JP4941960B2 - 目的物質の吸着方法および吸着装置 - Google Patents
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Description
特に、加熱脱着装置に未接続な化学分析装置を用いて分析する場合には、吸着材からアセトニトリル等の溶媒で目的物質を溶出した後に、その溶出液が分析に供されてきた(非特許文献2)。
吸着材(以下、「吸着装置」という。)の性質と体積が回収率(キャリア流体から目的物質を抽出する効率。)に影響する大きな因子であることは、広く知られている(例えば、非特許文献1)。
また、吸着装置の材質についても、製造者が製品化した材質(ポリジメチルシロキサン)しか使用することができなかった。
さらに、吸着材と付属物(攪拌子や金属片)とが化学的に結合されているため、容易に取り外すことができなかった。このため、吸着装置の吸着材体積はメーカーの値を用いざるを得なかった。
また、吸着装置のコストが高く、一度使用したものを有機溶媒もしくは加熱処理して再使用することが多かった。この場合、処理に時間を要し、作業能率を向上させることができなかった。これに加えて、再使用することにより吸着装置の劣化や汚染が懸念されていた。
1.目的物質に応じた材質および/または体積の吸着装置を選択する工程
2.目的物質を含むキャリア流体中に前記吸着装置を配置する工程
3.目的物質を前記吸着装置に吸着させる工程
4.目的物質を吸着させた前記吸着装置を前記キャリア流体中から取り出す工程
また、本発明の第2の手段は、目的物質を吸着するために用いられる吸着装置として、その形状が体積を算出しやすい形状であることを特徴とする。
なお、前記吸着装置に吸着させた目的物質は、後工程である分析工程において加熱もしくは溶媒等により取り出される。
図1は、本発明に係る吸着装置の第一の形状を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。また、図2は、第一の吸着装置の一使用例を示す模式図である。また、図3は、第一の吸着装置の他の使用例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A断面図である。
図1に示すように、本発明に係る吸着装置の形状は体積の算出が容易な平板状(以下、「第1の形状」という。)であり、図示の場合、幅Wは25mm、長さLは75mm、厚さTは1mmである。また、材質としては、高分子物質(例えば、有機シリコン系ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、ポリジビニルベンゼンで、その繰り返し単位が5以上)、無機組成物質(例えば、ゼオライト、シリカゲル、酸化アルミニウム、シリカゲル)あるいは活性炭のいずれか、またはこれらの混合物により形成されている。
(1)目的物質に合わせて吸着装置の材質を決定する。
ここでは、目的物質が多環芳香族炭化水素であるので、材質がポリジメチルシロキサンである吸着装置を選択した。
(2)分析装置に適した容器に合わせて吸着装置の長さLを決定する。なお、必要に応じて幅Wも決定する。
ここでは、ガスクロマトグラフ装置を使用して分析を行うこととし、ガスクロマトグラフ装置に好適な容器として市販されている微量試料分析用バイアルの内径が4mm、長さ30mmであることを考慮して、図1に示す吸着装置から、Lを15mm、Wを6mmの吸着装置を切り出した(選択した)。すなわち、吸着装置の体積を80μlとした。
(3)切り出した吸着装置の重量を測定し、その比重で除することにより、正確な体積を求める。
ここでは、正確な体積として80μl(±5%)が得られた。
(4)切り出した吸着装置をキャリア流体中に配置する。
ここでは、図2に示すように、目的物質を含んだ試験液50mlが入った抽出用容器中に吸着装置を投入し、蓋4により密閉した。
なお、ポリジメチルシロキサンの比重は1.05であり、水の比重に近い。このため、試験液中に投入した際、吸着装置の表面に気泡が着くと、試験液の表面に浮いてしまい、キャリア流体との接触面積が減少し、結果として、吸着効率が減少することがある。このような場合に備えて、例えば、目的物質と反応しない金属の錘(例えば、綴じ込み用の鉄製ステープル)を吸着装置の任意の場所に留め、吸着装置の見かけの比重を大きくするようにしても良い。
