JP4949179B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、運転者負荷(長時間走行等)に応じて自車両の状態(目標車間距離等)を自動的に設定する追従制御装置が開発されている。
そこで本発明は、アクセルペダルのばたつきによる燃費の低下を防止することが可能な車両用走行制御装置の提供を課題とする。
また、ドライバが自らの運転操作によって安定走行状態から離脱した場合に、その時点での自車速度および車間距離を用いて目標車間距離範囲を補正するので、目標車間距離範囲をドライバ好みの許容範囲に設定することができる。これにより、ドライバは違和感なく快適に車速一定走行を行うことができる。
また、安定走行状態への復帰を前提として安定走行状態から離脱した場合に限り、目標車間距離範囲を補正することが可能になる。したがって、安定走行状態の許容範囲となる目標車間距離範囲を適切に設定することができる。
また、アクセルペダル変化量取得手段により取得したアクセルペダル操作量の正方向の変化量が第1の所定値より大きい場合に、ドライバが安定走行状態から離脱して加速を要求したと判断することができる。また自車速度が略一定になり、なおかつ車間距離が前記目標車間距離範囲内に収まっている場合に、自車両が安定走行状態に復帰したと判断することができる。
また、ドライバが自らの運転操作によって安定走行状態から離脱した場合に、その時点での自車速度および車間距離を用いて目標車間距離範囲を補正するので、目標車間距離範囲をドライバ好みの許容範囲に設定することができる。これにより、ドライバは違和感なく快適に車速一定走行を行うことができる。
また、安定走行状態への復帰を前提として安定走行状態から離脱した場合に限り、目標車間距離範囲を補正することが可能になる。したがって、安定走行状態の許容範囲となる目標車間距離範囲を適切に設定することができる。
また、アクセルペダル操作量がゼロであるか、またはアクセルペダル操作量の負方向の変化量が第2の所定値より小さい場合に、ドライバが安定走行状態から離脱して減速を要求したと判断することができる。またアクセルペダル操作量の正方向の変化量が第3の所定値より大きく、なおかつ前記車間距離判断手段により車間距離が前記目標車問距離範囲内に収まっている場合に、自車両が安定走行状態に復帰したと判断することができる。
(車両用走行制御装置)
図1は、本実施形態に係る車両用走行制御装置のブロック図である。本実施形態に係る車両用走行制御装置1は、車間距離センサ12を備えている。車間距離センサ12として、マイクロ波レーダやミリ波レーダ、レーザレーダ等のレーダが、自車両の前方に装着されている。このレーダからの照射波が先行車両で反射して戻ってくるまでの時間を計測することにより、自車両と先行車両との車間距離を検出しうるようになっている。
また車両用走行制御装置1は、アクセルペダル(以下「AP」という。)開度センサ16およびAP開度変化量算出部17を備えている。AP開度変化量算出部17は、AP開度センサ16により検出されたAP開度の単位時間当たりの変化量から、AP開度変化量を算出するものである。
またECU20には、自車速度制御部28が設けられている。自車速度制御部28は、車両の駆動力源であるエンジンやモータの出力調整等を行うことにより、追従クルーズ状態において自車速度を一定に保持したり、先行車両との車間距離が目標車間距離の最適値となるように自車速度を制御したりするものである。
次に、本実施形態に係る車両用走行制御装置を使用した走行制御方法について説明する。図2は、走行制御方法のメインルーチンのフローチャートである。まずS1において、追従クルーズフラグ(モード)が1(ON)でないか判断する。S1の判断がYes(追従クルーズモードがOFF)の場合はS2に進み、追従クルーズ判定部22により、現在の自車両が追従クルーズ状態であるか判断する。ここでは、自車速度や車間距離がほぼ一定で安定した場合に、自車両が追従クルーズ状態であると判断する。S2の判断がNo(追従クルーズ状態でない)の場合はS4に進み、追従クルーズフラグを0に保持する。S2の判断がYes(追従クルーズ状態である)の場合はS3に進み、追従クルーズフラグを1に持ち替える。
(最適値補正)
図5(b)は、目標車間距離の最適値の補正方法の説明図である。目標車間距離の最適ラインの初期版C0は、各車速における安全車間距離に設定されている。安全車間距離は、各車速において急制動した場合の制動距離であり、車速×0.3で算出される。これに対して、新たに追従クルーズ状態であると判定された場合の自車速度および車間距離は、その自車速度での追従クルーズにおけるドライバ好みの車間距離の最適値であると考えられる。そこで目標車間距離範囲設定部24は、S5においてメモリ30に保存した最適値PC1を読み出し、この最適値PC1を通るように最適ラインの初期版C0を平行移動する。このようにして、目標車間距離の最適ラインの第1補正版C1を作成する。なお最適値PC1をそのまま第1補正版C1の作成に利用することなく、反映係数の乗算等により影響力を緩和した状態で第1補正版C1の作成に利用してもよい。
図3は、制御抜け意思判定サブルーチンのフローチャートである。ここでは、追従クルーズ判定部22により、追従クルーズ制御を離脱する意思がドライバにあるか判定する。まずS12において、AP開度が全閉(AP_CLOSE=1)であるか、またはAP開度変化量が減速要求判定閾値(マイナス値)より小さい(ΔAP<AP_DEC1)か判断する。ここでは、AP開度が全閉の場合またはAP開度が急激に減少した場合に、車間距離が狭くなりすぎたのでドライバが追従クルーズ制御から離脱して減速を要求していると判定する。S12の判断がYes(減速要求あり)の場合にはS13に進み、減速要求フラグ(モード)を1(ON)にする。
これに対して、S25の判断がNo(加速要求なし)の場合には、ドライバが追従クルーズ制御から離脱する意思はないと判断し、制御抜け意思判定サブルーチンを終了する。
最初に、減速要求モード(S13以降)について説明する。まずS14において、減速要求時の車間距離DISTを取得し、DIST_openに入力する。次にS15において、追従クルーズフラグを0にする。そしてS16において、車速一定制御を停止する。これにより、ドライバのAP操作に従って減速が行われ、自車両が先行車両から離反して車間距離が広がる。次にS17において、AP開度変化量が追従復帰判定閾値(プラス値)より大きい(ΔAP>AP_DEC2)か判断する。ここでは、AP開度が急激に増加した場合に、ドライバが減速を停止したと判断する。この判断は、追従クルーズ判定部22により追従クルーズ判定として行ってもよい。なお、S17の判断がYes(減速停止あり)になるまで車速一定制御を停止し、S17の判断がYesになったらS18に進む。
なおS17の判断がYesの場合には、車間距離が適正値になったのでドライバが減速を停止したと判断することも可能である。そこで、減速停止時の自車速度および車間距離を用いて、目標車間距離範囲の適正値を補正してもよい。
次に、加速要求モード(S26以降)について説明する。まずS27において、加速要求時の車間距離DISTを取得し、DIST_openに入力する。次にS28において、追従クルーズフラグを0にする。そしてS29において、車速一定制御を停止する。これにより、ドライバのAP操作に従って加速が行われ、自車両が先行車両に接近して車間距離が狭くなる。次にS30において、自車速度VPがほぼ一定値で安定したか判断する。ここでは、自車速度VPがほぼ一定値となった場合に、ドライバが加速を停止したと判断する。この判断は、追従クルーズ判定部22により追従クルーズ判定として行ってもよい。なお、S30の判断がYes(加速停止あり)になるまで車速一定制御を停止し、S30の判断がYesになったらS18に進む。
図5(c)は、目標車間距離の上限値の補正方法の説明図である。S25における加速要求時の自車速度および車間距離は、その自車速度での追従クルーズにおけるドライバ好みの車間距離の上限値であると考えられる。そこで目標車間距離範囲設定部24は、S27においてメモリ30に保存した上限値PH1を読み出し、この上限値PH1を通るように最適ラインCを平行移動する。このようにして、目標車間距離の上限ラインの第1補正版H1を作成する。このように、任意の自車速度における目標車間距離とその上限値との差が、メモリ30に記憶させた自車速度における目標車間距離とメモリ30に記憶させた車間距離との差になるように目標車間距離の上限値を補正すれば、上限値のデータ数が少ない場合でも簡単かつ適切に上限ラインを設定することができる。
そして、S36において加速要求フラグを0に戻し、制御抜け意思判定サブルーチンを終了する。
図2のS9では、現在の車間距離が、上記のように設定された目標車間距離範囲内であるか判断する。S9の判断がNoの場合にはS11に進み、自車速度制御部28により、追従車速再設定を行う。
これに対して、S39の判断がYes(追従クルーズ状態である)の場合には、S40に進み、車間距離(DIST)が目標車間距離の最適値(DIST_req)となったか判断する。なおS40の判断がYesとなるまで上述した処理を繰り返す。S40の判断がYesとなったらS41に進み、その時点での先行車速(VP_ZENPO)において自車速度を一定に制御する。以上により、追従車速再設定サブルーチンを終了する。
この構成によれば、目標車間距離範囲内で追従クルーズ走行する場合に、先行車両の影響を受けることなく車速一定で走行ことが可能になる。これにより、APのばたつきによる燃費の低下を防止することができる。
この構成によれば、ドライバが自らの運転操作によって追従クルーズ状態から離脱した場合に、その時点での自車速度および車間距離を用いて目標車間距離範囲を補正するので、目標車間距離範囲をドライバ好みの許容範囲に設定することができる。これにより、ドライバは違和感なく快適に車速一定走行を行うことができる。
この構成によれば、追従クルーズ状態への復帰を前提として追従クルーズ状態から離脱した場合に限り、目標車間距離範囲を補正することが可能になる。したがって、追従クルーズ走行の許容範囲となる目標車間距離範囲を適切に設定することができる。
この構成によれば、車間距離が目標車間距離範囲の上限値を上回った場合または下限値を下回った場合に、ドライバの許容範囲を超えたと判断し、車間距離を目標車間距離の最適値まで自動的に戻すことができる。その後、自車速度を一定に制御することで、先行車両の影響を受けることがなくなり、アクセルペダルのばたつきによる燃費の低下を防止することができる。
この発明はエンジンのみを駆動源とする車両だけでなく、エンジンおよびモータを駆動源とするハイブリッド車両や、モータのみを駆動源とする電気自動車等にも適用することが可能である。
また、複数のドライバにより運転される車両の場合には、ドライバごとに目標車間距離範囲を設定することも可能である。
Claims (4)
- 自車速度を検出する自車速度検出手段と、
自車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
目標車間距離範囲を設定する目標車間距離範囲設定手段と、
車間距離が前記目標車間距離範囲内に収まっているかを判断する車間距離判断手段と、
前記自車両が安定走行状態であるかを判断する車両安定判断手段と、
自車速度を制御する自車速度制御手段と、
を備えた車両用走行制御装置であって、
前記自車速度制御手段は、前記車両安定判断手段により前記自車両が安定走行状態であると判断され、なおかつ前記車間距離判断手段により車間距離が前記目標車間距離範囲内に収まっていると判断された場合に、自車速度を一定に制御し、
前記目標車間距離範囲設定手段は、前記車両安定判断手段により前記自車両が安定走行状態から外れたと判断されたときの自車速度および車間距離を用いて、前記車両安定判断手段により前記自車両が安定走行状態に復帰したと判断された場合に、前記目標車間距離範囲の上限値または下限値を補正し、
自車速度および車間距離を記憶する記憶手段と、アクセルペダル操作量の変化量を取得するアクセルペダル変化量取得手段と、をさらに備え、
前記目標車間距離範囲設定手段は、
前記アクセルペダル変化量取得手段により取得したアクセルペダル操作量の正方向の変化量が第1の所定値より大きい場合に、その時の自車速度および車間距離を前記記憶手段に記憶させ、
その後、前記自車速度検出手段により検出した自車速度が略一定になり、なおかつ前記車間距離判断手段により車間距離が前記目標車間距離範囲内に収まっていると判断されたときに、前記記憶手段に記憶させた自車速度および車間距離を用いて前記目標車間距離範囲の上限値を補正する、
ことを特徴とする車両用走行制御装置。 - 自車速度を検出する自車速度検出手段と、
自車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
目標車間距離範囲を設定する目標車間距離範囲設定手段と、
車間距離が前記目標車間距離範囲内に収まっているかを判断する車間距離判断手段と、
前記自車両が安定走行状態であるかを判断する車両安定判断手段と、
自車速度を制御する自車速度制御手段と、
を備えた車両用走行制御装置であって、
前記自車速度制御手段は、前記車両安定判断手段により前記自車両が安定走行状態であると判断され、なおかつ前記車間距離判断手段により車間距離が前記目標車間距離範囲内に収まっていると判断された場合に、自車速度を一定に制御し、
前記目標車間距離範囲設定手段は、前記車両安定判断手段により前記自車両が安定走行状態から外れたと判断されたときの自車速度および車間距離を用いて、前記車両安定判断手段により前記自車両が安定走行状態に復帰したと判断された場合に、前記目標車間距離範囲の上限値または下限値を補正し、
自車速度および車間距離を記憶する記憶手段と、アクセルペダル操作量を取得するアクセルペダル操作量取得手段と、前記アクセルペダル操作量の変化量を取得するアクセルペダル変化量取得手段と、をさらに備え、
前記目標車間距離範囲設定手段は、
前記アクセルペダル操作量取得手段により取得したアクセルペダル操作量がゼロであるか、または前記アクセルペダル変化量取得手段により取得したアクセルペダル操作量の負方向の変化量が第2の所定値より小さい場合に、その時の自車速度および車間距離を前記記憶手段に記憶させ、
その後、前記アクセルペダル変化量取得手段により取得したアクセルペダル操作量の正方向の変化量が第3の所定値より大きく、なおかつ前記車間距離判断手段により車間距離が前記目標車問距離範囲内に収まっていると判断されたときに、前記記憶手段に記憶させた自車速度および車間距離を用いて前記目標車間距離範囲の下限値を補正する、
ことを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記目標車間距離範囲設定手段は、任意の自車速度における前記目標車間距離とその上限値または下限値との差が、前記記憶手段に記憶させた自車速度における前記目標車間距離と前記記憶手段に記憶させた車間距離との差になるように、前記目標車間距離の上限値または下限値を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用走行制御装置。
- 先行車速度を推定する先行車速度推定手段を備え、
前記自車速度制御手段は、
車間距離が前記目標車間距離範囲の上限値を上回った場合または前記目標車間距離範囲の下限値を下回った場合に、前記先行車速度推定手段により先行車速度を推定し、
車間距離が、推定された先行車速度における目標車間距離となるように、自車速度を制御し、
車間距離が前記目標車間距離となったときに、推定された先行車速度で自車速度を一定に制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置。
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