JP4936367B2 - 回路設計プログラム及び回路設計システム - Google Patents

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Description

本発明は、半導体集積回路の設計技術に関する。特に、本発明は、テストポイント挿入(Test Point Insertion)法に基づいて回路設計処理を行う回路設計システム及び回路設計プログラムに関する。
半導体集積回路の分野において、生産された製品にはある割合で不良品が含まれる可能性がある。よって、テスト工程において不良品が除去され、良品のみが出荷される。このときの良品率は歩留まりと呼ばれる。歩留まりを向上させるためには、故障解析(failure analysis)により故障の原因を明らかにし、製造プロセスを改善することが必要である。
しかしながら、近年、集積回路の微細化に伴い、その故障解析は困難になってきている。それは、故障解析装置の分解能が、集積回路中の素子サイズに対して不足しつつあるためである。例えば、従来、故障解析装置として、エミッション顕微鏡、OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance CHange)装置、LVP(Laser Voltage Probe)といった光学的故障解析装置が用いられてきた。このような光学的故障解析装置は、赤外領域の長波長光を用いており、回折限界の影響により、コンマ数ミクロン以下の分解能は得られない。
上述の光学的故障解析装置よりも高い分解能を有する装置として、電子ビーム(EB:Electron Beam)解析装置も知られている。EB解析装置の場合、解析対象の配線に電子ビームを直接照射する必要がある。しかしながら、配線層数が8層前後まで増加している現状では、解析対象の配線が露出していないケースが多いため、EB解析装置の適用はやはり困難である。
また、スキャンテスト等のLSIテストの結果に基づいて故障箇所を推測する故障診断(fault diagnosis)も広く用いられている。しかしながら、故障箇所が多くの等価故障(equivalent faults)を含んでいる場合、故障診断では真の故障箇所を特定することができず、複数の故障候補が抽出されてしまう。その場合、やはり測定を通して、複数の故障候補から真の故障箇所を特定する必要がある。そのためには、収束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)装置を用い、測定対象の配線を露出させる必要がある。そして、配線露出加工が実施された後に、EB解析装置を用いて測定が行われる。しかしながら、故障候補の数が非常に多くなると、莫大な工数が必要となり、故障解析に要する作業時間は増大してしまう。
このような故障解析を容易化するテスト容易化設計(DFT:Design For Testability)の一つとして、「テストポイント挿入(Test Point Insertion)」が知られている。TPIによれば、テスタビリティ(制御性、観測性)を高めるために、設計対象の回路にテストポイントと呼ばれるレジスタが挿入される(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
このうち特許文献2(特願2005−313953号公報)には、本願発明者によって先に発明された故障解析容易化技術が記載されている。尚、この先の出願は、現段階では未公開であることに留意されたい。先の出願に係る故障解析容易化技術(以下、「従来方式」と参照される)によれば、観測ポイント(テストポイント)の挿入位置の決定に工夫がなされ、より少ない観測ポイントで故障解析容易性を効率良く向上させることが可能となる。
図1には、例として、従来方式のある実施の形態に係る回路設計システムの構成が示されている。その回路設計システムは、入力部1101、記憶部1103、回路配置部1105、セル間距離抽出部1107、故障候補抽出部1109、判断部1111、観測ポイント挿入部1113、回路配線部1115、及び出力部1117を備えている。判断部1111は、故障解析容易性評価部1119及び挿入位置決定部1121を含んでいる。その回路設計システムの動作は次の通りである。
まず、ネットリストNETが、入力部1101により入力され、記憶部1103に格納される。回路配置部1105は、そのネットリストNETを参照し、セル群の配置を行う。セル配置を示すセル配置データARRは、記憶部1103に格納され、また、セル間距離抽出部1107に出力される。セル間距離抽出部1107は、配置データARRを参照し、セル間の距離情報を抽出・算出する。得られたセル間距離を示すセル間距離データDISは、判断部1111に出力される。
故障候補抽出部1109は、ネットリストNETを参照して、等価故障群(equivalent fault class)を抽出する。等価故障群は、等価な関係を有する複数の故障候補からなり、外部からの測定では等価故障群中の故障箇所は特定できない。例えば、等価故障群G,G…G(Iは1以上の整数)が抽出されるとする。各々の等価故障群G(iは1以上I以下の整数)は、複数の等価故障ノードNi1,Ni2…NiJi(以下、単にノードと参照される)を含んでいる。Jは、等価故障群Gに含まれるノード数(故障候補数)である。故障候補抽出部1109は、抽出された等価故障群Gを示す故障候補データCANを、判断部1111に出力する。
判断部1111は、故障候補データCANとセル間距離データDISに基づいて、観測ポイントが挿入されるべき「対象ノード」を複数のノードから決定する。具体的には、まず、判断部1111の故障解析容易性評価部1119は、次の式(1)で与えられるパラメータMを算出する。
Figure 0004936367
上記式(1)において、パラメータPは、単一の縮退故障(stuck-at fault)が発生する際に当該縮退故障が等価故障群Gに含まれる確率を表す。セル間の距離が大きい回路領域では、セル間を接続する配線も長くなるため、故障が発生する確率が高くなる。従って、単一縮退故障が等価故障群Gに含まれる確率Pは、例えば、次の式(2)で与えられる。
Figure 0004936367
上記式(2)において、Lallは、全ての等価故障群G〜G、あるいは、回路全体に含まれる全配線の長さの合計である。Lijは、ある等価故障群Gに含まれる複数のノードNi1,Ni2…NiJiのそれぞれの配線長である(jは1以上J以下の整数)。ここで、故障解析容易性評価部1119は、セル間距離データDISで示されるセル間の距離を参照することによって、各配線長Lijを推測することができる。
上記式(1)で示されるように、パラメータMは、全ての等価故障群G〜Gに対するパラメータJ・Pの和で与えられる。このパラメータMは、回路中の任意の場所で単一縮退故障が発生した場合の等価故障ノード数(故障候補数)の“平均値”を意味する。故障解析を容易にするためには、故障発生時の故障候補数の平均値、すなわち、パラメータMを減少させればよい。その意味で、パラメータMは、「故障解析容易性」と参照される。故障解析容易性Mを向上させるためには、つまり、パラメータMを減少させるためには、観測ポイントを適当な位置に挿入すればよい。
判断部1111の挿入位置決定部1121は、故障解析容易性Mが“効率良く”向上するような観測ポイント挿入位置(対象ノード)を決定する。例えば、挿入位置決定部1121は、パラメータMが最も減少するように対象ノードを決定する。例えば、最大のノード数Jを有する1つの等価故障群Gは、大きなパラメータJ・Pを有しており、パラメータMに大きく寄与している。従って、その1つの等価故障群Gに含まれる等価故障ノードNi1,Ni2…NiJiから対象ノードを選択することによって、パラメータMを大きく下げることができる。多くの等価故障ノードを有する等価故障群に観測ポイントを優先的に挿入することによって、故障解析容易性Mを効率よく向上させることが可能となる。
このようにして、判断部1111は、観測ポイントが挿入されるべき対象ノードを決定し、決定された対象ノードを示す観測ポイント挿入位置データPNTを生成する。観測ポイント挿入部1113は、ネットリストNET及び観測ポイント挿入位置データPNTを参照し、対象ノードに少なくとも1つの観測ポイントを挿入する。これにより、ネットリストNETは更新される。
必要に応じて、上述の処理が繰り返される。必要な観測ポイントの挿入処理が終了すると、回路配線部1115は、記憶部1103からネットリストNETと配置データARRを読み出す。そして、回路配線部1115は、ネットリストNET及び配置データARRに基づいて、配線処理(routing)を行う。これにより、設計対象回路のレイアウトを示すレイアウトデータLAYが作成される。レイアウトデータLAYは、出力部1117により出力される。
以上に説明されたように、従来方式によれば、ノード数Jに基づいて対象ノードが決定される。例えば、最大のノード数Jを有する等価故障群Gで故障が発生する確率は、全ての等価故障群のうちで最も高い可能性がある。よって、最大のノード数Jを有する1つの等価故障群Gから対象ノードが選択され、その対象ノードに観測ポイントが優先的に挿入される。これにより、回路中の任意の場所で単一縮退故障が発生した場合の故障候補数の平均値(パラメータM)が、効率的に低減される。すなわち、より少ない観測ポイントの挿入数で、故障解析容易性Mを向上させることが可能となる。
特開2005−135226号公報 特願2005−313953号公報
従来方式によれば、故障が発生した際の故障候補数の“平均値”が低減され、それにより故障解析が容易になる。しかし、それは必ずしも故障診断を通して故障箇所が1ノードに絞り込まれることを意味しない。その理由は、故障候補数が大きい等価故障群に対して優先的に観測ポイント(テストポイント)が挿入されるからである。故障発生時の故障候補数の“平均値”は低減されるものの、故障候補の数は必ずしも1になるとは限らない。
「故障解析容易性の向上」は、様々な観点から考えることができる。ある観点では、故障解析容易性の向上とは、従来方式のように故障発生時の故障候補数の平均値を低減することであろう。また他の観点として、故障箇所を絞り込みやすくすることも、故障解析容易性の向上に寄与すると考えられる。故障が発生した際に、故障候補数を少なくとも指定された数まで絞り込める確率が高くなるような技術が望まれる。
本発明の第1の観点において、テストポイント挿入法を用いた回路設計処理をコンピュータに実行させる回路設計プログラムが提供される。その回路設計処理は、(A)回路のネットリストを参照して、回路で発生し得る全ての縮退故障から、互いに等価な関係にある複数の等価故障fを抽出するステップと、(B)複数の等価故障fの各々を探索対象等価故障として、探索対象等価故障fと等価な関係となる等価故障の数が所定数となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索するステップと、(C)回路中に単一縮退故障が発生した場合に当該単一縮退故障が少なくとも探索対象等価故障fを含む等価故障の集合に含まれる確率p(f)を算出するステップと、(D)挿入位置G(f)のパターンのそれぞれに関して、式:e(f)=p(f)/n(f)で与えられるパラメータe(f)を算出するステップと、(E)算出されたパラメータe(f)のうち最大値が得られる挿入位置G(fmax)を、テストポイントが挿入される位置として決定するステップと、(F)決定された挿入位置G(fmax)に対して、n(fmax)個のテストポイントをそれぞれ挿入するステップと、を有する。
例えば、上記所定数は1である。その場合、上記(B)ステップにおいて、探索対象等価故障fが「独立故障」となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)が探索される。ここで、独立故障とは、等価な関係となる等価故障が自分自身だけである故障のことであり、他の故障との等価関係が解消された故障のことである。すなわち、独立故障の位置は、故障診断によって特定することができる。単一縮退故障が発生した際、その単一縮退故障が独立故障であるならば、故障診断によりその故障箇所を1ノードに絞り込むことができる。よって、単一縮退故障が発生する確率が高いノードを、優先的に独立故障ノードにすることが好ましい。
次に、挿入位置G(f)へのテストポイント挿入により、探索対象等価故障fと同時に独立故障となる等価故障fの集合Fs(f)が求められる。集合Fs(f)は、探索対象等価故障fを含む複数の等価故障fから構成され得る。単一縮退故障が発生した際、当該縮退故障が独立故障の集合Fs(f)に含まれていれば、故障診断により故障箇所を1ノードに絞り込むことができる。よって、上記(C)ステップにおいて、単一縮退故障が集合Fs(f)に含まれる確率p(f)が算出される。挿入位置G(f)にテストポイントが挿入されていれば、確率p(f)で集合Fs(f)に縮退故障が発生したとしても、故障箇所を特定することができる。言い換えれば、挿入位置G(f)にテストポイントを挿入することによって、確率p(f)に応じた分だけ、故障解析容易性が改善する。その意味で、確率p(f)を「解析容易性改善度」と呼ぶことができる。
テストポイント挿入による効果を大きくするためには、高い解析容易性改善度p(f)が得られる挿入位置G(f)にテストポイントを挿入することが好適である。但し、必要なテストポイントの数n(f)は様々であるので、解析容易性改善度p(f)をテストポイントの数n(f)で規格化することが便利である。そのため、上記(D)ステップにおいて、式:e(f)=p(f)/n(f)に従ってパラメータe(f)が算出される。パラメータe(f)は、規格化された解析容易性改善度であり、テストポイント一つあたりの「解析容易性改善率」と呼ぶことができる。
本発明によれば、最大の解析容易性改善率e(fmax)が得られる挿入位置G(fmax)が、最終的なテストポイント挿入位置として決定される。そして、その挿入位置G(fmax)に対して、n(fmax)個のテストポイントがそれぞれ挿入される。その結果、故障が発生した際に故障診断により故障箇所を1ノードに絞り込める確率が、従来方式よりも高くなる。
尚、上記所定数は、1に限られない。上記所定数は、2以上の整数であってもよい。その場合、故障が発生した際に故障候補数を少なくとも指定された数まで絞り込める確率が、従来方式よりも高くなる。
本発明の第2の観点において、テストポイント挿入法に基づく回路設計システムが提供される。その回路設計システムは、記憶部と、等価故障抽出部と、挿入位置探索部と、故障確率算出部と、判断部と、テストポイント挿入部とを備える。記憶部には、回路のネットリストが格納される。等価故障抽出部は、ネットリストを参照して、回路で発生し得る全ての縮退故障から、互いに等価な関係にある複数の等価故障fを抽出する。挿入位置探索部は、複数の等価故障fの各々を探索対象等価故障として、探索対象等価故障fと等価な関係となる等価故障の数が所定数となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索する。故障確率算出部は、回路中に単一縮退故障が発生した場合に当該単一縮退故障が少なくとも探索対象等価故障fを含む等価故障の集合に含まれる確率p(f)を算出する。判断部は、挿入位置G(f)のパターンのそれぞれに関して、式:e(f)=p(f)/n(f)で与えられるパラメータe(f)を算出し、算出されたパラメータe(f)のうち最大値が得られる挿入位置G(fmax)を探索する。テストポイント挿入部は、挿入位置G(fmax)にn(fmax)個のテストポイントをそれぞれ挿入する。
本発明によれば、故障が発生した際に故障候補数を少なくとも指定された数まで絞り込める確率が高くなる。その結果、故障解析容易性が向上する。
添付図面を参照して、本発明に係る回路設計技術(故障解析容易化技術)を説明する。本発明において、回路設計はTPI手法に基づいて行われる。
1.第1の実施の形態
1−1.構成及び処理の概要
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る回路設計システムの構成を示すブロック図である。その回路設計システムは、記憶部1、レイアウト部2、及びテストポイント処理部3を備えている。記憶部1には、設計対象の回路の接続情報を示すネットリストNETや、そのレイアウトを示すレイアウトデータLAYが格納される。レイアウト部2は、レイアウト処理を行い、ネットリストNETからレイアウトデータLAYを作成する。
テストポイント処理部3は、テストポイントの挿入処理を行う。テストポイントの挿入は、レイアウト処理の前に行われる。あるいは、テストポイントの挿入は、一旦レイアウトデータLAYが作成された後に行われてもよい。その場合、レイアウト部2は、テストポイント挿入処理後に、再度レイアウトデータLAYを作成する。このテストポイント処理部3は、縮退故障抽出部10、等価故障抽出部20、挿入位置探索部30、独立故障抽出部40、故障確率算出部50、判断部90、及びテストポイント挿入部80を含んでいる。判断部90は、改善効果算出部60と挿入位置決定部70とを有している。
図3は、本実施の形態に係るテストポイント挿入処理を要約的に示すフローチャートである。図2及び図3を参照して、本実施の形態に係るテストポイント挿入処理を概略的に説明する。
まず、テストポイント処理部3は、記憶部1からネットリストNETを読み出す(ステップS1)。次に、縮退故障抽出部10は、ネットリストNETを参照して、設計対象回路で発生し得る全ての縮退故障fを抽出する(ステップS10)。次に、等価故障抽出部20は、全ての縮退故障fから互いに等価な関係にある複数の等価故障fを抽出する(ステップS20)。等価故障fの集合は、縮退故障fの集合の一部である。
次に、挿入位置探索部30は、等価故障fの各々(以下、探索対象等価故障fと参照される)に関して、次のような処理を行う。すなわち、挿入位置探索部30は、探索対象等価故障fが「独立故障」となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索する(ステップS30)。独立故障とは、等価な関係となる等価故障が自分自身だけである故障のことであり、他の故障との等価関係が解消された故障のことである。つまり、挿入位置探索部30は、探索対象等価故障fと等価な関係となる等価故障の数が「1」となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索する。
上述の挿入位置G(f)にテストポイントが挿入された場合、探索対象等価故障fだけでなく、他の等価故障fも同時に独立故障となる可能性がある。本実施の形態によれば、そのような他の等価故障fも考慮に入れられる。そのため、独立故障抽出部40は、挿入位置G(f)にテストポイントが挿入された際に同時に独立故障となる等価故障fの集合Fs(f)を抽出する(ステップS40)。
単一縮退故障が発生した際、当該縮退故障が独立故障の集合Fs(f)に含まれていれば、故障診断により故障箇所(故障候補)を1ノードに絞り込むことができる。よって、故障確率算出部50は、単一縮退故障が発生した場合に当該単一縮退故障が上記集合Fs(f)に含まれる確率p(f)を算出する(ステップS50)。セル間の距離が大きい回路領域では、セル間を接続する配線も長くなるため、故障が発生する確率が高くなる。従って、単一縮退故障が集合Fs(f)に含まれる確率p(f)は、例えば、次の式(3)で与えられる。
Figure 0004936367
上記式(3)において、lALLは、設計対象回路全体に含まれる全配線の長さの合計である。ls(f)は、集合Fs(f)に含まれる等価故障fのノードの配線長の合計であり、次の式(4)で与えられる。
Figure 0004936367
上記式(4)において、l(j)は、各等価故障fのノードの配線長である。配線長l(j)は、例えば、セル間の距離(ユークリッド距離やマンハッタン距離)から近似的に求めることが可能である。セル間の距離に関する情報の取得は、例えば、レイアウト部2の一機能として提供される。具体的には、図2に示されるように、レイアウト部2は配線長取得部5を有している。その配線長取得部5は、セル配置処理の結果に基づいて、配線長l(j)を近似的に算出することができる。あるいは、配線長取得部5は、レイアウト処理の結果に基づいて、配線長l(j)を正確に算出することもできる。算出された配線長l(j)を示す配線長データLENは、テストポイント処理部3に供給される。故障確率算出部50は、その配線長データLENを参照することによって、上記確率p(f)を算出することができる。
次に、判断部90は、どの挿入位置G(f)にテストポイントを挿入するべきかを判断する。挿入位置G(f)にテストポイントが挿入されている場合、確率p(f)で集合Fs(f)に縮退故障が発生したとしても、故障箇所を特定することができる。言い換えれば、挿入位置G(f)にテストポイントを挿入することによって、確率p(f)に応じた分だけ、故障解析容易性が改善する。その意味で、確率p(f)を「解析容易性改善度」と呼ぶこともできる。テストポイント挿入による効果を大きくするためには、高い解析容易性改善度p(f)が得られる挿入位置G(f)にテストポイントを挿入することが好適である。但し、必要なテストポイントの数n(f)は様々であるので、解析容易性改善度p(f)をテストポイントの数n(f)で規格化することが便利である。そのため、判断部90の改善効果算出部60は、次式(5)で与えられるパラメータe(f)を算出する。
Figure 0004936367
このパラメータe(f)は、規格化された解析容易性改善度であり、テストポイント一つあたりの「解析容易性改善率」と呼ぶことができる。改善効果算出部60は、挿入位置G(f)のパターンのそれぞれに関して、解析容易性改善率e(f)を算出する(ステップS60)。そして、挿入位置決定部70は、算出されたe(f)のうち最大の解析容易性改善率e(fmax)が得られる挿入位置G(fmax)を、最終的なテストポイント挿入位置として決定する(ステップS70)。このようにして、判断部90は、テストポイントが挿入されるべき位置G(fmax)を決定する。
テストポイント挿入部80は、決定された挿入位置G(fmax)に対してn(fmax)個のテストポイントをそれぞれ挿入する(ステップS80)。その結果、ネットリストNETが更新される。テストポイントが挿入されたネットリストNETは、記憶部1に格納される。
更にテストポイントの挿入が必要な場合(ステップS90;Yes)、上述の処理S1〜S80が繰り返される。必要なテストポイントの挿入が終了すると(ステップS90;No)、テストポイント処理部3による処理は終了する。その後、レイアウト部2は、記憶部1からネットリストNETを読み出し、レイアウト処理を行う。作成されたレイアウトデータLAYは記憶部1に格納される。そして、そのレイアウトデータLAYに基づいて、設計された半導体集積回路が製造される。その結果、故障解析が容易な半導体集積回路が得られる。
1−2.テストポイント挿入処理の詳細
