JP4951717B2 - バックアップリソースを選択する方法、システム - Google Patents

バックアップリソースを選択する方法、システム Download PDF

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Description

本発明は、通信に関し、特に、バックアップリソースを選択する方法及びシステムとに関する。
ピアツーピア(P2P)ネットワークは、参加者が、それらの参加者が所有する何らかのハードウェアリソース(例えば、処理能力、記憶能力、ネットワーク接続能力、プリンタ)を共有する、分散ネットワークである。共有リソースは、いかなる中間エンティティの必要もなしに、ネットワークによって提供されるサービス及びコンテンツを介して、他のピアノードによってアクセスされることが可能である。ネットワーク内の参加者は、リソース(サービス及びコンテンツ)の提供者と、リソース(サービス及びコンテンツ)の消費者との両方である。P2Pは、従来のクライアント/サーバ(C/S)モデルを打破して、ネットワーク内の全てのノードが同位となるようにする。ノードは、他のノードにサービスを提供するサーバと、他のノードによって提供されるサービスを受けるクライアントとの両方である。P2Pは、システム内のどのノードの能力も十分に活用して、相互サービスを提供し、その結果、ノードの利用率が増加し、ネットワーク、装置、及び情報サービスの性能が向上する。
構造化P2Pシステムでは、リソースのパブリケーションはネットワークトポロジと密接に関連し、リソースは、P2Pトポロジ内の論理アドレスに正確に従って、ネットワーク内に分散させられる。システム内では、どのノードも仮想論理アドレスを有し、全てのノードが、それらのノードのアドレスに従って、比較的安定した緊密なトポロジを構成する。構造化P2Pシステムでは、リソースに対するハッシュ操作によって生成される値は、キーによって示されるリソースマーク値である。キーの名前空間は、ノードの名前空間にマッピングされ、すなわち、1つのキーが1つのノードに対応する。リソースは、キーとノードとの間のマッピングに従って、構造化P2Pシステム内に分散させられ、従って、リソースは、対応するキーに従って見つけられることが可能である。
構造化P2Pシステムでは、各ノードが、分散ハッシュテーブル(DHT)に従って計算された、キー空間の一部を記憶する。キー空間は、DHTアルゴリズムによって異なる。例えば、chord(コード)アルゴリズムによれば、ノードAとノードBとが隣接しており、ノードAのIDがノードBのIDよりも小さい場合、ノードAによって管理されるキー空間は、ノードAのIDからノードBのIDまでの数空間(numeral space)内のキーで構成される。
DHTアルゴリズムは、chord及びpastry(ペストリー)を含み、構造化P2Pネットワーク内での、キーに基づくリソース探索を提供する。キーに従ってルートが見出され、キーに対応するリソースは、そのルートにおいて取得されるか、又は記憶されている。
構造化P2Pシステム内でパケットがルーティングされる場合、パケット内の(宛先ノードに関連する)キーに対応した経路が、キーと特定のアルゴリズムとに従って決定され、パケットが、段階的なアプローチ方法を使用して、複数の中間ノードによって宛先ノードにルーティングされる。
P2Pオーバレイネットワーク内のノード上のルーティングテーブルは、DHTアルゴリズムに従って計算され、検索される。chordアルゴリズムを例に取ると、ノード上のルーティングテーブルは表1に示されている。
Figure 0004951717
chordアルゴリズムでは、ノードがパケットをルーティングしている場合、ノードは、そのルーティングテーブルから、パケット内のキーに従って、近接ノードIDを見出し、そのノードIDに対応するノードにパケットを転送する。パケットが宛先ノード(ノードIDがキーであるノード)に到達するまで、どのノードも、この規則に従ってパケットをルーティングする。
しかし、P2Pオーバレイシステムでは、各ノードの処理能力は様々であり、異なるキーを有するパケットは、異なるホップ数を経由してルーティングされる。結果として、P2Pオーバレイシステム内のいくつかのノードは、より多くのパケットを処理し、他のノードは、より少ないパケットを処理する。多数のパケットを処理するノード、及び劣った処理能力のノードは、十分な能力を提供できない可能性があり、これにより、P2Pオーバレイシステム内の輻輳が発生し、結果として、後続のパケットは転送も処理もされなくなる。
P2Pオーバレイシステム内の輻輳を回避するために、従来技術では、経路選択方法を以下のように提供する。
(1)宛先ノードにパケットを送信する前に、送信ノード(ソースノード)は、宛先ノードに、輻輳検出パケットを送信する。
