JP4939463B2 - 異種アルミ合金接合パネル、及び該接合パネルによって構築された圧力容器、lngタンク - Google Patents
異種アルミ合金接合パネル、及び該接合パネルによって構築された圧力容器、lngタンク Download PDFInfo
- Publication number
- JP4939463B2 JP4939463B2 JP2008048833A JP2008048833A JP4939463B2 JP 4939463 B2 JP4939463 B2 JP 4939463B2 JP 2008048833 A JP2008048833 A JP 2008048833A JP 2008048833 A JP2008048833 A JP 2008048833A JP 4939463 B2 JP4939463 B2 JP 4939463B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum alloy
- dissimilar
- plate
- panel
- joined
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Description
特許文献2(特開2001−269780号公報)には、アルミニウム合金製の低温液化ガス用容器において、該容器を構成する構造部材の突き合わせ溶接継手部を摩擦撹拌接合法により接合した構成が開示されている。これによれば、溶接部位の強度向上を可能としている。
また、アルミニウム合金を用いたLNGタンクにおいては、近年LNG船の大型化、大容量化傾向によりタンクの大型化が求められているが、アルミニウムの製造限界板厚、厚板化による重量増加等の問題点があり、実現が困難であった。
大型構造物は、高強度化、軽量化を目的として複数の異なる材料を組み合わせて製造されることがあるが、異種の材料同士を接合するときは溶接が困難であり、また溶接できても接合強度が十分に保持できないという問題があった。
異種の板状アルミ合金同士を接合してなる平面若しくは曲面状の異種アルミ合金接合パネルにおいて、
板状難溶接性アルミ合金と、板状易溶接性アルミ合金とを摩擦撹拌接合にて接合して異種アルミ合金接合パネルが形成されてなり、該接合パネルの辺縁側に前記板状易溶接性アルミ合金が位置していることを特徴とする。
前記板状易溶接性アルミ合金は、溶接が容易或いは溶接により接合強度が十分に保持できる材料をいう。例えば、5000系のアルミニウム合金が挙げられ、具体的には5083合金が好適に用いられる。
このように、板状難溶接性アルミ合金は高強度を示すことが多く、このため本発明の異種アルミ合金接合パネルは、板状難溶接性アルミ合金により材料強度を高くし、また板状易溶接性アルミ合金により溶接性を向上させることが可能となり、両機能を兼ね備えた接合パネルとすることができる。
前記接合パネルの辺縁側には前記板状易溶接性アルミ合金が位置しているため、他の金属部材と接合する際にも、簡単に且つ溶接強度を高くして接合することが可能となる。
このように、主に高強度を有する板状難溶接性アルミ合金を薄肉化することにより、異種アルミ合金接合パネル全体の強度を維持したまま軽量化することが可能となる。
前記圧力容器は、板状難溶接性アルミ合金と、板状易溶接性アルミ合金とを摩擦撹拌接合にて接合してなる異種アルミ合金接合パネル同士の組み合わせで構成されてなり、前記夫々の接合パネルは、その隣接する辺縁側に板状易溶接性アルミ合金が位置し、両パネル同士が溶接により接合されていることを特徴とする。
上記した異種アルミ合金接合パネルにより球体状の圧力容器を構築しているため、高い座屈強度が得られ、大型で軽量の球体圧力容器を製造することが可能となる。
前記下側半球部、及び前記上側半球部夫々が異種アルミ合金接合パネル同士を溶接して形成されたことを特徴とする。
これにより、LNGタンクの強度を保持しながら大型化、軽量化が図れ、大容量の液化天然ガスを運べることとなる。
板状難溶接性アルミ合金は高強度を示すことが多く、このため本発明の異種アルミ合金接合パネルは、板状難溶接性アルミ合金により材料強度を高くし、また板状易溶接性アルミ合金により溶接性を向上させることが可能となり、両機能を備えた接合パネルとすることができる。
さらに、板状難溶接性アルミ合金と、板状易溶接性アルミ合金との摩擦撹拌接合を行う突き合わせ部は同一の肉厚同士の突き合わせ面とし、該突き合わせ部以外の板状易溶接性アルミ合金の部位は前記突き合わせ面より薄肉とすることにより、主に高強度を有する板状難溶接性アルミ合金を薄肉化することにより、異種アルミ合金接合パネル全体の強度を維持したまま軽量化することが可能となる。
さらに、異種アルミ合金接合パネルにより球体状の圧力容器を構築することにより、高い座屈強度が得られ、大型で軽量の球体圧力容器を製造することが可能となる。
さらにまた、LNGタンクの下側半球部及び前上側半球部夫々を異種アルミ合金接合パネル同士を溶接して形成することにより、LNGタンクの強度を保持しながら大型化、軽量化が図れ、大容量の液化天然ガスを運べることとなる。
図1に、異種アルミ合金接合パネル1の基本構成を示す。異種アルミ合金接合パネル1は、異種アルミ合金同士を接合して一体化して形成した平面若しくは曲面状パネルである。該異種アルミ合金接合パネル1は、主に高強度を有する金属製の板状難溶接性アルミ合金12が中央に配置され、該難溶接性アルミ合金12の辺縁のうち少なくとも溶接により他の金属部材と接合する側に、異種アルミ合金からなる板状易溶接性アルミ合金11が配置されている。そして、難溶接性アルミ合金12と易溶接性アルミ合金11の突き合わせ部が摩擦撹拌接合により接合されている。摩擦撹拌接合は、被接合材の材質より硬質でかつ、溶融温度の高い材質のツールを被接合材の接合部に挿入し、このツールを回転させながら移動することにより、被接合材との間に発生する摩擦熱で被接合材を軟化させ接合する周知の方法である。
