JP4937672B2 - 企業の信用力算出システム及び算出プログラム - Google Patents

企業の信用力算出システム及び算出プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4937672B2
JP4937672B2 JP2006221422A JP2006221422A JP4937672B2 JP 4937672 B2 JP4937672 B2 JP 4937672B2 JP 2006221422 A JP2006221422 A JP 2006221422A JP 2006221422 A JP2006221422 A JP 2006221422A JP 4937672 B2 JP4937672 B2 JP 4937672B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage unit
spread
time point
time
company
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006221422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008046835A (ja
Inventor
清人 榛葉
俊吾 甲斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nomura Research Institute Ltd
Original Assignee
Nomura Research Institute Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nomura Research Institute Ltd filed Critical Nomura Research Institute Ltd
Priority to JP2006221422A priority Critical patent/JP4937672B2/ja
Publication of JP2008046835A publication Critical patent/JP2008046835A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4937672B2 publication Critical patent/JP4937672B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)

Description

この発明は、企業の信用力算出システム及び算出プログラムに係り、特に、公募債未発行企業の信用力(債務不履行)を各種財務データ等に基づいて算出する技術に関する。
銀行等の金融機関や保険会社等の機関投資家は、リスクを分散するため融資先企業あるいは投資先企業のデフォルト確率を事前に把握しておく必要があり、これまでは格付会社による信用情報に基づいて倒産確率を大まかに把握することが行われてきた。
しかしながら、格付会社による信用情報は次のような問題があった。
(1) 対象企業へのヒアリング等に時間を要するため更新が遅い。
(2) 評価基準や情報源が不明瞭であり、客観性に乏しい。この結果、格付会社間 で評価が分かれる場合が少なくない。
(3) 格付会社一社による対象企業数が数百社程度と限られている。
これに対し、特許文献1においては、企業の借金の借用書である債券の価格には発行企業の倒産確率に関する市場の評価が織り込まれているとの前提に立ち、社債の価格と属性を信用リスクが限りなくゼロに近い国債の価格及び属性と対比することによって企業の信用力を算出する技術が開示されている。
特開2001−125953
この特許文献1において発明者が主張するように、債券価格にデフォルト時の回収率情報までが織り込まれているかについては疑問が残るが、少なくともトレーダは債券取引において発行体の信用リスクを基準として取引価格の設定を行っているため、債券価格に基づいて信用力を推定するという発想自体は支持することができる。
このように、債券の市場価格という公開情報を基準にして信用力を算出することにより、従来の格付会社による信用情報に比べて客観的な判定結果が得られると共に、より広範囲の発行体について信用力を算出することが可能となる。
しかしながら、そもそも公募債を発行している企業数は限られており、大多数の企業に関しては市場金利のような信用力を表す客観的な尺度が存在していないのが実情である。このため、特許文献1の技術は、公募債未発行企業の信用力を推定する目的には適用できないという問題があった。また企業の信用力の推定を企図しているにも拘らず、実績の倒産データを全く用いない点についても、再考の余地があろう。
また近年では、法人ローンなど市場金利の存在しない企業負債が取引の対象として注目されつつあり、法人ローンの市場金利の推定手法(プライシング)やこれと整合性の取れた信用リスク管理手法が求められていることもあり、公募債未発行企業の信用力を示す数値を客観的に算出する技術の確立が、金融機関等において急務と認識されている。
この発明は、企業の信用力算出に纏わる上記の問題点に鑑みて案出されたものであり、公募債未発行企業の信用力を示す値を高精度で算出可能な技術を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した企業の信用力算出システムは、入力装置と、入力情報登録部と、基礎情報記憶部と、ローン情報記憶部と、回帰モデル生成部と、回帰モデル記憶部と、スプレッド算出部と、スプレッド記憶部と、回帰式算出部と、デフォルト実績記憶部と、回帰式記憶部と、デフォルト確率算出部と、算出結果記憶部と、算出結果出力部と、ディスプレイとを備えたシステムであって、上記入力情報登録部は、上記入力装置を介して入力された、複数の公募債の第1の時点における残存期間と、各公募債の利回りと国債の利回りとの差を表す第1の時点におけるスプレッドと、各公募債の発行企業に係る第1の時点における特定の財務データと、上記第1の時点よりも所定期間経過した第2の時点における上記各公募債の残存期間と、第2の時点における各公募債のスプレッドと、第2の時点における各公募債の発行企業に係る上記と同種の財務データを、上記基礎情報記憶部に格納する処理と、上記入力装置を介して入力された、複数企業の負債に関する上記第1の時点におけるそれぞれの残存期間と、第1の時点における各企業の上記と同種の財務データを、上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、上記回帰モデル生成部は、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第1の時点における残存期間及び第1の時点における財務データを第1の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し、第1の時点における回帰モデルを導出すると共に、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第2の時点における残存期間及び第2の時点における財務データを第2の