JP4949276B2 - コネクタハウジング - Google Patents
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Description
(1)前記ロック支持部には、前記ロックアームの長さ方向に沿って前記補強部側へ向けて延出する延出部が設けられ、この延出部が前記補強部に連結される構成とする。このようにすれば、筒状部のさらなる補強を図ることができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図49によって説明する。本実施形態では、自動車のボディ(図示せず)に固定されたブラケットBに取り付けられるコネクタ40と、このコネクタ40に嵌合可能な相手コネクタ10とを示す。なお以下では、両コネクタ10,40における嵌合面側を前方、その逆側(被覆電線Wの引き出し方向)を後方とし、また上下方向(高さ方向)については図1,図16及び図47などを基準とする。
先に相手コネクタ10について説明する。相手コネクタ10は、図13に示すように、相手コネクタハウジング11(以下、単に相手ハウジング11という)と、相手ハウジング11内に収容され同軸電線Wの端末に接続される複数本(本実施形態では3本)の相手端子金具12と、相手ハウジング11に取り付けられるフロントリテーナ13とから構成される。
相手端子金具12が接続される同軸電線Wは、軸心側から順に、内部導体(芯線)、内部絶縁層、外部導体(編組線)、外部被覆を同心状に備える既知の構造とされる。このうち、内部導体は、自動車の電気回路の信号線を構成し、外部導体は、同電気回路のアース線を構成する。
相手端子金具12は、図10に示すように、同軸電線Wの内部導体に対して接続される内部導体用端子(図示せず)と、内部導体用端子の外側に配され同軸電線の外部導体に対して接続される外部導体用端子14と、内部導体用端子と外部導体用端子14との間に介在して両者を絶縁状態に保つための絶縁体(図示せず)とを備える。外部導体用端子14は、略円筒型をなすとともに内部導体用端子の外側を全周にわたって取り囲む本体部14aと、同軸電線Wの端末において露出した外部導体に圧着接続される電線接続部14bとを前後に繋げた構成とされる。この本体部14aには、コネクタ40と嵌合されたとき端子金具42側の外部導体用端子45が内嵌可能とされる。このとき、内部導体用端子は、端子金具42側の内部導体用端子(自動車の電気回路の信号線を構成する)に対して導通接触されるようになっている。また、電線接続部14bは、前後に一対ずつかしめ片を備えている。
相手ハウジング11は、合成樹脂製とされ、図1ないし図3に示すように、全体として略ブロック状に形成されており、その上面にはコネクタ40側に設けられたロックアーム52が係止可能なロック部18が設けられている。ロック部18は、相手ハウジング11の上面における幅方向中央に、前後に開放する溝部18aを一対形成して残された部分によって構成される。ロック部18の前面は、ロックアーム52の乗り上げを案内すべくテーパ状に形成されている。ロック部18の後面は、高さ方向に沿ってほぼ真っ直ぐに形成され、ここがロックアーム52が係止される係止面となっている。
上記した相手端子収容室19は、相手ハウジング11において高さ方向に2段、計3室設けられており、それぞれに対応してランス20及び撓み空間21などが形成されている。なお、以下では相手端子収容室19、ランス20及び撓み空間21に関して上下段で区別する場合には、上段のものの符号に添え字Aを、下段のものの符号に添え字Bを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
相手ハウジング11の前面には、前方からフロントリテーナ13を装着可能なリテーナ装着凹部24が設けられている。リテーナ装着凹部24は、相手ハウジング11の前面から両側面にわたる範囲に形成されている。詳しくは、リテーナ装着凹部24は、相手ハウジング11の前面において高さ方向について各ランス20及び各撓み空間21に対応した範囲に、それらの並び方向である幅方向に沿って帯状に形成され、相手ハウジング11の両側面においても前面側とほぼ同じ高さ範囲に、前方へ開放する溝状に形成されている。このリテーナ装着凹部24によって各相手端子収容室19の前壁のうちランス20側を向いた部分が切り欠かれている。
フロントリテーナ13は、合成樹脂製とされ、図4ないし図6に示すように、全体としてリテーナ装着凹部24に沿って門形をなしており、幅方向に沿って横長な主板27と、主板27の後面における両側端部から後方へ延出する一対の側板28と、主板27の後面における中間部分から後方へ突出する複数の撓み規制部29とから構成される。
次に、コネクタ40が取り付けられるブラケットBについて説明する。ブラケットBは、図18に示すように、導電性を有する金属製とされ、ボディとの固定箇所から片持ち状に延びる横長な板状をなしている。ブラケットBにおける先端部近くの幅方向中央位置には、厚さ方向に貫通するロック孔Baが設けられている。また、ブラケットBの先端部には、コネクタ40の取り付けをスムーズにするため全周にわたって面取りが施されている。
続いて、ブラケットBに取り付けられるコネクタ40について説明する。コネクタ40は、図29に示すように、コネクタハウジング41(以下、単にハウジング41という)と、ハウジング41に取り付けられ同軸電線Wの端末に接続された複数本(本実施形態では3本)の端子金具42と、ハウジング41に取り付けられるフロントリテーナ43と、ハウジング41に取り付けられ端子金具42の一部とブラケットBとを電気的に接続するための複数(本実施形態では2つ)の分割アース端子44とを備えている。このコネクタ40は、ブラケットBに取り付けられた状態で相手コネクタ10と嵌合接続されるようになっている。なお、端子金具42が接続される同軸電線Wの構成は、既述した相手コネクタ10側の同軸電線Wと同様であるため、その説明は割愛する。
端子金具42は、図15及び図29に示すように、同軸電線Wの内部導体に対して接続される内部導体用端子(図示せず)と、内部導体用端子の外側に配され同軸電線の外部導体に対して接続される外部導体用端子45と、内部導体用端子と外部導体用端子45との間に介在して両者を絶縁状態に保つための絶縁体(図示せず)とを備える。外部導体用端子45は、円筒型をなすとともに内部導体用端子の外側を全周にわたって取り囲む本体部45aと、同軸電線Wの端末において露出した外部導体に圧着接続される電線接続部45bとを前後に繋げた構成とされる。
ハウジング41は、合成樹脂製とされ、図16ないし図18に示すように、大まかには、端子金具42及び分割アース端子44が収容される端子収容部49と、相手コネクタ10が嵌合されるフード部50と、ブラケットBが取り付けられるブラケット取付部51とを備える。
ロックアーム52は、図19,図20及び図29に示すように、前後方向に沿って延びるアーム本体54を有しており、その前端部にロック部18と係止される爪状のロック係止部55が、後端部に上方から押圧操作可能な操作部56が設けられている。アーム本体54は、ロック係止部55を備える前端部が中間部分よりも幅狭に形成されるのに対し、操作部56を備える後端部が中間部分よりも幅広に形成されている。詳しくは、アーム本体54は、一定幅の中間部分と、中間部分と幅狭な前端部とを繋ぐとともに前端部側にかけて次第に幅寸法が小さくなる部分とを有しており、後端部が中間部分に対して段付き状に拡幅されている。アーム本体54は、図16に示すように、ロック係止部55が設けられた前端部がフード部50の上部50aにおける幅方向略中央位置に形成された部分的な切り欠き50b内に進入しており、そのロック係止部55が嵌合空間内に突出して配されている。言い換えると、ロックアーム52の一部は、フード部50に切り欠き50bを形成して確保された空間を利用して形成されている。この切り欠き50bは、フード部50及び端子収容部49の上部を前後に貫通する形態で形成されている。
ところで、ハウジング41を前方から見たとき、フード部50の上部50aとロック保護部53と両ロック支持部57,58とに囲まれた空間には、図16に示すように、フード部50を補強するための補強部59が設けられている。補強部59は、その下端部がフード部50の上部50aにおける前端部に連結されるとともに、側端部がロック保護部53における前端部に連結されている。補強部59は、その前端面がフード部50の前端面及びロック保護部53の前端面と面一状をなしている。そして、第1のロック支持部57には、図19ないし図21に示すように、ロックアーム52に並行してさらに前方へ延出する延出部60が設けられており、その延出部60の前端部が補強部59の上端部に連結されている。この延出部60は、その側縁が全長にわたって隣接するロック保護部53の内側面に対して連結されている。
続いて、ブラケット取付部51について説明する。ブラケット取付部51は、図16ないし図18,及び図33に示すように、ハウジング41のうち、高さ方向に沿った側面に設置されており、そこに取り付けられるブラケットBは、その板面を上下方向と一致させた姿勢となる。
端子収容部49は、図16及び図17に示すように、略ブロック状に形成されている。端子収容部49には、端子金具42を収容可能な端子金具用収容室61と、フロントリテーナ43を装着可能なリテーナ装着凹部62と、分割アース端子44を収容可能な分割アース端子用収容室63とが設けられている。このうち、分割アース端子用収容室63については、分割アース端子44と共に後に詳しく説明するものとし、先に端子金具用収容室61及びリテーナ装着凹部62について順次説明する。
端子金具用収容室61は、端子金具42の本体部45aの外形に合わせて円形状をなすとともに端子収容部49を前後に貫通する孔状に形成されており、後方から端子金具42が個別に挿入可能とされている。端子金具用収容室61の内周壁面には、図29に示すように、挿入される端子金具42のランス係止部47に対して弾性的に係止することでこれを抜け止め保持可能なランス64が設けられている。ランス64によって抜け止めされた端子金具42は、本体部45aの前部が嵌合空間内に突き出した状態で保持される(図30参照)。
上記した端子金具用収容室61は、端子収容部49において高さ方向に2段、計3室設けられており、それぞれに対応してランス64、撓み空間65及び過度撓み規制部66などが形成されている。なお、以下では端子金具用収容室61、ランス64、撓み空間65及び過度撓み規制部66に関して上下段で区別する場合には、上段のものの符号に添え字Aを、下段のものの符号に添え字Bを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
さらには、第2の過度撓み規制部66Bには、図16及び図29に示すように、フロントリテーナ43を移動操作するための治具を挿入可能な治具挿入溝部69が設けられている。治具挿入溝部69は、第2の過度撓み規制部66Bを部分的に切り欠いて形成されており、両第1の端子金具用収容室61A間に挟まれた位置(中間位置)に配されている。詳しくは、治具挿入溝部69は、幅方向について第2の過度撓み規制部66Bのほぼ中央位置に形成されるとともに、第2の過度撓み規制部66Bを幅方向左右に分断(分割)して形成されている。これにより、治具挿入溝部69の両側に一対の第2の過度撓み規制部66Bが残されることになり、両第2の過度撓み規制部66Bが第2のランス64Bにおける幅方向両側端部に対して係合可能とされる。治具挿入溝部69は、第2の過度撓み規制部66Bを切り欠くとともに、第2の撓み空間65Bに連通して形成されている。また、治具挿入溝部69は、両第1の端子金具用収容室61A間を仕切る仕切り壁をも切り欠いて形成されており、同仕切り壁を幅方向左右に分断して形成されている。治具挿入溝部69は、第2のランス64Bの根元位置(後端位置)よりは前寄りの位置となる深さに形成されている。
端子収容部49の前面には、図16に示すように、前方からフロントリテーナ43を装着可能なリテーナ装着凹部62が設けられている。リテーナ装着凹部62は、端子収容部の前面における下側略半分の領域を凹ませてなる凹状部分62aと、凹状部分62aの両側端位置にて凹状部分62aよりも奥深く形成される溝状部分62bとから構成される。凹状部分62aは、端子収容部49における両第1の端子金具用収容室61Aよりも下側の領域のうち、各過度撓み規制部66Aを含むものの第2の端子金具用収容室61Bにおける前壁を除く範囲に形成されている。この凹状部分62aは、各撓み空間65に連通して形成されている。
フロントリテーナ43は、合成樹脂製とされ、図22ないし図25に示すように、全体としてリテーナ装着凹部62に沿って門形をなしており、幅方向に沿って横長な主板72と、主板72の後面における両側端部から後方へ延出する一対の側板73と、主板72の後面における中間部分から後方へ突出する複数の撓み規制部74と、主板72の上縁から上方へ突出する操作部75とから構成される。このうち、主板72は、リテーナ装着凹部62における凹状部分62aに適合した形状とされ、第2の端子金具用収容室61Bの前壁を挿通可能な挿通孔72aが前後に貫通して形成されている。
次に、分割アース端子44及び分割アース端子用収容室63について詳しく説明する。分割アース端子44は、図35ないし図40に示すように、導電性を有する金属板をプレス成形などすることで所定形状に形成されている。分割アース端子44は、上段側の2本の端子金具42をブラケットBに接続する2極用のものと、下段側の1本の端子金具42をブラケットBに接続する1極用のものとの2種類があり、それぞれが端子収容部49に形成された各分割アース端子用収容室63内に個別に収容される。なお、以下では分割アース端子44及び分割アース端子用収容室63を区別する場合には、2極用のものの符号に添え字Aを、1極用のものの符号に添え字Bを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
先に、両分割アース端子44の共通構造について説明する。分割アース端子44は、幅方向及び前後方向に沿った本体板78と、本体板78を部分的に切り起こしてなる端子接触片79と、本体板78の側縁から屈曲されて上下方向に沿った側板80と、側板80から延出されるブラケット接触片81とから構成されている。このうち、端子接触片79が端子金具42の外部導体用端子45に、ブラケット接触片81がブラケットBにそれぞれ弾性接触可能とされる。
続いて、両分割アース端子44A,44Bの個別構造について説明する。2極用の分割アース端子44Aでは、端子接触片79A及び切り欠き83Aが2つずつ設置されているのに対し(図36)、1極用の分割アース端子44Bでは、端子接触片79B及び切り欠き83Bが1つずつ設置されている(図39)。それに伴い、2極用の分割アース端子44Aの本体板78Aは、幅寸法が1極用の分割アース端子44Bの本体板78Bよりも大きく設定されている(図36及び図39)。2極用の分割アース端子44Aでは、2つずつの端子接触片79A及び切り欠き83Aが本体板78Aにおいて幅方向についてほぼ対称となる位置に設置されているのに対し(図36)、1極用の分割アース端子44Bでは、端子接触片79B及び切り欠き83Bが本体板78Bの中心から側板80B側とは反対側に偏った位置に設置されている(図39)。
次に、両分割アース端子用収容室63の共通構造について説明する。分割アース端子用収容室63は、図17に示すように、端子収容部49において後方へ開口する溝状に形成され、各端子金具用収容室61よりもコネクタ40の径方向外側で、且つブラケット用収容室51aよりもコネクタ40の径方向内側に配されている。分割アース端子用収容室63は、対応する分割アース端子44の外形に合わせて後方から見て略L字型をなしており、幅方向に沿って延びるとともに本体板78が収容される本体板収容部分86と、上下方向に沿って延びるとともに側板80が収容される側板収容部分87とを繋げた構成とされる。
そして、分割アース端子用収容室63における本体板収容部分86の周面のうち、端子接触片用連通溝部88に臨む(対向する)位置には、図17,図41及び図43に示すように、取り付けられる分割アース端子44を位置決めするための位置決め部90が設けられている。位置決め部90は、幅方向について端子接触片用連通溝部88とほぼ同じ位置に配されており、分割アース端子44における端子接触片79及び切り欠き83と対応した位置に配置されている。従って、分割アース端子44を装着すると、位置決め部90が切り欠き83内に嵌合されるようになっており、これにより分割アース端子44が分割アース端子用収容室63に対して幅方向について位置決めされるようになっている。そして、それにより、端子接触片79が端子接触片用連通溝部88及び端子金具42に対して幅方向について位置決めされる。位置決め部90は、本体板収容部分86における幅方向に沿った面から端子接触片用連通溝部88側に突出するとともに前後方向に沿って延びるリブ状をなしており、その前端部が本体板収容部分86の前縁に連結されている。位置決め部90の後端部は、ハウジング41の後端位置よりは前寄りに配されている。位置決め部90の長さ寸法は、本体板78における切り欠き83の長さ寸法より少し短く設定されている。
