JP4948138B2 - 蓄光樹脂線入り木目模様手摺りパイプ又はアクリルメタリック手摺りパイプ - Google Patents
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あるいは特許文献2に開示されたように、合成樹脂被覆層の一部に長手方向の全長にわたる溝を彫って形成し、その溝内に、夜光顔料を混入した合成樹脂による帯状成形板を嵌め込んだ手摺り材を使用することも行われている。
その他、特許文献3に開示されたように、中空アルミニュームパイプの外周に蛍光顔料又は蓄光顔料を含ませた硬質発泡樹脂層を被覆した複合材を手摺りに使用したり、又は特許文献4に開示されたように中空心材の外周に先ず下地樹脂層を被覆し、その外周に蓄光材を配合した透明な表面樹脂層を全周被覆した部材を手摺りに使用することも知られている。
上記特許文献2のように、表層の樹脂層を削って形成した溝内へ、夜光顔料を混入した合成樹脂による帯状成形板を嵌め込んだ手摺り材は、溝の形成と、帯状板の用意および嵌め込みという手間のかかる工程を必要とするので、生産性が悪く、コスト高になるという問題点を否めない。帯状板が脱落する懸念も払拭できない。
次に、上記特許文献3、4に開示されたように、パイプ等の外周に蛍光顔料又は蓄光顔料(蓄光材)を含ませた硬質発泡樹脂層を被覆した複合材は、生産の一貫性があり、生産性に優れる。しかし、高価な蛍光顔料又は蓄光顔料(蓄光材)を大量に使用するので、生産性が良い割りに、製造コストが高いという問題点がある。
図1C、Dに示すように、木目模様樹脂被覆パイプ1に蓄光樹脂を線状に2軸押し出し成形する場合、蓄光樹脂2の下に、表層を形成する木目模様樹脂3が薄く残った木目模様樹脂層3aが存在すると、蓄光樹脂2の表面に、下の木目模様樹脂層3aの黒っぽい色が汚れのように浮き出し、模様のない所では茶褐色になり、見た目の美観を損なうものとなる。そこで蓄光樹脂2の下に木目模様樹脂層3aが来ないように、鋼管4へ直に被覆する構成にすると、表面に木目模様は出現しない代わりに、鋼管4の地色が黒く見えることになり、その黒色が濃くなったり薄くなったりして美観、品質が安定しない。
高価な蓄光樹脂2又は12の使用量はできるだけ少なく成形するのが経済的である。
木目模様樹脂3は、木粉が20%〜30%混入されたABS樹脂ベースに、色むらが出る顔料を混ぜ合わせて木目模様を表現する樹脂であり、本来、光が透過しないし、下地の樹脂層に耐候性要求がないので、ABS樹脂を使用して良い。また、手摺りパイプは基本的に屋内で使用する部材であり、屋外での使用を意図していない。
一方、アクリル樹脂は透明樹脂であり、光の透過による影響を考慮すると、下地の樹脂層は劣化するので、耐候性の良い樹脂を使用することが望まれる。また、アクリル樹脂は硬く脆いので、これを被覆したパイプは、切断した端面に割れや欠けが発生しない構成に工夫する必要がある。
また、アクリルメタリック手摺りパイプについては、切断した端面に割れや欠けが発生する問題点を解決することである。
3軸押し出し成形法により、鋼管4の表面に明るい色の第1樹脂5が接着して被覆され、前記第1樹脂5の表面に第2樹脂として木目模様樹脂3が被覆され、同木目模様樹脂3におけるパイプ円周方向の一部分を遮った部位の前記第1樹脂5の上に、第3樹脂としての蓄光樹脂2がパイプの長手方向へ線状に押し出し成形されていること、
前記明るい色の第1樹脂5はABS樹脂であり、第3樹脂としての蓄光樹脂2はスチレン系樹脂(ABS樹脂等)又はアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリーレート樹脂等)の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂であることを特徴とする。
前記耐候性が良く明るい色の第1樹脂15はAAS樹脂又はAES樹脂であり、第3樹脂としての蓄光樹脂12は耐候性の良いアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリーレート樹脂等)の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂であることを特徴とする。
しかも鋼管4の表面を第1樹脂5として明るい白色のABS樹脂で被覆し、その上に蓄光樹脂2がパイプの長手方向へ線状に押し出し成形されているので、蓄光の下向き光は反射されて表面に出るため、蓄光力(輝度)は鋼管4へ直接被覆する場合、あるいは木目模様樹脂3の上に被覆する場合に比して約1.3倍の強さを発揮し、蓄光樹脂線入り木目模様手摺りパイプ1としての有効性、有用性を高められる。
更に、蓄光樹脂2は、従前鋼管4へ塗布されてきた接着剤では鋼管4との接着力がさして強くなく、よって蓄光樹脂2を直接鋼管4へ接着するためには接着剤の種類を変更する必要さえあるが、本発明は、木目模様樹脂3と相溶性が良いABS樹脂を第1樹脂5として被覆し、その上に蓄光樹脂2を被覆して蓄光樹脂2を木目模様樹脂3と接着するので、鋼管4とABS樹脂の接着であり、従前の接着剤をそのまま使用可能であり、接着安定性が良い。その上、鋼管4の表面に明るい白色の第1樹脂5が接着被覆された層厚の分だけ、高価(約20000円/Kg)な蓄光樹脂2の使用量を節約でき、製造原価の低廉化を図れる。
ちなみに第1樹脂5がABS樹脂である場合、その価格は約400円〜600円/Kgで、蓄光樹脂2の約1/33〜1/50である。
しかも鋼管4の表面を、AAS樹脂又はAES樹脂など耐候性が良く明るい白色の第1樹脂15で被覆し、その上に第3樹脂として蓄光樹脂12がパイプの長手方向へ線状に押し出し成形されているので、蓄光樹脂12の下向き光は良好に反射されて表面に出ることになり、蓄光力(輝度)は鋼管4へ直接被覆する場合、あるいはアクリルメタリック樹脂13の上へ被覆する場合に比して約1.3倍の強さを発揮し、蓄光樹脂線入りアクリルメタリック手摺りパイプ11の有効性および有用性が高められる。
その上、アクリルメタリック樹脂13と相溶性が良いAAS樹脂又はAES樹脂などを第1樹脂15として鋼管4に被覆し、その上に蓄光樹脂12を被覆するので、鋼管4とAAS樹脂又はAES樹脂との接着であり、従前の接着剤をそのまま使用することが可能で、しかも接着安定性が良い。更に柔軟性と粘りがあるAAS樹脂又はAES樹脂を第1樹脂15として鋼管4へ被覆し、その上にアクリルメタリック樹脂13を被覆するので、切断機による切断時の衝撃を吸収し、切断端面の割れや欠けを防止することができる。しかも鋼管4の表面に耐候性が良く明るい色の第1樹脂15が接着して被覆した層厚の分だけ、高価(約15000円/Kg)な蓄光樹脂12の使用量を節約できるから、製造原価の低廉化を図れる。
ちなみに、第1樹脂がAAS樹脂又はAES樹脂である場合の価格は約500円〜700円/Kgで、蓄光樹脂の約1/21〜1/30である。
前記明るい色の第1樹脂5はABS樹脂であり、第3樹脂としての蓄光樹脂2はスチレン系樹脂(ABS樹脂等)又はアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリーレート樹脂等)の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂とする。
蓄光樹脂線入りアクリルメタリック手摺りパイプ11は、やはり3軸押し出し成形法により、鋼管4の表面に耐候性が良く明るい色の第1樹脂15を接着して被覆し、前記第1樹脂15の表面に第2樹脂としてアクリルメタリック樹脂13を被覆する。更に同アクリルメタリック樹脂13におけるパイプ円周方向の一部分を遮った部位の前記第1樹脂15の上に、第3樹脂として蓄光樹脂12をパイプの長手方向へ線状に押し出し成形している。
前記耐候性が良く明るい色の第1樹脂15はAAS樹脂又はAES樹脂であり、第3樹脂としての蓄光樹脂12は耐候性の良いアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリーレート樹脂等)の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂である。
請求項1に記載した発明に係る蓄光樹脂線入り木目模様手摺りパイプ1は、図1A、Bに実施例を示したように、外径がφ30mm度の鋼管4の表面に、明るい色の第1樹脂5が薄く均一な層状に接着して被覆され、この第1樹脂5の表面に、第2樹脂としての木目模様樹脂3がやはり均一な層状に被覆されている。そして、同木目模様樹脂3におけるパイプ円周方向の一部分を遮った部位の前記第1樹脂5の上に、蓄光樹脂2がパイプの長手方向へ線状に押し出し成形されて、全体として外径がφ32mm程度の樹脂接着被覆管として構成されている。
図示した実施例の場合、蓄光樹脂2は、円周方向に約90度隔てた2カ所の位置に押し出し成形されているが、この限りではない。1カ所のみでも良い。或いは使用上の必要によってはパイプ円周方向の全周にわたり2カ所以上複数箇所に成形することもよい。
なお、上記明るい色の第1樹脂5としては、具体的には既往の安価で使い勝手の良い接着剤を使用でき鋼管4との接着性が良いABS樹脂が好適である。木目模様樹脂3としては、木紛を20%〜30%混入させたABS樹脂ベースに、色むらが出る顔料を混ぜて木目模様が出るように配合した樹脂が使用される。第3樹脂としての蓄光樹脂2は、スチレン系樹脂であるABS樹脂又はアクリル系樹脂であるPMMA(ポリメチルメタクリーレート)樹脂等の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂が好適に使用される。
表面に予め接着剤を塗布されて図3中を右方向へ進行する鋼管4はダイス20の中を貫通して進み、先ずは加熱筒21から押し出された第1樹脂5としてのABS樹脂が鋼管4の表面へ接着して被覆される。続いて紙面上前記ダイス20の背後側に位置する加熱筒から押し出された木目模様樹脂3がダイス22を通じて前記第1樹脂5の外周面に被覆される。
前記のダイス22は、その円周の一部に開口を突起状に遮断した部分を有し、このようにして遮られた部位へ、加熱筒23から押し出された蓄光樹脂2を分配ダイス24を通じてパイプの長手方向へ線状に押し出し成形することにより、蓄光樹脂線入り木目模様手摺りパイプ1が一貫した工程で無限長に連続生産される。
上記の通り、本発明において、第2樹脂におけるパイプ円周方向の一部分を「遮った」部位とは、第2樹脂をダイス22において押し出すことを遮り、第1樹脂が露出する溝状を形成し、その溝状に次の第3樹脂のダイスを通じて押し出し成形することを可能ならしめる構成を指す。
図示例の場合も、蓄光樹脂12は、円周方向に約90度隔てた2カ所の位置に押し出し成形されているが、この限りではない。1カ所のみでも良いし、あるいは使用上の必要によってはパイプ円周方向の全周にわたり2カ所以上複数箇所に成形する。
なお、上記アクリルメタリック樹脂13とは、メタリック調のアクリル樹脂を指すが、透明樹脂で光を透過させる影響、および蓄光樹脂12から入る光の入射の影響を考えると、内層の第1樹脂15については屋外での使用を意図すれば耐候性が望まれる。アクリル樹脂とスチレン系樹脂とは相溶性が良いので、第1樹脂15には耐候性が良く明るい色の樹脂が望まれ、具体的にはスチレン系のAAS樹脂又はAES樹脂が好適である。第3樹脂としての蓄光樹脂12としては、耐候性の良いアクリル系樹脂の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂が好適に使用される。
すなわち、表面に予め接着剤を塗布されて図3中を右方向へ進行する鋼管4は、ダイス20の中を貫通して進み、先ずは加熱筒21から押し出された第1樹脂15であるAAS樹脂又はAES樹脂が鋼管4の表面へ接着して被覆される。続いて紙面上前記ダイス20の背後側に位置する加熱筒から押し出されたアクリルメタリック樹脂13がダイス22を通じて前記第1樹脂15の外周面に被覆される。
前記のダイス22は、その円周の一部に開口を突起状に遮断した部分を有し、このようにして遮られた部位へ、加熱筒23から押し出された蓄光樹脂12を分配ダイス24を通じてパイプの長手方向へ線状に押し出し成形することにより、蓄光樹脂線入りアクリルメタリック手摺りパイプ11が一貫した3軸成形法により無限長に連続生産される。
なお、本発明で使用する上記蓄光樹脂2および12は、およそ8時間ぐらいは暗闇で視認できる程度の光を発し、使用目的に供せられる。
5 第1樹脂
3 第2樹脂(木目模様樹脂)
2 第3樹脂(蓄光樹脂)
1 蓄光樹脂線入り木目模様手摺りパイプ
15 第1樹脂
13 第2樹脂(アクリルメタリック樹脂)
12 第3樹脂(蓄光樹脂)
11 蓄光樹脂線入りアクリルメタリック手摺りパイプ
Claims (2)
- 3軸押し出し成形法により、鋼管の表面に明るい色の第1樹脂が接着して被覆され、前記第1樹脂の表面に第2樹脂として木目模様樹脂が被覆され、同木目模様樹脂におけるパイプ円周方向の一部分を遮った部位の前記第1樹脂の上に、第3樹脂としての蓄光樹脂がパイプの長手方向へ線状に押し出し成形されていること、
前記明るい色の第1樹脂はABS樹脂であり、第3樹脂としての蓄光樹脂はスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂であることを特徴とする、蓄光樹脂線入り木目模様手摺りパイプ。 - 3軸押し出し成形法により、鋼管の表面に耐候性が良く明るい色の第1樹脂が接着して被覆され、前記第1樹脂の表面に第2樹脂としてアクリルメタリック樹脂が被覆され、同アクリルメタリック樹脂におけるパイプ円周方向の一部分を遮った部位の前記第1樹脂の上に、第3樹脂としての蓄光樹脂がパイプの長手方向へ線状に押し出し成形されていること、
前記耐候性が良く明るい色の第1樹脂はAAS樹脂又はAES樹脂であり、第3樹脂としての蓄光樹脂は耐候性の良いアクリル系樹脂の透明ベースに蓄光顔料が添加された樹脂であることを特徴とする、蓄光樹脂線入りアクリルメタリック手摺りパイプ。
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