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し第2の時点における回帰モデルを導出した後、これら第1の時点における回帰モデルと第2の時点における回帰モデルを上記回帰モデル記憶に格納する処理を実行し、上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第1の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された各負債の第1の時点における残存期間及び各企業に係る第1の時点における財務データを用いて、各負債の第1の時点におけるスプレッドを算出し、上記スプレッド記憶部に格納する処理を実行し、上記回帰式算出部は、上記スプレッド記憶部に格納された各負債の第1の時点におけるスプレッドをその大きさの順に整列配置各負債を所定数のグループに分ける処理と、各負債のスプレッドの平均値である平均スプレッドをグループ単位で算出する処理と、企業のデフォルト実績データを格納しておく上記デフォルト実績記憶部から、上記第1の時点〜第2の時点間において上記負債に係る各企業が倒産したか否かを示すデフォルト実績データを読み出して、各負債に係る企業のデフォルト確率をグループ単位で算出する処理と、上記において算出しておいた各グループの平均スプレッドとデフォルト確率に基づいて、スプレッドとデフォルトとの相関を示す回帰式を導出し、上記回帰式記憶部に格納する処理を実行し、さらに、上記入力装置を介して、特定企業の負債に関する上記第2の時点における残存期間と、当該特定企業の上記第2の時点における上記と同種の財務データが入力された場合に、上記入力情報登録部は、これらの入力情報を上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第2の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された当該特定企業の負債の第2の時点における残存期間及び当該特定企業の第2の時点における財務データを用いて、第2の時点における当該負債のスプレッドを算出する処理を実行し、上記デフォルト確率算出部は、このスプレッドを上記回帰式記憶部に格納された回帰式に代入することにより、当該特定企業の第2の時点から所定期間経過した第3の時点までの間におけるデフォルト確率を算出し、上記算出結果記憶部に格納する処理を実行し、上記算出結果出力部は、この算出結果記憶部に格納された特定企業のデフォルト確率を、上記ディスプレイに表示させる処理を実行することを特徴としている。
また、請求項2に記載した企業の信用力算出システムは、入力装置と、入力情報登録部と、基礎情報記憶部と、ローン情報記憶部と、回帰モデル生成部と、回帰モデル記憶部と、スプレッド算出部と、スプレッド記憶部と、回帰式算出部と、デフォルト実績記憶部と、回帰式記憶部と、デフォルト確率算出部と、算出結果記憶部と、算出結果出力部と、ディスプレイとを備えたシステムであって、上記入力情報登録部は、上記入力装置を介して入力された、複数の公募債の第1の時点における残存期間と、各公募債の利回りと国債の利回りとの差を表す第1の時点におけるスプレッドと、各公募債の発行企業の業種コードと、各公募債の発行企業に係る第1の時点における特定の財務データと、上記第1の時点よりも所定期間経過した第2の時点における上記各公募債の残存期間と、第2の時点における各公募債のスプレッドと、第2の時点における各公募債の発行企業に係る上記と同種の財務データを、上記基礎情報記憶部に格納する処理と、上記入力装置を介して入力された、複数企業の負債に関する上記第1の時点におけるそれぞれの残存期間と、各企業の業種コードと、第1の時点における各企業の上記と同種の財務データを、上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、上記回帰モデル生成部は、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第1の時点における残存期間及び第1の時点における財務データを第1の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を同一業種毎に実行し、第1の時点における回帰モデルを業種別に導出すると共に、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第2の時点における残存期間及び第2の時点における財務データを第2の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を同一業種毎に実行し第2の時点における回帰モデルを業種別に導出した後、これら第1の時点における業種別回帰モデルと第2の時点における業種別回帰モデルを上記回帰モデル記憶に格納する処理を実行し、上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第1の時点における各企業の業種に係る回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された各負債の第1の時点における残存期間及び各企業に係る第1の時点における財務データを用いて、各負債の第1の時点におけるスプレッドを算出し、上記スプレッド記憶部に格納する処理を実行し、上記回帰式算出部は、上記スプレッド記憶部に格納された各負債の第1の時点におけるスプレッドをその大きさの順に整列配置各負債を所定数のグループに分ける処理と、各負債のスプレッドの平均値である平均スプレッドをグループ単位で算出する処理と、企業のデフォルト実績データを格納しておく上記デフォルト実績記憶部から、上記第1の時点〜第2の時点間において上記負債に係る各企業が倒産したか否かを示すデフォルト実績データを読み出して、各負債に係る企業のデフォルト確率をグループ単位で算出する処理と、上記において算出しておいた各グループの平均スプレッドとデフォルト確率に基づいて、スプレッドとデフォルトとの相関を示す回帰式を導出し、上記回帰式記憶部に格納する処理を実行し、さらに、上記入力装置を介して、特定企業の負債に関する上記第2の時点における残存期間と、当該特定企業の業種コードと、当該特定企業の上記第2の時点における上記と同種の財務データが入力された場合に、上記入力情報登録部は、これらの入力情報を上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第2の時点における当該特定企業の業種に対応した回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された当該特定企業の負債の第2の時点における残存期間及び当該特定企業の第2の時点における財務データを用いて、第2の時点における当該負債のスプレッドを算出する処理を実行し、上記デフォルト確率算出部は、このスプレッドを上記回帰式記憶部に格納された回帰式に代入することにより、当該特定企業の第2の時点から所定期間経過した第3の時点までの間におけるデフォルト確率を算出し、上記算出結果記憶部に格納する処理を実行し、上記算出結果出力部は、この算出結果記憶部に格納された特定企業のデフォルト確率を、上記ディスプレイに表示させる処理を実行することを特徴としている。
