JP4955147B2 - 全身性炎症反応症候群(sirs)患者の治療でのセレンの使用と、その治療のための組成物 - Google Patents

全身性炎症反応症候群(sirs)患者の治療でのセレンの使用と、その治療のための組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は全身性炎症反応症候群(syndrome de reponse inflammatoire systemique、SIRS)患者の治療でのセレンの使用に関するものである。
本発明はさらに、この治療のための組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セレンは生物の多くの反応に関係するオリゴ元素(oligo-element essentiel)の役目をしていることは広く知られている。この要素は特にグルタチオンペルオキシダーゼの成分として細胞内の酸化防止剤系で主要な役目をしている。セレンはさらに、炎症過程の調節に直接的な役目を有しているものと思われる。
セレン欠乏がセレンが不足している中国のある地域に住んでいる住民に見られる重症心筋症と関連していることは1970年代から知られている。この疾患の予防医薬および療法としての亜セレン酸ナトリウムの経口投与の効果は知られている。
激症酸化ストレス状況におけるセレンの役目も知られている。VITOUX達(1966年、微量元素の治療への利用、Neve他、Plenumプレス版、ニューヨーク、127-131頁)には、集中治療室に入れられた全身性炎症反応症候群を示す患者のセレン血漿濃度が大幅に低下することが記載されている。しかし、患者治療でのセレンの使用に関する情報は与えられていない。
【0003】
ZIMMERMANN達(1997年、Medizinische Klinik、92、3-4 suppl. III)には、全身性炎症反応症候群の患者を対象とした亜セレン酸ナトリウムの効果に関する研究結果が詳細ではないが記載されている。この研究では最初に1000μgの亜セレン酸ナトリウムを患者に注射し、次いで、1日当たり1000μgの亜セレン酸ナトリウムを連続灌流によって28日間投与している。著者はこのセレンの投与量が最適であると考えている。しかし、治療した患者の病状に関する情報は記載がない。記載があるのはこれらの患者がSIRSの患者で、その中の何人かは臓器不全(種類は明記されていない)が認められたという点だけである。ZIMMERMANN達は対照群の死亡率が40%であると記載している。しかし、治療した患者のタイプおよび重症度を考えるとこの数字は高過ぎ、この数字は信頼性が低い。しかも、この論文に記載の一般的データとも一致していない。従って、どんな病状がセレンによって治療できるかをこの論文から推論することはできない。
【0004】
GARTNER達(Med.Klinik.、1997年、第92巻、Suppl.3、 12-14頁)には、全身性炎症反応症候群の患者に亜セレン酸ナトリウムをそれぞれ500μg、250μg、および125μgを1日1回で投与し、それを3日間続けた場合の対照群との比較臨床研究結果が記載されている。
【0005】
BORNER達(Med.Klinik、1997年、第92巻、Suppl.3、17-19頁)には広範囲の火傷等の外科炎症性疾患を有する1〜16歳の34人の子供の臨床研究が記載されており、セレンの外的投与としてセレン五水和物を体重15kg以下の患者には200μg、15〜30kgの患者には約500μg、30kgを超える患者には約1000μg投与している。
【0006】
これらZIMMERMANN、GARTNERおよびBORNERの臨床研究では、患者に低用量のセレンを投与するが正しいとされている。すなわち、高用量の使用は一般に患者の生命に有毒かつ危険であるという従来の先入観が受け入れられている。
国際特許出願WO 96/30007号には酵素酸化窒素合成酵素またはNO合成酵素の阻害剤としてのメルカプトおよびセレノ誘導体の使用が記載されている。この特許にはこの酵素のインビトロ阻害活性のみしか開示がなく、インビボ活性は不明であり、特に、上記の結果から当業者がこの化合物が生体内で活性である量を予測、推定することはできない。
【0007】
種々の病状におけるセレンの効果を説明した研究は他にも発表されている。
