<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態の無線通信端末装置3を備える無線通信システム1の構成を模式的に示す図である。無線通信システム1は、図1に示すように、基地局2と、複数の無線通信端末装置(以下、単に「端末装置」という場合がある)3とを備えて構成される。本実施の形態では、無線通信システム1は、4つの端末装置3、具体的には第1端末装置3a、第2端末装置3b、第3端末装置3cおよび第4端末装置3dを備える。以下の説明において、特定の端末装置を指す場合には、参照符号「3」に添え字「a」〜「d」を付して示し、不特定の端末装置を指す場合には、参照符号「3」の添え字「a」〜「d」を省略する。
無線通信システム1は、第1〜第4端末装置3a〜3dのグループ間で、2周波シンプレックス方式による1対Nプレストーク通信を行う。各端末装置3は、プレストークスイッチを備えており、プレストークスイッチが利用者によって押下されると、予め定める第1周波数Faの信号(以下「上り信号」という場合がある)4を基地局2に向けて送信する。
基地局2は、各端末装置3と無線通信可能に構成される。基地局2は、端末装置3から送信された上り信号4を受信すると、受信した上り信号4を折返して、下り信号5として他の端末装置3に送信する中継を行う。このとき、基地局2は、自局の送信信号が受信部に回り込んでしまうことを回避するために、下り信号5の周波数を上り信号4とは別の周波数にする必要がある。したがって2周波シンプレックス方式が採られており、基地局2は、第1周波数Faとは異なる周波数である、予め定める第2周波数Fbの信号(以下「下り信号」という場合がある)を、下り信号5として送信する。
各端末装置3は、基地局2から送信される第2周波数Fbの下り信号5を待受けて、受信するように構成される。つまり、各端末装置3は、第1周波数Faの上り信号4を送信し、第2周波数Fbの下り信号5を受信するように構成される。
ここで、第1〜第4端末装置3a〜3dのうち、第1〜第3端末装置3a〜3cが、基地局2との無線通信が可能な範囲(以下「サービスエリア」という場合がある)Rb内に存在し、残りの第4端末装置3dが、基地局2との無線通信が不可能な範囲、すなわちサービスエリアRb外に存在する場合を想定する。
たとえば、第2端末装置3bの利用者が送話するときは、第2端末装置3bに予め設けられるプレストークスイッチを押下する。これによって、予め定める第1周波数Faの上り信号4が第2端末装置3bから基地局2に向けて送信される。第2端末装置3bから送信された上り信号4は、基地局2によって受信される。
基地局2は、受信した上り信号4を復号して、第1周波数Faとは異なる周波数である、予め定める第2周波数Fbの下り信号5に変換して、下り信号5を、サービスエリアRb内の第2端末装置3b以外の端末装置、具体的には第1,第3端末装置3a,3cに送信する。図1では、図面が煩雑になることを避けるために、基地局2から第3端末装置3cに向かって送信される下り信号5は、記載を省略している。ここで、サービスエリアRbは、基地局2から送信された下り信号5が到達する範囲である。
サービスエリアRb内の第1,第3端末装置3a,3cは、第2周波数Fbの下り信号5を受信可能であるので、基地局2から第2周波数Fbの下り信号5が送信されたときは、この下り信号5を受信して音声に復号する。これによって、第1,第3端末装置3a,3cの利用者は、第2端末装置3bの通話内容を聞くことができる。
第4端末装置3dは、サービスエリアRb外に存在するので、基地局2から送信される下り信号5を受信することができない。したがって、第4端末装置3dの利用者は、基地局2を介した通信では、第2端末装置3bの通話内容を聞くことができない。
また第4端末装置3dの利用者が送話するとき、第4端末装置3dは、基地局2のサービスエリアRb外に存在するので、第4端末装置3dから送信される上り信号6は、基地局2まで到達しない。したがって第4端末装置3dは、基地局2を介して他の端末装置3a〜3cと通信することはできないが、他の端末装置3a〜3cと緊急に連絡をとる必要が生じる場合などがある。
この場合、たとえば第4端末装置3dから送信された上り信号(以下「送信信号」という場合がある)7が到達する範囲Rt内に第3端末装置3cが存在していて、第3端末装置3cが第4端末装置3dから送信された送信信号7を受信することができれば、第3端末装置3cの利用者が第4端末装置4の通話内容を再度口頭で送話することによって、基地局2を介して、サービスエリアRb内に存在する他の端末装置3a,3bに送信することが可能である。
前述のように第3端末装置3cが基地局2から送信される第2周波数Fbの下り信号5を待受けている場合には、第3端末装置3cは、第4端末装置3dから送信された第1周波数Faの送信信号7を受信することができない。したがって、第4端末装置3dから送信される送信信号7が到達する範囲Rtに第3端末装置3cが存在していても、第4端末装置3dは、第3端末装置3cと互いに通信することができない。
