JP4454016B2 - 債券評価システム及び債券評価プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、効率的かつ的確に債券理論価格を取得するためのシステム及びプログラムに関するものであり、特に、債券時価評価で活用される流動性の低い債券価格を取得する債券評価システム及び債券評価プログラムに関する。
国、地方自治体や企業などの資金調達のために各種債券が発行されている。債券は投資対象として利用されており、このような債券の取引を行なう債券市場では、適切な債券価格の算出が必要である。この債券には、市場を通して形成される取引価格と、債券から生じる将来のキャッシュフローの現在価値を計算することによって求められる理論価格とがあり、割安、割高等、投資する際の一つの基準になっている。とりわけ、流動性の低い(全取引額が小さい)債券は、市場価格が体系的に存在せず適正な時価評価を行えない。例えば、国内で6000銘柄近く存在する地方債の大半は非公募の縁故債として販売されており、証券会社などによる取引価格が提示されているものは3分の1の約2000銘柄にとどまっている。一方、こうした債券を保有している事業会社や金融機関は、保有資産の時価評価が義務づけられており、市場での時価がついていない銘柄に対しても妥当な価格を知る必要がある。
一般に、債券の理論的な価格を算出する代表的な方法として、OAS(Option Adjusted Spread)法、フェアバリュー・イールドカーブ法、マトリックス法の3つがあげられる。OAS(Option Adjusted Spread)法に基づく流動性の低い債券の理論価格では、金利オプション理論に基づく将来の金利の動きをモデル化したうえで、金利シナリオに応じて適切なキャッシュフローを想定した上で無リスク金利である国債に対するスプレッドを測定した理論価格である。フェアバリュー・イールドカーブ法に基づくものは、債券種別・格付け別に最も多くのフェアバリュー(現在価値)と市場価格の乖離を最小となるようなイールドカーブを求め、該当する残存年月、利子率から理論価格を得る。マトリックス法に基づくものは、流動性の高い債券価格のイールドカーブをもとに該当する債券の残存年月、利子率から理論価格を得る。
また、企業が発行した債券の理論価格(平均価格)、及び期待損失額(信用スプレッド)を把握することができる債券投資分析・信用リスク計量分析システムも開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この債券投資分析・信用リスク計量分析システムでは、国債及び社債の価格データと、国債及び社債の銘柄属性データと、社債発行企業の業種データと、社債発行企業の財務的な属性データとを記憶するデータ記憶手段を備える。更に、この債券投資分析・信用リスク計量分析システムは、算出条件指定手段と、算出条件指定手段によって指定された算出条件に従い、データ記憶手段から入力されるデータに基づいて債券投資分析または信用リスク計量分析を算出する演算手段とを備える。そして、この演算手段は、個別銘柄の債券理論価格を演算する債券理論価格演算手段と、個別銘柄の期待損失額を演算する期待損失額演算手段とを備えている。そして、債券発行の企業の倒産確率の期間構造、格付や業種など各種企業属性を組み合わせた分類別の倒産確率の期間構造、及び格付け毎の回収率を算出できる。さらに、企業が発行した債券の理論価格(平均価格)、及び期待損失額(信用スプレッド)を計量分析することができる。
特開2004−5626号公報(第1頁)
しかし、上記のOAS法、フェアバリュー・イールドカーブ法、マトリックス法を用い
た債券理論価格の算出方法では、何れも債券の流動性との関係が明確ではなく、実際の取引価格に対する説明力の点で、市場では参考程度という評価の理論価格となっている。そのため、より市場の信任を得るための理論価格モデルを作成する必要がある。また、特許文献1記載の技術においても流動性を評価していないため、改善の余地がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、流動性を考慮しながら、債券の市場価格及びその関連値に基づいて債券理論価格の推定計算を行なうための債券評価システム及び債券評価プログラムを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1種別の債券としての国債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、前記第1種別の債券よりも流動性の低い第2種別の債券としての社債及び地方債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、前記第2種別の債券の属性情報として地方自治体の財務情報を含む情報を記録した債券情報記憶部に接続され、キャッシュフローと期間と価格から利回りを算出する関係式(a1)と、キャッシュフローと期間と価格と利回りからデュレーションを算出する関係式(a2)と、社債について、尖度レシオを含むリスクファクタから利回りスプレッドを算出する関係式(c1)と、地方債について、尖度レシオを含むリスクファクタ及び利回りスプレッドから信用リスクスプレッドを算出する関係式(d1)と、地方債について、地方自治体の財務情報及び信用リスクスプレッドのファクタを含む変数を用いて信用リスクスプレッドを算出する関係式(e1)と、社債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数から理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f1)と、地方債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び信用リスクスプレッドのファクタから、理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f2)と計算する管理コンピュータを用いて、債券を評価するシステムであって、前記管理コンピュータが、前記債券情報記憶部に記録された第1種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第1種別の債券のリスクフリーレート及びデュレーションを算出し、横軸にデュレーション、縦軸にリスクフリーレートをマッピングし、各点を補間して結んだ曲線からなるリスクフリーレートの期間構造を生成する第1の手段と、前記債券情報記憶部に記録された第2種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第2種別の債券の利回り及びデュレーションを算出し、前記第2種別の債券の利回りから、前記リスクフリーレートの期間構造に第2種別の債券のデュレーションを代入して求めたリスクフリーレートを差し引
