JP4943287B2 - 液滴混合方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴混合方法及び装置に係り、特にマイクロ流路において液滴同士又は液滴と固定物とを接触させて混合する技術に関する。
近年、マイクロ化学プロセス技術への期待が高まり、化学プロセスの単位操作である「混合」においても、マイクロリットルやピコリットルレベルの液滴混合に関する研究が盛んに行われている。混合を行うためにはその空間を攪拌して、乱流を発生させることが一般である。
しかし、マイクロ空間では層流のみが形成されるため、効果的な攪拌をすることは難しい。例えば、特許文献1のマイクロチップによれば、図9に示すように、直線状のマイクロ流路1内において液滴(例えば検体液滴と試薬液滴)同士の混合を促進させるため、液滴を合一した液滴塊2を、ピエゾ素子を用いたマイクロポンプにより、液滴塊2をマイクロ流路内で直線的に往復移動させるようにしている。これにより、従来の大型装置と同等又はそれ以上の精度で、検体と試薬を混合して例えば血液検査を行うことができるとしている。
また、特許文献2の化学分析装置には、1枚の共通電極板に対向して、複数の互いに絶縁された電極列を有する板状部材を設け、2枚の板の隙間に満たされた充填液の中の微量な液滴を、電極列に順次電圧を印加することにより、電極面と液滴間に引力を発生させて、電極列に沿って搬送する方法が記載されている。サンプル及び試薬が液滴となって、対向して配置された板状部材間に挟まれており、電極に電界を印加することによって液滴の接触角が変化し、複数の電極上を移動することが可能となる。これにより、生体中に含まれる微量物質の分析を行うことができるとしている。
このように、マイクロ化学プロセス技術を利用して、医療関連の検査装置、例えば血液検査装置の開発が行われている。
かかる血液検査装置で血液検査を行う場合、真空採血管により数mLの血液を測定項目に応じて採取し、真空採血管を各種の自動分析機にセットする。自動分析装置は大型であり、病院によっては装置をもたず検査センターに依頼して血液を検査することも多々ある。そのため、検査結果が出るまでに時間を要しているのが現状である。緊急を要する検査を行う場合は、検査装置のある施設へ出向く必要があり、高齢者、病人にとっては検査自体が身体的に負担となる。また、血液検査をもっと気軽に、頻繁に行う環境が出来れば、病気に対する予防が進み、生活の質を高めることが出来る。
このような背景から、小型な器具で、簡便に且つ少量の血液量で行うことができることが要求されており、上述したマイクロリットルやピコリットルレベルで精度良く液滴混合を行うことができれば、小型な器具で、簡便に且つ少量の血液量で血液検査を行うための装置を開発することも可能である。
特開2002−214241号公報 特開2006−58031号公報
しかしながら、特許文献1のように、液滴を単に直線的なマイクロ流路で往復移動させるだけでは、前述の通り、マイクロ流路内では単なる層流流れのみが形成されるため、液滴を攪拌する力が弱く、液滴の十分な混合を行うことができないという欠点がある。更に、特許文献1ではピエゾ素子をマイクロチップに組み込む必要があるため、使い捨ての簡単な装置にすることは非現実的である。
また、特許文献2の場合には、開放系であり、湿度のコントロールを常に行わなければならないこと、並びに各電極に印加する順番を制御するなど煩雑な操作が必要になるという欠点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マイクロ流路で液滴同士又は液滴と固定物とを極めて効率的に接触混合することができるので、小型な器具で、簡便に且つ少量の血液量で血液検査を行うための方法や装置としても適用できる液滴混合方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、マイクロ流路において液滴同士を混合する液滴混合方法において、混合する複数の液滴を合一して前記マイクロ流路の内壁に接触する大きさの液滴塊を形成する液滴塊形成工程と、前記形成された液滴塊を流路がT字形状に形成されたT字流路部に移送する移送工程と、前記T字流路部を構成する1本の縦流路と、該縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路の根元部分に絞り部が形成されており、前記縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことによって、前記マイクロ流路内の液滴塊を前記T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴同士を混合する混合工程と、を備えたことを特徴とする液滴混合方法を提供する。
本発明の請求項1によれば、混合する複数の液滴を合一してマイクロ流路の内壁面に接触する大きさの液滴塊を形成し、マイクロ流路のT字状に流路が形成されたT字流路部において前記形成した液滴塊を移動方向を変えながら往復させることにより、非対称な流れを液滴塊内に起こすことで液滴同士を混合するようにした。これにより、液滴塊内にカオス的な流れ(予測できない複雑な流れ)が発生して液滴塊内が攪拌されるので、液滴塊を構成する液滴同士、あるいは液滴内の成分同士を効果的に混合することができる。
