以下、図面を参照しながら本発明のステープラの実施の形態について説明する。まず、本発明の第1のステープラ1及びステープラ1で用いるステープル3の構成について説明する。
<第1のステープラ及びステープルの構成>
(1)ステープラ1の概要
ステープラ1は、後述する紙製のステープル3により、綴じ対象である綴じ用紙を綴じるものである。図1から図3はステープラ1の概要を示す説明図である。図1はステープラ1を示す斜視図であり、図2は図1の矢印Aから見た状態を示す側面図であり、図3は図1の矢印Bから見た状態を示す正面図である。以下の説明においては、図2の左方向をステープラ1の前面側とし、図2の右方向をステープラ1の背面側とする。また、図3の左方向をステープラ1の左側とし、図3の右方向をステープラ1の右側とする。
図4から図7は、ステープラ1の内部の構成を示す説明図である。図4は、図3のH−H断面を示す断面図である。図5及び図6は、ハンドル5を取り外し、後述するステープルカバー6を開いた状態を示す斜視図である。図5は斜め前方から見た状態を示す斜視図であり、図6は斜め後方から見た状態を示す斜視図である。図7は、ハンドル5を取り外し、後述するステープルカバー6を開いた状態を示す平面図である。
図1から図3に示すように、ステープラ1は、綴じ動作を行う際に使用者により押し下げられるハンドル5と、ハンドル5の下方に位置して綴じ用紙が挿入される用紙挿入口7等を有するフレーム8と、ハンドル5及びフレーム8を支えるベース9とを備えて構成される。
ハンドル5は、図2の矢印C及び図4の矢印Iに示すように、ハンドル・ステープルカバー回動軸10でフレーム8の後端の上部に回動可能に取り付けられている。ハンドル5は、綴じ動作を行う際に使用者により押し下げられることにより、図2及び図4の反時計回りにフレーム8に対して回転する。また、後述するフレーム8のステープルホルダ11へのロール状ステープル4の装填等を行う際には、ハンドル5は図2及び図4の時計回りに回転され、フレーム8の上面が開いた状態となる。
フレーム8は、図2の矢印D及び図4の矢印Jに示すように、フレーム回動軸12でベース9の後端に回動可能に取り付けられている。また、図4から図7に示すように、フレーム8は、上面に、ハンドル・ステープルカバー回動軸10でハンドル5と同様に回動可能に取り付けられたステープルカバー6をステープル押さえ部として備える。
またフレーム8は、後端部にロール状ステープル4を装填するステープル装填部としてステープルホルダ11を備える。更にフレーム8はステープルホルダ11から前方へ向けて、ステープル3の搬送を行うステープル搬送部として平面状の搬送路13を備える。搬送路13の左右には板バネ14が備えられており、この板バネ14により、ステープルカバー6は、図4に示すように搬送路13に対して押さえられた状態となる。
またフレーム8は、搬送路13の前端部の近傍に、ハンドル5の操作により、ステープル3の切断及びコ字状への成型を行うためのステープル切断成型部としてフォーミングプレート15を備える。フォーミングプレート15は切断成型手段、切断手段及び成型手段の一例である。更にフレーム8は、ハンドル5の操作により、ステープル3の綴じ用紙に対する貫通を行うためのステープル貫通部としてドライバ18を備える。ドライバ18は貫通手段の一例である。更にフレーム8は、ステープル3の切断、成型及び貫通を行う際に、綴じ用紙を押さえるための用紙押さえ19を備える。用紙押さえ19は押さえ手段の一例である。
また、フレーム8は、搬送路13の下部に、前述したステープル3の切断及び成型を行う位置からステープル3の貫通を行う位置へステープル3を移動させるための移動機構として、プッシャバネ16及びプッシャバネ16により前方へ付勢されたプッシャ17を備える。フォーミングプレート15、ドライバ18、用紙押さえ19及びプッシャ17の下方には、綴じ対象の綴じ用紙が挿入される用紙挿入口7及び綴じ用紙37が設置されるテーブル20を備える。
テーブル20の下部には、貫通位置で綴じ用紙に貫通されたステープル3の両脚部を綴じ用紙に沿って折り曲げ、折り曲げた両脚部を貼り合わるための折り曲げ部を備える。ステープラ1は、折り曲げ部として、フレーム8の底部となる折り曲げ部設置台21に取り付けられたクリンチャユニット23(図36参照)、押し出しユニット24及びスライダバネ25で前方に付勢されたスライダ26を備える。
また、ステープラ1は折り曲げ部として、ベース9に、クリンチャセンター27を支持して位置を定めるクリンチャリフタ28を備える。折り曲げ部は折り曲げ手段の一例である。更にステープラ1は、スライダ26を支えるスライダ受け29、及び折り曲げ部設置台21を支えるリターンバネ22を備える。
ステープラ1は、このような構成を備え、用紙挿入口7内でテーブル20に設置された綴じ用紙を、使用者によるハンドル5の操作に基づいてステープル3により綴じる作業を行うものである。
次に、ステープラ1の各部の構成の詳細、及びステープル3の構成の詳細について説明する。まず、ステープラ1で綴じ用紙を綴じるために用いられるステープル3、及びステープル3が連結された連結ステープル2の構成について説明する。
<ステープルの構成>
(2)ステープル3の構成
図8及び図9は、ステープル3及びステープル3が連結された連結ステープル2の構成を示す説明図である。図8(a)は、連結ステープル2の詳細を示す平面図である。図8(b)は、ステープル3をコ字状に成型した状態を示す斜視図であり、図8(c)はステープル3により綴じ用紙37綴じた状態を示す断面図である。図9は連結ステープル2が剥離紙30に取り付けられ、ロール状ステープル4としてロール状に巻き回された状態を示す説明図である。ステープル3、連結ステープル2及びロール状ステープル4は、例えば以下のような構成となる。
図8(a)に示すように、細長く真直状の形状を有するステープル3が複数連結されて、連結ステープル2が構成される。各ステープル3は、例えば、図8(a)の上下方向(ステープル3の連結方向)の幅は5〜10mm程度であり、図8(a)の左右方向(ステープル3の長手方向)の幅は30〜40mm程度である。各ステープル3の長手方向の端部近傍は台形状に形成されており、先端に向かうにつれて幅が狭くなる。また、各ステープル3の長手方向の端部近傍の裏面(剥離紙30が付着される面)には、接着剤が塗布された接着部31を備える。
また、各ステープル3が連結される辺の中央部は、スリット部33として各ステープル3が完全に切り離されている。スリット部33の外側で、各ステープル3が連結される辺の両端部までが、ステープル連結部34として各ステープル3が連結された状態となる。
また、ステープラ1により、図8(a)に示す連結ステープル2から端部のステープル3が切り離されて、図8(b)に示すように、クラウン部35とクラウン部35から直角に脚部36が折り曲げられたコ字状に成型される。コ字状に成型されたステープル3は、図8(c)に示すように、綴じ用紙37に貫通され両脚部36を綴じ用紙37に沿って折り曲げられ、綴じ用紙37と一方の脚部36の接着部31、及び一方の脚部36と他方の脚部36の接着部がそれぞれ貼り合わされる。
図8に示すステープラ1は、長手方向の両端部近傍の裏面に接着部31を備えるとした。しかし、一方の脚部近傍の裏面のみに接着部31を備えるとしてもよい。この場合、接着部31を備えない脚部36が綴じ用紙37に沿って折り曲げられた後、接着部31を備える脚部36が綴じ用紙37に沿って折り曲げられ、接着部31を備えない脚部36と接着部31を備える脚部36とが貼り合わされる。
また連結ステープル2は、図9(a)に示すように、保存されている状態においては、剥離紙30に取り付けられて巻き回されている。図9(b)に示すように、端部から所定の長さ分の剥離紙30が剥がされて、ステープラ1に装填される。ステープラ1への詳細な装填方法については後述する。
(3)ステープル装填部の構成例
次に、ステープラ1のステープル装填部の構成例について説明する。図10はステープル装填部にロール状ステープル4が装填された状態を示す説明図である。ロール状ステープル4を装填するステープル装填部として、ステープラ1はフレーム8の後端部にステープルホルダ11を備える。前述したように、図5から図7に示すように、ハンドル5及びステープルカバー6を開くことにより、ステープル装填部であるステープルホルダ11にアクセスすることが可能となる。
また、図4及び図10等に示すように、フレーム8の上部には、ステープルホルダ11から、ステープル切断成型部等を備える前方へ向けて、剥離紙30より剥離された連結ステープル2の搬送を行うための搬送路13を備える。この搬送路13の開始端に、剥離紙30の形状に応じて形成された突起状の剥離ブロック38を有する。剥離ブロック38は剥離手段の一例である。また、この剥離ブロック38の下方部からステープルホルダ11内に設置されたロール状ステープル4の下方を経由してフレーム8の後端面に設けられた剥離紙排出口39まで、剥離紙排出経路40を備える。