いて、前記第2種別の債券の利回りスプレッドを算出する第2の手段と、前記第2種別の債券の利回りの分布及び金利の期間構造の曲線を用いて、前記第1種別、第2種別の債券の利回りの尖度を算出し、前記第2種別の債券の尖度を第1種別の債券の尖度で除算した尖度レシオを算出し、前記尖度レシオについて、前記算出した利回りスプレッドを関係式(c1)に代入して回帰分析を行なうことにより、尖度レシオについてのリスクファクタの算出を行なう第3の手段と、地方債について、前記尖度レシオを含むリスクファクタ及び前記算出した利回りスプレッドを関係式(d1)に代入して、地方債の信用リスクスプレッドを算出する手段と、前記債券情報記憶部に記録された地方自治体の財務情報及び前記算出した信用リスクスプレッドを関係式(e1)に代入して回帰分析を行なうことにより、地方債の信用リスクスプレッドのファクタを算出する手段と、社債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数を関係式(f1)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出し、地方債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び前記信用リスクスプレッドを関係式(f2)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出することにより、この債券の理論値を算出する第4の手段として機能することを要旨とする。
請求項に記載の発明は、第1種別の債券としての国債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、前記第1種別の債券よりも流動性の低い第2種別の債券としての社債及び地方債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、前記第2種別の債券の属性情報として地方自治体の財務情報を含む情報を記録した債券情報記憶部に接続され、キャッシュフローと期間と価格から利回りを算出する関係式(a1)と、キャッシュフローと期間と価格と利回りからデュレーションを算出する関係式(a2)と、社債について、尖度レシオを含むリスクファクタから利回りスプレッドを算出する関係式(c1)と、地方債について、尖度レシオを含むリスクファクタ及び利回りスプレッドから信用リスクスプレッドを算出する関係式(d1)と、地方債について、地方自治体の財務情報及び信用リスクスプレッドのファクタを含む変数を用いて信用リスクスプレッドを算出する関係式(e1)と、社債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数から理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f1)と、地方債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び信用リスクスプレッドのファクタから、理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f2)とを計算する管理コンピュータを用いて、債券を評価するプログラ
ムであって、前記管理コンピュータを、前記債券情報記憶部に記録された第1種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第1種別の債券のリスクフリーレート及びデュレーションを算出し、横軸にデュレーション、縦軸にリスクフリーレートをマッピングし、各点を補間して結んだ曲線からなるリスクフリーレートの期間構造を生成する第1の手段と、前記債券情報記憶部に記録された第2種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第2種別の債券の利回り及びデュレーションを算出し、前記第2種別の債券の利回りから、前記リスクフリーレートの期間構造に第2種別の債券のデュレーションを代入して求めたリスクフリーレートを差し引いて、前記第2種別の債券の利回りスプレッドを算出する第2の手段と、前記第2種別の債券の利回りの分布及び金利の期間構造の曲線を用いて、前記第1種別、第2種別の債券の利回りの尖度を算出し、前記第2種別の債券の尖度を第1種別の債券の尖度で除算した尖度レシオを算出し、前記尖度レシオについて、前記算出した利回りスプレッドを関係式(c1)に代入して回帰分析を行なうことにより、尖度レシオについてのリスクファクタの算出を行なう第3の手段と、地方債について、前記尖度レシオを含むリスクファクタ及び前記算出した利回りスプレッドを関係式(d1)に代入して、地方債の信用リスクスプレッドを算出する手段と、前記債券情報記憶部に記録された地方自治体の財務情報及び前記算出した信用リスクスプレッドを関係式(e1)に代入して回帰分析を行なうことにより、地方債の信用リスクスプレッドのファクタを算出する手段と、社債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数を関係式(f1)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出し、地方債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び前記信用リスクスプレッドを関係式(f2)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出することにより、この債券の理論値を算出する第4の手段として機能させることを要旨とする。
(作用)
請求項1又はに記載の発明によれば、第1種別の債券の価格情報を用いて、前記第1種別の債券の金利の期間構造を推定する。そして、この期間構造を用いて第2種別の債券の利回りスプレッドを推定する。この利回りスプレッドを、第2種別の債券の属性情報を用いて回帰分析を行なうことにより、信用スプレッド、流動性スプレッド及びヘッジリス
クスプレッドを説明するリスクファクタの推定を行なう。そして、このリスクファクタから債券の理論値を算出する。このため、債券を階層化した上で、流動性がある債券の各種スプレッドを算出し、このスプレッドから評価対象の理論値を算出することができる。
発明によれば、第1種別の債券は国債であり、管理コンピュータが、国債の債券価格に基づいてリスクフリーレート及びデュレーションを取得する。これにより、国債の債券価格を用いてリスクフリーレートの期間構造を算出することができる。
発明によれば、第2種別の債券は社債であり、債券情報記憶部に記録された前記第2種別の債券の属性情報には、この社債の格付情報を含む。この格付情報により、信用スプレッドを説明するリスクファクタの推定を行なうことができる。
発明によれば、第2種別の債券は地方債であり、債券情報記憶部に記録された前記第2種別の債券の属性情報には、この地方自治体の財務情報を含む。この財務情報により、信用スプレッドを説明するリスクファクタの推定を行なうことができる。
発明によれば、前記管理コンピュータが、推定した前記第2種別の債券のリスクファクタ、及び債券情報記憶部に記録された第3種別の債券の属性情報を用いて回帰分析を行なうことにより、前記第3種別の債券の信用スプレッド、流動性スプレッド及びヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタの推定を行なう。これにより、第1、第2、第3種別の債券のように、各種別の債券の流動性スプレッド及びヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタを推定することにより、順次、流動性の低い債券の理論値を算出することができる。例えば、第1種別の債券を国債、第2種別の債券を社債、第3種別の債券を地方債とした場合、市場で流動性があり市場価格が体系的に存在する国債の価格を用いて、格付け機関が公表する格付けによる信用スプレッドの評価が確立しているが多数存在する一般債(社債)の理論価格を求めることができる。さらに、その結果をもとに信用スプレッドが不明であったり流動性の乏しい一般債(社債、地方債)の最適な理論価格を求めることができる。
本発明によれば、流動性を考慮しながら、債券の市場価格及びその関連値に基づいて債券理論価格の推定計算を行なうことができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。本実施形態では、債券の理論価格を算出する債券評価システム及び債券評価プログラムとして説明する。この債券理論値を算出するモデル概念を、図1を用いて説明する。本発明では、流動性の高い債券の価格を用いて、流動性の低い債券の理論値(ここでは、理論価格)を算出する。
まず、このモデルでは、利回りスプレッドを分解する。具体的には、債券利回りスプレッドを、信用スプレッド、流動性スプレッド及びヘッジリスクスプレッドに分解して、理論価格の算出を行なう。また、本発明では、国債(リスクフリー)、社債、地方債を用いて階層化を行なう。
そこで、リスクフリーレート(国債)の期間構造を推定する(S1)。ここでは、市場ベンチマークである10年、20年、30年物国債から、国債のデュレーションと利回りとの関係を推定する。
次に、社債の信用スプレッドや流動性スプレッド、ヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタの推定を行なう(S2)。ここでは、社債格付けや業種等の属性に基づき各スプレッドの推定を行なう。
さらに、地方債の信用スプレッドや流動性スプレッド・ヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタを推定する(S3)。ここで、地方債の流動性スプレッド、ヘッジリスクスプレッドを、社債から推定された流動性スプレッド、ヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタを用いて決定する。また、信用スプレッドは、地方自治体の財務デ
ータを用いて推定する。
そして、一般債(社債、地方債)の利回りスプレッドの理論値として理論価格算出する(S4)。ここで、先に算出した社債や地方債の各ファクタを適用して、所望の理論値を算出する。
以下、モデル概念を実現するためのシステム、プログラムを以下に説明する。本実施形態では、図2に示すように、ネットワークNを介して利用者端末10に債券市場参加者が必要とする債券の理論価格を提供する。その応用として、時価評価を必要とする債券保有者に対して理論時価提供サービスも想定している。
利用者端末10は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(RAM、ROM等)、データ送受信手段等を有する。この利用者端末10は、図2に示すように、ネットワークNを介して、債券評価システムとしての債券情報管理システム20に接続される。
債券情報管理システム20は、債券情報を管理するデータの管理に関する各種データ処理を行ない、債券理論価格を算出するためのコンピュータシステムである。図1に示すように、管理コンピュータ21を備えている。管理コンピュータ21は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスク等)やデータ送受信手段等を有する。この管理コンピュータ21は、債券評価に関して後述する処理手順のための債券評価プログラムを実行する。これにより、管理コンピュータ21は、第1の手段〜第7の手段等の各手段として機能する。