また、図3に示すように、長さLまたは幅Wのいずれか一方を容器の内径よりも長くしておき、吸着装置の弾性を利用して摩擦力により容器内に固定し、この状態で目的物質を含んだ試験液を容器内に注入するようにしても良い。
(5)上記(4)の状態を予め定める期間継続させる。
ここでは、予め定める時間を1時間とし、この間振とうした。
(6)上記(5)の工程が終了後、吸着装置を前記容器から取り出す。
以上説明したように、この実施形態では、吸着装置の厚さ及び幅が均一な板状であるので、体積の計算が容易である。また、予め吸着装置の比重を調べておくことにより、正確な体積を知ることができる。
(A)目的物質を吸着させた吸着装置を上記した微量試料分析用バイアル(容積250μl;内径4mmの円筒容器)に入れた後、アセトニトリル200μlを加え、分析用バイアルに付属しているキャップにより密封し、周囲温度60°Cの状態で1時間放置することにより、吸着装置から目的物質(多環芳香族炭化水素)をアセトニトリル中へと移行させた。
(B)吸着装置をアセトニトリル中から取り出し、アセトニトリル中の目的物質の質量をガスクロマトグラフ装置により分析した。
表1は、分析結果を示す表であり、比較のために従来の場合も示してある。ここで、従来技術として用いた吸着装置は特許文献1の技術に基づいて作成・販売されているものであり、ポリジメチルシロキサンの体積は24μlである。(なお、市販のされているもののポリジメチルシロキサンの体積は24μlと48μlの2種類である。また、特許文献2の技術に基づいて作成・販売されているポリジメチルシロキサンの体積は1.6μlと7.8μlの2種類である。)
同表から明らかなように、従来の技術と比較して、1.6〜10.9倍の高い回収率が得られた。なお、このように既知濃度の試験液において回収率が高いと言うことは、未知量の目的物質が含まれている試験液を分析する際の感度が上昇することを意味する。
以上説明したように、吸着装置の体積を正確に算出できるので、分析工程における分析精度を向上させることができる。
図4は、本発明に係る吸着装置の他の形状を示す外観図であり、(a)は円柱状(以下、「第2の形状」という。)とした場合を、(b)は中空の円柱状(以下、「第3の形状」という。)とした場合を、(c)は内外面に凹凸を設けた中空の柱状(以下、「第4の形状」という。)で場合を、(d)はコイル状(以下、「第5の形状」という。)とした場合を、(e)は繊維状(以下、「第6の形状」という。)とした場合を、それぞれ示している。
なお、第1〜第6の形状のいずれの場合も、軸線方向と直角な断面を一様としているので、体積の算出が容易である。また、長さLは任意の値にすることができる。
また、素材としての吸着装置毎に比重と単位長さあたりの体積(または断面積)を表記しておくようにすると、所望の大きさに加工する際、正確な体積を得ることができる。
2 目的物質を含む水溶液
3 容器
4 蓋
Claims (4)
- キャリア流体中に含まれる目的物質を吸着して分析する方法において、下記の工程1〜5により、前記目的物質を吸着することを特徴とする目的物質の吸着分析方法。
1.目的物質に応じた材質及び体積の吸着装置を選択する工程
2.前記吸着装置の体積を測定する工程
3.目的物質を含むキャリア流体中に前記吸着装置を配置する工程
4.目的物質を前記吸着装置に吸着させる工程
5.目的物質を吸着させた前記吸着装置を前記キャリア流体中から取り出す工程 - キャリア流体中に含まれる目的物質を吸着して分析する方法において、下記の工程1 〜 6 により、前記目的物質を吸着することを特徴とする目的物質の吸着分析方法。
1.目的物質に応じた材質及び比重が知られている吸着装置を選択する工程
2.前記吸着装置の重量を測定する工程
3.測定により得られた重量と比重とから前記吸着装置の体積を演算する工程
4.目的物質を含むキャリア流体中に前記吸着装置を配置する工程
5.目的物質を前記吸着装置に吸着させる工程
6.目的物質を吸着させた前記吸着装置を前記キャリア流体中から取り出す工程 - 目的物質を吸着するために用いられる吸着装置であって、その比重の値が表記されていることを特徴とする吸着装置。
- 目的物質を吸着するために用いられる板状、柱状、又は、中空の柱状の吸着装置であって、断面積又は単位長さあたりの体積が表記されていることを特徴とする吸着装置。
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