請求項3に記載した企業の信用力算出システムは、請求項1または2に記載のシステムであって、上記スプレッド算出部が、上記負債のスプレッドを割引債ベースのスプレッドに変換する処理を実行することを特徴としている。
請求項4に記載した企業の信用力算出プログラムは、コンピュータを、入力情報登録部、基礎情報記憶部、ローン情報記憶部、回帰モデル生成部、回帰モデル記憶部、スプレッド算出部、スプレッド記憶部、回帰式算出部、デフォルト実績記憶部、回帰式記憶部、デフォルト確率算出部、算出結果記憶部、算出結果出力部として機能させるプログラムであって、上記入力情報登録部は、入力装置を介して入力された、複数の公募債の第1の時点における残存期間と、各公募債の利回りと国債の利回りとの差を表す第1の時点におけるスプレッドと、各公募債の発行企業に係る第1の時点における特定の財務データと、上記第1の時点よりも所定期間経過した第2の時点における上記各公募債の残存期間と、第2の時点における各公募債のスプレッドと、第2の時点における各公募債の発行企業に係る上記と同種の財務データを、上記基礎情報記憶部に格納する処理と、入力装置を介して入力された、複数企業の負債に関する上記第1の時点におけるそれぞれの残存期間と、第1の時点における各企業の上記と同種の財務データを、上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、上記回帰モデル生成部は、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第1の時点における残存期間及び第1の時点における財務データを第1の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し、第1の時点における回帰モデルを導出すると共に、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第2の時点における残存期間及び第2の時点における財務データを第2の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し第2の時点における回帰モデルを導出した後、これら第1の時点における回帰モデルと第2の時点における回帰モデルを上記回帰モデル記憶に格納する処理を実行し、上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第1の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された各負債の第1の時点における残存期間及び各企業に係る第1の時点における財務データを用いて、各負債の第1の時点におけるスプレッドを算出し、上記スプレッド記憶部に格納する処理を実行し、上記回帰式算出部は、上記スプレッド記憶部に格納された各負債の第1の時点におけるスプレッドをその大きさの順に整列配置各負債を所定数のグループに分ける処理と、各負債のスプレッドの平均値である平均スプレッドをグループ単位で算出する処理と、企業のデフォルト実績データを格納しておく上記デフォルト実績記憶部から、上記第1の時点〜第2の時点間において上記負債に係る各企業が倒産したか否かを示すデフォルト実績データを読み出して、各負債に係る企業のデフォルト確率をグループ単位で算出する処理と、上記において算出しておいた各グループの平均スプレッドとデフォルト確率に基づいて、スプレッドとデフォルトとの相関を示す回帰式を導出し、上記回帰式記憶部に格納する処理を実行し、さらに、入力装置を介して、特定企業の負債に関する上記第2の時点における残存期間と、当該特定企業の上記第2の時点における上記と同種の財務データが入力された場合に、上記入力情報登録部は、これらの入力情報を上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第2の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された当該特定企業の負債の第2の時点における残存期間及び当該特定企業の第2の時点における財務データを用いて、第2の時点における当該負債のスプレッドを算出する処理を実行し、上記デフォルト確率算出部は、このスプレッドを上記回帰式記憶部に格納された回帰式に代入することにより、当該特定企業の第2の時点から所定期間経過した第3の時点までの間におけるデフォルト確率を算出し、上記算出結果記憶部に格納する処理を実行し、上記算出結果出力部は、この算出結果記憶部に格納された特定企業のデフォルト確率を、ディスプレイに表示させる処理を実行することを特徴としている。


請求項1または2に記載した企業の信用力算出システム及び請求項4に記載した企業の信用力算出プログラムにあっては、まず第1の時点及び第2の時点における各公募債発行企業の現実のスプレッド及び各公募債発行企業の安全性や収益性を示す各種財務データに基づいて、スプレッドと財務データとの相関を示す回帰モデルを各時点毎に生成し、第1の時点における回帰モデルに公募債未発行企業の財務データを適用することによって各企業に係る負債の第1の時点におけるスプレッドを推定した後、このスプレッドと両時点間における公募債未発行企業のデフォルト実績データに基づいてスプレッドとデフォルトとの相関を示す回帰式を求め、つぎに特定の公募債未発行企業の第2の時点における財務データ及び残存年数を第2の時点における回帰モデルに適用して当該企業に係る負債のスプレッドを推定し、これを上記の回帰式に代入することによって、当該公募債未発行企業の将来におけるデフォルト確率を算出する仕組みを備えている。
このように、公募債未発行企業の信用力(デフォルト確率)を客観的な数値として算出可能であることから、金融機関等におけるリスク管理ツールとして有用である。
請求項2に記載した企業の信用力算出システムの場合、さらに、業種毎の回帰モデルが導出されると共に、各負債のスプレッドを算出するに際して当該企業の業種に対応した回帰モデルが適用されるため、業種毎の特性を反映させた算出結果が得られる利点がある。
請求項3に記載した信用力算出システムによれば、割引債ベースに変換されたスプレッドが得られるため、公募債のクーポン(利息)に対する信用情報を除外した、より正確な算出結果が得られる利点がある。
図1は、この発明に係る企業の信用力算出システム10の機能構成を示すブロック図であり、キーボードやマウス等の入力装置12と、入力情報登録部14と、基礎情報記憶部16と、回帰モデル生成部18と、回帰モデル記憶部20と、ローン情報記憶部22と、スプレッド算出部24と、スプレッド記憶部26と、デフォルト実績記憶部28と、回帰式算出部30と、回帰式記憶部32と、デフォルト確率算出部34と、算出結果記憶部36と、算出結果出力部38と、ディスプレイ40とを備えている。
上記の入力情報登録部14、回帰モデル生成部18、スプレッド算出部24、回帰式算出部30、デフォルト確率算出部34、算出結果出力部38は、コンピュータ(PC等)42のCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラム等に従い、必要な処理を実行することによって実現される。
また、上記の基礎情報記憶部16、回帰モデル記憶部20、ローン情報記憶部22、スプレッド記憶部26、デフォルト実績記憶部28、回帰式記憶部32、算出結果記憶部36は、コンピュータ42のハードディスクやメモリ内に設けられている。