さらに債券情報管理システム20は、債券情報記憶部22を備えている。債券情報記憶部22には、図2に示すように、債券理論価格を算出するための基礎情報220が記録されている。基礎情報220は、新たな債券が発行されたり、財務情報は発表されたりした場合に更新され記録される。基礎情報220は、国債価格情報221、一般債価格情報222、社債属性情報223、地方債属性情報224、地方自治体財務情報225及び計算対象一般債属性情報226に関するデータを含んで構成される。
国債価格情報221は、10年、20年、30年の国債の債券価格に関する情報を含む。一般債価格情報222は、社債・地方債等の一般債の債券価格やキャッシュフローに関する情報を含む。
社債属性情報223は、社債格付、業種、発行額、発行後経過年数等の社債属性に関する情報を含む。この社債格付には、公知の社債格付情報提供機関から提供されているものを用いる。
地方債属性情報224は、発行額、発行後経過年数等の地方債属性に関する情報を含む。地方自治体財務情報225は、地方自治体財務に関する情報を含む。この地方自治体財務情報225には、地方税、地方交付税、標準財政規模、投資的経費、歳出総額、義務的経費比率、人件費比率、経常収支比率、単年度収支、実質収支比率、単年度財政力指数、地方債発行額、地方債現在高、公債費比率、公債費負担比率や起債制限比率などに関する情報を含む。
計算対象一般債属性情報226は、この計算対象一般債属性情報226は、理論値を計算する対象である一般債の属性情報である。計算対象一般債属性情報226は、利用者端末10から、計算対象に関する特定情報を含む計算依頼を受信した場合に記録される。
上記のように構成されたシステムにおいて債券の理論価格を算出する場合の処理手順を
、図3を用いて説明する。
まず、債券理論価格を算出するためのモデル式の導出について述べる。最初に、管理コンピュータ21は、10年物、20年物、30年物国債の債券価格からリスクフリーレートYJGB(連続複利換算の利回り)とデュレーションDを求める(S1−1)。ここで、リスクフリーレートとは、リスクのない商品から得ることのできる利回りのことを意味する。デュレーションとは、投資元本の回収までに要する平均残存期間のことを意味する。債券投資から生ずる利子、償還金など将来キャッシュフローが複利運用された結果が投資元本と等しくなる期間になる。
ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された国債価格情報221を用いて、10年物、20年物、30年物国債の債券価格を取得する。そして、債券価格からT年後に発生するキャッシュフローCを算出する。そして、管理コンピュータ21は、T年後に発生するキャッシュフローCを用いて、国債の市場価格PJGBが以下の式を満たすリスクフリーレートYJGBを算出する。ここで、「Σ」はiについての総和を表す。
JGB=Σ・exp(−YJGB・T) …(a1)
一方、デュレーションDは、以下の式を用いて算出する。
D=Σ・C・exp(−YJGB・T)/PJGB …(a2)
次に、管理コンピュータ21は、算出した国債のデュレーションDとリスクフリーレートYJGBの組み合せに対して、デュレーション/リスクフリーレート関係を算出する。ここでは、横軸にデュレーションD、縦軸にリスクフリーレートYJGBをマッピングし、各点を補間して結ぶ曲線を3次曲線の平滑化スプライン関数を用いて近似した。この曲線をリスクフリーレートの期間構造と呼ぶ。
次に、管理コンピュータ21は、社債、地方債等の一般債の利回りを算出する(S1−2)。ここでは、管理コンピュータ21は、i番目の一般債について、国債と同様にして、一般債の債券価格とキャッシュフローをもとに、利回りY、デュレーションD及びコンベクシティを求める。ここで、利回りYとして連続複利換算の利回りを想定する。ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された一般債価格情報222を用いる。具体的には、管理コンピュータ21は、国債と同様に式(a1)、式(a2)を用いて、T年後のキャッシュフローC、一般債の市場価格を用いて利回りY、デュレーションDを算出する。また、コンベクシティとは、利回りの変化に対するデュレーションの感応度を示す。
まず、管理コンピュータ21は、一般債と国債の利回り格差(スプレッド)を、以下の式により算出する。具体的には、一般債の利回りYから、一般債のデュレーションをリスクフリーレートの期間構造に代入して求めた国債のリスクフリーレートYJGB,iを差し引いて求める。
ΔY=Y−YJGB,i …(b1)
ここで、ΔYはi番目の一般債の利回りスプレッド、Yはi番目の一般債の利回りである。また、YJGB,iは、一般債と等価なデュレーションを持つ国債のリスクフリーレートである。
次に、管理コンピュータ21は、ボラティリティ・レシオと尖度レシオを計算する。ここでは、まず、一般債の利回りと国債のリスクフリーレートの期間構造の履歴データから、以下の統計量を算出する(S1−3)。まず、管理コンピュータ21は、一般債の利回りのボラティリティ(標準偏差)を算出する。更に、一般債の利回りに関してデータの分布を特徴づける指標のひとつである尖度を算出する。更に、一般債のデュレーションと等
価な国債のリスクフリーレートのボラティリティ(標準偏差)、一般債のデュレーションと等価な国債のリスクフリーレートの尖度を算出する。そして、管理コンピュータ21は、一般債の利回りと一般債のデュレーションと等価な国債のリスクフリーレートの間の相関係数を算出する。
次に、管理コンピュータ21は、これらの統計量を用いて、ボラティリティ・レシオ及び尖度レシオを算出する。ここで、ボラティリティ・レシオは、一般債の利回りのボラティリティを、国債のリスクフリーレートのボラティリティで除算して算出する。一方、尖度レシオは、一般債の利回りの尖度を、国債のリスクフリーレートの尖度で除算して算出する。