(2)中間ノードが輻輳検出パケットを受信した後で、輻輳が発生している場合、中間ノードは、輻輳検出パケットの明示的輻輳通知(ECN)を1に設定して、輻輳検出パケットを宛先ノードに転送する。
(3)宛先ノードは、送信ノードに輻輳通知を送信し、この通知は、中間ノードの輻輳情報を運んで、経路が輻輳していることを送信ノードに通知する。
(4)輻輳通知を受信したら、送信ノードは、その経路の代わりに別の経路を選択する。
P2Pオーバレイシステム内のノードのルーティングテーブルにおいて、ノードは、k個の利用可能なノードから次ホップを選択することができる。k個のノードのうち、1つは、DHTを介して検索された近接ノードであり、その他のノードは全て、近接ノードに隣接している。輻輳通知が、近接ノードが輻輳していることを示す場合、送信ノードは、次ホップとして、その他のk−1個のノードから1つを選択する。
本発明を実施する間に、発明者は、送信ノードが宛先ノードにパケットを送信する場合、送信ノードは輻輳検出パケットを最初に送信しなければならず、これは伝送における遅延を発生させる、ということを見出した。更に、発明者は、上記の解決法におけるノードは、輻輳及び非輻輳の2つの状態しか有さず、かつ、P2Pオーバレイネットワークでは、ノード間のトポロジ的状態は不安定なため(これは、輻輳検出パケットが送信された後でも、ルーティングテーブルが動的に変化することを意味している)、ノードの変化によりオーバレイ経路は変化する可能性があり、従って、テスト結果は正確ではない、ということを見出した。
発明者は、既存のマルチキャスト解決法におけるバックアップリソースの選択では、選択されるバックアップリソースの実際の処理能力が十分に考慮されず、従って、選択されたバックアップリソースは十分な処理能力を提供できない可能性があり、これにより、情報の紛失がもたらされ、かつ、マルチキャストトラフィックの正常な移送に悪影響が及ぼされる、ということも見出した。
経路上の負荷をバランスさせるため、及びネットワークの輻輳を回避するために、本発明の実施形態は、パケットルーティングの方法、システム、及び装置を提供する。技術的解決策は、以下の通りである。
パケットルーティングの方法は、
ノードのビジーレベルを所定の間隔で更新し、
DHTアルゴリズムとノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ノードを選択し、選択されたパケット受信ノードにパケットを送信する、ことを含む。
パケットルーティングのシステムは、
ノードのビジーレベルを所定の間隔で更新し、DHTアルゴリズムと送信ノードのルーティングテーブル内のノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ルーティングノードを選択し、選択されたルーティングノードにパケットを送信するように適合された、送信ノードと、
送信ノードからのパケットを受信し、DHTアルゴリズムとローカルに記憶された他のノードのビジーレベルとに従って、次ホップルーティングノードを選択するように適合された、ルーティングノードと、を含む。
更に、送信ノードは、
状態レベル問い合わせ要求を、ローカルルーティングテーブル内のノードに、所定の間隔で送信するように適合された、メッセージ送信モジュールと、
状態レベル問い合わせ応答を受信し、ルーティングテーブル内の対応するノードのビジーレベルを、状態レベル問い合わせ応答内で運ばれるビジーレベルに従って更新するように適合された、ビジーレベル更新モジュールと、
DHTアルゴリズムとビジーレベル更新モジュールによって更新されたルーティングテーブル内のノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ルーティングノードを選択し、選択されたパケット受信ルーティングノードにパケットを送信するように適合された、パケット送信モジュールと、を含む。
別の送信ノードは、
ローカルノードによってローカルルーティングテーブル内のノードに送信されたパケットの数を所定の間隔で測定するように適合された、測定モジュールと、
測定モジュールによって測定されたパケットの数と、予めネゴシエーションされた最高閾値及び/又は中間閾値とを比較するように適合された、比較モジュールと、
比較モジュールの比較結果に従って、ノードのビジーレベルを更新するように適合された、ビジーレベル更新モジュールと、
DHTアルゴリズムとルーティングテーブル内のノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ルーティングノードを選択し、選択されたパケット受信ルーティングノードにパケットを送信するように適合された、パケット送信モジュールと、を含む。