前記易溶接性アルミ合金11は、溶接が容易或いは溶接により強度が保持できる材料をいう。一般的に材料強度は難溶接性アルミ合金12より低い。例えば、5000系のアルミニウム合金が挙げられ、具体的には5083材が好適に用いられる。
一方、周囲に配置される易溶接性アルミ合金11と、難溶接性アルミ合金12との接合は、摩擦撹拌接合22とする。これは、少なくとも一方が難溶接性アルミ合金である異材間接合の場合、接合強度を低下させないためには摩擦撹拌接合を用いる必要があるためである。
図2に、異種アルミ合金接合パネル1の側断面図を示す。同図に示されるように、難溶接性アルミ合金12は易溶接性アルミ合金11より肉厚を薄くすることが好ましい。このとき、難溶接性アルミ合金12と易溶接性アルミ合金11の突き合わせ面は同一の肉厚とし、難溶接性アルミ合金12の突合せ部以外の部位を薄肉化する。
また、板状難溶接性アルミ合金12は高強度を示すことが多く、このため本実施形態の異種アルミ合金接合パネル1は、板状難溶接性アルミ合金12により材料強度を高くし、また板状易溶接性アルミ合金11により溶接性を向上させることが可能となり、両機能を備えた接合パネルとすることができる。
さらにまた、板状難溶接性アルミ合金12と、板状易溶接性アルミ合金11との摩擦撹拌接合22を行う突き合わせ部は同一の肉厚同士の突き合わせ面とし、該突き合わせ部以外の板状易溶接性アルミ合金の部位は前記突き合わせ面より薄肉とすることにより、主に高強度を有する板状難溶接性アルミ合金12を薄肉化することにより、異種アルミ合金接合パネル1全体の強度を維持したまま軽量化することが可能となる。
船体は、主としてステンレス鋼材で形成される。LNGタンク100は、スカート105を介して船体に固定される。
LNGタンク100は、上側半球部(北半球)101と、下側半球部(南半球)102と、該上側半球部101と下側半球部102の間に位置する中央円環部(赤道部)103とから構成される。
異種アルミ合金接合パネル1は、下側半球部102、或いは上側半球部101と下側半球部102の両方に配置される。LNGタンク100に用いられる異種アルミ合金接合パネル1は、タンクの球面に沿った曲面状に形成されている。そして、この曲面状の異種アルミ合金接合パネル1の周囲に位置する易溶接性アルミ合金11同士をMIG溶接等の溶接23により接合し、LNGタンク100を球体状に組み立てる。
さらに、異種アルミ合金接合パネル1により球体状の圧力容器を構築することにより、高い座屈強度が得られ、大型で軽量の球体圧力容器を製造することが可能となる。
さらにまた、LNGタンク100の下側半球部及び前上側半球部夫々を異種アルミ合金接合パネル同士を溶接して形成することにより、LNGタンク100の強度を保持しながら大型化、軽量化が図れ、大容量の液化天然ガスを運べることとなる。
11 板状易溶接性アルミ合金
12 板状難溶接性アルミ合金
21 摩擦撹拌接合又は溶接
22 摩擦撹拌接合
23 溶接
50 LNG船
100 LNGタンク
101 上側半球部
102 下側半球部
103 中央環状部
105 スカート
110 内槽
111 外槽
112 タンクカバー
113 バラスト
Claims (5)
- 異種の板状アルミ合金同士を接合してなる平面若しくは曲面状の異種アルミ合金接合パネルにおいて、
前記接合パネルは、複数の金属部材が溶接等により接合されてなる大型構造物を構築するために用いられるものであって、板状難溶接性アルミ合金と、板状易溶接性アルミ合金とを摩擦撹拌接合にて接合することで形成されてなり、該接合パネルの少なくとも他の金属部材に接合される側の辺縁側に前記板状易溶接性アルミ合金が位置していることを特徴とする異種アルミ合金接合パネル。 - 前記板状難溶接性アルミ合金と、前記板状易溶接性アルミ合金との摩擦撹拌接合を行う突き合わせ部は同一の肉厚同士の突き合わせ面とし、該突き合わせ部以外の板状易溶接性アルミ合金の部位は前記突き合わせ面より薄肉としたことを特徴とする請求項1記載の異種アルミ合金接合パネル。
- 異種の板状アルミ合金同士を接合してなる平面若しくは曲面状の異種アルミ合金接合パネルによって構築された圧力容器であって、
前記圧力容器は、板状難溶接性アルミ合金と、板状易溶接性アルミ合金とを摩擦撹拌接合にて接合してなる異種アルミ合金接合パネル同士の組み合わせで構成されてなり、前記夫々の接合パネルは、その隣接する辺縁側に板状易溶接性アルミ合金が位置し、両パネル同士が溶接により接合されていることを特徴とする異種アルミ合金接合パネルによって構築された圧力容器。 - 前記異種アルミ合金接合パネルが曲面を有するように形成され、該異種アルミ合金接合パネル間を溶接することにより球体状に組み立てられたことを特徴とする請求項3記載の異種アルミ合金接合パネルによって構築された圧力容器。
- 請求項3に記載の圧力容器をLNGタンクに適用した場合において、該LNGタンクは、複数の異種アルミ合金接合パネルが接合されて構築され、上側半球部と下側半球部とその間に位置する中央円環部から構成されており、
前記下側半球部及び前記上側半球部夫々が異種アルミ合金接合パネル同士を溶接して形成されたことを特徴とする異種アルミ合金接合パネルによって構築されたLNGタンク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008048833A JP4939463B2 (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 異種アルミ合金接合パネル、及び該接合パネルによって構築された圧力容器、lngタンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008048833A JP4939463B2 (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 異種アルミ合金接合パネル、及び該接合パネルによって構築された圧力容器、lngタンク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009202211A JP2009202211A (ja) | 2009-09-10 |