次に、一般債のうちの社債について、その利回りスプレッドΔYから、リスクファクタとして、社債の信用力、流動性とヘッジリスクに関するリスクファクタβを推定する(S1−4)。ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された社債属性情報223を用いる。そして、管理コンピュータ21は、以下の式からリスクファクタβを回帰分析で求める。さらに、本実施形態では、利回りスプレッドを各リスクファクタに分解し、各々のリスクファクタが積で寄与するとしたモデルを想定する。この場合、利回りスプレッドの対数を計算することで、各リスクファクタの和の式に変換でき、回帰分析が可能となる。
lnΔY=Σβ・Xi,j +ε …(c1)
ここで、ΔYはi番目の一般債(社債)の利回りスプレッドであり、Y−YJGB,iから計算する。また、Xi,jはi番目の一般債(社債)に関する説明変数であり、εは誤差項である。j=1は格付けを表す。この場合、格付けに応じてjは細分化されており、j=1(1)は最上位格付け「AAA」を意味し、j=1(x)はx番目の格付けを意味する。そして、社債の属性に応じて説明変数は「0」又は「1」の値とする。例えば、i番目の一般債の格付けが、「n番目の格付け」の場合、このXi,1(n)のみが「1」に設定して、これ以外の格付けに対応するXi,1(x)は「0」に設定する。
また、j=2は業種を表し、業種区分に応じてjは細分化されている。ここでは、証券コード協議会が定める33業種の業種別分類項目を用いる。この場合も、格付けと同様に、i番目の一般債に関する業種に応じて説明変数は「0」又は「1」に設定する。
また、j=3は発行額、j=4は発行後経過年数、j=5はボラティリティ・レシオ、j=6は尖度レシオ、j=7は相関係数、j=8はデュレーション、j=9はコンベクシティ、j=10はj=9までのリスクファクタによらない定数項を意味する。
次に、管理コンピュータ21は、地方債の利回りスプレッドから信用リスクスプレッドを算出する(S1−5)。地方債の流動性とヘッジリスクのリスクファクタは社債と同様とみなして、社債流動性およびヘッジリスクのリスクファクタを用いて、地方債の信用リスクスプレッドを抽出する。ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された地方債属性情報224を用いる。
管理コンピュータ21は、k番目の一般債(地方債)の利回りスプレッドの信用リスク部分ΔYcredit,kを、式(c1)と同様に対数を計算した以下の式を用いて算出する。ここで、右辺第2項は流動性とヘッジリスクに関わるjのみについて適用する。すなわち、「3」以上のjのみについて計算する。
lnΔYcredit,k=lnΔY−Σβ・Xkj …(d1)
を用いる。
次に、管理コンピュータ21は、地方債の信用リスクスプレッドのファクタ分析を行なう(S1−6)。地方債の信用リスクスプレッドを、地方自治体の財務データで回帰分析を行なう。ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された地方自治体財務情報225を用いる。地方債の信用リスクスプレッドの説明変数としては、歳入面からみた収益性、歳出面からみた収益性、総合評価からみた収益性、地方債関連比率を用いる。格付け機関が公表している地方債の格付けには、実質的な差がほとんどなく、財務力の違いを忠実に反映しているものとはいえず、地方債価格に対する影響度合いは乏しい。ここでは、財務力(信用リスク)の違いを反映する説明変数として、地方自治体の財務データのうち収益性に関係するものを中心に採用した。これらは従来のモデルにはない説明変数である。
ここで、「歳入面からみた収益性」として、地方税の標準財政規模に対する比率や地方交付税の標準財政規模に対する比率を用いる。また、「歳出面からみた収益性」としては、投資的経費の歳出総額に対する比率、義務的経費比率や人件費比率を用いる。「総合評価からみた収益性」としては、経常収支比率、単年度収支の標準財政規模に対する比率、実質収支比率や単年度財政力指数を用いる。「地方債関連比率」としては、地方債発行額の標準財政規模に対する比率や地方債現在高の標準財政規模に対する比率、公債費比率、公債費負担比率、起債制限比率を用いる。
そして、信用リスクスプレッドのファクタ分析を行なう。ここでは、式(c1)と同様に対数を計算した以下の式を用いて、ファクタλを回帰分析で求める。
lnΔYcredit,k=Σλ・Zlk+ξ …(e1)
からファクタλを回帰分析で用いる。
ここで、Zlkをl番目の説明変数、λはl番目の説明変数に対する係数としてのファクタ、ξは誤差項である。
最後に、上記で求めた各リスクファクタをもとに、債券の理論価格を算出することが可能なモデル式を導出する(S1−7)。ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された計算対象一般債属性情報226を用いる。具体的には、債券理論価格を算出する一般債の説明変数(下記のXj、)に対して、上記で算出したファクタ(βj、λ)を適用して算出する。本実施形態では、管理コンピュータ21が、以下の債券理論価格を算出するための利回りスプレッドの理論値を算出する。
社債の理論的な利回りスプレッドΔYは、
lnΔY=Σβ・X …(f1)
を用いて算出する。
また、地方債の理論的な利回りスプレッドΔYは、
lnΔY=Σβ・X+Σλ・Z …(f2)
を用いて算出する。なお、第1項は、流動性とヘッジリスクに関わるjのみについての総和を行なう。
以下は、本発明の有効性を示すために、具体的に適用した結果を示す。ここで、計測時点は、2002年6月末、同9月末、同12月末、2003年3月末、同6月末である。
(1) 従来の手法のように流動性とヘッジリスクは考慮せずに、格付けと業種のみを考慮して、社債の利回りスプレッドの推定計算を行なった場合、モデルの説明力を示す決定係数(自由度調整済みのR)は、「0.7332」、「0.6807」、「0.5719」、「0.6630」、「0.6785」であった。これに対して、流動性とヘッジリスクも考慮した本モデルを上記と同じ社債の利回りスプレッドの推定計算に適用した場合のモデルの説明力を示す決定係数(自由度調整済みのR)は、「0.7820」、「0.7737」、「0.6834」、「0.7496」、「