次に、例を挙げることによって、本実施の形態に係るテストポイント挿入処理を詳細に説明する。
ステップS1:ネットリストの入力
テストポイント処理部3は、記憶部1からネットリストNETを読み出す。図4は、ゲートレベルのネットリストNETで示される論理回路の一例を概念的に示している。図4に示される論理回路は、NAND素子、NOR素子、インバータ素子、及び6個のノードNA〜NFを有している。NAND素子の入力は、ノードNA及びNBに接続されており、その出力はノードNCに接続されている。インバータ素子の入力はノードNDに接続されており、その出力はノードNEに接続されている。NOR素子の入力はノードNC及びNEに接続されており、その出力はノードNFに接続されている。各ノードの脇の括弧()内の数値は、各ノードの配線長を表している。以下、図4で示された論理回路に対する処理が例示される。
ステップS10:縮退故障の抽出
縮退故障抽出部10は、ネットリストNETから、設計対象回路で発生し得る全ての縮退故障fを抽出する。図5は、抽出された縮退故障f〜f12のリストを示している。図5に示されるように、各ノードにおいて「0縮退故障(stuck-at-0 fault)」及び「1縮退故障(stuck-at-1 fault)」の両方が発生し得る。
ステップS20:等価故障の抽出
「等価故障(equivalent fault)」とは、故障診断では場所の特定が不可能な故障のことである。例えば、ノードNCで1縮退故障が発生した場合、ノードNFの論理は常に「0」に縮退する。よって、故障f(ノードNCの1縮退故障)と故障f11(ノードNFの0縮退故障)とは互いに等価であり、どちらが真の故障かを故障診断で判別することは不可能である。つまり、故障fと故障f11はいずれも等価故障である。
一方、自分自身以外に等価故障をひとつも持たない故障は、「独立故障(independent fault)」と参照される。つまり、独立故障とは、等価な関係となる等価故障が自分自身だけである故障のことであり、他の故障との等価関係が解消された故障のことである。独立故障の位置は、故障診断によって特定することができる。
等価故障抽出部20は、全ての縮退故障fから等価故障fを抽出する。図6は、抽出された等価故障fを示している。ここで、互いに等価な関係を有する一連の故障群は、「等価故障群(equivalent fault class)」と参照される。第1等価故障群は、互いに等価な故障f={f,f,f,f,f10,f11}から構成されている。第2等価故障群は、互いに等価な故障f={f,f}から構成されている。これら以外の故障は、独立故障である。
図6で示された等価故障のうちいずれかが発生した場合、故障診断だけで真の故障箇所を特定することはできない。故障診断の精度を向上させるためには、回路にテストポイントを挿入する必要がある。図4中の符号P1〜P7は、テストポイントの挿入位置の候補を表している。ここで、説明を単純化するために、セル内で故障は発生しないとする。また、挿入位置P1〜P7は、素子の入出力端子の直近に位置するとする。また、インバータ素子に関しては、入力と出力のいずれかにテストポイントを挿入すれば十分であり、本例ではノードNDにはテストポイントは挿入されないとする。
以下、挿入位置P1〜P7のうちどこにテストポイントが挿入されるべきかを決定する処理が行われる。
ステップS30:独立故障化に必要なテストポイントの数及び挿入位置の探索
挿入位置探索部30は、等価故障fの各々(以下、探索対象等価故障fと参照される)に関して、次のような処理を行う。すなわち、挿入位置探索部30は、探索対象等価故障fと他の等価故障fとの等価関係を調べ、その等価関係を解消するのに必要なテストポイントの挿入位置G(f)を探索する。つまり、挿入位置探索部30は、探索対象等価故障fが独立故障となるために必要なテストポイントの挿入位置G(f)を探索する。必要な挿入位置G(f)が決まれば、必要なテストポイントの数n(f)も自動的に決まる。
図7は、等価故障fのそれぞれに関する挿入位置G(f)及び個数n(f)を示している。例えば、故障f(ノードNAの0縮退故障)を独立故障にするためには、図4中の位置P1にテストポイントを挿入する必要がある。故障f(ノードNCの1縮退故障)を独立故障にするためには、図4中の位置P3とP5の2箇所にテストポイントを挿入する必要がある。また、位置P4に1つのテストポイントが挿入される場合、等価故障f、f、fの各々が独立故障となることが分かる。つまり、G(f)=G(f)=G(f)=P4という関係がある。
ステップS40:独立故障となる等価故障の集合の抽出
次に、独立故障抽出部40は、挿入位置G(f)にテストポイントが挿入された際に、探索対象等価故障fと同時に独立故障となる等価故障fの集合Fs(f)を抽出する。例えば、図7で示されたように、故障fを独立故障化するためには、位置P4にテストポイントを挿入する必要がある。この時、故障fだけでなく、故障f及びfも独立故障となる。従って、挿入位置G(f)に対応する集合Fs(f)={f,f,f}である。また、挿入位置が同じであるため、故障f及びfに関しても同じ集合Fs={f,f,f}が得られる。
このように、ある挿入位置G(f)に対して、集合Fs(f)は一意に定まる。挿入位置G(f)のパターンには重複が存在し得るため、等価故障f毎ではなく、挿入位置G(f)のパターン毎に集合Fs(f)を求めることが便利である。図7から、挿入位置G(f)のパターンは、(1)P1のみ、(2)P2のみ、(3)P3及びP5、(4)P4のみ、(5)P4及びP6、(6)P7のみ、の6種類に集約されることが分かる。それらパターンをG(k)とする(k=1〜6)。
図8は、挿入位置G(k)のパターンのそれぞれに対して求められた集合Fs(k)を示している。図8に示されるように、挿入位置G(1)に対応する集合Fs(1)の要素は、故障fだけである。挿入位置G(4)に対応する集合Fs(4)の要素は、故障f,故障f,及び故障fである。
ステップS50:故障発生確率の算出
次に、故障確率算出部50は、単一縮退故障が発生した場合に当該単一縮退故障が上記集合Fs(f)に含まれる確率p(f)を算出する。確率p(f)は、既出の式(3)及び式(4)に基づいて算出される。この時、上述の理由と同じ理由により、等価故障f毎ではなく、挿入位置G(k)のパターン毎に確率p(k)を算出することが便利である。その場合、“f”を単に“k”に置き換えればよく、確率p(k)は、次の式(6)及び式(7)で与えられる。
Figure 0004936367
Figure 0004936367
式(6)及び式(7)は、既出の式(3)及び式(4)のそれぞれと等価である。確率p(k)は、集合Fs(k)に含まれる故障の発生確率であり、また、挿入位置G(k)によって得られる「解析容易性改善度」である。
図9は、パターン(k)のそれぞれに関して、式(6)及び式(7)を用いて算出された確率p(k)を示している。設計対象回路に含まれる全配線の配線長の合計lALLは、20である(図4参照)。例えば、“パターン1”の場合、配線長ls(1)は3である。従って、確率p(1)は7.50%である。また、“パターン4”の場合、集合Fs(4)は故障f、f、fを含んでおり、総配線長ls(4)は7(=2+2+3)である。従って、確率p(4)は17.5%である。
ステップS60:解析容易性改善率の算出
次に、改善効果算出部60は、上記確率p(k)と上記個数n(k)に基づいて、テストポイント1個あたりの解析容易性改善率e(k)を算出する。解析容易性改善率e(k)は、既出の式(5)と等価な次の式(8)で与えられる。
Figure 0004936367