図2は、このシステム10における処理の大まかな流れを示しており、以下の5つの段階に大別される。
(1) 現時点から所定期間(例えば2年間)遡った過去時点(第1の時点)における各公募債の市場金利と国債金利との差であるスプレッド50、各公募債の残存年数52、発行企業の財務データ54と、現時点(第2の時点)における各公募債のスプレッド50、残存年数52、各発行企業の財務データ54に対して統計処理することにより、回帰モデル56を各時点毎に生成する第1の段階。
(2) 過去時点における回帰モデル56に、過去時点における複数の公募債未発行企業に係るローンの残存年数58及び各企業の財務データ60を代入することにより、各ローンの過去時点における推定スプレッド(割引債ベース)62を導出する第2の段階。
(3) 各企業ローンの推定スプレッド62と、過去時点〜現時点間における各公募債未発行企業のデフォルト実績データ64に基づいて、スプレッドとデフォルトとの関係を示す回帰式(近似式)66を導出する第3の段階。
(4) 現時点における回帰モデル56に、特定の公募債未発行企業に係る現時点でのローンの残存年数68及び当該企業の財務データ70を代入することにより、当該ローンの現時点の推定スプレッド(割引債ベース)72を導出する第4の段階。
(5) 上記の回帰式66に当該ローンの現時点の推定スプレッド72を代入することにより、当該公募債未発行企業の現時点から2年経過した未来時点(第3の時点)までの間におけるデフォルト確率74を算出する第5の段階。
以下、図3のフローチャートに従い、上記の第1〜第3の段階に係る具体的な処理手順について説明する。
まずオペレータは、入力装置12を介して、公募債発行企業の発行企業コード、業種コード、各種財務データ、公募債の銘柄コード、スプレッド、残存年数からなる基礎情報の組合せを多数パターン入力する(S10)。これらの基礎情報は、過去時点及び現時点の双方分が入力される。
スプレッドは、公募債の利回りと国債の利回りとの差を表したものである。国債は信用リスクゼロの債券とみなせるため、このスプレッドが大きいほど利回りが良い反面、信用リスクの高い債券ということになる。
また、上記の財務データとしては、例えば企業の総資産額、自己資本比率、総資本経常利益率など、企業の安全性(危険性)や収益性を強く示す指標が選定される。
この財務データは、具体的には以下の手順を経て選定される。
(1) 多数の財務データを候補として列挙する。
(2) 過去のある時点(A時点)に存在した企業を、その後デフォルトした企業とデフォルトしなかった企業に分類する。
(3) A時点における各企業の財務データの中、デフォルト群と非デフォルト群で大きく差が出るものを所定数選択する。
この差の評価は、各群の平均値の差をデフォルト群の標準偏差で除したものを指標として判断される。
入力された基礎情報は、入力情報登録部14によって必要なフォーマットに変換された後、基礎情報記憶部16に各時点毎に格納される(S12)。
なお、入力装置12を介して基礎情報を入力する代わりに、所定のフォーマットに整形された基礎情報のファイルをメモリカード等の記録媒体に格納しておき、読取装置を介して基礎情報記憶部16に格納するようにしたり、図示しない他のサーバに格納された基礎情報のファイルを、図示しない通信回線を経由して受信するようにしてもよい。
つぎに回帰モデル生成部18が起動し、入力された各公募債の残存年数及び公募債発行企業の財務データを説明変数とし、またスプレッドを目的変数とする重回帰分析を業種単位で実行し、業種別の回帰モデル(比例ハザードモデル)を、各時点毎に導出する(S14)。
具体的には、関係式(回帰式)に各公募債のスプレッド、残存年数、財務データを代入したサンプルを多数生成し、これらのサンプルに対して回帰分析を行うことにより、λ(定数項)、γ(残存年数の回帰係数)、βi(各財務データの回帰係数)を推定する。数1に関係式の一例を示す。
Figure 0004937672
図4は、この数1の関係式を用いた場合の算出結果を例示するテーブルであり、「素材」、「運輸」、「自動車」の各業種毎にλ(定数項)、γ(残存年数の回帰係数)、β1〜βn(各財務データの回帰係数)の値が格納されている。
また、「R-Square(重決定係数)」 の値が1に近いほど項目間の関連付けが上手くいっており、重回帰分析の予測の精度が高いことを意味するが、各業種とも比較的良好な数値が導かれていると評価できる。
このλ、γ、βiの値は、回帰モデル生成部18によって、回帰モデル記憶部20に時点別/業種別に格納される(S16)。
つぎにオペレータは、入力装置12を介して、多数の公募債未発行企業の業種コード、過去時点におけるローン残存年数、上記と同種の財務データをシステム10に入力する(S18)。
企業ローンに関するこれらの入力情報は、入力情報登録部14によって必要なフォーマットに変換された後、企業毎にローン情報記憶部22に格納される(S20)。
この後、スプレッド算出部24が起動し、過去時点における各企業の業種に対応した回帰モデル(λ、γ、βiの組合せパターン)を回帰モデル記憶部20から抽出する(S22)。
つぎにスプレッド算出部24は、数1のtにローンの残存年数を、またzikに各財務データを、λに定数項を、γに残存年数の回帰係数を、βiに各財務データの回帰係数を代入することにより、各企業ローンのスプレッドSk(t)を算出する(S24)。
ところで、社債にはクーポン(利息)が付きものであり、上記で求めたスプレッドには定期的(半年毎のものが多い)に発生するクーポンに対する信用情報が混入しているものと考えられる。
このため、スプレッド算出部24は上記スプレッドをクーポンの発生しない割引債(ゼロクーポン債)ベースのスプレッドに変換する処理を実行する。
まず、残存年数として0.25年、0.5年、1.0年、1.5年、2.0年、2.5年、3.0年、3.5年、4.0年、4.5年、5.0年、5.5年、6.0年、6.5年、7.0年、7.5年、8.0年、8.5年、9.0年、9.5年、10.0年…の各時点を想定し、
i:時点グリッド番号(i=1,・・・,21)
ti:時点グリッド
・t1=0.25
・i≧2のとき、t1=0.5*(i−1)
と定義すると、残存年数tN年の割引債ベーススプレッドの推定方法は以下の通りとなる。
まず、N=1(すなわち残存年数0.25年)の場合には、もはやクーポンが発生しないため、上記において算出されたスプレッドをそのまま割引債ベースのスプレッドとする。
これに対し、N≧2の場合には以下の各処理を実行することにより、スプレッド算出部24はそれぞれの残存年数に対応した割引債ベースのスプレッドを算出する。
[パーイールド(半年複利ベース)の算出]
まず、企業kのローン残存年数tiのスプレッドsk,iから、パーイールド(半年複利ベース)xk,Nを求める(S26)。
すなわち、パーイールドの定義より、以下の数2が導かれる。
Figure 0004937672
この数式を解くことにより、以下の数3に示すように、パーイールドxk,Nが求まる。
Figure 0004937672
[ディスカウントファクターの算出]
つぎにスプレッド算出部24は、企業kのパーイールドxk,Nから、企業kのディスカウントファクターEk,Nを求める(S28)。