ルーティングノードは、
送信ノードから状態レベル問い合わせ要求を受信すると、ローカルノードのビジー状態を確認するように適合された、ビジー状態確認モジュールと、
ビジー状態確認モジュールの確認結果に従って、ビジーレベルを決定するように適合された、ビジーレベル決定モジュールと、
ビジーレベル決定モジュールによって決定されたビジーレベルを運ぶ状態レベル問い合わせ応答を、送信ノードに返すように適合された、メッセージ応答モジュールと、
パケットを受信し、DHTアルゴリズムとローカルに記憶された他のノードのビジーレベルとに従って、次ホップルーティングノードを選択するように適合された、パケット転送モジュールと、を含む。
この技術的解決法は、次の利点を提供する。
パケット受信ノードが、そのルーティングテーブル内のノードのビジーレベルを参照して選択されるため、ノード間での負荷の分散がバランスさせられ、ネットワークの輻輳の発生が回避される。
マルチキャストグループ内の適切なバックアップリソースを選択する目的のために、本発明の実施形態は、バックアップリソースを選択する方法及びシステムを提供する。技術的解決法は、以下の通りである。
バックアップリソースを選択する方法は、
状態公告ノードによって、ローカルノードのビジーレベルを1つのマルチキャストグループ内の他のノードにブロードキャストし、
バックアップリソース選択ノードによって、受信したノードのビジーレベルに従ってプロキシノードを選択することを含む。
バックアップリソースを選択するシステムは、
ローカルノードのビジーレベルを1つのマルチキャストグループ内の他のノードにブロードキャストするように適合された、状態公告ノードと、
受信した状態公告ノードによってブロードキャストされたビジーレベルに従って、プロキシノードを選択するように適合された、バックアップリソース選択ノードと、を含む。
この技術的解決法は、次の利点を提供する。
他のノードのビジーレベルを参照して、ノードは適切なプロキシノードを選択することができ、従って、選択は、リソースバックアップのために適切である。
本発明の第1の実施形態による、パケットルーティングの方法のフローチャートを示す。 本発明の第1の実施形態による、ノードAからノードIまでのルートを比較している。 本発明の第2の実施形態による、パケットルーティングの方法のフローチャートを示す。 本発明の第3の実施形態による、パケットルーティングのシステムの概略図である。 本発明の第4の実施形態による、バックアップリソースを選択するシステムのネットワーキングを示す。 本発明の第5の実施形態による、バックアップリソースを選択するシステムを示す。
本発明の技術的解決法、目的、及び利点をより明確にするために、以下では、本発明の実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態では、1つのノードのビジーレベルが、複数のレベルに設定され、他のノードに通知される。送信ノードがパケットを送信する場合、送信ノードは、他のノードのビジーレベルに従って、ルートを選択する。これにより、ネットワーク内の輻輳が防止され、負荷バランシングがある程度達成される。
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態は、パケットルーティングの方法を提供する。方法は、ノードのビジーレベルを、予め設定された間隔で更新し(ここで、複数のビジーレベルが規定されており)、分散ハッシュテーブル(DHT)アルゴリズムと、ノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ノードを選択し、選択されたノードにパケットを送信することを含む。
ノードのビジーレベルは、ノードの処理能力に従って、予め設定される。必要に応じて、複数のビジーレベルが設定されてもよい。ノードは、一定期間内に受信するパケットの数を測定し、測定結果と、そのノードの中央処理ユニット(CPU)の状態と、そのノードのメモリサイズと、ネットワーク帯域幅とに従って、そのノードのビジーレベルを決定してもよい。決定では、ノードの意向と、その他のハードウェア性能指標も参照されてもよい。受信パケットの数は動的なので、ノードのビジーレベルもまた動的である。
図1は、本発明の一実施形態による、パケットルーティングの方法のフローチャートを示す。パケットルーティングの方法は、以下のステップを含む。
ステップ101:送信ノードが、そのルーティングテーブル内のノードに、状態レベル問い合わせ要求を送信する。
状態レベル問い合わせ要求は、通常のキープアライブ(KeepAlive)メッセージであってもよく、又は、他のノードがオンラインであるかどうかと、それらのノードのビジーレベルとを確認するための、ユーザ定義のメッセージであってもよい。