図10は、パターン(k)のそれぞれに関して、式(8)を用いて算出された解析容易性改善率e(k)を示している。“パターン5”に対する解析容易性改善度p(5)は最大(=25%)であったが、その場合2個のテストポイントが必要なので、解析容易性改善率e(k)は12.50%となる。一方、“パターン4”に対する解析容易性改善度p(4)は17.5%(<25%)であったが、必要なテストポイントは1個なので、解析容易性改善率e(k)は17.5%のままである。結果、図10に示されるように、“パターン4”の場合、すなわち、位置P4に1個のテストポイントが挿入される場合に、解析容易性改善率が最大となる。
ステップS70:テストポイント挿入位置の決定
テストポイント挿入による効果を大きくするためには、高い解析容易性改善率e(k)が得られる挿入位置G(k)にテストポイントを挿入することが好適である。本実施の形態において、挿入位置決定部70は、最大の解析容易性改善率e(fmax)が得られる挿入位置G(fmax)を、最終的なテストポイント挿入位置として決定する。本例の場合、挿入位置G(4)=P4が、テストポイント挿入位置として決定される。
ステップS80:テストポイントの挿入
テストポイント挿入部80は、決定された挿入位置G(fmax)に対してn(fmax)個のテストポイントをそれぞれ挿入する。本例の場合、図4中の位置P4に、1個のテストポイントが挿入される。
ステップS90:
引き続きテストポイントの挿入が行われる場合には、処理はステップS1に戻り、同様の処理が繰り返される。例えば、上記ステップS80において位置P4にテストポイントが挿入されると、故障f,f,fが独立故障となり、これらのノード及びこれらに隣接する故障ノードの解析容易性改善率e(f)が変化する。そのため、解析容易性改善率e(f)の再算出が必要になる。
以上に説明された手順でテストポイントの挿入を行うことにより、故障診断で故障候補を1ノードに絞り込める確率が高くなる。また、少ないテストポイントで実現されるため、故障診断で故障候補を1ノードに絞り込める確率が効率的に向上する。
1−3.評価
次に、本発明による効果を検証するために、ゲート数が約100万の製品の設計データが用意された。そして、本発明に係るアルゴリズムに従ってテストポイントが挿入された場合と、従来方式に係るアルゴリズムに従ってテストポイントが挿入された場合との比較が行われた。図11〜図13は、製品回路の任意の配線で単一縮退故障が発生した際の故障候補(等価故障)の数の分布を示している。その分布は、各配線での故障確率を積算することによって算出された(式(3)を参照)。
図11は、テストポイントが挿入される前の分布を示している。例えば、白色の領域は、等価故障数が1である独立故障を表しており、その割合は約73%である。つまり、単一縮退故障が発生した場合、当該縮退故障は約73%の確率で独立故障である。また、図11より、等価故障数が5以上となる確率は約5%であることが分かる。
図12は、従来方式に係るアルゴリズムに基づいてテストポイントが挿入された場合の、等価故障数の分布の変化を表している。一方、図13は、本発明に係るアルゴリズムに基づいてテストポイントが挿入された場合の、等価故障数の分布の変化を表している。図12及び図13において、横軸は、テストポイントの挿入数を示している。
図12及び図13に示されるように、テストポイントの挿入数が増加するにつれて、等価故障数は小さくなっていく。これは、テストポイント挿入により故障間の等価関係が解消されるためである。また、図12と図13との比較により、本発明の方が従来方式よりも、等価故障数が1になる確率が高くなることがわかる。例えば、テストポイントの挿入数が5万の場合を考える。従来方式では、独立故障の割合は77%程度であるのに対し、本発明では、独立故障の割合は83%程度となる。つまり、同数のテストポイントが挿入された場合、縮退故障発生時に当該縮退故障が独立故障である確率は、本発明の方が高い。すなわち、本発明によれば、故障診断により故障候補を1ノードに絞り込める確率が、従来方式よりも高くなる。
但し、縮退故障発生時に多くの等価故障(故障候補)が存在する確率は、従来方式の方が小さくなる。例えば、テストポイントの挿入数が5万の場合を考える。従来方式では、等価故障数が10を上回る確率はほぼ0になるのに対し、本発明では、その確率は数%である。このように、本発明によれば、等価故障数が少ない故障を中心にテストポイントが挿入されており、等価故障数が多い故障にはテストポイントが挿入されにくい。そのため、等価故障数が多いせいで故障解析が困難になる確率は、従来方式よりも高くなる。
1−4.効果
本発明によれば、故障が発生した際に、故障診断により故障候補を1ノードに絞り込める確率が効率的に向上する。特に、解析すべき不良サンプルが大量に存在する場合に、解析効率が格段に向上するという効果が得られる。以下、その理由を説明する。
故障診断において複数のノードが故障候補として挙げられた場合、真の故障箇所を特定するためには、FIB装置を用いた配線露出加工とEB解析装置を用いた観測を繰り返す必要がある。それには、莫大な工数と費用が要求される。逆に、故障診断のみで故障箇所を1ノードに絞り込むことができる故障サンプルは、解析が容易であるといえる。
新しい製造ラインや製品を立ち上げる際などで不良サンプル数が多い場合、全ての不良サンプルの故障解析は不可能である。よって、短時間で故障原因を特定できそうなサンプルのみを抽出することによって、故障解析の効率化が図られている。そのような解析容易なサンプルが多くなるほど、より多くの故障解析を行うことが可能となり、全体的な解析効率が向上する。従って、本発明に係る手法を用いることによって故障箇所を絞り込める確率を高くすると、不良サンプル数が大量に存在する場合でも解析容易なサンプルの割合が高くなる。結果として、全体的な解析効率が向上するという効果が得られる。
但し、本発明によれば、故障箇所を絞り込める確率を高くするために、故障候補数が少ない故障を中心にテストポイントが挿入される傾向があり、故障候補数が多い故障にはテストポイントが挿入されにくい。そのため、クレーム解析などで故障サンプル数が少ない場合であって、且つ、故障候補数が多い場合には、故障解析が不可能になる可能性がある。自動車や航空宇宙分野向けなどの高い信頼性が求められるLSIでは、1個の市場クレーム品に対して故障解析を確実に実施することが求められる。故障解析が不可能になるケースが考えられる本手法は、このような高信頼製品の市場クレーム解析の容易化には向かない。このような高信頼製品の市場クレーム解析の容易化には、従来方式の方が適している。状況に応じて、本発明と従来方式を使い分けることが好適である。
2.第2の実施の形態
2−1.構成
第1の実施の形態では、等価故障fが独立故障となるようにテストポイントが挿入される。一方、第2の実施の形態では、等価故障fが「独立故障ペア」の1要素となるようにテストポイントが挿入される。ここで、独立故障ペアとは、互いに隣接するノードに位置し、且つ、他の故障との等価関係が解消されている1組の等価故障を意味する。すなわち、ある独立故障ペアは、互いに等価な2個の等価故障から構成され、それら2個の等価故障は隣接するノードに位置する。従って、第1の実施の形態では故障箇所が1ノードに絞り込まれるのに対し、第2の実施の形態では故障箇所が2ノードまで絞り込まれる。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る回路設計システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成には同じ符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と比較して、挿入位置探索部30の代わりに、挿入位置探索部30’が設けられている。また、独立故障抽出部40の代わりに、独立故障ペア抽出部40’が設けられている。挿入位置探索部30’は、探索対象等価故障fが独立故障ペアの1要素となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索する。独立故障ペア抽出部40’は、挿入位置G(f)にテストポイントが挿入された際に同時に独立故障ペアの要素となる等価故障fの集合Fs(f)を抽出する。
