以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の順序に従い、当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕本実施形態にかかる無線通信システムの概要
〔1−1〕無線通信システムの構成例
〔1−2〕無線通信システムにおける通信制御
〔1−3〕無線通信システムにおいて送受信される各種フレームの構成
〔2〕本実施形態にかかる無線ホストの構成
〔3〕本実施形態にかかる無線ホストにおいて実行される無線通信方法
〔4〕まとめ
〔1〕本実施形態にかかる無線通信システムの概要
〔1−1〕無線通信システムの構成例
まず、図1を参照し、本実施形態にかかる無線通信システム1の構成例を説明する。
図1は、本実施形態にかかる無線通信システム1の構成例を示した説明図である。図1に示したように、無線通信システム1は、無線ホスト10Aおよび10Bと、無線デバイス12A〜12Fを含む。本明細書において無線ホスト10Aおよび10Bを特に区別する必要がない場合は単に無線ホスト10と称し、無線デバイス12A〜12Fを特に区別する必要がない場合は単に無線デバイス12と称する。
無線ホスト10Aは、デバイスアドレスが「0x0101」である。デバイスアドレスは、各無線通信装置(無線ホスト10および無線デバイス12)を識別するアドレス情報である。無線ホスト10は、自装置が生成した生成(発生)アドレスを、デバイスアドレスとして利用する。
また、無線ホスト10Aは、無線ホスト10Aの電波到達範囲11A(通信可能範囲)に含まれる無線デバイス12A、12Bおよび12Eと通信することができる。ここで、各無線デバイス12は、自装置に割当てられているデバイスアドレスを含む信号を送信する。したがって、無線ホスト10Aは、電波到達範囲11Aに含まれる無線デバイス12A、12Bおよび12Eから送信される信号に基づき、無線デバイス12A、12Bおよび12Eのデバイスアドレスを把握することができる。
さらに、本実施形態にかかる無線ホスト10Aは、詳細については後述するが、電波到達範囲11Aに含まれないが、電波到達範囲11Aに含まれる無線デバイス12A、12Bおよび12Eと通信可能な無線デバイス12C、12Dおよび12Fのデバイスアドレスを把握することが可能である。なお、無線デバイス12A、12Bおよび12Eは、無線ホスト10Aの配下の無線デバイス12、すなわち無線ホスト10Aがプライベートアドレスをデバイスアドレスとして割当てた無線デバイス12であっても、配下でない無線デバイスであってもよい。
無線デバイス12Aは、デバイスアドレスが「0x02」である。すなわち、無線デバイス12Aは、無線ホスト10Aまたはその他の無線ホスト10から割当てられたプライベートアドレス「0x02」をデバイスアドレスとして利用している。
また、無線デバイス12Aは、無線デバイス12Aの電波到達範囲13Aに含まれる無線ホスト10Aおよび無線デバイス12Cと通信することができる。さらに、本実施形態にかかる無線デバイス12Aは、電波到達範囲13Aに含まれないが、電波到達範囲13Aに含まれる無線ホスト10Aと通信可能な無線デバイス12Bおよび12Eの存在を把握することができる。
無線デバイス12Bは、デバイスアドレスが「0x03」である。すなわち、無線デバイス12Bは、無線ホスト10Aまたはその他の無線ホスト10から割当てられたプライベートアドレス「0x03」をデバイスアドレスとして利用している。
また、無線デバイス12Bは、無線デバイス12Bの電波到達範囲13Bに含まれる無線ホスト10A、無線デバイス12Dおよび12Eと通信することができる。さらに、本実施形態にかかる無線デバイス12Bは、電波到達範囲13Bに含まれないが、電波到達範囲13Bに含まれる無線ホスト10A、無線デバイス12Dおよび12Eと通信可能な無線デバイス12Aおよび12Fの存在を把握することができる。
無線デバイス12Cは、デバイスアドレスが「0x04」である。すなわち、無線デバイス12Cは、無線ホスト10から割当てられたプライベートアドレス「0x04」をデバイスアドレスとして利用している。
また、無線デバイス12Cは、無線デバイス12Cの電波到達範囲13Cに含まれる無線デバイス12Aと通信することができる。さらに、本実施形態にかかる無線デバイス12Cは、電波到達範囲13Cに含まれないが、電波到達範囲13Cに含まれる無線デバイスAと通信可能な無線ホスト10Aの存在を把握することができる。
無線デバイス12Dは、デバイスアドレスが「0x05」である。すなわち、無線デバイス12Dは、無線ホスト10から割当てられたプライベートアドレス「0x05」をデバイスアドレスとして利用している。
また、無線デバイス12Dは、無線デバイス12Dの電波到達範囲13Dに含まれる無線デバイス12Bと通信することができる。さらに、本実施形態にかかる無線デバイス12Dは、電波到達範囲13Dに含まれないが、電波到達範囲13Dに含まれる無線デバイスBと通信可能な無線ホスト10Aおよび無線デバイス12Eの存在を把握することができる。
無線デバイス12Eは、デバイスアドレスが「0x06」である。すなわち、無線デバイス12Eは、無線ホスト10Aまたは他の無線ホスト10から割当てられたプライベートアドレス「0x06」をデバイスアドレスとして利用している。
また、無線デバイス12Eは、無線デバイス12Eの電波到達範囲13Eに含まれる無線ホスト10A、無線デバイス12Bおよび12Fと通信することができる。さらに、本実施形態にかかる無線デバイス12Eは、電波到達範囲13Eに含まれないが、電波到達範囲13Eに含まれる無線ホスト10A、無線デバイス12Bおよび12Fと通信可能な無線ホスト10Bおよび無線デバイス12Dの存在を把握することができる。
無線デバイス12Fは、デバイスアドレスが「0x03」である。すなわち、無線デバイス12Fは、無線ホスト10Bまたは他の無線ホスト10から割当てられたプライベートアドレス「0x03」をデバイスアドレスとして利用している。
また、無線デバイス12Fは、無線デバイス12Fの電波到達範囲13Fに含まれる無線ホスト10B、無線デバイス12Eと通信することができる。さらに、本実施形態にかかる無線デバイス12Fは、電波到達範囲13Fに含まれないが、電波到達範囲13Fに含まれる無線デバイス12Eと通信可能な無線ホスト10Aおよび無線デバイス12Bの存在を把握することができる。
無線ホスト10Bは、デバイスアドレスが「0x0108」である。すなわち、無線ホスト10Bは、自装置が生成した生成アドレス「0x0108」を、デバイスアドレスとして利用している。
また、無線ホスト10Bは、無線ホスト10Bの電波到達範囲11B(通信可能範囲)に含まれる無線デバイス12Fと通信することができる。したがって、無線ホスト10Bは、電波到達範囲11Bに含まれる無線デバイス12Fから送信される信号に基づき、無線デバイス12Fのデバイスアドレスを把握することができる。
さらに、本実施形態にかかる無線ホスト10Bは、詳細については後述するが、電波到達範囲11Bに含まれないが、電波到達範囲11Bに含まれる無線デバイス12Fと通信可能な無線デバイス12Eのデバイスアドレスを把握することが可能である。
なお、図1においては、後述のビーコンスロットのうち、同一のビーコンスロットを利用する無線デバイス12に同一のシンボルを用いて示している。
このように、各無線通信装置はデバイスアドレスを利用して無線通信を行う。したがって、ある無線通信装置と、近傍に存在する他の無線通信装置が同一のデバイスアドレスを用いて無線通信を行っていた場合、正常な無線通信が妨げられかねない。このため、各無線ホスト10は、自装置が把握している各無線デバイス12のデバイスアドレスに競合が生じた場合、少なくとも競合が生じたいずれかの無線デバイス12に新たなプライベートアドレスを割当てることにより競合を回避することができる。
しかし、従来は、図1に示した例において、無線ホスト10Aは、電波到達範囲11Aに含まれないが、電波到達範囲11Aの近傍に存在し、デバイスアドレス「0x03」を利用する無線デバイス12Fを把握することができなかった。その結果、無線ホスト10Aは、無線デバイス12Bと無線デバイス12Fが同一のデバイスアドレス「0x03」を利用していることを検出できず、正常な無線通信が妨げられる危険性があった。
そこで、上記したような、自装置の電波到達範囲11には含まれないが、電波到達範囲11に含まれる無線デバイス12と通信可能な無線デバイスのデバイスアドレスを把握可能な無線ホスト10を創作するに至った。かかる無線ホスト10の詳細については、図8〜図13を参照して詳細に説明する。
なお、無線ホスト10および無線デバイス12などの無線通信装置は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistant)、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。
また、無線ホスト10は、ワイヤレスUSBシステムにおけるホスト通信装置であってもよく、無線デバイス12は、ワイヤレスUSBシステムにおけるデバイス通信装置であってもよい。
〔1−2〕無線通信システムにおける通信制御
次に、図2〜図4を参照し、無線通信システム1における通信制御方式を説明する。
図2は、スーパーフレームの構成例を示した説明図である。スーパーフレーム周期は、所定の時間(例えば、65ms)により定義され、256個のメディアアクセススロット(MAS;Media Access Slot)に細分化されている。一の無線ネットワーク(一の無線ホスト10と、該無線ホスト10の配下の無線デバイス12を含む。)を構成する無線通信装置は、該スーパーフレーム周期を所定周期のフレームとして共有し、上記細分化されたMASを単位としてメッセージの転送が行われる。
さらに、スーパーフレームの先頭には、ビーコン(ビーコン信号)により管理情報の送受信を行うための管理領域としてのビーコン期間(BP)があり、所定の間隔をおいてビーコンスロット(BS)が配置されている。また、無線通信装置毎に、固有のビーコンスロットが設定され、周囲の無線通信装置との間で、ネットワークの管理やアクセス制御を行うためのパラメータが交換される。図2においては、ビーコン周期として、BS0〜BS8の9個のビーコンスロットが設定されている例を示した。なお、ビーコン周期として設定されていない期間は、通常、データ伝送領域として利用される。
図3は、無線ホスト10Aおよび10B、無線デバイス12A〜12Fが設定する自己のビーコンスロット位置を示した概念図である。例えば、各無線通信装置は、利用されていないビーコンスロットを通知しあうことで、自己の利用するビーコンスロットを選定することができる。
図3に示した例では、無線ホスト10AはBS2で自己のビーコンを送信し、無線デバイス12AはBS3で自己のビーコンを送信する。同様に、無線デバイス12BはBS4で自己のビーコンを送信し、無線デバイス12CはBS4で自己のビーコンを送信する。無線デバイス12DはBS3で自己のビーコンを送信する。また、無線デバイス12EはBS5で自己のビーコンを送信し、無線デバイス12FはBS3で自己のビーコンを送信する。さらに、無線ホスト10BはBS2で自己のビーコンを送信する。このように、図3においては、各無線通信装置が、それぞれ固有のビーコンスロットを占有し、ビーコンを送信している状態を示している。
なお、無線ホスト10Aおよび無線ホスト10Bが同一のBS2を利用しており、無線デバイス12A、12Dおよび12Fが同一のBS3を利用しており、無線デバイス12Bおよび12Cが同一のBS4を利用している。しかし、図1に示したように、同一のBSを利用する無線通信装置が互いに存在を把握できない場合は特に問題が生じないと考えてもよい。
また、無線通信システム1に新規参入する無線デバイス10Gなどの為に、必要に応じてBS0、BS1、BS6、BS7及びBS8が確保されている。通常、自己のビーコンスロットの後方に所定数の空きビーコンスロットが設けられている。これらの空きビーコンスロットは、無線通信装置の新規参入に備えて準備されているものである。また、各無線通信装置のビーコン期間は、周囲に存在する無線通信装置のビーコンに応じて、適宜、拡張することが可能である。
図4は、WiMedia Distributed MACの仕様書において定義される各アドレスの設定範囲を示した説明図である。アドレスには、図4に示したように、無線ホスト10が無線デバイス12に割当てるプライベートアドレス、無線ホスト10が生成し、無線ホスト10が利用するジェネレーテッド(発生)アドレスなどの種類が含まれる。また、アドレスには、複数の相手を指定するためのマルチキャスト、不特定の相手に信号を送信するためのブロードキャストなどの種類も含まれる。
上記プライベートアドレスは、「0x0000〜0x00FF」の範囲内の値をとりえるアドレス情報である。また、ジェネレーテッドアドレス(生成アドレス)は、「0x0100〜0xFEFF」の範囲内の値をとりえるアドレス情報である。また、マルチキャストは、「0xFF00〜0xFFFE」の範囲内の値をとりえる。また、ブロードキャストは、「0xFFFF」をとりえる。
〔1−3〕無線通信システムにおいて送受信される各種フレームの構成
続いて、図5〜図7を参照し、無線通信システム1において送受信される信号のフレーム構成を説明する。
図5は、ビーコンスロットにおいて送信されるビーコンのビーコンフレーム構成例を示した説明図である。図5に示したように、ビーコンフレームは、MACヘッダ情報60、ヘッダーチェックシーケンス(HCS)61、ビーコンパラメータ62、情報エレメント(その1)63、情報エレメント(その2)64、情報エレメント(そのN)65およびフレームチェックシーケンス(FCS)66などの所定の管理情報を含む。
さらに、MACヘッダ情報60は、フレーム制御情報601と、受信先の無線通信装置を識別する届け先アドレス602と、送信元無線通信装置を識別するための送り元アドレス603を含む。また、MACヘッダ情報60は、シーケンス番号などのシーケンス制御情報604と、アクセス制御に必要なパラメータが記載されたアクセス制御情報605とを含む。
また、ビーコンパラメータ62は、無線通信装置のMACアドレス情報などが記載されたデバイス識別子621と、自己がビーコンの送信を行なっているビーコンスロットを示すビーコンスロット番号622を含む。また、ビーコンパラメータ62には、無線通信装置固有の情報を含んだデバイス制御情報623も含まれる。
また、ビーコンフレームには、ビーコンペイロード情報として任意の情報エレメントを付加することができ、図5では、情報エレメントの一例として情報エレメント(その1)63、情報エレメント(その2)64、および情報エレメント(そのN)65を示している。上記(そのN)の「N」は、ビーコンに付加されて送信される情報エレメントの数を示しており、情報エレメントの数「N」は送信されるビーコンごとに相異なるようにしてもよい。
フレームチェックシーケンス(FCS)66は、ビーコンフレームの誤りを検出する際に用いられる情報である。なお、上記の各種パラメータを、必要に応じて追加、削除してビーコンフレームを構成してもよい。
図6は、ビーコンに含ませる情報エレメントの一例として、ビーコン期間に収集したビーコンの情報を記載する際に用いられるビーコン期間利用情報エレメント(BPOIE)を示している。ビーコン期間利用情報エレメントは、エレメント識別子71、情報長72、ビーコン期間長さ73、ビーコンスロット情報ビットマップ74、デバイスアドレス(その1)75、デバイスアドレス(そのN)76を含む。
エレメント識別子71は、各情報エレメントに付される情報であり、該情報エレメントが何に関する情報エレメントであるかを示す識別情報である。したがって、図6に示したエレメント識別子71はビーコン期間利用情報エレメントを示す。情報長72は該ビーコン期間利用情報エレメントの情報量を示す。
ビーコン期間長さ73は、例えば無線通信装置において設定されているビーコン期間の長さを示す。ビーコンスロット情報ビットマップ74は、ビーコンの受信があったビーコンスロットを全て示す。デバイスアドレス(その1)75、デバイスアドレス(そのN)76は、受信したビーコンの送信元装置のデバイスアドレスを示す。
したがって、例えば、無線通信装置12Bは、無線デバイス12Bが受信したビーコンの、送信元装置である無線デバイス12Dのデバイスアドレス(75〜76)、およびBS(74)を含むビーコンを送信する。その結果、無線ホスト10Aは、電波到達範囲11Aに含まれないが、電波到達範囲11Aに含まれる無線デバイス12Bと通信可能な範囲内(2ホップ先)の無線デバイス12Dのデバイスアドレスを把握することができる。
図7は、アドレス変更コマンドのフレーム構成例を示した説明図である。アドレス変更コマンドのフレームには、MACヘッダ情報80と、HCS81と、エレメント識別子82と、情報長83と、コマンド形式84と、コマンド識別子85と、対象デバイスアドレス86と、動作形式87と、変更後デバイスアドレス情報88と、FCS89と、を含む。かかるアドレス変更コマンドは、無線ホスト10が、配下の無線デバイス12のデバイスアドレスを変更する際に用いられる。
MACヘッダ情報80は、ビーコンフレームやデータフレームに含まれるMACヘッダ情報の形式と実質的に同一にすることができる。エレメント識別子82にはアドレス変更コマンド特有の識別子が記載される。情報長83は、当該アドレス変更コマンドの情報長さを示す。
また、対象デバイスアドレス86は、アドレス変更コマンドの対象、すなわちアドレス変更の対象となるデバイスアドレスを示す。変更後デバイスアドレス情報88は、対象デバイスアドレス86に記載されているデバイスアドレスの変更後の新たなデバイスアドレスを示す。
〔2〕本実施形態にかかる無線ホストの構成
次に、図8〜図14を参照し、本実施形態にかかる無線ホスト10の機能を説明する。
図8は、本実施形態にかかる無線ホスト10の構成を示した機能ブロック図である。無線ホスト10は、アンテナ101と、ベースバンド受信部102と、ビーコン受信処理部103と、ビーコン送信処理部104と、ベースバンド送信部105と、デバイスアドレス抽出部106と、プライベートアドレス判定部107と、記憶部108と、プライベートアドレス設定部109と、アドレス変更コマンド生成部110と、無線アクセス制御部111と、データユニット受信処理部112と、入出力インターフェース113と、データユニット送信処理部114と、プライベートアドレス管理部115と、を備える。
アンテナ101は、周囲の無線通信装置から送信された無線信号を受信する受信部、または自己から無線信号を送信する送信部としての機能、すなわち通信部としての機能を有する。ベースバンド受信部102は、アンテナ101を介して周囲の無線通信装置から受信した信号を復号する。
ビーコン受信処理部103は、ベースバンド受信部102により復号された信号に含まれるビーコンフレームから、ビーコンフレームに記載されている情報を抽出する。
ビーコン送信処理部104は、周囲の無線通信装置に対して送信するビーコンのビーコンフレームを構築する。ベースバンド送信部105は、周囲の無線通信装置10に送信するための信号を無線信号に変調する処理を行う。
デバイスアドレス抽出部106は、ビーコン受信処理部103により抽出されたビーコンのうちから、ビーコン期間利用情報を抽出する。プライベートアドレス判定部107は、デバイスアドレス抽出部106が抽出したビーコン期間利用情報からプライベートアドレスを抽出し、該プライベートアドレスを有する無線デバイス12が利用するビーコンスロットを併せて記憶部108に記録する第1の抽出部としての機能を有してもよい。
記憶部108は、プライベートアドレス設定部109が各無線デバイス12に設定したプライベートアドレスや、プライベートアドレス判定部107により抽出されたプライベートアドレス(利用中アドレス情報)、または、後述する利用可能デバイスアドレスなどを記憶する。
かかる記憶部108は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R(Compact Disc Recordable)/RW(ReWritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)/RW/+R/+RW/RAM(Ramdam Access Memory)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
プライベートアドレス設定部109は、無線デバイス12にプライベートアドレスを割当てるアドレス割当て部としての機能を有する。また、プライベートアドレス設定部109は、無線デバイス12に割当てたプライベートアドレスを記憶部108に自己管理デバイスアドレス(割当て済みアドレス情報)として記録する記録部としての機能も有する。
例えば、プライベートアドレス設定部109は、無線デバイス12に新たなプライベートアドレスを割当てる際、記憶部108を参照し、近隣(2ホップ先の範囲内)で利用されていないプライベートアドレスを無線デバイス12に割当てることができる。
アドレス変更コマンド生成部110は、ある無線デバイス12に新たなプライベートアドレスがプライベートアドレス設定部109により割当てられた際、該無線デバイス12のプライベートアドレスを該新たなプライベートアドレスに設定、あるいは変更するためのコマンドを生成する。すなわち、アドレス変更コマンド生成部110は、図7を参照して説明したアドレス変更コマンドフレームを生成する。
無線アクセス制御部109は、任意のタイミングで無線信号が送受信されるようにベースバンド受信部102およびベースバンド送信部105を制御する。データユニット受信処理部112は、ベースバンド受信部102により復号された信号を、入出力インターフェース113を介して接続されている機器において対応可能な形式に変換する。データユニット送信処理部114は、入出力インターフェース113を介して接続されている機器から入力された信号を、無線送信するデータとして構築する。
プライベートアドレス管理部115は、記憶部108に記録された各プライベートアドレス(プライベートアドレス判定部107に抽出されたプライベートアドレス、プライベートアドレス設定部109により記録された自己管理デバイスアドレス)に基づき、遠方(2ホップ先)の無線デバイス12に割当てられている遠方デバイスアドレスや、現在利用可能な利用可能デバイスアドレスを抽出する第1の抽出部および第2の抽出部としての機能を有する。また、プライベートアドレス管理部115は、抽出した遠方デバイスアドレスや利用可能デバイスアドレスなどを記憶部108に記録する。
例えば、ビーコン受信処理部103により抽出された全てのビーコンからプライベートアドレス判定部107が抽出したプライベートアドレスを、プライベートアドレス管理部115が全デバイスアドレスとして記憶部108に記録する。そして、プライベートアドレス管理部115は、全デバイスアドレスのうちで、自己管理デバイスアドレスに含まれないプライベートアドレスを、遠方デバイスアドレスとして抽出し、記憶部108に記録する。
また、プライベートアドレス管理部115は、プライベートアドレスのとりえるアドレス範囲(0x00〜0xFF)のうちで、全デバイスアドレスに含まれないプライベートアドレスを利用可能デバイスアドレスとして抽出し、記憶部108に記録する。
このようなプライベートアドレス管理部115の機能を、図9〜図13を参照して具体的に説明する。
図9は、無線ホスト10Aが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントを示した説明図である。かかるビーコン期間利用情報エレメントには、無線ホスト10Aが前回のビーコン期間に受信できたビーコンの送信元装置の情報が記載されている。
具体的には、無線ホスト10Aが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントには、無線ホスト10Aが、BS3でデバイスアドレス「0x02」を有する装置(無線デバイス12A)からビーコンを受信し、BS4でデバイスアドレス「0x03」を有する装置(無線デバイス12B)からビーコンを受信し、BS5でデバイスアドレス「0x06」を有する装置(無線デバイス12E)からビーコンを受信したことが記載されている。無線ホスト10Aは、このように直接受信できたビーコンの送信元装置のプライベートアドレスを、自己管理デバイスアドレスとして記憶してもよい。
図10は、無線デバイス12Aが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントを示した説明図である。かかるビーコン期間利用情報エレメントには、無線デバイス12Aが前回のビーコン期間に受信できたビーコンの送信元装置の情報が記載されている。
具体的には、無線デバイス12Aが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントには、無線デバイス12Aが、BS2でデバイスアドレス「0x0101」を有する装置(無線ホスト10A)からビーコンを受信し、BS4でデバイスアドレス「0x04」を有する装置(無線デバイス12C)からビーコンを受信し、BS3を自装置が利用していることが記載されている。
図11は、無線デバイス12Bが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントを示した説明図である。かかるビーコン期間利用情報エレメントには、無線デバイス12Bが前回のビーコン期間に受信できたビーコンの送信元装置の情報が記載されている。
具体的には、無線デバイス12Bが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントには、無線デバイス12Bが、BS2でデバイスアドレス「0x0101」を有する装置(無線ホスト10A)からビーコンを受信し、BS3でデバイスアドレス「0x05」を有する装置(無線デバイス12D)からビーコンを受信し、BS4を自装置が利用し、BS5でデバイスアドレス「0x06」を有する装置(無線デバイス12E)からビーコンを受信したことが記載されている。
図12は、無線デバイス12Eが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントを示した説明図である。かかるビーコン期間利用情報エレメントには、無線デバイス12Eが前回のビーコン期間に受信できたビーコンの送信元装置の情報が記載されている。
具体的には、無線デバイス12Eが送信するビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントには、無線デバイス12Eが、BS2でデバイスアドレス「0x0101」を有する装置(無線ホスト10A)からビーコンを受信し、BS3でデバイスアドレス「0x03」を有する装置(無線デバイス12F)からビーコンを受信し、BS4でデバイスアドレス「0x03」を有する装置(無線デバイス12B)からビーコンを受信し、BS5を自装置が利用していることが記載されている。
なお、図9〜図12においては、各無線デバイス12が、自装置のデバイスアドレスをビーコン期間利用情報エレメントに含める場合を説明したが、ビーコン期間利用情報エレメントに自装置のデバイスアドレスを含めなくてもよい。
図13は、図10〜図12に示したビーコン期間利用情報エレメントを含むビーコンに基づき、無線ホスト10Aが遠方デバイスアドレスおよび利用可能デバイスアドレスを判定する様子を示した説明図である。
プライベートアドレス管理部115は、図13の最上段のように、プライベートアドレスの範囲である「0x00〜0xFF」の範囲をビットマップに展開する。そして、プライベートアドレス判定部107は、無線ホスト10Aが受信したビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントに記載されているデバイスアドレスのうちで、プライベートデバイスアドレスの範囲にあるものを示すビットマップを作成する。
具体的には、図13の2段目に無線ホスト10Aが無線デバイス12Aから受信したビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントに記載されているプライベートアドレス(受信情報)を示している。同様に、図13の3段目に無線ホスト10Aが無線デバイス12Bから受信した受信情報、図13の4段目に無線ホスト10Aが無線デバイス12Eから受信した受信情報を示している。
そして、プライベートアドレス管理部115は、無線ホスト10Aが無線デバイス12A、12Bおよび12Eから受信した受信情報に含まれる全てのプライベートアドレスを全デバイスアドレスとして抽出したビットマップ(図13の5段目)を作成する。ここで、図13の6段目には、無線ホスト10Aが配下の無線デバイス12A、12Bおよび12Eに割当てたプライベートアドレスが自己管理デバイスアドレスとして表されている。
したがって、プライベートアドレス管理部115は、図13の5段目に示した全デバイスアドレスと、図13の6段目に示した自己管理デバイスアドレスとの差分をとることにより、図13の7段目に示した遠方デバイスアドレスを簡易的に得ることができる。すなわち、プライベートアドレス管理部115は、無線ホスト10Aの配下ではないが、無線ホスト10Aの配下の無線デバイス12A、12Bおよび12Eが通信可能な無線デバイス12のプライベートアドレスを得ることができる。
また、プライベートアドレス管理部115は、図13の5段目に示した全デバイスアドレスに基づき、図13の最下段に示したような、利用可能デバイスアドレスを得ることができる。なお、各無線デバイス12が送信するビーコン期間利用情報エレメントに、自装置のデバイス情報が含まれない場合も考えられる。この場合、プライベートアドレス管理部115は、全デバイスアドレス、および自己管理デバイスアドレスのいずれにも該当しないプライベートアドレスを利用可能デバイスアドレスとして得てもよい。
なお、実際には、プライベートアドレス「0x03」は、遠方の無線デバイス12Fでも利用されているが、図13には、プライベートアドレス「0x03」を利用する遠方の無線デバイス12が存在しないよう表されている。
そこで、プライベートアドレス管理部115は、自己管理デバイスアドレスのうちで、1または2以上のビーコンに含まれるビーコン期間利用情報エレメントにおいて異なるビーコンスロットと対応付けられているプライベートアドレスを、遠方に存在する無線デバイス12も利用していると判定してもよい。
したがって、図12に示したように、自己管理デバイスアドレスである「0x03」が異なる複数のビーコンスロットと対応付けられているため、プライベートアドレス管理部115は、プライベートアドレス「0x03」を、遠方に存在する無線デバイス12も利用していると判定してもよい。
かかる構成により、より正確に遠方デバイスアドレスを抽出することができると共に、自己管理デバイスアドレスと遠方デバイスアドレスの競合を検出することが可能となる。
また、自己管理デバイスアドレスと遠方デバイスアドレスとが競合する場合、正常な無線通信が妨げられる危険性がある。そこで、このような場合、プライベートアドレス設定部109は、競合する自己管理デバイスアドレスを新たなプライベートアドレスに変更してもよい。ここで、プライベートアドレス設定部109は、新たなプライベートアドレスを、利用可能デバイスアドレスから選択することができる。したがって、プライベートアドレス設定部109は、新たなプライベートアドレスと遠方デバイスアドレスとの競合を防止することができる。
