JP4952052B2 - 親水性被膜及びその被膜の形成方法 - Google Patents
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Description
幅が50mm、長さが100mmで厚さが0.1mmに切り出した市販のアルミニウム平板(合金No#1070)を基材とした。第1層としてホタテ貝を約800℃で焼成した焼成カルシウム(日本天然素材株式会社製)を用いた。この貝殻焼成カルシウムの粒子径を約3μmに粉砕した後、貝殻焼成カルシウム10wt%にノニオン系界面活性剤3wt%、イソプロピルアルコールを87wt%添加してアルミナボールミルで約4時間分散混合させて貝殻焼成カルシウムの懸濁液を調製した。この懸濁溶液をエタノールで固形分濃度2.5wt%に調製したものを塗布液とし、これの入った浸漬用バスに上記のアルミニウム基板を室温で約3分間浸漬した後、引き上げた。この後、120℃で1時間乾燥させた。
(1) 耐酸性試験: ガラス製の1Lビーカーに0.5wt%塩酸溶液をいれ、その中に試料を浸漬し、室温で24時間放置した。時間の経過後試料を流水により洗浄し、表面状態の目視観察により判断した。評価は全く変化の見られないものを○、クラックや剥離を認められるものを×とし、その中間を△とした。
(2) 水割れ試験: 蒸留水を入れたビーカーに試料を約10秒間浸漬し、速やかに引き上げた際の水の切れ方を評価した。水滴が全く見られず全面水膜で覆われるものを○、数秒後に水膜がハジキ、水膜が割れる状態が認められるものを×とし、部分的に水滴が残る中間的なものを△とした。
(3) 濡れ拡がり性試験: 試料の表面にマイクロシリンジで5μLの蒸留水を滴下し、5秒後における水滴の拡がり直径をノギスで測定した。5秒後の水滴の直径が8mm以上を○、4mm以上8mm未満を△、4mm未満を×とした。
(4)耐久性試験 親水性の加速試験として被膜の煮沸浸漬試験を行った。サンプルを沸騰した蒸留水に24時間浸漬し、槽より取り出し、ついで80℃で2時間乾燥させ、室温に冷却した上で外観変化及び前記の濡れ拡がり性の評価を行った。
[実施例2]
幅が50mm、長さが100mmで厚さが0.1mmに切り出した市販の銅板を基材とした。第1層としてホタテ貝を約600℃で焼成した焼成カルシウム(日本天然素材株式会社製)を用いた。この貝殻焼成カルシウムの粒子径を約5μmに粉砕した後、貝殻焼成カルシウム10wt%にノニオン系界面活性剤3wt%、イソプロピルアルコールを20wt%、純水67wt%添加してアルミナボールミルで約4時間分散混合させて貝殻焼成カルシウムの懸濁液を調製した。
[実施例3]
幅が100mm、長さが100mmで厚さが1mmに切り出した市販のアルミニウム不織布を基材とした。第1層としてホタテ貝を約1100℃で焼成した焼成カルシウム(日本天然素材株式会社製)を用いた。この貝殻焼成カルシウムの粒子径を約10μmに粉砕した後、
貝殻焼成カルシウム20wt%にノニオン系界面活性剤5wt%、イソプロピルアルコールを75wt%添加してアルミナボールミルで約4時間分散混合させて貝殻焼成カルシウムの懸濁液を調製した。
[実施例4]
幅が50mm、長さが100mmで厚さが0.1mmに切り出した市販の真鍮板を基材とした。第1層としてホタテ貝を約800℃で焼成した焼成カルシウム(日本天然素材株式会社製)を用いた。この貝殻焼成カルシウムの粒子径を約3μmに粉砕した後、貝殻焼成カルシウム20wt%にノニオン系界面活性剤5wt%、イソプロピルアルコールを75wt%添加してアルミナボールミルで約4時間分散混合させて貝殻焼成カルシウムの懸濁液を調製した。
[実施例5]
内径が2mm、肉厚が0.5mmで長さが300mmの銅パイプを基材とした。第1層としてホタテ貝を約750℃で焼成した焼成カルシウム(日本天然素材株式会社製)を用いた。この貝殻焼成カルシウムの粒子径を約3.0μmに粉砕した後、貝殻焼成カルシウム10wt%に酸化チタン粉末(石原産業製)10%ノニオン系界面活性剤5wt%、イソプロピルアルコールを50wt%、純水25wt%添加してアルミナボールミルで約4時間分散混合させて貝殻焼成カルシウムと酸化チタンの懸濁液を調製した。
[実施例6]
幅が50mm、長さが100mmで厚さが0.1mmに切り出した市販のステンレス板を基材とした。第1層としてホタテ貝殻焼成カルシウムを約1000℃で焼成した(日本天然素材株式会社製)ものを粒子径を約3.0μmに粉砕した後、この貝殻焼成カルシウム3wt%に針状の酸化鉄17wt%とノニオン系界面活性剤5wt%、イソプロピルアルコールを75wt%添加してアルミナボールミルで約2時間分散混合させて貝殻焼成カルシウムと酸化鉄の懸濁液を調製した。
[実施例7]
幅が50mm、長さが100mmで厚さが1mmに切り出した市販のアルミニウム不織布を基材とした。第1層としてホタテ貝を約1100℃で焼成したこの貝殻焼成カルシウム(日本天然素材株式会社製)の粒子径を約3μmに粉砕した後、貝殻焼成カルシウム10wt%にカーボンナノチューブ(昭和電工製)3wt%ノニオン系界面活性剤5wt%とイソプロピルアルコールを82wt%添加してアルミナボールミルで約4時間分散混合させて貝殻焼成カルシウムの懸濁液を調製した。
[実施例8]
幅が50mm、長さが100mmで厚さが2mmに切り出したソーダライムガラスを基材とした。第1層としてホタテ貝を約900℃で焼成した焼成カルシウム(日本天然素材株式会社製)を用いた。この貝殻焼成カルシウムの粒子径を約5μmに粉砕した後、湿式分級で平均粒子径0.03〜1μmの微粉末を得た。
[実施例9]
実施例3に準じ、その被膜化のための工程を2度繰り返した。その結果、基材とするアルミニウム不織布の上に4層構造を有する被膜物質ができたが、特に問題は見出されなかった。すなわち、この物質の純水接触角は0度であり、耐酸性、水割れ性、濡れ広がり性、耐久性とも実施例1で得られた結果とほぼ同様であった。なお、合計の膜厚は約20μmであった。
[実施例10]
実施例9に準じ、その被膜化のための工程を何度も度繰り返すことにより、基材とするアルミニウム不織布の上に合計の膜厚が約280μmを有する被膜物質ができたが、特に問題は見出されなかった。すなわち、この物質の純水接触角は0度であり、耐酸性、水割れ性、濡れ広がり性、耐久性とも実施例1で得られた結果とほぼ同様であった。
[比較例1]
幅が50mm、長さが100mmで厚さが0.1mmに切り出したアルミニウム平板(合金No#1070)を基材とした。実施例1に条件に準じて製作したが、貝殻焼成カルシウムのみをコートし、アルカリシリケートを用いなかった。
[比較例2]
貝殻焼成カルシウムのみをコートし、アルカリシリケートの代わりに酸化チタン被膜を付与した以外は実施例2に準じて製作した。その結果は、接触角が47度であり、耐酸化性は○、水割れ性は△だったが、濡れ拡がり性は4.8mmで△、耐久性は1週間後には親水性は示さず△から×になった。被膜の耐久性は○であった。
[比較例3]
リチアシリケートのみの被膜を付与した以外は、実施例2に準じて製作した。その結果は、接触角は12度で良好であったが、耐酸性は×、水割れ性は○であった。さらに、濡れ拡がり性は初期は9.7mmで良好だったが、1週間後には4.1mmφで×、耐久性は30日後には親水性は示さないようになり、△から×に変化した。顕微鏡で調べたところ、被膜の一部に溶解が認められ、室温での耐久性試験では30日経過した場合は表面にカビが発生していた。このカビ発生も親水性劣化に影響したものと考えられる。
[比較例4]
実施例1に準じて行ったが、加熱処理工程の処理温度を510℃としたところ、1週間後の耐久性試験が○から△に変化した。
[比較例5]
実施例1に準じて行ったが、加熱処理工程の処理温度を190℃としたところ、1週間後の耐酸化性、水割れ性、濡れ拡がり性耐久性試験が○から△に変化した。
[比較例7]
貝殻焼成カルシウムを3%、カリウムシリケートを24%とすること以外は、実施例8に準じた。その結果、得られた被膜の純水接触角は32度であり、水割れ性及び濡れ広がり性は△であった。
Claims (10)
- 基材の最外表面に形成されるアルカリシリケートと貝殻焼成カルシウムを含む被膜であって、その純水接触角が30度以下であり、
該被膜が、少なくとも、貝殻焼成カルシウムを主体とする第1層目と、アルカリシリケートを主体とする第2層目を有する層構成の被膜であり、
塗布液により被膜を形成した後に200〜500℃の温度範囲で加熱する工程を有する被膜形成方法により形成される被膜であることを特徴とする親水性被膜。 - 該被膜中のアルカリシリケートと貝殻焼成カルシウムの和が30〜100wt%にあることを特徴とする請求項1に記載の親水性被膜。
- 該被覆において、アルカリシリケートが最外層に配されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の親水性被膜。
- 該被膜の厚さが1〜300μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の親水性被膜。
- 該アルカリシリケートはリチウム、ナトリウム、カリウムのいずれかからなるアルカリシリケートであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の親水性被膜。
- 該アルカリシリケートのSiO2/M2O(M:アルカリ金属)のモル比が1〜8の範囲からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の親水性被膜。
- 該貝殻焼成カルシウムとして用いる貝殻は、ホタテ貝、アワビ、カキおよびウバガイから少なくとも1種類以上が選択されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の親水性被膜。
- 該貝殻焼成カルシウムの平均粒径が0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の親水性被膜。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の該親水性被膜を形成するにあたり、貝殻焼成カルシウムを塗布する工程、アルカリシリケートを塗布する工程及び加熱する工程のそれぞれを少なくとも1回以上有し、
加熱する工程においては、200〜500℃の温度範囲で加熱する工程を有することを特徴とする親水性被膜の形成方法。 - 基材に貝殻焼成カルシウムを塗布する工程の後にアルカリシリケートを塗布する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の親水性被膜の形成方法。
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