YA-JUN HU達(1997年、生物学的な微量元素研究、56巻、331-341頁)の論文には、癌患者における抗癌医薬(シスプラチン)の毒性を低下させるためのセレンの使用が記載されている。1日あたり4mg用量のセレンをκセレノカラゲナンの形で患者に経口投与している。しかし、この研究の中には説得力のない実験に基づいて得られた矛盾した結果が示されている。
【0008】
以上の通り、当業者はセレンは種々の病状で使用可能であると記載した多数の文献に直面する。しかし、これらの文献ではある種の酸化ストレス状況で用いる投与計画ではセレンを有毒な酸化促進剤と考え、このオリゴ元素の効果に関しては全く確実性を示していない。
【0009】
ある種の全身性炎症性反応症候群(SIRS)は、集中治療室内における生命維持治療を必要とする重症臓器不全患者の死亡率を上げる原因となっている。従って、この死亡率を減らすことができ且つそれに関連する臓器不全の発生率を減らすことができる治療法の開発が求められている。
しかし、SIRSタイプの症候群を示す患者は酸化ストレス状況にあり、非常に弱った状態にあるため、有毒で、しかもそれ自体が酸化促進剤と見なされるセレンの用量を増やすことには抵抗する。すなわち、他の病状の患者で得られた結果をSIRSのタイプの症候群を示す患者に推定で用いることや、酸化ストレス状況で有毒な酸化促進剤と見なされる用量のセレンを用いることは当業者にはできなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、当業者が一般に有毒であると見なしていた用量に対して高用量のセレンを用いることによって、全身性炎症性反応症候群(SIRS)に起因する死亡率および臓器不全を低下させることができ、特に腎臓、呼吸、血液(凝固)、心血管、肝臓、胃腸および神経不全の発生率を低下させることができるということを見い出した。
すなわち、本発明はSIRSタイプの症候群の治療において、治療の最初の数日間は高用量のセレンを含む医薬を患者に投与し、その後の治療ではこの用量を減らすことによって良い効果が得られるということを見出した。
【0011】
【課題を解決する手段】
本発明の目的は、激症全身性炎症性反応症候群(SIRS)、またはサイトカイン分泌の悪化を引き起こす炎症性病状の激症急性の発症に対応する任意状態を治療する医薬製造での少なくとも1種のセレン含有分子の使用にあり、その1日当たりの使用料は約2〜80mg、好ましくは約4〜40mgのセレン原子当量に対応する。この定義には細菌、真菌、ウイルス、寄生虫に起因する感染症の全ての急性激症感染状態が含まれる。
【0012】
【実施の形態】
一日当たりの2〜80mgのセレン原子当量の用量は0.025〜1mg/kgの用量に対応し、これがヒトまたは動物における好ましい用量である。この用量の投与には臨床での厳密な経過観察が必要である。
全身性炎症性反応症候群またはSIRSとは、1992年のACCP/SCCM標準化会議でBONE達によって与えられた定義を満たす全ての病状を意味する(BONE達、1992年、Chest、101巻、1644-1655頁)。
本発明はヒトおよび動物の医薬に適用できる。
【0013】
一般に、治療の初期段階、好ましくは治療の最初の数日間または最初の4日間に投与する医薬は、この治療の初期段階に患者の炎症状態を徹底的に軽減することが可能な量のセレン含有分子を含む。特にこの期間は、患者または動物の炎症状態を一定の閾値下に維持するのに十分な量のセレン含有分子が投与されるように医薬を合せる。すなわち、毎日投与するセレン含有分子の量は各患者の特定の炎症状況に合せる。各患者の炎症反応レベルは治療中に確認することができる。
【0014】
例えば、炎症状態レベルは血漿中の各サイトカイン、好ましくは炎症状況の程度を表す現在最も信頼できる指標とみなされているIL-6と、TNF-αまたはIL-1とを定量化することによって評価することができる。
血清または血漿に存在するインターロイキン-6の量は例えばELISAタイプの試験、例えばMEDGENIX(ベルギー)が商業化した試験によって評価するのが好ましい。
【0015】
セレン含有分子の1日量は、インターロイキン-6の循環値が、治療の前に本発明の医薬組成物によって評価されるインターロイキン-6の量よりも少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%低く維持されるように合せる。この値は指標で、炎症反応の調整で得られる臨床成績の関数で病状(動物の場合は種属)に応じて変えることができる。急性の炎症反応を示す患者のインターロイキン-6レベルのモニター法はREINHART K.達の記事(1996年、Crit. Care Med.第24巻、第5号、733-742頁)を参照されたい。
【0016】
TNF-αの循環値の定量化はENGELBERTS I.達(1991年、Lancet、第338巻、515-516頁)に記載のELISA試験を参照することができる。
血清または血漿IL-1の定量化はMUNOZ C.達(1991年、Eur. J. Immunol.、第21巻、2177-2184頁)に記載の方法に従って行うことができる。
患者の酸化ストレス状態のレベルもTBA-RS試験によって評価することができる。
最後に、酸素と反応する物質(ROS)のレベルも患者の炎症状態の良い指標であり、例えばFUKUYAMA N.(1997年、第22巻(5)、771-774頁)に記載の方法に従って測定することができる。この試験は急性の炎症状況にある患者に例えば4μ/mol/リットル以上の高濃度で存在するチオバルビツル酸と反応する物質(TBARS)の濃度を測定する試験であり、この値を指標とする。
【0017】
TBARSの濃度の測定はGOODE H.F.達(1995年、Critical Care Medicine、第28巻、第4号、646-651頁)の記事を参照することができる。
【0018】
パーオキシナイトライトの濃度はニトロチロシンを測定して評価できる。「電気化学配列検出を伴う高性能液体クロマトグラフィによる蛋白質-バンド3-ニトロチロシンおよび3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンの定量化」(HENSLEY K. Analyitical Biochemistry 251、187-195頁、1997年)を参照のこと。
【0019】
また、患者の炎症状態のレベルは、多核白血球のプロ炎症活性化の推薦標識であるアポトーシスに対する多核白血球の抵抗状態を測定して評価できる。この測定を行うにはMARTIN S.J.達(1996年、Cell、第82巻、349-352頁)に記載の方法を参照するのが有利である。
本発明の医薬組成物で治療中の患者の炎症状況のモニターは多核性好中球の酸化代謝の活性化状態を例えばALLEN R.C.達(1986年、Meth. Enzymol.、第133巻、449〜493頁)に記載のような化学発光による測定等で測定して行うことができる。
【0020】
好ましくは、2〜80mg、好ましくは4〜40mgのセレン原子当量に対応する1日量の医薬を治療の最初に投与し、その後の治療では低用量のセレンを用いる。
本発明の対象は、SIRSの治療の最初に約2〜80mgのセレン原子当量に対応する1日量で投与し、その後の治療では約0.5〜2mgのセレン原子当量に対応するの1日量を用いる少なくとも1種のセレン含有分子の使用にある。
【0021】
本発明の別の観点では、治療の初期に、炎症反応の程度に従ってセレン含有分子の用量の投与量を増減して、患者または動物の炎症状態を上記検出方法の1つによって確認可能な所定レベルおよび所定レベル以下に維持する。すなわち、セレン含有分子の1日量を炎症反応および酸化ストレスのモニターを基にして変え、2〜80mgのセレン原子当量すなわち0.025mg/kg〜1mg/kgで投与することができる。
【0022】
本発明の医薬は腹膜炎、肺症、髄膜炎、細菌性敗血症等の敗血症性ショック状態、より一般的には細菌、真菌、ウイルス、寄生虫を起源とする感染症患者の生命を危険に曝す全ての激症急性感染状態の治療に用いるのが好ましい。
【0023】
本発明の医薬は一般に、膵臓炎、広範囲の火傷、多数の外傷、任意タイプの敗血症、特に細菌性敗血症を併発した激症免疫炎症反応を示す患者、寄生虫、真菌またはウイルスによる激症状態、外科の大手術、クランプ(虚血-再潅流)を伴う外科手術、病因やタイプにかかわらずショック状態にある患者の治療に用いることができる。本発明の医薬を臓器不全患者に用いることもでき、アルコール性肝障害、肝硬変(任意起源の)、食欲不振、栄養不良、栄養失調、エイズ、慢性炎症病状(特に腸)の患者にも用いることができる。
【0024】
好ましい実施例では、治療の1日目(必要な場合にはさらに2日目、3日目、4日目)に1日量が約2〜80mg、好ましくは4〜40mgのセレン原子当量となるように医薬を製造する。その後の1〜20日間、好ましくは1〜10日間の治療では約0.5〜2mgすなわち0.025〜1mg/kg、好ましくは0.05〜0.5mg/kgのセレン原子当量の1日量となるように医薬を製造するのが有利である。
【0025】
セレン含有分子は薬理学的に許容可能な任意の分子にすることができる。セレン含有分子は無機セレンまたは有機セレンの亜セレン酸塩またはセレン酸塩等のセレン塩、例えばセレノシステイン、セレノメチオニン、セレノジグルタチオン、セレノメチルセレノシステイン、ジメチルセレノキシド、セレノシスタミン、1つ以上のセレン原子を含むセレン化酵母または合成化学医薬品にすることができる。亜セレン酸ナトリウムが好ましい。
【0026】
本発明のセレン使用、特に極めて高用量(0.025または0.05〜1mg/kg)を投与する段階で、異なる形態のセレンを組み合わせて用いることが可能であり、場合によってはその方が有利である。
亜セレン酸ナトリウムが好ましいが、他の形態のセレン、例えばセレノシステイン、セレノグルタチオン、その他のセレン化合物を組合せて用いることもできる。
【0027】
複数のセレン化合物の混合物を用いることによって激症SIRS時の生物反応の状況に応じてこの混合物に存在するセレン化合物の各効果を利用することによって、特異的に調整することができる。すなわち、治療される各特異的な状況例えば酸化ストレス、NO合成、NFKB、その他の転写性因子の活性化、プロおよび抗炎症サイトカインの分泌、付着因子、各カスケード(アラキドン酸、凝血、補体、など)の活性化、多核白血球およびその食細胞の活性化、内皮細胞性アポトーシスおよび二次的内臓組織のアポトーシスに対する他の食細胞の初期抵抗に応じて特異的に調整することができる。例えば、亜セレン酸ナトリウムは一般に全身性炎症反応のいくつかの成分の制御、特にアポトーシスに対する作用の調整に最も適しているが、この亜セレン酸ナトリウムを他のセレン化合物と組合わせることもできる。
【0028】
特定の理論に縛られるものではないが、セレンはグルタチオンペルオキシダーゼおよびセレノ蛋白質P(血管壁)等の標的部位に作用し、本発明のセレン原子当量の1日量で有害反応および反応性酸素種(ROS)のレベル、従って患者または動物の酸化ストレスおよび過剰酸化ストレスを徹底的に減少させるものと考えられる。また、セレンがグルタチオンペルオキシダーゼに対して作用することによって細胞内の過酸化物濃度を調整し、いくつかの転写因子、特にNFKBの活性化を制限し、NO合成酵素およびいくつかのサイトカイン、例えばIL-6等の生成を減少させることができると考える。
【0029】
さらに、セレンを極めて高用量で使用することで細胞周期を変更することによって宿主の炎症反応に関与するいくつかの細胞、特に多核性好中球の有意なアポトーシスを誘発するものと考えられるが、この理論に縛られるものではない。これらの細胞に対する作用によって少なくとも勧められる高用量のセレン原子当量の1日量で患者または動物の炎症状態を大幅に減少させることができる。これに対して、より低用量(現在有用とされる用量に比べててもまだ高いが)では、セレンは酸化ストレス状況において細胞外および細胞内の酸化ストレスを減少させ、その原因となる激症炎症状態(内皮細胞、内臓の組織細胞)の有害なアポトーシスを減らすことになる。
【0030】
本発明に従ってセレン化合物を極めて高用量で投与すると、セレン化合物によって直接に抗菌(殺菌)作用、駆虫作用、抗ウイルス作用または抗真菌作用を及ぼすことができる。
従って、本発明医薬は治療上有効な量のセレン含有分子と一緒に、酸化代謝を阻害するか、炎症反応を軽減する少なくとも一種の化合物を治療上有効な量含むのが有利である。
従って、本発明の他の対象は、上記定義の少なくとも一種のセレン分子を、酸化代謝を阻害するか、酸化ストレスの結果に反して作用するか、炎症反応を阻害する少なくとも一種の非セレン化合物の有効量と組合せて用いる使用にある。
【0031】
本発明医薬では、酸化代謝を阻害するか、酸化ストレスに対する生物の防御力を強化する各種化合物を少なくとも一種のセレン含有分子と組合せて用いることができる。
本発明医薬は、本発明の第1の観点から、酸化ストレスに対する膜の保護に関与するビタミンE(必要に応じてビタミンCと組み合わせられる)、グルタチオンがその還元形のグルタチオンペルオキシダーゼを再生させる従来技術で周知なグルタチオン前駆物質、例えばN-アセチルシステインを、セレン含有分子と一緒に含むことができる。
【0032】
本発明医薬は、本発明の第2の観点から、過酸化物の生成を減少させる鉄キレート剤、例えばデスフェリオキサミンを含むことができる。デスフェリオキサミンは医薬中に5〜100mg/kgの1日量で存在するのが有利である。これと同じ効果を得るのに銅キレート化剤を含むこともできる。
本発明医薬は、本発明の第3の観点から、治療上有効な量の亜鉛または銅をセレン含有分子と一緒に含むことができる。
【0033】
本発明の第4の観点から、上記の銅キレート化剤および銅は時間的に遅れて放出されるように医薬中に個別に含むことができる。好ましくは、治療の初めにセレン含有分子と銅キレート化剤とを組合せたものを用い、その後の治療ではセレン含有分子と銅とを組合せたものを用いるのが有利である。
本発明の医薬はセレン含有分子に加えて、ビタミンE、ビタミンC、亜鉛または酸化防止剤活性を含むことができ、セレン含有分子と薬理学上適合可能な他の任意の分子をこれらのビタミンまたは金属に加えることによってセレンの効果が強化することができる。
【0034】
本発明医薬または医薬組成物は1つの指標としてビタミンE(必要に応じてビタミンCと組み合わせて)を各ビタミンの1日量が20〜2000mgとなる量で含むことができる。
本発明医薬または医薬組成物は、5〜50mgの1日量の亜鉛または任意の他の必須オリゴ元素をさらに含むことができる。
本発明医薬は銅を1〜10mg/kgの1日量で含むのが有利である。
本発明医薬はN-アセチルシステインを50〜500mg/kg/dの1日量で含むのが有利である。
本発明医薬は炎症反応阻害剤、例えば金を25〜300mg/kgの1日量で含むのが好ましい。
【0035】
腎不全症の場合、デスフェリオキサミン等の尿排出キレート化剤を投与した時には、連続的血液透析濾過法または拡大血液透析による腎外精製を組み合わせるのが好ましい。
本発明医薬は、本発明の第5の観点から、酸化代謝の阻害剤である化合物および炎症反応を軽減するか、阻害する化合物の中から選択される複数の化合物を含むことができる。
本発明医薬は注射または灌流が可能な薬理処方剤の形または経腸投与用に調製するのが好ましいが、セレン含有分子の投与およびSIRSの有効な治療を可能にする任意の形にすることもできる。
【0036】
本発明医薬は非経口経路、好ましくは静脈内経路、皮下経路、筋肉内経路、腹腔内経路、経腸経路または経口経路で投与することができる。
本発明医薬は治療剤として用いるのが好ましいが、外科の大手術、特に血管手術の前に酸化ストレスを制限するための予防剤として投与することもできる。
本発明医薬または医薬組成物は、セレン含有分子の他に、薬理学的に許容される賦形剤を含むことができる。灌流用の医薬または医薬組成物は約1.3mg/l〜800mg/lのセレン原子当量を含むことができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
実施例 1
慢性アルコール中毒の体重75kgの51歳の男性患者(黄疸性腹水、出血または脳障害の代償の病歴はない)がS状結腸炎の発作中に結腸穿孔から生じた全身性化膿性腹膜炎で術後集中治療に入った。
この患者の初期血行は灌流で維持した。挿管人口呼吸を行った(50%のFi02を用いた鎮静下)。軽い腎不全症が認められた。経験的に適合した抗生物質療法を開始し、48時間後に耐性を考慮して変えた。24時間の時点で重症度はIGS Il 29 APACHE II 17であり、SOFA評点は5であった。手術の1日後に状況が急速に悪化し、ドーパミン投与を必要とする5μmol/lの乳酸性アシドーシスのショック状態が始まり、ノルアドレナリン値が4mg/時(0.9μg/kg/分)まで急速に上昇した。急性の成人呼吸窮迫症候群(ARDS)が発症したため、Fi02の増加を必要とする呼吸状態の悪化がみられた。ノルアドレナリン投与の必要性が認められた時に亜セレン酸ナトリウムを継続投与する治療を開始した。最初の24時間は4mgのセレン原子当量の用量、その後の10日間は1mgのセレン原子当量の用量で亜セレン酸ナトリウムを継続投与した。
【0038】
この療法で血管麻痺性ショック状態の程度が低下し、従って早期の死を防ぐ効果を示した。この療法はさらに内臓不全の程度を制限する結果となった。経過は連続利尿を有する腎不全症であるが透析は必要としない結果になった。ARDSを速く回復させるために一時的にFi02、70%での人工呼吸が不可欠であった。ノルアドレナリンの投与は徐々にやめ、3日後に中止した。乳酸性アシドーシスは急速に消失した。汎発性血管内凝固、150,000の血小板/mm3以上の血小板レベルの出現はなかった。術後の院内感染、特に院内の肺症は認められなかった。腹部の合併症もなかった。この患者は手術の10日後に集中治療室を出た。3ヵ月後に再度診察した。その後、仕事および通常の生活を始めた。
【0039】
実施例 2
鬱病、無食欲症の体重51kg、1.75m、35歳の女性患者が多量の鎮痛医薬および鎮静剤の服薬による薬物誘発性の自殺と暫定診断され、入院した。この診断は穿孔胃潰瘍から生じた全身性化膿性腹膜炎に変更された。患者は術後の集中治療室へ移された。ノルアドレナリンおよびドブタミンとしてカテコールアミンを灌流および導入する必要のあるショック状態、すなわち6μmol/lでの乳酸性アシドーシスもあった。殺菌剤および抗真菌医薬の抗生物質療法を行った。利尿は利尿医薬下に維持された。
ノルアドレナリン投与開始の1時間後、亜セレン酸ナトリウムを継続投与する治療を、最初の24時間は4mgのセレン原子当量の用量で開始し、その後の10日間は1mgのセレン原子当量の用量で亜セレン酸ナトリウムを継続投与した。24時間の時点で重症度はIGS II 44 APACHE II 35であり、SOFA評点は8であった。
【0040】
最初の経過は良好であり、ショック状態は24時間後に消失した。有意な内臓不全はなく、利尿の逆行(40でのクレアチニンクリアランス)、Fi02 60%の人工呼吸があり、PEP(陽圧呼気作用)はなく、50%の血小板レベルを除く凝血の問題はなかった。線維吸引を必要とする肺拡張不全発作が2回起こった。早期に経腸栄養を確立した。
手術の8日後、ドレーンに化膿性分泌物の残存がみられた。腹部のスキャニングは腹水のない肝下の化膿を示した。スキャナ下で穿刺してこの化膿を排出した。この膿汁に対する細菌学試験はハフニア-アルベイおよびカンジダ白色体のコロニーを示した。耐性を考えて抗生物質療法を変更した。
【0041】
手術の12日後、溶血性αストレプトコッカスから生じた院内肺症が起こった(保護されたテレスコピックブラシおよび気管支肺胞洗浄によるファイバースコープで診断)。グラム陽性球菌に対する経験的抗生物質療法を確立し、その耐性に適合させた。手術の20日後に抜管した。再挿管を避けるために広範囲の理学療法を必要とした。
この患者は35日目に回復期治療室へ移され、再栄養法を続けた。3ヵ月後に診察した。体重は56kgに増加した。精神療法を始めた。
【0042】
実施例 3
重いアルコール-タバコ嗜癖があり(1日当たり1リットル以上のワイン、1日当たりタバコ2箱)、慢性BPCO呼吸不全、下肢の第二期動脈炎があり、数ヵ月間湿性咳で健康状態が悪化している57歳の患者が一般医療機関へ短期入院した後、集中治療室へ移された。入院時に、救急挿管-人工呼吸を必要とする呼吸困難があった。血液ガスによって重い呼吸性アシドーシスが確認された。患者は発熱状態であった。88%が多核白血球である24,000の白血球の白血球増加があった。血圧は灌流下に安定していたが、膝に汚斑がみられた。凝血の問題も腎不全症もなかった。24時間後にIGS II は41、 APACHE II は26であり、SOFA評点は8であった。保護されたテレスコピックブラシおよび気管支肺胞洗浄で取り出した肺サンプルによって院外感染性肺炎の診断(47%の細胞がインフルエンザ陰性菌βラクタマーゼおよび野生型連鎖球菌性狭心症に感染)が確認された。これらの微生物に対する有効性が証明されている二重抗生物質療法を開始した。胸腹部のスキャニングは、右下肺葉の肺の実質内に大きい液状の化膿があり、それが肋膜炎で胸膜に瘻形成しているようにみえることを示した。この腹部のスキャンは腎下の腹部大動脈の血栓形成した動脈瘤の存在も示した。
【0043】
すぐに、Fi02 100%、PEP 8での人工呼吸を必要とする呼吸状態の急速な悪化が起きた。さらに、適当なカテーテル法による圧力測定を伴う大量の灌流を必要とした。ドーパミンを10μg/kg/分で投与しなければならなかった。ドーパミン投与の8時間後、亜セレン酸ナトリウムを継続投与する治療を最初の24時間で4mgのセレン原子当量の用量となるように開始し、その後の10日間は1mgのセレン原子当量の用量となるように亜セレン酸ナトリウムを継続投与した。
【0044】
ドーパミンを20μg/kg/分に増加し、アドレナリンを1mg/時で付加した後、血行は安定したようにみえた。同時に乳酸過剰血症が最高で10μmol/lに上昇し、2日目から低下した。このようにして致命的なショック状態への進行は避けられた。呼吸レベルで一酸化窒素(NO)による治療を10ppmで開始した。利尿は利尿医薬下に維持した。凝固時間の延長および適度なCIVDを示すフィブリン分解産物の増加とが組み合わさった血小板減少症、7500の血小板/mm3がみられた。化膿性胸膜炎の排膿を開始した。
【0045】
2日目から徐々に、呼吸および血液動態の両方に状況の改善が認められた。この排膿によって肺膿瘍を排膿して胸膜炎を完全に排除することができた。5日目にカテコールアミンを中止した。6日目に抜管した。15日目に呼吸不全の診査および治療を続けるために呼吸器科へ移された。
3ヵ月後に診察した。歯の膿瘍を治療した。通常の仕事への復帰が進んでいる。自宅での酸素療法は行っていない。
【0046】
以上の結果は一連の症例で得られた結果と一致しており、偽医薬投与患者に比べてセレンを高用量で投与した患者の予後が明らかに改善していることを示している。
IGS IIとはヨーロッパ/北アメリカのマルチ機関研究(JAMA、1993;270:2957-2963)をベースにした1993年のLE GALL達(新規の簡略化急性生理学評点)[ SAPS II ]によって定義された簡略化重症度IIを意味する。APACHE II(急性生理学および慢性健康評価 II)とは、W.A. KNAUS達(APACHE II:疾患分類系の重症度、Crit.Care Med.1985;13 818-829)によって定義される重症度を意味し、SOFA評点とは、J.L.VINCENT達によって定義される内臓不全の評点を意味する(器官機能障害/不全を記述するSOFA [敗血症に関連した器官不全評価]評点、集中治療医療、1995;22:707-710)。

Claims (27)

  1. 激症の全身性炎症性反応症候群またはサイトカイン分泌の悪化を引き起こす急激な炎症性発症に対応する全て状態を治療するための医薬製造のための、1日当たり2〜80mgすなわち0.025〜1mg/kgのセレニウム原子当量に対応する量の少なくとも1種のセレニウム含有分子の使用であって、上記セレニウム含有分子がセレン塩、セレノ蛋白P、セレノシステイン、セレノメチオニン、セレノジグルタチオン、セレノメチルセレノシステイン、ジメチルセレノキシド、セレノシスタミン、セレン化酵母の中から選択されることを特徴とする使用。
  2. 全身性炎症性反応症候群を治療するための医薬製造のための、治療の最初は2〜80mgすなわち0.025〜1mg/kgのセレニウム原子当量の1日量と、その後の治療での0.5〜2mgのセレニウム原子当量に対応する1日量で用いられる、少なくとも1種のセレニウム含有分子の使用であって、上記セレニウム含有分子がセレン塩、セレノ蛋白P、セレノシステイン、セレノメチオニン、セレノジグルタチオン、セレノメチルセレノシステイン、ジメチルセレノキシド、セレノシスタミン、セレン化酵母の中から選択されることを特徴とする使用。
  3. 上記セレン塩が無機セレンの亜セレン酸塩またはセレン酸塩である請求項1または2に記載の使用。
  4. 医薬が激症急性感染状態の治療用医薬である請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 上記の激症急性感染状態が腹膜炎、肺症、髄膜炎または敗血症性ショック状態の細菌性敗血症である請求項4に記載の使用
  6. (i)イムノ炎症反応および(ii)局部状態を伴う細菌、寄生虫、真菌またはウイルス起源の激症感染状態の治療のための請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  7. 上記の局部状態がリウマチ様多発関節炎の発作である請求項6に記載の使用
  8. ヒトまたは動物の治療での請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬の使用であって、動物の体重1kg当たりの用量は、ヒトの場合に比べた動物の50%致死量(LD 50)に応じて変える使用。
  9. 治療の1日目(必要な場合にはさらに2日間、3日間、4日間)の1日量が2〜80mgまたは0.025〜1mg/kgのセレン原子当量となるように医薬を製造する請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
  10. その後の1〜20日間の治療で0.5〜2mgまたは0.000625〜0.025mg/kgのセレン原子当量が1日の用量となるように医薬を製造する請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
  11. セレン含有分子が亜セレン酸ナトリウムである請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 全身性炎症反応の異なる症状をより正確に調整するために複数のセレン含有分子を同時に用いる請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 医薬が非経口または経口路で投与可能な形をしている請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 非経口投与が経静脈、経皮、経筋肉、経腹腔、経腸である請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用
  15. 医薬が酸化代謝を阻害するか、それを軽減し、あるいは炎症反応を阻害する少なくとも一種の非セレン化合物と組合せて用いる請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用。
  16. 組合せる酸化代謝を阻害する非セレン化合物がグルタチオン前駆物質、鉄キレート剤、銅キレート剤、銅、亜鉛、ビタミンEおよびビタミンCの中から選択される請求項15に記載の使用。
  17. 炎症反応を阻害する化合物が金である請求項15に記載の使用。
  18. 医薬が、セレンまたは上記の銅、亜鉛以外に、他の必須オリゴ元素をさらに含む請求項16に記載の使用。
  19. 1日当りの摂取量が2〜80mgすなわち0.025〜1mg/kgのセレン原子当量となるセレン含有分子と、薬理学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物であって、上記セレニウム含有分子がセレン塩、セレノ蛋白P、セレノシステイン、セレノメチオニン、セレノジグルタチオン、セレノメチルセレノシステイン、ジメチルセレノキシド、セレノシスタミン、セレン化酵母の中から選択されることを特徴とする医薬組成物。
  20. 上記セレン塩が無機セレンの亜セレン酸塩またはセレン酸塩である請求項19に記載の医薬組成物
  21. 酸化代謝を阻害または軽減するか、炎症反応を阻害する少なくとも一種の非セレン化合物をさらに含む請求項19または20に記載の医薬組成物。
  22. 上記の非セレン化合物がビタミンE、ビタミンC、グルタチオン前駆物質、鉄キレート剤、銅キレート剤、銅および亜鉛の中から選択される請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 上記の炎症反応を阻害する化合物が金である請求項21に記載の医薬組成物。
  24. セレンまたは上記の銅、亜鉛以外に、他の必須オリゴ元素をさらに含む請求項22に記載の医薬組成物。
  25. 注射可能な形、灌流可能な形非経口投与または経口投与用の形をした請求項1924のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  26. 非経口投与が静脈内投与、皮下投与または筋肉内投与である請求項25に記載の医薬組成物
  27. 1.3mg/l〜800mg/lのセレン原子当量を含む請求項1926のいずれか一項に記載の灌流用の医薬組成物。
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