以上、自己管理デバイスアドレスと、受信したビーコンから得られる全デバイスアドレスから遠方デバイスアドレスを抽出可能な無線ホスト10の構成を説明した。かかる無線ホスト10は、受信したビーコンから、遠方の他の無線ホストの生成アドレスを抽出することも可能である。遠方の他の無線ホストの生成アドレスを抽出可能な無線ホスト10の構成例を、図14を参照して説明する。
図14は、無線ホスト10の構成の変更例を示した機能ブロック図である。当該無線ホスト10は、アンテナ101と、ベースバンド受信部102と、ビーコン受信処理部103と、ビーコン送信処理部104と、ベースバンド送信部105と、デバイスアドレス抽出部106と、無線アクセス制御部111と、データユニット受信処理部112と、入出力インターフェース113と、データユニット送信処理部114と、生成アドレス判定部127と、記憶部128と、アドレス競合判定部129と、自己アドレス設定部130と、生成アドレス管理部135と、を備える。
アンテナ101と、ベースバンド受信部102と、ビーコン受信処理部103と、ビーコン送信処理部104と、ベースバンド送信部105と、デバイスアドレス抽出部106と、無線アクセス制御部111と、データユニット受信処理部112と、入出力インターフェース113と、データユニット送信処理部114の構成は図8を用いて説明した内容と実質的に同一であるため説明を省略する。
生成アドレス判定部127は、デバイスアドレス抽出部106が抽出したビーコン期間利用情報から生成アドレスを抽出し、該生成アドレスを利用する無線ホストのビーコンスロット(時間帯情報)を併せて記憶部128に記録する。また、記憶部128には、自己アドレス設定部130が設定した当該無線ホスト10が利用する生成アドレスが自己利用アドレスとして記録される。
生成アドレス管理部135は、生成アドレス判定部127により記憶部128に記録された全ての生成アドレスを全生成アドレスとして記憶部128に記録する。そして、生成アドレス管理部135は、生成アドレスのとりえるアドレス範囲のうちで、全生成アドレスに含まれない生成アドレスを利用可能生成アドレスとして抽出し、記憶部128に記録する。また、生成アドレス管理部135は、全生成アドレスのうちで、自己利用生成アドレスでない生成アドレスを遠方生成アドレスとして抽出することができる。
なお、アドレス競合判定部129は、自己利用生成アドレスと、遠方の他の無線ホストが利用する生成アドレスとの競合を判定するアドレス情報抽出部としての機能を有する。具体的には。アドレス競合判定部129は、全生成アドレスのうちで、自己利用生成アドレスであって、かつ自装置が利用するビーコンスロットと異なるビーコンスロットと対応付けられている生成アドレスを抽出してもよい。すなわち、アドレス競合判定部129は、全生成アドレスのうちで、自己利用生成アドレスであって、かつ自装置が利用するビーコンスロットと異なるビーコンスロットと対応付けられている生成アドレスがあるか否かに基づき、生成アドレスの競合の有無を判定することができる。
また、記憶部128は、記憶部108と同様に、EEPROM、EPROMなどの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R/RW、DVD−R/RW/+R/+RW/RAMおよびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MOディスクなどの記憶媒体であってもよい。
〔3〕本実施形態にかかる無線ホストにおいて実行される無線通信方法
以上、本実施形態にかかる無線ホスト10の機能を説明した。続いて、当該無線ホスト10において実行される無線通信方法を、図15を参照して説明する。
図15は、無線ホスト10において実行される無線通信方法を示したフローチャートである。図15においては、図8および図14の双方に示した機能を実装した無線ホスト10において実行される無線通信方法を示している。また、図15においては、デバイスアドレス抽出部106が、受信されたビーコンに含まれるビーコン期間利用情報から、遠方の無線通信装置で利用されているデバイスアドレスを抽出する第1の抽出部としての機能を有する場合を示している。
まず、無線ホスト10は、初期設定動作として、一定の期間にわたるビーコンスキャン処理を実行し(S201)、周囲に存在する無線通信装置(無線ホストおよび無線デバイス)の存在を把握する。そして、無線ホスト10は、ビーコンスキャン処理の結果、未使用であった生成アドレスを1つ選択する(S202)。また、無線ホスト10は、スーパーフレーム周期と利用するビーコンスロットの設定と、さらに必要に応じて通信に利用するスロットをDRP MASとして設定する(S203)。
続いて、無線ホスト10は、スーパーフレーム周期のビーコン期間であって(S204)、自己のビーコンスロットが到来した場合には(S205)、送信するビーコンパラメータを獲得し(S206)、ビーコン送信処理を行なう(S207)。
また、ビーコン期間の自己のビーコンスロットでなければ、無線ホスト10はビーコン受信処理を行なう(S208)。無線ホスト10がビーコンを受信すると(S209)、デバイスアドレス抽出部106が、ビーコンに含まれるビーコン期間利用情報に記載されているデバイスアドレスから、遠方の無線通信装置で利用されているデバイスアドレスを抽出する(S210)。