尚、T字流路部を構成する流路は、必ずしも直線流路同士でT字を形成することには限定されず、多少曲率があったり、うねっていたりしてもよい。以下、同様である。
滴塊内での非対称な流れは、流路壁面との摩擦によって発生するため、確実に流路壁面と接触できることが必要である。そのため、液滴の形状は球ではなく、楕円となることが好ましい。しかし、楕円の長軸長さが短軸長さに比べて大き過ぎる場合には、長軸の両末端が離れ過ぎるので、液滴塊内部では効果的な混合が起こりにくい。即ち、短軸長さに対する長軸長さの比が1を越えて大きく3以下であることが好ましい。更には1.2以上2以下であることが好ましい。從って、最適な液滴塊の形状となるように、T字流路部に導入する液滴塊のサイズや導入する液滴塊の容積を設定することが好ましい。換言すると、液滴塊形成工程で合一させる液滴のサイズや容積を設定することが好ましい。
請求項2は請求項1において、前記液滴塊を分裂させないように、前記液滴塊の往復移動回数及び/又は往復移動距離を設定することを特徴とする。
請求項2によれば、T字流路部における液滴塊の往復移動を、液滴塊が分裂しない回数及び距離に設定したので、液滴同士の混合を一層促進できる。これは、液滴塊をT字流路部で往復移動することで、液滴塊内にカオス的な流動が生じるのであって、液滴塊が分裂して細かな液滴になってしまうと、液滴同士の接触が悪くなるだけでなく、液滴が直線流路部で往復移動するのと同じになってしまい、混合効果が顕著に小さくなる。
本発明の請求項3は前記目的を達成するために、マイクロ流路において液滴と流路壁面上の固定物とを接触混合する液滴混合方法において、前記固定物を前記マイクロ流路のT字状に流路が形成されたT字流路部に固定する固定工程と、前記T字流路部に前記液滴を移送する移送工程と、前記T字流路部を構成する1本の縦流路と、該縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路の根元部分に絞り部が形成されており、前記縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことによって、前記マイクロ流路の内壁面に接触する大きさの液滴を前記T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴と前記固定物とを接触混合する混合工程と、を備え、たことを特徴とする液滴混合方法を提供する。
本発明の請求項3によれば、T字流路部の流路壁面上に固定物を固定しておき、マイクロ流路の内壁面に接触する大きさの液滴をT字流路部において往復移動させるようにした。これにより、T字流路部で液滴が往復移動する度に液滴にカオス的な流れが発生して液滴が攪拌されるので、液滴全体を固定物に満遍なく接触させることができる。従って、液滴の成分と固定物の成分とが効率的に混合する。
請求項4は請求項3において、前記固定物は抗体であり、前記液滴は血液であり、前記抗体と前記血液中の抗原とにより抗原抗体反応を行うことを特徴とする。
請求項4のように、固定物を抗体とし、液滴を血液として本発明を適用すれば、血液中の抗原と抗体とを効率的に接触させて抗原抗体反応を行うことができるので、簡単に且つ迅速に血液検査を行うことができる。
請求項5は請求項1〜4の何れか1において、液滴の往復移動の繰り返し周波数を、0.1Hz以上5Hz以下で行うことを特徴とする。
請求項5は、混合を促進する上で効果的な往復移動の繰り返し周波数を規定したもので、0.1Hz以上5Hz以下であることが好ましい。ここで、0.1Hzとは10秒間で1往復することを意味し、5Hzとは1秒間に5回往復移動することを意味する。更に好ましい往復移動の繰り返し周波数は、0.1Hz以上2Hz以下である。
請求項6は請求項1〜5の何れか1において、前記往復移動を気体の圧力変化で行うと共に、送気する気体量及び吸引する気体量が0.1〜1000μL/分の範囲であることを特徴とする。
請求項6は、T字流路部における液滴(又は液滴塊)の往復移動を行うための好ましい動力を規定したものであり、T字流路部に気体を出し入れすることによる気体の圧力変化で行うことが好ましい。また、送気する気体量及び吸引する気体量が0.1〜1000μL/分の範囲であることが好ましい。
本発明の請求項7は前記目的を達成するために、マイクロ流路において液滴同士を混合する液滴混合装置において、前記マイクロ流路の一部として形成され、混合するための複数の液滴を合一して前記マイクロ流路の内壁面に接触する大きさの液滴塊を形成する合一部、及び前記合一部の下流側に位置するT字流路部から成り、該T字流路部は前記合一部から連続する横流路と該横流路に立設する縦流路とで構成され、前記縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路に絞り部が形成されると共に、その絞り部が3本の流路が交わる根元部に形成されている装置本体と、前記マイクロ流路に液滴を注入する液滴注入手段と、前記注入された液滴を前記合一部を介して前記T字流路部に移送する移送手段と、前記T字流路部の縦流路に接続され、該縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことにより、前記T字流路部に移送された液滴塊を該T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴塊を混合する往復移動手段と、を備えたことを特徴とする液滴混合装置を提供する。