たとえば、サービスエリアRb内に存在する第3端末装置3cが、利用者によって手動で受信周波数を、下り信号の第2周波数Fbから、上り信号の第1周波数Faに切換えられれば、サービスエリアRb外に存在する第4端末装置3dから送信される送信信号7を受信することが可能である。しかし、第3端末装置3cの利用者は、第4端末装置3dから送信される送信信号7の到達範囲Rt内に自装置が存在しているか否かを判断することができないので、どのようなタイミングで受信周波数を切換えればよいのかを決定することができないという問題がある。
また端末装置3に受信系統を2つ設けて、一方の受信系統で第1周波数Faの信号を受信し、他方の受信系統で第2周波数Fbの信号を受信するように構成すれば、他の端末装置3から送信される送信信号、および基地局2から送信される送信信号の両方の信号を受信することが可能となる。しかし、基地局2を介した通信では、基地局2が端末装置3からの上り信号4を受信し、下り信号5に変換して他の端末装置3に送信する中継処理を行うので、中継処理を行わずに端末装置3同士で直接に送受信される上り信号4に比べて、下り信号5は、必ず一定時間遅れて他の端末装置3に到達する。換言すると、端末装置3から他の端末装置3に直接に送信される上り信号4の方が、基地局2から送信される下り信号5よりも先に他の端末装置3に到達する。したがって、受信状態の良い信号を確実に選択することが難しいという問題がある。
このような問題を解消するために、本実施の形態の無線通信端末装置3は、図2および図3に示す構成を採用している。
図2は、本発明の第1の実施の形態の無線通信端末装置3の構成を示すブロック図である。無線通信端末装置3は、送信部11、受信部12、操作部13および制御部14を備えて構成される。送信部11、受信部12および操作部13は、制御部14にそれぞれ電気的に接続されている。無線通信端末装置3は、たとえば携帯電話機によって実現される。
送信部11は、制御部14から与えられる信号の圧縮、および予め定める通信方式に基づく信号の同期化をした後、波形整形してベースバンド信号を生成する。送信部11は、生成したベースバンド信号を、デジタル/アナログ(略称:D/A)変換処理によってアナログ信号に変換し、所定の変調方式に基づいて変調することによって送信信号を生成する。送信部11は、生成した送信信号を、上り信号として、不図示の送信用アンテナを介して基地局2および他の無線通信端末装置3に送信する。
受信部12は、詳細は後述するが、受信用アンテナで受信した電気信号を復調し、復調した電気信号をアナログ/デジタル(略称:D/A)変換処理によってデジタル信号に変換し、圧縮されているデジタル信号の伸長処理などをする。受信部12は、伸長処理などをした信号を復号して音声として出力する。
操作部13は、操作者が操作する操作キーなどの複数の操作片を有する。操作部13は、操作片として、たとえば、通話または電子メールの送受信を行うときに利用者によって操作される数字キーおよび文字キーを備えている。操作部13は、各操作片である数字キーおよび文字キーなどが操作されることによって、数字情報、文字情報および無線通信端末装置3への指示情報など、操作に応じた情報を表す信号を生成して制御部14に与える。したがって無線通信端末装置3の利用者は、操作部13の各操作片を操作して、無線通信端末装置3に情報を与えることができる。
制御部14は、たとえば中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称:CPU)を含んで実現され、その内部に記憶される制御プログラムに基づいて、送信部11、受信部12および操作部13を統括的に制御する。
図3は、無線通信端末装置3の受信部12の構成を示すブロック図である。受信部12は、第1受信アンテナ21、第1RF(Radio Frequency)部22、第1復調部23、メモリ部24、第2受信アンテナ25、第2RF部26、第2復調部27、スイッチ28、切換制御部29、復号部30およびスピーカ31を備えて構成される。第1および第2受信アンテナ21,25は、前述の受信用アンテナである。切換制御部29および前述の図2に示す制御部14は、制御手段に相当する。復号部30は、復号手段に相当する。メモリ部24は、記憶部に相当する。
受信部12では、第1受信アンテナ21、第1RF部22、第1復調部23およびメモリ部24によって、第1受信系統32が構成され、第2受信アンテナ25、第2RF部26および第2復調部27によって、第2受信系統33が構成される。
第1受信アンテナ21は、無線通信システム1を構成する他の無線通信端末装置3から送信される高周波の信号を捕捉して、第1RF部22に与える。第1RF部22には、第1受信アンテナ21から与えられる高周波の信号のうち、受信するべき信号の周波数(以下「受信周波数」という場合がある)が予め設定されている。第1RF部22は、第1受信アンテナ21から与えられる高周波の信号から、予め設定された受信周波数である第1周波数Faの上り信号を抽出し、ベースバンド信号に変換する。第1RF部22は、ベースバンド信号を第1復調部23に与える。第1RF部22は、後述する切換制御部29から与えられる受信周波数の設定を変更する指示に従って受信周波数を適宜変更可能に構成されている。