まず、i=2(残存年数0.5年)とした場合、パーイールドの定義により、以下の数4に示す通りEk,2が求められる。
Figure 0004937672
つぎに、i=3(残存年数1.0年)とした場合も、パーイールドの定義により、以下の数5に示す通りEk,3が求められる。
Figure 0004937672
i≧4以降も同様にパーイールドの定義に従い、以下の数6に示す通りEk,4〜Ek,2Nが求められる。
Figure 0004937672
[割引債ベーススプレッドの算出]
つぎにスプレッド算出部24は、企業kの残存年数tiのディスカウントファクターENから、企業kのローン残存年数tiの割引債ベーススプレッドS'k,iを算出する(S30)。
すなわち、スプレッドの定義より以下の数7が成立し、これを展開することにより、数8に示すように割引債ベーススプレッドが求まる。
Figure 0004937672
Figure 0004937672
つぎにスプレッド算出部24は、算出した割引債ベーススプレッドを年率に換算した値を、スプレッド記憶部26に格納する(S32)。
つぎに回帰式算出部30が起動し、スプレッド記憶部26に格納された各企業の割引債ベーススプレッド(年率換算)を昇順にソートし、値に応じて複数のグループ(分位)に分類する(S34)。例えば、この実施形態では、10のグループに分類される。
つぎに回帰式算出部30は、各グループ毎にスプレッドの平均値を算出する(S36)。
つぎに回帰式算出部30は、デフォルト実績記憶部28に格納された各公募債未発行企業の過去時点〜現時点までのデフォルト実績データ(倒産or存続)を読み出し、各グループ単位でのデフォルト確率を算出する(S38)。
つぎに回帰式算出部30は、各グループのデフォルト確率の値に基づいて回帰式(近似式)を導出し(S40)、回帰式記憶部32に格納する(S42)。
例えば図5に示すように、y=0.0318*√xの回帰式が導かれる。
この図5には、各グループの過去時点における平均スプレッド、各グループに属する企業のデフォルト確率、及び平均スプレッドを回帰式に代入して得られた回帰値も例示されている。
図6は、X軸にスプレッドを、Y軸にデフォルト確率を設定したグラフを示しており、グラフ中の菱形の点は各グループの平均スプレッドをプロットしたものである。
また、図6中の曲線αは、「y=0.0318*√x」の回帰式に対応している。
この曲線αからは、スプレッドが高くなるほど企業のデフォルト確率が高くなる傾向が明確に読み取れる。
以上のようにして、多数の公募債発行企業及び公募債未発行企業のデータに基づいて回帰モデル及び回帰式の導出が完了し、第1〜第3の準備段階が済むと、図7のフローチャートに示すように、特定企業のデフォルト確率算出段階(第4及び第5の段階)に移行する。
まずオペレータは、入力装置12を介して、特定の公募債未発行企業の業種コード、現時点におけるローン残存年数、上記と同種の財務データをシステム10に入力する(S50)。
ローンに関するこれらの入力情報は、入力情報登録部14によって必要なフォーマットに変換された後、ローン情報記憶部22に格納される(S52)。
この後、スプレッド算出部24が起動し、現時点における当該企業の業種に対応した回帰モデル(λ、γ、βiの組合せパターン)を回帰モデル記憶部20から抽出する(S54)。
つぎにスプレッド算出部22は、数1のtにローンの残存年数を、またzikに各財務データを、λに定数項を、γに残存年数の回帰係数を、βiに各財務データの回帰係数を代入することにより、当該企業ローンの現時点におけるスプレッドSk(t)を算出する(S56)。
つぎにスプレッド算出部24は、図3のS26〜S32と実質的に等しい処理を実行することにより、当該企業の特定時点におけるパーイールドの算出処理(S58)、当該企業の特定時点におけるディスカウントファクターの算出処理(S60)、当該企業の特定時点における割引債ベーススプレッドの算出処理(S62)を実行し、算出結果である割引債ベーススプレッドを年率に換算した値を、スプレッド記憶部26に格納する(S64)。
つぎにデフォルト確率算出部34が起動し、当該企業の割引債ベーススプレッド(年率換算)を回帰式「y=0.0318*√x」の(x)に代入することにより、当該企業の現時点〜未来時点間(向こう2年間)におけるデフォルト確率(y)を算出する(S66)。
このデフォルト確率の値は、算出結果記憶部36に格納された後(S68)、算出結果出力部38によって所定のフォーマットに加工され、ディスプレイ40上に表示される。
上記の通り、このシステム10によれば、公募債を発行していない企業のローンや財務データに基づいて当該企業のデフォルト確率を客観的な数値として算出することが可能となるため、金融機関等において投資対象のリスク管理が容易となる利点がある。
企業の信用力算出システムの機能構成を示すブロック図である。 このシステムにおける主な処理内容を概説するための模式図である。 このシステムにおける具体的な処理手順を示すフローチャートである。 数1のλ、γ、βiの算出結果を例示するテーブルである。 各グループの平均スプレッド、デフォルト確率、回帰値、回帰式を示す説明図である。 X軸にスプレッドを設定し、Y軸にデフォルト確率を設定したグラフである。 このシステムにおける具体的な処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 企業の信用力算出システム
12 入力装置
14 入力情報登録部
16 基礎情報記憶部
18 回帰モデル生成部
20 回帰モデル記憶部
22 スプレッド算出部
22 ローン情報記憶部
24 スプレッド算出部
26 スプレッド記憶部
28 デフォルト実績記憶部
30 回帰式算出部
32 回帰式記憶部
34 デフォルト確率算出部
36 算出結果記憶部
38 算出結果出力部
40 ディスプレイ
42 コンピュータ
50 スプレッド
52 公募債の残存年数
54 公募債発行企業の財務データ
56 回帰モデル
58 ローンの残存年数
60 公募債未発行企業の財務データ
62 企業ローンの推定スプレッド
64 デフォルト実績データ
66 回帰式
68 ローンの残存年数
70 公募債未発行企業の財務データ
72 企業ローンの推定スプレッド
74 デフォルト確率

Claims (4)

  1. 入力装置と、入力情報登録部と、基礎情報記憶部と、ローン情報記憶部と、回帰モデル生成部と、回帰モデル記憶部と、スプレッド算出部と、スプレッド記憶部と、回帰式算出部と、デフォルト実績記憶部と、回帰式記憶部と、デフォルト確率算出部と、算出結果記憶部と、算出結果出力部と、ディスプレイとを備えたシステムであって、
    上記入力情報登録部は、上記入力装置を介して入力された、複数の公募債の第1の時点における残存期間と、各公募債の利回りと国債の利回りとの差を表す第1の時点におけるスプレッドと、各公募債の発行企業に係る第1の時点における特定の財務データと、上記第1の時点よりも所定期間経過した第2の時点における上記各公募債の残存期間と、第2の時点における各公募債のスプレッドと、第2の時点における各公募債の発行企業に係る上記と同種の財務データを、上記基礎情報記憶部に格納する処理と、上記入力装置を介して入力された、複数企業の負債に関する上記第1の時点におけるそれぞれの残存期間と、第1の時点における各企業の上記と同種の財務データを、上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、