続いて、各分割アース端子用収容室63の個別構造について詳しく説明する。2極用の分割アース端子用収容室63Aは、端子収容部49のうち上端部と図17に示す右側(ブラケット取付部51側)の側端部の上部とにわたる範囲に形成されている。詳しくは、2極用の分割アース端子用収容室63Aは、本体板収容部分86Aが上段側の両端子金具用収容室61Aよりも上側、つまりコネクタ40の径方向外側に配され、側板収容部分87Aが上段の同図右側の端子金具用収容室61Aとブラケット用収容室51aとの間に配されている。端子接触片用連通溝部88Aは、上段側の両端子金具用収容室61Aに対応して一対形成されている。また、位置決め部90Aについても両端子接触片用連通溝部88Aに対応して一対形成されている。ブラケット接触片用連通溝部89Aは、端子収容部49の上部に配された側板収容部分87Aとブラケット用収容室51aの上部とを連通させている。また、リブ92Aは、本体板収容部分86Aにおける両端位置に設置されている。
ところで、両分割アース端子用収容室63とブラケット用収容室51aとの間には、既述したようにブラケット接触片用連通溝部89が形成されて互いが連通されているのであるが、その連通部分には、各収容室51a,63に取り付けられる分割アース端子44とブラケットBとを仕切るための仕切り部93が残されている。仕切り部93は、両分割アース端子用収容室63の側板収容部分87間を仕切る基部93aと、基部93aの先端から上下に張り出すとともに両側板収容部分87とブラケット用収容室51aとを仕切る一対の張出部93bとからなり、全体として後方から見て略T字型をなしている。
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。コネクタ40及び相手コネクタ10に関してそれぞれ組み付け作業を行った後、両コネクタ10,40の嵌合作業を行う。
先に相手コネクタ10の組み付け作業について説明する。まず、図10に示すように、相手ハウジング11に対してフロントリテーナ13を仮係止位置に装着する。相手ハウジング11の各相手端子収容室19内に、後方から同軸電線Wの端末に接続した各相手端子金具12を挿入すると、スタビライザ16がスタビライザ挿通溝23に挿通されることで、相手端子金具12が周方向について位置決めされる(回り止めされる)とともにその挿入動作(前進動作)が円滑なものとなる。
続いて、コネクタ40の組み付け作業について説明する。ハウジング41の両分割アース端子用収容室63に対応する分割アース端子44を個別に取り付ける作業を行う。ハウジング41の後方から分割アース端子44を分割アース端子用収容室63内に挿入する際には、ハウジング41の後端位置に配された仕切り部93の後端部によってガイド(位置決め)されることで、側板80がブラケット用収容室51a内に進入することなく確実に側板収容部分87内に進入する。
上記のように分割アース端子44の取り付け作業を行う一方で、図29に示すように、ハウジング41に対してフロントリテーナ43を仮係止位置に装着する作業を行う。なお、フロントリテーナ43の装着作業を分割アース端子44の取り付け作業よりも先に行っても構わない。その後、各同軸電線Wの端末に接続された各端子金具42を、各端子金具用収容室61内に挿入する作業を行う。図29に示す状態から、ハウジング41の後方から端子金具42を端子金具用収容室61内に挿入すると、スタビライザ46がスタビライザ挿通溝67に、突起48が突起挿通溝68にそれぞれ挿通されることで、端子金具42が周方向について位置決めされる(回り止めされる)とともにその挿入動作(前進動作)が円滑なものとなる(図46参照)。
続いて、ハウジング41をブラケットBに取り付ける作業を行う。図18及び図33に示す状態から、ハウジング41の後方からブラケットBをブラケット用収容室51a内に挿入する際には、ハウジング41の後端位置に配された仕切り部93の後端部によってガイド(位置決め)されることで、ブラケットBが側板収容部分87内に進入することなく確実にブラケット用収容室51a内に進入する。
次に、ブラケットBに取り付けたコネクタ40に対して相手コネクタ10を嵌合接続する作業を行う。図47に示す状態から、ハウジング41のフード部50内に相手ハウジング11を嵌合させる。このとき、仮に相手ハウジング11がハウジング41に対して嵌合面を傾けた姿勢で嵌合されようとした場合には、相手ハウジング11がフード部50の内周面に干渉することで、フード部50に変形が生じて上記斜め嵌合が許容される可能性がある。ところが、フード部50は、補強部59によってロック保護部53に連結されて補強が図られているから、フード部50に変形が生じ難くなっており、これにより斜め嵌合を規制することができる。また、ハウジング41に対して相手ハウジング11が正規とは上下逆向きの姿勢で嵌合されようとした場合には、フード部50の内周面と相手ハウジング11の外周面とが嵌合方向から見て上下非対称形状となっているから、相手ハウジング11がフード部50の前端部に干渉し、不正な姿勢での嵌合が規制される。
ところで、メンテナンスなどの事情により、両コネクタ10,40を取り外し、各コネクタ10,40から各端子金具12,42を取り外す作業を行う場合がある。その場合には、ロックアーム52の操作部56を押圧操作してロック部18との係止状態を解除しつつ、相手ハウジング11をフード部50から引き離すようにする(図47)。両コネクタ10,40を取り外した後、相手コネクタ10においては、フロントリテーナ13の操作溝部32に治具を引っ掛け、フロントリテーナ13を前方へ移動させて仮係止位置とし(図11)、その状態で治具によってランス20を強制的に撓み変形させて相手端子金具12に対する係止状態を解除しつつ同軸電線Wを引っ張って相手端子金具12を引き抜く(図10)。一方、コネクタ40においては、ブラケットBから取り外した後、ハウジング41の治具挿入溝部69内に前方から治具を挿入し、その治具挿入溝部69に臨んで配されるフロントリテーナ43の操作部75に治具を引っ掛ける。そして、治具を前方へ操作することで、フロントリテーナ43を仮係止位置に移動させ(図30)、その状態で治具によってランス64を強制的に撓み変形させて端子金具42に対する係止状態を解除しつつ同軸電線Wを引っ張って端子金具42を引き抜く(図29)。
また、上記したコネクタ40とは別に、使用する同軸電線W及び端子金具42の数が異なるコネクタが必要な場合には、そのハウジングの構造を上記コネクタ40のハウジング41と部分的に共通させることで、上記コネクタ40に用いた分割アース端子44を共用することが可能となっている。このようにすれば、極数が異なる複数種類のコネクタにおいて分割アース端子44を共用化することができるので、仮にコネクタの種類毎に専用部品として分割アース端子を製造した場合と比較すると、低コスト化を図ることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した実施形態では、第1のロック支持部から延出する延出部が全長にわたってロック保護部に連結された場合を示したが、延出部が前後方向について部分的にロック保護部に連結されるものも本発明に含まれる。また、延出部がロック保護部とは連結されず、補強部にのみ連結されるものも本発明に含まれる。
41…ハウジング(コネクタハウジング)
50…フード部(筒状部)
52…ロックアーム
53…ロック保護部
54…アーム本体
55…ロック係止部
57…第1のロック支持部(ロック支持部)
58…第2のロック支持部
59…補強部
60…延出部
Claims (5)
- 相手ハウジングを嵌合可能な筒状部と、前記筒状部を部分的に切り欠いて確保した空間に形成され前記相手ハウジングを嵌合状態に保持可能なロックアームと、前記筒状部に設けられ前記ロックアームの側方位置に配されるロック保護部と、前記ロックアーム及び前記ロック保護部を連結するロック支持部と、前記筒状部と前記ロック保護部と前記ロック支持部とに囲まれた空間に形成され前記筒状部及び前記ロック保護部に連結される補強部とを備えるコネクタハウジング。
- 前記ロック支持部には、前記ロックアームの長さ方向に沿って前記補強部側へ向けて延出する延出部が設けられ、この延出部が前記補強部に連結されている請求項1記載のコネクタハウジング。
- 前記延出部は、前記ロック支持部から前記補強部にかけて全長にわたって前記ロック保護部に対して連結されている請求項2記載のコネクタハウジング。
- 前記ロックアーム及び前記筒状部を連結する第2のロック支持部が設けられている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコネクタハウジング。
- 前記ロックアームは、前記ロック支持部が連結されるとともに弾性変形可能なアーム本体と、このアーム本体の先端部に設けられ前記相手ハウジングに対して係止可能とされ且つ前記筒状部を部分的に切り欠いて確保した空間に配されるロック係止部とからなり、前記ロック係止部は、前記アーム本体よりも幅狭に形成されている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコネクタハウジング。
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