JP4938613B2 - 給水冷却システム - Google Patents
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Description
この舗装構造は、低所から高所に水を圧送するポンプを必要とするものであり、このポンプを稼動させるための電力コストは小さなものではない。またヒートアイランド現象の対策において、熱排出源でもある火力又は原子力発電所等から供給された電気を動力として使用することには抵抗感もある。
ここで、前記通水路は、水供給部から10m高い位置を限界として通過させることが可能であるが、この限界高さは6m低度までとするのが好ましい。
また多孔体13は、セラミックパイプ以外にも、複数の貫通孔が並行して形成されたセラミック製の板体(図示せず)を使用することも可能であり、このような板体を公園などのベンチにおける座板や背もたれ、建物や通路などにおける床材として使用しても良い。
パイプ12は、一端が常に水路11の水面11aより下方に位置するように設け、水排出口12aは水路11の水面11aよりも低い位置(ΔH)まで延ばし、図示したように
J字状に曲げて下端開口から水がオーバーフローするように形成し、排水路19又は池(図示せず)に臨ませれば良く、特に、水排出口12aを水面19a下まで延ばす必要はない。この高低差ΔHは0.5cm以上であれば良いものであるが、ΔHを小さくすると水
の流出量を抑制できる一方で、地震等により外力が作用した場合には、パイプ12内における水供給側から排水側への水の流れに支障をきたす虞があり、これを防止するためには3cm以上とすることが好ましい。
最初に、パイプ12及び多孔体13に水を満たすため、開閉バルブ16を操作して水路11からパイプ12への管路を閉鎖する一方で、水補給管14からパイプ12への管路は開放する。また開閉バルブ17は開放し、開閉バルブ18は閉鎖する。そして、水補給管14から水を供給すると、空気抜き管15からパイプ12内の空気が排出され、パイプ12内は水で満たされる。次に、開閉バルブ17を閉鎖した後に、開閉バルブ16を操作して水路11からパイプ12への管路を開放する一方で水補給管14からパイプ12への管路は閉鎖し、同時に、開閉バルブ18を開放する。これにより、パイプ12内の水は水排出口12aから排水路19に流れ落ちると共に、水路11の水が矢印で示したようにパイプ12内に吸い上げられ、所定高さに設けられた多孔体13内を通過して水排出口12aに至るまで継続的に水を流し続けることが可能になる。水は、多孔体13内を通過するときに、その微細な孔から水蒸気として流出し、その気化熱により多孔体13の周囲を冷却し、都市部におけるヒートアイランド現象を緩和する。
図2の給水冷却システム30は、水供給部としての水路31と、水路31の水面31aよりも高い位置を通過し、水路31の水面31aよりも低い位置に水面32aを有する水路32まで延長する通水路としてのパイプ33と、パイプ33の途中に接続されて水を通過させる貫通孔を有する多孔体34と、開閉バルブ35を介してパイプ32に接続された吸引管36とを備える。
また両水路31,32内には凹部(図示せず)を形成するか、又は所定高さの仕切り壁(図示せず)を設け、これらの手段により水を溜めて水位が比較的高い箇所をそれぞれ形成し、これらの箇所にパイプ33の水送入口33a及び水排出口33bを延ばし、これら水送入口33a及び水排出口33bが常に水中に位置するようにする。図2に示したように、水路31内において水送入口33aが設けられた箇所の水位は、水路32内において水排出口33bが設けられた箇所の水位よりも、所定の高さΔH高くなるように設定され
る。ここで、この高低差ΔHは、3〜5cm以上とすることが好ましい。
最初に、パイプ33及び多孔体34に水を満たすため、開閉バルブ35を開放し、開閉バルブ37を閉鎖し、吸引管36にポンプなどの吸引手段を接続してパイプ33内から空気を吸引して排出する。これにより、両水路31,32から水が吸い上げられて、パイプ33内が水で満たされる。次に、吸引手段を停止して開閉バルブ35を閉じると、パイプ33内の水が水排出口33bから水路32に流れ落ちると共に、水路31からは水送入口33aを介して水が吸い上げられ、これ以降、吸引手段を稼動させなくても、所定高さに設けられた多孔体34内を通過して水排出口32aに至る継続的な水の流れが形成される。水は、多孔体34内を通過するときに、その微細な孔から水として地中に流出し、地上の植物に給水されることにより、この周囲地面を冷却し、都市部におけるヒートアイランド現象を緩和する。
図3の給水冷却システム50では、擁壁51により支持された地盤上の歩道52等に適用されるものであり、水供給部としての帯水層53まで給水管54が延長され、この給水管54に連通する通水容器55が帯水層53の水位よりも高所である地上面付近に配置され、この通水容器55に連通する排水管56が帯水層53の水位よりも低い位置まで延長され、これら給水管54、通水容器55及び排水管56により通水路が構成されている。図3の実施形態においては、ポンプ等の吸引手段が水充填手段として用いられる。
最初に、給水管54、通水容器55及び排水管56からなる通水路に水を満たすため、開閉バルブ56aを開いて、排水管56の下端にポンプ等の吸引手段を接続し、吸引手段を稼動させる。これにより、通水路内の空気は排出され、帯水層53から給水管54を介して水が吸い上げられ、通水容器55及び排水管56が水で満たされる。
次に、吸引手段を停止して排水管56から取り外すと、排水管56内の水が排水溝58へ向けて流れ落ち、これ以降、吸引手段を稼動させなくても、給水管54を介して帯水層53から水が吸い上げられ、帯水層53よりも高い位置に設けられた通水容器55内を通過して排水管56に至る継続的な水の流れが形成される。水は、通水容器55内を通過するときに、多孔体からなる板体55aの微細な孔から蒸発し、その気化熱により板体55aの周囲を冷却し、都市部におけるヒートアイランド現象を緩和する。
11 水路(水供給部)
11a 水供給部の水面
12 パイプ(通水路)
12a 水排出口
13 多孔体(通水路)
14 水補給管(水充填手段)
15 空気抜き管(水充填手段)
16 開閉バルブ(水充填手段)
17 開閉バルブ(水充填手段)
18 開閉バルブ(水充填手段)
30 給水冷却システム
31 水路(水供給部)
31a 水路31の水面
32 水路
32a 水路32の水面
33 パイプ(通水路)
33a 水送入口
33b 水排出口
34 多孔体(通水路)
35 開閉バルブ
36 吸引管
50 給水冷却システム
53 帯水層(水供給部)
54 給水管(通水路)
55 通水容器(通水路)
56 排水管(通水路)
Claims (2)
- 擁壁により支持された地盤において、その上面を大気圧下における空気侵入を防止するとともに水蒸気又は水の流出を許容する多孔体と、側部及び底部が非透水性の材料とで、通水容器が形成され、前記底部に、水供給部としての帯水層まで給水管を、また前記帯水層の水位より低い位置まで排水管を、それぞれ延設し、前記帯水層の水位より低い前記排水管の開口に吸引手段を接続可能にすることにより、前記吸引手段を稼働することで前記帯水層から前記給水管を介して前記通水容器及び前記排水管を水で満たすことにより、その後は前記吸引手段を稼働することなく、前記通水容器内に通過する水が前記多孔体から蒸発する際の気化熱により前記多孔体の周囲を冷却することを特徴とする給水冷却システム。
- 前記排水管の下端付近に開閉バルブを設けることにより、前記帯水層から前記給水管を介して前記排水管から下部の排水溝へ流れ落ちる排水量を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の給水冷却システム。
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