JP4939463B2 true JP4939463B2 (ja) | 2012-05-23 |
Family
ID=41145004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008048833A Expired - Fee Related JP4939463B2 (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 異種アルミ合金接合パネル、及び該接合パネルによって構築された圧力容器、lngタンク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4939463B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5697511A (en) * | 1996-09-27 | 1997-12-16 | Boeing North American, Inc. | Tank and method of fabrication |
JP4610907B2 (ja) * | 2004-02-23 | 2011-01-12 | 株式会社日立製作所 | 鉄道車両構体 |
KR100619615B1 (ko) * | 2003-10-27 | 2006-09-01 | 더 보잉 컴파니 | 마찰교반용접 작업을 행하는 시스템 및 연관된마찰교반용접(fsw) 어셈블리, 콘트롤러 및 방법 |
-
2008
- 2008-02-28 JP JP2008048833A patent/JP4939463B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009202211A (ja) | 2009-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6722250B2 (ja) | 直交する折り目による波状の金属製メンブレンを含む液密熱絶縁タンク | |
JP5229833B2 (ja) | 独立型波形lngタンク | |
JP5204788B2 (ja) | 異材継手構造、該異材継手構造を備えるタンク用スカート、該タンク用スカートを備える輸送船、及び異種金属部材の接合方法 | |
JP6224222B2 (ja) | 流体を貯蔵するための密閉断熱タンク | |
JP6364080B2 (ja) | かど部品を備える密封断熱容器 | |
JP2010525278A5 (ja) | ||
WO2013076764A1 (ja) | 異材継手、タンク支持部材及びlng船、並びに異材継手の製造方法 | |
CN106573664B (zh) | 用于液化气货舱的防壁片和液化气货舱及其制造方法 | |
US9073151B2 (en) | Dissimilar material joint, structure in which dissimilar material joint is used, and method of producing the same | |
JP4939463B2 (ja) | 異種アルミ合金接合パネル、及び該接合パネルによって構築された圧力容器、lngタンク | |
BR112017007186B1 (pt) | Conjunto de recipiente de pressão, e, método para formação de um conjunto de recipiente de pressão | |
JP4681436B2 (ja) | 液体運搬船、船舶 | |
JPH066984B2 (ja) | チタン合金製耐圧容器の製造方法 | |
MXPA04003885A (es) | Arreglo de transicion de esquina vertical para un tanque de semi-membrana. | |
KR101307294B1 (ko) | 엘엔지 운반선의 엘엔지 저장탱크용 프로파일 부재 | |
JP2004074870A (ja) | 異材継手 | |
KR101935919B1 (ko) | 압력 탱크의 제조 방법 | |
KR101307295B1 (ko) | 엘엔지 운반선의 엘엔지 저장탱크용 프로파일 부재의 조립체 | |
KR101411355B1 (ko) | 선박의 접합 구조체 | |
WO2024062624A1 (ja) | 多重殻タンク及び船舶 | |
JP3375309B2 (ja) | 液体輸送船のカーゴタンク | |
JP4592362B2 (ja) | タンクスカート | |
KR101976768B1 (ko) | 조립식 허니컴 구조체 및 이의 조립 방법 | |
JPH10263823A (ja) | チタンクラッド鋼板の溶接方法及び防食構造体 | |
JPH08332540A (ja) | 金属容器及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111021 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20111101 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111212 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120203 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120224 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |