JP4949903B2 - 航空機用スリップマーク印設作業用具 - Google Patents
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Description
前記航空機用塗料を蓋付きの広口小容器に詰め替え、この小容器を片手に持ち、筆先の細い毛筆を他方の手に持って、筆先を前記小容器内の塗料に漬けて、筆先に塗料を含ませ、所定のトルクにて締め付けが完了した螺合連結固定部位に、幅が1〜6mmの範囲に収まるように、一直線に線を引く。柔らかい筆先を用いて所定幅の真っ直ぐな線を引くことは、かなり難しく、熟練を必要とする塗布作業である。このため作業員がスリップマークの印設作業を行うに当たって技量の習熟期間を必要とした。
(1)広口であるため作業中に塗料が乾燥・固化しやすく、艤装作業を通じて塗料の均一性を維持できない。
(2)広口の小容器から塗料に含まれる有機溶剤が蒸発しやすく、作業環境が劣悪化する。
(3)小容器の落下・転倒等により塗料がこぼれて作業環境や艤装すべき航空機を汚染するおそれがある。
(4)作業中に外される蓋が落下し、艤装すべき航空機の内部に入り込み、整備不良あるいは故障の原因となるおそれがある。
殊に高い安全性と作業の精密さを要求される航空機における艤装作業においては、この様な問題発生を回避するために前述の煩雑な作業を慎重に進めることが不可欠であり、これが作業者に多大な負担をかけていた。
そこで発明者は液体収納室を有するペン型のスリップマーク印設作業用具を着想するに至り、いわゆる「ふでぺん」を含め様々な液体収納室を有するペン型筐体を検討してみたが、工場の現場作業に適したペンは存在しなかった。しかしながら、検討した中では、特許文献1に開示されているぺんてる株式会社が開発したペンが最も有望であることがわかり、このペンを利用しつつさらに改良を加えることで工場の現場作業に適したスリップマーク印設作業用具の創出をこころみた。
ここに言う「所定形状を保持し」とは、作業者が使用する際の筆圧程度では形状が変わらない程度に形状を保つことを意味する。
また、筐体は塗料収納室を形成する部材や弁機構を形成する部材と一体でも別体でもよい。
また、キャップ保持手段は筐体端部に形成されていても、筐体の側面に形成されていてもよい。
前記のような航空機用スリップマーク印設作業用具により、特別な技量の習熟期間を要することなく作業性を格段に向上したスリップマーク印設作業が可能となる。即ち、
(1)ペン先が所定形状を保持するようにすることで、ペン先を通じて塗料を印設面に供給する際のペン先と印設面の接触面積を一定に保持でき、印設面に所定の幅のスリップマークを容易に印設可能である。
(2)ペン先と塗料収納室を断続的に連通させ得る弁機構を設けることで、弁機構を介して断続的に塗料収納室に収納されている有機溶媒で希釈された塗料が供給される。ペン先まで塗料が安定して供給されるとともに、有機溶媒が揮発しやすいペン先に有機溶媒を供給することで塗料の固化による閉塞を抑制できる。例えば、作業者が必要に応じて、ペン先を印設面に押圧する等の操作をすることで弁機構を開き、これを介して塗料収納室に収納されている有機溶媒で希釈された塗料をペン先に適宜供給することが可能である。
(3)キャップ保持手段とキャップ繋留手段により、スリップマーク印設作業中にキャップを遺失することなく作業でき、作業終了後直ちにペン先を密閉できるため、従来方法においてラッカーと顔料の固化付着を防ぐためスリップマーク印設作業ごとに行っていた洗浄が不要となり、さらに塗料の落下による汚染やキャップの遺失による機体の整備不良・故障を発生させるおそれもなくなる。また作業中に蒸発する有機溶媒量も少なく抑えられるため作業環境を劣悪化しない。
この様な塗料とすることで、塗料収納室内の塗料の特性を視認性に優れかつペン先に安定して供給される状態に所定の使用期間を通じて保つことができる。
ペン先をこの様な形状とすることで、その作業に最も適した線幅のスリップマークを安定して印設することが可能となる。
さらに、前記キャップ繋留手段はコイル状に形成された弾性体であることが好ましい。
キャップ繋留手段をこのような形状とすることで、ペン先にキャップが装着される際はキャップ繋留手段が伸張した状態でキャップと前記キャップ保持手段とに接続され、キャップ繋留手段がペン本体に接した状態で維持される。これにより、キャップ繋留手段が弛んだ状態の場合に作業場で生じ得る不測の事態、例えば艤装用部品や周辺部材等に引っかかる等の発生を抑制できる。
さらに本発明にかかる航空機用スリップマーク印設作業用具は、塗料収納室内の塗料の特性を所定の使用期間を通じて保ち、スリップマークを高い信頼性を持って印設することができる。
さらに本発明にかかる航空機用スリップマーク印設作業用具は、塗料の落下による汚染やキャップの遺失による機体の整備不良・故障の発生を抑制し、作業中に蒸発する有機溶媒量を少なく押さえて作業環境の劣悪化を抑制することができる。
図1中、100は後軸1と前軸5とからなる軸状筐体である。この軸状筐体100の後軸1は一方に開口部を有し、内部にスリップマーク印設用の塗料2aを収納した塗料収納室2を有する。この後軸1の開口部外面には、前方にペン先摺動孔3を有する細径部5aと、内部にウレタン等よりなる筒状の多孔質弾性体4を配置した中径部5bとからなる前記軸状筐体100の前軸5が止着固定されている。
軸状筐体100は、例えば外径11mm,長さ120mmに形成される。このような形状とすることで、スリップマークを印設しやすく、携行性にも優れるスリップマーク印設作業用具とすることができる。なお軸状筐体100の形状は上記に限定されるものではなく、印設するスリップマークの推奨幅寸法(1〜6mm)や使用する作業環境に応じて適宜選択すればよい。例えば筐体の外径を5〜30mmの範囲で選択すればよく、筐体の長さを70〜200mmの範囲で選択すればよく、また筐体の断面形状を多角形状としてもよい。
なお、前記弁機構6はこれに限定されるものではなく、前記ペン先8と前記塗料収納室2とを、作業者の操作に基づき、連通した状態と遮断した状態とを適宜切り替え可能に接続するものであればよい。
なお、前記塗料2aは重量比50:50に希釈した組成の塗料に限定するものではなく、重量比45:55〜56:44の範囲で希釈した組成の塗料はペン先8への安定供給性とスリップマークの視認性の双方に好適な結果を得ることができる。
キャップ10は、前記前軸5の細径部5aに密に嵌着するように形成されていてもよい。また前記前軸5の細径部5aに密に嵌着すると同時に前記前軸5の中径部5bに嵌着するように形成されてもよい。
前記連結コード11bは、前記ペン先8に前記キャップ10が装着される際に伸張した状態で前記キャップ10と前記キャップ保持手段12とに接続されればよく、例えばゴムや合成樹脂など自身に伸張性を有する材料や、ばねのように弾性変形して伸張する部材を用いて形成することができる。
2 塗料収納室
2a スリップマーク印設用塗料
3 ペン先摺動孔
4 多孔質弾性体
5 前軸
5a 前軸の細径部
5b 前軸の中径部
6 弁機構
6a 弁体
6b 弁桿
6c 弁座
6d 支持枠体
6e バネ
7 固定部(リブ)
8 ペン先
9 撹拌用球体
10 キャップ
10a キャップの開口端部
10b キャップのフランジ部
11 キャップ繋留手段
11a,11c 接続リング
11b 連結コード
12 キャップ保持体(キャップ保持手段)
12a キャップ保持体のフランジ部
12b キャップ保持体の被嵌突起部
100 軸状筐体
SM スリップマーク
Claims (7)
- 所定形状を保持し、一方端から他方端へ液体を通過させ得る多孔質材料もしくは繊維集束体からなるペン先と、
塗料収納室と、
前記ペン先と前記塗料収納室を断続的に連通させ得る弁機構と、
前記塗料室と前記弁機構と前記ペン先の一部とを内部に収める軸状筐体と、
前記ペン先を気密に着脱自在に覆うキャップと、
前記筐体に形成され、前記キャップを着脱自在に保持するキャップ保持手段と、
前記筐体または前記キャップ保持手段に前記キャップを繋留するキャップ繋留手段とを備え、
前記塗料収納室に、顔料を含む航空機用塗料を酢酸ブチルにより前記航空機用塗料:酢酸ブチルの重量比45:55〜56:44に希釈した塗料が収納されていることを特徴とする航空機用スリップマーク印設作業用具。 - 前記ペン先が使用時の筆圧によって形状が変わらず、前記塗料収納室の内部に撹拌用球体が収納されていることを特徴とする請求項1に記載の航空機用スリップマーク印設作業用具。
- 前記航空機用塗料が、航空機用塗料に関する米国連邦規格で規定される航空機用塗料であることを特徴とする請求項1または2に記載の航空機用スリップマーク印設作業用具。
- 前記ペン先は直径1〜6mmの略円柱状で、一方の先端が先細形状に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の航空機用スリップマーク印設作業用具。
- 前記キャップ繋留手段は前記ペン先に前記キャップを装着した状態の方が外した状態よりも伸張する弾性体で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の航空機用スリップマーク印設作業用具。
- 前記キャップ繋留手段はコイル状に形成された弾性体であることを特徴とする請求項5に記載の航空機用スリップマーク印設作業用具。
- 前記軸状筐体は外径5〜30mm、長さ70〜200mmに形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の航空機用スリップマーク印設作業用具。
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