JP4945555B2 - 肝臓x受容体アゴニストの新規な使用 - Google Patents

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Description

本発明は、概して、肝臓X受容体(LXR)アゴニストの新規な治療上の使用に関する。より詳細には、本発明は、糖尿病などのβ細胞変性に関連する疾患の治療および/または予防に有用な医薬の調製のためのLXRアゴニストの使用、および膵島細胞をLXRアゴニストと接触させることを含む、膵島細胞のエキソビボ生存率を高める方法に関する。
糖尿病は、概して、2つの主要な群に分類される。I型糖尿病では、ランゲルハンス島内でのβ細胞の自己免疫破壊により、インスリン産生の有意な異常がもたらされる。対照的に、II型糖尿病は、β細胞でのインスリン産生の相対的な機能障害と共に、筋肉、脂肪および肝臓でのインスリン抵抗性を特徴とする。同義遺伝子は、I型糖尿病およびII型糖尿病の両方の罹患率に寄与するが、多くの場合、それらの正体は不明なままである。
アポトーシスは、正常な発達の間に起こる外因性および内因性シグナルにより調節される細胞の自己破壊の活性化プロセスである。アポトーシスは、膵臓内分泌β細胞の柔軟性において主要な役割を担うことが文献で多く報告されている。成体の哺乳動物において、β細胞質量が動的変化に供されて、妊娠および肥満などの特定の状態における正常血糖を維持するためのインスリン産生を適応させることの証拠が増えてきている。β細胞質量の制御は、細胞増殖、成長および細胞死(アポトーシス)の間の微妙なバランスに依存する。このバランスの崩壊は、グルコース恒常性の機能障害をもたらし得る。例えば、糖不耐症が、β細胞の複製速度が低下すると加齢とともに発症すること、および非インスリン依存性糖尿病の患者が、非糖尿病の被検体と比べてβ細胞質量の40%〜60%を失われていることは、注目に値する。インスリン抵抗性のある被検体において、正常血糖は、β細胞がインスリンの必要性の増加に適合できなくなるまで(このときにII型糖尿病が発症する)、代償性高インスリン血症によって維持されることが概ね認められている。
II型糖尿病、すなわち非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)は、多遺伝性疾患であり、糖尿病の症例の90%超を占める。この疾患は、グルコース取り込みへのインスリン作用に対する抵抗性、および肝臓のグルコース産生を阻害するインスリン作用不全を特徴とする。
インスリンによるグルコース代謝の調節は、主要なメカニズムでり、それによって動物における恒常性が維持される。インスリンは、血液から組織、特に筋肉および脂肪へのグルコースの取り込みを刺激する。これは、Glut4(インスリン感受性グルコース輸送体)の、細胞内小胞区画から血漿膜への転位が増加することにより起こる。Glut4は、これらの組織における最も重要なインスリン感受性グルコース輸送体である。インスリンは、血漿膜中でその受容体に結合して、Glut4輸送体小胞の血漿膜への転位または移動をもたらす一連のシグナルを発生させる。
肝臓X受容体(LXR)は、標的遺伝子のリガンド依存性転写活性化を誘発する核内受容体スーパーファミリーのメンバーである。それらは、コレステロール代謝および恒常性において重要な役割を果たす。2つのLXRタンパク質(αおよびβ)は、哺乳動物中に存在することが知られている。LXRα発現は、腸の褐色および白色脂肪組織などの脂質恒常性に関与する器官中で高い。一方、LXRβは、神経および内分泌起源の組織においてより偏在し、富化している。最近、LXRαおよびβは、膵島のみならずα細胞およびβ細胞中で発現することが発見された(EfanovらDiabetes,53(3),S75−78,2004)。
LXRαおよびLXRβは、密接に関連し、かつ、それらのDNA結合ドメインおよびリガンド結合ドメインの両方において、77%のアミノ酸同一性を共有する。LXRはまた、ヒトおよび他の動物(例、げっ歯類)の間で保存される。他の核内受容体と同様、LXRは、機能のためにレチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体化される。LXRは、22(R)−ヒドロキシコレステロール、24(S)−ヒドロキシコレステロールおよび24,25(S)−エポキシコレステロールなどの特定の天然に存在するコレステロールの酸化誘導体により活性化されることが知られている。
LXRαおよびβは、コレステロールおよび脂肪酸代謝(HMGCoA合成酵素/還元酵素、ファルネシル二リン酸合成酵素、スクアレン合成酵素、SREBP1c、ステアロイルCoA不飽和化酵素(SCD1および2)、FAS)に関与する肝臓遺伝子の調節因子であり、糖新生酵素(PEPCK、フルクトースビホスファターゼ1、グルコース6ホスファターゼ)の発現を阻害し、膜貫通型輸送体(ABCA1、Glut1およびGlut4)の発現を誘発し、糖分解に関与する酵素(6−ホスホフルクト−2−キナーゼ)の発現を阻害し、かつ、ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ4(糖分解の負の調節因子である)を誘発し、I型11−βヒドロキシステロイド脱水素酵素(ヒトにおける活性コルチゾール中の不活性コルチゾンと反応する酵素)を減少させる。レプチンおよびUCP−1は、LXRの標的遺伝子(LXRアゴニストによるダウンレギュレーション)として、同定されている。さらに、LXRは、炎症応答の負の制御において、PPARと重複する機能を有する。LXRは、TNFαおよびIL−lβの産生、およびCOX2、INOS、IL−6などの炎症メディエーターの発現を阻害する。LXRは、炎症応答において主要な役割を果たし得る。LXRは脂質代謝において重要であることが示されたので、LXRは、肥満が誘発する炎症応答にもまた関与しているかもしれない。(SteffensenらDiabetes,2004,53(1),S36−42で概説)。
db/dbマウスにおいて、本明細書中の以下に述べるLXRアゴニストであるT0901317は、血漿グルコース値を低減させる(正常なマウスでは低減しない)ことが示された。この化合物は、PEPCKの発現を阻害して、肝臓のグルコース排出を制限する(CaoらJ Biol Chem,2003、278,1131−1136)。
膵島またはインスリン分泌MIN6細胞のT0901317を用いた培養は、グルコース依存性インスリンの分泌および島インシュリン含有量の増加させた。膵島のT0901317を用いた培養の72時間後以降にのみ、この化合物のインスリン分泌に対する刺激効果が観察された。チュラリックは、MIN6細胞において、脂質生成酵素、脂肪酸合成酵素およびアセチルCoAカルボキシラーゼのタンパク質発現を増加させた。LXR活性化はまた、グルコキナーゼタンパク質およびピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)の活性レベルを増加させた。LXRは、膵臓β細胞でグルコースおよび脂質代謝を調節することによって、インスリン分泌および生合成を制御することができた(Efanovら,Diabetes,53(3)、S75−78,2004)。
膵臓十二指腸ホメオボックス遺伝子−1(Pdx−1)は、膵臓発達および前駆細胞のβ細胞表現型への分化の両方のマスター調節因子である。さらに、分化β細胞では、Pdx1は、インスリン遺伝子発現のグルコース応答性調節因子であり、グルコースに応答するPdx1の機能は、そのリン酸化および核内移行の両方によって調節される。膵島の発達の後期では、Pdx−1の発現は、ほとんどが、内分泌膵臓の成熟β細胞に制限されるようになる。成人膵臓では、ソマトスタチン産生細胞および膵臓ポリペプチド産生細胞の亜集団もまたPdx−1を発現し、2、3のグルカゴン産生細胞のみがそれを発現する。
膵臓β細胞のグルコース感受性における異常が、II型糖尿病のいくつかの動物モデルにおいて観察されたが、これは、II型グルコース輸送体(Glut2)の遺伝子発現の減少と関連していた。遺伝子導入マウスモデルでは、膵臓β細胞でのGlut2アンチセンスRNAの発現が、グルコース誘導インスリン分泌不全および糖尿病の発症と関連することが示された。II型グルコース輸送体(GLUT2)遺伝子発現は、糖尿病の実験モデルのβ膵臓細胞中で選択的に減少し、マウスGLUT2プロモーターは、PDX−1によって制御される。
本発明は、ZDFラットにおけるLXRの活性化が、LXRアゴニストを用いた治療後の糖血症の有意な減少を伴う糖尿病の状態の改善につながるという予期されなかった発見に部分的に基づく。LXRアゴニストの抗糖尿病作用の根底にある潜在的なメカニズムの評価において、「GW3965」という名の公知のLXRアゴニストで処置したZDFラットから単離した島におけるアポトーシスは、島の数の増加に伴い有意に減少することが予想外に見出された。さらに、これらの島は、インスリン含有量が顕著に多く、かつ、ビヒクル処置したZDFラットよりも良好なグルコース感受性を示した。これらの発見およびさらなる実験作業により、インビボLXRアゴニスト投与は、膵島を劣化から保護しながら、インスリン分泌を刺激し得ることが示された。
さらに、島再生に関与する2つの主要な遺伝子であるPDXlおよびGlut2のmRNAレベルの有意な増加は、GW3965で処置したZDFラットにおいて得られたことが示された。膵島の再生はまた、GW3965で処置したNODマウスの膵臓の組織学的分析によっても確認された。
本発明はまた、LXRアゴニストが、特に、膵臓におけるアポトーシスおよび膵島炎を低減させることによって糖尿病の膵臓をさらなる劣化から保護するのみならず、膵臓再生プロセスを促進するため、膵臓機能が低下したとき、回復させるという新規な発見にも基づく。これらの効果は、さらに、肝臓において、上記の肝臓のグルコース排出の減少(Caoら,2003,JBC,278(2),1131−1136)に加えられ、LXRアゴニストの抗糖尿病特性を増強する。
LXRアゴニストが島の数を増加させ、かつ島でのアポトーシスを低減させる有益な特性により、新規な形態の治療が可能になる。当該治療は、糖血症および/またはHbA1c(A1cヘモグロビン)が定常状態の値(HbA1C≦7%および/または糖血症≦1.2〜1.4g/l)に低減するまでの限定された期間にわたって、患者を治療し、次いで、糖血症および/またはHbA1cが許容可能な範囲である限り(例えば1ヶ月間)、治療を一時停止することを含む。糖血症および/またはHbA1c値が許容可能な値を超えて増加した場合、LXRアゴニストでの治療が再び処方されるであろう。
従って、第1の態様では、本発明は、β細胞変性に関連する疾患の治療および/または予防に有用な医薬の調製のための、LXRアゴニストの使用に関する。
本発明はまた、β細胞の再生のためにおよびβ細胞の生存率を高めるために有用な医薬の調製のための、LXRアゴニストの使用に関する。
本発明の使用は、公知の抗糖尿病薬と組み合わせて用いられ得る医薬を提供する。
第二の態様では、本発明は、一次膵島細胞のエキソビボ生存率を高める方法であって、当該島細胞を、LXRアゴニストと接触させることを含む方法に関する。
第三の態様では、本発明は、β細胞変性の治療方法であって、被検体にLXRアゴニストを投与することを含む方法を提供する。
第1の実施形態では、本発明は、被検体においてI型糖尿病を予防する方法であって、有効量のLXRアゴニストを被検体に投与することを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、糖尿病を治療または緩和する方法であって、被検体において循環するグルコース値および/またはHbA1cを測定すること、および当該被検体に、糖血症および/またはHbA1cが安定化するまで、有効量のLXRアゴニストを毎日投与すること(HbA1C≦7%および/または糖血症≦1.2〜1.4g/lは、少なくとも2回の投与量で1ヶ月間維持される)、次いで、糖血症および/またはHbA1cが一旦安定化すると、治療を停止することを含み、毎日の治療が、必要に応じて再開される、方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、移植レシピエントにおいて、移植したドナー膵島細胞の生存率を高める方法であって、上記移植レシピエントに、LXRアゴニストを投与することを含む方法を提供する。
本発明の性質および利点のさらなる理解は、明細書の残りの部分および特許請求の範囲を参照することにより実現され得る。
1つの態様では、本発明は、β細胞変性に関連する疾患の治療および/または予防に有用な医薬の調製のための、LXRアゴニストの使用に関する。
本発明の使用は、β細胞機能の損失またはβ細胞の機能不全および/またはβ細胞の死に特に関連する疾患、例えば、糖尿病、高血糖および肥満の治療への用途が見出されるが、これらに限定されない。本発明はまた、そのような疾患または障害に罹りやすいことが疑われるかまたは罹りやすいことが既知である被検体において、そのような疾患または障害の進行を予防または調節するのに有用である。
従って、本発明は、I型糖尿病およびII型糖尿病の、好ましくはI型糖尿病の、治療および/または予防に有用な医薬の調製のための、LXRアゴニストの使用に関する。
前述したように、II型糖尿病患者は、インスリン産生欠乏に主に関連するI型糖尿病の特徴を幾分か示す。従って、1つの実施形態では、本発明は、インスリン産生欠乏を特徴とする、引き続き起こる糖尿病の状態に向かうII型糖尿病の進行を予防する、停止するまたは遅延させるのに有用な医薬の調製のための、LXRアゴニストの使用に関する。
インビボでのLXRアゴニストの投与は、島の数を増加させ、かつ島においてアポトーシスを低減させるので、β細胞を再生するために、およびβ細胞の生存率を高めるために有用な医薬の調製のためのLXRアゴニストの使用は、本発明の2つのさらなる実施形態を示す。
膵臓細胞の生存率を高めるための使用に関しては、生存可能な細胞は、増殖、分化、成長および発達し得るものと定義されることを理解すべきである。生存率は、当該技術分野で公知の任意の方法、例えば、トリパンブルー染色を用いることにより、測定され得る。
別の実施形態では、本発明は、移植レシピエントにおいて、移植したドナー膵島細胞の生存率を高めるのに有用な医薬の調製のためのLXRアゴニストの使用に関する。膵島細胞は、一次島細胞である。
この特定の用途では、医薬は、移植した部位に局所的に投与され得るか、好ましくは全身に投与される。
1つの実施形態では、医薬は、ドナー膵島細胞の移植前および/または移植後に、移植レシピエントに投与される。別の実施形態では、医薬は、ドナー膵臓の移植と同時に、移植レシピエントに投与される。
当該技術分野で公知および記載のいかなるLXRアゴニストも、本発明の本明細書中に記載の全ての使用および方法を実施するために用いられ得る。好ましくは、LXRアゴニストは、LXRαアゴニストであり、特に、LXRアゴニストは、GW3965およびT0901317からなる群から選択される。
さらに、有利な実施形態によれば、本発明の全ての使用および方法で使用される医薬は、経口投与に適した形状である。
本明細書中に記載の全ての使用および方法において、医薬は、好ましくは、毎日、少なくとも30日間投与される。医薬はまた、少なくとも60日、90日、またはそれより長く投与され得る。
さらに、本発明の医薬は、公知の抗糖尿病薬、特にメトホルミン、ピオグリチゾン、ロシグリタゾン、グリメピリド、グリピジド、グリブリド/メトホルミン、グリブリド、ミグリトール、グリピジド+メトホルミン、レパグリニド、アカルボース、トログリタゾン、ナテグリニドおよびGLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)アゴニストからなる群から選択されるものと組み合わせて用いられ得る。
第二の態様では、本発明は、一次膵島細胞のエキソビボ生存率を高める方法であって、当該島細胞を、LXRアゴニストと接触させることを含む方法に関する。
好ましくは、LXRアゴニストはLXRαアゴニストであり、および特に、使用されるLXRアゴニストは、GW3965およびT0901317からなる群から選択される。
第三の態様では、本発明は、β細胞変性を治療する方法を提供する。当該方法は、被検体にLXRアゴニストを投与することを必然的に伴う。このような方法では、用いられるLXRアゴニストはLXRαアゴニストであり得、特に、用いられるLXRアゴニストは、GW3965およびT0901317からなる群から選択される。
本発明の方法では、被検体は、好ましくは、I型またはII型糖尿病に罹患している。必要に応じて、LXRアゴニストは、公知の抗糖尿病薬と、あるいは糖血症および/またはHbA1cを低減させる任意の他の薬剤と同時に被検体に投与される。特に、公知の抗糖尿病薬は、メトホルミン、ピオグリチゾン、ロシグリタゾン、グリメピリド、グリピジド、グリブリド/メトホルミン、グリブリド、ミグリトール、グリピジド+メトホルミン、レパグリニド、アカルボース、トログリタゾン、ナテグリニドおよびGLP−1アゴニストからなる群から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、被検体においてI型糖尿病を予防する方法を提供する。当該方法は、被検体に有効量のLXRアゴニストを投与することを含む。同様に、上記方法でI型糖尿病を予防するのに用いられるLXRアゴニストは、LXRαアゴニストであり得、特に、用いられるLXRアゴニストは、GW3965およびT0901317からなる群から選択される。
必要に応じて、LXRアゴニストは、公知の抗糖尿病薬と、あるいは糖血症および/またはHbA1cを低減させる任意の他の薬剤と同時に被検体に投与される。特に、公知の抗糖尿病薬は、メトホルミン、ピオグリチゾン、ロシグリタゾン、グリメピリド、グリピジド、グリブリド/メトホルミン、グリブリド、ミグリトール、グリピジド+メトホルミン、レパグリニド、アカルボース、トログリタゾン、ナテグリニドおよびGLP−1アゴニストからなる群から選択される。
別の態様では、本発明は、糖尿病を治療または緩和する方法であって、被検体において循環するグルコース値および/またはHbA1cを測定すること、および当該被検体に、糖血症および/またはHbA1cが安定化するまで、有効量のLXRアゴニストを毎日投与すること(HbA1C≦7%および/または糖血症≦1.2〜1.4g/lは、少なくとも2回の投与量で1ヶ月間維持される)、次いで、糖血症および/またはHbA1cが一旦安定化すると、治療を停止することを含み、毎日の治療が、必要に応じて再開される、方法を提供する。
毎日の治療は、糖血症および/またはHbA1cがもはや安定化されなくなったとき、またはインスリン感受性が失われたとき、必要に応じて再開され得る。
循環するグルコースおよび/またはHbA1c値を測定する方法は、先行技術で周知の方法であり、任意の種類の方法が用いられ得る。
同様に、上記方法で糖尿病を治療または緩和するのに用いられるLXRアゴニストは、LXRαアゴニストであり得、特に、用いられるLXRアゴニストは、GW3965およびT0901317からなる群から選択される。必要に応じて、LXRアゴニストは、公知の抗糖尿病薬と、あるいは糖血症および/またはHbA1cを低減させる任意の他の薬剤と同時に、被検体に投与される。特に、公知の抗糖尿病薬は、メトホルミン、ピオグリチゾン、ロシグリタゾン、グリメピリド、グリピジド、グリブリド/メトホルミン、グリブリド、ミグリトール、グリピジド+メトホルミン、レパグリニド、アカルボース、トログリタゾン、ナテグリニドおよびGLP−1アゴニストからなる群から選択される。
上記方法において、LXRアゴニストは、好ましくは、少なくとも30日間少なくとも毎日、被検体に投与される。
別の実施形態では、本発明は、移植レシピエントにおいて、移植したドナー膵島細胞の生存率を高める方法であって、当該移植レシピエントに、LXRアゴニストを投与することを含む方法に関する。
以下の章では、本発明の医薬を製造および使用するための、ならびに本発明の方法を実施するための指針を提供する。
定義
他に定義しない限り、本明細書中で用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。以下の参照文献は、本発明で用いる多くの用語の一般的な定義を当業者に提供する:Singletonら,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY(2d ed.1994);THE CAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY(Walker ed.,1988);およびHale & Marham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY(1991)。さらに、以下の定義は、本発明の実施において読者を補助するために提供される。
用語「LXR」(肝臓X受容体)または「LXR受容体」は、この受容体の全てのサブタイプを含む。詳細には、LXRは、LXRαおよびLXRβを含む。LXRαは、LXRU、LXRa、LXR、RLD−I、NR1H3などの種々の名称で呼ばれている。それは、ジェンバンク受託番号U22662に実質的な配列同一性を有する遺伝子によりコードされる任意のポリぺプチドを包含する。同様に、LXRβは、LXRb、LXRP、LXRβ、NER、NER1、UR、OR−1、RIP 15、NR1H2と呼ばれる遺伝子またはジェンバンク受託番号U07132に実質的な配列同一性を有する遺伝子によりコードされる任意のポリぺプチドを包含する。
用語「リガンド」は、LXRのアゴニストまたは部分アゴニストである。リガンドは、LXRαまたはLXRβに選択性であり得るか、またはLXRαおよびLXRβの両方について混合型の結合親和性を有し得る。リガンドは、受容体機能を作動させるかまたは拮抗し得るが、他に特定しない限り、本明細書中で用いるLXRリガンドは、主に、LXR受容体を活性化するLXRアゴニストを意味する。
LXR受容体に関する用語「調節する」は、LXR経路(例えば、標的遺伝子の転写調節)に関連するLXR受容体およびその生物学的活性の活性化を意味する。LXR受容体の調節は、アップレギュレーション(すなわち、受容体活性化作用、活性化または刺激)またはダウンレギュレーション(すなわち、拮抗作用、阻害または抑制)であり得る。LXR修飾因子の作用形態は、例えば、リガンドとしてのLXR受容体への結合によって、直接的であり得る。調節はまた、例えば、LXR受容体への結合および/または、そうでなければ、LXR受容体に結合し、活性化する別の分子を修飾することによって、間接的であり得る。従って、LXRの調節は、LXRアゴニストリガンドの生物学的活性(すなわち、LXR受容体への結合および/またはLXR受容体の活性化におけるその活性)における変化、またはリガンドの細胞レベルの変化を含む。
本明細書中で用いる句「LXRアゴニストのスクリーニング」は、試験剤から新規なLXRアゴニストを同定するための適切なアッセイシステムの使用を意味する。アッセイは、1つまたはそれ以上のLXR受容体の生物学的機能を刺激または活性化し得るかどうかを同定するのに適したインビトロまたはインビボアッセイであり得る。適したバイオアッセイの例には、試験剤のLXRポリぺプチド(例えば、そのリガンド結合ドメインを含むLXRフラグメント)の結合を試験するアッセイ、転写系アッセイ、クレアチンキナーゼアッセイ、プレ脂肪細胞の分化に基づくアッセイ、脂肪細胞におけるグルコース取り込み対照に基づくアッセイ、免疫学的アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
「被検体」は、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトである。
用語「β細胞変性」は、β細胞機能の損失、β細胞機能不全、および、β細胞の壊死またはアポトーシスなどのβ細胞の死を意味することを意図する。
用語「疾患の治療」は、疾患、症状または障害と闘うことを目的とした患者の管理および処置であると定義され、症候または合併症の発症を予防するための、あるいは症候または合併症を緩和するための、あるいは疾患、症状または障害を除去するためのLXRアゴニストの投与を含む。治療には、β細胞変性(例えば、β細胞の壊死またはアポトーシスなど、特に、β細胞のアポトーシスとして知られているプログラムされたβ細胞死)を調節、阻害、減少、低減または停止させること、ならびにβ細胞変性(例えば、β細胞の壊死またはアポトーシスなど、特に、β細胞のアポトーシス)を予防することが挙げられる。治療には、β細胞の再生も含まれる。
本明細書中で用いられる用語「治療のための」は、化合物の治療への直接的な使用または当該化合物の特定疾患の治療における間接的な使用を包含すると理解される。
用語「インスリン産生欠乏」は、有意な高血糖ならびに正常および低インスリン血症を示すことを意味することを意図する。糖血症またはインスリン値の測定方法、ならびに高血糖ならびに正常および低インスリン血症の評価方法は、当該分野で周知である。
用語「と組み合わせて」は、2つの活性の原理(LXRアゴニストおよび抗糖尿病薬)が同一の組成物の必須成分である医薬、あるいは同時にまたは引き続いて投与され得る2つの別の医薬のいずれかを言うことを意図する。
本明細書中で用いられる用語「糖血症および/またはHbA1cの安定化」または「糖血症および/またはHbA1cが一旦安定化すると」は、少なくとも2回の薬物投与で1ヶ月維持されるHbA1C値≦7%および/または糖血症値≦1.2〜1.4g/lであることを意味することを意図する。
LXRアゴニスト
本発明の方法を実施するのに適した多くのLXRアゴニストが存在する。それらは、LXR受容体を活性化する公知の薬剤であり得、例えば、GW3965(以下の具体例参照)、またはF3MethylAA(メルク社製;Menkeら,Endocrinology 143:2548−58,2002参照)およびT0901317(チュラリック社製、カリフォルニア)などの他の市販の化合物である。それらはまた、本発明に従ってスクリーニングされる新規なLXRアゴニストでもあり得る。以下に詳述するように、本発明に適したLXRアゴニストは、ポリペプチド、ペプチド類、小分子、または他の薬剤であり得る。LXRアゴニストは、ヒトおよび他の動物のLXRに対するアゴニストであり得る。
多数のLXRアゴニストが、先行技術に記載されている。小分子LXRアゴニストの具体例としては、周知のオキシステロールおよび関連化合物(Janowskiら,Nature 383:728−31、1996);T0901317およびT0314407(Schultzら,Genes Dev 14:2831−8、2000);24(S)−ヒドロキシコレステロールおよび22(R)−ヒドロキシコレステロール(Janowskiら,Nature 383:728−731、1996);ならびに24,25−エポキシコレステロール(米国特許第6,316,503号)が挙げられる。LXRの例示的なポリペプチドアゴニストは先行技術、例えば、国際公開第02/077229号パンフレットに開示されている。さらなるLXRアゴニストは、先行技術、例えば、米国特許第6,316,503号;Collinsら,J Med Chem.45:1963−6,2002;Josephら,Proc Natl Acad Sci USA 99:7604−9,2002;Menkeら,Endocrinology 143:2548−58,2002;Schultzら,Genes Dev.14:2831−8,2000;およびSchmidtら,Mol Cell Endocrinol.155:51−60,1999に記載されている。
多くのLXRアゴニストは、LXRαおよびLXRβ(例えば、Collinsら,J Med Chem.45:1963−6、2002に記載のGW3965)の両方を活性化するのに効率的である。異なる条件下でLXRαおよびLXRβを活性化するLXRアゴニストがいくつかある。例えば、6−α−ヒドロキシル化胆汁酸は、LXRαのアゴニストであるが、より高い濃度ではLXRβも活性化する(Songら,Steroids 65:423−7、2000)。いくつかのLXRアゴニストは、LXRαのみに作用するが、いくつかの他のものはLXRβのみを活性化する。例えば、オキシステロールのステロールB−環への酸素の導入により、LXRα−サブタイプ選択性を有するリガンドが得られる(Janowskiら,Proc Natl Acad Sci USA 96:266−71、1999)。リガンド依存性転写アッセイを用いて、5−テトラデシルオキシ−2−フランカルボン酸(TOFA)およびヒドロキシコレステロールが、グルココルチコイド受容体DNA結合領域ならびにLXRβ、PPARαおよびPPARβ受容体のリガンド結合ドメインから構成されるキメラ受容体をトランス活性化することが見出された(Schmidtら,Mol Cell Endocrinol.155:51−60、1999)。
LXRアゴニストはまた、LXR受容体の公知のポリペプチドアゴニスト誘導体からも得られ得る。それらは、当該分野で公知の種々の技術により産生され得る。例えば、LXRの公知のポリペプチドアゴニストの範囲内にある特定のオリゴペプチド(例えば、10〜25アミノ酸残基)は、(例えば、化学的にまたは組換えで)合成され得、それらがLXR受容体を活性化する能力が試験され得る。LXRアゴニストフラグメントは、Bodansky,M.Principles of Peptide Synthesis,Springer Verlag,Berlin(1993)and Grant,G.A (ed.).Synthetic Peptides:A User’s Guide,W.H.Freeman and Company,New York(1992)に記載されるような標準的な技術を用いて合成され得る。自動化ペプチド合成装置は、市販されている(例えば、Advanced Chem Tech Model 396;Milligen/Biosearch 9600)。あるいは、そのようなLXRアゴニストは、天然でまたは組み換えで産生したタンパク質分解酵素、例えば、トリプシン、サーモリシン、キモトリプシンまたはペプシンなどのタンパク質分解酵素を用いて組換えで産生したLXRのポリペプチドアゴニストの消化によって産生され得る。タンパク質切断部位の同定には、コンピュータ解析(市販のソフトウェア(例えば、MacVector,Omega,PCGene(モレキュラー シミュレーション インコーポレイテッド))を用いて)が用いられ得る。
本発明の方法で用いられるポリペプチドまたはペプチドアゴニストは、好ましくは、単離され、かつ、LXRアゴニストが由来する細胞または組織の供給源からの細胞物質または他の汚染タンパク質を実質的に含まないか、あるいは、化学的に合成する場合は化学的前駆物質または他の化学物質を実質的に含まない。タンパク分解性または合成ポリペプチドアゴニストあるいはそれらのフラグメントは、LXR受容体活性を活性化するのに必要な多くのアミノ酸残基を構成し得、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50アミノ酸長またはそれ以上を構成し得る。
LXR受容体を活性化する公知の化合物およびポリペプチド以外に、LXRアゴニストもまた、スクリーニング試験剤(例えば、化合物ライブラリ)により得られ、LXR受容体活性に結合するおよび/またはLXR受容体活性を活性化する新規なLXRアゴニストを同定し得る。そのような新規なLXRアゴニストをスクリーニングするために、ヒトLXRまたは他の動物のLXRが、適切なアッセイシステムで用いられ得る。LXR受容体のポリヌクレオチドおよびアミノ酸配列は公知であり、先行技術に記載されている。それらの構造および機能的組織(それらのリガンド結合ドメインを含む)もまた特徴とする。例えば、Apfelら,Mol Cell Biol 14:7025−7035、1994;Willyら,Genes Dev 9:1033−1045,1995;Songら,Proc Natl Acad Sci USA 91:10809−10813,1994;Shinarら,Gene 147:273−276,1994;Teboul et al.,Proc Natl Acad Sci USA 92:2096−2100,1995;およびSeolら,Mol Endocrinol 9:72−85,1995を参照されたい。
アゴニストは、LXRまたはLXRαのいずれかを活性化し得る。さらに、全長LXR分子の代わりに、スクリーンアッセイのいくつかでは、LXR分子のフラグメントを含むLXRポリペプチドを用いることができる。例えば、LXR受容体の2つの機能的ドメイン、N末端DNA結合ドメイン(DBD)およびC末端リガンド結合ドメイン(LBD)は、核内受容体の転写活性化機能を媒介する。これらのドメインのいずれかを含むLXRポリペプチドは、新規なLXRアゴニストのスクリーニングに用いられ得る。
多数のアッセイシステムが、LXR受容体のアゴニストのための試験剤をスクリーニングするのに用いられ得る。以下に詳細に示すように、試験剤は、LXRポリペプチドまたはそれらのフラグメントへの直接結合(例えば、そのリガンド結合ドメイン)のためにスクリーニングされ得る。あるいは、またはさらに、潜在的なLXRアゴニストは、LXR受容体経路を活性化するまたはLXR受容体の他の生物活性を刺激する能力について検討され得る。インビトロアッセイシステムまたは細胞ベースアッセイシステムのいずれかが、スクリーニングに用いられ得る。
異なる受容体(例えば、LXRα、LXRβ、RXRまたはPPAR)についての強力なLXRアゴニストの選択性は、当該分野で周知の方法、例えば、WO01/41704に記載のLXR放射性リガンド競合シンチレーション近接アッセイ、および、例えば、Bergerら,J Biol Chem 274:6718−6725,1999)に記載のPPAR競合結合アッセイを用いて試験され得る。
新規なLXRアゴニストをスクリーニングするのに用いられ得る試験剤には、ポリペプチド、β−回転ミメティック、多糖類、リン脂質、ホルモン、プロスタグランジン、ステロイド、芳香族化合物、複素環化合物、ベンゾジアゼピン、オリゴマーN−置換グリシン、オリゴカルバマート、ポリペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類似体またはそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの試験剤は合成分子であり、他のものは天然の分子である。
試験剤は、合成または天然の化合物のライブラリを含む広範な多様な供給源から得られる。コンビナトリアルライブラリは、ステップバイステップ法により合成され得る多くの型の化合物を得ることができる。化合物の大きなコンビナトリアルライブラリは、WO95/12608号、WO93/06121号、WO94/08051号、WO95/35503号およびWO95/30642号パンフレットに記載のコードされた合成ライブラリ(ESL)法により構築し得る。ペプチドライブラリーはまた、ファージディスプレイ法(例えば、Devlin、WO91/18980号参照)により作製し得る。細菌、真菌、植物および動物抽出物の形状の天然化合物のライブラリは、市販の供給元から得ることができるか、または野外で収集され得る。公知の薬理学的薬剤を、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの指向されたまたはランダムな化学修飾に供して、構造類似体を作製し得る。
ペプチド類または他の化合物のコンビナトリアルライブラリは、いかなる位置においても配列優先性または定常性がなく、十分にランダム化され得る。あるいは、このライブラリは、定常性を保持されているかまたは確率の限られた数から選択されているかのいずれかの配列内でのいくつかの位置で偏り得る。例えば、いくつかの場合では、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基は、定義された分類(例えば、疎水性アミノ酸、親水性残基、立体的に偏った(小さいかまたは大きい)残基)内で、架橋結合のためのシステインの作製、SH−3ドメインのためのプロリン、リン酸化部位のためのセリン、スレオニン、チロシンまたはヒスチジン、あるいはプリンについて、ランダム化される。
試験剤は、天然に存在するタンパク質またはそれらのフラグメントであり得る。そのような試験剤は、天然の供給源、例えば、細胞または組織溶解液から得ることができる。ポリペプチド薬のライブラリはまた、例えば、市販の、または常套手段を用いて作製されたcDNAライブラリからも調製され得る。試験剤はまた、ペプチド類であり得、例えば、約5〜約30アミノ酸のペプチド類であり、約5〜約20アミノ酸が好ましく、約7〜約15アミノ酸が特に好ましい。ペプチド類は、天然に存在するタンパク質、ランダムペプチド類、または「偏った」ランダムペプチド類の消化物であり得る。いくつかの方法では、試験剤は、ポリペプチドまたはタンパク質である。
試験剤はまた、核酸でもあり得る。核酸試験剤は、天然に存在する核酸、ランダム核酸、または「偏った」ランダム核酸であり得る。例えば、原核生物のまたは真核生物ゲノムの消化物もまた、タンパク質について上記されたのと同様に用いられ得る。
いくつかの好ましい方法では、試験剤は、小さな有機物分子(例えば、分子量が約1,000以下の分子である)である。好ましくは、このような小分子のスクリーニングには、ハイスループットアッセイが適合され、用いられる。いくつかの方法では、上記の小分子試験剤のコンビナトリアルライブラリは、LXR受容体の小分子修飾因子のスクリーニングに容易に用いられ得る。例えば、Schultz(1998)Bioorg Med Chem Lett 8:2409−2414;Weller(1997)Mol Divers.3:61−70;Fernandes(1998)Curr Opin Chem Biol 2:597−603;およびSittampalam(1997)Curr Opin Chem Biol 1:384−91に記載されるようないくつかのアッセイが、このようなスクリーニングに利用可能である。
潜在的なLXRアゴニストはまた、合理的設計に基づいて同定され得る。例えば、Janowskiら(Proc Natl Acad Sci USA 96:266−71、1999)は、LXRαおよびLXRβのリガンドの構造的要件を開示している。オキシステロールのステロール側鎖の位置特異的モノ酸化は、LXRの高い親和性結合および活性化に必要とされることが示された。結合および活性化の増強はまた、鎖中で水素結合受容体として作用する24−オキソリガンドを用いることによっても達成され得る。さらに、酸素のステロールB−環への導入により、LXRα−サブタイプ選択性を有するリガンドが得られる。
特許請求した方法でスクリーニングされる試験剤のライブラリはまた、LXR受容体、それらのフラグメントまたは類似体の構造上の研究に基づいて作製され得る。そのような構造上の研究により、LXR受容体により結合しやすい試験剤の同定が可能になる。LXR受容体の三次元構造は、いくつかの方法、例えば、結晶構造および分子モデルにおいて研究され得る。X線結晶学を用いるタンパク質構造の研究法は、文献で周知である。Physical Bio−Chemistry,Van Holde,K.E.(Prentice−Hall,NJ.1971),pp.221−239およびPhysical Chemistry with Applications to the Life Sciences,D.Eisenberg & D.C.Crothers(Benjamin Cummings,Menlo Park 1979)を参照されたい。分子モデリングの方法は、文献、例えば、発明の名称が「System and method for molecular modeling utilizing a sensitivity factor」である米国特許第5,612,894号、および発明の名称が「Molecular modeling method and system」である米国特許第5,583,973号に記載されている。さらに、タンパク質構造はまた、中性子回折および核磁気共鳴によっても決定され得る。例えば、Physical Chemistry,4th Ed.Moore,W.J.(Prentice− Hall,NJ.1972)およびNMR of Proteins and Nucleic Acids,K.Wuthrich(Wiley−Interscience,New York 1986)を参照されたい。
いくつかのスクリーニングアッセイでは、試験剤のLXRまたは、そのリガンド結合ドメインを含むLXRポリペプチドへの結合が決定される。試験剤(例えば、ポリペプチド)のLXRポリペプチドへの結合は、いくつかの方法によりアッセイすることができ、例えば、標識インビトロタンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合のイムノアッセイ、官能基アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。例えば、米国特許第4,366,241号;同第4,376,110号;同第4,517,288号;および同第4,837,168号;ならびにBevanら,Trends in Biotechnology 13:115−122,1995;Eckerら,Bio/Technology 13:351−360,1995;およびHodgson,Bio/Technology 10:973−980,1992を参照されたい。試験剤は、LXRポリペプチドへの直接結合、例えば、LXRポリペプチドに指向した抗体によるLXRポリペプチドとの免疫共沈降を検出することにより、同定され得る。試験剤はまた、薬剤がLXRポリペプチドに結合することを示すシグナル、例えば、蛍光消光を検出することによっても同定することができる。
拮抗アッセイは、LXRポリペプチドに特異的に結合する試験剤(例えば、ペプチド類または小分子化合物)を同定するのに適した様式を提供する。このような様式では、試験剤は、LXRポリペプチドに結合することが既知の化合物との競合でスクリーニングされる。公知の結合化合物は、合成化合物であり得る。これはまた、LXRポリペプチドを特定的に認識する抗体、例えば、LXRポリペプチドに対して指向されたモノクローナル抗体でもあり得る。試験剤が、LXRポリペプチドに結合することが知られている化合物の結合を抑制する場合、試験剤はまた、LXRポリペプチドにも結合する。
多数のタイプの競合的結合アッセイが公知であり、例えば:固相直接または間接的ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相直接または間接的酵素免疫測定法(EIA)、サンドイッチ拮抗アッセイ(Stahliら,Methods in Enzymology 9:242−253(1983)を参照);固相直接ビオチン−アビジンEIA(Kirklandら,J.Immunol.137:3614−3619(1986)を参照);固相直接標識アッセイ、固相直接標識サンドイッチアッセイ(Harlow and Lane,「Antibodies,A Laboratory Manual,」 Cold Spring Harbor Press(1988)を参照);125I標識を用いる固相直接標識RIA(Morelら,Mol.Immunol.25(1):7−15(1988)を参照);固相直接ビオチンアビジンEIA(Cheungら,Virology 176:546−552(1990)を参照);および直接標識RIA(Moldenhauerら,Scand.J.Immunol.32:77−82(1990)を参照)が挙げられる。典型的には、そのようなアッセイは、未標識試験剤および標識基準化合物のいずれかを支持する固相表面または細胞に結合した精製ポリペプチドを用いることを含む。競合阻害は、試験剤の存在下で固相表面または細胞に結合した標識の量を決定することにより、測定される。通常、試験剤は、過剰に存在する。拮抗アッセイにより同定される調節剤には、基準化合物と同じエピトープに結合した薬剤および立体障害を起こすために基準化合物が結合したエピトープに十分に近位の隣接性エピトープに結合した薬剤が挙げられる。通常、競合剤が過剰に存在する場合、それは、基準化合物の共通の標的ポリペプチドへの特異的結合を少なくとも50%または75%阻害するであろう。
スクリーニングアッセイは、不溶性または可溶性の様式のいずれかであり得る。不溶性アッセイの1つの例は、LXRポリペプチドまたはそのフラグメントを固相マトリックス上に固定化することである。次いで、固相マトリックスを、試験剤を結合させるのに十分な時間間隔で、試験剤と接触させる。非結合性物質を固相マトリックスから洗い流し、固相に結合した薬剤の存在により、薬剤の同定が可能となる。この方法はさらに、結合した薬剤を固相マトリックスから溶出させることにより薬剤を単離する工程を含み得る。あるいは、LXRポリペプチドを固定化する以外に、試験剤を固相マトリックス上に結合させ、次いで、LXRポリペプチド分子を加える。
可溶性アッセイは、上記のコンビナトリーライブラリスクリーニング法のいくつかを含む。可溶性アッセイの様式では、試験剤またはLXRポリペプチドのいずれかを固相支持体に結合する。LXRポリペプチドまたはそれらのフラグメントの試験剤への結合は、LXRポリペプチドまたは試験剤のいずれかあるいは両方の蛍光の変化により、決定され得る。蛍光は、内在性であり得るか、またはいずれかの成分を蛍光標識試薬で標識することにより付与され得る。
いくつかの結合アッセイでは、LXRポリペプチド、試験剤または第三の分子(例えば、LXRポリペプチドに対する抗体)のいずれかは、標識された実体、すなわち、検出可能な標識または基あるいは架橋可能な基に共有結合で付加するまたは結合することにより標識された実体として提供されて、所定の条件下でポリペプチドを同定、検出および定量し得る。これらの検出可能な基は、検出可能なポリペプチド基、例えば、アッセイ可能な酵素または抗体エピトープを含み得る。あるいは、検出可能な基は、放射標識(例えば、125I、32P、35S)または化学発光基または蛍光基などの種々の他の検出可能な基または標識から選択され得る。同様に、検出可能な基は、基質、補助因子、阻害剤または親和性リガンドであり得る。
試験剤のLXRへの結合はまた、細胞ベースアッセイを用いて間接的にも試験され得る。例えば、非受容体転写制御因子GAL4のDNA結合ドメインは、LXR(例えば、LXRα)のリガンド結合ドメインに融合され得る。得られた構築物を、レポーター構築物(例えば、UAS含有ルシフェラーゼレポーター構築物)と共に、宿主細胞(例えば、293細胞)に導入する。次いで、トランスフェクト細胞を試験剤のライブラリで処理し、レポーターポリペプチド活性(例えば、ルシフェラーゼ活性)を測定する。個々の試験剤のレポーターポリペプチド活性への効果を、対照(すなわち、試験化合物が存在しない場合)に対して評価する。
細胞非含有リガンド感受性アッセイ(LiSA)はまた、新規なLXRアゴニストを同定するのにも用いられ得る。それは先行技術、例えば、CollinsらJ Med Chem,45:1963−6,2002;およびSpencerら,J.Med.Chem.44;886−97,2001に記載の方法で行われ得る。このアッセイは、ステロイド受容体活性化補助因子1(SRCl)由来のペプチドの核内受容体へのリガンド依存的補充を測定する。このアッセイ(LISA)に関し、試験剤によるLXR受容体の活性化の構造的要件が研究され得る。
試験剤のLXRポリペプチドへの直接結合を検出する以外に、またはそれに加えて、本発明の方法で用いるための潜在的なLXRアゴニストもまた、LXR受容体の他の生理活性または細胞の活性を活性化する能力のために試験され得る。LXR受容体を活性化する試験剤は、それらが多くのLXR細胞の活性に及ぼす効果をモニタリングすることにより同定され得る。LXR細胞の活性には、活性化LXR受容体(例えば、標的遺伝子の転写制御)により媒介される任意の活性が挙げられる。例えば、多くの標的遺伝子(例えば、ABCA1)におけるLXRトランス活性化発現は、線維芽細胞の脂肪細胞への分化を抑制し、筋特異的な酵素(例えば、クレアチンキナーゼ)の産生を調節し、細胞によるグルコース取り込みを調節し、筋芽細胞の細胞増殖を刺激する。試験剤がLXR受容体を活性化する度合いは、薬剤がそのようなLXR活性を増強する能力を試験することにより、同定され得る。
従って、新規なLXRアゴニストは、LXR標的遺伝子(例えば、ABCA1、ABCG1、SREBP1またはコレステロール7−水酸化酵素遺伝子)の発現を増強する試験剤を同定することにより、同定され得る。LXR標的遺伝子発現を誘発する(例えば、ABCAl mRNAレベルを増加する)試験剤の同定方法は、先行技術、例えば、Menkeら,Endocrinology 143:2548−58,2002;Sparrowら,J.Biol.Chem.277:10021−7,2002;およびMurthyら,J Lipid Res.43:1054−64,2002に開示されている。
LXR標的遺伝子の発現をモニタリングする以外に、LXRアゴニストはまた、LXR経路により刺激される他の細胞の活性を調べることによっても同定され得る。例えば、LXRアゴニストは、タンパク質値を調節するので、筋特異的な酵素であるクレアチンキナーゼの活性を調節する。従って、LXRアゴニストは、試験剤を、クレアチンキナーゼ活性を調節する能力について、例えば、Somjenら,J Steroids Biochem Mol Biol 62:401−8、1997に記載されるように試験することによりスクリーニングし得る。アッセイは、細胞株、例えば、マウス骨格筋芽細胞株または一次ニワトリ筋芽細胞株で行われ得る。培養細胞において試験化合物がクレアチンキナーゼ活性に及ぼす効果は、市販のキット(シグマ社(ミズーリ州セントルイス)から入手可能)を用いて、細胞溶解物中で測定され得る。
LXR受容体の他の細胞の生理活性の調節はまた、当該分野で周知でありかつ常套的に行われている方法を用いて検出され得る。例えば、試験剤は、マクロファージなどの細胞からのコレステロール流出の増加におけるそれらの活性をアッセイされ得る(Menkeら,Endocrinology 143:2548−58、2002;およびSparrowら,J.Bioi.Chem.277:10021−7,2002)。他のアッセイには、リガンド依存的転写アッセイ(Schmidtら,Mol Cell Endocrinol 155:51−60,1999)、LXRアゴニストがプレ脂肪細胞(線維芽細胞)の脂肪細胞への分化過程を妨害する能力を測定する方法(Plaasら,Biosci Rep1:207−16、1981;Hiragunら,J Cell Physiol 134:124−30、1988;およびLiaoら,J Biol Chem270:12123−32,1995)または筋芽細胞の細胞増殖を刺激する能力を測定する方法(Konishiら,Biochemistry 28:8872−7,1989;およびAustinら,J Neurol Sci 101:193−7,1991)。対照として、全てのこれらのアッセイは、アッセイシステムに試験剤を加える前および後に、測定を含み得る。
治療上の用途
本発明は、被検体においてβ細胞変性を治療する方法であって、当該被検体にLXRアゴニストを投与することを含む、方法を提供する。
この方法はまた、不十分なβ細胞を特徴とする疾患、すなわちインスリン機能障害(例えば、抵抗性、不活性または欠乏)および/または細胞への不十分なグルコース輸送を治療する用途が見出される。そのような疾患には、糖尿病、高血糖および肥満が挙げられるが、これらに限定されない。β細胞変性の治療はまた、そのような疾患または障害に罹りやすいことが疑われるかまたは罹りやすいことが既知である被検体において、そのような疾患または障害の発症を防ぐかまたは調節するのにも有用である。
より詳細には、β細胞変性を回避することが可能であり得ることが、本発明で予想外に見出されたので、本発明はまた、被検体においてI型糖尿病を予防する方法であって、当該被検体に、有効量のLXRアゴニストを投与することを含む方法にも関する。
これらの用途に用いられるLXRアゴニストは、先行技術に記載された公知のLXRアゴニストのいずれかであり得る。あるいは、治療方法は、試験剤をスクリーニングして、上記の新規なLXRアゴニストを同定すること、および被検体においてβ細胞変性を治療するためまたは上記疾患を治療するために、当該新規なアゴニストを投与することを含む。
本発明者らは、LXRアゴニストを非常に短期間、例えば、21日間にわたって用いた後、β細胞変性の停止が達成され得ることを観察した。しかしながら、被検体においてインスリン感受性を増強することまたは糖尿病の症状を緩和することが目的である場合、より長期間の治療が必要とされる。このような用途には、LXRアゴニストを、被検体に、代表的には、連続する期間、例えば、少なくとも30日間、60日間、90日間またはそれより長い期間投与する。
本発明はまた、コンプライアンスが改善された新規な方法も意図する。糖尿病患者が多数の薬を服用しなければならないことは周知である。本発明は、服用すべき薬の数を減らすことを可能にし、そして、一旦糖血症および/またはHbA1c値が安定化するかまたはインスリン感受性が回復すれば、治療を中止することさえも可能にする。
従って、本発明はまた、糖尿病を治療するまたは緩和する方法であって、被検体において循環するグルコース値および/またはHbA1cを測定すること、および当該被検体に、糖血症および/またはHbA1cが安定化するまで、有効量のLXRアゴニストを毎日投与すること、次いで、糖血症および/またはHbA1cが一旦安定化すると、治療を停止することを含む方法にも関する。
LXRアゴニストは、好ましくは、被検体に毎日、少なくとも30日間投与される。それはまた、少なくとも60日間、90日間またはそれより長く投与され得る。
毎日の治療は、糖血症および/またはHbA1csがもはや安定化されなくなったとき、あるいはインスリン感受性が失われた場合、必要に応じて再開され得る。
循環するグルコース濃度を測定する方法は、先行技術分野で周知であり、任意の種類の方法が用いられ得る。
医薬組成物(または医薬)
本発明のLXRアゴニストは、無菌条件下で、治療すべき被検体に直接的に投与され得る。修飾因子は、単独で、または医薬組成物の活性成分として投与され得る。本発明の治療用組成物は、他の治療薬と組み合わせるか、または共に使用され得る。例えば、被検体は、他の通常の抗糖尿病薬と組み合わせてLXRアゴニストで治療され得る。そのような公知の抗糖尿病薬の例には、アクトス(ピオグリチゾン、武田、イーライリリー社)、アバンディア(ロシグリタゾン、スミスクライン・ビーチャム社)、アマリール(グリメピリド、アベンティス社)、グリピジド スルホニルウレア(ジェネリック社)またはグルコトロール(ファイザー社)、グルコファージ(メトホルミン、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社)、グルコバンス(グリブリド/メトホルミン、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社)、グルコトロールXL(遅延放出性グリピジド、ファイザー社)、グリブリド(マイクロナーゼアップジョン、グリナーゼ;アップジョン、ダイアベータ;アベンティス社)、グリセット(ミグリトール、ファルマシア&アップジョン社)、メタグリップ(グリピジド+メトホルミン;固定組み合わせ錠)、プランジン(レパグリニド、ノボ社)、プレコース(アカルボース、バイエル社)、リズリン(トログリタゾン、パーク・デービス社)、およびスターリックス(ナテグリニド、ノバルティス社)が挙げられる。
被検体はまた、GLP−1類似体および誘導体と組み合わせてLXRアゴニストで治療され得る。本発明に従って用いられ得るそのようなGLP−1類似体および誘導体には、WO99/43705号パンフレット(ノボ ノルディスク社)、第WO99/43706号パンフレット(ノボ ノルディスク社)、第WO99/43707号パンフレット(ノボ ノルディスク社)、WO98/08871号パンフレット(ノボ ノルディスク社)、WO99/43708号パンフレット(ノボ ノルディスク社)、WO99/43341号パンフレット(ノボ ノルディスク社)、WO87/06941号パンフレット(ザ・ゼネラル・ホスピタル・コーポレーション)、WO90/11296号パンフレット(ザ・ゼネラル・ホスピタル・コーポレーション)、WO91/11457号パンフレット(Buckleyら)、WO98/43658号パンフレット(イーライリリー社)に記載されたものが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、代表的には、少なくとも1つの活性成分を、1つまたはそれ以上のそれらの許容され得る担体と組み合わせて含む。薬学的担体は、組成物を増強するまたは安定化するか、あるいは組成物の調製を容易にする。薬学的に許容され得る担体は、投与される特定の組成(例えば、核酸、タンパク質または修飾化合物)、ならびに組成物を投与するのに用いられる特定の方法により、部分的に決定される。それらはまた、他の成分と適合し、かつ被検体に有害でないという点から、薬学的におよび生理的にのいずれからも許容され得るべきである。この担体は、投与(例えば、経口、舌下、経直腸、経鼻または非経口的)のための所望の製剤の形態に依存して、広範な様々な形態をとり得る。
本発明を実施するために、広範で多様な適切な薬学的に許容され得る担体(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Mack Publishing Co.,20th ed.,2000参照)が存在する。それらには、シロップ、水、等張性生理食塩水、5%ブドウ糖液または緩衝化ナトリウムまたは酢酸アンモニウム溶液、油、グリセリン、アルコール、香味料、保存料、着色料、デンプン、糖、希釈液、顆粒化剤、潤滑剤および結合剤などが挙げられるが、これらに限定されない。LXアゴニストは、また、安定性を増強するために、それらの投与前に、オボアルブミンまたは血清アルブミンなどの担体タンパク質と複合体化され得る。
医薬組成物は、顆粒、錠剤、丸薬、坐薬、カプセル、懸濁液、軟膏、ローションなどの多様な形態で調製され得る。製剤中の治療上活性な化合物の濃度は、約0.1〜100重量%で変動し得る。治療用製剤は、薬学分野で周知の任意の方法で調製される。例えば、Gilmanら,eds.,Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics,8th ed.,Pergamon Press,1990;Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Mack Publishing Co.,20th ed.,2000;Avisら,eds.,Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,published by Marcel Dekker,Inc.,N.Y.,1993;およびLiebermanら,eds.,Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,published by Marcel Dekker,Inc.,N.Y.,1990を参照されたい。
本発明の医薬組成物は、意図する投与経路に適合するように処方される。適した投与経路の例には、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)投与、経口(例えば、吸入)投与、経皮(局所的)投与、経粘膜投与および経直腸投与が挙げられる。非経口投与のために、本発明のLXRアゴニストは、種々の指向で処方され得る。修飾因子の水溶液は、ポリマービーズ中にカプセル化され得るか、ナノ粒子または当業者に公知の他の注射可能なデポー処方物であり得る。さらに、本発明の化合物は、リポソーム中にカプセル化されて投与され得る。組成物は、その溶解度によって、水層および脂質層の両方に、または一般にリポソーム懸濁液と呼ばれるものの中に存在し得る。疎水性層は、一般に、レシチンおよびスフィンゴミエリンなどのリン脂質、コレステロールなどのステロイド、ジアセチルホスフェート、ステアリルアミンまたはホスファチジン酸などのおおよそイオン性の界面活性剤、および/または他の疎水性物質を含むが、これらのみに限定されない。
組成物は、必要に応じて、さらに他の活性医薬成分を補充され得る。任意の抗菌剤、消毒剤および抗酸化剤もまた、それらの通常の作用を発揮する場合、組成物中に存在し得る。いくつかの用途では、LXRアゴニストは、化合物を身体からの急速な除去から保護する担体と共に調製される(例えば、移植片およびマイクロカプセル化送達系などの制御された徐放製剤)。グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートなどの徐放物質は、単独で、またはワックスと共に、組成物中に含まれ得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーもまた用いられ得る。このような処方の方法または製剤は、当業者に明らかである。材料はまた、アルザ社およびノバ・ファーマシューティカル社から市販されている。
医薬組成物は、投与のための説明書と共に、容器、パックまたはディスペンサーに入れられ得る。
用量
糖尿病または関連する障害に罹患している被検体は、代表的には、本発明の医薬組成物を用いて、連続した期間(例えば、少なくとも30日間、60日間、90日間、またはそれより長期)にわたって治療される。医薬組成物は、薬学上有効量または予防上有効量のLXRアゴニストを含む。用語「治療上有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医により研究されている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬物または医薬品の量を意味することを意図する。用語「予防上有効量」は、組織、系、動物またはヒトにおいて防ぐことが研究されている生物学的または医学的事象の発症のリスクを防ぐまたは減少させるであろう薬物または医薬品の量を意味することを意図する。
適切な治療上の量は、最大耐容量を決定するための哺乳動物の種および安全な薬物用量を決定するための正常ヒト被検体における臨床研究などの周知方法のいずれかにより、決定され得る。特に、被検体が受けるLXRリガンドの薬物用量は、β細胞再生を達成するように選択され得る;被検体が受ける薬物用量はまた、糖血症および/またはHbA1cを安定化するために、あるいはインスリン感受性を回復するために、時間に対して滴定され得る。LXRアゴニストの毒性および治療効果は、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順、例えば、LD50(集団の50%の致死用量)およびED50(集団の50%の治療有効用量)を決定することにより、決定され得る。毒性の効果と治療との用量比が治療係数であり、比LD50/ED50として表され得る。大きな治療指数を示すLXRアゴニストが好ましい。有毒な副作用を示すLXRアゴニストも用いられ得るが、非感染性細胞への潜在的傷害を最小化し、それによって副作用を減少させるため、当該LXRアゴニストが患部組織の部位を標的とする送達系の設計に配慮すべきである。
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトに用いるための用量の範囲を構築するために用いられ得る。このような化合物の用量は、好ましくは、ED50を含み、毒性がわずかであるかまたは全くない循環濃度の範囲内にある。薬物用量は、用いられる剤形および利用する投与経路に依存して、この範囲内で異なり得る。本発明の方法で用いられる任意のLXRアゴニストについては、治療有効量は、まず、細胞培養アッセイから評価され得る。用量は、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、症候を抑制する最大量の半分を達成する試験LXRアゴニストの濃度)を含む循環血漿中濃度範囲を達成するように、動物モデルが処方され得る。このような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するのに用いられ得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定され得る。
通常、特定の環境を除いて、より高い薬物用量が必要とされ得る場合、LXRアゴニストの好ましい薬物用量は、通常、1日あたり、約0.001〜約1000mg、より通常的には約0.01〜約500mgの範囲内にある。LXRアゴニストの好ましい薬物用量および投与形態は、異なる被検体で変動し得、担当医により個別に精査され得る要因、例えば、症状または処置される症状、特定のLXRアゴニストを含む、投与される組成物の選択、個々の被検体の年齢、体重および応答、被検体の症候の重篤度、および選択される投与経路に依存する。通常、投与するLXRアゴニストの量は、被検体の症状を効率的かつ確実に防ぐかまたは最小化する最小の用量である。従って、上記用量の範囲は、本明細書中の教示についての通常の指針および支持を提供することを意図するが、本発明の範囲を限定することを意図しない。
いくつかの用途では、1つだけのLXRアゴニストを個別に用いる場合では達成され得ない治療効果を達成するために、第1のLXRアゴニストを、第2のLXRアゴニストまたは公知の抗糖尿病薬と組み合わせて用いる。
エキソビボ治療
本発明は、さらに、膵島組織をLXRアゴニストと接触させることにより、膵島組織中のβ細胞の損失を抑制する方法も意図する。損失を減少するとは、膵臓組織が、LXRアゴニストの非存在下に比べ、LXRアゴニストの存在下において、10%、20%、30%、40%またはそれ以上のβ細胞を有することを意味する。
本発明は、また、膵島細胞をLXRアゴニストに接触させることによって、当該細胞の生存率または増殖を増加させる方法も意図する。さらに、膵島細胞の生存能は、移植患者にLXRアゴニストを投与することにより増加する。膵島細胞は、一次島細胞である。あるいは、細胞は、移植片ドナーの膵臓細胞である。生存能とは、細胞が、トリパンなどの生体色素を除外することを意味する。生細胞はまた、増殖、分化、増殖および発生が可能である。生存率は、トリパンブルー染色などの当該分野で公知の方法により測定する。細胞は、インビボで、インビトロでまたはエキソビボで接触させる。LXRアゴニストは、移植片部位に局所的に投与される。あるいは、LXRアゴニストは、全身投与される。LXRアゴニストは、ドナーの膵島細胞の移植前または後に、移植レシピエントに投与される。必要に応じて、LXRアゴニストは、ドナーの膵臓の移植と同時に、移植レシピエントに投与される。
本発明はまた、細胞をLXRアゴニストと接触させることにより、細胞死を抑制する方法もまた包含する。細胞は、インビボで、インビトロでまたはエキソビボで接触させる。細胞は、膵島β細胞などの膵臓細胞である。細胞死は、酸化ストレスが誘発する細胞死またはアポトーシス細胞死である。
以下の実施例は、例示のために提供されるが、本発明を限定するものではない。
動物
雄性ズッカー糖尿病性肥満fa/fa(ZDF)ラットは、II型糖尿病のモデルである。ラットは、インスリン抵抗性であるが、出生時は正常血糖であり、約7週齢〜10週齢で糖尿病を発症する。移行期の間、動物は、耐糖能不全の状態を通過する。動物は、糖尿病の発症前および糖尿病の初期の間は高インスリン血症であるが、その後グルコース刺激性インスリン分泌を失い、最終的にはほぼ完全にインスリン不足になる。
雄性ZDFfa/faラットおよびZDFfa+ラットを、6週齢でジェネティックモデル(インディアナ州インディアナポリス)から入手し、ビヒクルまたはGW3965(10mg/kg)を3週間投与した後、12週齢で実験に用いた。化合物を、経口経管栄養で1日1回(17時に)与えた。それらの使用時、ZDFfa/faラットは体重が310〜350gであったが、同週齢のZDFfa+ラットは体重が245〜285gであった。ZDFfa+動物およびZDFfa/fa動物は、糖尿病誘発性の飼料(ピュリナ5008)を自由に摂取した。1ケージ当たり5匹の動物を、温度および湿度を制御した室内に、12時間/12時間の明暗サイクルで収容した。化合物投与の16時間後、血液サンプルを尾静脈から採取し、Konelab 300(ラボシステム)臨床化学分析計で測定した。
NOD(非肥満性糖尿病)マウスは、自己反応性T細胞による進行性の島侵襲およびβ細胞破壊から生じる自然発症型ヒトI型(インスリン依存性)糖尿病に似た実験モデルである。この自然発症型糖尿病モデルは、β細胞破壊のプロセスに関与する自己反応性T細胞の研究および疾患の臨床的発症前の予防的ストラテジーを決定する独特の機会を提供する。
ラット膵島の調製
ラット膵島を、コラゲナーゼ消化および密度勾配精製により調製した。酵素コラゲナーゼXI型(シグマケミカル社、ミズーリ州セントルイス)を、膵臓の消化に用いた。一晩の絶食後、動物に深めに麻酔し、屠殺した。次いで、膵管をカニューレ処置し、37℃の20mlの消化溶液(コラゲナーゼ30mg/mlのハンクス平衡生理食塩水溶液[HBSS]20ml中溶液)(シグマケミカル、ミズーリ州セントルイス)を緩徐に注射して、組織を膨張させた。膨張後、膵臓を、37℃の5mlの消化溶液を含む20mlガラスビーカーに入れ、これを振盪水浴中に37℃で8分間置いた。633g、4℃にて1分間の遠心分離後、上清を除去し、島を、633g、4℃にて1分間遠心分離することにより、HBSSで3回洗浄した。精製操作のために、島を4mlの80%ヒストパック1.077(シグマ)および4mlのHBSS中に再懸濁した。1943g、4℃で20分の遠心分離後、島を、ヒストパック層とHBSS層との間の界面で回収した。島を、11mMのグルコース、10%FCS、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)およびL−グルタミン(2mM)を含むRPMI1640培地中に再懸濁し、COインキュベーター中、37℃で一晩培養した。
DNAフラグメント測定によるアポトーシスの評価
島細胞のアポトーシスを、ロシュ製の細胞死検出酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)プラスキットで、製造者が推奨する、ラットの島実験に適用される手順に従って、評価した。11mMのグルコース、10%のFCS、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)およびL−グルタミン(2mM)を含むRPMI1640培地中での一晩のインキュベーション後、10個の島の群を室温で溶解緩衝液を用いて30分間インキュベートし、次いで、アポトーシスのために200g、4℃にて10分間遠心分離した。一定分量の上清(20μl)を、ストレプトアビジンで被覆したマイクロタイタープレートのウェル中に入れた。次いで、抗ヒストンビオチン抗体および抗デオキシリボ核酸ペルオキシダーゼ抗体を含む混合物を合計80μl加え、37℃で120分間インキュベーションした。次いで、調製物を洗浄し、ABTS(2,2’−アジノ−ジ[3−エチルベンズチアザリンスルホナート])(ペルオキシダーゼの基質)を含む溶液を100μl加えた。5分間のインキュベーションの終わりに、405nmでの試料の吸光度を分光光度測定で読み取った。結果を%内部標準(ヌクレオソーム粒子)として表す。
TUNEL染色によるアポトーシスの評価
島細胞アポトーシスを、トランスフェラーゼ媒介dUTPニック末端標識(TUNEL)染色により決定した。細胞死を、フラグメント化DNAをビオチニル化デオキシウリジン三リン酸で3’インサイチュ末端標識化することにより、同定した。各膵臓片を、長さに沿って5μm厚みの切片に切断し、これらをゼラチンで被覆したスライド上に収集した。一定間隔の4つの切片を、頭部片および尾部片の両方で選別した。プロテイナーゼK(2μg/ml;シグマ)での消化後、切片をTdT緩衝液(0.5mol/lのカコジル酸エステル[pH6.8]、1mmol/lの塩化コバルト、0.15mol/lのNaCl)中で継続的に洗浄し、次いで、TdT(25U;ベーリンガーマンハイム社、マンハイム、ドイツ)およびビオチニル化dUTP(1nmol/μl)を用いて37℃でインキュベートした。TB緩衝液(300mmol/l NaCl、30mmol/lクエン酸ナトリウム)中で洗浄して反応を終結した後、ビオチニル化dUTPの取り込みを、アビジンビオチン複合体法での修飾により検出した。西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体化ストレプトアビジン−ビオチン複合体を適用した(ベクター・ラボラトリーズ)。次いで、切片を、DABを色素原として用いて展開し、ヘマトキシリンで軽く対比染色し、dePex(BDHラボラトリーズ社、プール、イギリス)に組み込まれた。
グルコース刺激性インスリン分泌および島インスリン含有量
0.5%BSAを含み、かつグルコースを含まないクレブスリンゲル重炭酸塩(KRB)−HEPES溶液(129mM NaCl、4.8mM KCl、1.2mM MgSO、1.2mM KHPO、2.5mM CaCl、5mM NaHCOおよび10mM HEPES、pH7.4)中、37℃で30分間の30分プレインキュベーション期間後。同等サイズの3個の島のバッチを、0.5%BSAおよび3.3mMグルコースを含むKRB−HEPES溶液200μlを含むマイクロタイタープレートのウェルに、撹拌下、5%COおよび95%O雰囲気下、37℃で1時間入れた。このチャレンジの終了時に、培地を完全に除去し、16.7mol/lのグルコースを含むKRB−HEPESで置換した。さらに1時間インキュベーションした後、培地を除去し、凍結した。一晩のアルコール酸抽出(エタノール75%+HCl0.15N)後、同じ島においてインスリン含有量を測定した。異なる培地中のインスリン濃度を、ラットインスリンELISA試験(インスリンラットエリートプラス、メルコディア)により決定した。
リアルタイム定量逆転写PCR法
膵臓および十二指腸のホメオボックス遺伝子1、Pdxl(ジェンバンク:NM_022852)および促進型グルコース輸送体であるメンバー2、Glut2(ジェンバンク:NM_012879)の遺伝子発現を、リアルタイム定量RT−PCR法により測定した。
新鮮な単離されたラット膵島由来の全RNAを、Rneasy96キット(キアゲン社、フランス)を用いて、製造者のプロトコルに従って、調製し、DnaseIで処置して、混入したDNA(ストラタジーン社、フランス)を除去し、iScript cDNASynthesisおよびiQ SYBR Green Supermixキット(バイオラド社、フランス)を用いて定量した。リアルタイム定量RT−PCRを、iCycler Detection System装置およびソフトウェア(バイオラド)を用いて実行した。増幅cDNAの予想されたサイズおよびプライマーに対するTm値は同様であるため、均一な増幅条件を適用した(すなわち、60℃でのアニーリング)。増幅産物の特異性を、各増幅の終了時に、融解曲線を実行することによりモニタリングした。発現レベルを、6点連続検量線を作成することにより定量した(全RNA単位)。比較のために、RNA試料を、18SrRNAレベルを決定することにより、正規化した。
プライマー配列
PDX1(順方向):CCACAGCCCTCCAGCATCG
PDX1(逆方向):CAGACCCGCTCACCCTCAG
Glut2(順方向):ACCAGCACATACGACACCAGAC
Glut2(逆方向):GACACAGACAGAGACCAGAGCATAG
18S(順方向):CGTCTGCCCTATCAACTTTCG
18S(逆方向):GATGTGGTAGCCGTTTCTCAG
データ解析
データを、平均±SEMとして表した。種々の群間の比較を、Studentt−試験により得た。実験群間のp<0.05における差は、統計学的に有意であると考えた。比較のため、ZDFfa/fa群を、ZDFfa+群と比較し、かつ、ZDFfa/faGW3965群を、ZDFfa/fa群と比較する。
膵臓切片および組織学的分析
非絶食マウスを、化合物の最後の投与の2日後に屠殺した。膵腺を切除し、ブアンのアルコール性溶液中で固定化した後、通常の組織学的研究のために処理した。5μmの切片を、Thivolet CH.et al,1991,Diabetologia,34,314−319に記載のヘマトキシリン−エオシンで染色した。
〔実施例1〕
ZDFラットに3週間経口投与したGW3965(10mg/kg)の血漿グルコースへの効果および処置終了後
血漿グルコースの変化パターンを、図1に示す。研究の開始時は、ビヒクルで処置したZDFラットおよびGW3965で処置したZDFラットにおいて糖血症は同等であった。
第6日に、ビヒクルで処置した群の血漿グルコース値は、400mg/mlを超えるまでに増加した。GW3965処置は、この上昇を有意に防ぎ、かつ、第21日の処置の終了時まで、糖血症を低レベルに維持した。
第21日から実験の終了時まで、動物は、いかなる処置も受けなかった。第44日、GW3965で予め処置されたZDFラットでは、糖血症は、なおも有意に減少した。このことは、限られた期間のGW3965での処置後の糖血症の長く続く制御が、おそらく、β細胞機能の修復およびエキソビボデータと一致する質量から生じるものであろうことを示す。本実施例は、LXRアゴニストの限られた期間での糖尿病患者への投与に基づく治療の新規な形態を提唱することを支持する。
この結果は、処置を中止した後はトリグリセリドへの効果は減少するが、血糖の減少は1カ月より長く維持されたことを示す。従って、LXRアゴニストリガンドは、負荷用量として1日または数日間投与され得、かつ引き続いて再負荷用量を週ベースでまたは負荷用量に応じてより長期に投与され得るか、あるいは隔日または隔週(または数日間)で投与され得る。
〔実施例2〕
GW3965(10mg/kg)で3週間経口的処置したZDFラットから単離された膵島におけるグルコース刺激性インスリン分泌
結果を図2に示す。3.3mmol/lおよび16.7mmol/lのグルコースの存在下で、ZDFラットの島のインスリン分泌は、fa+ラットの島と比較して、それぞれ82.6%および69.6%減少した。ビヒクル処置したZDFラット島と比較してGW3965処置したZDFラット島において、3.3mmol/lおよび16.7mmol/lのグルコースに応答したインスリン分泌は、それぞれ、133.8%および74.5%有意に増加した。従って、ZDFラット膵島のグルコース刺激性インスリン分泌は、LXRアゴニストにより改善されることが示される。
〔実施例3〕
ZDFラットに3週間経口投与したGW3965(10mg/kg)の単離された膵島におけるインスリン含有量への効果
結果を図3に示す。インスリン含有量は、fa+ラットの島と比較して、ZDFラットの島において大きく減少した(4.78±0.86対27.74±6.85ng/島)。GW3965(10mg/kg)で処置したZDFの島のインスリン含有量は、ビヒクルで処置したZDFの島に比較して有意に増加した(13.05±2.49対4.78±0.86ng/島)。
本実施例は、膵島のインスリン含有量がLXRアゴニストとともに増加されることを示す。
〔実施例4〕
ZDFラットに3週間経口投与されたGW3965(10mg/kg)の採取した膵島の数への効果
結果を図4に示す。ZDFラットにおいて採取された膵島の数は、fa+ラットにおいて収集された膵島の数よりも少なかった(それぞれ、51±13および120±28島/ラット)。GW3965で処置したZDFラットは、ビヒクルで処置したものと比較して、膵島の数が増加していた(それぞれ、80±16および51±13島/ラット)。
従って、膵島の数は、LXRアゴニストでのインビトロ処置の後に増加する。
〔実施例5〕
ZDFラットに4週間経口投与されたGW3965(10mg/kg)の単離された膵島および膵臓の切片におけるアポトーシスへの効果
本実施例では、膵島のアポトーシスの割合を検討した。結果を図5に示す(パネルA参照)。RPMI培地中で一晩培養した後の特異的ELISAアッセイにより測定されるDNAフラグメントは、対照fa+ラットの島と比較して有意に増加した(43.1±9.2%対19.9±6.2%)。GW39065から単離した膵島におけるアポトーシスは、ビヒクルで処置したZDFラットと比較して、減少した(それぞれ34.0±7.5%および43.1±9.2%)。
また、アポトーシスを、10mg/kgのGW3965で4週間にわたって処置した5匹の8週齢のZDFラットの膵臓切片で、TUNEL染色法を用いて評価した。結果を図5に示すが(パネルB参照)、GW39065で処置したZDFラット由来の膵臓切片におけるアポトーシスは、ビヒクルで処置した対照マウスと比較して、有意に減少したことを示す(それぞれ1.41±0.96%および4.55±1.29%のアポトーシス、(p<0.05))。
LXRアゴニストでの経口インビボ処置によって、対応する単離された膵島のアポトーシスを減少させることを可能にする。特に、β細胞は85〜95%の膵島を表すので、これらの結果は、LXRアゴニストの投与がβ細胞アポトーシスを有意に減少させることを示す。
〔実施例6〕
GW3965のPDXlおよびGLUT2のmRNA発現への効果(図6)
本実施例では、PDXlおよびGlut2のmRNA発現を決定した。上記したように、PDXlおよびGlut2は、β細胞の再生のマーカーである。PDXlおよびGlut2のmRNA発現は、対照fa+ラット島と比較して、ZDFラット島で顕著に減少した(それぞれ、0.17対0.38±0.21および0.27対0.40±0.22)。PDXlおよびGlut2のmRNA発現は、GW3965から単離した島において、ビヒクルで処置したZDFラットと比較して増加した。値は、PDXlについて0.35±0.11、Glut2について0.55±0.23であった。
この実施例は、膵島のβ細胞が、LXRアゴニストでの処置により再生されることを実証する。
〔実施例7〕
GW3965(50mg/kq)のNODマウスにおけるβ細胞の再生への効果(図7)
4週齢のNODマウスを、ビヒクルまたはGW3965(50mg/kg)で4週間(5日間/7)処置した。膵臓の組織学的研究を、上記のように行った。
図7の円内で同定される新しい島の形成により明瞭に示されるように、膵島のβ細胞は、LXRアゴニストでの処置により再生された。さらに、β細胞の再生は、正常な膵島と等価の形態学的構造を有する膵島を生じる。
〔実施例8〕
GW3965(50mg/kg)のNODマウスにおける膵島炎発症への効果(図8)
膵島炎の進行を、膵臓において分析した。膵島炎の5つの症状を一般的に記載した:単球浸潤(Tリンパ球)のない正常な島を特徴とする症状0;周囲膵島炎に対応する症状1;50%未満の膵島炎を有する症状2;50%を超える膵島炎を有する症状3;アポトーシスを有する症状4。症状4は8週齢のマウスでは観察されず、この症状は、9〜10週付近で現れた。
4週齢のNODマウスを、ビヒクルまたはGW3965(50mg/kg)で4週間(5日間/7)処置した。膵臓の組織学的研究を、上記のように行った。
パネルAに示すように、ビヒクルで処置した対照NODマウスの膵臓切片は膵島炎を示すだけであるが、パネルBに示すように、GW3965で処置したNODマウスの膵臓は、リンパ球浸潤から保護されているように思われる。実際に、94%の正常な島がGW3965で処置したNODマウスの膵臓で観察されたが、対照NODは32%の正常な島しか示さなかった(データは示さず)。
本実施例は、LXRアゴニストGW3965のインビボ投与が、NODマウスにおいて膵島炎の発症を抑制し得ることを実証する。
これらの実施例は、LXRアゴニストGW3965が、重篤な糖尿病のZDFラットにおいてグルコース刺激性インスリン分泌、インスリン含有量および島の数を増加させ、β細胞アポトーシスを減少させ、β細胞の再生を促進することを示す。このことは、21日の処置後に、糖尿病の症状が改善され、かつ、糖血症およびHbA1cが有意に減少することと関連した。
LXRアゴニストの抗糖尿病性作用の根底にある潜在的なメカニズムの評価にあたって、本発明者らは、GW3965での処置が、結果としてβ細胞アポトーシスの有意な減少およびインスリン含有量の有意な増加をもたらすことを見出した。さらに、本発明者らは、PDXlおよびGlut2のmRNAレベルが、fa+ラットで得られた対照値に対して回復することを見出した。
GW3965での処置が終了してから30日後、本発明者らは、血漿グルコースがなお低レベルに維持されたので、本化合物はII型糖尿病の発症に対して長期にわたる保護的および予防的効果を有したことを示した。
実施例で上記に例示したものと同様の実験結果が、T0901317などの他のLXRアゴニストを用いて得られた(データは示さず)。
本明細書中に記載した実施例および実施形態は、例示のみを目的としており、かつ、それらに基づく多様な改変または変化が当業者に示唆され、本願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲に包含されるべきであることが理解される。本明細書中に記載した方法および物質と同様のまたは等価の任意の方法および物質が本発明の実施または試験において用いられ得るが、好ましい方法および物質が記載した。
図1は、ZDFラットに3週間経口投与したGW3965(10mg/kg)の血漿グルコースへの効果および処置終了後への効果を示す。 図2は、ZDFラットに3週間経口投与したGW3965(10mg/kg)の、単離された膵島におけるグルコース刺激性インスリン分泌への効果を示す。 図3は、ZDFラットに3週間経口投与したGW3965(10mg/kg)の、単離された膵島におけるインスリン含有量への効果を示す。 図4は、ZDFラットに3週間経口投与したGW3965(10mg/kg)の、膵島の数への効果を示す。 図5は、ZDFラットに4週間経口投与したGW3965(10mg/kg)の、単離された膵島および膵臓の切片におけるアポトーシスへの効果を示す。 図6は、GW3965のPDXlおよびCLUT2mRNA発現への効果を示す。 図7は、GW3965(50mg/kg)のNODマウスにおけるβ細胞の再生への効果を示す。 図8は、GW3965(50mg/kg)がNODマウスにおける膵島炎の発症への効果を示し、図中、パネルAは、ビヒクルのみで処置された対照NODマウスの膵臓の切片を表し、パネルBは、GW3965で処置されたNODマウスの膵臓の切片を図示する。

Claims (9)

  1. I型糖尿病の治療および/または予防に有用な医薬の調製のための、2−[3−[3−[N−[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−(2,2−ジフェニルエチル]アミノ]プロポキシ]フェニル]酢酸(GW3965)、及び、N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−N−[4−[2,2,2―トリフルオロ―1―ヒドロキシ―1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド(T0901317)からなる群から選択される、肝臓X受容体アゴニストの使用。
  2. 前記医薬が、β細胞の再生のために用いられる、請求項1に記載の使用。
  3. 前記医薬が、β細胞の生存率を高めるために用いられる、請求項1に記載の使用。
  4. 前記医薬が、移植レシピエントにおいて、移植したドナー膵島細胞の生存率を高めるために用いられる、請求項に記載の使用。
  5. 前記医薬が、経口投与に適した形態である、請求項1〜のいずれかに記載の使用。
  6. 前記医薬が、少なくとも30日間、毎日用いられる、請求項1〜のいずれかに記載の使用。
  7. 前記医薬が、公知の抗糖尿病薬と組み合わせて用いられる、請求項1〜のいずれかに記載の使用。
  8. 前記公知の抗糖尿病薬が、メトホルミン、ピオグリチゾン、ロシグリタゾン、グリメピリド、グリピジド、グリブリド/メトホルミン、グリブリド、ミグリトール、グリピジド+メトホルミン、レパグリニド、アカルボース、トログリタゾン、ナテグリニドおよびGLP−1アゴニストからなる群から選択される、請求項に記載の使用。
  9. 一次膵島細胞のエキソビボ生存率を高める方法であって、前記島細胞を、2−[3−[3−[N−[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−(2,2−ジフェニルエチル]アミノ]プロポキシ]フェニル]酢酸(GW3965)、及び、N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−N−[4−[2,2,2―トリフルオロ―1―ヒドロキシ―1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド(T0901317)からなる群から選択される、肝臓X受容体アゴニストと接触させることを含む、方法。
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