0.7361」となる。このように、すべての計測時点において、従来手法に比較して高い信頼度を得ることができた。
(2) 従来の手法では、地方債の利回りスプレッドの推定計算は困難であった。しかし、本モデルを地方債の利回りスプレッドの推定計算に適用した場合のモデルの説明力を示す決定係数(自由度調整済みのR)は、0.47〜0.64となった。地方債の場合、社債に比べ決定係数が低くなるが、流動性が低い地方債であっても実用に耐える水準での理論値を計算することができる。
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、市場で流動性があり市場価格が体系的に存在する国債の価格、市場価格が一部存在する流動性の低い一般債(社債、地方債)の価格を入力データとする。そして、一般債(社債、地方債)の価格が国債に対する信用スプレッド(利回り格差)と流動性スプレッド及びヘッジリスクスプレッドの3つから形成されるとした分析モデルを用いる。説明変数として、一般債(社債、地方債)の格付け、業種、発行額、発行後の経過年数、ボラティリティ(利回り変動率の標準偏差)、利回り変動率の尖度、国債利回りの値動きとの相関、デュレーション(期間構造)、コンベクシティを採用する。この分析モデルを用い、まず格付け機関が公表する格付けによる信用スプレッドの評価が確立しているが多数存在する一般債(社債)の理論価格を求める。そして、その結果をもとに信用スプレッドが不明であったり流動性の乏しい一般債(社債、地方債)の最適な理論価格を求める。これにより、流動性が高く時価の存在する債券の市場価格、格付け機関が公表する格付け等の過去のデータをもとに、流動性が低く時価の存在しない債券の理論価格を、より正確に算出することができる。
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、リスクフリーレート(国債)の期間構造を推定する(S1)。次に、管理コンピュータ21は、社債の信用スプレッドや流動性スプレッド、ヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタの推定を行なう(S2)。さらに、管理コンピュータ21は、地方債の信用スプレッドや流動性スプレッド・ヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタを推定する(S3)。そして、管理コンピュータ21は、一般債(社債、地方債)の利回りスプレッドの理論値を算出し、それを用いて一般債(社債、地方債)の理論価格として算出する(S4)。
すなわち、上記実施形態では、流動性の低い債券の各種リスクに着目する。債券の価格は、その債券の利回りと国債利回りとのスプレッド(利回り格差)で決定される。利回りスプレッドの対数を用いたとき、各種リスクの値(リスクファクタ)の積となり、各リスクファクタは過去の価格(利回り)の履歴から統計的手法で求めることができる。流動性の低い一般債(社債、地方債)のリスクを信用リスク、流動性リスク、ヘッジリスクの3つに分解し、一般債の利回りとリスクフリーの国債利回りとのスプレッドを決定する。信用リスクは、債券の発行体が財政破綻をきたす可能性(デフォールト確率)により、国債利回り(リスクフリーレート)に上乗せされるスプレッドを示す。一方、流動性リスクは、債券の売買時において取引の相手方を見つけることの困難さの度合いに応じてリスクフリーレートに上乗せされるスプレッドを示す。さらに、ヘッジリスクは、一般債(社債、地方債)の利回りの変化が国債の利回り変化と似ている度合いに応じてリスクフリーレートに上乗せされるスプレッドを示す。
このようにして、市場価格がある債券の価格を用いて、市場価格のない債券を含む一般債の理論価格を算出することができる。従って、従来の算出モデルに依存することなく、流動性を考慮し、債券の市場価格及びその関連値に基づいて債券理論価格を、より正確に推定計算することができる。具体的には、無リスクで市場流動性がある国債価格と、格付け機関が公表する格付けが多数存在する社債の理論価格と、流動性の最も低い地方債の理
論価格との間に成立する理論的な関係式を表現することで、効率的な計算を行うことが可能となる。
・ 上記実施形態では、利回りスプレッドを各リスクファクタに分解し、各リスクファクタが積で寄与するとしたモデルを想定する。すなわち、管理コンピュータ21は、以下の式からリスクファクタβを回帰分析で求める。
lnΔY=Σβ・Xij+ε
これにより、市場環境、特に需給や市場参加者のリスク許容度により、スプレッドが拡大・縮小する現象に対応することができる。
・ 上記実施形態では、地方債の信用リスクスプレッドを、地方自治体の財務データで回帰分析を行なう。ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された地方自治体財務情報225を用いる。地方債の信用リスクスプレッドの説明変数としては、歳入面からみた収益性、歳出面からみた収益性、総合評価からみた収益性、地方債関連比率を用いる。このように、これら収益性を中心とした説明変数を採用することにより、地方債の信用リスクスプレッドのファクタを、より的確に算出することができる。
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施例では、10年物、20年物、30年物国債の債券価格からリスクフリーレートYJGB(連続複利換算の利回り)とデュレーションDを求める(S1−1)。このリスクフリーレートYJGBとして、国債利回りに限られるものではなく、LIBORやスワップ・レートを利用する方法もある。
○ 上記実施例では、債券情報管理システム20は、債券理論価格を算出するための基礎情報220を記録した債券情報記憶部22を備えている。これに代えて、管理コンピュータ21が、債券情報管理システム20の情報提供サーバから、各種情報を取得してもよい。これにより、必要なときに最新の情報を取得して、これを利用して債券理論価格を算出することができる。
○ 上記実施例では、利回りスプレッドを各リスクファクタに分解し各々のリスクファクタが積で寄与するとしたモデルを想定する。これに代えて、リスクファクタが和で寄与すると想定してもよい。この場合には、管理コンピュータ21は、以下の式からリスクファクタβを回帰分析で求める。
ΔY=Σβ・Xij+ε
また、管理コンピュータ21は、流動性とヘッジリスクに関わるjのみについて、k番目の一般債(地方債)の利回りスプレッドの信用リスク部分ΔYcredit,kを、以下の式を用いて算出する。
ΔYcredit,k=ΔY−Σβ・Xkj
そして、信用リスクスプレッドのファクタ分析を行なう。ここでは、以下の式を用いて、ファクタλを回帰分析で求める。
ΔYcredit,k=Σλ・Zlk+ξ
最後に、上記で求めた各リスクファクタをもとに、債券の理論価格を算出することが可能なモデル式を導出する。ここでは、管理コンピュータ21は、債券情報記憶部22に記録された計算対象一般債属性情報226を用いる。管理コンピュータ21は、以下の債券理論価格を算出する。
社債の理論的な利回りスプレッドΔYを、
ΔY=Σβ・Xij
また、地方債の理論的な利回りスプレッドΔYを、
ΔY=Σβ・X+Σλ・Z
を用いて算出する。ここでも、第1項は流動性とヘッジリスクに関わるjのみについて総和する。こにより、各種リスクの値(リスクファクタ)の線形和となり、各リスクファクタは過去の価格(利回り)の履歴から統計的手法で求めることができる。
○ 上記実施例では、説明変数として格付けや業種を用いる。これに変えて、格付けのみを用いてもよい。この場合、本モデルを社債の利回りスプレッドの推定計算に適用したモデルの説明力を示す決定係数(自由度調整済みのR)は、「0.7261」、「0.7318」、「0.6381」、「0.6866」、「0.6830」となり、すべての計測時点において高い信頼度を得ることができた。この場合、業種は考慮せずに、より簡易に計算した場合においても、0.6 以上の値を得ることができる。
○ 上記実施例では、社債の流動性スプレッド、ヘッジリスクスプレッドを説明するリスクファクタを用いて、地方債の信用リスクスプレッドを説明するリスクファクタを算出する。これに代えて、第2の債券として地方債の各ファクタを直接、算出してもよい。この場合には、市場価格の存在する地方債を対象にして、地方自治体の財務データと結合することにより、社債と同様に、直接に地方債の信用スプレッド、流動性スプレッド及びヘッジリスクスプレッドを推定する。これにより、直接、地方債の理論値を算出できる。
○ 上記実施例では地方債の信用リスクスプレッドを説明するリスクファクタを計算する際、東京都や福岡県のように発行団体毎に計算する。これに代えて、地方債の銘柄毎に各ファクタを直接、算出してもよい。この場合、発行銘柄の基準数を予め設けておき、発行銘柄数がこの基準数を超えた場合に、発行団体毎から銘柄毎の計算に変更するようにしてもよい。地方債に関しては流動性が低いため、銘柄毎に計算を行なうと理論値と実際の価格との差のばらつきが大きくなるが、モデルの説明力(決定係数)を向上させることができる。このようにして、状況に応じて、適切な計算を行なうことができる。
本発明の実施形態のモデル概念図。 本発明の実施形態のシステム概略図。 本実施形態における処理手順の説明図。
符号の説明
10…利用者端末、20…債券評価システムとしての債券情報管理システム、21…管理コンピュータ、22…債券情報記憶部、220…基礎情報、223…社債格付情報、224…地方債属性情報、225…地方自治体財務情報、N…ネットワーク、D…デュレーション、ΔY,ΔY…スプレッド、YJGB…リスクフリーレート、β…リスクファクタ。

Claims (2)

  1. 第1種別の債券としての国債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、
    前記第1種別の債券よりも流動性の低い第2種別の債券としての社債及び地方債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、
    前記第2種別の債券の属性情報として地方自治体の財務情報を含む情報を記録した債券情報記憶部に接続され、
    キャッシュフローと期間と価格から利回りを算出する関係式(a1)と、
    キャッシュフローと期間と価格と利回りからデュレーションを算出する関係式(a2)と、
    社債について、尖度レシオを含むリスクファクタから利回りスプレッドを算出する関係式(c1)と、
    地方債について、尖度レシオを含むリスクファクタ及び利回りスプレッドから信用リスクスプレッドを算出する関係式(d1)と、
    地方債について、地方自治体の財務情報及び信用リスクスプレッドのファクタを含む変数を用いて信用リスクスプレッドを算出する関係式(e1)と、
    社債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数から理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f1)と、
    地方債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び信用リスクスプレッドのファクタから、理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f2)と
    を計算する管理コンピュータを用いて、債券を評価するシステムであって、
    前記管理コンピュータが、
    前記債券情報記憶部に記録された第1種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第1種別の債券のリスクフリーレート及びデュレーションを算出し、横軸にデュレーション、縦軸にリスクフリーレートをマッピングし、各点を補間して結んだ曲線からなるリスクフリーレートの期間構造を生成する第1の手段と、
    前記債券情報記憶部に記録された第2種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格