請求項7は、本発明を装置として構成したものであり、本発明の液滴混合装置を使用すれば、マイクロ流路内で液滴同士を極めて効率的に接触混合することができる。
請求項8は請求項7において、前記合一部の上流側が複数の分岐流路に分岐されると共に、該分岐流路から異なる種類の液滴を供給して合一部で合一させることにより、前記液滴塊を形成することを特徴とする。
請求項8によれば、合一部の上流側に形成した複数の分岐流路に異なる種類の液滴を供給して合一部で合一させるようしたので、簡単な構造で液滴塊を形成することができる。
本発明の請求項9は前記目的を達成するために、マイクロ流路において液滴と流路壁面上の固定物とを接触混合する液滴混合装置において、前記マイクロ流路の一部として形成され、T字状に流路が形成されたT字流路部を備え、該T字流路部は横流路と該横流路に立設する縦流路とで構成され、前記縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路に絞り部が形成されると共に、その絞り部が3本の流路が交わる根元部に形成されている装置本体と、前記固定物を前記T字流路部に固定する固定手段と、前記マイクロ流路に液滴を注入する液滴注入手段と、前記注入された液滴を前記合一部を介して前記T字流路部に移送する移送手段と、前記T字流路部の縦流路に接続され、該縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことにより、前記T字流路部に移送された液滴を該T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴と前記固定物とを接触混合する往復移動手段と、を備えたことを特徴とする液滴混合装置を提供する。
請求項9によれば、T字流路部の流路壁面上に固定物を固定しておき、マイクロ流路の内壁面に接触する大きさの液滴をT字流路部で往復移動させるようにした。これにより、T字流路部で液滴が往復移動する度に液滴にカオス的な流れが発生して液滴が攪拌されるので、液滴全体を固定物に満遍なく接触させることができる。従って、液滴内の成分と固定物の成分とが効率的に混合する。
請求項10は請求項9において、前記固定物は抗体であり、前記液滴は血液であり、前記抗体と前記血液中の抗原とにより抗原抗体反応を行うことを特徴とする。
請求項10によれば、固定物を抗体とし、液滴を血液の液滴として本発明を適用すれば、血液中の抗原と抗体とを効率的に接触させて抗原抗体反応を行うことができるので、簡易検査装置としても使用できる。
請求項11は請求項7〜10の何れか1において、前記T字流路部を構成する3方向の流路のうちの少なくとも1方向の流路に流路断面が狭くなる絞り部を有することを特徴とする。
請求項11のように、T字流路部を構成する3方向の流路の少なくとも1つの流路に流路の狭い絞り部を形成することで、更にカオス的な流れが促進されるので混合を一層促進できる。
請求項12は請求項7〜11の何れか1において、前記T字流路部を構成する3方向の流路のうちの1方向の流路が、直線流路を形成する他の2本の流路に対して傾斜していることを特徴とする。
請求項12のように、T字流路部を構成する3方向の流路のうちの1つの流路を傾けて流路形状を非対称にすることで、更にカオス的な流れが促進されるので混合を一層促進できる。尚、ここで、直線流路とは、上述したように、多少曲率があったり、うねっていたりする場合も含む。
請求項13は請求項7〜12の何れか1において、前記往復移動手段は、T字流路部内の圧力を変化させる手段であることを特徴とする。
T字流路部内の圧力を変化させることで液滴の往復移動させる方法が、簡便だからである。
請求項14は請求項7〜13の何れか1において、前記マイクロ流路の流路断面は等価直径で50μm以上2mm以下であると共に、前記液滴の体積は0.1nL以上100μL以下であることを特徴とする。
請求項14は、マイクロ流路における液滴の混合を効率的に行うためのマイクロ流路の大きさや、液滴の大きさを規定したものである。但し、上記したように、液滴がマイクロ流路の内壁面に接触する大きさであることが必要であり、液滴1個の大きさがマイクロ流路の径に対して小さすぎる場合には液滴を合一させて大きくすることが必要である。
請求項15は請求項7〜14の何れか1において、前記液滴の前記マイクロ流路内壁面に対する接触角は、20°以上180未満であることを特徴とする。

本発明の液滴混合方法は、マイクロ流路の内壁面に対する液滴の濡れ性が小さい方が、液滴としての形状を維持し易く、T字流路部の往復移動での液滴(又は液滴塊)の形状変化がダイナミックに生じ易いため、混合が促進される点に特徴がある。従って、接触角が20°未満のように、液滴と内壁面との濡れ性が良すぎると混合効果が低下する。
以上説明したように、本発明の液滴混合方法及び装置によれば、マイクロ流路内で液滴同士又は液滴と固定物とを極めて効率的に接触混合することができる。従って、小型な器具で、簡便に且つ少量の血液量で血液検査を行うための方法や装置としても適用できる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る液滴混合方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における液滴混合装置10を示す斜視図であり、液滴同士を効率的に混合する装置である。図2は本発明の液滴混合装置10の主要部分を示した概念図である。
図1及び図2に示すように、本発明の液滴混合装置10は、主として、マイクロ流路12の一部として形成された合一部14及びT字流路部16を備えた装置本体18と、マイクロ流路12に液滴A、Bを注入する液滴注入手段20と、注入された液滴A、Bを合一部14を介してT字流路部16に移送する移送手段22と、T字流路部16において合一した液滴塊Cを往復移動させる往復移動手段25と、で構成される。
装置本体18に形成されたマイクロ流路12は、液滴A、Bの移送方向から見て上流側にY字流路から成る合一部14が形成されると共に、下流側にT字流路から成るT字流路部16が形成される。尚、本実施の形態では、組成の異なる2種類の液滴A、Bを合一部14で合一させて1つの液滴塊Cを形成する一例で説明するため、合一部14をY字流路とした。しかし、合一部14の形状をY字流路に限定するものではなく、合一させる液滴の数に必要な数の流路本数で構成することができる。
Y字流路から成る2つの端部は、それぞれの貫通孔14A、14Aを介して装置本体1
8の上面18Aに貫通しており、この2つの貫通孔14Aに、液滴注入手段20及び移送手段22が接続される。即ち、貫通孔14Aにそれぞれ注入管24、24が着脱自在に接続されると共に、注入管24の先端から注入管24内に注入器具26を使用して液滴A、Bをそれぞれ注入する。また、注入管24の途中には、気体配管28、28が連結され、気体配管28の先端にマイクロ容量の給気が可能な送気器具30、30が接続される。そして、注入器具26で注入管24の先端から液滴A、Bを注入し、注入された液滴A、Bを送気器具30からの気体圧力でマイクロ流路12に移送する。気体としては、通常エアを使用することができるが、液滴A、Bが酸素等を嫌うものである場合には、窒素ガス等の不活性ガスを使用するとよい。尚、図1では2つの送気器具30を設けたが、1つの送気器具30に接続した気体配管28を分岐させてそれぞれの注入管24に接続してもよい。
注入器具26としては、例えばマイクロ容量の注射器を好適に使用することができ、送気器具30としてはマイクロ容量の気体を給気できるマイクロポンプを好適に使用することができる。
一方、T字流路部16は、合一部14から連続する1本の横流路12Aと、該横流路12Aに立設した縦流路12BとによりT字流路(図1及び図2では逆T字流路)を構成して成り、縦流路12Bの先端が装置本体18の上面18Aに貫通している。ここで、T字流路部16を構成する横流路12A及び縦流路12Bは、完全に直線であることに限定されず、多少曲率があったり、うねっていている場合も含まれる。
そして、この縦流路12Bの先端に往復移動手段25が接続される。即ち、縦流路12Bの先端に着脱自在に配管32が接続され、配管32先端に往復移動器具34が接続される。往復移動器具34としては、縦流路12Bに対して加圧と吸引とを交互に行うことができる加圧・吸引方式のマイクロポンプを好適に使用できる。また、上記のように、注入管24及び配管32を装置本体18から着脱自在にすることで、装置本体18のみを使い捨てにすることができる。
T字流路部16における縦流路12Bは、図2のように同じ流路径でもよいが、図3のように縦流路12Bの根元部分の流路径を細くした絞り部12Cを有することがより好ましい。尚、絞り部12Cを形成する位置は、縦流路12Bの根元部分に限定するものではなく、縦流路12Bの途中でもよく、更には横流路12Aに形成してもよい。但し、T字流路部16で液滴塊Cが往復移動する領域内に絞り部12Cを形成する必要がある。また、縦流路12Bは、図2のように横流路12Aに対して垂直であってもよいが、図4のように傾斜していることがより好ましい(図4は絞り部12Cと傾斜との両方)。横流路12Aに対する縦流路12Bの傾斜角度θとしては、5°〜80°の範囲が好ましく、30°〜60°の範囲がより好ましい。5°未満では傾斜角度が急すぎて液滴塊Cが破壊され易くなり、80°を超えると傾斜させた効果が発揮されないからである。このように、T字流路部16に絞り部12Cを設けたり、縦流路12Bを傾斜させたりすることで、液滴A、B同士の混合を一層促進することができるからである。
