みとしては、特に限定されるものではなく、合わせガラスの用途に応じて公知のもしくは可能な範囲で適宜設定すればよい。
(1)中間膜の調製
トリオクチルホスフェートをトリエチレングリコール−ジ−エチルヘキサノエート(3GO)に分散させて混合液とし、さらにこの混合液中にITO微粒子(平均粒径35nm)を分散させてITO微粒子分散液を調製した。このITO微粒子分散液をポリビニルブチラール樹脂に添加し、ミキシングロールで充分に溶融混練し、プレス成形機を用いて150℃で30分間プレス成形することにより、厚さ0.8mmの中間膜(SCF)を得た。なお、前記のITO微粒子分散液の調製およびポリビニルブチラール樹脂への添加に際しては、中間膜中のITO微粒子含有量が0.2質量%となるよう、また、ポリビニルブチラール樹脂100質量部に対するトリオクチルホスフェートおよび3GOの量がそれぞれ0.08質量部および40質量部となるよう、混合比および添加量を調整した。
前記(1)で得られた中間膜(SCF)を、表1に示される室外側ガラスとしての有色透明ガラス板と室内側ガラスとしての可視光線反射ガラス板または有色透明ガラス板とで挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、更に90℃で30分間保持することにより予備接着した。このようにして予備接着された積層物をオートクレーブ中で135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間の圧着(本接着)を行い、表1に示される構成の合わせガラスを得た。
実施例1〜2および比較例1〜2で得られた合わせガラスについて以下の方法により評価を行った。結果を表2に示した。
直記分光光度計(島津製作所社製「UV3100」)を使用して、JIS Z 8722およびJIS R 3106に従って、380〜780nmの可視光透過率(Tv)、300〜2100nmの日射透過率(Te)および300〜2100nmの日射反射率(Re)を求めた。
一方、比較例1〜2の合わせガラスは、室外側から該合わせガラスを目視で観察すると、実施例のものと比べて色目が鮮やかでなく、また、室内側から該合わせガラスを目視で観察すると、室内側ガラス板および室外側ガラス板を合わせた色目に中間膜のITO微粒子による色目(青味)が混ざったような色目を呈していた。
なお、表2より、実施例1〜2の合わせガラスは、比較例1〜2のものと比べて、可視光透過率(Tv)および日射透過率(Te)が低く、日射反射率(Re)が高いことが分かる。これは、上記の観察結果を裏付けるものと思われる。
Claims (6)
- 2枚のガラス板が中間膜を介して積層されてなる合わせガラスであって、一方のガラス板が有色透明ガラス板であり、他方のガラス板が可視光線反射ガラス板であり、前記中間膜が錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を含み、可塑剤により可塑化されたポリビニルアセタール樹脂を構成樹脂とし、前記可視光線反射ガラス板の中間膜側の面に金属膜が被覆されてなり、前記金属膜がAg膜であり、有色透明ガラス板を室外側に配置し、可視光線反射ガラス板を室内側に配置して用いることを特徴とする合わせガラス。
- 可塑剤により可塑化されたポリビニルアセタール樹脂が、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂である請求項1に記載の合わせガラス。
- 中間膜に含まれる錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子の含有量が、中間膜に対して、0.1〜1.0質量%である請求項1または2に記載の合わせガラス。
- 可塑剤が、トリエチレングリコール−ジ−エチルヘキサノエート(3GO)である請求項1〜3のいずれかに記載の合わせガラス。
- 車両のサイドガラス、リアガラスまたはルーフガラスに用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の合わせガラス。
- 2枚のガラス板が中間膜を介して積層されてなる合わせガラスであって、一方のガラス板が有色透明ガラス板であり、他方のガラス板が可視光線反射ガラス板であり、前記中間膜が錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を含み、可塑剤により可塑化されたポリビニルアセタール樹脂を構成樹脂とし、前記可視光線反射ガラス板の中間膜側の面に金属膜が被覆されてなり、前記金属膜がAg膜である合わせガラスを、有色透明ガラス板が室外側に位置し、可視光線反射ガラス板が室内側に位置するようにして使用する方法。
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