ステップ102:送信ノードから状態レベル問い合わせ要求を受信すると、ノードは、その現在のビジーレベルを確認し、そのノードのビジーレベルを運ぶ状態レベル問い合わせ応答を、送信ノードに送信する。
この実施形態では、ノードの状態は、3つのビジーレベルに分類される。
ビジーレベル1:ノードはアイドルであり、全てのパケットを処理する(転送する、又は終端させる)ことができる。
ビジーレベル2:ノードはビジーであるが、非常にビジーではなく、宛先がそのノードのキー範囲内にあるパケットを処理することができる。
ビジーレベル3:ノードは非常にビジーであり、後続のパケットを処理することができず、そのノードに宛てられたパケットは、そのノードのプロキシノードによって処理される必要があり、そのノードに宛てられていないパケットはプロキシノードに転送されない。
ノードの現在のビジーレベルが1である場合、そのノードの状態レベル問い合わせ応答は、ビジーレベル1を運ぶ。ノードの現在のビジーレベルが2である場合、そのノードの状態レベル問い合わせ応答は、ビジーレベル2と、そのノードのキー空間とを運ぶ。ノードの現在のビジーレベルが3である場合、そのノードによって送信される状態レベル問い合わせ応答は、ビジーレベル3と、そのノードのキー空間と、そのノードのプロキシノードのキーとを運ぶ。
必要に応じて、4つのビジーレベルが設定されてもよい。
ビジーレベル1:ノードは非常にアイドルであり、他のノードのプロキシノードとして働くこと、及び全てのパケットを処理することができる。
ビジーレベル2:ノードはアイドルであり、全てのパケットを処理することができるが、他のノードのプロキシノードとして働くことはできない。
ビジーレベル3:ノードはビジーであるが、非常にビジーではなく、宛先がそのノードのキー範囲内にあるパケットを処理することができる。
ビジーレベル4:ノードは非常にビジーであり、後続のパケットを処理することができず、そのノードに宛てられたパケットは、そのノードのプロキシノードによって処理される必要があり、そのノードに宛てられていないパケットはプロキシノードに転送されない。
ノードの現在のビジーレベルが1である場合、そのノードの状態レベル問い合わせ応答は、ビジーレベル1を運ぶ。ノードの現在のビジーレベルが2である場合、そのノードの状態レベル問い合わせ応答は、ビジーレベル2を運ぶ。ノードの現在のビジーレベルが3である場合、そのノードの状態レベル問い合わせ応答は、ビジーレベル3と、そのノードのキー空間とを運ぶ。ノードの現在のビジーレベルが4である場合、そのノードによって送信される状態レベル問い合わせ応答は、ビジーレベル4と、そのノードのキー空間と、そのノードのプロキシノードのキーとを運ぶ。
ビジーレベルに対応する状態は相対的である。3つのビジーレベルを例に取ると、3つのビジーレベルは、CPU占有率と、残りの帯域幅と、空きメモリサイズとを比較することによって測定されてもよい。例えば、1GHzのCPUと、256MBのメモリと、500kbpsの帯域幅とを有するノードの場合、CPU占有率が50%以下、及び/又は、空きメモリサイズが40MB以上、及び/又は、空き帯域幅が200kbps以上である場合、ノードはビジーレベル1にある。CPU占有率が50%と70%との間、及び/又は、空きメモリサイズが10MBと40MBとの間、及び/又は、空き帯域幅が50kbpsと200kbpsとの間である場合、ノードはビジーレベル2にある。CPU占有率が70%以上、及び/又は、空きメモリサイズが10MB以下、及び/又は、空き帯域幅が50kbps以下である場合、ノードはビジーレベル3にある。ビジーレベルのその他の区分について、各レベルの測定値は同様である。ここでの数値は例示に過ぎず、その他の値及び具体的な基準が同様に採用されてもよい。
ステップ103:状態レベル問い合わせ応答をノードから受信すると、送信ノードは、ノードの現在のビジーレベルを記憶する。
ノードの現在のビジーレベルは、ルーティングテーブル内又はユーザ定義のテーブル内の、ノードに対応するルーティングエントリ内に記憶されてもよい。
ステップ104:送信ノードがパケットを送信することを望む場合、送信ノードは、DHTアルゴリズムとノードのビジーレベルとを参照し、所定のポリシーに従って、パケットを受信するノードを選択する。
所定のポリシーとは、各ビジーレベルに対応する予め設定された処理(例えば、ビジーレベル2のノードには、そのノードのキー範囲内のパケットのみを送信する)を意味する。
ステップ105:送信ノードは、選択された受信ノードにパケットを送信する。
送信ノードは、ルーティングテーブル内のノードのビジーレベルに従って、受信ノードを決定する。3つのビジーレベルを例に取ると、具体的な処理は以下の通りである。