    上記回帰モデル生成部は、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第1の時点における残存期間及び第1の時点における財務データを第1の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し、第1の時点における回帰モデルを導出すると共に、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第2の時点における残存期間及び第2の時点における財務データを第2の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し第2の時点における回帰モデルを導出した後、これら第1の時点における回帰モデルと第2の時点における回帰モデルを上記回帰モデル記憶に格納する処理を実行し、
    上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第1の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された各負債の第1の時点における残存期間及び各企業に係る第1の時点における財務データを用いて、各負債の第1の時点におけるスプレッドを算出し、上記スプレッド記憶部に格納する処理を実行し、
    上記回帰式算出部は、上記スプレッド記憶部に格納された各負債の第1の時点におけるスプレッドをその大きさの順に整列配置各負債を所定数のグループに分ける処理と、各負債のスプレッドの平均値である平均スプレッドをグループ単位で算出する処理と、企業のデフォルト実績データを格納しておく上記デフォルト実績記憶部から、上記第1の時点〜第2の時点間において上記負債に係る各企業が倒産したか否かを示すデフォルト実績データを読み出して、各負債に係る企業のデフォルト確率をグループ単位で算出する処理と、上記において算出しておいた各グループの平均スプレッドとデフォルト確率に基づいて、スプレッドとデフォルトとの相関を示す回帰式を導出し、上記回帰式記憶部に格納する処理を実行し、
    さらに、上記入力装置を介して、特定企業の負債に関する上記第2の時点における残存期間と、当該特定企業の上記第2の時点における上記と同種の財務データが入力された場合に、上記入力情報登録部は、これらの入力情報を上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、
    上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第2の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された当該特定企業の負債の第2の時点における残存期間及び当該特定企業の第2の時点における財務データを用いて、第2の時点における当該負債のスプレッドを算出する処理を実行し、
    上記デフォルト確率算出部は、このスプレッドを上記回帰式記憶部に格納された回帰式に代入することにより、当該特定企業の第2の時点から所定期間経過した第3の時点までの間におけるデフォルト確率を算出し、上記算出結果記憶部に格納する処理を実行し、
    上記算出結果出力部は、この算出結果記憶部に格納された特定企業のデフォルト確率を、上記ディスプレイに表示させる処理を実行することを特徴とする企業の信用力算出システム。
  2. 入力装置と、入力情報登録部と、基礎情報記憶部と、ローン情報記憶部と、回帰モデル生成部と、回帰モデル記憶部と、スプレッド算出部と、スプレッド記憶部と、回帰式算出部と、デフォルト実績記憶部と、回帰式記憶部と、デフォルト確率算出部と、算出結果記憶部と、算出結果出力部と、ディスプレイとを備えたシステムであって、
    上記入力情報登録部は、上記入力装置を介して入力された、複数の公募債の第1の時点における残存期間と、各公募債の利回りと国債の利回りとの差を表す第1の時点におけるスプレッドと、各公募債の発行企業の業種コードと、各公募債の発行企業に係る第1の時点における特定の財務データと、上記第1の時点よりも所定期間経過した第2の時点における上記各公募債の残存期間と、第2の時点における各公募債のスプレッドと、第2の時点における各公募債の発行企業に係る上記と同種の財務データを、上記基礎情報記憶部に格納する処理と、上記入力装置を介して入力された、複数企業の負債に関する上記第1の時点におけるそれぞれの残存期間と、各企業の業種コードと、第1の時点における各企業の上記と同種の財務データを、上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、
    上記回帰モデル生成部は、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第1の時点における残存期間及び第1の時点における財務データを第1の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を同一業種毎に実行し、第1の時点における回帰モデルを業種別に導出すると共に、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第2の時点における残存期間及び第2の時点における財務データを第2の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を同一業種毎に実行し第2の時点における回帰モデルを業種別に導出した後、これら第1の時点における業種別回帰モデルと第2の時点における業種別回帰モデルを上記回帰モデル記憶に格納する処理を実行し、
    上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第1の時点における各企業の業種に係る回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された各負債の第1の時点における残存期間及び各企業に係る第1の時点における財務データを用いて、各負債の第1の時点におけるスプレッドを算出し、上記スプレッド記憶部に格納する処理を実行し、
    上記回帰式算出部は、上記スプレッド記憶部に格納された各負債の第1の時点におけるスプレッドをその大きさの順に整列配置各負債を所定数のグループに分ける処理と、各負債のスプレッドの平均値である平均スプレッドをグループ単位で算出する処理と、企業のデフォルト実績データを格納しておく上記デフォルト実績記憶部から、上記第1の時点〜第2の時点間において上記負債に係る各企業が倒産したか否かを示すデフォルト実績データを読み出して、各負債に係る企業のデフォルト確率をグループ単位で算出する処理と、上記において算出しておいた各グループの平均スプレッドとデフォルト確率に基づいて、スプレッドとデフォルトとの相関を示す回帰式を導出し、上記回帰式記憶部に格納する処理を実行し、