このような構成を備えることにより、ステープル装填部には、次のようにロール状ステープル4、連結ステープル2が装填される。図10に示すように、ステープルホルダ11内に装填されたロール状ステープル4から引き出された剥離紙30付きの連結ステープル2から、剥離ブロック38により剥離紙30が剥離される。剥離紙30が剥離された連結ステープル2は搬送路13を搬送され、剥離された剥離紙30は剥離紙排出経路40を経由して剥離紙排出口から排出される。
(4)ステープル搬送・切断成型・貫通部・押さえ部の構成例
次に、剥離紙30が剥離された連結ステープル2の搬送を行うステープル搬送部、搬送された連結ステープル2から端部に位置するステープル3の切断及び成型を行うステープル切断成型部、及び成型されたステープル3の綴じ用紙に対する貫通を行うステープル貫通部の構成例について説明する。
図11から図13は、ステープル搬送部、ステープル切断成型部及びステープル貫通部を示す説明図である。図11(a)はステープル搬送部・切断成型部・貫通部を斜め前方から見た状態を示す斜視図である。図11(b)はステープル搬送部・切断成型部・貫通部を斜め後方から見た状態を示す斜視図であり、説明のため搬送路13の一部にステープル3が設置された状態を示している。図12(a)はステープル搬送部・切断成型部・貫通部の正面図であり、図12(b)はステープル搬送部・切断成型部・貫通部の背面図である。図13(a)はステープル搬送部・切断成型部・貫通部を左方向から見た状態を示す側面図であり、図13(b)は図12(a)のL−L断面を示す断面図であり。また図14は、ステープル搬送部、ステープル切断成型部及びステープル貫通部の要部の断面図であり、図12(a)のK−K断面を示す。
図4に示すように、ステープル搬送部、ステープル切断成型部及びステープル貫通部はフレーム8の上部でステープル装填部の前方に備えられる。図11から図13に示すように、ステープラ1は、連結ステープル2を搬送するステープル搬送部として、搬送路部41、プッシャ受け42及び搬送部設置台45等を備える。またステープラ1は、連結ステープル2から端部に位置するステープル3を切断し成型するステープル切断成型部としてフォーミングプレート15を備え、切断成型したステープル3を綴じ用紙に対して貫通させるステープル貫通部としてドライバ18を備える。またフレーム8は、ステープル3の切断成型及び貫通を行う際に、綴じ用紙を押さえるための用紙押さえ19を備える。これらは、ステープル装填部の位置から前方へ、搬送路部41、フォーミングプレート15、ドライバ18、用紙押さえ19の順に位置する。
まず、ステープル搬送部の構成について説明する。図15はステープル搬送部の構成を示す分解斜視図である。図15に示すように、ステープル搬送部は、搬送路部41、プッシャ17、プッシャバネ16、プッシャ受け42及び搬送部設置台45を備えて構成される。
搬送路部41は連結ステープル2の各ステープル3の長手方向の幅に応じた幅を有する平板状の搬送路13を有する。また搬送路13の両端部には、ステープル3の裏面に設けられた接着部31の通過する通過経路に搬送路溝13aが備えられる。更に搬送路13の前端部には、後述するプッシャ17に取り付けられた送りツメ44が搬送路13上に突出するための送りツメ溝13bを備える。また搬送路13の前端部には後述するフォーミングプレート15のステープル成型部15aが嵌合する受け台部13cを備える。
更に搬送路部41は、搬送路13の前方部の両端に三角形状の側板45を備える。この側板45内には、図13(b)に示すように、ステープル搬送部、ステープル切断成型部及びステープル貫通部が組み立てられた状態で、ネジリコイルバネ56が位置する。
図16はプッシャ17の構成例を示す説明図である。図16(a)はプッシャ17の構成を示す斜視図であり、図16(b)は第1の送りツメ44aの斜視図であり、図16(c)は第2の送りツメ44bの斜視図である。図17は搬送路部41とプッシャ17の要部の断面図である。プッシャ17は、ステープラ1が組み立てられた状態では、搬送路部41の下部に位置する。プッシャ17は前端部に突起部17aaを四隅に有するステープル押し部17aを備える。また、プッシャ17は、搬送路部41の送りツメ溝13bに応じた位置に、送りツメ44を備える。
送りツメ44は、両端部に、後述するようにステープル3の連結部が引っ掛かる引っ掛かり部44Aを有するコ字状の形状を備える。図17に示すように、引っ掛かり部44Aは、断面が楔型の形状を備える。また、送りツメ44は、プッシャ17に送りツメ回動軸17bで回動可能に取り付けられる。また、送りツメ44は、送りツメバネ17cにより、図16(a)の矢印Z及び図17の矢印Mに示す方向に付勢されている。これにより、図17に示すように、引っ掛かり部44Aの先端が搬送路13の送りツメ溝13bより突出した状態となる。
また、図16(b)に示すように、第1の例の送りツメ44aは先端が直線状に形成された引っ掛かり部44Aaを備え、図16(c)に示すように、第2の例の送りツメ44bは先端が凹凸状に形成された引っ掛かり部44Abを備える。
更に、プッシャ17は、下部にL字型に形成されたL字型アーム17dを備えると共に、図16(a)に示すようにプッシャシャフト孔17fを備える。
プッシャ受け42は、搬送路部41及びプッシャ17を保持する直方体の形状を備える。プッシャ受け42は、設置されたプッシャ17のプッシャシャフト孔17fに対応する位置に、長孔状のプッシャシャフト孔17eを備える。プッシャ17のプッシャシャフト孔17f及びプッシャ受け42のプッシャシャフト孔17eに図示しないプッシャシャフト58が挿通されることにより、プッシャ17はプッシャ受け42に対して所定量前後方向に摺動自在となる。また、プッシャ受け42は、プッシャ17のL字型アーム17dの後部を前方へ付勢するプッシャバネ16を備える。搬送路部41及びプッシャ17を保持するプッシャ受け42は、搬送部設置台45を介してフレーム8に取り付けられる。
ここで、プッシャ17に取り付けられた送りツメ44による、連結ステープル2の搬送路13上での搬送の方法について説明する。図18は、プッシャ17に取り付けられた送りツメ44による連結ステープル2の搬送方法の説明図である。図18(a)はプッシャ17に取り付けられた送りツメ44が前方に移動している状態を示し、図18(b)はプッシャ17に取り付けられた送りツメ44が後方に移動している状態を示す。
図18(a)に示すように、プッシャ17が前方に移動する際には、矢印N方向に付勢された送りツメ44の引っ掛かり部44Aが、凹部となっている、各ステープル3の連結部に引っ掛かることにより、連結ステープル2が搬送路13上を前方へ移動される。また、図18(b)に示すように、プッシャ17が後方に移動する際には、送りツメ44の引っ掛かり部44Aが各ステープル3の連結部と非係合となり、矢印Pに示すように送りツメ44が回転して後方に移動する。プッシャ17に取り付けられた送りツメ44は搬送手段の一例である。
以上に示すように、送りツメ44を備えるステープラ1は、連結ステープル2の各ステープル3の連結部に送りツメ44の引っ掛かり部44Aを係合させて搬送を行う。またこの時、連結ステープル2は、送りツメ44及び逆止バネ59により挟まれた状態となる。また、連結ステープルの先頭側に位置するステープルに係合して、後続の連結ステープルを先頭側へ引っ張るように送ることができる。これにより、連結ステープルの送り動作に伴って連結ステープル全体に過度の送り荷重が作用しなくなるので、連結ステープル2が変形することなく、精度よく連結ステープル2の搬送を行うことが可能となる。
次に、他の例の送りツメ44’の構成について説明する。図19は、送りツメ44’を備えるプッシャ17と搬送路部41の要部断面図である。送りツメ44’は、先端にゴム等で構成されるブラシ部44Bを備える。このブラシ部の摩擦により連結ステープル2を搬送するものである。
次に、他の例の送りツメ44’’の構成について説明する。図20は、送りツメ44’’を備えるプッシャ17と搬送路部41の要部断面図である。送りツメ44’’は、前述した送りツメ44と、異なる形状の引っ掛かり部44A’’を備える。引っ掛かり部44A’’は、前面が垂直に形成され、後面が斜めに形成された凹凸部44Aa’’を上面に備える。
図21は、送りツメ44’’を備えるステープラ1で用いられる連結ステープル2’の断面図である。連結ステープル2’は、引っ掛かり部44A’’の凹凸部44Aa’’が引っ掛かる凹凸部3A’を備える。図22は、プッシャ17に取り付けられた送りツメ44’’による連結ステープル2’の搬送方法の説明図である。図22(a)はプッシャ17に取り付けられた送りツメ44’’が前方に移動している状態を示し、図22(b)はプッシャ17に取り付けられた送りツメ44’’が後方に移動している状態を示す。
図22(a)に示すように、プッシャ17が前方に移動する際には、矢印N’’方向に付勢された送りツメ44’’の引っ掛かり部44A’’の凹凸部44Aa’’が、各ステープル3の凹凸部3A’に引っ掛かることにより、連結ステープル2’が搬送路13上を前方へ移動される。また、図22(b)に示すように、プッシャ17が後方に移動する際には、送りツメ44’’の引っ掛かり部44A’’の凹凸部44Aa’が各ステープル3’の凹凸部3A’と非係合となり、矢印P’’に示すように送りツメ44’’が回転して後方に移動する。
これにより、送りツメ44’’を備えるステープラ1は、凹凸部3A’を備えるステープル3’が連結された連結ステープル2’の移動を確実に行うことが可能となる。また、連結ステープル2は、送りツメ44’’及び逆止バネ59により挟まれた状態で搬送される。また、連結ステープルの先頭側に位置するステープルに係合して、後続の連結ステープルを先頭側へ引っ張るように送ることができる。これにより、連結ステープルの送り動作に伴って連結ステープル全体に過度の送り荷重が作用しなくなるので、連結ステープル2’が変形することなく、精度よく連結ステープル2’の搬送を行うことが可能となる。
次に、ステープル成型切断部を構成するフォーミングプレート15の構成例について説明する。図23はフォーミングプレート15の構成を示す説明図である。図23(a)は斜め前方から見た状態を示す斜視図であり、図23(b)は斜め後方からみた状態を示す斜視図である。図23(c)はフォーミングプレート15の正面図であり、一部の構成を簡略化した状態で示している。
図23に示すように、フォーミングプレート15は、中央に開口部を有し、所定の厚さを有する板状の形状を備える。開口部の上部には、前述した搬送路部41の受け台部13cと嵌合するコ字状のステープル成型部15aを備える。ステープル成型部15aの下部はステープル成型部15aより広い所定の幅で開口される。また、開口部の下部には、前述したプッシャ17のステープル押し部17aが挿通されるステープル押し部挿通部15bを備える。
更にフォーミングプレート15の開口部内には、ステープル押し部挿通部15bの両端から上方に向けて、斜面が互いに向かい合うように形成された突起状のヒラキオサエ15cを備える。
またフォーミングプレート15は、前面側(ドライバ18の位置する側)の開口部の左右に溝部を備える。溝部として、図14及び図23(a)に示すように、まず、所定の深さで上下に所定の長さ分形成されたV溝A46を備える。V溝A46の下端部46aは、他の箇所と比較して深く形成されている。V溝A46から所定長さのフラット部47を挟んだ下方に、V溝A46の下端部46aと同じ深さを備えるV溝B48を備える。
更にフォーミングプレート15は、背面側(ステープル搬送部の位置する側)に二つの切断刃49が取り付けられる。各切断刃49は、それぞれの刃先49aが斜めに外側を向いた状態で、且つ刃先が開口部内に所定量突出した状態で、フォーミングプレート15に取り付けられる。
更にフォーミングプレート15は、左右に凸部C15dを備えており、図5及び図6に示す、フレーム8の側溝C50に嵌合される。これにより、フォーミングプレート15は、フレーム8に対して上下に摺動可能となる。
次に、ステープル貫通部を構成するドライバ18の構成例について説明する。図24(a)はドライバ18を斜め前方から見た状態を示す分解斜視図であり、図24(b)はドライバ18を斜め後方から見た状態を示す分解斜視図である。図25は本体部に抜き刃51が取り付けられ、抜き刃51内にコ字状のステープル3が位置した状態を示す斜視図である。
ドライバ18は、所定の厚さを有する板状のドライバ本体部18aと、突き出しピン18dと、二枚の抜き刃51とを備える。ドライバ本体部18aは、図4に示すハンドル5の裏面に備えられるドライバプッシャ66が当接するドライバプッシャ当接部18bを上端部に備える。
また、ドライバ本体部18aは、下端部近傍で左右両端部の近傍の突き出しピン取り付け部18cに突き出しピン18dが取り付けられる。図14示すように、突き出しピン18dは、先端部が円錐形で内部が空洞に形成されており、圧縮バネである突き出しピンバネ18eを内部に有した状態で、ドライバ18に取り付けられる。これにより、突き出しピン18dは、図14の矢印に示すように前後方向に摺動自在であり、且つ、背面方向(フォーミングプレート15が位置する方向)へ突き出しピンバネ18eにより付勢された状態でドライバ本体部18aに取り付けられる。
また、突き出しピン18dの先端部の円錐形部は、フォーミングプレート15に備えられるV溝A46及びV溝B48に応じた形状を備える。更に、突き出しピン18dがV溝A46内にある際には、突き出しピン18dの円錐形部の一部が溝内に位置した状態となり、突き出しピン18dがV溝A46の46a及びV溝B48内にある際には、突き出しピン18dの円錐形部の全部が溝内に位置した状態となる形状を、突き出しピン18d及びV溝A46及びV溝B48は備える。
また、ドライバ本体部18aは、下端部の中央に、図8(b)のステープル3のクラウン部35に応じた幅で所定量突出した直方体のステープル押し下げ部18fを備える。ステープル押し下げ部18fの左右には、図25に示すようにそれぞれ抜き刃51が取り付けられる。ここで、抜き刃51の構成について説明する。図26は抜き刃51の構成を示す説明図である。図26(a)は抜き刃51の斜視図であり、図26(b)は抜き刃51の側面図であり、図26(c)は抜き刃51の正面図である。
図26に示すように、抜き刃51は、所定の長さを有し、一方の端部に刃先51eを備える。また抜き刃51は、刃先51eを備える端部の近傍に、少なくとも刃先51e側に斜面を有して所定量突出した突起部51dを備える。ここで突起部51dは切断刃51の幅いっぱいには形成されず、切断刃51は、図26(b)の51fに示すように、長手方向に一方の端部から他方の端部までつながった直線部を有する。このため、図26(c)に示す状態の左右方向に対する曲げに対して所定の強度を有する。また、突起部51dはプレス加工により、モールド加工と比較して安価に形成することが可能である。
更に、切断刃51は中央部に所定の形状の押し出し孔51cを備え、押し出し孔51cの上方に、ドライバ本体部18aのステープル押し下げ部18fに取り付けるための取り付け孔51gを備える。このような構成を備える切断刃51を綴じ用紙に貫通させることにより、図26(d)に示すような形状の切り込み孔52が形成される。
図24及び図25に戻り、ドライバ本体部18aは、左右に凸部B18gを備えており、図5及び図6に示す、フレーム8の側溝B53に嵌合される。これにより、ドライバ本体部18aは、フレーム8に対して上下に摺動可能となる。
次に、ステープル貫通部によるステープル3の綴じ用紙に対する貫通、及び後述するステープル折り曲げ部によりステープル3の両脚部の折り曲げ及び貼り付けを行う際に、綴じ用紙をテーブル20に対して押さえつける用紙押さえ19の構成について説明する。図27は用紙押さえ19の構成を示す説明図である。図27(a)は用紙押さえ19を斜め前方から見た状態を示す分解斜視図であり、図27(b)は用紙押さえ19を斜め後方から見た状態を示す分解斜視図である。
図27に示すように、用紙押さえ19は、所定の厚さを有する断面L字状の用紙押さえ本体部19aと、角窓19bとを備える。用紙押さえ本体部19aは中央部に、角窓19bが開閉自在に取り付けられる角窓孔19cを備える。また、用紙押さえ本体部19aは、下端部に用紙押さえ部19dを備え、用紙押さえ部19dの中央にはステープル貫通部によるステープル貫通時に用いられるステープル綴じ孔19eを備える。
更に、用紙押さえ本体部19aは、左右に凸部A19fを備えており、図5及び図6に示す、フレーム8の側溝A54に嵌合される。これにより、ドライバ本体部18aは、フレーム8に対して上下に摺動可能となる。
次に、フォーミングプレート15、ドライバ18及び用紙押さえ19の上下方向の支持の構成について説明する。前述したように、フォーミングプレート15は側部に凸部C15dを有し、ドライバ本体部18aは側部に凸部B18gを有し、用紙押さえ本体部19aは側部に凸部A19fを有する。それぞれの凸部がフレーム8の側溝C50、側溝B53及び側溝A54に嵌合して摺動することにより、フォーミングプレート15、ドライバ18及び用紙押さえ19は、それぞれ所定の位置で上下方向に移動自在となる。
まず図14に示すように、待機状態においては、フォーミングプレート15は、下端部15dがプッシャ17のL字型アーム17dの上部に載った状態なる。また、図4等に示すように、用紙押さえ19は引っ張りバネ55によりフレーム8に取り付けられ、上方へ引っ張られた状態となる。待機状態における用紙押さえ19の上死点は、フレーム8の側溝A54及び用紙押さえ本体部19aの凸部A19fにより定まる。
また、図13(b)に示すように、用紙押さえ本体部19a及びドライバ本体部18aの間には、ネジリコイルバネ56が備えられており、用紙押さえ本体部19aを下方へ付勢すると共に、ドライバ本体部18aを上方へ付勢している。即ち待機状態においては、ドライバ本体部18aは用紙押さえ19に対して上方へ付勢されており、ドライバ本体部18aの上死点は、フレーム8の側溝B53及ドライバ本体部18aの凸部B18gにより定まる。
また、図2に示すように、ドライバ本体部18aは側部でリンク57に回動自在に取り付けられている。リンク57は長孔57aでプッシャシャフト58に摺動可能に係合し、長孔57bでシャフト59に摺動可能に係合している。ここで、ハンドル5が押し下げられてドライバ本体部18aが下降することにより、図2の矢印Eに示す方向にリンク57が回転する。リンク57が回転することにより、矢印Fに示す方向に長孔57aよりプッシャシャフト58が移動される。
これにより、図4等に示すプッシャ17が後退して、フォーミングプレート15の下端部15dがプッシャ17のL字型アーム17dの上部からはずれ、フォーミングプレート15は下降することが可能となる。
また、フレーム8の側溝A54、側溝B53及び側溝C50には、凸部A19f、凸部B18g及び凸部C15dとの摺動性を向上させるため、例えば、樹脂等により縁取りされたカラー部を備える。
次に、ステープル押さえ部としてステープルカバー6及びステープルカバー6に備えられる逆止バネ59の構成例について説明する。図28はステープル押さえ部の構成を示す説明図である。図28(a)は逆止バネ59により連結ステープル2のステープル3を押さえた状態を示す平面図であり、図28(b)は、逆止バネ59により連結ステープル2のステープル3を押さえた状態を示す側面図である。
図5から図7に示すように、ステープラ1は、フレーム8上端の後端部に、ハンドル・ステープルカバー回動軸10により回動可能に取り付けられたステープルカバー6を備える。ステープルカバー6はフレームの幅に応じた幅を備え、図4に示すように、搬送路13上の連結ステープル2を押さえた状態で板バネ14により押さえられる。
また、ステープルカバー6の、ハンドル・ステープルカバー回動軸10への取り付け部と逆側の端部には押さえ片の一例である逆止バネ59が備えられる。逆止バネ59は、弾性を有する薄板状の金属であり、中央に位置する第1逆止バネ59aと、第1逆止バネ59aの両側に位置する第2逆止バネ59bを備えて構成される。
ここで、第1逆止バネ59aは第2逆止バネ59bと比較して長く、ステープルカバー6が板バネ14により押さえられた状態では、前述したステープル切断成型部であるフォーミングプレート15の下方に位置するステープル3aを、図28(a)のR及び図28(b)のTで示すように、その端部で搬送路13に対して押さえつける。また、第2逆止バネ59bは、ステープル3aのステープル装填部側の隣に位置するステープル3bを、図28(a)のS及び図28(b)のUで示すように、その端部で搬送路13に対して押さえつける。
また、図28(a)及び(b)に示すように、逆止バネ59の第1逆止バネ59a及び第2逆止バネ59bは、ステープラ1の背面側(ステープル装填部側)が上方に位置する斜めの姿勢で、ステープル3a及びステープル3bをそれぞれの端部で搬送路13に対して押さえつける。このため、ステープル3a及びステープル3bを、それぞれ第1逆止バネ59a及び第2逆止バネ59bで搬送路13に対して押さえつけた状態で、図28(a)及び図28(b)の各矢印に示す向きに連結ステープル2を移動させることが可能である。
次に、ステープル切断成型部による連結ステープル2の端部に位置するステープル3の切断、成型及び搬送の方法について図29等を用いて説明する。図29は、ステープル3の切断、成型及び搬送方法についての説明図であり、連結ステープル2、逆止バネ59及び送りツメ44を断面状態で示す。図29においては、コ字状に成型した後のステープルは非断面状態で示している。
図29(a)は、ステープラ1の待機状態における各ステープル3、逆止バネ59及び送りツメ44を示している。ステープル3aは、図28と同様に、連結ステープル2の端部のステープル3であり、フォーミングプレート15の下方で受け台部13c上に位置する。ステープル3bはステープル3aのステープル装填部側の隣に位置するステープル3であり、ステープル3cは、コ字状に成型され、ドライバ18の下方に位置するステープル3である。なお、図29(b)以降においては、ステープル3cは表示していない。
図29(b)は、送りツメ44が後方に移動している状態を示している。図29(c)は、切断刃49によりステープル3aとステープル3bとの連結部を切断している状態を示している。図29(d)は、フォーミングプレート15によりステープル3aを成型している状態を示している。図29(e)は、送りツメ44により連結ステープル2を移動させると共に、プッシャ17のステープル押し部17aによりステープル3cを前方へ移動させる状態を示している。
図29(a)に示すステープラ1の待機状態から、ハンドル5が押し下げられることにより、ドライバ18が下降してリンク57が回転し、プッシャ17が後方へ移動する。これにより、図29(b)及び(c)に示すように、送りツメ44が回転して後方に移動し、送りツメ44の引っ掛かり部44Aが、ステープル3aとステープル3bの間の連結部から外れ、ステープル3bとステープル3dの間の連結部に引っ掛かった状態となる。
ここで、図28に示すように、ステープル3bは逆止めバネ59の第2逆止バネ59bにより、搬送路13に対して押さえつけられている。このため、ステープル3bが搬送路13から浮き上がることを防ぎ、送りツメ44の引っ掛かり部44Aを、ステープル3bとステープル3dとの連結部に確実に引っ掛けることが可能となる。
また、図29(a)から(c)に示す間、ドライバ18により押し下げられることにより、フォーミングプレート15が下降する。ドライバ18によるフォーミングプレート15の押し下げについての詳細は後述する。切断刃49を備えるフォーミングプレート15が連結ステープル2に対して下降することにより、切断刃49によりステープル3aとステープル3bとの連結部が切断される。図30は切断刃49によるステープル3の切断を時系列で示した説明図である。
図30(a)から(c)に示すように、二つの切断刃49がステープル3に対して下降することにより、二つの切断刃49の刃先49aで各ステープル連結部34が切断される。ここで、ステープル3aとステープル3bとの間の各ステープル連結部34に対して、各刃先49aが、ステープル3の長手方向の中心側から外方に向けてそれぞれ反対方向に押し当てられ、各ステープル連結部34が切断される。これにより、各ステープル連結部34の切断時には、ステープル3aとステープル3bとに、各ステープル3の長手方向に、各刃先49aにより反対向きの力が同時に加えられた状態となる。
図30(c)でステープル3aとステープル3bのステープル連結部34を切断した後、フォーミングプレート15が更に下降することによりステープル3aのコ字状への成型が行われる。図31及び図32は、受け台部13cとフォーミングプレート15によるステープル3の成型を時系列で示した説明図である。
図31(a)から図32(a)に示すように、受け台部13cに設置され隣接するステープル3から切り離されたステープル3aに対して、フォーミングプレート15が下降し、受け台部13cとステープル成型部15aが嵌合する。これにより、ステープル3aは、クラウン部35とクラウン部35から直角に折り曲げられた脚部36が形成されるようにコ字状に成型される。
また、図32(a)に示すようにステープル3aをコ字状に成型した後、ドライバ18が上昇することにより、フォーミングプレート15も上昇する。ドライバ18とフォーミングプレート15の上昇についての詳細は後述する。ここで図32(b)及び(c)に示すように、フォーミングプレート15が上昇する際には、コ字状に成型されたステープル3aの両脚部36がヒラキオサエ15cにより押さえられる。図33は上昇したフォーミングプレート15のヒラキオサエ15cによりステープル3aの両脚部36を保持した状態を示す斜視図である。このように、ヒラキオサエ15cにより両外側から保持することにより、スプリングバックによりステープル3aの両脚部36が開くことが防がれる。これにより、ステープル3aをコ字状に成型した後のスプリングバックによる影響を抑え、次の工程を高精度に行うことが可能になる。
フォーミングプレート15が上昇して、ヒラキオサエ15cによりコ字状のステープル3aの両脚部36を保持した状態となった後、ドライバ18が更に上昇してリンク57が回転し、プッシャバネ16により付勢されたプッシャ17が前方に移動する。これより、図29(e)の矢印lに示すように、送りツメ44で連結ステープル2が前方に移動すると共に、矢印kに示すように、図示しないステープル押し部17aによりステープル3aが前方に押し出される。
図34及び図35は、プッシャ17のステープル押し部17aによるステープル3の押し出し方法を示す説明図である。図34に示すように、プッシャ17が前方に移動することにより、ステープル押し部17aによりコ字状のステープル3がフォーミングプレート15内からドライバ18の二つの抜き刃51の間に押し出される。この時、ステープル押し部17aによるステープル3aの押し出しは、図35に示すように、ステープル押し部17aに設けられた四つの突起部17aaにより、ステープル3の両脚部36の背面側の上部及び下部を押すことにより行われる。
これにより、ステープル3aが大きく傾くことなく、フォーミングプレート15内からドライバ18の二つの抜き刃51の間にステープル3の移動が行われる。よって、ステープル3のフォーミングプレート15内からドライバ18の二つの抜き刃51の間への移動を高精度に行うことが可能となる。
(5)ステープル折り曲げ部の構成例
次に、ステープル貫通部により綴じ用紙に貫通されたステープル3の両脚部36を綴じ用紙37に沿って折り曲げ、綴じ用紙37と一方の脚部36の接着部31、及び一方の脚部36と他方の脚部36とをそれぞれ貼り合わせるステープル折り曲げ部の構成例について説明する。
図36及び図37はステープル折り曲げ部の一部の構成を示す説明図である。図36はステープル折り曲げ部の一部の構成を示す斜視図である。図37(a)は、ステープル折り曲げ部の一部の構成を上方から見た状態を示す平面図である。図37(b)はステープル折り曲げ部の一部の構成を示す断面図であり、図37(a)のV−V断面を示している。図37(c)は、ステープル折り曲げ部の一部の構成を下方から見た状態を示す平面図である。
図36及び図37に示すように、ステープル折り曲げ部は、フレーム8の底部である折り曲げ部設置台21に取り付けられたクリンチャユニット23、二つの押し出しユニット24、及びスライダ26を備えて構成される。まずクリンチャユニット23の構成について説明する。
クリンチャユニット23は、隣り合った2面が開放した直方体状のクリンチャホルダ23aと、クリンチャシャフト23bでクリンチャホルダ23aに回動可能に取り付けられたクリンチャレフト60、クリンチャセンター27及びクリンチャライト61とを備えて構成される。
クリンチャレフト60とクリンチャライト61は互いに左右対称となる形状を有し、それぞれクリンチャホルダ23aから突出した折り曲げ部、折り曲げ部を備え、クリンチャセンター27を挟んだ状態でクリンチャホルダ23aに取り付けられる。またクリンチャセンター27は、クリンチャホルダ23aから突出した、貼り合わせ部を有する。
また、クリンチャレフト60とクリンチャセンター27、及びクリンチャライト61とクリンチャセンター27との間には、それぞれ図示しないネジリコイルバネが備えられている。これにより、クリンチャレフト60はクリンチャセンター27に対して上方に付勢され、クリンチャライト61はクリンチャセンター27に対して上方に付勢された状態となる。
また、クリンチャセンター27の左右に設けられた図示しない溝部、及びクリンチャレフト60、クリンチャライト61にそれぞれ設けられた、クリンチャセンター27左右の溝部に係合する図示しない凸部により、クリンチャセンター27に対するクリンチャレフト60の上死点、及びクリンチャセンター27に対するクリンチャライト61の上死点が定まる。ここでステープラ1においては、例えば、クリンチャセンター27に対するクリンチャライト61の上死点が、クリンチャセンター27に対するクリンチャレフト60の上死点より高い位置となる。即ち、ステープラ1の待機状態においては、クリンチャライト61の折り曲げ部61aが、クリンチャレフト60の折り曲げ部60aに対して高い位置にある。
また、折り曲げ部設置台21のクリンチャユニット23が設置される箇所には、図37(a)及び(b)に示すようにクリンチャ孔部23cが形成されている。更に、図37(b)に示すように、クリンチャセンター27には長孔27bが備えられている。ここで図4に示すように、ステープラ1は、折り曲げ部の一部としてベース9に、クリンチャセンター27を支持して位置を定めるクリンチャリフタ28を備えている。クリンチャリフタ28は上下方向にベース9に応じた長さを有し、上端部にはクリンチャセンター27の長孔27bと係合する凸部を備える。
図4の矢印Jに示すように、フレーム回動軸12でフレーム8がベース9に対して回転することにより、クリンチャリフタ28の凸部のクリンチャセンター27の長孔27b内の位置が変化して、クリンチャセンター27の位置が定められる。同時に、クリンチャセンター27に対してネジリコイルバネにより付勢されているクリンチャレフト60及びクリンチャライト61の位置も定まる。
次に、押し出しユニット24の構成について説明する。図36に示す、折り曲げ部設置台21に取り付けられた二つの押し出しユニット24は同一の構成を備えるものである。また各押し出しユニット24は、ドライバ18に対応した位置に設置される。図38は、押し出しユニット24の構成を示す説明図である。図38(a)、(b)は、後述するカム24a及び押し出しプッシャ24bが待機位置にある状態を示している。図38(c)、(d)は、後述するカム24a及び押し出しプッシャ24bが押し出し位置にある状態を示している。また、図38の(a)から(d)はそれぞれ押し出しユニット24の斜視図である。
図38に示すように、押し出しユニット24は、コ字状の形状を有する押し出しユニットベース24c、カム24a及び押し出しプッシャ24bを備えて構成される。カム24aは、くの字状の形状を有するくの字部24dを両端に備え、押し出しユニットベース24c内で、カムシャフト24eにより押し出しユニットベース24cに図38(a)の矢印に示すように回動可能に取り付けられている。
押し出しプッシャ24bは直方体状の形状を備え、ダブルトーションバネ24fの上端部に取り付けられる。ダブルトーションバネ24fは、ダブルトーションバネシャフト24gにより押し出しユニットベース24cに回動自在に取り付けられる。これにより、押し出しプッシャ24bは図38(b)の矢印に示す方向に付勢された状態となる。また、押し出しプッシャ24bは、ダブルトーションバネ24fにより付勢される方向に薄板の円弧状の押し出し部24baを備える。この押し出し部24baは、図26に示す抜き刃51の押し出し孔51cに挿通可能な形状を備える。
押し出しプッシャ24bが、図38(a)、(b)に示す待機位置にある状態において、図38(b)の矢印の向きにカム24aを回転させることにより、ダブルトーションバネ24fにより付勢された押し出しプッシャ24bは、図38(c)、(d)に示すように押し出し位置に移動する。反対に、押し出しプッシャ24bが、押し出し位置にある状態において、図38(d)の時計回りにカム24aを回転させることにより、ダブルトーションバネ24fがカム24aに押され、押し出しプッシャ24bは待機位置に移動する。
次に、スライダ26の構成例について説明する。図39は、スライダ26の構成例を示す説明図である。図39(a)はスライダ26を斜め前方から見た状態を示す斜視図であり、図39(b)はスライダ26を斜め後方から見た状態を示す斜視図である。
図39に示すように、スライダ26は、直方体状の形状を有し、両端より前方に向けて伸びたスライダアーム26a及びスライダアーム26bを備える。スライダアーム26aは前端部にアーム斜面A26aa及びアーム斜面B26abを備える。アーム斜面A26aaはスライダ26の内側で、且つ下側及び前側を向いた角度に形成される。アーム斜面B26abはスライダ26の内側で、且つ上側及び後ろ側を向いた角度に、アーム斜面A26aaの後部に形成される。
スライダアーム26bもスライダアーム26aと同様に、前端部にアーム斜面A26ba及びアーム斜面B26bbを備える。アーム斜面A26baはスライダ26の内側で、且つ下側及び前側を向いた角度に形成される。アーム斜面B26bbはスライダ26の内側で、且つ上側及び後ろ側を向いた角度に、アーム斜面A26baの後部に形成される。
また、スライダ26は、後端部の近傍にスライダシャフト63が挿通されるスライダシャフト孔26cを備え、図37(a)の矢印及び図37(b)の矢印nに示すように、前後に摺動可能に取り付けられている。ステープラ1が組み立てられた状態では、図2に示すように、スライダシャフト63はフレーム8の長孔64内に位置した状態となる。ここで、ハンドル5が押し下げられてドライバ本体部18aが下降することにより、図2の矢印Eに示す方向にリンク57が回転し、リンク57の下端部に設けられた突起部57cがスライダシャフト63と係合してスライダシャフト63を後方に押し下げることより、スライダ26が後方へ移動される。