第1復調部23は、第1RF部22から与えられるベースバンド信号に基づいて、受信した上り信号を復調する。第1復調部23は、復調した信号(以下「復調信号」という場合がある)をメモリ部24に与える。また第1復調部23は、所定の時刻tにおいて第1受信アンテナ21を介して受信した上り信号の受信電界強度(以下「上り受信電界強度」という場合がある)Euを測定し、その測定結果を後述する切換制御部29に与える。
メモリ部24は、第1復調部23から与えられた復調信号を、予め定める予測遅延時間τが経過するまで記憶する。メモリ部24は、予測遅延時間τが経過すると、記憶した復調信号を後述するスイッチ28に与える。本実施の形態では、予測遅延時間τは、基地局2における折返し中継に要する処理時間、すなわち他の端末装置3から送信された上り信号が基地局2に受信されてから、下り信号に変換されて送信されるまでに要する時間として、予め定められる。このようにして第1受信系統32は、他の端末装置3から送信される第1周波数Faの上り信号を受信する。
第2受信アンテナ25は、無線通信システム1を構成する基地局2から送信される高周波の信号を捕捉して、第2RF部26に与える。第2RF部26には、第2受信アンテナ25から与えられる高周波の信号のうち、受信するべき信号の受信周波数が予め設定されている。第2RF部26は、第2受信アンテナ25から与えられる高周波の信号から、予め設定された受信周波数である第2周波数Fbの下り信号を抽出し、ベースバンド信号に変換する。第2RF部26は、ベースバンド信号を第2復調部27に与える。第2RF部26は、後述する切換制御部29から与えられる受信周波数の設定を変更する指示に従って受信周波数を適宜変更可能に構成されている。
第2復調部27は、第2RF部26から与えられるベースバンド信号に基づいて、受信した下り信号を復調する。第2復調部27は、復調信号をスイッチ28に与える。また第2復調部27は、第1受信系統32が上り信号を受信した時刻tから前述の予測遅延時間τが経過した時刻t+τにおいて、第2受信アンテナ25を介して受信した下り信号の受信電界強度(以下「下り受信電界強度」という場合がある)Edを測定し、その測定結果を後述する切換制御部29に与える。このようにして第2受信系統33は、基地局2から送信される第2周波数Fbの下り信号を受信する。
スイッチ28は、後述する切換制御部29からの制御信号に従ってスイッチング態様を切換えて、メモリ部24から与えられた復調信号、または第2復調部27から与えられた復調信号を復号部30に与える。
切換制御部29は、上り信号および下り信号のうち少なくともいずれか一方を受信すると、第1復調部23から与えられた時刻tにおける上り受信電界強度Euと、第2復調部27から与えられた時刻t+τにおける下り受信電界強度Edとを比較して、上り受信電界強度Euと下り受信電界強度Edの大小関係を判断する。
切換制御部29は、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Edよりも大きいと判断すると、スイッチ28のスイッチング態様を、メモリ部24の出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号をスイッチ28に与える。また切換制御部29は、下り受信電界強度Edが上り受信電界強度Eu以上であると判断すると、スイッチ28のスイッチング態様を、第2復調部27の出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号をスイッチ28に与える。
復号部30は、スイッチ28から与えられたメモリ部24からの復調信号、すなわち第1受信系統32で受信された上り信号、または第2復調部27からの復調信号、すなわち第2受信系統33で受信された下り信号を、前述の図2に示す制御部14からの指示に基づいて音声に復号してスピーカ31に与える。スピーカ31は、復号部30から与えられる音声を出力する。
第1受信系統32によって、他の無線通信端末装置3から送信される第1周波数Faの上り信号を受信し、第2受信系統33によって、基地局2から送信される第2周波数Fbの下り信号を受信する動作をしている状態を、以下の説明では「通常受信動作状態」という。
図4は、本発明の第1の実施の形態における無線通信端末装置3の受信動作を説明するための図である。図4では、理解を容易にするために、図1に示す無線通信システム1を構成する端末装置のうち、サービスエリアRb内の第3端末装置3c、およびサービスエリアRb外の端末装置3dのみを示している。
前述のように第3端末装置3cが基地局2のサービスエリアRb内に存在し、第4端末装置3dがサービスエリアRbの外に存在する場合を想定する。第3端末装置3cは、第4端末装置3dの送信信号7の到達範囲Rt内に存在するものとする。この場合、第4端末装置3dが送信信号を送信したとき、第4端末装置3dから送信される第1周波数Faの送信信号6,7は、第3端末装置3cには到達するが、基地局2には到達しない。このとき、第3端末装置3cの受信部12は、以下のように動作する。
図5は、第3端末装置3cの受信部12における切換制御部29の動作の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの切換制御部29の処理は、第3端末装置3cに電力が供給されているときに、繰返し実行される。図5に示すフローチャートでは、第3端末装置3cの電源が投入されたときに本処理を開始し、ステップa1に移行する。
ステップa1では、切換制御部29は、第1復調部23を介して、時刻tにおける上り受信電界強度Euを取得して、ステップa2に移行する。ステップa2では、切換制御部29は、第2復調部27を介して、時刻t+τにおける下り受信電界強度Edを取得して、ステップa3に移行する。
ステップa3では、切換制御部29は、ステップa1で取得した上り受信電界強度Eu、およびステップa2で取得した下り受信電界強度Edのうち少なくともいずれか一方が、予め定める受信閾値L以上であるか否かを判断する。ステップa3において、上り受信電界強度Euおよび下り受信電界強度Edのうち少なくともいずれか一方が、受信閾値L以上であると判断した場合は、受信した信号(以下「受信信号」という場合がある)があると判断してステップa4に移行し、受信閾値L未満であると判断した場合は、受信信号が無いと判断してステップa1に戻り、前述と同様の処理を行う。ここで、受信信号があると判断されることは、上り信号および下り信号のうち少なくともいずれか一方を受信したことを意味する。
ステップa4では、切換制御部29は、ステップa1で取得した上り受信電界強度Euと、ステップa2で取得した下り受信電界強度Edとを比較して、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Edよりも大きいか否かを判断する。ステップa4において、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Edよりも大きい(Eu>Ed)と判断した場合は、ステップa5に移行し、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Edよりも大きくない、すなわち下り受信電界強度Edが上り受信電界強度Eu以上である(Eu≦Ed)と判断した場合は、ステップa6に移行する。
ステップa5では、切換制御部29は、スイッチ28のスイッチング態様を、メモリ部24の出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号をスイッチ28に与える。これによってスイッチ28のスイッチング態様が、メモリ部24の出力側に接続されるように切換わり、受信電界強度の大きい方の信号である第1受信系統32で受信された上り信号が復号部30に与えられて復号される。ステップa5の処理の終了後は、ステップa1に戻り、前述と同様の処理を行う。
ステップa6では、切換制御部29は、スイッチ28のスイッチング態様を、第2復調部27の出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号をスイッチ28に与える。これによってスイッチ28のスイッチング態様が、第2復調部27の出力側に接続されるように切換わり、受信電界強度の大きい方の信号である第2受信系統33で受信された下り信号が復号部30に与えられて復号される。ステップa6の処理の終了後は、ステップa1に戻り、前述と同様の処理を行う。
以上のように本実施の形態の端末装置3によれば、他の端末装置3から送信される第1周波数の上り信号が第1受信系統32によって受信され、基地局2から送信される第2周波数の下り信号が第2受信系統33によって受信される。この第1受信系統32で受信された上り信号、または第2受信系統33で受信された下り信号が復号部30に与えられ、復号部30によって復号される。これによって端末装置3は、上り信号または下り信号で、他の端末装置3と通信することができる。
したがって端末装置3は、基地局2との通信が可能な範囲である基地局2のサービスエリアRb外に他の端末装置3が存在して、基地局2を介した他の端末装置3との通信が不可能な場合でも、他の端末装置3から送信される上り信号の到達範囲内に存在していれば、他の端末装置3と通信することができる。
たとえば図4に示すように、基地局2のサービスエリアRb外に第4端末装置3dが存在して、基地局2を介した第4端末装置3dとの通信が不可能な場合でも、第4端末装置3dの送信信号7の到達範囲Rt内に第3端末装置3cが存在していれば、第3端末装置3cは、第4端末装置3dと通信することができる。
また上り信号7と下り信号5とは、切換制御部29によって受信電界強度が比較され、切換制御部29の指示に基づいてスイッチ28が切換えられて、上り信号7および下り信号5のうち、受信電界強度の大きい方が復号部30に与えられて復号される。このとき、上り信号7の受信電界強度Euと、この上り信号7が第1受信系統32で受信された時刻tから予測遅延時間τが経過した時刻t+τにおける下り信号5の受信電界強度Edとが比較される。他の端末装置3からの上り信号6が基地局2に到達して下り信号5として送信される場合、下り信号5は、基地局2を介して端末装置3に到達するので、他の端末装置3から直接到達する上り信号7に比べて、遅延して端末装置3に到達する。前述のように時刻tの上り信号7の受信電界強度Euと、上り信号7が受信された時刻tから予測遅延時間τが経過した時刻t+τの下り信号5の受信電界強度Edとを比較することによって、予測遅延時間τを考慮しない場合に比べて、受信電界強度の大きい、すなわち受信状態の良い信号をより確実に選択することができる。
これによって端末装置3は、基地局2を介した通信および直接通信のうち、受信状態の良い方で、他の端末装置3と通信することができる。たとえば図4において二点鎖線で示されるように、第4端末装置3dが基地局2のサービスエリアRb外からサービスエリアRb内に移動して、第4端末装置3dから送信される上り信号6が基地局2で受信できる状態に変化した場合を考える。この場合、第4端末装置3dから直接到達する上り信号7と基地局2から到達する下り信号5のうち、受信状態が良く、受信品質の良い信号を選択して復号部30で音声に復号することができるので、受信状態の良い通信経路で、他の端末装置3と通信することができる。
このような端末装置3を備えることによって、基地局2のサービスエリアRb外にいる端末装置3の送信信号も受信することができ、可及的に広い範囲で複数の端末装置3間の通信が可能な無線通信システム1を実現することができる。
また本実施の形態では、予測遅延時間は、基地局2における折返し中継に要する処理時間、すなわち他の端末装置3から送信された上り信号が基地局2に受信されてから、下り信号に変換されて送信されるまでに要する時間として、予め定められる。これによって、基地局2における折返し中継処理によって生じる遅延時間を補正して、上り信号および下り信号の受信状態の良否の判定を行うことができるので、受信状態の良い信号をより確実に選択することができる。
また本実施の形態では、第1受信系統32は、メモリ部24を備えており、このメモリ部24によって、予測遅延時間τが経過するまでに受信した上り信号を記憶している。つまり第1受信系統32は、上り信号および下り信号の受信状態の良否の判定処理の中で導入した予測遅延時間τの間に受信した上り信号をメモリ部24に蓄積している。これによって、上り信号が選択されて復号部30に与えられる場合に、判定処理が終了するまでの間に他の端末装置3から送信された通信内容を消失することなく、メモリ部24から読み出して復号部30で音声に復号させることができる。
したがって、復号部30に与えられる信号として、他の端末装置3から送信される上り信号が選択された場合でも、通信の最初の部分、たとえば通話の最初の部分が途切れることを防止することができる。
以上に述べた本実施の形態では、切換制御部29は、前述の図5に示すステップa4において、下り受信電界強度Edが上り受信電界強度Eu以上である(Eu≦Ed)と判断すると、ステップa6において、スイッチ28を第2復調部27の出力側に接続されるように切換えて、下り信号を復号部30に与える。つまり切換制御部29は、上り受信電界強度Euと下り受信電界強度Edとが等しいとき、下り信号を復号部30に与えるように構成される。
切換制御部29は、これに限定されず、上り受信電界強度Euと下り受信電界強度Edとが等しいとき、上り信号を復号部30に与えるように構成されてもよい。この場合、前述の図5に示すステップa4では、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Ed以上(Eu≧Ed)であるか否かが判断され、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Ed以上である(Eu≧Ed)と判断するとステップa5に移行し、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Ed未満である(Eu<Ed)と判断するとステップa6に移行する。
<第2の実施の形態>
図6は、本発明の第2の実施の形態の無線通信端末装置の受信部12Aの構成を示すブロック図である。本実施の形態の無線通信端末装置は、第1の実施の形態の無線通信端末装置3と構成が類似しており、受信部の構成のみが異なっている。すなわち、本実施の形態の無線通信端末装置は、送信部11、受信部12A、操作部13および制御部14を備えて構成される。また受信部12Aは、第1の実施の形態の無線通信端末装置3の受信部12と構成が類似しているので、構成が異なる部分について説明し、対応する部分には同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
本実施の形態の受信部12Aは、第1受信アンテナ21、第1RF部22、第1復調部23A、第1メモリ部41、第2受信アンテナ25、第2RF部26、第2復調部27A、第2メモリ部43、第1スイッチ42、第2スイッチ44、第3スイッチ45、切換制御部29A、復号部30およびスピーカ31を備えて構成される。切換制御部29Aおよび前述の図2に示す制御部14は、制御手段に相当する。第1メモリ部41および第2メモリ部43は、記憶部に相当する。
本実施の形態の受信部12Aでは、第1受信アンテナ21、第1RF部22、第1復調部23Aおよび第1メモリ部41によって、第1受信系統32Aが構成され、第2受信アンテナ25、第2RF部26、第2復調部27Aおよび第2メモリ部43によって、第2受信系統33Aが構成される。
本実施の形態では、第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aは、受信する信号を切換可能に構成される。第1受信系統32Aが受信する信号は、切換制御部29Aが、受信周波数の設定を変更する指示を表す周波数切換信号を第1RF部22に与えて、第1RF部22に設定されている受信周波数を変更することによって切換えられる。同様に、第2受信系統33Aが受信する信号は、切換制御部29Aが、受信周波数の設定を変更する指示を表す周波数切換信号を第2RF部26に与えて、第2RF部26に設定されている受信周波数を変更することによって切換えられる。
通常受信動作状態では、第1の実施の形態と同様に、第1受信系統32Aは、第1周波数Faの上り信号を受信するように設定され、第2受信系統33Aは、第2周波数Fbの下り信号を受信するように設定される。後述するダイバーシティ受信動作状態では、第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aは、同じ信号を受信するように設定される。たとえば、第1受信系統32Aが上り信号を受信するように設定される場合、第2受信系統33Aは、上り信号を受信するように設定が切換えられる。
第1復調部23Aは、第1RF部22から与えられるベースバンド信号に基づいて、受信した上り信号または下り信号を復調する。第1復調部23Aは、復調信号を第1メモリ部41および第1スイッチ42に与える。また第1復調部23Aは、受信した上り信号または下り信号の受信電界強度を測定し、その測定結果を後述する切換制御部29Aに与える。通常受信動作状態では、第1復調部23Aは、第1の実施の形態と同様に、時刻tにおける上り受信電界強度Euを測定し、その測定結果を後述する切換制御部29Aに与える。
第1メモリ部41は、第1復調部23Aから与えられた復調信号を、基地局2における折返し中継に要する時間である、予め定める予測遅延時間τが経過するまで記憶する。第1メモリ部41は、予測遅延時間τが経過すると、記憶した復調信号を後述する第1スイッチ42に与える。
第2復調部27Aは、第2RF部26から与えられるベースバンド信号に基づいて、受信した下り信号または上り信号を復調する。第2復調部27Aは、復調信号を第2メモリ部43および第2スイッチ44に与える。また第2復調部27Aは、受信した下り信号または上り信号の受信電界強度を測定し、その測定結果を後述する切換制御部29Aに与える。通常受信動作状態では、第2復調部27Aは、第1の実施の形態と同様に、第1受信系統32が上り信号を受信した時刻tから前述の予測遅延時間τが経過した時刻t+τにおける下り受信電界強度Edを測定し、その測定結果を後述する切換制御部29Aに与える。
第2メモリ部43は、第2復調部27Aから与えられた復調信号を、基地局2における折返し中継に要する時間である、予め定める予測遅延時間τが経過するまで記憶する。第2メモリ部43は、予測遅延時間τが経過すると、記憶した復調信号を後述する第2スイッチ44に与える。
第1スイッチ42は、後述する切換制御部29Aから与えられる制御信号に従ってスイッチング態様を切換えて、第1メモリ部41から与えられた復調信号、または第1復調部23Aから与えられた復調信号を第3スイッチ45に与える。
第2スイッチ44は、後述する切換制御部29Aから与えられる制御信号に従ってスイッチング態様を切換えて、第2メモリ部43から与えられた復調信号、または第2復調部27Aから与えられた復調信号を第3スイッチ45に与える。
第3スイッチ45は、後述する切換制御部29Aから与えられる制御信号に従ってスイッチング態様を切換えて、第1スイッチ42から与えられた復調信号、または第2スイッチ44から与えられた復調信号を復号部30に与える。
図7および図8は、本発明の第2の実施の形態における受信部12Aの切換制御部29Aの動作の処理手順を示すフローチャートである。図7および図8に示すフローチャートの切換制御部29Aの処理は、たとえば前述の図4に示すように第3端末装置3cが基地局2のサービスエリアRb内に存在し、第4端末装置3dがサービスエリアRb外に存在する場合に、第3端末装置3cにおいて実行される。
図7および図8に示すフローチャートの切換制御部29Aの処理は、第3端末装置3cに電力が供給されているときに、繰返し実行される。図7および図8に示すフローチャートでは、第3端末装置3cの電源が投入されたときに本処理を開始し、ステップb1に移行する。図7に示すフローチャートのステップb1〜ステップb4の各処理は、前述の図5に示すフローチャートのステップa1〜ステップa4の各処理と同一であるので、共通する説明を省略する。
本実施の形態では、ステップb4において、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Edよりも大きい(Eu>Ed)と判断した場合は、ステップb5に移行し、下り受信電界強度Edが上り受信電界強度Eu以上である(Eu≦Ed)と判断した場合は、ステップb7に移行する。
ステップb5では、切換制御部29Aは、第2RF部26に予め設定されている受信周波数、具体的には下り信号の周波数である第2周波数Fbを、上り信号の周波数である第1周波数Faに変更する指示を第2RF部26に与える。これによって、第2RF部26に設定されている受信周波数が第1周波数Faに変更され、第2受信系統33Aで受信される信号が上り信号に切換えられる。ステップb5の処理の終了後は、ステップb6に移行する。
ステップb6では、切換制御部29Aは、第2スイッチ44のスイッチング態様を、第2メモリ部43の出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号を第2スイッチ44に与える。これによって第2スイッチ44のスイッチング態様が、第2メモリ部43の出力側に接続されるように切換わる。
このようにステップb5において、第2受信系統33Aで受信する信号を上り信号に切換え、ステップb6において、第2スイッチ44を第2メモリ部43の出力側に接続されるように切換えることによって、第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aの両方で、上り信号を受信する状態となる。このように第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aの両方で同じ信号を受信する動作をしている状態を「ダイバーシティ受信動作状態」という。ステップb6の処理の終了後は、図8に示すステップb9に移行する。
ステップb7では、切換制御部29Aは、第1RF部22に予め設定されている受信周波数、具体的には上り信号の周波数である第1周波数Faを、下り信号の周波数である第2周波数Fbに変更する指示を第1RF部22に与える。これによって、第1RF部22に設定されている受信周波数が第2周波数Fbに変更され、第1受信系統32Aで受信される信号が下り信号に切換えられる。ステップb7の処理の終了後は、ステップb8に移行する。
ステップb8では、切換制御部29Aは、第1スイッチ42のスイッチング態様を、第1復調部23Aの出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号を第1スイッチ42に与える。これによって第1スイッチ42のスイッチング態様が、第1復調部23Aの出力側に接続されるように切換わる。
このようにステップb7において第1受信系統32Aで受信する信号を下り信号に切換え、ステップb8において第1スイッチ42を第1復調部23Aの出力側に接続されるように切換えることによって、第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aの両方で、下り信号を受信するダイバーシティ受信動作状態となる。ステップb8の処理の終了後は、図8に示すステップb9に移行する。
図8に示すステップb9では、切換制御部29Aは、第1復調部23Aを介して、第1受信系統32Aで受信された信号の受信電界強度(以下「第1受信電界強度」という場合がある)E1を取得して、ステップb10に移行する。ステップb10では、切換制御部29Aは、第2復調部27Aを介して、第2受信系統33Aで受信された信号の受信電界強度(以下「第2受信電界強度」という場合がある)E2を取得して、ステップb11に移行する。
ステップb11では、切換制御部29Aは、第1受信電界強度E1が第2受信電界強度E2よりも大きいか否かを判断する。ステップb11において、第1受信電界強度E1が第2受信電界強度E2よりも大きい(E1>E2)と判断した場合は、ステップb12に移行し、第1受信電界強度E1が第2受信電界強度E2よりも大きくない、すなわち第2受信電界強度E2が第1受信電界強度E1以上である(E1≦E2)と判断した場合は、ステップb13に移行する。
ステップb12では、切換制御部29Aは、第3スイッチ45のスイッチング態様を、第1スイッチ42の出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号を第3スイッチ45に与える。これによって第3スイッチ45のスイッチング態様が、第1スイッチ42の出力側に接続されるように切換わり、受信電界強度の大きい方の信号である第1受信系統で受信された信号が復号部30に与えられて復号される。ステップb12の処理の終了後は、ステップb14に移行する。
ステップb13では、切換制御部29Aは、第3スイッチ45のスイッチング態様を、第2スイッチ44の出力側に接続するように切換える指示を表す制御信号を第3スイッチ45に与える。これによって第3スイッチ45のスイッチング態様が、第2スイッチ44の出力側に接続されるように切換わり、受信電界強度の大きい方の信号である第2受信系統で受信された信号が復号部30に与えられて復号される。ステップb13の処理の終了後は、ステップb14に移行する。
ステップb14では、切換制御部29Aは、ステップb9で取得した第1受信電界強度E1およびステップb10で取得した第2受信電界強度E2が共に、予め定める切換閾値M未満であるか否かを判断する。切換閾値Mは、受信閾値Lよりも大きい(L<M)値に選ばれる。ステップb14において、第1受信電界強度E1および第2受信電界強度E2が共に切換閾値M未満であると判断した場合は、ステップb15に移行し、第1受信電界強度E1および第2受信電界強度E2の少なくともいずれか一方が切換閾値M未満でない、すなわち切換閾値M以上であると判断した場合は、ステップb9に戻り、前述と同様の処理を行う。