    さらに、上記入力装置を介して、特定企業の負債に関する上記第2の時点における残存期間と、当該特定企業の業種コードと、当該特定企業の上記第2の時点における上記と同種の財務データが入力された場合に、上記入力情報登録部は、これらの入力情報を上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、
    上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第2の時点における当該特定企業の業種に対応した回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された当該特定企業の負債の第2の時点における残存期間及び当該特定企業の第2の時点における財務データを用いて、第2の時点における当該負債のスプレッドを算出する処理を実行し、
    上記デフォルト確率算出部は、このスプレッドを上記回帰式記憶部に格納された回帰式に代入することにより、当該特定企業の第2の時点から所定期間経過した第3の時点までの間におけるデフォルト確率を算出し、上記算出結果記憶部に格納する処理を実行し、
    上記算出結果出力部は、この算出結果記憶部に格納された特定企業のデフォルト確率を、上記ディスプレイに表示させる処理を実行することを特徴とする企業の信用力算出システム。
  3. 上記スプレッド算出部は、上記負債のスプレッドを割引債ベースのスプレッドに変換する処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の企業の信用力算出システム。
  4. コンピュータを、入力情報登録部、基礎情報記憶部、ローン情報記憶部、回帰モデル生成部、回帰モデル記憶部、スプレッド算出部、スプレッド記憶部、回帰式算出部、デフォルト実績記憶部、回帰式記憶部、デフォルト確率算出部、算出結果記憶部、算出結果出力部として機能させるプログラムであって、
    上記入力情報登録部は、入力装置を介して入力された、複数の公募債の第1の時点における残存期間と、各公募債の利回りと国債の利回りとの差を表す第1の時点におけるスプレッドと、各公募債の発行企業に係る第1の時点における特定の財務データと、上記第1の時点よりも所定期間経過した第2の時点における上記各公募債の残存期間と、第2の時点における各公募債のスプレッドと、第2の時点における各公募債の発行企業に係る上記と同種の財務データを、上記基礎情報記憶部に格納する処理と、入力装置を介して入力された、複数企業の負債に関する上記第1の時点におけるそれぞれの残存期間と、第1の時点における各企業の上記と同種の財務データを、上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、
    上記回帰モデル生成部は、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第1の時点における残存期間及び第1の時点における財務データを第1の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し、第1の時点における回帰モデルを導出すると共に、上記基礎情報記憶部に格納された各公募債に係る第2の時点における残存期間及び第2の時点における財務データを第2の時点におけるスプレッドの説明変数とする回帰分析を実行し第2の時点における回帰モデルを導出した後、これら第1の時点における回帰モデルと第2の時点における回帰モデルを上記回帰モデル記憶に格納する処理を実行し、
    上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第1の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された各負債の第1の時点における残存期間及び各企業に係る第1の時点における財務データを用いて、各負債の第1の時点におけるスプレッドを算出し、上記スプレッド記憶部に格納する処理を実行し、
    上記回帰式算出部は、上記スプレッド記憶部に格納された各負債の第1の時点におけるスプレッドをその大きさの順に整列配置各負債を所定数のグループに分ける処理と、各負債のスプレッドの平均値である平均スプレッドをグループ単位で算出する処理と、企業のデフォルト実績データを格納しておく上記デフォルト実績記憶部から、上記第1の時点〜第2の時点間において上記負債に係る各企業が倒産したか否かを示すデフォルト実績データを読み出して、各負債に係る企業のデフォルト確率をグループ単位で算出する処理と、上記において算出しておいた各グループの平均スプレッドとデフォルト確率に基づいて、スプレッドとデフォルトとの相関を示す回帰式を導出し、上記回帰式記憶部に格納する処理を実行し、
    さらに、入力装置を介して、特定企業の負債に関する上記第2の時点における残存期間と、当該特定企業の上記第2の時点における上記と同種の財務データが入力された場合に、上記入力情報登録部は、これらの入力情報を上記ローン情報記憶部に格納する処理を実行し、
    上記スプレッド算出部は、上記回帰モデル記憶部に格納された第2の時点における回帰モデル上記ローン情報記憶部に格納された当該特定企業の負債の第2の時点における残存期間及び当該特定企業の第2の時点における財務データを用いて、第2の時点における当該負債のスプレッドを算出する処理を実行し、
    上記デフォルト確率算出部は、このスプレッドを上記回帰式記憶部に格納された回帰式に代入することにより、当該特定企業の第2の時点から所定期間経過した第3の時点までの間におけるデフォルト確率を算出し、上記算出結果記憶部に格納する処理を実行し、
    上記算出結果出力部は、この算出結果記憶部に格納された特定企業のデフォルト確率を、ディスプレイに表示させる処理を実行することを特徴とする企業の信用力算出プログラム。
JP2006221422A 2006-08-15 2006-08-15 企業の信用力算出システム及び算出プログラム Expired - Fee Related JP4937672B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006221422A JP4937672B2 (ja) 2006-08-15 2006-08-15 企業の信用力算出システム及び算出プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006221422A JP4937672B2 (ja) 2006-08-15 2006-08-15 企業の信用力算出システム及び算出プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008046835A JP2008046835A (ja) 2008-02-28
JP4937672B2 true JP4937672B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=39180531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006221422A Expired - Fee Related JP4937672B2 (ja) 2006-08-15 2006-08-15 企業の信用力算出システム及び算出プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4937672B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7580876B1 (en) * 2000-07-13 2009-08-25 C4Cast.Com, Inc. Sensitivity/elasticity-based asset evaluation and screening