更に、スライダ26は、背面部にスライダバネ25が設置されるスライダバネ穴26dを備えており、ステープラ1が組み立てられた状態ではスライダバネ25により折り曲げ部設置台21に対して前方に付勢された状態となる。また、図37(b)及び図37(c)に示すように、折り曲げ部設置台21のスライダ26の下部には、所定の大きさのスライダ孔部23bが形成される。
次に、押し出しユニット24とクリンチャユニット23の動作の関係について説明する。図36及び図37に示すように、クリンチャレフト60の折り曲げ部、クリンチャセンター27の貼り合わせ部及びクリンチャライト61の折り曲げ部が上下する箇所を挟んだ位置に、各押し出しユニット24は配置される。各押し出しユニット24の押し出しプッシャ24bが押し出し位置にある状態で、クリンチャレフト60、クリンチャセンター27及びクリンチャライト61が図37(b)の矢印に示す方向に回転することにより、クリンチャレフト60及びクリンチャライト61により各押し出しユニット24くの字部24dが押し上げられてカム24aが回転し、押し出しプッシャ24bが待機位置に移動する。
次に、押し出しユニット24とスライダ26の動作の関係について説明する。図36及び図37に示す状態では、各押し出しユニット24の押し出しプッシャ24bが待機位置にあり、スライダ26のスライダアーム26a、26bの前端部が各押し出しユニット24の二つのくの字部24dの間にある。この状態から、スライダ26が後方に移動することにより、スライダアーム26aのアーム斜面B26ab及びスライダアーム26bのアーム斜面B26bbが、各押し出しユニット24の後方に位置するくの字部24dに当接してカム24aが回転し、押し出しプッシャ24bが押し出し位置に移動する。
また、各押し出しユニット24の押し出しプッシャ24bが待機位置にあり、スライダ26のスライダアーム26a、26bの前端部が各押し出しユニット24の二つのくの字部24dの間から外れて後方にある状態から、スライダ26を前方に移動した際には、スライダアーム26aのアーム斜面A26aa及びスライダアーム26bのアーム斜面A26baが、各押し出しユニット24の後方に位置するくの字部24dに当接してスライダアーム26a、26bが両側に広がり、スライダ26のスライダアーム26a、26bの前端部が各押し出しユニット24の二つのくの字部24dの間に位置した状態となる。
(6)その他ベース部の構成例
次に、ベース9の他の構成について説明する。ステープラ1は、スライダ26を支えるスライダ受け29を備える。このスライダ受け29は、折り曲げ部設置台21のスライダ孔部23dに対応した位置に備えられており、ステープラ1の待機状態においては、図4に示すように、スライダ26を支えた状態となる。ハンドル5が押し下げられてスライダ26が後方に移動することにより、スライダ26はスライダ受け29から外れた状態となる。
また、図4に示すように、ステープラ1は、ベース9に折り曲げ部設置台21を支えるリターンバネ22を備える。このリターンバネ22により、折り曲げ部設置台21は、フレーム回動軸12で図4の時計回りに付勢された状態となる。
<第2のステープラの構成例>
次に、第2のステープラ1’の構成について説明する。図40は第2の例のステープラ1’のステープルカバー6’の構成を示す斜視図であり、図41はステープル1’の側面図である。第2の例のステープラ1’は、図40に示すステープルカバー6’を備える。ステープルカバー6’は、ステープルカバー6と同様に、回動軸孔6a’でフレーム8のハンドル・ステープルカバー回動軸10に回動自在に取り付けられ、板バネ14で固定されて搬送路13に設置された連結ステープル2を押さえつけるものである。
図40に示すように、ステープルカバー6’は、回動軸孔6a’の逆側の端部近傍にベルトコンベア70を備える。ベルトコンベア70は、ローラA回動軸74で回動自在に取り付けられたローラA72aと、ローラB回動軸75で回動自在に取り付けられたローラB72bを備える。更にベルトコンベア70は、ローラA72aとローラB72bに取り付けられたベルト73を備える。また、ローラA回動軸74の両端にはギア71が取り付けられ、ステープルカバー6’の本体に対して回動自在となる。
更にステープル1’は、図41に示すように、ラック57kを有するリンク57’を備える。ステープルカバー6’が板バネ14で固定された状態では、ギア71とラック57kが接した状態となる。ここで例えば、ギア71とラック57kはラチェット機構となっており、ハンドル5を下方に押し下げてドライバ18を下方へ移動させ、リンク57’が矢印E’の反対方向へ移動する際には、ギア71とラック57kは噛み合わず、ギア71は回転しない。逆に、ドライバ18が上方へ移動し、リンク57’が矢印E’の方向へ移動する際には、ギア71とラック57kは噛み合い、ギア71が矢印rで示す方向に回転する。
また、ギア71とラック57kとがラチェット機構を備えずに、ギア71にワンウェイ機構を備えることにより、ハンドル5が下方に押し下げられてリンク57’が矢印E’の反対方向へする際にはギア71は回転せず、ドライバ18が上方へ移動してリンク57’が矢印E’の方向へ移動する際には、ギア71が矢印rで示す方向に回転するとしてもよい。
図42は、ベルトコンベア70により、連結ステープル2を搬送する状態を示す説明図である。リンク57’が図41の矢印E’の方向に移動し、ギア71が矢印rで示す方向に回転することにより、図42の矢印oに示す方向にローラA72a及びローラB72bが回転する。これにより、矢印qに示す方向にベルト73が移動し、矢印pに示す方向に連結ステープル2が搬送される。
ステープラ1’はステープラ1と異なり、プッシャ17に送りツメ44を備えない構成である。ステープルカバー6’、リンク57’及びプッシャ17以外のステープラ1’の構成は、ステープラ1と同じである。
次に、他の例の第2のステープラ1’’の構成について説明する。図43は、ステープラ1’’の側面図である。ステープラ1’’は、左右の両側面に、ハンドル5に取り付けられた直線状のラック76を備える。ラック76は、ギア71と接した状態となる。またラック76は、矢印sに示す方向へ図示しないバネにより付勢される。ここで例えば、ギア71とラック76はラチェット機構となっており、ハンドル5と共にラック76が押し下げられる際には、ギア71とラック76は噛み合わず、ギア71は回転しない。逆に、ラック76が上方へ移動する際には、ギア71とラック76は噛み合い、ギア71が矢印r’で示す方向に回転する。
また、ギア71とラック76とがラチェット機構を備えずに、ギア71にワンウェイ機構を備えることにより、ハンドル5が下方に押し下げられる際にはギア71は回転せず、ドライバ18が上方へ移動する際には、ギア71が矢印r’で示す方向に回転するとしてもよい。
これにより、図42の矢印oに示す方向にローラA72a及びローラB72bが回転し、矢印qに示す方向にベルト73が移動して矢印pに示す方向に連結ステープル2が搬送される。
図41及び図43に示す例では、ローラ72により回転されるベルト73により連結ステープル2の搬送を行うとした。しかし、ベルト73を備えず、単数又は複数のローラ72により連結ステープル2の搬送を行うとしてもよい。
ステープラ1’及びステープラ1’’は、ベルト73と連結ステープル2との摩擦力により連結ステープル2を搬送するものである。これにより、連結ステープル2を精度良く、確実に搬送することが可能となる。
<ステープラの動作例>
次に、連結ステープル2を用いたステープラ1による綴じ用紙37の綴じ動作について説明する。以下では、ステープラ1による綴じ動作について説明するが、ステープラ1’及びステープラ1’’でも同様の方法により綴じ動作が行われる。図44から図50はステープラ1によりステープル3を用いて綴じ用紙37を綴じる動作を示す断面図である。図44から図50は、各状態におけるステープラ1を図3のH−H断面で示している。
以下において、図面を参照しながら、ステープラ1によりステープル3を用いて綴じ用紙37を綴じる動作について説明する。図44は、待機状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。
図44に示すステープラ1の待機状態では、ステープラ1の各部は以下のような状態となる。ステープラ1の待機状態では、ステープルホルダ11内にロール状ステープル4が装填され、図10に示すように、ロール状ステープル4から引き出された連結ステープル2が剥離紙30を剥がされた状態で搬送路13上に設置される。また、連結ステープルから剥がされた剥離紙30は、剥離紙排出経路40を通じてステープラ1の後部に設けられた剥離紙排出口39から排出された状態に設置される。
また、フォーミングプレート15の下部である搬送路13の受け台部13cには、連結ステープル2の端部のステープル3Aが位置している。更にドライバ18の抜き刃51内には、コ字状に成型されたステープル3Cが位置している。
また、ステープラ1の待機状態では、用紙押さえ19は、引っ張りバネ55によりフレーム8に対して上方へ付勢され、凸部A19f及び側溝A54で定まる上端部に位置している。ドライバ18はネジリコイルバネ56により、用紙押さえ19に対して上方へ付勢され、凸部B18g及び側溝B53で定まる上端部に位置している。フォーミングプレート15はドライバ18の突き出しピン18dにより、凸部C15d及び側溝C50で定まる上端部に位置している。
更に、ステープラ1の待機状態では、プッシャ17はプッシャバネ16より前方へ付勢され、ステープル押し部17aがドライバ18の抜き刃51に当てついた状態となる。また、スライダ26はスライダバネ25により前方へ付勢され、ベース9に備えられるスライダ受け29に載った状態となる。
また、ステープラ1の待機状態では、フレーム8の底部となる折り曲げ部設置台21が、ベース9のリターンバネ22により上方へ付勢され、折り曲げ部設置台21の前端部が、ベース9に固定されたシャフト64に当てついた状態となる。
図45は、用紙押さえ19がテーブル20上へ設置され、フォーミングプレート15の作動が開始された状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。図44に示す待機状態から、ハンドル5が押し下げられることにより、ハンドル・ステープルカバー回動軸10でハンドル5が図45の反時計回りに回動し、ドライバプッシャ66によりドライバ18が押し下げられる。
これにより、ドライバ18が押し下げられることにより、ネジリコイルバネ56により付勢された用紙押さえ19も下方に押し下げられ、図45に示すように、テーブル20上の綴じ用紙37が用紙押さえ19の用紙押さえ部19dに押さえられた状態となる。
また、ドライバ18に取り付けられた抜き刃51が、テーブル20上に設置され用紙押さえ19により押さえられた綴じ用紙37に貫通される。
また、ドライバ18が更に押し下げられることにより、図2の矢印Eに示す方向にリンク57が更に回転し、長孔57aに係合したプッシャシャフト58が後方へ押され、プッシャ17が後方に更に移動する。これにより、図14に示すフォーミングプレート15に下端部15dが、プッシャ17のL字型アーム17dから外れた状態となる。この時、プッシャ17に取り付けられた送りツメ44の連結ステープル2の送り孔32に対する係合が外れて、送りツメ44は後方へ移動する。
更に、ドライバ18の突き出しピン18dは、フォーミングプレート15のV溝A46内を移動し、V溝A46の下端部46aに到達する。ドライバ18の突き出しピン18dが、V溝A46の下端部46aに到達後、ドライバ18が更に下降することにより、突き出しピン18dがV溝A46の下端部46aに係合した状態で、ドライバ18共にフォーミングプレート15は下降を開始する。
図46は、ステープル3aが切断され、スライダ26の移動が開始され、ステープル3の成型が開始された状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。図45に示す状態から、更にハンドル5が押し下げられることにより、ハンドル・ステープルカバー回動軸10でハンドル5が図46の反時計回りに回動し、ドライバプッシャ66によりドライバ18が更に押し下げられる。これにより、図46に示すように、ドライバ18に取り付けられた抜き刃51が、テーブル20上に設置され用紙押さえ19により押さえられた綴じ用紙37に、更に貫通される。
また、ドライバ18が下降することにより、突き出しピン18dがV溝A46の下端部46aに係合した状態で、ドライバ18共にフォーミングプレート15は下降する。これにより、図30に示すように、連結ステープル2の端部に位置するステープル3aと連接するステープル3bとのステープル連結部34が、フォーミングプレート15に取り付けられた切断刃49により切断される。
また、突き出しピン18dがV溝A46の下端部46aに係合した状態で、ドライバ18共にフォーミングプレート15が下降する。これにより、図31に示すように、フォーミングプレート15のステープル成型部15aにより、受け台部13cに設置されたステープル3aの成型が開始される。
更に、ドライバ18が押し下げられることにより、図2の矢印Eに示す方向にリンク57が回転し、リンク57の突起部57cと係合したスライダシャフト63と共にスライダ26が後方に移動する。これにより、スライダ26のスライダアーム26a及びスライダアーム26bが、それぞれ各押し出しユニット24の後側に位置するくの字部24dと当接し図38(b)の矢印に示すようにカム24aが回転する。これにより、各押し出しユニット24の押し出しプッシャ24bが待機位置から押し出し位置の方向へ回転する。これにより、各押し出しプッシャ24bの押し出し部24baが、綴じ用紙37に貫通された抜き刃51の外側の面に当接した状態となる。
図47は、ステープル3aの成型が完了した状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。図46に示す状態から、更にハンドル5が押し下げられることにより、ハンドル・ステープルカバー回動軸10でハンドル5が図47の反時計回りに回動し、ドライバプッシャ66によりドライバ18が更に押し下げられる。これにより、図47に示すように、ドライバ18に取り付けられた抜き刃51が、テーブル20上に設置され用紙押さえ19により押さえられた綴じ用紙37に更に貫通され、抜き刃51内に位置しているステープル3Cの両脚部36が、綴じ用紙37に貫通される。
また、ドライバ18が下降することにより、突き出しピン18dがV溝A46の下端部46aに係合した状態で、ドライバ18と共にフォーミングプレート15が下降する。これにより、フォーミングプレート15の下端部15dがフレーム8の所定の箇所に接して、フォーミングプレート15がフレーム8に対して下降しない位置まで、フォーミングプレート15が下降する。これにより、図29(d)及び図32(a)に示すように、フォーミングプレート15のステープル成型部15aにより、受け台部13cに設置されたステープル3aが、クラウン部35と両脚部36を有するコ字状に成型される。
また、ドライバ18が更に押し下げられることにより、図2の矢印Eに示す方向にリンク57が更に回転し、リンク57の突起部57cと係合したスライダシャフト63と共にスライダ26が更に後方に移動する。
図48は、ステープル3Cの貫通が完了し、スライダ受け29からスライダ26が外れた状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。図47に示す状態から、更にハンドル5が押し下げられることにより、ハンドル・ステープルカバー回動軸10でハンドル5が図48の反時計回りに回動し、ドライバプッシャ66によりドライバ18が更に押し下げられる。これにより、図48に示すように、ドライバ18に取り付けられた抜き刃51が、テーブル20上に設置され用紙押さえ19により押さえられた綴じ用紙37に更に貫通され、抜き刃51内に位置しているステープル3Cの両脚部36が、綴じ用紙37に完全に貫通される。
また、各ダブルトーションバネ24fにより付勢され、各抜き刃51の外側の面に当接した状態の各押し出しプッシャ24bの押し出し部24baが、各抜き刃51の押し出し孔51c内に挿通する。これにより、ステープル3aの両脚部36が、各押し出し部24baにより内側へ押されて折り曲げられることにより、各抜き刃51から離れた状態となる。
また、ドライバ18が下降することにより、突き出しピン18dがV溝B47からV溝B48内に移動する。更に、図2の矢印Eに示す方向にリンク57が更に回転し、リンク57の突起部57cと係合したスライダシャフト63と共にスライダ26が更に後方に移動することにより、図48に示すように、スライダ26がスライダ受け29から外れた状態となる。更に、スライダアーム26a及び26bの前端部が、各押し出しユニット24の各くの字部24dの間から、後方へ外れた状態となる。
図49は、ステープル3Cのクリンチが完了した状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。図48に示す状態から、更にハンドル5が押し下げられることにより、フレーム回動軸12でフレーム8がベース9に対して図49の反時計回りに回動し、図49に示すように、フレーム8の底辺部である折り曲げ部設置台21がベース9に接した状態となる。なお、折り曲げ部設置台21がベース9に接した状態から、ハンドル5を更に押し下げることはできない。
これにより、クリンチャリフタ28により、クリンチャセンター27が、クリンチャシャフト23bで回動してクリンチャホルダ23aに対して上方へ持ち上げられた状態となる。クリンチャセンター27がクリンチャホルダ23aに対して上方へ持ち上げられることにより、ネジリコイルバネによりクリンチャセンター27に対して上方に付勢されたクリンチャレフト60及びクリンチャライト61も、クリンチャシャフト23bで回動してクリンチャホルダ23aに対して上方へ持ち上げられる。
ここで、クリンチャライト61は、クリンチャレフト60よりもクリンチャセンター27に対する上死点が上方に設けられている。このため、クリンチャセンター27がクリンチャシャフト23bで回動して上方へ持ち上げられることにより、クリンチャライト61によりステープル3aの右側の脚部36が内側に綴じ用紙37に沿って内側に完全に折り曲げられて保持された状態となる。
その後、クリンチャセンター27がクリンチャシャフト23bで回動して上方へ更に持ち上げられることにより、クリンチャレフト60によりステープル3aの左側の脚部36が内側に綴じ用紙37に沿って内側に完全に折り曲げられて保持された状態となる。
その後、クリンチャセンター27がクリンチャシャフト23bで回動して上方へ更に持ち上げられることにより、図49に示すように、ステープル3Cの両脚部36の重なり部が、クリンチャセンター27の先端の貼り合わせ部で押さえられた状態となる。これにより、図8(c)に示すように、ステープル3aの左側の脚部36の接着部31と右側の脚部36、及び右側の脚部36の接着部31と綴じ用紙37が、それぞれ貼り合わされた状態となる。
図50は、フレーム8のリターンが完了し、ドライバ18のリターンが開始された状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。図49に示す状態から、使用者がハンドル5の押し下げを解除することにより、まず、図4に示すベース9に備えられたリターンバネ22により、フレーム回動軸12で、フレーム8がベース9に対して図50の時計回りに回動する。
これにより、折り曲げ部設置台21の前端部が、ベース9と固定されたシャフト64と当接し、フレーム8とベース9が、図44に示す待機状態と同じ位置関係となる。また、クリンチャリフタ28により、クリンチャセンター27がクリンチャホルダ23aに対して引き下げられ、クリンチャホルダ23aと、クリンチャレフト60、クリンチャセンター27及びクリンチャライト61が、図44に示す待機状態と同じ位置関係となる。
また、リターンバネ22により、フレーム回動軸12でフレーム8が回動し、折り曲げ部設置台21の前端部がシャフト64と当接した後、図13(b)に示すドライバ18と用紙押さえ19の間に設けられたネジリコイルバネ56により、ドライバ18の上方への移動が開始する。
図51は、プッシャ17のリターン直前の状態におけるステープラ1の各部の状態を示す説明図である。図50に示す状態から、まず、ネジリコイルバネ56により、ドライバ18が上方へ移動する。
これにより、突き出しピン18dがV溝B48内を上方へ移動し、V溝B48の上端部で突き出しピン18dが係合した状態となり、ドライバ18の上方への移動と共にフォーミングプレート15も上方への移動を開始する。
また、ドライバ18が上方へ移動することにより、リンク57が図2の矢印Eの反対方向へ回転する。これにより、スライダシャフト63を後方へ押さえていたリンク57の突起部57cが矢印Eの反対方向へ移動し、スライダバネ25で付勢されたスライダ26が前方へ移動を開始する。
その後、突き出しピン18dがV溝B48内の上端に係合した状態で、ドライバ18が上方へ移動する共にフォーミングプレート15も上方へ移動する。これにより、図32(b)に示すように、ステープル3aの両脚部36の先端部が、フォーミングプレート15のヒラキオサエ15cにより保持された状態となる。
また、ドライバ18が上方へ移動することにより、リンク57が図2の矢印Eの反対方向へ更に回転し、スライダシャフト63を押さえているリンク57の突起部57cが矢印Eの反対方向へ更に移動し、スライダバネ25で付勢されたスライダ26が前方へ更に移動する。
その後、突き出しピン18dがV溝B48内の上端に係合した状態で、ドライバ18が上方へ移動する共にフォーミングプレート15が上端部まで移動する。これにより、図32(c)に示すように、ステープル3aの両脚部36の先端部が、フォーミングプレート15のヒラキオサエ15cにより完全に保持された状態となる。
その後、ドライバ18が上方へ移動することにより、突き出しピン18dがV溝B48からフラット部47を超えて、V溝A46内を上方へ移動する。また、ドライバ18が上方へ移動することにより、リンク57が図2の矢印Eの反対方向へ更に回転し、スライダシャフト63を押さえているリンク57の突起部57cが矢印Eの反対方向へ更に移動し、スライダバネ25で付勢されたスライダ26が、図44で示す待機状態と同じ位置まで移動する。
更に、プッシャシャフト58を押さえているリンク57の長孔57aが移動することにより、プッシャバネ16で付勢されたプッシャ17が前方へ移動を開始する。これにより、図29(e)に示すように、送りツメ44により連結ステープル2が前方へ搬送される。この時、図10に示すように、ステープルホルダ11内に装填されたロール状ステープル4から引き出された連結ステープル2から、剥離ブロック38により、剥離紙30が剥離される。また、剥離された剥離紙30は剥離紙排出経路40を経由して剥離紙排出口39から排出される。また、図29(e)に図示しないプッシャ17のステープル押し部17aによりステープル3aがドライバ18の各抜き刃51の間へ押し出される。
更にその後、ドライバ18が上方へ移動することにより、突き出しピン18dがV溝A46内を上方へ所定の位置まで移動する。ネジリコイルバネ56により、ドライバ18が所定の位置まで上昇した後、図4に示す、フレーム8と用紙押さえ19との間に備えられた引っ張りバネ55により、用紙押さえ19及びドライバ18のフレーム8に対する上方への持ち上げが開始される。
更に、ドライバ18が上方へ移動することにより、リンク57が図2の矢印Eの反対方向へ更に回転し、プッシャシャフト58を押さえているリンク57の長孔57aが移動することにより、プッシャバネ16で付勢されたプッシャ17が、図44で示す待機状態と同じ位置まで移動する。
以上のようなステープラ1の各部の動作より、用紙挿入口内のテーブル20に設置された綴じ用紙37が、ステープル3aにより綴じられる。
本発明のステープラ1、1’及び1’’では、図8に示すように、孔等の切り欠け部のないステープル3が連結された連結ステープル2を用いることができる。これにより、強度の高いいステープル3を使用することができる。また、切り欠け部がないことから、綴じ用紙37に対する貫通性の高いステープル3を使用することができる。更に、切り欠け部がないことから、見栄えが良く、名入れ用の印刷スペースを有するステープル3を使用することができる。
1,1’,1’’・・・ステープラ、2・・・連結ステープル、3・・・ステープル、4・・・ロール状ステープル、5・・・ハンドル、6,6’・・・ステープルカバー、7・・・用紙挿入口、8・・・フレーム、9・・・ベース、10・・・ハンドル・ステープルカバー回動軸、11・・・ステープルホルダ、12・・・フレーム回動軸、13・・・搬送路、13a・・・搬送路溝、14・・・板バネ、15・・・フォーミングプレート、15a・・・ステープル成型部、15c・・・ヒラキオサエ、16・・・プッシャバネ、17・・・プッシャ、18・・・ドライバ、19・・・用紙押さえ、20・・・テーブル、21・・・折り曲げ部設置台、22・・・リターンバネ、23・・・クリンチャユニット、24・・・押し出しユニット、25・・・スライダバネ、26・・・スライダ、27・・・クリンチャセンター、28・・・クリンチャリフタ、29・・・スライダ受け、30・・・剥離紙、31・・・接着部、32・・・送り孔、33・・・スリット部、34・・・ステープル連結部、35・・・クラウン部、36・・・脚部、37・・・綴じ用紙、38・・・剥離ブロック、39・・・剥離紙排出口、40・・・剥離紙排出経路、41・・・搬送路部、42・・・プッシャ受け、43・・・搬送路設置台、44,44’,44’’・・・送りツメ、46・・・V溝A、47・・・フラット部、48・・・V溝B、49・・・切断刃、51・・・抜き刃、52a、52b・・・切り込み孔、55・・・引っ張りバネ、56・・・ネジリコイルバネ、57,57’・・・リンク、58・・・プッシャシャフト、59・・・シャフト、60・・・クリンチャレフト、61・・・クリンチャライト、63・・・スライダシャフト、66・・・ドライバプッシャ、70・・・ベルトコンベア、71・・・ギア、73・・・ベルト