(1)ビジーレベル1のノードについては、全てのパケットが、そのノードに送信されることが可能である。
(2)ビジーレベル2のノードについては、そのノードのキー空間内のノードに宛てられたパケットのみが、そのノードに送信される。
(3)ビジーレベル3のノードについては、そのノードのキー空間内のノードに宛てられたパケットが、そのノードのプロキシノードに転送される。
上記の方法において、ノードによって送信ノードに返される状態レベル問い合わせ応答は、ノードのビジーレベルを運ぶ。ノードの現在の状態が、ノードの処理限界に近づいた場合、ノードの現在の状態に従って送信ノードが後続のパケットのための適切な受信ノードを選択するのを助けるために、ノードは、特別なメッセージを送信して送信ノードに通知してもよい。
ノードの処理能力は、ノードのビジーレベルに更に影響を及ぼす場合がある。例えば、ノードの低いハードウェア性能のため、ノードの最もアイドルな状態は、ビジーレベル1に達さず、せいぜいビジーレベル2である可能性がある。
図2では、本発明の実施形態における、ノードAからノードIまでのルートを比較している。ノードのビジーレベルは、ルーティングテーブル内に記憶されていると仮定する。
(1)ノードA及びノードFを例に取ると、全てのノードがアイドルである場合、ノードA上のルーティングテーブルは表2に示されており、ノードF上のルーティングテーブルは表3に示されている。
Figure 0004951717

Figure 0004951717
パケットは、図2の破線で示すように、ルートA→C→E→F→Iに沿って、ノードAからノードIまでルーティングされる。
(2)ルート上のいくつかのノードが輻輳している場合、例えば、ノードC、ノードG、及びノードHがビジーレベル2であり、ノードIがビジーレベル3であり、そして、ノードIのプロキシノードがノードGである場合、ノードA上のルーティングテーブルは表4に示されており、ノードF上のルーティングテーブルは表5に示されている。
Figure 0004951717
Figure 0004951717
この場合、ノードAがノードIにパケットを送信する際に、ノードAは、ローカルルーティングテーブル内のノードのビジーレベルを確認する。ノードCのビジーレベルが2であることをノードAが見出した場合、ノードAはノードBにパケットを送信する。ノードBは、そのローカルルーティングテーブル内の情報に従って、ノードFにパケットを転送する。ノードFは、そのローカルルーティングテーブルを確認して、ノードIがビジーレベル3であることを見出し、ノードIのプロキシノードGにパケットを転送する。従って、ノードAからノードIまでのルートは、図2の実線で示すように、A→B→F→Gである。
この実施形態では、ノード間で負荷をバランスさせるため、及びネットワークの輻輳の発生を回避するために、ノードが、そのルーティングテーブル内のノードのビジーレベルを参照して、パケット受信ノードを選択する。加えて、パケットの宛先が十分に考慮され、その結果、ノードによって処理されるパケットは、ベストエフォートのノードに送信される。
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態は、パケットルーティングの別の方法を提供する。送信ノードは、所定の期間内に下流ノードに送信されるパケットの最高閾値及び中間閾値に関して、下流ノードと予めネゴシエーションする。ネゴシエーション中に、下流ノードは、そのプロキシノードを送信ノードに通知する。送信ノードは、ネゴシエーションされた最高閾値及び中間閾値と、対応するプロキシノードとを記録する。そのような情報は、ルーティングテーブル又は別のユーザ定義のテーブル内の対応するエントリ内に書き込まれてもよい。この実施形態では、説明を容易にするために、情報はルーティングテーブル内に記録される。図3は、本発明の実施形態におけるパケットルーティングの方法のフローチャートを示し、この方法は以下を含む。
ステップ201:下流ノードに送信されたパケットの数(t)を、一定の間隔で計数する。
ステップ202:DHTアルゴリズムに従って、ルーティングテーブル内の次ホップノードを探索し、測定された、次ホップノードに送信されたパケットの数(t)を、中間閾値x及び最高閾値yと比較する。tがy以上である場合、処理はステップ203に進み、tがx未満である場合、処理はステップ204に進み、tがxとyとの間である場合、処理はステップ205に進む。
ステップ203:そのノードへのパケットのルーティングを停止し、別のノードを選択する。
ステップ204:そのノードへのパケットのルーティングを継続する。
ステップ205:そのノードに宛てられたパケットは、そのノードにルーティングし、その他のパケットの、そのノードへの転送は停止する。