US20150142638A1 (en) * 2013-05-02 2015-05-21 The Dun & Bradstreet Corporation Calculating a probability of a business being delinquent
JP6418537B1 (ja) * 2017-12-05 2018-11-07 シーロムパートナーズ税理士法人 説明変数に確率密度関数を適用した回帰分析によるデータ予測システム、データ予測方法、及びデータ予測プログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002207870A (ja) * 2001-01-10 2002-07-26 Tokyo Marine Asset Management Co Ltd 超過収益率予測システムおよび意志決定支援システム
JP2003058700A (ja) * 2001-08-20 2003-02-28 Mizuho Dl Financial Technology Co Ltd 社債ポートフォリオの最適化方法、そのプログラム
JP2004005626A (ja) * 2002-03-26 2004-01-08 Nli Research Institute 債券投資分析・信用リスク計量分析システム
JP4358475B2 (ja) * 2002-04-23 2009-11-04 株式会社 金融工学研究所 信用評価システム
JP4454016B2 (ja) * 2004-05-07 2010-04-21 株式会社Quick 債券評価システム及び債券評価プログラム
JP2007264939A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Nomura Research Institute Ltd 企業負債のプライシングシステム及びプライシング用プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008046835A (ja) 2008-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cenciarelli et al. Does intellectual capital help predict bankruptcy?
Amiram et al. Financial statement errors: Evidence from the distributional properties of financial statement numbers
Altman Revisiting credit scoring models in a Basel 2 environment
US20030046203A1 (en) Business performance index processing system
Li et al. Corporate globalization and bank lending
Nourani et al. Measuring human, physical and structural capital efficiency performance of insurance companies
Tobback et al. Forecasting loss given default models: impact of account characteristics and the macroeconomic state
US20110078073A1 (en) System and method for predicting consumer credit risk using income risk based credit score
Chi et al. Bankruptcy prediction: Application of logit analysis in export credit risks
WO2012018968A1 (en) Method and system for quantifying and rating default risk of business enterprises
JP2003016261A (ja) 融資総合管理システム、信用スコアリング判定システム、及び、信用保証管理システム
Neuhierl et al. Data snooping and market-timing rule performance
Inekwe Financial distress, employees’ welfare and entrepreneurship among SMEs
JP5460853B2 (ja) 与信評価を補完するための詳細な商取引支払実績を動的に作成する方法およびシステム
Diamond Jr PATTERN RECOGNITION AND THE DETECTION OF CORPORATE FAILURE.
JP4937672B2 (ja) 企業の信用力算出システム及び算出プログラム
Cashin et al. Tax smoothing, tax tilting and fiscal sustainability in Pakistan
Stroe et al. Predicting the Financial Performance of the Building Sector Enterprises--Case Study of Galati County (Romania)
JP2003233703A (ja) 経営指標処理システム
KR102175616B1 (ko) 사업체 리스크의 평가 방법 및 이를 실행시키기 위한 컴퓨터프로그램
WO2010059664A1 (en) Method for modifying the terms of a financial instrument
Zhang Distress risk premia in expected stock and bond returns
Wysłocka et al. The effectiveness of leasing as a method of financing the development of a company
Ismail Financial Cash Flow Determinants of Company Failure in the Construction Industry.
US20150278957A1 (en) Method of Determining Sufficient Financial Resources for Retirement

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees