JP4947261B2 - 介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体およびその製法 - Google Patents

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Description

本発明は、温度により不可逆的に変色する感温変色体を有する電気絶縁成形体とその製法に関するものである。
従来、配電盤と分電盤間を結ぶ屋内配線等に使用される電線やコード、屋外配線を構成するケーブル、各種電気機器の部品等において、加熱による温度上昇を検知するための感温変色成形体が知られている。これらは、合成樹脂材料に感温変色性物質を混入してシート体やチューブ等の所定の形状に成形したものであった。本発明者は、先にこのような絶縁体をサーモキャップと呼び出願したが、これは特許文献1に見ることができる。図6は、従来の電気絶縁成形体であるサーモキャップ61とその使用状態を示す斜視図であり、6−Aは絶縁成形体の形状の一例を示す。上述の屋内配線、屋外配線等の配線に使用されている電線、コード、ケーブルは、一般的には、その末端に端子金具が装着されており、配電盤、分電盤等において、端子金具を介して他の配線と接続されることとなる。末端に端子金具62と、配線63が装着された状況を6−Bに示す。端子金具62は、導電性金属によって形成され、リング状をなす端子金具本体と、ここから後方へ一体に延設されたバレル(図示されていない)とからなっている。この内、端子金具本体の中心部には取り付け穴64が開口しており、他の配線と接続される場合には、この取り付け穴64を配電盤等に立設したボルト(図示しない)をねじ込んで締め付けることになる。端子金具62にたいして、上記の配線の芯線部分をバレルによりかしめ付けることによって、端子金具62が配線63に装着されることとなる。
特開H06−111863
上記の電気絶縁成形体は、合成樹脂の成形温度以上に加熱した後、成形体は冷却され、成形を完了するが、その性質上、可逆的な感温変色体しか成形体の中に含むことができない。不可逆性の感温変色体では、成形による温度上昇で変色し、その後、再使用できないからである。別の言い方をすれば、不可逆性感温変色体の変色温度以上の温度での樹脂成形ができないという制限ができる欠点があった。然しながら、このような成形温度が高い電気絶縁成形体に不可逆性の感温変色体を付設したものが要求されてきた。電気絶縁成形体は、主に配線端子に付けられ、接触不良などで異常な温度上昇を来たした形跡を、事後に感知することが事故発生原因の追究などのために必須だからである。このような状況にあって、感温変色体の変色温度を気にせずに、電気絶縁体の樹脂の成形の温度を高くしても良い構成とその製法が必須となった。この様な背景にあって、本発明者は、特許文献2に示す提案を行った。しかし、この出願に示す提案においても、不備が存在することが分かった。即ち、後述するように、補強剤としての低粘度ペイントの塗布において、ペイントの溶剤が不可逆シートと電気絶縁成形体との貼り付け界面に浸透して、不可逆シートの粘着剤又は接着剤を溶解する結果、不可逆シートが剥れてくるという不具合があることが分かった。ここで、特許文献2での提案において発生した不具合を図3を用いて説明する。
特願2004−184463
図3は、特許文献2における不可逆性感温変色体を付設した電気絶縁成形体(図1の1−A又は1−Bに対応)を構成する構造を示す図である。電気絶縁成形体30とその上に付設される不可逆性の感温変色体をa−a方向に断面を見たのが3−B、3−C、3−D、3−Eである。31は、変色しない色素、例えば黒色のインクや塗料による色素部であり、32は穴等の局在する不透明体による窓材部であり、不透明体がない部分が窓となり、下地の色素部が見えることになる。33は、不可逆性感温変色層であり、34は、電気絶縁成形体30上に付設した後の補強のための補強膜である。使用部材として、例えば、色素部31は、油性鉄部用黒色インク(株式会社アサヒペン製)が使用でき、窓材部32は、スコッチプラスティックテープ(3M製)が利用できる。不可逆性感温変色層33は、不可逆インク(アセイ工業製)を利用できる。補強膜34は、スコッチプラスティックテープNO471(3M製)の貼り付けまたは、塩化ビニルパイプ用接着剤SAN−E1(三栄水栓製作所製)の塗布で対処できる。3−Bでは、色素部31の上に中に窓部がある窓材部32があり、その上を不可逆性感温変色層33が、更にその上を補強膜34が覆っている。3−Cでは、窓材部32において、窓が中側でなく外側にある例である。3−Dでは、3−Bとの違いは、窓材部32と不可逆性感温変色層33の上下順が逆になっている例である。3−Eでは、3−Cとの違いは、窓材部32と不可逆性感温変色層33の上下順が逆になっている例である。以上の構成で発生した不具合は、補強膜34の電気絶縁成形体への密着が弱く容易に剥れるということであった。従って、本発明は、この不具合に対処して不可逆的に変色する感温変色体を有する電気絶縁成形体とその製法を提供する。
特願2004−184463
本発明は、以上のような背景であって従来の問題点を解決するために提案されたものであり、表面に不可逆性の感温変色体を有するように構成した電気絶縁成形体であり、その製法として、成形後の電気絶縁成形体表面に不可逆性の感温変色体を貼り付けまたは印刷または塗布により付設する。補強膜と不可逆性の感温変色体の間に介在保護層を置くことで、不可逆性の感温変色体の密着強度を向上させたことを特徴としている。以下、請求項に沿って説明する。
請求項1記載の発明は、介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体であって、成形された樹脂からなる電気絶縁成形体の表面に、貼り付け又は、印刷又は塗布により形成された不可逆性感温変色体を有し、前記不可逆性感温変色体は、少なくとも温度により色が不可逆的に変化する不可逆性感温変色層と、これをカバーし、前記電気絶縁成形体への前記不可逆性感温変色体の密着性を備えるための介在保護層及び補強膜とを有し、前記介在保護層は、少なくとも前記不可逆性感温変色体と前記電気絶縁成形体との密着界面を保護するように、前記不可逆性感温変色層と前記補強膜の間に付設されたことを特徴とする。これにより不可逆性感温変色体が剥れる不具合を回避できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体において、前記不可逆性感温変色体は、変色を見易くする色素部と、前記色素部の上に局在する不透明の窓材部と、温度変化により変色する不可逆性感温変色層を含むことを特徴とする。これにより、変色による温度変化の視認が容易になる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体において、前記の電気絶縁成形体には、可逆性の感温変色体のマイクロカプセルが分散して配置されていることを特徴とする。これにより、可逆性の感温変色体が安定に作成される。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体において、前記の電気絶縁成形体の前記樹脂の成形温度は、前記不可逆性感温変色層の変色温度より高いことを特徴とする。これにより、製造の温度範囲の規制が緩和される。
請求項5記載の発明は、介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法であって、前記電気絶縁成形体を形成する樹脂を所望の形状に成形後、前記電気絶縁成形体の表面に、貼り付け又は、印刷又は、塗布により、感温変色を見易くするための色素部を形成し、局在する不透明の窓材部と不可逆性感温変色層を順次又は逆順で形成した後、補強膜を形成することで、不可逆性感温変色体とし、前記補強膜は、前記不可逆性感温変色体と前記電気絶縁成形体との密着性を備えるためのものであり、前記不可逆性感温変色体と前記電気絶縁成形体との密着界面を保護するように介在保護層の形成を、少なくとも前記不可逆性感温変色層の形成と前記補強膜の形成の間に行うことを特徴とする。これにより不可逆性感温変色層が剥れる不具合を回避できる。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体、又は、請求項5記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法において、前記電気絶縁成形体と前記補強膜の素材を同一の材料としたことで両者の融合により密着性を向上させたことを特徴とする。これにより不可逆性感温変色層が剥れる不具合を回避できる。
以上の様に構成されているので、本発明の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体によれば、電気絶縁成形体の成形時の高温による不可逆性感温変色体の劣化を経ることなく、不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体を不可逆性感温変色体の剥離の不具合を克服して得ることができ、使用時の異常接触や異常過大電流による温度上昇を有効に検出する電気絶縁成形体を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態として、成形された電気絶縁成形体上の表面に、貼り付け、印刷、塗布等で付設された不可逆性感温変色体を有し、且つ、不可逆性感温変色体と電気絶縁成形体との界面に存在する粘着剤又は接着剤の侵食による剥れを防止する補強保護構造を有するもので、補強保護構造は、以下の構造を有している。補強膜の素材が、前記粘着剤又は接着剤を侵食する溶剤を含む場合、補強膜と電気絶縁成形体の間に、溶剤を含む高粘度の接着剤、又は、無溶剤型の接着剤を介在させることで、溶剤の浸透をさせないことで、界面の粘着剤又は接着剤の侵食を回避している。以下に実施態様を説明する。
本発明の電気絶縁成形体に使用可能な樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。適度な柔軟性を有していれば、装着の際に容易であり、端子への密着性にも優れるという観点から、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂等が好ましい。又、これらの電気絶縁成形体は、その成形前に、可逆性の感温変色体を分散混入することで、成形後に温度上昇により変色し、温度下降後に元に戻る
ものを作成することができる。本発明において使用される感温変色性物質は、常態においては、所定の色を示しているが、所定温度以上となると異なる色を示すこととなる。そして可逆性の熱変色性物質を用いた場合には、所定温度より低温になると、元の色に戻る。
例えば、熱変色性物質の色の変化としては、常態において、赤、白、青、緑、黒、黄等の色の熱変色性物質が、加熱により透明又は半透明に変色することが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において使用可能な可逆性の感温変色性物質は、繰り返し使用できるという利点を有している。この観点から、可逆性の感温変色物質としては、長期間にわたって使用できるマクロカプセル化したものを用いることが望ましい。例えば、(株)日本カプセルプロダクツ製の感温染色マイクロカプセルパウダーを用いることが出来る。これは、電子受容性化合物(顕色剤)類、この化合物類と反応して発色する無色染料である電子供与性色素類、及び、電子受容性化合物と電子供与性呈色性色素類との混合物に対して両者の反応をある温度以上もしくはある温度以下で阻害する性質を有する減感剤との混合物から構成される感温変色性物質を、透明で内部成分が染み出さず、外部からの浸透を防止しえる材料でマイクロカプセル化したものであり、ある温度以上(以下)で色が消える特性を有する。尚、電子受容性化合物類としては、フェノール性水酸基を有する化合物(例えば、ビスフェノールA)もしくはその金属塩、カルボン酸金属塩、又は、酸性酸エステル(例えば、没食子酸プロピルエステル)もしくはその金属塩等が用いられている。電子供与性呈色性色素類としてはクリスタルバイオレットラクトン(青)、マカライトグリーンラクトン(緑)、ローダミンBラクタム(赤)、3,6−ジメトキシフルオラン(黄)、3−シクロヘキシルアミノー6−クロロフルオラン(橙)、ジエチルアミノベンゾフルオラン(桃)、8−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(黒)等が用いられている。減感剤としては、アルコール、脂肪酸等が用いられている。
本発明において使用可能な不可逆性の感温変色性物質としては、所定の温度において、変色し、温度低下後も変色が元に戻らない物質であれば任意の物質を使用できる。例えば、サーモクロミック有機色素スピロピラン類、ビアントロンやジキサンチレン等の縮合芳香環の置換したエチレン誘導体など;金属錯塩結晶CoCl・(CH・10HO、PbCrO、CuHgI、AgHgIなど;コレステリック液晶(マイクロカプセルに封入して用いる);電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物と有極性有機化合物の組み合わせ・電子供与性呈色性化合物フェニルメタン系化合物(各種フルオラン、フェニルフタリド類等)、各種インドリルフタリド、スピロピラン、ロイコオーラミン類、アシルまたはアリールオーラミン類など・電子受容性化合物フェノール性水酸基を有する化合物、フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩、各種トリアゾール類、カルボン酸類、カルボン酸の金属塩など・有極性有機物アルコール類(オレイルアルコール等)、アミド類(アセトアセチルアニリド等)、エステル類(ジフェニルフタレート等)、水難溶性のカルボン酸の第一級アミン塩、ケトン又はエーテル類、少なくとも1個の芳香族基を結合基とするアゾメチン類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、感温変色性物質の下に変色しないインク等の色素を配し、感温変色により、色素が浮き出る構成にすることができる。
本発明において使用可能な感温変色性物質は、その変色温度は、感温変色温度を制御する物質の含有量を調整することにより、所望の温度の約±30℃、好ましくは約±20℃の範囲で適宜設定することが出来る。上記の感温変色性物質は単独で使用されても良いし、複数の物質が混合されて使用されても良い。上記した感温変色性物質の含有量は、電気絶縁成形体の重量に対して、0.5〜40重量%であり、経済的には、1〜20重量%程度が好ましい。
一態様としては、本発明の電気絶縁成形体は、ベース材料である上記の樹脂と任意の温度設定の上記可逆性温度変色性物質とを所定の配合比で混合した後、成形することにより得られる。又、可逆性温度変色性物質を含まない樹脂のみの成形でも構わない。成形方法は限定されるものではないが、本発明の成形体は、プレス成形が便利である。しかる後に、不可逆性の感温変色体を付設することができる。
本発明の電気絶縁成形体の表面に貼り付け、塗布、又は印刷で付設される不可逆性の感温変色性物質を有するシート等の不可逆性感温変色体と電気絶縁成形体の接着界面を含めて、前記シートを補強する補強膜は、以下の構造を有している。補強膜の素材が、前記粘着剤又は接着剤を侵食する溶剤を含む場合、補強膜と電気絶縁成形体の間に、溶剤を含む高粘度の接着剤、又は、無溶剤型の接着剤を介在させることで、溶剤の浸透をさせないことで、界面の粘着剤又は接着剤の侵食を回避している。補強膜を形成するものとして、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂等の基材をメチルエチルケトン、トルエン、変性トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の溶剤で溶かしたものが挙げられる。一例として、ポリ塩化ビニル系塗料がKBペイントの商品名で株式会社コバヤシから上梓されているので、利用することが出来る。介在させる高粘度の接着剤としては、前記の補強膜の基材を溶剤で溶かしたものにエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム、シルコーン樹脂などの樹脂を0.1〜10%程度混入して粘度を上げ、接着剤としたものであり、そのため、流動性が低下して界面への浸透が少ない。このような一例として、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸コポリマーを10〜30%、トルエン溶剤13%、メチルエチルケトン溶剤55%、エポキシレジン1%を含んだ工業用接着剤がPA−7426の商品名で住友3M株式会社から上梓されているので、利用することが出来る。又、無溶剤型の接着剤としては、ウレタン系、エポキシ系、変性アクリル系の接着剤があり、水性のものと溶剤を含まないものがある。例えば、無溶剤型エポキシ系接着剤として、アロンマイティAPシリーズとして、東亜合成株式会社から上梓されているので利用することが出来る。
本発明の目的を損なわない範囲で、その効果が発現する量の各種添加剤、無機充填剤を添加してもよい。各種添加剤としては、難燃剤、難燃助剤、滴下防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、着色剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の一実施態様を図1、図2、図4、図5に示し説明する。
図1は、本発明による介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の一実施態様を示す図である。1−Aにおいて、本発明の電気絶縁成形体100がキャップ状の形状の例を示し、配線を通す配線通過穴部112と接続端子を通過するための接続端子穴部113を有する形状に成形されている。電気絶縁成形体100の樹脂としては、前述したが、ここでは、塩化ビル樹脂を用いて、180℃/10分の成形を行った。成形前には、可逆性感温変色体のマイクロカプセル、例えば、(株)日本カプセルプロダクツ製の感温染色マイクロカプセルパウダーを10重量%分散混入した。また、温度上昇により、更に収縮する熱収縮性材料を用いると、温度上昇により、更に密着性が良くなって都合がよい。電気絶縁成形体100の表面には、成形後に不可逆性感温変色体110が貼り付け、または印刷、または塗布により付設されている。それゆえ、配線と端子を配線通過穴部112と接続端子穴部113から挿入し、使用した場合には、異常な温度上昇があると、可逆性感温変色体は、温度上昇時には、変色により温度上昇が検知できるが、温度下降により、変色の形跡が残らないが、一方、不可逆性感温変色体は、温度下降後も変色を維持するので、温度上昇の形跡が残ることになる。1−Bにおいて、100はシート状の電気絶縁成形体、110は、成形後に貼り付けられた不可逆性感温変色体であって、1−Aとの電気絶縁成形体100との違いは形状がキャップではなく、シート状ということだけである。このようにすると、使用者が温度上昇する可能性のある部位に貼り付けて、温度上昇を検知することができる。不可逆性の感温変色体は、シートの表面に適当な間隔で、或いは長手方向に沿って長く形成されるので、適当な長さに切って使用する事ができる。1−Bのシート状の電気絶縁成形体の場合は、粘着剤等で、貼り付けて使用する事ができる。
1−Cは、1−A及び1−Bにおいて、a−aでの断面での構成を示している。電気絶縁成形体100上に粘着又は接着する接着層106を介して、不可逆性感温変色体110の補強膜以外の部分120が付設してあり、それを補強膜104がカバーして保護している。
補強膜104のカバー時にその溶剤による接着層106の侵食を回避するために、高粘度の接着剤による介在保護層105が存在している。この様にすることで、不可逆性感温変色体110及び補強膜104の電気絶縁成形体100への密着性が強化され、剥れる不具合が回避されている。
図2は、介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の種々の構成例を示す図である。2−Aでは、電気絶縁成形体200(図1の100に対応)上に不可逆性感温変色体210(図1の110に対応)が付設されている。そのa−aにおける断面を示す構成が、2−B、2−C、2−D、2−Eのいずれかとなっている。201は、変色しない色素、例えば黒色のインクや塗料による色素部であり、202は穴等の局在する不透明体による窓材部であり、不透明体がない部分が窓となり、下地の色素部が見えることになる。203は、不可逆性感温変色層であり、204は電気絶縁成形体200に付設した後の補強のための補強膜である。205は、電気絶縁成形体200と補強膜204の間に介在し、色素部201及び窓材部202及び不可逆性感温変色層203と電気絶縁成形体200とを粘着又は接着する接着層206(図1の106に対応)を補強膜の溶剤による侵食から保護する介在保護層である。補強膜204は、電気絶縁成形体200にその他を密着させ補強するものであるので、それ自体も容易に剥れることが無いことが必要であり、固化したときに一体となるように電気絶縁成形体200と同じ素材であることが望ましい。例えば、電気絶縁成形体200が塩化ビニル樹脂でできている場合には、同じ塩化ビニル樹脂系塗料である商品名KBペイントが利用でき、固化後は強固な密着性を得ることができる。介在保護層205は、前述のように、前記の補強膜の基材を溶剤で溶かしたものにエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム、シルコーン樹脂などの樹脂を0.1〜10%程度混入して粘度を上げ、接着剤としたものであり、そのため、流動性が低下して界面への浸透が少ないため、接着層206を侵食することが無く、介在保護層205の存在によって、補強膜204の溶剤による接着層206の侵食も防ぐことができている。介在保護層205の例として、前述したように商品名PA−7426の工業用接着剤が適当であった。使用部材として、例えば、色素部201は、油性鉄部用黒色インク(株式会社アサヒペン製)が使用でき、窓材部202は、スコッチプラスティックテープ(3M製)が利用できる。不可逆性感温変色層203は、不可逆インク(アセイ工業製)を利用できる。2−Bでは、色素部201の上に中に窓部がある窓材部202があり、その上を不可逆性感温変色層203が、更にその上を補強膜204が覆っている。2−Cでは、窓材部202において、窓が中側でなく外側にある例である。2−Dでは、2−Bとの違いは、窓材部202と不可逆性感温変色層203の上下順が逆になっている例である。2−Eでは、2−Cとの違いは、窓材部202と不可逆性感温変色層203の上下順が逆になっている例である。いずれの例においても、補強膜204の内側に介在保護層205が存在している。以上のような不可逆性感温変色体の構成になっている。
図4は、本発明による介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法を示すフロー図である。4−Aは、予め作成された不可逆性感温変色体のシールを形成後の電気絶縁体に貼り付ける工程を示す。電気絶縁体の成形が行われた後、プライマー(例えばN200:3M製)で表面を拭き油脂分を除き清浄化する。しかる後に、不可逆性感温変色体のシールを貼り付け、それに介在保護層の付設を経由して補強膜を付設する。不可逆性感温変色体のシールの作成は、例えば、4−Bまたは4−Cのフローに沿って作成される。両者は、窓材部と不可逆性感温変色層の作成順の違いであり、図2の2−Bと2−Dの違い、2−Cと2−Eの違いに対応している。両者に共通して、色素部のシート配置が最初に行われる。
図5は、本発明による介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法を示すフロー図である。印刷または塗布による製法の一実施態様を示す工程図である。5−Aと5−Bの違いは、窓材部の形成工程と不可逆性感温変色層インクの印刷又は塗布工程の順番の違いだけある。電気絶縁体の成形工程の後、前述のプライマーで表面を拭き清浄化して、色素部の印刷又は塗布を行う。その後、窓材部と不可逆性感温変色層を形成して、最後に介在保護層の付設を経由して補強膜を印刷又は塗布または貼り付けを行う。
以上のように介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体およびその製法を提供しているが、電気絶縁体の成形とは無関係に不可逆性感温変色体を剥れる不具合を回避して付設でき、使用物の異常な温度上昇を検出して、異常値の解析による安全対策に便宜を提供することができ、産業上利用性が極めて大きい。
本発明による介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の一実施態様を示す図である。 本発明による介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の種々の構成例を示す図である。 本発明者の先願による不可逆性感温変色体を付設した電気絶縁成形体を構成する構造を示す図である。 本発明による介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法を示すフロー図である。 本発明による介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法を示すフロー図である。 従来の電気絶縁成形体であるサーモキャップ61とその使用状態を示す斜視図である。
符号の説明
100、200、30 電気絶縁成形体
104、204 補強膜
105、205 介在保護層
106、206 接着層
112 配線通過穴部
113 接続端子穴部
110、210 不可逆性感温変色体
120 不可逆性感温変色体の補強膜以外の部分
21 シート状の電気絶縁成形体
201、31 色素部
202、32 窓材部
203、33 不可逆性感温変色層
34 補強膜
61 サーモキャップ
62 端子金具
63 配線
64 取り付け穴

Claims (6)

  1. 成形された樹脂からなる電気絶縁成形体の表面に、貼り付け又は、印刷又は塗布により形成された不可逆性感温変色体を有し、前記不可逆性感温変色体は、少なくとも温度により色が不可逆的に変化する不可逆性感温変色層と、これをカバーし、前記電気絶縁成形体への前記不可逆性感温変色体の密着性を備えるための介在保護層及び補強膜とを有し、前記介在保護層は、少なくとも前記不可逆性感温変色体と前記電気絶縁成形体との密着界面を保護するように、前記不可逆性感温変色層と前記補強膜の間に付設され、前記補強膜の形成時又は、形成後の前記補強膜から出現する溶剤による前記電気絶縁成形体と前記不可逆性感温変色体の前記密着性部の侵食を防止したことを特徴とする介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体。
  2. 前記不可逆性感温変色体は、変色を見易くする色素部と、前記色素部の上に局在する不透明の窓材部と、温度変化により変色する不可逆性感温変色層を含むことを特徴とする請求項1記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体。
  3. 前記の電気絶縁成形体には、可逆性の感温変色体のマイクロカプセルが分散して配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体。
  4. 前記の電気絶縁成形体の前記樹脂の成形温度は、前記不可逆性感温変色層の変色温度より高いことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体。
  5. 介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法であって、前記電気絶縁成形体を形成する樹脂を所望の形状に成形後、前記電気絶縁成形体の表面に、貼り付け又は、印刷又は、塗布により、感温変色を見易くするための色素部を形成し、局在する不透明の窓材部と不可逆性感温変色層を順次又は逆順で形成した後、補強膜を形成することで、不可逆性感温変色体とし、前記補強膜は、前記不可逆性感温変色体と前記電気絶縁成形体との密着性を備えるためのものであり、前記不可逆性感温変色体と前記電気絶縁成形体との密着界面を保護するように介在保護層の形成を、少なくとも前記不可逆性感温変色層の形成と前記補強膜の形成の間に行うことを特徴とする介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体の製法。
  6. 前記電気絶縁成形体と前記補強膜の素材を同一の材料としたことで両者の融合により密着性を向上させたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の介在保護層を有する不可逆性感温変色体付電気絶縁成形体。
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