この実施形態では、ノードのキー範囲が変更された場合、ノードはその上流ノードに、変更されたキー範囲を通知する。
図2に示すノードを引き続き例に取る。
(1)ノードAによって測定された、ノードBに送信されたパケットの数は、中間閾値xと最高閾値yとの間であり、別のノードに送信されたパケットの数は、x未満である。ノードA及びノードFを例に取ると、ノードA上のルーティングテーブルは表6に示されており、ノードF上のルーティングテーブルは表7に示されている。
Figure 0004951717

Figure 0004951717
パケットは、図2の破線で示すように、ルートA→C→E→F→Iに沿って、ノードAからノードIまでルーティングされる。
(2)いくつかのノードがより多くのパケットを転送している場合、例えば、測定された、ノードC、ノードG、及びノードHに送信されたパケットの数がxとyとの間であり、ノードIに送信されたパケットの数がyを上回り、そして、ノードIのプロキシノードがノードGである場合、ノードA上のルーティングテーブルは表8に示されており、ノードF上のルーティングテーブルは表9に示されている。
Figure 0004951717

Figure 0004951717
この場合、ノードAがノードIにパケットを送信する際に、ノードAは、一定期間内にローカルルーティングテーブル内のノードに送信されたパケットの数(t)を測定し、ノードCに送信されたパケットの数が、中間閾値と最高閾値との間であることを見出す。次に、ノードAは、ノードBにパケットを送信する。ノードBは、そのローカルルーティングテーブル内の情報に従って、ノードFにパケットを転送する。ノードFは、そのローカルルーティングテーブルを確認して、ノードIによって処理されたパケットの数が最高閾値を超過したことを見出し、ノードIのプロキシノードGにパケットを転送する。従って、ノードAからノードIまでのルートは、図2の実線で示すように、A→B→F→Gである。
この実施形態では、ノード間で負荷をバランスさせるため、及びネットワークの輻輳の発生を回避するために、ノードが、そのルーティングテーブル内のノードのビジーレベルを参照して、パケット受信ノードを選択する。加えて、パケットの宛先が十分に考慮され、その結果、ノードによって処理されるパケットは、ベストエフォートのノードに送信される。
第3の実施形態
図4は、本発明の第3の実施形態による、パケットルーティングのシステムの概略図である。パケットルーティングのシステムは、
ノードのビジーレベルを所定の間隔で更新し、DHTアルゴリズムと送信ノードのルーティングテーブル内のノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ノードを選択し、選択されたルーティングノードにパケットを送信するように適合された、送信ノードと、
送信ノードからのパケットを受信し、DHTアルゴリズムとローカルに記憶された、他のノードのビジーレベルとに従って、次ホップルーティングノードを選択するように適合された、ルーティングノードと、を含む。
送信ノードは、
状態レベル問い合わせ要求をローカルルーティングテーブル内のノードに、所定の間隔で送信するように適合された、メッセージ送信モジュールと、
状態レベル問い合わせ応答を受信し、ルーティングテーブル内の対応するノードのビジーレベルを状態レベル問い合わせ応答内で運ばれるビジーレベルに従って更新するように適合された、ビジーレベル更新モジュールと、
DHTアルゴリズムとビジーレベル更新モジュールによって更新されたルーティングテーブル内のノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ルーティングノードを選択し、選択されたパケット受信ルーティングノードにパケットを送信するように適合された、パケット送信モジュールと、を含む。
更に、パケット送信モジュールは、
DHTアルゴリズムに従って、ルーティングテーブル内の次ホップルーティングノードを探索し、次ホップルーティングノードのビジーレベルを判定し(ここで、ビジーレベルは、全てのパケットが処理されることが可能なビジーレベル1と、次ホップノードのキー範囲内のパケットのみが処理されることが可能なビジーレベル2と、どのパケットも処理されることができないビジーレベル3とを含み)、ビジーレベルが2又は3である場合、パケットの宛先が、次ホップルーティングノードが管理しているキー範囲内であるか否かを判定するように適合された、確認ユニットと、
宛先が次ホップノードが管理しているキー範囲内である場合、次ホップノードのビジーレベルが2であると確認ユニットが判定した場合に、次ホップノードにパケットを送信するか、又は、次ホップノードのビジーレベルが3である場合に、次ホップノードのプロキシノードにパケットを送信するか、又は、次ホップノードのビジーレベルが1である場合に、任意のパケットを次ホップノードに送信するように適合された、パケット送信ユニットと、を含む。