2−2.処理
図15は、本実施の形態に係るテストポイント挿入処理を要約的に示すフローチャートである。第1の実施の形態と同様の処理に関する説明は、適宜省略される。ステップS1〜S20は、第1の実施の形態と同様である。
ステップS30’:独立故障ペア化に必要なテストポイントの数と挿入位置の探索
挿入位置探索部30’は、既出の図6で示された等価故障fの各々(探索対象等価故障f)に関して、次のような処理を行う。すなわち、挿入位置探索部30’は、探索対象等価故障fが独立故障ペアの1要素となるために必要なテストポイントの挿入位置G(f)を探索する。必要な挿入位置G(f)が決まれば、必要なテストポイントの数n(f)も自動的に決まる。
図16は、決定された挿入位置G(f)及び個数n(f)を示している。例えば、ノードNAでの故障fを考える。この時、論理ゲートを挟んで隣接するノードは、ノードNB及びNCである(図4参照)。それらノードNB、NCに位置し、故障fと等価な関係を有する等価故障fは、故障f、fである。よって、独立故障ペア{f,f}あるいは独立故障ペア{f,f}が得られるようなテストポイントの挿入位置G(f)が探索される。図16に示されるように、例えば位置P3にテストポイントを挿入することによって、故障fとfは独立故障ペアとなる。
また、ノードNDでの故障fを考える。この時、論理ゲートを挟んで隣接するノードは、ノードNEある。そのノードNEに位置し、故障fと等価な関係を有する等価故障fは、故障f10である。よって、独立故障ペア{f,f10}が得られるようなテストポイントの挿入位置G(f)が探索される。図16に示されるように、位置P6、あるいは、位置P5及びP7にテストポイントを挿入することによって、故障fとf10は独立故障ペアとなる。
更に、ノードNFでの故障f11を考える。図16に示されるように、例えば位置P3及びP6にテストポイントを挿入することによって、故障f11とfは独立故障ペアとなる。この場合、位置P3へテストポイントが挿入されるため、上述の独立故障ペア{f,f}も同時に得られる。また、位置P6へテストポイントが挿入されるため、上述の独立故障ペア{f,f10}も得られる。図17は、その状況を概念的に示している。位置P3及びP6にテストポイントが挿入される場合、図17に示されるように、3つの独立故障ペアFs11={f,f}、Fs12={f,f10}、Fs13={f,f11}が得られる。それら独立故障ペアの各々において、各故障は論理ゲートを挟んで隣接しており、また、他の等価故障fとの等価関係が解消されている。
ステップS40’:独立故障ペアとなる等価故障の集合の抽出
次に、独立故障ペア抽出部40’は、挿入位置G(f)にテストポイントが挿入された際に同時に独立故障ペアの1要素となる等価故障fの集合Fs(f)を抽出する。図18には、挿入位置G(k)のパターンのそれぞれに対して求められた集合Fs(k)が示されている。例えば、位置P3及びP6にテストポイントが挿入されるパターンG(1)の場合、3つの独立故障ペアFs11={f,f}、Fs12={f,f10}、Fs13={f,f11}が得られる(図17参照)。すなわち、集合Fs(1)={f,f,f,f,f10,f11}が得られる。
その後の処理(ステップS50〜S80)は、第1の実施の形態と同じである。つまり、故障確率算出部50は、単一縮退故障が発生した場合に当該単一縮退故障が上記集合Fs(k)に含まれる確率p(k)を算出する(式(3)及び(4)、あるいは、式(6)及び(7)参照)。改善効果算出部60は、確率p(k)と上記個数n(k)に基づいて、テストポイント1個あたりの解析容易性改善率e(k)を算出する(式(5)あるいは式(8)参照)。図18には、挿入位置G(k)のパターンのそれぞれに関する総配線長ls(k)、確率p(k)、解析容易性改善率e(k)が示されている。図18から、位置P3及びP6にテストポイントが挿入された場合(k=1)に、最大の解析容易性改善率が得られることが分かる。
2−3.効果
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。すなわち、故障が発生した際に、故障診断により故障候補を2ノードまで絞り込める確率が効率的に向上する。
更に、第2の実施の形態によれば、故障解析が容易化される確率が第1の実施形態よりも高くなる。第1の実施の形態では、故障箇所を1ノード単位で絞り込めるようにテストポイントが挿入される。そのため、特にテストポイント数が少ない場合、一部の回路領域に集中的にテストポイントが挿入され、残りの大多数の領域にはテストポイントが挿入されない。その結果、故障がテストポイント近傍で発生する確率が低くなり、故障解析がテストポイント挿入によって容易化される確率も低くなる可能性がある。これに対し本実施の形態によれば、最低でも1ノード間隔でテストポイントが挿入される。従って、より広い領域にテストポイントが分散され、結果としてテストポイント挿入によって故障解析が容易化される確率が高くなる。但し、本実施の形態では、故障診断のみで故障箇所を1ノードに絞り込むことはできないので、その故障診断の後、故障解析装置を用いることによって故障箇所を特定する必要がある。
尚、本実施の形態において、故障箇所は、2ノードではなく3ノード以上に絞り込まれてもよい。つまり、等価故障fが「独立故障集団」の1要素となるようにテストポイントが挿入されてもよい。ここで、独立故障集団とは、論理ゲートを挟んで互いに隣接するノードに位置し、且つ、他の故障との等価関係が解消されているN個(Nは2以上の整数)の等価故障を意味する。その場合、故障箇所が指定された数Nまで絞り込まれるように、テストポイントが挿入される。但し、絞り込みの分解能が荒くなり過ぎると、故障箇所の特定に要する工数が増大するので、注意が必要である。
3.第3の実施形態
3−1.構成
図19は、本発明の第3の実施の形態に係る回路設計システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成には同じ符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と比較して、独立故障抽出部40が省かれている。また、故障確率算出部50の代わりに、故障確率算出部50’が設けられている。この故障確率算出部50’は、単一縮退故障が発生した場合に当該縮退故障が等価故障fと一致する確率を算出する。そして、算出された確率が、上述の確率p(f)として用いられる。
3−2.処理
図20は、本実施の形態に係るテストポイント挿入処理を要約的に示すフローチャートである。第1の実施の形態と同様の処理に関する説明は、適宜省略される。ステップS1〜S30は、第1の実施の形態と同様である。ステップS40は行われない。
ステップS50’:故障発生確率の算出
故障確率算出部50’は、単一縮退故障が発生した場合に当該縮退故障が等価故障fと一致する確率p(f)を算出する。つまり、故障確率算出部50’は、等価故障fの各々が発生する確率p(f)を算出する。本実施の形態において、確率p(f)は、下記式(9)で与えられる。第1の実施の形態で用いられた式(3)と比較して、集合Fs(f)に含まれる全故障ノードの総配線長ls(f)が、各故障ノードの配線長l(f)に置き換えられている。
Figure 0004936367
図21は、第1の実施の形態で挙げられたものと同じ回路例(図4参照)に対する計算結果を示している。より詳細には、図21には、等価故障fのそれぞれに関する挿入位置G(f)、個数n(f)、配線長l(f)、確率p(f)、解析容易性改善率e(f)が示されている。挿入位置G(f)及び個数n(f)は、既出の図7で示されたものと同じである。配線長l(f)は、各等価故障fのノードの配線長である。総配線長lALLは20である。図21に示されるように、故障fの発生確率p(f)が、17.50%と最も大きい。それは、故障fが発生するノードNCの配線長が最も大きいからである。
ステップS60:解析容易性改善率の算出
次に、改善効果算出部60は、第1の実施の形態と同様に、上記確率p(f)と上記個数n(f)に基づいて、テストポイント1個あたりの解析容易性改善率e(f)を算出する(式(5)参照)。図21から、G(f)の場合に解析容易性改善率e(f)が最も大きくなることがわかる。つまり、図4中の位置P3及びP5のそれぞれに対して2個のテストポイントを挿入した場合に、解析容易性改善率e(f)が最大となる。この結果は、第1の実施の形態における結果と異なっていることに留意されたい。
3−3.効果
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ効果が得られる。すなわち、故障が発生した際に、故障診断により故障候補を1ノードに絞り込める確率が効率的に向上する。更に、第1の実施の形態と比較して、処理が簡略化されるというメリットがある。それは、上述のステップS40が省略されるからである。一方、本実施の形態では、各等価故障fだけの発生確率p(f)が参酌されているため、解析容易性改善率e(f)の算出精度が低下する可能性がある。
4.第4の実施形態
第4の実施の形態は、既出の第1〜第3の実施の形態のいずれかに係る方式と従来方式との組み合わせである。本発明に係る方式は、不良サンプル数が多い場合に特に効果を発揮する。一方、従来方式は、不良サンプル数が少ない場合に効果を発揮する。第4の実施の形態によれば、それら両方の方式を組み合わせることによって、テストポイントの配置が決定される。それにより、不良サンプル数の多少に拘わらず、故障解析を容易化することが可能となる。
図22は、本実施の形態に係るテストポイント挿入処理の一例を示すフローチャートである。まず、本発明に係る方式に基づいて、テストポイントが挿入される(ステップS100)。次に、従来方式に基づいて、テストポイントが挿入される(ステップS200)。引き続きテストポイントを挿入する場合(ステップS300;Yes)、処理はステップS100に戻る。尚、図22に示されたフローでは、本発明に係る方式と従来方式とが1回ずつ交互に実行されるが、組み合わせ方はそれに限られない。実行回数の比率は1:1に限られず、任意の比率で構わない。
5.CADシステム
上記実施の形態に係る回路設計システムは、コンピュータ上で実現される。コンピュータ上での回路設計システム(CADシステム)は、当業者により適宜構成され得る。図23には、そのシステム構成の一例が示されている。図23に示される回路設計システム100は、記憶装置110、演算処理装置120、入力装置130、及び出力装置140を備えている。また、回路設計システム100は、演算処理装置120によって実行されるコンピュータプログラムである回路設計プログラム150を含んでいる。
記憶装置110としてRAMが例示される。記憶装置110は上述の記憶部1に対応しており、この記憶装置110にはネットリストNETやレイアウトデータLAYが格納される。入力装置130としては、キーボードやマウスが例示される。出力装置140としては、ディスプレイが例示される。ユーザは、出力装置140から出力される情報を参照しながら、入力装置130を用いることによってデータの編集やコマンドの入力を行うことができる。
回路設計プログラム150は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている。その回路設計プログラム150は、既出の実施の形態で示された回路設計処理をコンピュータに実行させる。
6.まとめ
本発明によれば、故障が発生した際に故障候補数を少なくとも指定された数まで絞り込める確率が高くなる。その結果、故障解析容易性が向上する。本発明は、例えば、半導体集積回路のうちCMOS論理回路の故障解析容易性を向上させるために用いられる。また、バイポーラ、NMOS、化合物半導体素子等で構成された論理回路の場合にも、本発明を適用することが可能である。更に、本発明は、半導体集積回路以外にも、配線層の多層化が近年著しいプリント配線板の故障解析容易性を向上させるために用いられてもよい。更に、本発明は、光スイッチ素子を用いた光論理回路など、あらゆる種類の論理回路の故障解析容易化に適用され得る。
図1は、本願発明者による先行出願(特願2005−313953)に記載された発明の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る回路設計システムの構成を示すブロック図である。 図3は、第1の実施の形態に係る回路設計方法を示すフローチャートである。 図4は、本発明に係る回路設計処理の説明で用いられる回路例を示す回路図である。 図5は、縮退故障fの一覧を示すテーブルである。 図6は、等価故障群fを示すテーブルである。 図7は、独立故障化に必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を示すテーブルである。 図8は、挿入位置のパターンG(k)のそれぞれに関して、テストポイント挿入により独立故障となる等価故障の集合Fs(k)を示すテーブルである。 図9は、挿入位置のパターンG(k)のそれぞれに関して、集合Fs(k)における故障発生確率p(k)を示すテーブルである。 図10は、挿入位置のパターンG(k)のそれぞれに関して、解析容易性改善率e(k)を示すテーブルである。 図11は、製品回路において単一縮退故障が発生した際の故障候補(等価故障)の数の分布を示すグラフ図である。 図12は、先行出願(特願2005−313953)に記載されたアルゴリズムに基づいたテストポイント挿入による、図11で示された分布の変化を示すグラフ図である。 図13は、本発明に係るアルゴリズムに基づいたテストポイント挿入による、図11で示された分布の変化を示すグラフ図である。 図14は、本発明の第2の実施の形態に係る回路設計システムの構成を示すブロック図である。 図15は、第2の実施の形態に係る回路設計方法を示すフローチャートである。 図16は、独立故障ペア化に必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を示すテーブルである。 図17は、複数の独立故障ペアの一例を示す回路図である。 図18は、挿入位置のパターンG(k)のそれぞれに関して、集合Fs(k)、故障発生確率p(k)、及び解析容易性改善率e(k)を示すテーブルである。 図19は、本発明の第3の実施の形態に係る回路設計システムの構成を示すブロック図である。 図20は、第3の実施の形態に係る回路設計方法を示すフローチャートである。 図21は、等価故障fのそれぞれに関して、挿入位置G(f)、個数n(f)、故障発生確率p(f)、及び解析容易性改善率e(f)を示すテーブルである。 図22は、本発明の第4の実施の形態に係る回路設計方法を示すフローチャートである。 図23は、本発明に係るCADシステムの構成の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 記憶部
2 レイアウト部
3 テストポイント処理部
5 配線長取得部
10 縮退故障抽出部
20 等価故障抽出部
30 挿入位置探索部
30’ 挿入位置探索部
40 独立故障抽出部
40’ 独立故障ペア抽出部
50 故障確率算出部
50’ 故障確率算出部
60 改善効果算出部
70 挿入位置決定部
80 テストポイント挿入部
90 判断部
100 回路設計システム
110 記憶装置
120 演算処理装置
130 入力装置
140 出力装置
150 回路設計プログラム
NET ネットリスト
LAY レイアウトデータ
LEN 配線長データ

Claims (14)

  1. テストポイント挿入(Test Point Insertion)法を用いた回路設計処理をコンピュータに実行させる回路設計プログラムであって、
    前記回路設計処理は、
    (A)回路のネットリストを参照して、前記回路で発生し得る全ての縮退故障から、互いに等価な関係にある複数の等価故障fを抽出するステップと、
    (B)前記複数の等価故障fの各々を探索対象等価故障として、前記探索対象等価故障fと等価な関係となる等価故障の数が所定数となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索するステップと、
    (C)前記回路中に単一縮退故障が発生した場合に当該単一縮退故障が少なくとも前記探索対象等価故障fを含む等価故障の集合に含まれる確率p(f)を算出するステップと、
    (D)前記挿入位置G(f)のパターンのそれぞれに関して、式:e(f)=p(f)/n(f)で与えられるパラメータe(f)を算出するステップと、
    (E)前記算出されたパラメータe(f)のうち最大値が得られる前記挿入位置G(fmax)を、前記テストポイントが挿入される位置として決定するステップと、
    (F)前記決定された挿入位置G(fmax)に対して、前記n(fmax)個のテストポイントをそれぞれ挿入するステップと
    を有する
    回路設計プログラム。
  2. 請求項1に記載の回路設計プログラムであって、
    前記所定数は1であり、
    前記(B)ステップにおいて、前記探索対象等価故障fが独立故障となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)が探索される
    回路設計プログラム。
  3. 請求項2に記載の回路設計プログラムであって、
    前記回路設計処理は、更に、(X)前記探索対象等価故障fに関する前記挿入位置G(f)に前記テストポイントが挿入された際に同時に独立故障となる前記等価故障fの集合Fs(f)を抽出するステップを有し、
    前記(C)ステップにおいて、前記単一縮退故障が前記集合Fs(f)に含まれる確率が、前記確率p(f)として算出される
    回路設計プログラム。
  4. 請求項1に記載の回路設計プログラムであって、
    前記所定数は2以上の整数Nであり、
    N個の等価故障が互いに隣接するノードに位置し、且つ、他の故障との等価関係が解消されている場合、当該N個の等価故障は独立故障集団と参照され、
    前記(B)ステップにおいて、前記探索対象等価故障fが独立故障集団の1要素となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)が探索される
    回路設計プログラム。
  5. 請求項4に記載の回路設計プログラムであって、
    前記回路設計処理は、更に、(Y)前記探索対象等価故障fに関する前記挿入位置G(f)に前記テストポイントが挿入された際に同時に独立故障集団の要素となる前記等価故障fの集合Fs(f)を抽出するステップを有し、
    前記(C)ステップにおいて、前記単一縮退故障が前記集合Fs(f)に含まれる確率が、前記確率p(f)として算出される
    回路設計プログラム。
  6. 請求項4又は5に記載の回路設計プログラムであって、
    前記整数Nは2である
    回路設計プログラム。
  7. 請求項1に記載の回路設計プログラムであって、
    前記(C)ステップにおいて、前記単一縮退故障が前記探索対象等価故障fと一致する確率が、前記確率p(f)として算出される
    回路設計プログラム。
  8. テストポイント挿入(Test Point Insertion)法に基づく回路設計システムであって、
    回路のネットリストが格納される記憶部と、
    前記ネットリストを参照して、前記回路で発生し得る全ての縮退故障から、互いに等価な関係にある複数の等価故障fを抽出する等価故障抽出部と、
    前記複数の等価故障fの各々を探索対象等価故障として、前記探索対象等価故障fと等価な関係となる等価故障の数が所定数となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索する挿入位置探索部と、
    前記回路中に単一縮退故障が発生した場合に当該単一縮退故障が少なくとも前記探索対象等価故障fを含む等価故障の集合に含まれる確率p(f)を算出する故障確率算出部と、
    前記挿入位置G(f)のパターンのそれぞれに関して、式:e(f)=p(f)/n(f)で与えられるパラメータe(f)を算出し、前記算出されたパラメータe(f)のうち最大値が得られる前記挿入位置G(fmax)を探索する判断部と、
    前記挿入位置G(fmax)に前記n(fmax)個のテストポイントをそれぞれ挿入するテストポイント挿入部と
    を備える
    回路設計システム。
  9. 請求項8に記載の回路設計システムであって、
    前記所定数は1であり、
    前記挿入位置探索部は、前記探索対象等価故障fが独立故障となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索する
    回路設計システム。
  10. 請求項9に記載の回路設計システムであって、
    更に、前記探索対象等価故障fに関する前記挿入位置G(f)に前記テストポイントが挿入された際に同時に独立故障となる前記等価故障fの集合Fs(f)を抽出する独立故障抽出部を備え、
    前記故障確率算出部は、前記単一縮退故障が前記集合Fs(f)に含まれる確率を、前記確率p(f)として算出する
    回路設計システム。
  11. 請求項8に記載の回路設計システムであって、
    前記所定数は2以上の整数Nであり、
    N個の等価故障が互いに隣接するノードに位置し、且つ、他の故障との等価関係が解消されている場合、当該N個の等価故障は独立故障集団と参照され、
    前記挿入位置探索部は、前記探索対象等価故障fが独立故障集団の1要素となるために必要なテストポイントの数n(f)と挿入位置G(f)を探索する
    回路設計システム。
  12. 請求項11に記載の回路設計システムであって、
    更に、前記探索対象等価故障fに関する前記挿入位置G(f)に前記テストポイントが挿入された際に同時に独立故障集団の要素となる前記等価故障fの集合Fs(f)を抽出する独立故障集団抽出部を備え、
    前記故障確率算出部は、前記単一縮退故障が前記集合Fs(f)に含まれる確率を、前記確率p(f)として算出する
    回路設計システム。
  13. 請求項11又は12に記載の回路設計システムであって、
    前記整数Nは2である
    回路設計システム。
  14. 請求項8に記載の回路設計システムであって、
    前記故障確率算出部は、前記単一縮退故障が前記探索対象等価故障fと一致する確率を、前記確率p(f)として算出する
    回路設計システム。
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