    情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第2種別の債券の利回り及びデュレーションを算出し、
    前記第2種別の債券の利回りから、前記リスクフリーレートの期間構造に第2種別の債券のデュレーションを代入して求めたリスクフリーレートを差し引いて、前記第2種別の債券の利回りスプレッドを算出する第2の手段と、
    前記第2種別の債券の利回りの分布及び金利の期間構造の曲線を用いて、前記第1種別、第2種別の債券の利回りの尖度を算出し、
    前記第2種別の債券の尖度を第1種別の債券の尖度で除算した尖度レシオを算出し、前記尖度レシオについて、前記算出した利回りスプレッドを関係式(c1)に代入して回帰分析を行なうことにより、尖度レシオについてのリスクファクタの算出を行なう第3の手段と、
    地方債について、前記尖度レシオを含むリスクファクタ及び前記算出した利回りスプレッドを関係式(d1)に代入して、地方債の信用リスクスプレッドを算出する手段と、
    前記債券情報記憶部に記録された地方自治体の財務情報及び前記算出した信用リスクスプレッドを関係式(e1)に代入して回帰分析を行なうことにより、地方債の信用リスクスプレッドのファクタを算出する手段と、
    社債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数を関係式(f1)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出し、
    地方債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び前記信用リスクスプレッドを関係式(f2)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出することにより、この債券の理論値を算出する第4の手段
    として機能することを特徴とする債券評価システム。
  2. 第1種別の債券としての国債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、
    前記第1種別の債券よりも流動性の低い第2種別の債券としての社債及び地方債について、価格情報と期間毎のキャッシュフローと、
    前記第2種別の債券の属性情報として地方自治体の財務情報を含む情報を記録した債券情報記憶部に接続され、
    キャッシュフローと期間と価格から利回りを算出する関係式(a1)と、
    キャッシュフローと期間と価格と利回りからデュレーションを算出する関係式(a2)と、
    社債について、尖度レシオを含むリスクファクタから利回りスプレッドを算出する関係式(c1)と、
    地方債について、尖度レシオを含むリスクファクタ及び利回りスプレッドから信用リスクスプレッドを算出する関係式(d1)と、
    地方債について、地方自治体の財務情報及び信用リスクスプレッドのファクタを含む変数を用いて信用リスクスプレッドを算出する関係式(e1)と、
    社債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数から理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f1)と、
    地方債について、尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び信用リスクスプレッドのファクタから、理論的な利回りスプレッドを算出する関係式(f2)と
    を計算する管理コンピュータを用いて、債券を評価するプログラムであって、
    前記管理コンピュータを、
    前記債券情報記憶部に記録された第1種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第1種別の債券のリスクフリーレート及びデュレーションを算出し、横軸にデュレーション、縦軸にリスクフリーレートをマッピングし、各点を補間して結んだ曲線からなるリスクフリーレートの期間構造を生成する第1の手段と、
    前記債券情報記憶部に記録された第2種別の債券の期間毎のキャッシュフロー及び価格情報を関係式(a1)及び関係式(a2)に代入して、前記第2種別の債券の利回り及び
    デュレーションを算出し、
    前記第2種別の債券の利回りから、前記リスクフリーレートの期間構造に第2種別の債券のデュレーションを代入して求めたリスクフリーレートを差し引いて、前記第2種別の債券の利回りスプレッドを算出する第2の手段と、
    前記第2種別の債券の利回りの分布及び金利の期間構造の曲線を用いて、前記第1種別、第2種別の債券の利回りの尖度を算出し、
    前記第2種別の債券の尖度を第1種別の債券の尖度で除算した尖度レシオを算出し、前記尖度レシオについて、前記算出した利回りスプレッドを関係式(c1)に代入して回帰分析を行なうことにより、尖度レシオについてのリスクファクタの算出を行なう第3の手段と、
    地方債について、前記尖度レシオを含むリスクファクタ及び前記算出した利回りスプレッドを関係式(d1)に代入して、地方債の信用リスクスプレッドを算出する手段と、
    前記債券情報記憶部に記録された地方自治体の財務情報及び前記算出した信用リスクスプレッドを関係式(e1)に代入して回帰分析を行なうことにより、地方債の信用リスクスプレッドのファクタを算出する手段と、
    社債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数を関係式(f1)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出し、
    地方債について、前記尖度レシオのリスクファクタを含む変数及び前記信用リスクスプレッドを関係式(f2)に代入して理論的な利回りスプレッドを算出することにより、この債券の理論値を算出する第4の手段
    として機能させることを特徴とする債券評価プログラム。
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