また、図1に示すように、横流路12Aの先端は、貫通孔36を介して装置本体18の上面18Aに貫通しており、空気抜き口38として形成される。
上記のように形成されたマイクロ流路12の流路断面は、等価直径で50μm以上2mm以下であることが好ましく、100μm以上1mm以下であることがより好ましい。ここで、等価直径とは流路断面を円とした場合の直径である。また、マイクロ流路12の内壁面に対する液滴A、Bの接触角が20°以上180°未満となるように内壁面の濡れ性を形成することが好ましい。より好ましくは、60°以上180未満の範囲である。これ
は、マイクロ流路12の内壁面に対する液滴A、Bの濡れ性が小さい方が、T字流路部16の往復移動での液滴塊Cの形状変化がダイナミックに生じ易く、混合が促進されるからである。
上記の如く構成された装置本体18は、マイクロドリル加工、マイクロ放電加工、めっきを利用したモールディング、射出成形、ドライエッチング、ウエットエッチング、及びホットエンボス加工等の精密加工技術を利用して製造することができる。また、汎用的な旋盤、ボール盤を用いる機械加工技術も利用できる。
装置本体18の材料としては、特に限定されるものではなく、上述の加工技術を適用できるものであればよい。具体的には、金属材料(鉄、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、各種の金属等)、樹脂材料(アクリル樹脂、PDMS等)、ガラス(シリコン、パイレックス(登録商標)、石英ガラス等)や、石英ガラスやパイレックスガラスにパリレン(パラキシレン蒸着)処理を行ったもの、フッ素系又は炭化水素系のシランカップリング処理を行ったものを好適に使用できる。
また、装置本体18は、後記する液滴混合方法で説明するように、2種類の液滴A、Bの合一状態、及び合一した液滴塊CのT字流路部16における往復移動状態を視覚により観察できるように、透明な材料で製作することが好ましい。
また、装置本体18を加熱する加熱手段(図示せず)を設けることが好ましい。加熱手段としては、金属抵抗線やPolysilicon などのヒータ構造を装置本体18に作り込む方法などがある。金属抵抗線やPolysilicon などのヒータ構造の場合には、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行うことで温度を制御する。この場合の温度のセンシングについては、金属抵抗線の場合には同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行い、Polysilicon の場合には、熱電対を用いて温度検出を行う方法が一般的に採用されている。また、近年においては、ペルチェ素子を用いた温度制御機能を装置本体18に組み込むことで、血液の温度制御を精度良く行うこともできる。何れにしても、温度制御そのものは、従来からの温度制御技術でもペルチェ素子に代表される新規な温度制御技術でも可能であり、装置本体18の材料等に応じた加熱・冷却機構と温度センシング機構の選択、ならびに外部制御系の構成を組み合わせて最適な方法を選択することができる。
次に上記の如く構成された液滴混合装置10を用いて本発明の液滴混合方法を説明する。
先ず、図1に示すように、それぞれの注入器具26で2本の注入管24に2種類の液滴A、Bを注入する。マイクロ流路12の流路径にもよるが、100〜200nL(ナノリットル)程度の液滴A、Bを注入管24に注入する。この場合、注入された液滴A、Bが、注入管24に接続される気体配管28の下まで入り込むように注入する。注入する液滴A、Bの体積は、0.1nL以上100μL以下であることが好ましい。
次に、送気器具30を駆動して、気体配管28に気体(例えばエアー)を給気し、注入管24に注入された液滴A、Bをマイクロ流路12の合一部14に移送する。これにより、図2に示すように、液滴A、Bは合一部14で合流して合一し、液滴塊Cとなる。この場合、液滴A、B及び液滴塊Cのうち、少なくとも液滴塊Cは、マイクロ流路12の内壁面に十分に接触する大きさであることが必要である。
次に、送気器具30を引き続き駆動して、液滴塊CをT字流路部16に移送したら、送気器具30の駆動を停止する。
次に、往復移動器具34を駆動して、T字流路部16における縦流路12Bに対して加圧・減圧(吸引)を繰り返すことにより、液滴塊CをT字流路部16において移動方向を変えながら往復させることにより、非対称な流れを液滴塊内に起こすことで液滴同士を混合する。液滴塊Cを往復移動させる周波数、即ち加圧・減圧の周期としては、0.1Hz以上5Hz以下の範囲で行うことが好ましい。また、往復移動させるために往復移動器具から送り込む気体量や吸引する気体量は、0.1〜1000μL/分の範囲が好ましい。
これにより、図2に示すように、液滴塊CはT字流路部16で往復移動する度に、液滴塊Cの形が本来の球形からT字形等の複雑な形状に変化する。従って、液滴塊C内にカオス的な流れ(予測できない複雑な流れ)が発生して液滴塊C内が攪拌されるので、液滴塊Cを構成する液滴A、B同士を効果的に混合することができる。この場合、図3及び図4で説明したように、T字流路部16に絞り部12Cを設けたり、縦流路12Bを傾斜させたりした液滴混合装置10を使用すれば、図5及び図6のように、液滴塊Cの形が本来の球形から一層複雑な形状に変化するので、混合を一層促進できる。即ち、縦流路12Bの根元部分に絞り部12Cを有する図5では、縦流路12Bの根元部分を通過する液滴塊Cが絞り部12Cで体積が一旦縮み、絞り部12Cを通過すると急激に膨らむ。この動きにより液滴塊C内に一層カオス的な流れが発生する。また、図6のように絞り部12Cと縦流路12Bの傾斜とを併用すれば、液滴塊Cが更に複雑な形状に変化し、混合を促進できる。そのため、T字流路部16以外での単調な液滴の移動は最小限に抑え、それよりもT字流路部16で移動方向を変える回数を増やすことで、混合を促進できる。
かかる液滴塊Cの往復運動において液滴塊Cが破壊されると、液滴A、Bが別々にT字流路部16を往復移動することになり、混合性能が悪くなる。また、液滴塊Cが破壊されて液滴A、Bになると液滴径が小さくなり、T字流路部16で液滴のダイナミックな形状変形がされなくなる。従って、液滴塊Cが破壊されないように往復運動する必要がある。そのためには、往復移動の回数や往復移動を行う距離を適切に設定することが重要になる。混合に必要な回数は、使用する液の物性によるが、溶質の濃度が低い水溶液同士であれば、1〜2往復するのみで均一になることが確認されている。
このように、本発明の液滴混合方法では、混合するための複数の液滴A、Bを合一して液滴塊Cを形成し、この液滴塊CをT字流路部16において往復移動させるようにしたので、マイクロ流路12で液滴同士を極めて効率的に混合することができる。
図7は、本発明の液滴混合装置の第2の実施の形態を示す斜視図であり、液滴Aと固定物Dとを接触混合して、液滴中の成分と固定物中の成分を効率的に混合する装置である。尚、第1の実施の形態と同じ部材や手段については同符号を付して説明する。
図7に示すように、第2の実施の形態の液滴混合装置40は、主として、マイクロ流路12の一部として形成されたT字流路部16を備えた装置本体18と、マイクロ流路12のT字流路部16に固定物Dを固定する固定手段と、マイクロ流路12に液滴Aを注入する液滴注入手段20と、注入された液滴AをT字流路部16に移送する移送手段22と、T字流路部16において液滴Aを往復移動させる往復移動手段25と、で構成される。
即ち、第2の実施の形態の液滴混合装置40は、マイクロ流路12にT字流路部16のみを設けて合一部14は設けておらず、注入管24及び気体配管28は1本で構成されている点、及びマイクロ流路12のT字流路部16に固定物Dを固定する固定手段(図示せず)を新たに設けた点が、第1の実施の形態と異なる。その他、液滴注入手段20、移送手段22、往復移動手段25、マイクロ流路12の直径、液滴Aのマイクロ流路12内壁面に対する接触角、T字流路部16における液滴Aの往復移動の周波数、装置本体18の製作方法等は第1の実施の形態と同様であり、説明は省略する。また、T字流路部16に絞り部12Cや、縦流路12Bを傾斜させることは、第2の実施の形態でも好ましい。
固定物DをT字流路部16に固定する固定手段としては、例えばインクジェット装置を利用することができる。即ち、T字流路部16の縦流路12Bの先端に、ジェットノズルを取付け、ジェットノズルから固定物Dを含む液をT字流路部16の底部に打滴して、T字流路部16の底部に固定物Dを固定する。
上記の如く構成された第2の実施の形態の液滴混合装置40を用いた本発明の液滴混合方法によれば、図8に示すように、T字流路部16に固定物Dを固定しておき、マイクロ流路12に注入した液滴AをT字流路部16において往復移動させる。これにより、液滴Aを満遍なく固定物Dに接触させることができるので、液滴Aの成分と固定物Dの成分とを効率的に接触混合することができる。
従って、液滴Aとして血液を使用し、固定物Dとして抗体をT字流路部16に固定すれば、簡単な器具で抗体抗原反応による簡易血液検査を行うことができる。
尚、第1の実施の形態の合一部14を備えた液滴混合装置のT字流路部16に固定手段で固定物Dを固定して、合一部14で合一した複数種類の液滴塊CをT字流路部16で往復移動させるように装置を構成してもよい。このように構成すれば、血液の液滴Aと検査液とを先ず合一部14で合一して反応させた後で、反応させた液滴塊CをT字流路部16において抗体(固定物)と効率的に接触することができ、応用の範囲が広がる。
また、本発明の第1及び第2の実施の形態では、注入管24に注入した液滴A、Bを移送手段による気体圧で移送するようにしたが、気体の他に液体を使用することもできる。この場合の液体は、液滴A、Bや固定物Dと混合せず且つ反応しない液体であることが必要である。また、液体を使用する場合には、空気抜き口38に排出チューブを接続して、液滴の移送の際に液体が排出チューブを介して適切な場所に排出されるようにすればよい。
次に、図1で示した本発明の液滴混合装置10と、従来の液滴混合装置とにより、混合性能を比較した比較試験について説明する。
実施例1では、図3に示したように、縦流路12Bの根元部分に絞り部12Cを形成したT字流路部16を備えた液滴混合装置10を使用した。
実施例2では、図4に示したように、絞り部12Cに加えて縦流路12Bを横流路12Aに対して45°傾斜させたT字流路部16を備えた液滴混合装置10を使用した。
一方、比較例では、図9に示したように、合流部の下流側に単なる直線流路で形成された混合部を備えた従来の液滴混合装置を使用した。
実施例1及び2のT字流路部、及び比較例の直線流路部の流路径は、流路幅及び深さがそれぞれ0.2 mmで共通とした。但し、T字流路部の絞り部12Cの径は0.15mm
とした。また、T字流路部の縦流路の位置は、合一部から5mm下流にいった位置に形成した。また、実施例1及び2、比較例ともに、装置本体は透明なアクリル樹脂で制作し、マイクロ流路12内の液滴が目視で観察できるようにした。
そして、実施例1では、絞り部12Cを有するT字流路部16を備えたマイクロ流路に
、赤色の水性染料の液滴A(150nL)と、黄色の水性染料の液滴B(150nL)とを注入し、合一部14で液滴塊C(300nL)に合一した後、合一した液滴塊CをT字流路部16で往復移動させて混合した。往復移動させるための往復移動器具としてはシリンジポンプを使用した。
実施例2は、絞り部12Cに加えて縦流路12Bを横流路12Aに対して45°傾斜させたT字流路部において、液滴塊Cを往復移動させて混合した以外は実施例1と同様である。
比較例では、マイクロ流路に、赤色の水性染料の液滴Aと、黄色の水性染料の液滴Bとを注入し、合一部14で液滴塊Cに合一した後、合一した液滴塊Cを直線流路部で往復移動させて混合した。また、比較例の合流部と直線流路部との間隔は、実施例1及び2の合流部とT字流路部との間隔と同じ位置になるようにした。即ち、T字流路部がある位置と同等な位置において液滴塊Cを往復移動させた。
実施例1及び2、比較例ともに、液滴塊Cの往復の周波数(加圧・吸引の繰り返し周期)は0.5Hzで行い、加圧・吸引のための気体量は毎分5μL/分とした。
そして、正立顕微鏡に取り付けたCCDにより液滴塊Cを撮影し、撮影された液滴塊Cの画像において輝度むらがなくなるまでの時間を測定した。輝度むらがなくなるまでの時間を混合時間とし、混合時間が短いほど混合性能が良いと評価した。正立顕微鏡の対物レンズの倍率は10倍とした。
その結果、比較例では、液滴塊Cの輝度むらが十分なくなるまでに4秒かかったのに対して、実施例1では3秒、実施例2では2秒で輝度むらがなくなった。この実施例は液滴同士の混合について示したものであるが、この結果から、流路壁との摩擦によるカオス的な流れが発生していることは十分推察することができる。從って、液滴とT字流路部の流路壁面上に固定された固定物との場合にも、液滴と固定物とを極めて効率的に接触させることができる。
このように、本発明の液滴混合装置を使用すれば、マイクロ流路内で液滴同士又は液滴と固定物とを極めて効率的に接触混合することができる。
本発明の第1の実施の形態の液滴混合装置を示す斜視図 第1の実施の形態の液滴混合装置の主要部を示す概念図 T字流路部の別態様を示す概念図 T字流路部の更に別態様を示す概念図 図3で示したT字流路部の作用効果を説明する説明図 図4で示したT字流路部の作用効果を説明する説明図 本発明の第2の実施の形態の液滴混合装置を示す斜視図 第2の実施の形態の液滴混合装置の主要部を示す概念図 従来の液滴混合装置の主要部を示す概念図
符号の説明
10、40…液滴混合装置、12…マイクロ流路、14…合一部、16…T字流路部、18…装置本体、20…液滴注入手段、22…移送手段、24…注入管、25…往復移動手段、26…注入器具、28…気体配管、30…送気器具、32…配管、34…往復移動器具、38…空気抜き口、A、B…液滴、C…液滴塊、D…固定物

Claims (15)

  1. マイクロ流路において液滴同士を混合する液滴混合方法において、
    混合する複数の液滴を合一して前記マイクロ流路の内壁に接触する大きさの液滴塊を形成する液滴塊形成工程と、
    前記形成された液滴塊を流路がT字形状に形成されたT字流路部に移送する移送工程と、
    前記T字流路部を構成する1本の縦流路と、該縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路の根元部分に絞り部が形成されており、
    前記縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことによって、前記マイクロ流路内の液滴塊を前記T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴同士を混合する混合工程と、を備えたことを特徴とする液滴混合方法。
  2. 前記液滴塊を分裂させないように、前記液滴塊の往復移動回数及び/又は往復移動距離を設定することを特徴とする請求項1の液滴混合方法。
  3. マイクロ流路において液滴と流路壁面上の固定物とを接触混合する液滴混合方法において、
    前記固定物を前記マイクロ流路のT字状に流路が形成されたT字流路部に固定する固定工程と、