具体的には、デバイスアドレス抽出部106は、ビーコンに含まれるビーコン期間利用情報に記載されているデバイスアドレスから、無線ホスト10が配下の無線デバイス12に対して設定しているプライベートアドレス(自己管理デバイスアドレス)を差し引いて遠方の無線通信装置で利用されているデバイスアドレスを得てもよい。
さらに、デバイスアドレス抽出部106により抽出されたデバイスアドレスにプライベートアドレスの範囲内のデバイスアドレスが含まれる場合がある(S211)。この場合、プライベートアドレス判定部107が、プライベートアドレスの範囲内のデバイスアドレスを遠方で利用中の遠方デバイスアドレスとして記憶部108に登録(記録)する(S212)。
そして、プライベートアドレス管理部115は、無線ホスト10が配下の無線デバイス12に対して設定しているプライベートアドレス(自己管理デバイスアドレス)を獲得(S213)する。かかる自己管理デバイスアドレスが、上記遠方デバイスアドレスと競合する場合には(S214)、プライベートアドレス設定部109は、利用可能デバイスアドレスからプライベートアドレスを1つ選択する(S215)。さらに、アドレス変更コマンド生成部110は、アドレス競合が発生した無線デバイス12に対してアドレス変更通知を構築する(S216)。
デバイスアドレス抽出部106により抽出されたデバイスアドレスにプライベートアドレスの範囲内でないデバイスアドレスが含まれた場合、生成アドレス判定部127は、該デバイスアドレスを利用中の遠方生成アドレスとして記憶部128に登録する(S217)。かかる遠方生成アドレスが自己の利用している自己利用生成アドレスと競合する場合には(S218)、自己アドレス設定部130は、未使用の生成アドレスの1つを選択し(S219)、それを新たな自己の生成アドレスとして変更する(S220)。
利用を設定したDRP MASが到来した場合には(S221)、自己の送信期間であり(S222)、送信データやコマンドがあれば(S223)、無線ホスト10は、所定のアクセス制御手順に従って、そのデータあるいはコマンドを送信する(S224)。
あるいは、自己の受信期間であれば(S225)、無線ホスト10は、自己宛データの受信処理を行なう(S226)。受信処理の結果、新規の無線デバイス12から所定の接続要求があれば(S227)、無線ホスト10は、自己管理デバイスアドレスあるいは遠方デバイスアドレスを獲得する(S228)。そして、プライベートアドレス設定部109は、未使用であるプライベートアドレスを1つ選択し(S229)、新規の無線デバイス12に対するプライベートアドレスとしての設定通知(コマンド)を構築する(S230)。このようにして、アドレス管理を行った後、再びS203に戻ることによって、一連のアドレス管理動作の処理が継続的に行なわれる。
〔4〕まとめ
以上説明したように、本実施形態にかかる無線ホスト10は、無線デバイス12が周囲の無線デバイスより受信したビーコンから抽出した周囲の無線デバイスのプライベートアドレスを含むビーコンを、無線デバイス12から受信する。ここで、ビーコンに含まれる周囲の無線デバイスのプライベートアドレスは、当該無線ホスト10と通信可能範囲外に存在する無線デバイスに割当てられているプライベートアドレスなどを含み得る。
そこで、デバイスアドレス抽出部106が、ビーコン受信処理部103により受信されたビーコンに含まれる無線デバイスのプライベートアドレスを抽出してもよい。その結果、当該無線ホスト10は、直接通信可能な無線デバイス12と通信可能な範囲内にある無線デバイスのプライベートアドレスを把握することが可能となる。
このように、当該無線ホスト10と直接通信可能な無線デバイス12のさらに遠方で利用されているプライベートアドレスを管理することで、当該無線ホスト10の通信の影響を受ける範囲内で利用されているプライベートアドレスの競合を回避することができる。
したがって、ワイヤレスUSBシステムにおいて、無線ホスト10は、無線ホスト10の配下の無線デバイス12と通信可能な他の無線ホストが他の無線デバイスに割当てたプライベートアドレスとの競合を回避することが可能となる。
また、当該無線ホスト10は、配下の無線デバイス12と、自己から見て隠れ端末となる範囲に存在する無線デバイスと、のアドレス競合が発生した場合に、無線デバイス12に再び競合するプライベートアドレスを割当ててしまう危険性を回避できる。また、隠れ端末でも、2ホップ先に存在している無線デバイスのプライベートアドレスのみを把握することで、無限に遠方に存在している隠れ端末のプライベートアドレスを管理しない。これより、当該無線ホスト10は、アドレス空間を効率良く再利用することが可能である。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書のデータ記録装置の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしてもよい。
また、無線ホスト10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した無線ホスト10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。また、図8および14の機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。