従って、ルーティングノードは、
送信ノードから状態レベル問い合わせ要求を受信すると、ローカルノードのビジー状態を確認するように適合された、ビジー状態確認モジュールと、
ビジー状態確認モジュールの確認結果に従って、ビジーレベルを決定するように適合された、ビジーレベル決定モジュールと、
ビジーレベル決定モジュールによって決定されたビジーレベルを運ぶ状態レベル問い合わせ応答を送信ノードに返すように適合された、メッセージ応答モジュールと、
送信ノードからパケットを受信し、DHTアルゴリズムとローカルに記憶された他のノードのビジーレベルとに従って、次ホップルーティングノードを選択するように適合された、パケット転送モジュールと、を含む。
あるいは、下流ノードのビジーレベルが、そのノードにローカルノードによって送信されたパケットの数によって測定される場合、送信ノードは、
ローカルノードによってローカルルーティングテーブル内のノードに送信されたパケットの数を一定の間隔で測定するように適合された、測定モジュールと、
測定モジュールによって測定されたパケットの数と、予めネゴシエーションされた最高閾値及び/又は中間閾値とを比較するように適合された、比較モジュールと、
比較モジュールの比較結果に従って、ノードのビジーレベルを更新するように適合された、ビジーレベル更新モジュールと、
DHTアルゴリズムとビジーレベル更新モジュールによって更新されたノードのビジーレベルとに従って、パケット受信ノードを選択し、選択されたパケット受信ノードにパケットを送信するように適合された、パケット送信モジュールと、を含む。
更に、パケット送信モジュールは、
DHTアルゴリズムに従って、ルーティングテーブル内の次ホップノードを探索し、ローカルノードによって次ホップノードに送信されたパケットの数を確認し、パケットの数が中間閾値以上である場合、パケットの宛先が、次ホップノードが管理しているキー範囲内であるか否かを判定するように適合された、確認ユニットと、
宛先が次ホップノードが管理しているキー範囲内である場合、パケットの数が中間閾値と最高閾値との間であると確認ユニットが判定した場合に、次ホップノードにパケットを送信するように、又は、パケットの数が最高閾値以上である場合に、次ホップノードのプロキシノードにパケットを送信するように、又は、パケットの数が中間閾値未満である場合に、任意のパケットを次ホップノードに送信するように適合された、パケット送信ユニットと、を含む。
従って、ルーティングノードは、送信ノードからパケットを受信し、DHTアルゴリズムとローカルに記憶された他のノードのビジーレベルとに従って、次ホップルーティングノードを選択するように適合される。
この実施形態では、ノード間で負荷をバランスさせるため、及びネットワークの輻輳の発生を回避するために、ノードが、そのルーティングテーブル内のノードのビジーレベルを参照して、パケット受信ノードを選択する。加えて、パケットの宛先が十分に考慮され、その結果、ノードによって処理されるパケットは、ベストエフォートのノードに送信される。
第4の実施形態
本発明の第4の実施形態は、バックアップリソースを選択する方法を提供する。方法は、状態公告ノードが、そのビジーレベルを、マルチキャストグループ内の他のノードに公告し、バックアップリソース選択ノードが、受信したノードのビジーレベルに従って、プロキシノードを選択することを含む。
図5は、本発明の実施形態で提供されるネットワーク構成を示す。IPTVマルチキャストエージェント(IMA3)がそのビジーレベルを公告する場合、アプリケーション層マルチキャストグループ内のバックアップリソースを選択する処理は、以下の通りである。
1.IMA3は、ローカルノードに使用可能なリソース(帯域幅、CPUの処理能力、及び記憶空間)を確認し、使用可能なリソースに従って、そのビジーレベルを決定し、他のノードによる参照のために、報告(Report)メッセージを介してそのビジーレベルを公告し、その結果、他のノードは、IMA3をプロキシノードとして又はバックアップリソースとして選択するかどうかを決定してもよい。
2.報告メッセージが上流に配信される場合、通過されるどのノードも、他のいずれかのブランチが、IMA3がプロキシノードとして働くことを必要としているかどうかを判定し、必要としている場合、必要としているブランチに報告メッセージを中継し、バックアップ要求処理中ノードとして自らに印を付ける。他のいずれのブランチも、IMA3がプロキシノードとして働くことを必要としていない場合、報告メッセージがデータソースノードSに到達するまで、ノードは報告メッセージの上流への配信を継続する。