ステップb15では、切換制御部29Aは、第1,第2RF部22,26に設定している受信周波数および第1,第2スイッチ42,44の接続状態を、通常受信動作状態の設定に戻す指示を、第1,第2RF部22,26および第1,第2スイッチ42,44に与える。これによって、第1,第2RF部22,26に設定される受信周波数および第1,第2スイッチ42,44の接続状態が、通常受信動作状態に戻される。
具体的には、前述のステップb4において上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Edよりも大きいと判断されてステップb5に移行した場合は、第2RF部26に設定される受信周波数が第2周波数Fbに戻され、また第2スイッチ44のスイッチング態様が、第2復調部27Aの出力側に接続されるように戻される。前述のステップb4において下り受信電界強度Edが上り受信電界強度Eu以上であると判断されてステップb7に移行した場合は、第1RF部22に設定される受信周波数が第1周波数Faに戻され、また第1スイッチ42のスイッチング態様が、第1メモリ41の出力側に接続されるように戻される。ステップb15の処理の終了後は、図7に示すステップb1に戻り、前述と同様の処理を行う。
以上のように本実施の形態によれば、ステップb4において、第1受信系統32Aで受信された上り信号の受信電界強度である上り受信電界強度Euが、第2受信系統33Aで受信された下り信号の受信電界強度である下り受信電界強度Edよりも大きい(Eu>Ed)と判断されると、ステップb5において、第2RF部36に設定される受信周波数が第1周波数Faに切換えられて、第2受信系統33Aで受信する信号が上り信号に切換えられる。つまり、第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aでダイバーシティ受信する信号として、上り信号が選択される。
この状態で、ステップb11において、第1受信系統32Aで受信された信号の受信電界強度である第1受信電界強度E1と、第2受信系統33Aで受信された信号の受信電界強度である第2受信電界強度E2とが、切換制御部29Aによって比較される。そして、切換制御部29Aの指示に基づいて第3スイッチ45が切換えられて、第1受信系統32Aで受信される上り信号、および第2受信系統33Aで受信される上り信号のうち、受信電界強度の大きい信号が復号部30に与えられ、復号部30によって音声に復号される。
またステップb4において、上り受信電界強度Euが下り受信電界強度Ed以下である(Eu≦Ed)と判断されると、ステップb7において、第1RF部22に設定される受信周波数が第2周波数Fbに切換えられて、第1受信系統32Aで受信する信号が下り信号に切換えられる。つまり、第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aでダイバーシティ受信する信号として、下り信号が選択される。
これ以降の動作は、上り信号が選択された場合と同様である。具体的には、ステップb11において第1受信電界強度E1と第2受信電界強度E2とが切換制御部29Aによって比較され、第1受信系統32Aで受信される下り信号、および第2受信系統33Aで受信される下り信号のうち、受信電界強度の大きい信号が復号部30に与えられ、復号部30によって音声に復号される。
このように上り信号および下り信号のうち受信電界強度の大きい信号として選択した信号の周波数を第1RF部22および第2RF部23の両方に設定して、第1受信系統32Aおよび第2受信系統33Aで同じ信号を受信するようにすることによって、ダイバーシティ受信を実現することができる。これによって、受信状態の変動に対しても追従した良好な受信特性を得ることができる。
また本実施の形態では、ダイバーシティ受信動作をしている状態で、第1受信電界強度E1および第2受信電界強度E2が共に切換閾値Mを下回ったときには、第1RF部22および第2RF部26に設定している受信周波数、ならびに第1スイッチ42および第2スイッチ44の接続状態が通常受信動作状態に戻される。これによって、上り信号および下り信号の双方を受信し、受信電界強度を比較する処理からやり直して、受信品質の良い信号を選択し直すことが可能となる。したがって、可及的に受信品質の良い信号で他の端末装置3と通信することが可能である。
以上に述べた本実施の形態では、切換制御部29Aは、上り受信電界強度Euと下り受信電界強度Edとが等しい場合、下り信号を選択するように構成されるが、上り信号を選択するように構成されてもよい。また切換制御部29Aは、第1受信電界強度E1と第2受信電界強度E2とが等しい場合、第2受信系統33Aで受信される信号を選択するように構成されるが、第1受信系統32Aで受信される信号を選択するように構成されてもよい。
1 無線通信システム、2 基地局、3 無線通信端末装置、3a〜3d 第1〜第4無線通信端末装置、11 送信部、12,12A 受信部、13 操作部、14 制御部、22 第1RF部、23,23A 第1復調部、24 メモリ部、26 第2RF部、27,27A 第2復調部、28 スイッチ、29,29A 切換制御部、30 復号部、32,32A 第1受信系統、33,33A 第2受信系統、41 第1メモリ部、42 第1スイッチ、43 第2メモリ部、44 第2スイッチ、45 第3スイッチ。