    前記T字流路部に前記液滴を移送する移送工程と、
    前記T字流路部を構成する1本の縦流路と、該縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路の根元部分に絞り部が形成されており、
    前記縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことによって、前記マイクロ流路の内壁面に接触する大きさの液滴を前記T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴と前記固定物とを接触混合する混合工程と、を備えたことを特徴とする液滴混合方法。
  4. 前記固定物は抗体であり、前記液滴は血液であり、前記抗体と前記血液中の抗原とにより抗原抗体反応を行うことを特徴とする請求項3の液滴混合方法。
  5. 液滴の往復移動の繰り返し周波数を、0.1Hz以上5Hz以下で行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1の液滴混合方法。
  6. 前記往復移動を気体の圧力変化で行うと共に、送気する気体量及び吸引する気体量が0.1〜1000μL/分の範囲であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の液滴混合方法。
  7. マイクロ流路において液滴同士を混合する液滴混合装置において、
    前記マイクロ流路の一部として形成され、混合するための複数の液滴を合一して前記マイクロ流路の内壁面に接触する大きさの液滴塊を形成する合一部、及び前記合一部の下流側に位置するT字流路部から成り、該T字流路部は前記合一部から連続する横流路と該横流路に立設する縦流路とで構成され、前記縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路に絞り部が形成されると共に、その絞り部が3本の流路が交わる根元部に形成されている装置本体と、
    前記マイクロ流路に液滴を注入する液滴注入手段と、
    前記注入された液滴を前記合一部を介して前記T字流路部に移送する移送手段と、
    前記T字流路部の縦流路に接続され、該縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことにより、前記T字流路部に移送された液滴塊を該T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴塊を混合する往復移動手段と、を備えたことを特徴とする液滴混合装置。
  8. 前記合一部の上流側が複数の分岐流路に分岐されると共に、該分岐流路から異なる種類の液滴を供給して合一部で合一させることにより、前記液滴塊を形成することを特徴とする請求項7の液滴混合装置。
  9. マイクロ流路において液滴と流路壁面上の固定物とを接触混合する液滴混合装置において、
    前記マイクロ流路の一部として形成され、T字状に流路が形成されたT字流路部を備え、該T字流路部は横流路と該横流路に立設する縦流路とで構成され、前記縦流路を挟んだ2本の横流路からなる3本の流路のうちの少なくとも1つの流路に絞り部が形成されると共に、その絞り部が3本の流路が交わる根元部に形成されている装置本体と、
    前記固定物を前記T字流路部に固定する固定手段と、
    前記マイクロ流路に液滴を注入する液滴注入手段と、
    前記注入された液滴を前記合一部を介して前記T字流路部に移送する移送手段と、
    前記T字流路部の縦流路に接続され、該縦流路内に加圧と減圧を繰り返すことにより、前記T字流路部に移送された液滴を該T字流路部の縦流路と横流路との間で往復移動させると共に前記絞り部を通過させることにより、前記液滴と前記固定物とを接触混合する往復移動手段と、を備えたことを特徴とする液滴混合装置。
  10. 前記固定物は抗体であり、前記液滴は血液であり、前記抗体と前記血液中の抗原とにより抗原抗体反応を行うことを特徴とする請求項9の液滴混合装置。
  11. 前記T字流路部を構成する3方向の流路のうちの少なくとも1方向の流路に流路断面が狭くなる絞り部を有することを特徴とする請求項7〜10の何れか1の液滴混合装置。
  12. 前記T字流路部を構成する3方向の流路のうちの1方向の流路が、直線流路を形成する他の2本の流路に対して傾斜していることを特徴とする請求項7〜11の何れか1の液滴混合装置。
  13. 前記往復移動手段は、T字流路部内の圧力を変化させる手段であることを特徴とする請求項7〜12の何れか1の液滴混合装置。
  14. 前記マイクロ流路の流路断面は等価直径で50μm以上2mm以下であると共に、前記液滴の体積は0.1nL以上100μL以下であることを特徴とする請求項7〜13の何れか1の液滴混合装置。
  15. 前記液滴の前記マイクロ流路内壁面に対する接触角は、20°以上180未満であることを特徴とする請求項7〜14の何れか1の液滴混合装置。
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