3.データソースノードSは、ローカルノードの別のブランチがバックアップリソースを必要としていることを検知し、従って、報告メッセージをそのブランチに中継して、バックアップ要求処理中ノードとしてローカルノードに印を付ける。
4.データソースノードSのブランチ内の子ノードが報告メッセージを受信した場合、子ノードは、その必要性に従って選択を行い、必要としていない場合は、その下流ノードに報告メッセージを継続して配信し、又は、必要としている場合は、そのバックアップリソースとしてIMA3を選択し、その下流ノードに報告メッセージを中継しない。
5.ブランチ内のノードが、そのバックアップリソースとしてIMA3を選択した場合、ノードは、データソースノードSにバックアップ要求(Backup Req)を送信し、Sは、先着順サービスの原則に従って、OK又は失敗メッセージを使用して、バックアップを要求しているノードに応答する。
6.OKメッセージを受信したノードは、IMA3をそのプロキシノードとみなし、失敗応答を受信したノードは、失敗メッセージを転送しない。
例えば、IMA6は、IMA3をそのバックアップリソースとして選択し、バックアップ要求を介して、その選択をデータソースノードSに通知し、データソースノードSは、バックアップ要求に応答してOKメッセージを返す。OKを受信したら、IMA6は、IMA3をそのプロキシノードとみなす。
この実施形態では、ノードが、他のノードのビジーレベル(処理能力)を参照して、適切なノードをそのプロキシノードとして選択し、従って、選択されるノードは適切であり、リソースのバックアップを遂行することができる。
第5の実施形態
図6は、本発明の第5の実施形態による、バックアップリソースを選択するシステムを示す。システムは、
ローカルノードのビジーレベルを、1つのマルチキャストグループ内の他のノードにブロードキャストするように適合された、状態公告ノードと、
受信した、状態公告ノードによって公告されたビジーレベルに従って、プロキシノードを選択するように適合された、バックアップリソース選択ノードと、を含む。
第4及び第5の実施形態の技術的解決法では、マルチキャストグループ内で、ノードが、他のノードのビジーレベル(処理能力)を参照して、適切なノードをそのプロキシノードとして選択し、従って、選択されるノードは適切であり、リソースのバックアップを遂行することができる。
本発明の実施形態で提供される技術的解決法に対応するソフトウェアは、コンピュータハードディスク又はコンパクトディスクなどの、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体内に記憶されてもよい。
実施形態では、ノードが、他のノードのビジーレベル(処理能力)を参照して、適切なノードをそのプロキシノードとして選択し、従って、選択されるノードは適切であり、リソースのバックアップを遂行することができる。
本発明について、いくつかの例示的実施形態を介して説明してきたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。当業者が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な修正及び変形を行うことができることは明白である。本発明は、それらの修正及び変形を、それらが特許請求の範囲又はその均等物によって規定される保護範囲に入るならば、包含することを意図するものである。

Claims (2)

  1. 状態公告ノードによって、ローカルノードのビジーレベルを確認し、前記ビジーレベルをマルチキャストグループ内の他のノードにブロードキャストし、
    バックアップリソース選択ノードによって、前記状態公告ノードによってブロードキャストされたビジーレベルを受信すると、プロキシノードを必要としているか否かを判定し、必要としている場合、前記受信したノードのビジーレベルに従ってプロキシノードを選択し、必要としていない場合、前記ビジーレベルを別のノードに中継する
    ことを含む、バックアップリソースを選択する方法。
  2. ローカルノードのビジーレベルを確認し前記ビジーレベルをマルチキャストグループ内の他のノードにブロードキャストするように適合された状態公告ノードと、
    前記状態公告ノードによってブロードキャストされたビジーレベルを受信すると、プロキシノードを必要としているか否かを判定し、必要としている場合、前記受信したビジーレベルに従ってプロキシノードを選択し、必要としていない場合、前記受信したビジーレベルを別のノードに中継するように適合されたバックアップリソース選択ノードと、
    を備える、バックアップリソースを選択するシステム。
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