JP4955392B2 - 血管内膜過増殖疾患の予防または治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、化学構造式
Figure 0004955392


で表されるミチグリニド(化学名:(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸)若しくはその薬理学的に許容される塩、またはそれらの水和物を有効成分として含有する、血管内膜過増殖に起因する疾患、特に、虚血性心疾患の治療における冠動脈バイパス術や冠動脈インターベンションの術後再狭窄等の予防または治療用医薬組成物に関するものである。
心疾患は、悪性新生物とともに最も多い死亡原因の一つであるが、その約半数は、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患によるものであり、これらの虚血性心疾患の予防や治療の重要性が増している。虚血性心疾患の治療においては、外科的治療法である冠動脈バイパス術(Coronary Artery Bypass Graft Surgery、以下適宜、CABGという)と、より侵襲性の低い治療法である冠動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention、以下適宜、PCIという)が、重要な役割を果たしている。CABGは、閉塞血管の血行再建手術の一方法であって、閉塞部を迂回する側管を形成させるものであり、例えば、内胸動脈、橈骨動脈、胃大網動脈等を使用した心拍動下冠動脈バイパス術などがある。一方、PCIは、バルーンカテーテルにより冠動脈狭窄部を拡張させる経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty、以下適宜、PTCAという)に始まり、その後新たに開発または改良された使用器具や手法の総称であり、年間15万件が施行されていると推定される(非特許文献1)。PTCAは、現在では、冠動脈ステント、方向性冠動脈内粥腫切除術(Directional Coronary Artherectomy、以下適宜、DCAという)、回転式粥腫切除術(以下適宜、ロータブレーターという)等の新しい治療デバイスや手法と区別して、POBA(Plain Old Balloon Angioplasty)と呼ばれることもある。
PCI治療において従来から問題となってきた合併症は、術後数時間に発生する急性冠閉塞や、術後6カ月以内に生じる再狭窄である。このような再狭窄は、主に、手術により生じた血管壁の様々な損傷により、新生血管内膜の過増殖が起こり、血管内腔の狭窄が発現すると考えられている(非特許文献2)。PCIの中で最も再狭窄が起こりにくいとされる冠動脈ステントでも、手技や病態により、20〜40%程度の再狭窄が生じているのが現状であり、再狭窄が起こると、再度のバルーン治療、切除術、ステントの追加留置などを行う必要が生じ、患者にも医療経済的にも大きな負担を与えることとなる。
CABGあるいはPCIの術後再狭窄等の血管内膜過増殖に起因する疾患に対する薬物療法としては、例えば、抗アレルギー薬(トラニラスト等)、抗血小板薬(シロスタゾール等)、アンジオテンシンII受容体遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、キマーゼ阻害薬、プロブコール、トラピジル等が研究されてきた。また、シロリムスまたはパクリタキセルを塗布した薬剤溶出ステントが実用化されている。
ミチグリニドカルシウム水和物(化学名:ビス{(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸}カルシウム・二水和物)は、下記式(II)で表される、市販の速効型の非SU系抗糖尿病薬であり、食後や空腹時の高血糖状態等を是正し、2型糖尿病患者の血糖コントロールに有効であることが知られている(特許文献1、特許文献2)。また、血糖コントロールによる糖尿病性合併症の予防または進展阻止に有用であることが報告されている(特許文献3)。しかしながら、ミチグリニド若しくはその薬理学的に許容される塩、またはそれらの水和物が、血管内膜過増殖に起因する疾患の予防または治療に有用であることは報告されていない。
Figure 0004955392
以上のように、ミチグリニド若しくはその薬理学的に許容される塩、またはそれらの水和物が、CABGやPCI等の術後再狭窄を始め、血管内膜過増殖に起因する疾患の予防または治療に有効であることは全く知られておらず、上記文献等において示唆もされていない。
特開平4−356459号公報 国際公開第2004/002473号パンフレット 国際公開第2004/002474号パンフレット 特開平6−340622号公報 特開平6−340623号公報 齋藤滋著、内科、2004年、第93巻、第5号、p.805−811 田村俊寛ほか著、内科、2004年、第93巻、第5号、p.890−896
本発明の目的は、例えば、CABGやPCI等の術後再狭窄等の血管内膜過増殖に起因する疾患の予防または治療用の医薬組成物を提供することである。
本発明者らは、血管内膜肥厚に対して奏効する薬剤を見出すべく鋭意研究した結果、前記式(II)で表されるミチグリニドカルシウム水和物が、ウサギ総頸動脈内皮の擦過刺激による内膜肥厚に対して顕著な抑制作用を有することを見出し、血管内膜過増殖に起因する疾患の予防または治療に極めて有用であるという知見を得、本発明を成すに至った。
本発明は、
(1)前記式(I)で表されるミチグリニド若しくはその薬理学的に許容される塩、またはそれらの水和物を有効成分として含有する、血管内膜過増殖に起因する疾患の予防及び治療用医薬組成物;
(2)血管内膜過増殖に起因する疾患が、冠動脈バイパス術または冠動脈インターベンションの術後再狭窄である、前記(1)記載の医薬組成物;
(3)前記式(I)で表されるミチグリニドのカルシウム塩またはその水和物を有効成分として含有する、前記(1)または(2)記載の医薬組成物;
(4)抗アレルギー薬、抗血小板薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、キマーゼ阻害薬及び細胞増殖抑制薬から選択される1種類以上の薬剤と組み合わせて用いられる、前記(1)〜(3)のいずれか記載の医薬組成物;等に関するものである。
本発明者らは、ウサギ糖尿病モデルの総頸動脈内皮擦過による血管内膜肥厚モデルを用いて、前記式(II)で表されるミチグリニドカルシウム水和物の内膜肥厚抑制作用を検討した。その結果、驚くべきことに、当該化合物は、空腹時血糖値に影響を与えない用量でも、対照群に比べ、有意な血管内膜肥厚抑制効果を示した。
このことから、当該化合物は、強力な血管内膜肥厚抑制作用を有し、血管内膜過増殖に起因する疾患の予防または治療に極めて有用である。
血管内膜過増殖に起因する疾患としては、例えば、冠動脈バイパス術(CABG)、冠動脈インターベンション(PCI)の術後再狭窄等を挙げることができる。CABGとしては、心拍動下冠動脈バイパス術、人工心肺を用いない冠動脈バイパス術等の低侵襲冠動脈バイパス術、人工心肺を用いて心臓を止めて行うバイパス術等が挙げられ、内胸動脈、橈骨動脈、若しくは胃大網動脈等の血管が使用される。また、PCIとしては、バルーン拡張術(PTCA、カッティングバルーン等)、冠動脈ステント(シロリムス、パクリタキセル等を塗布した薬剤溶出性ステントを含む)、プラーク切除術(DCA、ロータブレーター等)、経橈骨動脈冠動脈インターベンション(Trans−radial Coronary Intervention、TRI)等が挙げられる。
本発明の有効成分である、前記式(I)で表される化合物若しくはその薬理学的に許容される塩、またはそれらの水和物(以下、本発明の化合物という)は、文献記載の方法、またはそれらに準じた方法により容易に製造することができる(例えば、前記特許文献1、4、5参照)。
前記式(I)で表される化合物の薬理学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基との塩、モルホリン、ピペリジン、フェニルアラニノール等の有機アミンあるいはアミノ酸等との塩を挙げることができ、好ましくはカルシウム塩である。なお、本発明の有効成分としては、前記式(I)で表されるミチグリニドのカルシウム塩またはその水和物がより好ましく、前記式(II)で表されるミチグリニドカルシウム水和物が最も好ましい。
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
本発明の医薬組成物は、その剤型に応じ調剤学上使用される手法により適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解し、常法に従い調剤することにより製造することができる。また、他の薬剤を組み合わせて使用する場合は、それぞれの活性成分を同時に或いは別個に上記同様に製剤化することにより製造することができる。
例えば、散剤は、本発明の化合物に、必要に応じ、適当な賦形剤、滑沢剤等を加えよく混和して散剤とする。
例えば、錠剤は、文献記載の方法またはそれに準じた方法により容易に製造することができる(前記特許文献2,3参照)。錠剤はまた必要に応じ、コーティングを施し、フィルムコート錠、糖衣錠、腸溶性皮錠等にすることができる。
例えば、カプセル剤は、本発明の化合物に、必要に応じ、適当な賦形剤、滑沢剤等を加えよく混和した後、適当なカプセルに充填してカプセル剤とする。更に、常法により顆粒あるいは細粒とした後充填してもよい。
また、本発明の医薬組成物は、血管内膜過増殖抑制効果を有する他の薬剤と適宜組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用できる他の薬剤としては、例えば、抗アレルギー薬(トラニラスト、ペミロラスト等)、抗血小板薬(アトロピン、シロスタゾール、チクロピジン、クロピドグレル、ナファグレル、アブシキシマブ、エプティフィバチド、チロフィバン、ガントフィバン等)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(塩酸イミダプリル、リシノプリル等)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(バルサルタン、ロサルタンカリウム、イルベサルタン等)、キマーゼ阻害薬、細胞増殖抑制薬(シロリムス、パクリタキセル、ラパマイシン等)、プロブコール、トラピジル、BO-653等を挙げることができる。
本発明の化合物と上記の他の薬剤を1種類またはそれ以上組み合わせて使用する場合、本発明は、単一の製剤としての同時投与、別個の製剤としての同一または異なる投与経路による同時投与、及び別個の製剤としての同一または異なる投与経路による間隔をずらした投与のいずれの投与形態も含む。
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、その有効成分である本発明の化合物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、合併症の有無、疾患及び治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合、成人単回投与量で概ね1〜60 mgの範囲で投与することができる。投与方法は、1日1〜3回経口または非経口投与することができる。また、上記の他の薬剤を組み合わせて使用する場合、本発明の当該化合物の投与量は、他の薬剤の投与量に応じて適宜減量することができる。
本発明の化合物は、優れた血管内膜肥厚抑制作用を有している。それ故、血管内膜過増殖に起因する疾患の予防及び治療に有用な医薬組成物を提供することができる。
アロキサン誘発糖尿病ウサギにおける血管内皮擦過後の内膜肥厚に対する作用を示すグラフである。図中、縦軸は、血管内膜面積/血管中膜面積比(%)、横軸は左から、正常群、対照群およびミチグリニド投与群(M群)をそれぞれ示す。 アロキサン誘発糖尿病ウサギにおけるアロキサン投与2週間後の血糖値に対する作用を示す。図中、縦軸は、血漿グルコース値(mg/dL)、横軸は左から、正常群、対照群およびミチグリニド投与群(M群)をそれぞれ示す。 アロキサン誘発糖尿病ウサギにおけるアロキサン投与6週間後の血糖値に対する作用を示す。図中、縦軸は、血漿グルコース値(mg/dL)、横軸は左から、正常群、対照群およびミチグリニド投与群(M群)をそれぞれ示す。
本発明の内容を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
ウサギ総頸動脈内皮擦過による血管内膜肥厚に対する作用
日本白色ウサギ(体重2.0〜3.3kg)にアロキサン50mg/kgを投与して作製した糖尿病モデル動物を、アロキサン投与翌日から試験終了前日までの6週間、0.5%カルボキシメチルセルロース溶液に懸濁したミチグリニドカルシウム水和物3mg/kgを1日1回食前に反復経口投与するミチグリニド投与群(5例)と、0.5%カルボキシメチルセルロース溶液のみを同様に投与する対照群(4例)に分けた。アロキサン投与2週間後に右総頸動脈内皮をバルーンカテーテルにて擦過し、擦過後、狭窄が生じないよう注意しつつ血管切開部を縫合した。左総頸動脈は偽手術側(正常群)とした。血管内皮擦過施行4週間後に両側総頸動脈を摘出し、血管組織切片の内膜、中膜及び管腔面積を画像解析装置にて測定した。また、アロキサン投与2週間後(血管内皮擦過日)及び6週間後(血管摘出日)の空腹時血漿グルコース濃度を測定した。
その結果、ウサギ総頸動脈内皮擦過による血管内膜の過形成に対して、ミチグリニド投与群は、対照群に比して、有意な血管内膜肥厚抑制作用を示した(図1)。なお擦過処置しない側の内膜面積/中膜面積比はすべて0%であった。また、ミチグリニド投与群、対照群のいずれも、アロキサン投与2週間後および6週間後の空腹時血糖値に対して影響を与えなかった(図2および図3)。以上のように、ミチグリニドカルシウム水和物は、強力な血管内膜肥厚抑制作用を示し、同試験において、空腹時血糖への影響はみられなかったことが確認された。
以上のように、本発明の医薬組成物は、ウサギ総頸動脈内膜肥厚に対して有意に優れた抑制作用を示し、虚血性心疾患における経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)等の冠動脈インターベンション後の再狭窄等の予防及び治療に、極めて有用であることが示された。
本発明の医薬組成物は、虚血性心疾患の治療における冠動脈バイパス術や冠動脈インターベンション等の術後再狭窄等の血管内膜過増殖に起因する疾患の予防及び治療剤として極めて有用である。

Claims (3)

  1. ミチグリニド若しくはその薬理学的に許容される塩、またはそれらの水和物を有効成分として含有する、冠動脈バイパス術または冠動脈インターベンションの術後再狭窄の予防又は治療用医薬組成物。
  2. ミチグリニドのカルシウム塩またはその水和物を有効成分として含有する、請求項記載の医薬組成物。
  3. 抗アレルギー薬、抗血小板薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、キマーゼ阻害薬及び細胞増殖抑制薬から選択される1種類以上の薬剤と組み合わせて用いられる、請求項1又は2記載の医薬組成物。
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